関連出願の相互参照
[0001]本出願は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる、2013年12月16日に出願された「METHODS AND APPARATUS FOR CONFIGURING AN IMAGE SENSOR FOR DECODING HIGH FREQUENCY VISIBLE LIGHT COMMUNICATION SIGNALS」と題する米国特許出願第14/108,174号の利益を主張する。
[0002]本開示は、一般に可視光通信(VLC:visible light communication)システムに関し、より詳細には、VLC信号を復号するための画像センサーを構成することに関する。
[0003]最近、無線周波数(RF)帯域周波数の枯渇、いくつかのワイヤレス通信技術間の潜在的なクロストーク、通信セキュリティに対する要求の増加、および様々なワイヤレス技術に基づく超高速ユビキタス通信環境の出現により、RF技術を補足するファイバー技術に対する無線への関心が高まっている。したがって、RF技術を補足するために、可視光LEDを採用する可視光ワイヤレス通信が開発されている。
[0004]可視光(visible light)を使用することによって情報を転送するための可視光通信(VLC)は、VLCが、規制なしに広く利用可能な帯域幅を介した通信を可能にするという点で、利点を有する。さらに、ユーザは、VLC通信に対応する光が到達するロケーション、ならびにその光が進む方向を観測することができるので、カバレージに関する情報は正確に確認され得る。VLCはまた、信頼できるセキュリティおよび低電力消費を提供することができる。これらおよび他の利点に照らして、VLCは、病院または飛行機など、RF通信の使用が禁止されるロケーションにおいて適用され得、電子ディスプレイボードを介して追加情報サービスを提供することもできる。
[0005]本開示の一態様では、方法、コンピュータ可読媒体、および装置が提供される。本装置は、第1の露出設定(a first exposure setting)において動作するように画像センサーに命令することと、第1の露出設定が、写真画像(a photographic image)をキャプチャするための第2の露出設定(a second exposure setting)よりも低い、画像センサーを介して、第1の露出設定において少なくとも1つの可視光通信(VLC)信号フレームをキャプチャすることと、少なくとも1つのキャプチャされたVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルを検出することと、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号することとによって、VLC信号を処理するための画像センサーを構成する。
[0006]一態様では、本装置は、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令するための手段と、第1の露出設定が、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低い、画像センサーを介して、第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャするための手段と、少なくとも1つのキャプチャされたVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルを検出するための手段と、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号するための手段とを含む。
[0007]別の態様では、本装置は、メモリと、メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令することと、第1の露出設定が、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低い、画像センサーを介して、第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャすることと、少なくとも1つのキャプチャされたVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルを検出することと、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号することとを行うように構成される。
[0008]さらなる態様では、可視光通信(VLC)信号を処理するための画像センサーを構成するためのコンピュータ可読媒体は、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令するためのコードと、第1の露出設定が、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低い、画像センサーを介して、第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャするためのコードと、少なくとも1つのキャプチャされたVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルを検出するためのコードと、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号するためのコードとを含む。
[0009]CMOS画像センサーにおける露出制御を示す図。
[0010]モバイルデバイス内のハードウェアユニットと、VLC復号を可能にするためのハードウェアユニット間の信号フローとを示す図。
[0011]可視光通信(VLC)信号を処理するための画像センサーを構成することのフローチャート。
[0012]例示的な装置における異なるモジュール/手段/構成要素間のデータフローを示すデータフロー図。
[0013]処理システムを採用する装置のためのハードウェア実装の一例を示す図。
詳細な説明
[0014]添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成を説明するものであり、本明細書で説明する概念が実施され得る構成のみを表すものではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるための具体的な詳細を含む。ただし、これらの概念はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの事例では、そのような概念を不明瞭にしないように、よく知られている構造および構成要素をブロック図の形式で示す。
[0015]次に、様々な装置および方法に関して通信システムのいくつかの態様を提示する。これらの装置および方法について、以下の詳細な説明において説明し、(「要素」と総称される)様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなどによって添付の図面に示す。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
[0016]例として、要素、または要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」を用いて実装され得る。プロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアがある。処理システム中の1つまたは複数のプロセッサはソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されたい。
[0017]したがって、1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして符号化され得る。コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、コンパクトディスクROM(CD−ROM)または他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、およびフロッピー(登録商標)ディスク(disk)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
[0018]VLCシステムは、概して、基地局(BS)およびVLC端末など、様々なVLCデバイスを含む。BSは、照明機能を実行し、可視光を使用してデータを送信するために、LEDまたはレーザーダイオード(LD)など、1つまたは複数の光源(light sources)を含み得る。BSは、光源によって送信および受信されたデータを処理する通信制御デバイスをさらに含み得る。BSはまた、VLC端末にデータを送信し、それからデータを受信し得る。VLC端末は、光源を介してBSにデータを送信し、それからデータを受信するための可視光送信/受信モジュールを含み得る。VLC端末は、セルラーフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットデバイスなどの携帯端末、またはデスクトップコンピュータなどの固定端末であり得る。VLC端末はまた、可視光を使用することによって、別のVLC端末にデータを送信し、それからデータを受信し得る。VLCはまた、他のワイヤード/ワイヤレス通信媒体を使用する通信システムと組み合わせて、より効率的に使用され得る。
[0019]VLC信号は、情報を搬送するために光強度変調(light intensity modulation)を使用し得る。VLC信号は、CMOS画像センサーによって検出され、復号され得る。しかしながら、画像センサーのためのデフォルト露出設定が、写真撮影のために設計され、VLC信号復号のために設計されないことがある。したがって、デフォルト露出設定は、VLC信号を検出不可能な状態にする高周波VLC信号の大量の減衰を引き起こし得る。本開示では、高周波VLC信号を検出するために画像センサーの露出設定を適応させるための方法および装置が提供される。本方法および装置は、それがVLCリンクの範囲を著しく増加させるので有益である。
[0020]図1は、CMOS画像センサーにおける露出制御を示す図100である。一般に商用デバイス(たとえば、スマートフォンおよびタブレット)中で見つけられるCMOS画像センサーは、画像を一度に1ライン(行)読み取り/キャプチャする電子シャッターを採用する。露出制御は、読取り動作が行われる行とリセット動作が行われる行との間のセンサー行の数を調整することによって達成され得る。読取り動作が行われる行とリセット動作が行われる行との間にある行は光に同時にさらされる。読取り動作とリセット動作との間の持続時間はシャッター時間と呼ばれることがある。シャッター時間は、時間単位(たとえば、1秒の何分の1か)、または光に同時にさらされる行の数として表され得る。CMOSセンサーは写真撮影のために設計され、したがって、露出は、通常、キャプチャされた画像が人間の知覚のために十分明るいことを保証するために露出レベルを調整することを試みる自動露出制御アルゴリズムによって制御される。一般に、より暗いシーンは、センサーアレイの各ラインについてより長い露出時間(a longer exposure time)を必要とする。しかしながら、ラインの読出しレートが経時的に一定であり得るので、同時に複数のラインを露出することによって、露出時間の増加が達成され得る。所与の時間に露出されるラインの数は整数パラメータNであり得る。
[0021]画像センサーによってキャプチャされたVLC信号は、センサーアレイのラインにわたるピクセル強度変調によって特徴づけられ得る。したがって、Nライン露出設定(N-line exposure setting)は、(露出ラインの数Nに反比例する)積分フィルタ(an integrating filter)の帯域幅よりも大きい周波数をもつ、受信されたVLC信号成分に減衰影響を及ぼし得る。たとえば、露出のラインの数Nが100であり、画像センサーのラインサンプリングレート(line sampling rate)が40KHzである場合(これは、2メガピクセルカメラが毎秒30フレームで動作する場合である)、積分フィルタの3dB帯域幅(カットオフ周波数)は200Hzである(40KHz/(2*100)=200Hz)。
[0022]一態様では、任意の特定の時間において露出される画像センサーラインの数Nは、高周波VLC信号が減衰されないことを保証するためにできるだけ小さくなるべきである。一実装形態では、VLC信号の検出に貢献するNの値は1であるが、1から100未満までどこでも変動することがある。典型的な写真撮影適用例の場合、Nの値は約100以上であり得る。本開示は、モバイルデバイスが、VLC信号を復号するためのモードにあるのか、通常の写真をキャプチャするためのモードにあるのかに基づいて、画像センサーの露出設定を調整するための方法および装置を提供する。
[0023]図2は、モバイルデバイス202内のハードウェアユニットと、VLC復号を可能にするためのハードウェアユニット間の信号フローとを示す図200である。カメラセンサー204は、最初に、写真撮影/ビデオ記録に適した露出設定において設定され得る。第1の処理ユニット206は、カメラセンサー204などのモバイルデバイス周辺ユニットを制御するために使用されるデジタル信号プロセッサ(DSP)であり得る。第1の処理ユニット206はVLCのための露出設定を構成し得る。たとえば、第1の処理ユニット206は、VLC受信機動作モード(a VLC receiver mode of operation)をトリガすべきかどうかを決定し得る。VLC受信機動作モードがトリガされた場合、第1の処理ユニット206はカメラセンサー204に信号を送信する。その信号は、露出設定を変更する(たとえば、低露出設定モードを有効にする)ようにカメラセンサー204に命令するメッセージを搬送し得る。低露出設定を有効にすると、カメラセンサー204は、VLC信号源220(たとえば、LED、レーザーダイオードなど)からのVLC信号の少なくとも1つのフレームをキャプチャし、少なくとも1つのキャプチャされたフレームのコンテンツを第2の処理ユニット208に送信し得る。VLC信号フレームは、VLC信号源220からの符号化メッセージに関連付けられた通信シンボル(ビット)を含み得る。第2の処理ユニット208は、露出設定を変更するようにとの命令(たとえば、低露出設定モードを有効にするようにとの命令)を送信した第1の処理ユニット206とは異なり得る。第2の処理ユニット208は、たとえば、アプリケーション(APP)プロセッサまたはDSPであり得る。カメラセンサー204は、あるフレームカウントに達するまで、または、フレームキャプチャを終了するようにカメラセンサー204に命令する、第1の処理ユニット206からの信号が受信されるまで、VLC信号フレームをキャプチャし続け得る。低露出設定の下でのフレームキャプチャ中に、カメラセンサー204は、通常の写真画像/ビデオ画像をキャプチャすることができないことがある。
[0024]第2の処理ユニット208は、(1つまたは複数の)キャプチャされたVLC信号フレーム中の通信シンボル(ビット)の存在を検出し、検出された通信シンボルに対してVLC信号復号オペレーションを実行することによってメッセージを復号し得る。たとえば、第2の処理ユニット208は、キャプチャされたVLC信号フレーム中のオン・オフ・パルス位置から通信シンボル/ビットを検出し得る。画像センサー204/第2の処理ユニット208が十分な数のシンボル/ビットを蓄積した後、第2の処理ユニット208は、送信されたメッセージを得るためにそのシンボル/ビットを復号し得る。メッセージは、たとえば、MACアドレスまたはURLリンクであり得、48ビットの長さを有し得る。いくつかの実装形態では、メッセージは、48ビットよりも短くなるかまたは長くなり得る。メッセージ復号を完了すると、第2の処理ユニット208は第1の完了信号を第1の処理ユニット206に送信し得る。次いで、第1の処理ユニット206は、第2の処理ユニット208から第1の完了信号を受信すると、第2の完了信号をカメラセンサー204に送信し得る。第2の完了信号を受信すると、カメラセンサー204は、写真撮影/ビデオ記録に適した露出設定に戻り(revert back)得る。写真撮影/ビデオ記録に適した露出設定は、VLC信号キャプチャのために必要とされる露出設定の値よりも高い値を有し得る。
[0025]第2の処理ユニット208によって実行されたVLC復号オペレーションの結果に基づいて、モバイルデバイス202内のいくつかの他のハードウェアユニットがアクティブにされ得る。たとえば、VLC信号、またはそのVLC信号に対応する復号されたメッセージに基づいて、ユーザ情報(たとえば、ユーザロケーション)を表示/報告するために、ディスプレイユニット210が使用され得る。別の例では、信号をリモートサーバ214に送信するために、ワイヤレス無線機(a wireless radio)212(WLANまたはWAN)が使用され得る。ワイヤレス無線機212から送信された信号は、復号されたVLC信号に関連するリモートサーバ214からの情報(たとえば、VLC信号ロケーションまたは関係するコンテンツ)を受信する目的で、復号されたVLC信号に関係する情報を含んでいることがある。次いで、モバイルデバイス202は、リモートサーバ214に送られた信号に応答して、リモートサーバ214からの情報を受信し得る。たとえば、VLC端末(モバイルデバイス202)は、キャプチャされたVLCフレームからVLC端末が復号したメッセージに対応する情報を受信するために、リモートサーバ214とコンタクトし得る。その情報は、ロケーション/位置、URLアドレス、ビデオストリームまたはファイルなどであり得る。例示的な実装形態では、パブリック・アクセスWLAN/WAN上のネットワークプロバイダは、VLC通信を介してWLAN/WANリンクをアクティブにすることによって、建築物中に物理的に配置されたデバイスへのアクセスを制限し得る。
[0026]図3は、可視光通信(VLC)信号を処理するための画像センサーを構成することのフローチャート300である。本方法はデバイスまたはユーザ機器(UE)(たとえば、図2のモバイルデバイス202)によって実行され得る。ステップ302において、デバイスは、VLC信号フレームをキャプチャするためのVLC受信モードがトリガされると決定する。VLC受信モードは、画像センサーを格納するデバイスへのユーザ入力、デバイスの物理的配向(a physical orientation)、少なくとも1つのVLC信号の存在を指示するワイヤレス無線機を介して受信された信号などを含む、様々な技法に基づいてトリガされ得る。
[0027]ステップ304において、デバイスは、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令する。第1の露出設定は、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低くなり得る。一態様では、画像センサーは、最初に第2の露出設定において設定され得る。したがって、画像センサーは、VLCモードがトリガされたとき、第1の露出設定において動作するように命令され得る。一例では、画像センサーが、最初に第2の露出設定において設定されたとき、写真画像をキャプチャするために画像センサーアレイの100個以上のラインが設定され得る。VLCモードがトリガされ、画像センサーが、第1の露出設定において動作するように命令されたとき、VLC信号フレームをキャプチャするために画像センサーアレイの100個未満のラインの数が設定され得る。一態様では、画像センサーアレイを最小数のライン(たとえば、1ライン)に設定することが、VLC信号フレームをキャプチャすることに最も貢献し得る。さらなる態様では、写真画像をキャプチャするための露出設定は、デバイスおよび/または画像センサーによって実装される自動露出制御(AEC:automatic exposure control)アルゴリズムに従って変化し得る。AECアルゴリズムは、被写体の中間トーン(a subject’s mid-tone)を写真の中間トーンに(できるだけぴったり)一致させるように露出設定を自動的に計算および調整する。したがって、AECアルゴリズムが実装されるとき、被写体に関連付けられたVLC信号フレームをキャプチャするためのVLC露出設定は、被写体の写真画像をキャプチャするためのAECアルゴリズムによって決定された写真露出設定の値よりも小さい任意の露出設定であり得る。一実装形態では、ステップ304において、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定はAECアルゴリズムによって決定され得る。AECアルゴリズムは、画像センサーが、VLC信号フレームをキャプチャするために第1の露出設定において動作するように命令されるより前に無効にされ得る。
[0028]ステップ306において、デバイスは、画像センサーを介して第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャする。画像センサーは、最大フレームカウントに達するまで、または、デバイスが、フレームキャプチャを終了するようにとの命令を画像センサーに送信するまで、VLC信号源から少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャし得る。少なくとも1つのVLC信号フレームは、VLC信号源からの符号化メッセージに関連付けられた通信シンボルを含む。さらに、画像センサーが、少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャするために第1の露出設定において動作するとき、画像センサーは、第2の露出設定において写真画像をキャプチャすることができない。一態様では、画像センサーがしきい値を下回る露出設定において動作するとき、画像センサーは、写真画像をキャプチャすることができない。
[0029]ステップ308において、デバイスは、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルの存在を検出する。ステップ309において、デバイスは、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号する。ステップ310において、デバイスは、メッセージを復号するために必要とされるすべての通信シンボルが検出され、復号されたとき、メッセージ復号の完了を画像センサーに指示する。したがって、画像センサーは、指示を受信すると、第2の露出設定に戻り得る。
[0030]ステップ312において、デバイスは、少なくとも1つのVLC信号フレーム、または少なくとも1つのVLC信号フレームに対応する復号されたメッセージ、に関係する情報(たとえば、デバイスロケーション)を表示するために、ディスプレイユニットをアクティブにする。ステップ314において、デバイスは、少なくとも1つのVLC信号フレームまたは復号されたメッセージに関係する第1の情報(たとえば、VLC信号ロケーションまたは関係するコンテンツ)をリモートサーバに送信するために、ワイヤレス無線機をアクティブにする。ステップ316において、デバイスは、送信された第1の情報に応答して、少なくとも1つのVLC信号フレームまたは復号されたメッセージに関係する第2の情報をリモートサーバから受信し得る。
[0031]図4は、可視光通信(VLC)信号を処理するための画像センサーを構成する例示的な装置402における異なるモジュール/手段/構成要素間のデータフローを示すデータフロー図400である。本装置はデバイスまたはユーザ機器(UE)(たとえば、図2のモバイルデバイス202)であり得る。本装置は、受信モジュール404と、VLC処理モジュール406と、画像センサーモジュール408と、ディスプレイモジュール410と、送信モジュール412とを含む。VLC処理モジュール406は、第1の処理ユニット206および/または第2の処理ユニット208と等価であるか、あるいはそれを用いて動作するように構成され得る。画像センサーモジュール408は、カメラセンサー204と等価であるか、またはそれを用いて動作するように構成され得る。ディスプレイモジュール410は、ディスプレイユニット210と等価であるか、またはそれを用いて動作するように構成され得る。受信モジュール404および送信モジュール412は、ワイヤレス無線機212と等価であるか、またはそれを用いて動作するように構成され得る。
[0032]VLC処理モジュール406は、VLC信号フレームをキャプチャするためのVLC受信モードがトリガされると決定する。VLC受信モードは、装置402へのユーザ入力、装置402の物理的配向、少なくとも1つのVLC信号の存在を指示する受信モジュール404を介して受信された信号などを含む、様々な技法に基づいてトリガされ得る。
[0033]VLC処理モジュール406は、第1の露出設定において動作するように画像センサーモジュール408に命令する。第1の露出設定は、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低くなり得る。一態様では、画像センサーモジュール408は、最初に第2の露出設定において設定され得る。したがって、画像センサーモジュール408は、VLCモードがトリガされたとき、第1の露出設定において動作するように命令され得る。
[0034]VLC処理モジュール406は、画像センサーモジュール408を介して第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャする。画像センサーモジュール408は、最大フレームカウントに達するまで、または、VLC処理モジュール406が、フレームキャプチャを終了するようにとの命令を画像センサーモジュール408に送信するまで、VLC信号源440から少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャし得る。少なくとも1つのVLC信号フレームは、VLC信号源440からの符号化メッセージに関連付けられた通信シンボルを含む。さらに、画像センサーモジュール408が、少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャするために第1の露出設定において動作するとき、画像センサーモジュール408は、第2の露出設定において写真画像をキャプチャすることができない。一態様では、画像センサーモジュール408がしきい値を下回る露出設定において動作するとき、画像センサーモジュール408は、写真画像をキャプチャすることができない。
[0035]VLC処理モジュール406は、画像センサーモジュール408によってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルの存在を検出し、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーモジュール408によってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号する。VLC処理モジュール406は、メッセージを復号するために必要とされるすべての通信シンボルが検出され、復号されたとき、メッセージ復号の完了を画像センサーモジュール408に指示し得る。したがって、画像センサーモジュール408は、指示を受信すると、第2の露出設定に戻り得る。
[0036]VLC処理モジュール406は、少なくとも1つのVLC信号フレーム、または少なくとも1つのVLC信号フレームに対応する復号されたメッセージ、に関係する情報を表示するために、ディスプレイモジュール410をアクティブにし得る。VLC処理モジュール406は、少なくとも1つのVLC信号フレームまたは復号されたメッセージに関係する第1の情報(たとえば、VLC信号ロケーションまたは関係するコンテンツ)をリモートサーバ450に送信するために、送信モジュール412をアクティブにし得る。VLC処理モジュール406は、送信された第1の情報に応答して、少なくとも1つのVLC信号フレームまたは復号されたメッセージに関係する第2の情報を(受信モジュール404を介して)リモートサーバ450から受信し得る。
[0037]本装置は、図3の上述のフローチャート中のアルゴリズムのステップの各々を実行する追加のモジュールを含み得る。したがって、図3の上述のフローチャート中の各ステップは1つのモジュールによって実行され得、本装置は、それらのモジュールのうちの1つまたは複数を含み得る。それらのモジュールは、述べられたプロセス/アルゴリズムを行うように特に構成された1つまたは複数のハードウェア構成要素であるか、述べられたプロセス/アルゴリズムを実行するように構成されたプロセッサによって実装されるか、プロセッサによる実装のためにコンピュータ可読媒体内に記憶されるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
[0038]図5は、処理システム514を採用する装置402’のためのハードウェア実装形態の一例を示す図500である。処理システム514は、バス524によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス524は、処理システム514の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス524は、プロセッサ504によって表される1つまたは複数のプロセッサおよび/またはハードウェアモジュールと、モジュール404、406、408、410、412と、コンピュータ可読媒体/メモリ506とを含む様々な回路を互いにリンクする。バス524はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクし得るが、これらの回路は当技術分野においてよく知られており、したがって、これ以上説明しない。
[0039]処理システム514はトランシーバ510とカメラセンサー530とに結合され得る。トランシーバ510は1つまたは複数のアンテナ520に結合される。トランシーバ510は、伝送媒体を介して様々な他の装置と通信するための手段を与える。トランシーバ510は、1つまたは複数のアンテナ520から信号を受信し、受信された信号から情報を抽出し、抽出された情報を処理システム514、特に受信モジュール404に与える。さらに、トランシーバ510は、処理システム514、特に送信モジュール412から情報を受信し、受信された情報に基づいて、1つまたは複数のアンテナ520に適用されるべき信号を生成する。カメラセンサー530は、VLC信号フレームをキャプチャするための手段を与える。カメラセンサー530は、光源からVLC信号フレームをキャプチャし、キャプチャされたVLC信号フレームから情報を抽出し、抽出された情報を処理システム514、特に画像センサーモジュール408に与える。処理システム514は、コンピュータ可読媒体/メモリ506に結合されたプロセッサ504を含む。プロセッサ504は、コンピュータ可読媒体/メモリ506に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理を担当する。ソフトウェアは、プロセッサ504によって実行されたとき、処理システム514に、任意の特定の装置のための上記で説明した様々な機能を実行させる。コンピュータ可読媒体/メモリ506はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ504によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。処理システムは、モジュール404、406、408、410、および412のうちの少なくとも1つをさらに含む。それらのモジュールは、プロセッサ504中で走行して、コンピュータ可読媒体/メモリ506中に常駐する/記憶されたソフトウェアモジュールであるか、プロセッサ504に結合された1つまたは複数のハードウェアモジュールであるか、またはそれらの何らかの組合せであり得る。
[0040]一構成では、装置402/402’は、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令するための手段と、第1の露出設定が、写真画像をキャプチャするための第2の露出設定よりも低い、画像センサーを介して、第1の露出設定において少なくとも1つのVLC信号フレームをキャプチャするための手段と、少なくとも1つのキャプチャされたVLC信号フレーム中に含まれる少なくとも1つの通信シンボルを検出するための手段と、いくつかの検出された通信シンボルを復号することによって、画像センサーによってキャプチャされた少なくとも1つのVLC信号フレームに関連付けられたメッセージを復号するための手段と、ここにおいて、画像センサーが、最初に第2の露出設定において設定される、VLC信号フレームをキャプチャするためのVLC受信モードがトリガされると決定するための手段と、ここにおいて、命令するための手段は、VLC受信モードがトリガされたとき、第1の露出設定において動作するように画像センサーに命令する、メッセージを復号するために必要とされるすべての通信シンボルが検出され、復号されたとき、メッセージ復号の完了を画像センサーに指示するための手段と、ここにおいて、画像センサーが、指示を受信すると、第2の露出設定に戻る、復号されたメッセージに関係する情報を表示するためにディスプレイユニットをアクティブにするための手段と、復号されたメッセージに関係する第1の情報をリモートサーバに送信するためにワイヤレス無線機をアクティブにするための手段と、送信された第1の情報に応答して、復号されたメッセージに関係する第2の情報をリモートサーバから受信するための手段とを含む。上述の手段は、上述の手段によって具陳された機能を実行するように構成された、装置402、および/または装置402’の処理システム514の上述のモジュールのうちの1つまたは複数であり得る。
[0041]開示したプロセスにおけるステップの特定の順序または階層は、例示的な手法の一例であることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層は再構成され得ることを理解されたい。さらに、いくつかのステップは組み合わせられるかまたは省略され得る。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、提示された特定の順序または階層に限定されるものではない。
[0042]以上の説明は、当業者が本明細書で説明した様々な態様を実行することができるように与えられた。これらの態様に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されるものではなく、クレーム文言に矛盾しない全範囲を与えられるべきであり、ここにおいて、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一の(one and only one)」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものである。「例示的」という単語は、本明細書では、「例、事例、または例示としての役割を果たす(serving as an example, instance, or illustration)」を意味するために使用する。「例示的」として本明細書で説明するいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好適または有利であると解釈されるべきであるとは限らない。別段に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの組合せは、A、B、および/またはCの任意の組合せを含み、複数のA、複数のB、または複数のCを含み得る。詳細には、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、ならびに「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」などの組合せは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであり得、ここで、いかなるそのような組合せも、A、B、またはCのうちの1つまたは複数のメンバーを含んでいることがある。当業者に知られている、または後に知られることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素のすべての構造的および機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるものである。さらに、本明細書で開示したいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に具陳されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなるクレーム要素も、その要素が「ための手段」という語句を使用して明確に具陳されていない限り、ミーンズプラスファンクションとして解釈されるべきではない。