JP2017507932A - オレフィンを製造する方法および設備 - Google Patents

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Abstract

第1のガス混合物(b)が、水蒸気分解プロセス(1)の手段によって生成され、第2のガス混合物(s)が、含酸素物オレフィン変換プロセス(2)の手段によって生成され、第1のガス混合物(b)および第2のガス混合物(s)は、それぞれ、少なくとも1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有する、オレフィンを生成するための方法(100)が提案される。第1のガス混合物(b)から、第1のガス混合物(b)中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第1の留分(h)が形成され、第2のガス混合物(s)から、第2のガス混合物(s)中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第2の留分(y)が形成され、第2の留分(y)中および前には第2のガス混合物(s)に含有される炭化水素が、水蒸気分解プロセス(1)において、存在するn−ブタンの92%未満が反応する分解条件下に優勢的にかけられることが提案される。本発明は、さらに、この目的のための装置に関する。

Description

本発明は、独立請求項の前もって特徴付けする条項に従ってオレフィンを製造する方法および装置に関する。
エチレンおよびプロピレンなどの短鎖オレフィンは、以下に詳述する、炭化水素を水蒸気分解することによって製造することができる。この種の短鎖オレフィンを得る代替の方法として、いわゆる含酸素物オレフィン変換(oxygenate-to-olefin)(英語では、Oxygenates to Olefins、OTO)方法がある。
含酸素物(oxygenates)とは、飽和炭化水素、特にエーテルおよびアルコールに由来する酸素含有化合物を意味する。含酸素物は、例えば、オクタン価を増加するための燃料添加剤および鉛代替物として使用される(D. バルセロ(Barcelo) (ed.): Fuel Oxygenates、D. バルセロ(Barcelo)およびA.G. コスチアノイ(Kostianoy) (ed.): The Handbook of Environmental Chemistry、5巻、Heidelberg: Springer、2007を参照)。燃料への含酸素物の添加は、とりわけ、エンジン中の燃焼をよりクリーンなものにし、これによって排気を低減する。
対応する含酸素物は、典型的には、エーテルおよびアルコールである。メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)の他に、例えば、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテル(TAEE)、エチルtert−ブチルエーテル(ETBE)およびジイソプロピルエーテル(DIPE)を使用することも可能である。使用してよいアルコールとして、例えば、メタノール、エタノールおよびtert−ブタノール(TBA)が挙げられる。含酸素物には、特に、下記のジメチルエーテル(DME、ジメチルエーテル)も挙げられる。本発明は、言及する燃料添加剤に限定されず、他の含酸素物の使用も同等に適している。
本明細書でも用いられる共通の定義によれば、含酸素物は、酸素原子に共有結合しているアルキル基を少なくとも1つ含む化合物である。少なくとも1つのアルキル基は、最大5個、最大4個または最大3個の炭素原子を含んでよい。特に、本発明の範囲内における対象の含酸素物は、1個または2個の炭素原子を有するアルキル基、具体的にはメチル基を含む。特に、これは、一価アルコールおよびジアルキルエーテル、例えばメタノールおよびジメチルエーテルまたはこれらの対応する混合物である。
含酸素物オレフィン変換方法において、メタノールまたはジメチルエーテルなどの対応する含酸素物を、含酸素物を反応させるのに適した触媒が供給された反応器の反応域に導入する。触媒は、典型的には、分子篩を含有する。触媒の影響下で、含酸素物は、例えば、エチレンおよびプロピレンに変換される。含酸素物オレフィン変換方法において用いられる触媒および反応条件は、基本的に当業者に公知である。
本発明は、含酸素物オレフィン変換方法において、異なる触媒を用いて操作してよい。例えば、ZSM−5もしくはSAPO−34などのゼオライトまたは機能的に同等の物質を使用してもよい。ZSM−5または同等の物質を使用する場合、比較的多量の長鎖(C3プラス)炭化水素および比較的少量の短鎖(C2マイナス)炭化水素が形成される。一方、SAPO−34または同等の物質を使用する場合、相当量の短鎖(C2マイナス)炭化水素も形成される。
対応する反応器が、実際に含酸素物オレフィン変換方法で知られる含酸素物ではなく、オレフィンで充填される場合、特殊形態の含酸素物オレフィン変換プロセスが存在する。技術的観点およびその手順から、このようなプロセスは、使用される成分は別として、狭義で、含酸素物オレフィン変換方法とは何ら変わりない、または若干の違いしかない(J.C. ブリッカー(Bricker)ら: New Catalytic Technologies for the Industrial Production of Ethylene and Propylene in: Science and Technology in Catalysis 2006、Amsterdam: Elsevier、2006を参照)。
したがって、含酸素物オレフィン変換方法とは、以下において、1種以上の上記含酸素物(メタノールおよび/またはジメチルエーテルのみに限定されない)を、触媒変換によって少なくとも部分的に反応させてオレフィンを形成する方法と、対応する反応器を、主にオレフィン供給材料によって充填させる方法との両方を意味する。異なる供給材料で充填され、かつ/または異なる条件下で操作され、かつ/または異なる触媒を用いた複数の反応器を使用することも可能である。
水蒸気分解プロセスおよび含酸素物オレフィン変換方法または対応する分解炉および反応器を含む、炭化水素を生成するための統合された方法および装置は、公知であり、例えば国際公開第2011/057975A2号または米国特許出願第2013/172627A1号に記載されている。
この種の統合された方法は有利であるが、その理由は、典型的には、含酸素物オレフィン変換方法において、所望の短鎖オレフィンのみが形成されるわけではないからである。かなりの割合の含酸素物がパラフィンおよびC4プラスオレフィン(名称については以下を参照)に変換される。同時に、水蒸気分解において、炉供給材料全てが短鎖オレフィンに分解するわけではない。今のところまだ未反応のパラフィンが、対応する分解炉の分解ガス中に存在し得る。その上、ブタジエンなどのジオレフィンを含めたC4プラスオレフィンが、典型的には、ここで見出される。得られた化合物は、どちらの場合にも、使用する供給材料および反応条件に依存する。
国際公開第2011/057975A2号または米国特許公開第2013/172627A1号で提案される方法において、分解炉の分解ガスおよび含酸素物オレフィン変換反応器からのオフストリーム(off stream)を共同分離ユニット(joint separating unit)で合わせ、分留する。C4留分を、例えば水素化またはブタジエンの分離の後に、さらなる水蒸気分解および/または含酸素物オレフィン変換プロセスにかけてもよい。C4留分を、大部分がオレフィンの部分留分と大部分がパラフィンの部分留分とに分離してもよい。
国際特許出願公開第2011/057975号パンフレット 米国特許出願公開第2013/172627号公報
D. バルセロ(Barcelo) (ed.): Fuel Oxygenates、D. バルセロ(Barcelo)およびA.G. コスチアノイ(Kostianoy) (ed.): The Handbook of Environmental Chemistry、5巻、Heidelberg: Springer、2007 J.C. ブリッカー(Bricker)ら: New Catalytic Technologies for the Industrial Production of Ethylene and Propylene in: Science and Technology in Catalysis 2006、Amsterdam: Elsevier、2006
しかし、このC4留分中に含有する化合物の利用および所望の標的化合物の形成は、記載の方法において常に満足できるものだとは判明されていない。さらに、大部分がオレフィンの部分留分と大部分がパラフィンの部分留分とに分離することは、極めて困難である。
この背景に対し、本発明は、独立請求項の特徴を有するオレフィンを生成するための方法および装置を提案する。好ましい実施形態は、従属請求項の主題および以下の記述である。
本発明の一実施形態によるオレフィンを生成する方法の工程を示す図である。
本発明の特徴および利点を説明する前に、その基本原理および用いられる専門用語を説明する。
従来のやり方における炭化水素混合物または炭化水素留分の、本出願の範囲内で用いられる略語は、優勢的にまたは排他的に得られた化合物の炭素数に基づく。したがって、C1留分は、メタンを優勢的にまたは排他的に含有する(しかし、慣例により水素も含有する場合もあり、その場合は「C1マイナス留分」とも呼ばれる)留分である。一方、C2留分は、エタン、エチレンおよび/またはアセチレンを優勢的にまたは排他的に含有する。C3留分は、プロパン、プロピレン、メチルアセチレンおよび/またはプロパジエンを優勢的に含有する。C4留分は、ブタン、ブテン、ブタジエンおよび/またはブチンを優勢的にまたは排他的に含有するが、C4留分源に応じて各異性体が異なる量で存在し得る。C5以上の留分も同様である。いくつかの該留分を一プロセスに合わせてもよく、かつ/またはひとまとめにしてもよい。例えば、C2プラス留分は、2個以上の炭素原子を有する炭化水素を優勢的にまたは排他的に含有し、C2マイナス留分は、1個または2個の炭素原子および水素を有する炭化水素を優勢的にまたは排他的に含有する。
炭化水素を水蒸気分解する方法および装置は公知であり、例えば記事「Ethylene」、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、2007年4月15日からオンライン、DOI 10.1002/14356007.a10_045.pub2に記載されている。
水蒸気分解プロセスは、商業規模で、主に、反応管、いわゆるコイルが、同一または異なる分解条件下で個別にまたは一組で操作され得る管型反応器内で実施される。同一または同様の分解条件下で操作される反応管または反応管セットおよびまた場合により一様の分解条件下で操作される管型反応器を、それぞれ、以下「分解炉」と呼ぶ。したがって、本明細書で用いる用語における分解炉は、炉供給材料を同一または同様の分解条件に曝露させる水蒸気分解に使用される構造ユニットである。水蒸気分解装置は、1つ以上の分解炉を含み得る。
炉全体は、場合により、2つ以上の分解炉に細分してもよい。その場合、これらは、多くの場合、炉セルと呼ばれる。1つの全体の炉に属する複数の炉セルは、一般に、互いに独立した放射帯および共通対流帯ならびに共通排煙を有する。こうした場合において、各炉セルは、独自の分解条件で操作され得る。したがって、各炉セルは、炉供給材料を同一または同様の分解条件に曝露させる水蒸気分解に使用される構造ユニットであり、したがって、本明細書において分解炉と呼ばれる。それで、炉は全体として、複数の対応するユニット、または、違った言い方をすれば、複数の分解炉を含む。炉セルが1つしかない場合、これが分解ユニットであり、すなわち分解炉である。例えば同じ炉供給材料が供給される分解炉は、ひとまとめに合わせてもよい。炉グループ内の分解条件は、一般に、同一または同様に設定される。
ごく最近の水蒸気分解の方法および装置では、特に、いわゆるプロピレンまたはブタジエンなどの高価な製品を比較的多量に生成できるため、軽度の分解条件の使用が増加している(以下参照)。
本明細書の用語「炉供給材料」は、1つ以上の分解炉に供給される、1つ以上の液状および/またはガス状のストリームを意味する。以下に説明するように、対応する水蒸気分解プロセスから得られるストリームは、1つ以上の分解炉中へリサイクルさせて炉供給材料として再利用することも可能である。好適な炉供給材料として、エタンから典型的には最高600度の沸点に達するガス油由来の多数の炭化水素および炭化水素混合物が挙げられる。
炉供給材料は、いわゆる「未加工の供給材料」、すなわち装置外で調製される供給材料からなってよく、例えば1種以上の石油留分、石油ガスおよび/または石油ガス凝縮液から得られる。炉供給材料は、1つ以上の、いわゆる「リサイクルストリーム」、すなわち装置自体の中で生成され、対応する分解炉中へリサイクルされるストリームからも構成され得る。炉供給材料は、1種以上の未加工の供給材料と1つ以上のリサイクルストリームとの混合物からも構成され得る。
炉供給材料は、分解炉中で少なくとも部分的に反応し、いわゆる「粗ガス」として残留し、これは後処理工程にかけることができる。これらは、まず第一に、いわゆる「分解ガス」を得るための、例えば失活、圧縮、液化、冷却および乾燥による粗ガスの処理を包含する。粗ガスは、場合により、分解ガスとも呼ばれる。
上記の分解炉中の「分解条件(cracking condition)」は、とりわけ、異なる量の水蒸気の添加および分解炉中で選択される圧力によって影響され得る炉供給材料の分圧、分解炉中の滞留時間ならびにその中で使用される温度および温度プロフィールを包含する。炉の形状および構成もある程度関わる。エチレンを生成するために、分解炉は、典型的には、500〜680℃の炉入口温度および775〜875℃の炉出口温度で操作する。「炉出口温度」は、1つ以上の反応管の端部のガスストリーム温度である。典型的には、これは、対象のガスストリームを加熱して得られる最高温度である。使用する圧力も、1つ以上の反応管の端部で測定され、典型的には165〜225kPaである。水蒸気は、典型的には乾燥供給材料1kg当たり水蒸気0.25〜0.85kgの比率で炉供給材料と混合される。使用する値は、使用する炉供給材料および所望の分解生成物によって決まる。
言及した値が互いに少なくとも部分的に影響することから、用語「分解過酷度(cracking severity)」が、分解条件を特徴付けるために採用されてきた。液状炉供給材料、すなわち長鎖炭化水素の場合、分解過酷度は、重量(kg/kg)を基準にして、分解ガス中のプロピレンとエチレンの比(P/E)、またはメタンとプロピレンの比(M/P)によって説明できる。P/E比およびM/P比は、温度に直接左右されるが、分解炉中またはその出口における実温度とは異なり、この温度はより正確に測定することができ、例えば調節過程における制御変数として使用され得る。
ガス状炉供給材料の場合、炉供給材料の特定の成分の反応または変換が、分解過酷度の指標として指定され得る。特に、本ケースにおいて使用するC4留分またはC4部分ストリームでは、n−ブタンなどの鍵となる成分の反応によって分解過酷度を説明するのに有用であり、当技術分野において通常である。
対応する留分中のn−ブタンが92%超反応する場合、分解過酷度または分解条件は「重度」である。さらにより重度の分解条件下では、n−ブタンは、任意選択により93%、94%または95%超反応する。典型的には、n−ブタンの反応は100%未満である。したがって、「重度の」分解過酷度または分解条件の上限は、例えば、99%、98%、97%または96%のn−ブタンの反応である。一方、n−ブタンが92%未満しか反応しない場合、分解過酷度または分解条件は「軽度」である。n−ブタンの反応が91%未満、90%未満、89%未満、88%未満または87%未満で、さらにより軽度の分解過酷度または分解条件が存在する。n−ブタンの反応が86%未満で、分解過酷度または分解条件は「非常に軽度」と呼ばれる。非常に軽度の分解過酷度または分解条件には、例えば、85%、80%または70%未満から50%または60%超のn−ブタンの反応も包含される。
上記の分解過酷度または分解条件は、特に、上記の、使用する1つ以上の反応管または分解炉の端部の炉出口温度と関連する。この温度が高いほど、分解過酷度または分解条件は、より「重度」になり、温度が低いほど、より「軽度」になる。
他の成分の反応が必ずしもn−ブタンの反応と同じである必要はないことも理解すべきである。しかし、鍵となる成分、この場合n−ブタンの反応率は、炉出口温度および供給原料中の他の成分の各反応率と関連する。ひいては、この炉出口温度は、とりわけ分解炉によって決まる。各反応率間の差異は、他の数々の要因に依存する。
(本発明の利点)
本発明は、第1のガス混合物が水蒸気分解プロセスによって得られ、第2のガス混合物が、含酸素物オレフィン変換プロセスによって生成され、第1のガス混合物および第2のガス混合物が、それぞれ少なくとも1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有する、オレフィンを得るための公知の方法から開始する。第1および/または第2のガス混合物は、4個超の炭素原子および/または水素を有する炭化水素、ならびに水蒸気分解プロセスおよび/または含酸素物オレフィン変換プロセスにおいて反応しなかった成分を含めた他の化合物も含有し得る。しかし、本発明の範囲内において、第1および第2のガス混合物は、例えば、上記の国際公開第2011/057975A2号および/または米国特許出願第2013/172627A1号から公知である共同分離プロセスに完全にはかけられない。
むしろ、本発明では、第1の留分は、第1のガス混合物(水蒸気分解法によって生成される)から形成され、第1のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素を少なくとも大部分含有し、第2の留分は、第2のガス混合物(含酸素物オレフィン変換プロセスによって生成される)から形成され、第2のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素を少なくとも大部分含有する。したがって、2種のガス混合物の分離は、互いから少なくとも部分的に切り離して実施され、第1および第2のガス混合物の組成が異なる場合、これらから得られる生成物を制御された仕方で別々に処理できるという利点がある。
「大部分」とは、本出願の範囲内において、少なくとも75%、80%、85%、90%、99%以上の比率を意味する。
本発明の範囲内において、C4および任意選択の第2のガス混合物由来の長鎖炭化水素は、任意のさらなる処理、すなわち分離または化学反応をせずに、水蒸気分解プロセス中へリサイクルさせてもよく、そこで軽度の分解条件にかけられる。
本発明によれば、水蒸気分解プロセスにおいて、第2の留分中および前には第2のガス混合物中に含有される炭化水素が、特に有利には、第2の留分中に含有されるn−ブタンの92%未満が反応する分解条件に優勢的にかけられることが判明した。
言い換えれば、第2のガス混合物、すなわち含酸素物オレフィン変換プロセスの生成物ストリーム中に含有される4個または任意選択によりそれを超える炭素原子を有する炭化水素は、好ましくは軽度の分解条件下で分解されるが、他の炭化水素、特に第1のガス混合物由来のもの(すなわち、水蒸気分解プロセスからのもの)は好ましくは分解されない。以下でも詳述する通り、第2の留分は、有利には、1〜3個の炭素原子を有する炭化水素が少ない。したがってモル、重量または体積を基準にして、最大20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%または0.001%のみの量で1〜3個の炭素原子を有する炭化水素を含有する。
したがって、本発明の範囲内において、上記の軽度または非常に軽度の分解条件の特定の利点を得るように、これに特に好適であり、特に第2のガス混合物中に見られる、炭化水素の軽度のまたはさらに非常に軽度の分解を実施することが可能である。特に、第2のガス混合物は、比較的高比率のブテンを含有し、これは軽度の分解条件下で反応して、高価な生成物ブタジエンを生成することができる。
本発明は、特に第2のガス混合物中に存在する炭化水素のこの選択的処理の実施を特に簡易にする。例えば米国特許出願第2013/0172627A1号とは異なり、合わされた留分を予め苦労して分離させる必要はない。この目的のための抽出蒸留用などの追加の媒体や比較的複雑な器具も必要としない。
組成が異なる少なくとも2つのストリームのこの別々の処理は、水蒸気分解プロセスおよび含酸素物オレフィン変換プロセスからの上記の一体型装置(組み合わせた装置)によって生成される生成物のより効率的な処理を実施することを可能にする。
第2の留分中および前には第2のガス混合物中に含有される炭化水素が、水蒸気分解プロセスにかけられる分解条件は、好ましくは軽度から非常に軽度である。水蒸気分解において反応して不要な生成物を生成し、例えばそれによって、後続する分離または水蒸気分解プロセス自体を阻害し得る妨害成分がないために、これは可能である。
例えば、かなりの量のジオレフィンが、軽度の分解条件にかけられる分解炉供給原料中に存在する場合、固体の集約形成および重合ならびに関連のいわゆる付着物が水蒸気分解プロセスおよび後続の加工においてあり得る。本発明の範囲内では、これが当てはまらず、一例を挙げると、反応方法の違いのために、第2のガス混合物、すなわちジオレフィンは、第1のガス混合物および第1の留分に比べて、第2の留分中で有意に少ない。後続のジオレフィンの分離は顕著に困難であり、例えば蒸留によってなんとか可能になるに過ぎない。
第2の留分中およびその前には第2のガス混合物中に含有される炭化水素が水蒸気分解プロセスにかけられる分解条件は、存在するn−ブタンの91%、90%、89%、88%、87%、85%、80%または75%未満から50%または60%超が反応することを意味する。軽度の分解条件のさらなる特徴および利点については、上記の定義を参照されたい。
本ケースでは、n−ブタンに関連して分解条件を引用することが特に適切であるが、その理由は、これが第2の留分中に存在し、検出しやすく、分解過酷度の指標としてのその使用が当技術分野において認められているためである(例えば、上記の記事「Ethylene」、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistryを参照)。普通に使用される鍵となる成分は、少量で存在し得るが、本ケースでは変換がされる。
第2の留分中にも存在し得るイソブタンならびに長鎖分枝化合物が、軽度の分解において容易に含まれ得ることが判明した。本発明の利点、すなわち標的とされる高価な生成物の形成および複雑な分離ユニットが必要ないという事実、ならびに特にジオレフィンの不在は、明確に優勢である。
ジオレフィンが除去される場合、第1の留分中に存在するまたはそこから形成される炭化水素も、水蒸気分解プロセスに少なくとも部分的にかけられてよい。しかし、軽度の分解条件とは対照的に、重度のまたは少なくとも普通の分解条件を用いて、これらの炭化水素を処理することが好ましい。
ここでも、鍵となる成分n−ブタンによって分解条件を選択することが有利であることが証明されている。第1の留分を処理する上で有利な分解条件は、例えば、存在するn−ブタンの92%、93%、94%または95%超を反応させるものである。
第1の留分中に存在する他の炭化水素から形成される炭化水素は、例えば、水素化された、または公知の方法によって他の様式で構造的に変化された化合物であってよい。言い換えれば、例えば対応する水蒸気分解プロセスにおいて特に有利に処理できる化合物に到達するように、第1の留分中に含有される炭化水素を1つ以上の工程で反応することが可能である。
第1および/または第2のガス混合物由来のエタンおよびプロパンも、例えば、いわゆるガス分解器、すなわちC2およびC3炭化水素を分解するように設計された分解炉中で水蒸気分解することによって反応させてよい。またしても、異なる分解条件を用いてもよい。
第2のガス混合物および/もしくは第2の留分中に含有される、またはこれらから形成される含酸素物を少なくとも部分的に、含酸素物オレフィン変換プロセスにかけることも可能である。対応する含酸素物も、含酸素物オレフィン変換プロセス中にリサイクルさせることができる。
その上、第2のガス混合物中には含有されるが、第2の留分中には含有されていない、またはこれらから形成される炭化水素を少なくとも部分的に、水蒸気分解プロセスにかけることも可能である。これも、異なる分解条件下で実施してよい。
本発明は、記載の実施形態において、所望の生成物に適用され得るプロセスを選択的に行うことを可能にし、それにより公知の方法と比べて特にフレキシブルであることが証明される。
本発明による方法の範囲内において、異なる分解条件下で操作する少なくとも2つまたは3つの分解炉または炉セルを使用することが有利である。上記の軽度の分解条件下で操作し、上記の第2の留分、すなわち第2のガス混合物中に含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の圧倒的大部分を含有する留分で充填され、含酸素物オレフィン変換プロセスから来る、少なくとも1つの分解炉が設けられる。
既に記述したように、この第1の留分は、好ましくは、3個以下の炭素原子を有する炭化水素が少ない。したがって、第2の留分は、例えば脱プロパン塔または対応する分離シーケンスを使用して、第2のガス混合物中に前から含有されていた最大3個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を分離することによって、第2のガス混合物から形成される。
第2のガス混合物から分離した1個、2個および/または3個の炭素原子を有する炭化水素を、少なくとも部分的に、第1のガス混合物および/または第1のガス混合物から形成される少なくとも1つの留分と合わせて、少なくとも1つの合わされたストリームを形成することが可能である。したがって、言い換えれば、軽度の分解のために意図された炭化水素を第2のガス混合物から分離した後、残った残留物を第1のガス混合物または対応する留分と合わせることができる。
合わされたストリームから少なくとも2つのさらなる留分を形成すること、すなわち合わされたストリームを共同分離にかけることが特に有利である。したがって、軽度の分解のために意図された第2のガス混合物の炭化水素を分離した後、無駄に資源を利用することなく単純な共同分離を実施することができる。
水蒸気分解法が、未加工の供給材料なしで完全に操作する場合、すなわち、第1のガス混合物中および/もしくは第2のガス混合物中に含有される、またはこれらから形成される炭化水素のみを、水蒸気分解プロセスにかける場合、本発明による方法も有利である。したがって、このようなプロセスには、含酸素供給材料のみを必要とし、水蒸気分解プロセスのために特別な未加工の分離供給材料を供給する必要がない。
本発明は、オレフィンを得るための装置にも関する。このような装置は、水蒸気分解プロセスによって第1のガス混合物を生成し、含酸素物オレフィン変換プロセスによって第2のガス混合物を生成し、その結果、第1のガス混合物および第2のガス混合物が、それぞれ、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有するように設計された手段を含む。
本発明によれば、第1のガス混合物から、第1のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第1の留分を形成し、第2のガス混合物から、第2のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第2の留分を形成し、水蒸気分解プロセスにおいて、第2の留分中および前には第2のガス混合物中に含有される炭化水素を、優勢的に、存在するn−ブタンの92%未満が反応する分解条件にかけるように設計される手段がさらに提供される。
この種の装置は、有利には、前述した方法を実行するように設計された手段をすべて含む。したがって、装置は、上記の利点から恩恵を受け、本明細書において明確な参照を挙げることができる。特に、対応する装置は、異なる分解条件下での操作向けに設計された2つまたは3つの分解炉を備える。
本発明を、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照して、さらに詳しく記述していく。
図1は、本発明の一実施形態による方法をフローチャートの形態で概略的に示す。本方法全体を100と指定する。
方法100は、水蒸気分解法1と含酸素物オレフィン変換プロセス2を同時進行で実施することを含む。方法100が実施される装置は、対応する手段、すなわち、この場合は、複数の分解炉および少なくとも1つの含酸素物オレフィン変換反応器、を含む。
示される実施形態において、水蒸気分解プロセス1は、異なる分解条件下で操作される複数の分解炉に供給され得る複数の供給ストリームを使用して操作する。示される実施形態において、3つの分解炉1a、1bおよび1cを示す。例えば、分解炉1aは、重度のまたは正常の分解条件下で操作され、ストリームa、例えば未加工の供給原料および/またはリサイクルストリームをこの炉に供給する。「a」で例示されるストリームは、複数のストリームから形成され得る。既に説明したように、本発明による方法は、水蒸気分解プロセス1におけるリサイクルストリームの排他的な使用も含んでよい。リサイクルストリームは、例えば、エタンおよび/もしくはプロパンストリームならびに/または4〜8個の炭素原子を有する炭化水素(オレフィンおよびパラフィン)のストリームであってよい。未加工の供給原料は、ガスおよび/または液体形態で、例えば天然ガスおよび/またはナフサの形態で供給されてよい。
示される実施形態において、分解炉1bは、軽度の分解条件下で操作され、少なくとも1つのストリームyを供給される。ストリームyは、含酸素物オレフィン変換プロセス2によって形成されるガス混合物sの留分(本明細書では、第2の留分または第2のガス混合物として指定される)として生成される。ストリームyは、少なくとも、第2のガス混合物s中に含有される4個の炭素原子を有する炭化水素、またさらに任意選択の長鎖炭化水素(下記参照)を含有する。本発明の中心は、これら、好ましくは分解炉1b中で軽度に分解するこれらの炭化水素のみのリサイクルである。
その上、示される実施形態において、いわゆるガス分解器と呼ばれ、本明細書に示すような、エタンC2H6などの好適な供給原料ストリームを供給され得る、別の分解炉1cを示す。他のガス状供給材料も好適である。分解炉1cは、分解炉1aおよび1bと比べて、ここでも異なる分解条件下で操作され得る。
水蒸気分解プロセス1を用いて、本明細書で第1のガス混合物と呼ばれ、1つ以上の調製工程にかけることができるガス混合物bが包括的に得られる。示される実施形態において、例えば、油の分別および/または失活が工程3において実施される。プロセス蒸気を生成することができ、これは水蒸気分解プロセス1中にリサイクルさせることができる(図示せず)。
工程3で得られるガスストリームcを、工程4において、例えば圧縮にかけ、プレ冷却し、乾燥する。このような工程4はまた、酸性ガスの除去5で補完され得、対応するストリームdを形成する。酸性ガスの除去5において、ガスストリームは、2つの圧縮段階間の工程4から例えば酸性ガス除去5に分流し、後にフィードバックする。
例えば、工程4では、以下に説明するように、含酸素物オレフィン変換プロセス2の対応する第2のガス混合物sから形成されるC3マイナスストリームeを使用してもよい。ストリームcと含酸素物オレフィン変換プロセス2からのC3マイナスストリームeの共同使用の結果として、対応する前処理のみ1回だけ実施される必要があり、比較的少量の、含酸素物オレフィン変換プロセス2からのC3マイナス炭化水素では、別々に再度行う必要がない。しかし、これは任意選択によるものである。
示される実施形態において、工程4から得られるストリームf、特に圧縮し、部分的に液化し、乾燥したものは、分離供給原料として、工程6で脱エタン塔にかけて、C2マイナス留分gおよびC3プラス留分hを得る。C3プラス留分hのさらなる処理は、以下に説明する。C2マイナス留分gを、例えば、工程7の水素化にかけて、アセチレンを水素化して特にエチレンを形成する。
次いで、この方法でさらに処理したストリームiを、例えば工程8の脱メタン塔にかけて、メタンCH4および水素H2を分離除去する。メタンおよび水素からこうして遊離したストリームkは、本質的には依然として2個の炭素原子を有する炭化水素を含有するが、工程9のC2分離(例えば、いわゆるC2スプリッター中で)にかけて、本質的にエチレンC2H4およびエタンC2H6が形成される。生成物として方法100からエチレンC2H4を取り出し、エタンC2H6を、例えば水蒸気分解プロセス1にリサイクルさせてもよい(ガス分解器1cを参照)。これに応じてプロセスが設計される場合、本発明による方法100は、水蒸気分解プロセス1において、リサイクルされたストリームでのみ操作可能である。
工程6の脱エタン塔からのC3プラスストリームhを、工程10の脱プロパン塔にかける。工程10の脱プロパン塔では、C3留分mが形成され、これは1つ以上のさらなる工程段階で仕上げることができる。例えば、C3留分mを工程11の水素化にかけ、存在するメチルアセチレンおよびプロパジエンを反応させてプロピレンを形成する。こうして処理したストリームを、ここではnと呼び、これを例えばC3分離工程12にかけて、本質的にプロピレンC3H6およびプロパンC3H8を形成する。次いで、プロピレンC3H6を生成物として対応する方法100から取り出し、プロパンC3H8を水蒸気分解プロセス1、例えばガス分解器1cにリサイクルさせてよい。
工程10の脱プロパン塔でも形成されるC4プラス留分oを、例えば、工程13の水素化において、完全または部分的な水素化にかける。得られたストリームpを脱オクタン工程14に供給し、本質的にC4〜C8ストリームおよびC9プラスストリーム(短縮名称なし)を形成する。対応するストリームが生成される場合、含酸素物オレフィン変換プロセス2において形成される第2のガス混合物から生成されるC5プラスストリームqも、脱オクタン工程14に供給されてよい。C9プラスストリームは、プロセス100から除去されるが、一方でC4〜C8ストリームは、水蒸気分解プロセス1に戻してリサイクルすることができる。
含酸素物オレフィン変換プロセス2は、特に、例えばメタノールおよび他の含酸素物ではなく、ジメチルエーテルを反応させるように設計されており、さらに部分的にまたは排他的にオレフィン炭化水素も反応され得る。対応する含酸素物は、ストリームrとして1つ以上の反応器に供給され、反応して、オレフィンを含有するガス混合物s(本明細書では第2のガス混合物と呼ぶ)を形成する。第2のガス混合物sは、少なくともまたは主に、1〜5個の炭素原子を有する炭化水素を含有し、例えば水焼き入れおよび含酸素物の除去を行う後処理工程15にかけられる。こうして得られた水はストリームtとして引き抜かれて排水され、含酸素物から遊離したストリームuは、後に記述する工程16に供給される。回収した含酸素物はすべて、ストリームvとして、含酸素物オレフィン変換プロセス2中へリサイクルされてよい。
既に記述した工程16において、ストリームuは圧縮され、任意選択によりプレ冷却される。既に上述したように、ストリームuの凝縮性成分を凝縮する。得られた任意の凝縮物を、任意選択により乾燥し、液体ストリームwとして脱プロパン塔の工程17にかけ、C3マイナス留分xおよびC4プラス留分yが、ストリームwから形成される。C4プラス留分yは、含酸素物オレフィン変換プロセス2において、対応する触媒を使用するとき(上記参照)、例えば、比較的少量の、5個以上の炭素原子を有する炭化水素を含有する。しかし、必要に応じて、上記のストリームqの対応する長鎖炭化水素を分離排出するために、分離工程18を設けてもよい。後者は、上記の通りにさらに処理してもよい。C4プラスまたはC4ストリームであるストリームyは、同様に前述したように、水蒸気分解プロセス1中へリサイクルされ、分解炉1b中の穏やかな条件下で分解される。
図1に例示する、本発明による方法の実施形態が、脱プロパン塔17を使用して操作されるのに対して、本発明は、脱エタン塔による分離順を利用して同じやり方で実施することもできる。要は、C4プラスまたはC4ストリームは、第2のガス混合物またはストリームsから形成され、水蒸気分解プロセス1中へリサイクルされ、その中の穏やかな条件下で分解されるということである。
C3マイナスストリームxは、凝縮工程16において凝縮できない成分からなるストリームzと合わせ、含酸素物除去工程19にかけてもよい。含酸素物除去工程19において分離排出された含酸素ストリーム(図示せず)を、ストリームvと合わせ、再度、含酸素物オレフィン変換プロセス2にかけてよい。含酸素物から遊離されたC3マイナスストリーム、すなわち前述のストリームeを、後続して、前述の処理工程4にかけてよい。しかし、これは任意選択による。
(本発明の利点)
本発明は、異なる分解条件で操作される少なくとも2つの水蒸気分解炉を使用して、第1のガス混合物が水蒸気分解プロセスによって得られ、第2のガス混合物が、含酸素物オレフィン変換プロセスによって生成され、第1のガス混合物および第2のガス混合物が、それぞれ少なくとも1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有する、オレフィンを得るための公知の方法から開始する。第1および/または第2のガス混合物は、4個超の炭素原子および/または水素を有する炭化水素、ならびに水蒸気分解プロセスおよび/または含酸素物オレフィン変換プロセスにおいて反応しなかった成分を含めた他の化合物も含有し得る。しかし、本発明の範囲内において、第1および第2のガス混合物は、例えば、上記の国際公開第2011/057975A2号および/または米国特許出願第2013/172627A1号から公知である共同分離プロセスに完全にはかけられない。
本発明の範囲内において、C4および任意選択の第2のガス混合物由来の長鎖炭化水素は、任意のさらなる処理、すなわち分離および化学反応をせずに、水蒸気分解プロセス中へ供給され、そこで軽度の分解条件にかけられる。
言い換えれば、第2のガス混合物、すなわち含酸素物オレフィン変換プロセスの生成物ストリーム中に含有される4個または任意選択によりそれを超える炭素原子を有する炭化水素は、軽度の分解条件下で分解されるが、他の炭化水素、すなわち第1のガス混合物由来のもの(すなわち、水蒸気分解プロセスからのもの)は分解されない。以下でも詳述する通り、第2の留分は、1〜3個の炭素原子を有する炭化水素が少ない。したがってモル、重量または体積を基準にして、最大20%、とりわけ最大10%、5%、1%、0.1%、0.01%または0.001%のみの量で1〜3個の炭素原子を有する炭化水素を含有する。
ここでも、鍵となる成分n−ブタンによって分解条件を選択することが有利であることが証明されている。第1の留分を処理するに当たり、存在するn−ブタンの92%とりわけ93%、94%または95%超を反応させる分解条件を用いる
本発明による方法の範囲内において、異なる分解条件下で操作する少なくとも2つまたは3つの分解炉または炉セルを使用する。上記の軽度の分解条件下で操作し、上記の第2の留分、すなわち第2のガス混合物中に含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の圧倒的大部分を含有する留分で充填され、含酸素物オレフィン変換プロセスから来る、少なくとも1つの分解炉が設けられる。
レフィンを得るための装置は、水蒸気分解プロセスによって第1のガス混合物を生成し、含酸素物オレフィン変換プロセスによって第2のガス混合物を生成し、その結果、第1のガス混合物および第2のガス混合物が、それぞれ、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有するように設計された手段を含む。
1のガス混合物から、第1のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第1の留分を形成し、第2のガス混合物から、第2のガス混合物中に前から含有される4個の炭素原子を有する炭化水素の少なくとも大部分を含有する第2の留分を形成し、水蒸気分解プロセスにおいて、第2の留分中および前には第2のガス混合物中に含有される炭化水素を、優勢的に、存在するn−ブタンの92%未満が反応する分解条件にかけるように設計される手段がさらに提供される。

Claims (16)

  1. 第1のガス混合物(b)が水蒸気分解プロセス(1)の手段によって生成され、第2のガス混合物(s)が、含酸素物オレフィン変換プロセス(2)の手段によって生成され、前記第1のガス混合物(b)および前記第2のガス混合物(s)が、少なくとも、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を含有する、オレフィンを得る方法(100)であって、
    前記第1のガス混合物(b)から、前記第1のガス混合物(b)中に前から含有される4個の炭素原子を有する前記炭化水素の少なくとも大部分を含有する第1の留分(h)が形成され、
    前記第2のガス混合物(s)から、前記第2のガス混合物(s)中に前から含有される4個の炭素原子を有する前記炭化水素の少なくとも大部分を含有する第2の留分(y)が形成され、
    前記第2の留分(y)中および前には前記第2のガス混合物(s)中に含有される前記炭化水素が、前記水蒸気分解プロセス(1)において、存在するn−ブタンの92%未満が反応する分解条件に優勢的にかけられること
    を特徴とする、方法(100)。
  2. 請求項1に記載の方法(100)であって、前記第2の留分(y)中およびその前には前記第2のガス混合物(s)中に含有される前記炭化水素が、前記水蒸気分解プロセス(1)においてかけられる前記分解条件下において、前記存在するn−ブタンの91%、90%、89%、88%、87%、85%、80%または75%未満から50%または60%超が反応することを特徴とする、方法(100)。
  3. 請求項1または2に記載の方法(100)であって、前記第1の留分(h)中に存在するまたはそれから形成される、いずれの炭化水素も、少なくとも部分的に前記水蒸気分解プロセス(1)にかけられることを特徴とする、方法(100)。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(100)であって、前記第2のガス混合物(s)中に含有されるまたはそれから形成される含酸素物が、少なくとも部分的に、前記含酸素物オレフィン変換プロセス(1)にかけられることを特徴とする、方法(100)。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の方法(100)であって、前記第2のガス混合物中に前から含有されるが、前記第2の留分(y)には含有されないまたはそれらから形成される炭化水素が、少なくとも部分的に前記水蒸気分解プロセス(1)にかけられることを特徴とする、方法(100)。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の方法(100)であって、前記水蒸気分解プロセスが、異なる分解条件下で操作される少なくとも2つの分解炉(1a〜1c)を使用して実施されることを特徴とする、方法(100)。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法(100)であって、前記含酸素物オレフィン変換プロセス(2)が、特に、前記第1および/または第2のガス混合物(b、s)中に存在しない少なくとも1種のオレフィンを使用して部分的にまたは排他的に実施されることを特徴とする、方法(100)。
  8. 請求項7に記載の方法(100)であって、前記含酸素物オレフィン変換プロセス(2)が、異なる条件下で操作される少なくとも2つの反応器を使用して実施されることを特徴とする、方法(100)。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法(100)であって、前記第2の留分(y)が、1〜3個の炭素原子を有する炭化水素が少ないように、前記第2のガス混合物(b)から形成されることを特徴とする、方法(100)。
  10. 請求項9に記載の方法(100)であって、前記第2の留分(y)が、前記第2のガス混合物(s)中に前から含有されていた、最大3個の炭素原子を有する前記炭化水素の少なくとも大部分を分離することによって、前記第2のガス混合物(s)から形成されることを特徴とする、方法(100)。
  11. 請求項10に記載の方法(100)であって、前記第2のガス混合物(s)から分離された、1個、2個および/または3個の炭素原子を有する炭化水素が、前記第1のガス混合物(b)および/または前記第1のガス混合物(b)から形成される少なくとも1つの留分と少なくとも部分的に合わされ、少なくとも1つの合わされたストリームを形成することを特徴とする、方法(100)。
  12. 請求項11に記載の方法であって、少なくとも2つのさらなる留分が、前記合わされたストリームから形成されることを特徴とする、方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1項の記載の方法であって、前記第1のガス混合物(b)および/もしくは前記第2のガス混合物(s)中に含有される、またはそれらから形成される炭化水素のみが、前記水蒸気分解プロセス(1)にかけられることを特徴とする、方法。
  14. 水蒸気分解プロセス(1)の手段によって第1のガス混合物(b)を生成し、含酸素物オレフィン変換プロセス(2)の手段によって第2のガス混合物(s)を生成することによって、前記第1のガス混合物(b)および前記第2のガス混合物(s)が、1〜4個の炭素原子を有する炭化水素を少なくとも含有するように設計された手段を含むオレフィンを得るための装置であって、
    前記第1のガス混合物(b)から、前記第1のガス混合物(b)中に前から含有される4個の炭素原子を有する前記炭化水素の少なくとも大部分を含有する第1の留分(h)を形成し、
    前記第2のガス混合物(s)から、前記第2のガス混合物(s)中に前から含有される4個の炭素原子を有する前記炭化水素の少なくとも大部分を含有する第2の留分(y)を形成し、
    前記水蒸気分解プロセスにおいて、前記第2の留分(y)中および前には前記第2のガス混合物(s)中に含有される前記炭化水素が、優勢的に、存在するn−ブタンの92%未満が反応する分解条件にかける
    ように設計された手段を特徴とする、装置。
  15. 請求項14に記載の装置であって、請求項1から13のいずれか1項に記載のプロセスを実施するように設計された手段を含むことを特徴とする、装置。
  16. 請求項14または15に記載の装置であって、異なる分解条件下で操作するように設計された少なくとも2つの分解炉(1a〜1c)を含むことを特徴とする、装置。
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