JP2017503272A - 航空機トラジェクトリの画定および予測のためのシステムおよび方法 - Google Patents

航空機トラジェクトリの画定および予測のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

本発明の方法は、航空機性能特性および大気データの両方の入力データを取得することと、航空機トラジェクトリに適用すべきトラジェクトリパラメータを定義すること、を含む。本方法は、さらに、航空機トラジェクトリパラメータを定義することと、複数の大気予報アンサンブルを取得することと、気象予報アンサンブルの各気象予報から予測トラジェクトリを算出することと、を含む。当該予測トラジェクトリは、上記航空機トラジェクトリの特定の性能指数に関連する情報を含む。各大気予報アンサンブルから予想トラジェクトリアンサンブルが取得され、当該予測トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予測トラジェクトリは、大気予報アンサンブルに含まれる各大気予報の確率から導出される確率に関連づけられている。本開示のシステムは、本開示の方法を実行するのに必要な設備をすべて含む。【選択図】 図2

Description

本発明は、本明細書に記載された名称が表すように、フライト中に最適な航空機トラジェクトリを画定および予測するための方法とそのシステムに関する。これら各航空機トラジェクトリは、航空機内または外に配置されたフライトマネージャーによって前もって規定される所定の性能指数(figure of merit)を最も適切に達成するものであり、フライトマネージャーは、人である場合も、装置である場合もある。
本発明は、電子および航空電子産業において、また、航空交通管制の分野において、特に有用である。
航空機トラジェクトリの画定は、特定の性能指数(FOM’S)に関して設定された目標を達成するために、フライトマネージャーが取り組むべき重要なタスクの1つである。
地理的な2地点間のフライトについてどの航空機トラジェクトリを最良とすべきかを判断する際に、「最良経路」を規定する画一的な基準は存在せず、異なる基準が存在する。このため、特定のフライトがどの達成目標を主眼とするかによって、異なる航空機トラジェクトリが同時に「最良のトラジェクトリ」であるとみなされうる。
これらの目標は、「性能指数(FOM’s)」とも呼ばれ、コストの節減、時間の節減、距離の節減、あるいは、フライトマネージャーが想定しうる任意のタスクに鑑みて設定される。
したがって、地理的な2地点間のフライトについて、時間節減の観点で最良とみなされる航空機トラジェクトリが、コスト節減の観点では最良とは限らないことは明らかであり、その逆についても同様である。
最適化すべきFOMに基づいて最適なトラジェクトリを選択するという課題は、航空機が飛行する予定の飛行トラジェクトリの各セグメントにおける気象条件を考慮に入れると、より複雑になる。
気象条件は、フライト中の航空機の性能や設定目標の達成に少なからず影響しうる。よって、嵐や強風が予想される空域を避けることは、それが必須でない場合であっても、非常に有益である。あるいは、そのような気象状況が特定のトラジェクトリにおける特定のFOM’s達成に与える影響の度合いを判定できるだけでも非常に有益である。
これらの点に関し、現状ではフライトマネージャーは、気象条件を決定論的に考慮している。つまり、フライトマネージャーは、広域および長期を対象とするただ1つの予報を分析するのみであり、現在利用可能な数値モデル予報の利益を享受していない。数値予報モデルとは、可能性のある予報をいくつか検討し、各予報に特定の確率を割り当てるものである。
気象予報に付随する不確実性が、フライト中のトラジェクトリ画定および予測に影響する不確実性の最大の要因であると考えられる。
つまり、コスト削減の観点から最良たるトラジェクトリ(最も安価なもの)を選択する際に、複数の気象シナリオを検討することなく選択したトラジェクトリが、実際に最も安価なものとなるかどうかは大いに疑わしい。
したがって、飛行管理において、多くの不確実性要因を管理して付随する不確実性を低減し、予想トラジェクトリに不確実性が紛れ込むのを避けることに関心が持たれている。
本開示は、トラジェクトリ画定および予測に関わるすべてのパラメータを正確に定義する新規な記述言語(すなわち、航空機インテント記述言語AIDL:Aircraft Intent Description Language)を用いることにより、上記課題に対処する。したがって、トラジェクトリ画定に付随する不確実性である、トラジェクトリ記述の不確実性の一要素は抑制される。この言語については、特許文献WO/2009/042405において既に記載されている。本開示は、上述した記述言語を用いて、航空機トラジェクトリの画定および予測に際して考慮するすべてのパラメータを決定し、決定したパラメータそれぞれから、確率変数群を生成し、その後、与えられた性能指数(FOM)に最もよく合致する航空機トラジェクトリを各確率変数群から算出する方法に関する。
前記記述言語(AIDL)で記述された、確率変数群の生成の元となるパラメータには、例えば、天候パラメータおよび航空機性能パラメータ等が含まれる。
本開示の方法を実行することにより、それぞれが異なるシナリオを考慮したトラジェクトリの組が対応する不確実性とともに画定される。したがって、算出された各トラジェクトリに対応する不確実性(即ち、算出された各トラジェクトリが、特定のFOMに合致することに伴う不確実性)が正確に決定されるとともに、所与のFOMに合致するロバストなトラジェクトリが得られる。
本願に記載の方法は、特定の気象条件および航空機条件に最も適切なトラジェクトリがどれであるかをフライトマネージャーが決定する際の支援として有用である。本開示の方法は、フライトマネージャーによる意思決定を助ける意思決定支援ツール(DST)を用いて実行される。場合によっては(即ち、UAV’sを考慮する場合等)、DST自体がどの算出トラジェクトリを採用するかの選択を行う。
本開示は、また、本開示の方法を実行するのに必要なすべての設備を含むシステムに関する。
上述したように、本開示は、航空機の飛行管理に用いる、航空機トラジェクトリの画定および予測のための方法に関する。当該方法は、
a.航空機性能特性および大気データの両方の入力データを取得し、
b.航空機トラジェクトリに適用すべきトラジェクトリパラメータを定義し、この際に、
− 航空機トラジェクトリパラメータは、特定の符号で構成される特定の航空機インテント記述言語を用いて定義され、前記航空機インテント記述言語の符号はそれぞれ、航空機トラジェクトリの個々のセグメントを記述するものであり、前記航空機インテント記述言語の符号の特定の組み合わせはそれぞれ、トラジェクトリ全体を完全に記述するものであり、
− 大気データは、複数の大気予報アンサンブルとして取得され、大気予報アンサンブルに含まれる各大気予報は、決定された天候シナリオとその確率とを表しており、
当該方法は、さらに、
c.大気予報アンサンブルの各大気予報から予測トラジェクトリを算出し、当該予測トラジェクトリは、前記航空機トラジェクトリの特定の性能指数に関連する情報を含み、
各大気予報アンサンブルから予想トラジェクトリアンサンブルが取得され、当該予測トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予測トラジェクトリは、大気予報アンサンブルに含まれる各大気予報の確率から導出される確率に関連づけられており、
d.航空機のフライトの少なくとも1つのセグメンにおける飛行管理に、選択された予測トラジェクトリを利用する。
本開示に記載の方法は、さらに、
a.各航空機予測トラジェクトリの特定の性能指数を選択し、
b.予測トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予測トラジェクトリについて、前記選択された性能指数の値を決定し、
c.前記選択された性能指数の統計値を所定の統計的基準に従って算出し、当該統計値は、前記選択された性能指数に関して、各予測トラジェクトリアンサンブルに含まれるすべての予測トラジェクトリを代表しており、
d.各予測トラジェクトリアンサンブルから、前記選択された性能指数について先に算出した前記統計値により近い値を前記選択された性能指数として有する予測トラジェクトリを決定し、
e.各予測トラジェクトリアンサンブルに含まれるすべての予測トラジェクトリについて、前記選択された性能指数について算出した前記統計値に対する、前記選択された性能指数の値の分散度を、所定の統計的基準に従って算出する。
さらに、航空機トラジェクトリの画定および予測のための方法は、前記算出された予測トラジェクトリから予測トラジェクトリを選択し、当該予測トラジェクトリは、所定のトラジェクトリ選択基準に最もよく合致するものである。
好ましい一実施形態では、前記航空機インテント記述言語の前記特定の符号はそれぞれ、少なくとも3つのトラジェクトリ制約条件と4つのコンフィギュレーション指示との組み合わせからなり、前記3つのトラジェクトリ制約条件を課すことにより前記航空機トラジェクトリのすべての自由度が対処され、よって前記3つのトラジェクトリ制約条件を課すことにより、前記航空機トラジェクトリは完全に画定される。これら制約条件は、少なくとも、
− 経度、
− 緯度、
− 高度、
− 真対気速度、
− 方位、
− スロットル、
− 飛行経路角、
− バンク角、
− 高揚力、
− スピードブレーキ、のうちから選択される。
次に、各性能指数は、少なくとも、
− 消費燃料、
− 所与のフィックス到着時刻、
− コストインデックス、
− 水平飛行距離の範囲、
− 所与の時点における2D位置、
− 所与のフィックスにおける2D位置、
− トラジェクトリセグメントにおける2D位置、
− 所与の時点における高度、
− 所与のフィックスにおける高度、
− トラジェクトリセグメントにおける高度、
− 所与の時点における3D位置、
− 所与のフィックスにおける3D位置、
− トラジェクトリセグメントにおける3D位置、
− 所与の時点における4D位置、
− 所与のフィックスにおける4D位置、
− トラジェクトリセグメントにおける4D位置、
− 所与のフィックスにおける速度、
− トラジェクトリセグメントにおける速度、
− 所与のフィックスにおける姿勢、
− トラジェクトリセグメントにおける姿勢、
− 所与の時点における後方乱気流、
− 所与のフィックスにおける後方乱気流、のうちから選択されることが好ましい。
本開示は、また、航空機の飛行管理に用いる、航空機トラジェクトリの画定および予測のためのシステムに関する。当該システムは、
a.特定の航空機インテント記述言語を用いて、航空機のフライトの各セグメントについて予測トラジェクトリを算出するプロセッサ部であって、各予想トラジェクトリは、確率的入力データに基づき算出され、したがって、各予測トラジェクトリは、確率的なものであり、関連する確率を有するものであり、前記入力データは、少なくとも、
− 航空機性能モデルのパラメータと、
− 大気予報と、のうちから選択される、プロセッサ部と、
b.予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部に、気象予報アンサンブルの入力を提供するよう構成された確率論的デジタル気象サービス部と、
c.ロバスト決定支援ツール部であって、
− 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部に、トラジェクトリの予測に必要な入力データを提供し、
− 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部により算出された予測トラジェクトリのうちから予測トラジェクトリを選択するように構成された、ロバスト決定支援ツール部と、を含む。
前記選択された予想トラジェクトリは、フライトの少なくとも1つのセグメントにおいて、フライトマネージャーにより航空機のガイダンスに利用される。
好ましい一実施形態では、前記確率論的デジタル気象サービス部は、
a.フライトトラジェクトリが位置する空域を囲む空間領域を定義する1つまたは複数のパラメータを含む大気モデル領域と、
b.前記空域に関する大気パラメータの複数の大気シナリオであって、大気予報アンサンブルを形成するシナリオを提供する大気モデルと、を定義する。
さらに、好ましい一実施形態では、前記ロバスト決定支援ツール部は、
a.所定のフライトトラジェクトリであって、当該フライトトラジェクトリの各セグメントについて3つのトラジェクトリ制約条件パラメータの組み合わせを適用することにより、当該フライトトラジェクトリを定義する1つまたは複数のパラメータを含むフライトトラジェクトリと、
b.外的状況に対する航空機の応答を定義する1つまたは複数のパラメータを含む航空機性能モデルと、
c.フライトトラジェクトリのセグメントの始点における航空機の初期条件に関連するパラメータと、
d.予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部により算出された予測トラジェクトリの少なくとも1つの性能指数を定義するパラメータ群と、
e.予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部により算出された少なくとも1つの予測トラジェクトリアンサンブルから予測トラジェクトリを選択する少なくとも1つの基準であって、当該少なくとも1つの基準は、どの予測トラジェクトリが特定の性能指数の統計的代表値を最もよく表すものであるかのサーチに基づく基準と、
f.関連する不確実性を算出するための少なくとも1つの基準であって、それに従うと特定の性能指数の統計的代表値を表す予測トラジェクトリが選択される基準と、を定義する。
前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部は、
− 前記ロバスト決定支援ツール部により提供される前記入力パラメータのうちから、確率的なパラメータ群であり、よって不確実性を伴うと判断されるパラメータ群を決定し、
− 前記確率パラメータ群の不確実性の種類および範囲を決定する。
前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部は
a.前記大気モデル、航空機性能モデル、フライトトラジェクトリ記述、および初期条件のパラメータに基づいて、予測トラジェクトリを表すデータセットを決定し、
b.確率パラメータとして扱われるべきパラメータに、不確実性の範囲と共に値を割り当てて、前記予測トラジェクトリを表すデータセットについて可能な複数のインスタンスを生成し、
c.それぞれの予測トラジェクトリが大気シナリオに対応する予測トラジェクトリアンサンブルを前記大気予想アンサンブルに基づいて算出し、
d.予測トラジェクトリアンサンブルにおける各予測トラジェクトリの少なくとも1つの性能指数を評価して、これら性能指数の値の母集団を取得し、
e.各予測トラジェクトリアンサンブルにおける予測トラジェクトリのうち、前記評価された少なくとも1つの性能指数の代表値を表すものを、特定の統計的基準にしたがって特定し、
f.前記評価された少なくとも1つの性能指数の値の分散度であって、先の工程で特定された予測トラジェクトリに対する、予測トラジェクトリアンサンブルの残りのトラジェクトリに関連づけられた値の分散度を、特定の統計的基準にしたがって取得する。
前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部は、少なくとも、
a.前記確率論的デジタル気象サービス部およびロバスト決定支援ツール部から受け取る値であって、確率パラメータとして扱われるべきパラメータに値を割り当てるためのランダム化エンジン部と、
b.前記ランダム化エンジン部により提供される入力データに基づいて、予測トラジェクトリを算出するトラジェクトリ算出部と、を含む。
好ましくは、前記入力データは、少なくとも、
− 航空機性能モデルパラメータ、
− トラジェクトリ記述パラメータ。
− 所定の性能指数、
− トラジェクトリ選択基準および
− 大気予報、のうちから選択される。
前記ロバスト決定支援ツール部は、前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部に、
− 航空機性能モデルパラメータ、
− トラジェクトリ記述パラメータ、
− 選択された性能指数および
− トラジェクトリ選択基準、の入力を提供するよう構成されている。
本開示の方法に含まれる異なる段階すべてを示すフロー図である。 本開示のシステムの主要要素を示す概略ブロック図である。 図2に示した確率的トラジェクトリ予測部(s−TP)を構成する主要要素に着目した、より詳細なブロック図である。 トラジェクトリのライフサイクルで分散されて行われるヒューマンマシンインタラクションとトラジェクトリの概念とを示す図である。 DSTの動作をサポートするTP処理に関わる主な要素と不確実性とを示す図である。 AIDLに基づくトラジェクトリ予測にサポートされたDSTの動作を示す図である。 AIDLを用いて定義されたトラジェクトリモデルのサンプルを示す図である(BRおよびTE)。 TPに用いられる天候シナリオを特徴づける典型的な4D分野を示す図である(INSA)。 気象アンサンブルに基づき「可能」な予測トラジェクトリの、確率的な広がりを示す図である。 AIDLに基づく確率的なTPにサポートされたDSTのロバストな動作を示す図である。 本開示の主要要素を示す図である。 ジオメトリックなTP誤差を表すグラフ図である。 XTEメトリックの算出に関わる基準系を示す図である。 テストベッドの上位レベル論理構造およびインターフェースを示す図である。 AVの運動の式に関わる変数を示す表である。 AVの運動を駆動する力(作用)の式を示す表である。 AVの運動に関わる環境的側面の式を示す表である。 AIDLに基づくTPで考慮されるトラジェクトリ側面を示す表である。 TP誤差の定義に関わる位置を示す表である。 4DのTP誤差を示す表である。 高度、速度、質量についてのTP誤差を示す表である。 気圧、気温、風についてのAM誤差を示す表である。 トラジェクトリ関連のアプリケーション、関数、側面を示す表である。 トラジェクトリベースのDSTが、関心対象としている/しうるFOM’sの調査結果を示すテーブルである。 トラジェクトリベースのDSTが、関心対象としている/しうるFOM’sの調査結果を示すテーブルである。 単一のトラジェクトリの終点での指数として代表的なFOM’sを示す表である。 FOM母集団の代表値を導出する、典型的なトラジェクトリ選択基準を示す表である。 典型的な統計的FOM分散度を示す表である。 トラジェクトリ全体の指数としての代表的なFOMを示す表である。 r−DSTとs−TPとの間のインタラクションを示す表である。 r−DSTとs−TPとの間のインタラクションを示す表である。 REとその基盤となるTCインフラとの間のインタラクションを示す表である。 REとその基盤となるTCインフラとの間のインタラクションを示す表である。 TCインフラの内部コンポーネント間のインタラクションを示す表である。 P−DMETとTCインフラとの間のインタラクションを示す表である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の方法に含まれる異なる段階を示すフロー図である。
本開示の一側面にしたがって、航空機の飛行管理に利用される、航空機トラジェクトリの画定および予測のための方法についての例示的な実施形態が開示されている。本方法は、航空機の性能特性(航空機性能モデルAPM:Aircraft Performance Model)および大気データ(大気予報アンサンブルAFE:Atmospheric Forecast Ensemble)の両方の入力データを取得することと、航空機トラジェクトリに適用すべきトラジェクトリパラメータを定義することと、を含む。本方法は、航空機トラジェクトリパラメータを、特定の符号で構成される特定の航空機インテント記述言語(AIDL)を用いて定義することを含む。前記航空機インテント記述言語(AIDL)の符号はそれぞれ、航空機トラジェクトリの個々のセグメントを記述するものであり、航空機インテント記述言語の符号の特定の組み合わせはそれぞれ、トラジェクトリ全体を完全に記述するものである。
本方法は、複数の大気予報アンサンブル(AFE’s)を取得することを含み、各大気予報アンサンブル(AFE)に含まれる大気予報は、1つの確定した天候シナリオをその確率と共に表すものである。
本方法は、大気予報アンサンブル(AFE)に含まれる大気予報から予測トラジェクトリを算出することを含む。予測トラジェクトリは、航空機トラジェクトリの特定の性能指数(FOM)に関連する情報を含んでおり、複数の予測トラジェクトリからなるアンサンブルが、それぞれの大気予報アンサンブル(AFE)から取得される。この予想トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予想トラジェクトリは、所定の確率と関連づけられているが、当該確率は、大気予報アンサンブル(AFE)に含まれる大気予報の確率に由来するものである。本方法は、航空機のフライトの少なくとも1つのセグメンにおける飛行管理に、選択された予測トラジェクトリを利用することを、さらに含む。本開示の方法によれば、複数の気象予報(meteorological forecasts)からなるアンサンブルが、確率論的デジタル気象サービス(probabilistic Digital Meteorological Service)部(2)p−DMETにより生成される。各気象予報は、可能性のある特定の気象シナリオを記述したものであり、上記のアンサンブル(AFE)に含まれる気象予報は、すべて特定の確率に関連づけられている。なお、当該アンサンブル(AFE)に含まれるすべての気象予報が、同じ確率に関連づけられているような場合があってもよい。
次に、フライトトラジェクトリの各セグメントについて、一連の制約条件が規定される。これらの制約条件は、高度、速度、到着時刻、航空機間隔などの側面に関連する。
これらの制約条件は、新規な言語である航空機インテント記述言語(AIDL)で表現されている。この言語によれば、トラジェクトリの各セグメントにおいて、課せられる制約条件と、航空機が追従すべき飛行トラジェクトリとの間に直接的な関係が記述される。
AIDLコードでは、3つの異なる制約条件の可能な組み合わせと、それらに関連づけられた値、および4つの動作コンフィギュレーションパラメータ(motion configuration parameter)により、特定のアルファベット記号が構成され、当該記号が、航空機トラジェクトリの特定のセグメントを一意的に画定する。フライト中にこれら各記号を組み合わせることにより、航空機トラジェクトリの個々のセグメントすべてに対し、完全に画定された航空機トラジェクトリが得られる。
よって、この新規なアプローチによれば、トラジェクトリ画定に付随する不確実性を要因とするトラジェクトリ予測の不確実性を解消することができる。
ただし、航空機性能モデル(APM)および気象予報の双方に関連する不確実性を要因とする不確実性は、依然としてトラジェクトリ予測(TP)に残っている。しかしながら、航空機性能モデル(APM)の信頼性(authenticity)に関連する不確実性は、気象予報に関連する不確実性に比較すれば、無視してもよいものである。
したがって、本開示により提供される主要な技術的解決は、トラジェクトリ予測(TP)において、トラジェクトリ予測に用いる気象予報に付随する不確実性を要因とする不確実性を低減することである。
つまり、1つの気象予報を用いるのではなく、可能性のある複数の気象予報からなるアンサンブル(AFE)を取得する。各予報は、起こりうる気象シナリオを記述するものであり、一連の制約条件とともに、予測トラジェクトリの算出に用いられる。
予測トラジェクトリは、規定した制約条件を一意に満たすものであり、トラジェクトリに関連する個々の側面間の関係を示す一連の方程式を用いて算出される。
上述のように、新規性は、所定の制約条件群を用いて、フライトの各セグメントについて一義的にトラジェクトリを定義することと、予測トラジェクトリの算出に大気予報アンサンブル(AFE)を用いることにある。
したがって、各予測トラジェクトリセグメントは、所与の制約条件群をそのまま用いて算出される(これにより、該当する制約条件の組み合わせに暗に示される航空機の操縦を、直接的に指示することが不要になる)。加えて、大気予報アンサンブル(AFE)に基づき確率的な予想トラジェクトリの組が得られ、各予想トラジェクトリは、特定の気象シナリオから算出される。
上述のように、予測トラジェクトリの組が取得される。予測トラジェクトリの各セグメントは、状態ベクトルで定義される。この状態ベクトルは、各瞬間における航空機の飛行位置を、空間座標X(t)、Y(t)、Z(t)を用いて定義している。また、状態ベクトルは、少なくとも、燃料消費量、到着時刻、または、近隣の他の航空機との間隔に関するいくつかの側面についても定義している。
これらすべての側面は、性能指数(FOM’s)とも呼ばれ、フライトマネージャーが個別のケースに即した最適化を行う際の関心対象となりうる。
次に、最適化の対象として好ましいFOMが選択され、そのFOMに関する統計的基準にしたがって複数の予測トラジェクトリの並べ替えが行われる。
例えば、どの予測トラジェクトリが燃料消費量の統計的平均値を最もよく表しているか(最も近いか)が示されるように予測トラジェクトリを並べ替え、続いて、選択された予測トラジェクトリに関する燃料消費量(あるいは、任意の他のFOM)の分散度(measure of dispersion)が取得される。この分散度は、トラジェクトリ標本空間(即ち、所与のトラジェクトリアンサンブル)に対応するFOM母集団から取得される。FOM分散度は、少なくともSTD、MAE、SEE、RMSのうちから選択される。
このように、本開示は、FOMの特定の定義を与えられた場合に、ロバストな予測トラジェクトリ(RPT)および、これに対応するFOM値の母集団(あるいは、関心対象である他の統計値)を見出す一般的な方法を提供する。
また、既に述べたように、本開示は、上述の方法に基づくシステムにも関する。このシステムは、上述の方法を実行するのに必要な設備を提供する。
本システムは、確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETを備える。これは、大気予報アンサンブル(AFE’s)を生成し、生成したAFE’sを、本開示のシステムに含まれる主プロセッサ部(1)に、(AIDLでコード化した)入力として与える。このプロセッサ部(1)は、予測トラジェクトリを算出するためのプロセッサ部であり、具体的には、確率的トラジェクトリ予測(stochastic trajectory prediction)部(s−TP)である。
好ましい実施形態では、本システムは、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTも含む。これは、トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPに、(AIDL言語にコード化された)少なくとも3つの主要な入力を与える。これら入力は、それぞれ、トラジェクトリ画定と、サーチされる関心対象FOMと、統計的基準とに関するものであり、当該統計的基準は、関心対象FOMに関する情報および同FOMに付随する不確実性が提示される基準である。
図2は、本開示のシステムの主要な要素を示す概略ブロック図である。
これ対して、図3は、より詳細なブロック図であり、確率的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPを構成する主要要素を示すとともに、確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETおよびロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTから与えられる入力情報がどのように処理されるかに着目した図である。
本開示の方法によれば、確率的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPが行う分析は、モンテカルロシミュレーションに基づいている。これにより、s−TPは、確率的な予測トラジェクトリの組を生成し、これを統計的に処理することができる。この目的で、プロセッサ部(1)s−TPは、2つの主要コンポーネントから構成されている。
ランダム化エンジン部(4)RE:本コンポーネントは、確率的なトラジェクトリの組を生成する処理の調整を行う。本REは、トラジェクトリ算出(TC)の実行毎に、所定の不確実性パラメータ(δ)にしたがって確率的入力データを準備し、これら入力をトラジェクトリ算出部(5)TCに送って算出を行わせる。加えて、本REは、ロバスト予測トラジェクトリと、関連する性能指数(FOM)の不確実性とを取得するために出力データの処理も行う。
トラジェクトリ算出TC部(5):トラジェクトリ算出部(5)TCは、各実行においてランダム化エンジン部(4)REから与えられる入力データの各組について1つのトラジェクトリを決定論的に算出するコンポーネントである。トラジェクトリ算出部(5)TCは、以下のコンポーネントからなる。
i)トラジェクトリエンジン(TE)。これは、AIDLスクリプト(AIDLコードでのトラジェクトリ画定)および初期条件を入力として、対象期間(航空機の4次元モデル領域、以下に詳細を説明する)におけるAV(飛行体)の運動を記述する一連の方程式を構築および統合するコンポーネントである。
ii)航空機性能モデル(APM)。これは、任意の種別の航空機(AV)の性能データをトラジェクトリエンジン(TE)に提供するコンポーネントである。
iii)確率論的大気モデル(PAM)。このコンポーネントにより、従来のトラジェクトリ予測TPアプローチで通常用いられる決定論的大気シナリオが、確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETにより提供される、可能性のあるシナリオの組(即ち、アンサンブル)の中から大気シナリオを選択可能な構成に置き換えられる。
以下に、本開示に関わる側面についての全体的なアプローチを示す。
既に説明したように、トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPに入力されるデータに付随する不確実性が、予測トラジェクトリについて関心対象とされる側面の不確実性にどのように伝播するかを理解することが重要である。本開示によれば、トラジェクトリ予想の効率およびロバストネスが改善されるが、これは、決定論的ではなく確率的なトラジェクトリ予測を明示的に検討することによって様々なコンテクストの意思決定を支援することにより達成される。
先ず、最も重要なことは、航空機トラジェクトリのライフサイクル全体を理解することである。また、各種トラジェクトリ情報と、トラジェクトリ予測処理の各段階に存在する不確実性とがどのように結びついて、各航空飛行体の最終(実)トラジェクトリと全体的な交通管理の実行とがもたらされるかを理解することである。
図4は、所与の航空機をどのように操作するかについての具体的な決定に先立って、様々な場所および時間枠において自動制御機械(決定支援ツールDST’s)および人間の間で行われる複雑なインタラクションを示している。これらインタラクションは、トラジェクトリ要件(trajectory requirements)を適宜、詳細に集めることを含んでおり、トラジェクトリ要件は、トラジェクトリ交渉(trajectory negotiation)と呼ばれる協調的意思決定プロセスにたずさわるもの(actors)の間において、生成、交換、精緻化される。このような交渉の最終結果として、特定の交通に関わる航空機が実際に飛行するトラジェクトリが得られる。航空機トラジェクトリのライフサイクルにおける3つの主なステージは、以下の通りである。
1)トラジェクトリ要件:飛行計画案およびそれを表す異なるトラジェクトリ案(例えば、一連の航路セグメント、ウェイポイント、到着予定時刻ETA’s等)、ならびに、航空交通管制(ATC)によりフライト中に指示される管制上の修正(例えば、速度または時間の制約条件、高度制約条件および水平方向経路偏差)。集合的に「フライトインテント(Flight Intent)」と呼ばれる。
2)航空機操作決定事項:飛行管理自動処理装置または操縦士、あるいはその双方が、航空機の操作を制御するために適用する特定の方策。「航空機インテント(Aircraft Intent)」として知られる。
3)結果:かかる特定の操作の結果として航空機が飛行した実トラジェクトリ(典型的には、時系列の位置として表され、速度や瞬時質量などの付加情報を伴う場合もある)。
決定支援ツールDST’sにより、意思決定処理に関わる運航担当者に与えられるサポートは、一般的に、位置、時間、燃料消費量などのトラジェクトリの特定の側面あるいは値(merits)に基づいている。これら側面あるいは値は、所定のトラジェクトリ予測処理TPにより予測される。よって、航空交通対策のために行う意思決定の妥当性、ひいては、個々のレベル(単一のフライト)および集合的なレベル(交通全体)における性能が、各DST機能の基盤となるトラジェクトリ予測処理TPの性能に直接的に結びついている。
図5は、一般的なトラジェクトリ予測処理TPを示す。概略的には、デジタル支援ツールDSTは、基盤となるTPインフラを用いて、トラジェクトリ要件の組の試行と精緻化を、デジタル支援ツールDSTが設定した操作目標を達成する予測トラジェクトリが得られるまで繰り返す。
そのような概念の単純な例として、コンフリクトディテクタの場合(DST=CD)がある。コンフリクトディテクタは、トラジェクトリの組(フライトインテント)について既知の情報が与えられると、対応する予測トラジェクトリを取得して、予測トラジェクトリ間の位置や時間を照合し、管制間隔が確保されなくなる可能性を検知する。より複雑な例としては、フライトプランナー(DST=FP)の場合がある。フライトプランナーは、ATC/ATFCM(航空交通流および容量管理)の制約条件を満たしつつ、残りの自由度(DOF’s)については、燃料消費量あるいは時間の最適化、あるいは双方の折衷(例えば、コスト指数)をもたらすように利用される商用トラジェクトリが見つかるまで、TPインフラを用いて処理を(最終的には数回)繰り返す。
一般的に、TP処理は2つの主要な内部サブ処理である、インテント生成およびトラジェクトリ算出を含む。インテント生成は、所与のトラジェクトリ要件からトラジェクトリライフサイクルの次の段階へ移行する処理であり、つまり、これら要件を満たすトラジェクトリに至ることを意図とした航空機の具体的な操作の仕方(航空機インテント)を構築する処理である。
この処理は、典型的には、いわゆるインテントエンジンにより実行される最適化処理を伴うものであり、全てのトラジェクトリが所与の操作コンテクストにおいて満たす必要のある追加の制約条件(例えば、ターミナル管制区TMA、最低高度あるいは最大速度、飛行禁止空域)と、自由度(DOF’s)がある場合に特定のユーザ選好に適合させる目的/制約条件(例えば、コストインデックス、最大加速度)と、を考慮する処理である。
インテント生成は、一般的に、トラジェクトリ算出処理を伴う内部ループの繰り返しを含み、「最良」の航空機インテント、即ち、すべての制約条件を満たすと共に該当する目的について最良の値を達成するもの、を特定する。一方、トラジェクトリ算出では、航空機応答(aircraft response)の性能特性に直接的に影響する特定の大気シナリオ(基本的に、風、気温および気圧)の下で、所与の航空機インテントを実行する際の性能特性(空力、推進、操作限界、コンフィギュレーション、など)に対応する航空機の動作の算出処理を行う。
この目的で、飛行工程の物理モデルを具現化するトラジェクトリエンジンTEは、基盤となる航空機性能モデル(APM)と大気モデル(AM)とによりそれぞれ与えられる航空機の性能側面と大気条件とに基づく、対応する運動方程式を解く。通常、航空機インテントから予測トラジェクトリに移行するには、初期の航空機の状態(初期条件)についての知識に依拠する数値統合プロセス(numerical integration process)が必要となる。
図5は、トラジェクトリ予測における不確実性の要因についても示している。これら要因は、基本的に、上記のTP処理全体に関わる情報要素の信頼性(fidelity)および正確性のレベルに関係する。本明細書に記載の実施形態における特別な関心対象は、トラジェクトリ算出処理に付随する不確実性の要因である。即ち、
i)所与の航空機インテントにより表される、算出すべきトラジェクトリの画定における不確実性、
ii)気象予報に付随する不確実性、
iii)関連する航空機性能側面の質を特徴づける主要性能指数(KPI’s:key performance indicators)、
iv)初期条件の観測に付随する不確実性、
v)トラジェクトリエンジン(TE)がトラジェクトリの算出に用いる運動モデルの信頼性、
である。
航空機インテント記述言語(AIDL)などのトラジェクトリ画定方法を導入したことにより、航空機インテントを形式的に一意に記述することが可能になり、これにより不確実性の主要因ならびにインテント生成処理に関わる複雑さを排除できる。よって、決定支援ツール(DST)が、AIDLに基づく基盤TPとのインタラクションが可能であると想定すると、図5は大幅に単純化されて、図6に示すようなスキームになる。このスキームにおいては、航空機インテントに付随する不確実性は、トラジェクトリ画定における不確実性の主要因ではなくなっており、AIDLで記述された航空機インテント(AIDLでのトラジェクトリモデルのサンプルを図7に示す)の理想的な定義を実際に実行する際に起こり得る微細な差異に関する残余的な要因に過ぎなくなっている。
先行技術の結果に従えば、航空機性能モデル(APM)および航空機運動モデルの双方の不確実性が、トラジェクトリ予測の不確実性に与える影響は、大気予報に関する不確実性を要因とするものに比べれば無視できる程度のものである。
一般的に、気象モデルは、所与の初期条件および境界条件によりそれぞれ特徴づけられる特定の時間的および空間的領域における大気の挙動を記述する微分方程式として構築される。このような方程式は、流体の運動を記述する一般的なナヴィエ−ストークス則(Navier-Stokes laws)(そのカオス的性質は、広く認識されている)を簡易化したものに相当し、空間的および時間的領域で離散化して数値計算により解くことができる。この問題のカオス的性質により、その解は以下の側面による影響を非常に受けやすく、よって、これらの側面は、気象予報における不確実性の主要因を表している。
ii−1)領域の画定:グリッドの形状、セルのサイズ、座標系、地形標高モデルの解像度および正確さ、可動面(水域)と陸域の特徴づけ、対象期間(time horizon)および統合時間幅、
ii−2)モデルおよび解法(solver):流体力学の物理的な法則を具体化する方程式の空間的および時間的離散化ならびに解法
ii−3)初期/境界条件:初期条件は、開始時の大気状況に関する最新最善の知識から得られ、境界情報は、開始時から解が要求される期間に亘る時間間隔のすべてに沿って、空間領域の境界で得られる。
説明したスキームにより、決定論的な解が得られる。確率的予測の考えは、予測に確率の概念を導入するものである。気象予報の不確実性情報を提供するのに広く用いられている方法は、アンサンブルを生成する方法である。(気象)アンサンブルとは、解の集合であり、各々の解は、異なる入力データに基づいて1つまたは複数の気象モデルを実行することにより得られる。即ち、当該アンサンブルは、それぞれが大気状況の可能なシナリオを表す複数の確率事象からなる有限空間である。気象団体(meteorological agencies)は、アンサンブルを利用して予想についての信頼度を提供している。本方法では、類似の手法を利用して、TP(図9参照)に関連する大気パラメータの予報に伴う不確実性を特徴づける。
トラジェクトリ予測における不確実性の要因がある程度分かっているという事実にも関わらず、既存の決定支援ツール(DST’s)のほとんどは、決定論的不確実性トラジェクトリ予測に依拠しており、確率的トラジェクトリ予測には依拠していない。このことは、予測の不確実性がほとんど考慮されていない、あるいは、まったく無視されていることを示唆している。よって、本方法は、DST’sがより高度な操作性能を発揮するために有用なTP不確実性を特徴付け、利用することを考慮した方法である。
上述した内容に基づき、本方法は、図10に概要を示すアプローチを用いる。これは、先に説明したTPスキームを拡張して、不確実性の処理を盛り込んだものである。これにより達成される目的は、a)決定論的大気モデルを、上述した大気予報アンサンブル(AFE’s)を与える確率論的なもの(確率論的大気モデルPAM)に置き換えることと、b)不確実性についての新たなインタラクションをクライアントDSTとの間で行うことのできるランダム化エンジン部(4)REと称する追加の部材を導入することである。
実際には、不確実性をロバストに制限することを可能にするために、「ロバスト」なDST部(3)r−DSTは、基盤となる確率論的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPから、DST処理の関心対象である特定のトラジェクトリ側面あるいは指数(merit)の不確実性の測度(measure)を入手する。例えば、到着マネージャー(DST=AMAN)であれば、(到着)時刻に関する不確実性を(ロバストに)制限することを関心事とし、フライトプランナー(DST=FP)であれば、コストインデックスなどのより複雑な性能指数(FOM)をロバストに制限することを関心事とするであろう。プロセッサ部(1)s−TPが、決定支援ツール部(3)r−DSTにとっての関心対象である性能指数(FOM)の不確実性について(ロバストな)測度を生成するためには、前者は後者に対して、該当する性能指数(FOM)を画定するよう要求する。
ランダム化エンジン部(4)REの第1の役割は、決定支援ツール部(3)r−DSTが関心対象とするFOMが何であるかを学習し、各実行回において、実際のトラジェクトリにより近いトラジェクトリになるとは限らないが、長期的にみれば(つまり、確率論的空間の全体を考慮すれば)最良の実FOMが得られるようなロバストな予測トラジェクトリを特定することである。
ランダム化エンジン部(4)REの第2の役割は、そのようなロバストな予測トラジェクトリ対応するFOMの不確実性を特定することである。その目的を達成するために、ランダム化エンジン部(4)REは、トラジェクトリエンジンTEと密接に(場合によっては反復的に)インタラクションを行って、考慮された不確実性の入力のすべて(気象的な不確実性に加えて、APM、初期条件、および航空機インテントに関する不確実性)を実践的且つ統計的に堅実なやり方で管理する必要がある。
本開示に記載するアプローチ全体を概念的に表すと図11のようになる。同図は、意思決定自動処理に関わる3つの主要なエレメント(一連のサービス)と、これらエレメント間のインタラクションの概要と、を示している。
図11に示すパターンは、実質的にどの航空交通管制(ATM)シナリオにも適用可能であり、決定支援ツール(DST)が地上に設置されているか機上に搭載されているか、あるいは計画段階と実行段階のいずれの支援を目的とするかに関わらず、また、意思決定処理における自立性レベル(オペレータ主導か、完全自動か)に関係なく適用可能である。
既に説明したように、本開示は、TP処理が完了し確率的なトラジェクトリの組が生成された後に行われる、TPの不確実性を評価する統計的方法も包含する。
ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTは、以下の2つの側面を決定する処理を行う。
i)FOM母集団の代表値(central value)を表す、いわゆるロバスト予測トラジェクトリ(RPT)。例えば、平均値、最頻値、中央値、所与のパーセンタイル値など、代表値(重心)を定義する特定のトラジェクトリ選択基準(TSC)を前提とする。
ii)トラジェクトリの標本空間(即ち、所与のトラジェクトリアンサンブル)に相当するFOM母集団。このFOM母集団から、STD、MAE、SEEまたはRMSなどのFOM分散度が得られる。
よって、本開示は、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTから与えられるFOMの定義を前提として、ロバストな予測トラジェクトリ(RPT)と、対応するFOM値の母集団(あるいは関心対象である他の統計値)と、を特定する一般的な方法を提供するものである。
統計的なパラメータの算出および不確実性パラメータの処理については、以下により詳細に説明する。
トラジェクトリ予測(TP)処理に関する不確実性の要因は、以下のようにまとめることができる。
− 算出(予測)すべきトラジェクトリの画定に付随する不確実性、
− トラジェクトリ予測TPに関連する大気状況の予報に付随する不確実性、
− 予測トラジェクトリの算出に関連する航空機性能側面の質を特徴づける主要性能指数(KPI’s)、
− トラジェクトリ算出処理の初期化に必要な初期条件の観測に付随する不確実性、
− トラジェクトリエンジン部(4)TEがトラジェクトリの算出に用いる運動モデルの信頼性。
大部分の既存のDST’sは、そのような不確実性をほとんど考慮しない比較的単純化されたアプローチに依拠している。DSTの中には、TP不確実性を単純に無視しており、得られる決定が信頼できないものがある。他にも、単純に、大容量のバッファを割り当てることによって、関心対象である特定の側面における未知の不確実性に対応しており、結果として、低品質な(往々にして許容できない)性能しか得られないものがある。
トラジェクトリ予測TPという課題に関し、本開示が提供する解決と既存の解決との主要な差異は、以下の事実から生じている。
1.既存のDST’sで一般的に用いられている決定論的な入力情報を、本件では、異なる不確実性の要因から得られる確率的な入力に置き換えている。
a.既存のDMETサービスにより提供される決定論的大気予報を、新規な確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETにより提供される大気予報アンサンブル(AFE’s)に置き換えている。これにより、気象的な不確実性がTP不確実性にどのように影響を与えるのかについての測度を得ることが可能になる。加えて、新規な確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETのインターフェースは、ロバストな意思決定自動処理を目的として、後段のトラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPをサポートするように特別に設計されている。
b.既存の方法では、DSTが用いる特定のトラジェクトリ画定言語とTP手段との両方にトラジェクトリ画定が依存しており、このような方法では、特に、トラジェクトリ画定の入力も主要な不確実性要因である。本方法では、特定のTPおよびDST手段にとらわれることなく航空機トラジェクトリを一意に記述できる形式言語である航空機インテント記述言語(AIDL)の潜在的な利点を利用することが提案されており、これにより、トラジェクトリ画定に付随する不確実性を排除できる。
c.特定した不確実性要因の残りのものは、上記2つの要因(大気予報およびトラジェクトリ画定)に比べれば、関連性が低い。それにもかかわらず、本方法では、主要因でない他の不確実性が及ぼす影響を検討し、把握する仕組みを可能にしている。これは、現行のトラジェクトリ算出(δAPM,δAI,δIC,δAM)の異なるコンポーネント(APM,AI,IC,AM)に関連づけられた確率パラメータのベクトルとして、トラジェクトリエンジン部TEから提供される所定のランダム化パラメータを画定することにより実現される。
2.従来の「DMET」−「TP」−「DST」との一連の流れで実行される既存の意思決定の自動処理スキームを向上させて、新規の「p−DMET」−「s−TP」−「r−DST」アプローチに機能性を拡張した。
a.p−DMET:一般的な天気予報は広く利用可能であるが、トラジェクトリベースのコンテクストに特化してカスタマイズされた気象予報サービスは新規である。
b.s−TP:決定論的ではなく確率的なTPの供給を確率論的な気象予報から得ることは、航空交通管制(ATM)においては新規である。確率的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPとロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTとの間で、FOMおよびそれに関連する不確実性についてインタラクションを行うことは、これまでにはなかったアプローチである。
FOMに関して、不確実性の入力を管理し、確率的トラジェクトリ予測およびその不確実性の測度を生成できることは、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTの意思決定処理に潜在的な利益を与えるものである。
c.r−DST:カスタマイズされた性能指数(FOM’s)を用いてTPの不確実性を特徴づけて意思決定支援の自動処理に利用することは、現在の技術水準に比して新規である。現在の技術水準では、DST’sは決定論的なTPに依拠しており、不確実性を考慮していない。FOM測定値における不確実性とDST性能との相関関係を分析することは、これまでにはなかったアプローチである。
3.既存の意思決定支援の自動処理では、内部トラジェクトリプレディクタのインフラは、特定のツールの要件を満たすように開発されているのが一般的である。
加えて、通常、自動処理では、算出すべき航空機トラジェクトリが「専有の記述言語」を用いて画定されている。よって、既存のトラジェクトリ予測は、特定のTP手段をDSTにおける特定のトラジェクトリ記述に結び付ける手法に依拠している。AIDLに基づいたTPを用いることも新規な思想であり、これにより、トラジェクトリ画定と特定のTP手段とを切り離すことを可能にする。
よって、本方法およびシステムは、既存の意思決定支援のアプローチより以下の理由により優れている。
−AIDLの採用により、不確実性の主要因である、トラジェクトリ画定に付随する不確実性を排除している。
−他の主たる不確実性要因についての追加情報、即ち、大気状況予想をp−DMETアプローチによって検討している。
−DST’sの関心対象である不確実性に対応する予測トラジェクトリの特定の側面に依存しない、(FOMアプローチに基づく)形式的なスキームを提案している。
−意思決定の根拠とする予測トラジェクトリを選択する際に不確実性を考慮し、その不確実性の測度を追加で取得して、より堅実な決定を行うのに利用しているので、意思決定処理のロバストネスが改善されている。
本開示は、空域利用者および航空交通管制/無人航空機システム(ATM/UAS)のサービス提供者にとって、将来的なトラジェクトリベースの航空機(AV)操作環境というコンテクストで特に価値がある。特に、飛行計画設計、到着管理、感知および回避およびエンジン停止状態での緊急着陸などに用いる革新的な意思決定技術では、既存の決定論的自動処理に比べて、よりロバストな結果を得ることを目的として、気象アンサンブル予報に基づいた確率的トラジェクトリ予測モデルを利用可能である。
提案した方法によれば、航空会社の大規模運航においてコスト節約が可能である。確率論的なアプローチに基づく運航上の決定は、決定論的なアプローチに基づく決定よりも現実性が高く、より簡単により適切に実際の運航コストに適合させることができる(安全性を損なうことなく、運航を大幅に改善できる)。
以下に、トラジェクトリ予測(TP)処理およびそれに付随するTP不確実性の要因について、より詳細に説明する。
航空交通管制(ATM)の運航において意味をなす合理的な推定に基づいて飛行体(AV)のトラジェクトリを算出する数学的な問題は、従来、以下の構成により記述される。
AVの重心(3つの自由度、3−DOF)の運動を規定する運動方程式は、4Dウインド(w)のフィールドのうち、空力(LおよびR)、推進(T)、重力(W)を対象とし、以下のように記述される。
燃料消費モデル(F)に基づく質量変動方程式は、以下のように記述される。
局所的な卯酉線(N)と子午線(M)曲率半径により定義される楕円体形状における航法方程式(navigation equation)は、以下のように記述される。
3つの制御自由度を束縛するAIDL運動指示(instruction)の効果(effect)は、以下のように記述される。
4つのコンフィギュレーション自由度を束縛するAIDLコンフィギュレーション指示の効果は、以下のように記述される。
方程式[E1]、[E2]、[E3]は微分方程式であるが、[E4]および[E5]は代数的な制約条件を表す。これらのすべては、いわゆる微分代数方程式(DAE)系を構成し、縮約表記で表すと以下のように書き換えることができる。
ここで、変数は図15の表に示す枠組みに従って選択されている。
方程式[E4]、[E5]、[E6]は、所与の初期条件について数値的に解くことができる。
これにより、予測トラジェクトリが得られる。即ち、状態ベクトルXj、あるいは典型的には、これの拡張バージョンであるYjの「n個」のサンプルの離散数列が得られる。加えて、各統合ステップjで算出される運動、コンフィギュレーション、環境および航空機の性能特性についての追加情報が得られる。
AIDL(航空機インテント)を用いてAVトラジェクトリを定義していることにより、操作区間(operation interval)と呼ばれる所与の時間間隔に対して適用可能な方程式[E4]と[E5]の組み合わせが、トラジェクトリの全航程について既知となる。よって、どのようなトラジェクトリも一連の操作に常に分割可能であり、各操作に対応するトラジェクトリセグメントを算出する演算を、運動指示およびコンフィギュレーション指示の特定の組み合わせにより定義することができる。言語の比喩を用いて説明すると、トラジェクトリは、一連の「ワード」あるいは「符号」によって「述べる」ことができ、各ワードは7「文字」の組み合わせからなり、これは、3つの運動指示と4つのコンフィギュレーション指示であって、対応するワードが定義するトラジェクトリの時間間隔において適用可能な指示に相当する。したがって、トラジェクトリを算出する演算は、一連の微分方程式、あるいはDAE問題を解くことを基盤とし、その代数的な部分はAIDLにより与えられ、トラジェクトリにおける次のセグメントの初期条件は、前に算出されたセグメントの終了状態から得られる。
提示したAVトラジェクトリ算出のアプローチは、動的質量が変動する3−DOF(自由度)の航空機性能モデル(APM)に依拠する。このモデルは、空力および推進力ならびに燃料消費量(重力の算出に関連する)を、運動側面および局所的な環境条件の関数としてモデル化したものである(図16の表を参照)。
また、トラジェクトリ算出演算に含まれる環境的な特徴は、いわゆる地球モデル(EM)を介して提供され、その特徴は、一般的に、局所位置および時間(図17の表を参照のこと)に依存する。即ち、以下のように記述される。
地球モデルEMは、2つのサブモデルに分割可能である。1つは、ジオイド(Geoid)であり、典型的には楕円体形状であるジオポテンシャル(geopotential)モデルおよび重力モデルを緯度と高度の関数として提供するものである。もう1つは、いわゆる「4D大気モデル」(AM)であり、大気圧、気温および風を、位置と時間の関数として提供するものである(図8を参照)。
ジオイドモデルは、比較的単純で標準的な手法により構築される。これに対し、大気モデルAMは、大気/気象科学、地球観測、気象予報の機関、モデル、データ検証・分散、などに関連する技術領域全体に関わり、飛行体(AV)トラジェクトリの算出演算という範疇を超える複雑さをもたらす主要因となっており、実際、TP不確実性に関しては最大の懸念事項であるといえる。
よって、大気モデル(AM)は、DMET(あるいは、本開示の確率論的アプローチにおいてはp−DMET)と呼ばれる外部サービスに属していると想定される。このサービスは、所与の地理的空間領域および時間領域についてのTPに関連する大気状況の予報に伴う複雑さに対処する役割を担う。
説明したように、提示したAVトラジェクトリ算出のアプローチは、単なる4Dや位置および時間よりも、はるかに多くの情報を扱う。具体的には、図18の表に、考慮対象であるトラジェクトリ側面のすべてを示す。
トラジェクトリ予測における誤差およびメトリック(metric)の判定に関する限り、TP不確実性を検証するための厳密なフレームワークは、r−DST’sの関心対象となりうる異なるトラジェクトリ側面についてTP誤差が何を意味するかの定義と、その誤差を測定するための適切なメトリックの確立とを必須とする。
誤差の一類型には、いわゆる「4D誤差」がある。はじめに、図12を検討する。同図には、典型的な予測トラジェクトリと、「P」で表す所与の予測位置にある航空機とが示されている。不確実性が含まれることを念頭におくと、航空機の実測位置「A」は、同じ時点における予測位置Pと一致しないことが予想される。この目的で、共分散楕円(covariance ellipsoid)の概念が有用であり、Pを中心とし、実測位置Aを所与の確率(例えば、1シグマ、2シグマ、ほか)で包含する楕円が有用である。この考えは、そのような空間を簡易なアプローチで、即ち、3次元の箱状の空間で囲むことにより、軌道上距離誤差(ATER:along track error in distance)、軌道直交誤差(XTE:cross-track error)および垂直誤差(VE:vertical error)を含む幾何学的なTP誤差の測度を得ることを目的とする。図12は、この概念を示しており、一般的には以下の3つの位置を含む(図19の表を参照)。
実際には、時点「t」に時間的に一致する予測位置Pと実測位置Aとを関連づけるには、「公称位置(nominal position)」と呼ばれる第3位置「N」を特定する必要がある。これは、予測トラジェクトリ上で空間的にAに対応する位置、即ち、実測位置に最も近い予測位置である。したがって、PとAとを結び付けるには、予測軌道上を量ATERだけ移動して位置Nに至り、その後、軌道と直交する方向に量XTEだけ移動し、加えて垂直方向に量VEだけ移動する。Nは、t以外の時点に対応しており、この時間差がいわゆる軌道上時間誤差(ATET:along track error in time)である。
図20の表は、ここまでの記載で4Dトラジェクトリ側面に基づいて定義したTP誤差を、そのメトリックと併せて示している。ここで、XTE用のメトリックについては、下記の説明を追加する。
TND基準系は、以下のように定義される。
−X1 TNDは、地点Nにおける対地速度vHの水平成分に沿って(すなわち水平経路の接線方向に)配向される。
−X2 TNDは、N’において基準面に接する局所面でX1 TNDを時計回りにπ/2だけ回転させることにより得られる(すなわち水平経路の法線)。
− X3 TNDは、天底(下向き)を指し、よって3つの軸は、右手系のデカルト座標系を構成する。
Nおよび「e」は、それぞれ、卯酉線の曲率半径および準拠楕円体(reference ellipsoid)の離心率を表す。
このベクトルをLLSで表すと、以下のようになる。
ここで、行列R3およびR2は、軸3、次いで軸2を中心に連続しておこなわれる、従来の要素回転(elemental rotation)を表す。
一旦、4DのTP誤差測のメトリックが定義されれば、例えば、姿勢、速度あるいは燃料消費量誤差など、図21の表に示すような他のトラジェクトリ側面に関連づけられた付加的なTP誤差のメトリックも定義することが可能である。
速度誤差のメトリックは、IAS、CAS、GSあるいはマッハ(MACH)など、異なる種類の速度に適合させることが可能である。同様に姿勢誤差のメトリックも、空力基準の代わりに、磁高度あるいは真高度いずれかの対地基準に適合させることが可能である。
最後に、実トラジェクトリ沿いで実際に測定された大気プロパティを利用して付加的なメトリックを定義することは、着目に値する。そのようなメトリックは、大気条件の予報の正確さを評価するのに利用可能である。
図22の表は、大気モデル(AM)に関連づけられた、そのような付加的な誤差の概念およびメトリックを示す。
図23は、典型的なトラジェクトリ関連システム(DST’s)と、これらシステムが扱う典型的なトラジェクトリ関連機能と、そのような機能が算出するトラジェクトリ関連側面と、の非包括的なリストである。原則的に、各トラジェクトリ関連DSTは、トラジェクトリ関連の機能をその商業的な目的の要件に即した特定の方法で組み合わせている。しかしながら、多くの共通点が、ATMおよびUAS双方の分野で異なる商業用途あるいは軍事用途で現在用いられている、あるいは、将来的に使用が推奨されるDST’sに認められる。
AIDL技術設計の基本的な前提は、共通のインフラを用いて、理想的にはすべてのトラジェクトリ関連の関数をサポートでき、トラジェクトリ関連の標準的な原子関数群を組み合わせれば、トラジェクトリ関連のDSTの機能性の大部分を実現でき、また、その改善が期待できるようにすることである。
既に説明したように、ほとんどのDST’sは、どこかの段階でなんらかの方法でTPに依拠して、ある種のwhat−if分析をサポートしている。この分析は、究極的には、その意思決定処理の裏付けとなるものである。したがって、TPに不確実性を盛り込む際に、TPインフラが可能な限り多くのDST’sで利用可能になるように、十分に普遍性のあるアプローチを検討することが最優先とされる。
実際、4D領域において関心対象である大気状況の変遷を「合理的に」把握すると想定される予報大気シナリオWiのアンサンブル「W」について検討すると、これは、次のように特徴づけられる。[λ1,λ2]×[φ1,φ2]×[h1,h2]×[t1,t2]:
「合理的な」との用語は不明確な響きを持ちうるが、p−DMET技術範囲で重要な点は、実際の大気シナリオは、おそらくほとんどの場合、Wのメンバー(element)であるいずれのシナリオとも合致しないが、これらのメンバーが網羅する条件の範囲が予想の不確実性についての測度となることである。Wが与えられると、これに対応する、可能性のある予測トラジェクトリTiのアンサンブルが得られる。各予測トラジェクトリは、対応する大気シナリオWiのそれぞれに基づいて算出され、残りの入力は、「q」回のインスタンスのすべてについて同じになる:
いくつかの用途においては、DSTは、単一つのトラジェクトリの性能指数(FOM)を評価することを関心対象とし、「q」個の可能な大気シナリオを考慮すると、可能なFOM値の母集団が得られる。
この場合、DSTは、a)T個のトラジェクトリのうち、FOM母集団の平均値、最頻値、中央値、パーセンタイル値、あるいはその他の統計値などの代表値を表すトラジェクトリを選択(i=R)することと、b)選択されたトラジェクトリに対する、残りのトラジェクトリのFOMの分散度を取得することと、を必須とする。
この場合のFOM’sの例には、下記のものがある。
−消費燃料:Δm=mn−m0
−所与のフィックスへの到着時刻(飛行時間):Δt=tn−t0
−コストインデックス(時間コスト対燃料コスト):CI・Δt−Δm
−範囲(水平飛行距離):Δr=rn−r0
−所与の時点またはフィックス(λn,φn)あるいはトラジェクトリセグメントにおける2D位置(ATER、XTE)
−所与の時点またはフィックス(hn)あるいはトラジェクトリセグメントにおける高度(VE)
−所与の時点またはフィックス(λn,φn,hn)あるいはトラジェクトリセグメントにおける3D位置(ATER、XTE、VE)
−所与の時点またはフィックス(λn,φn,hn,tn)あるいはトラジェクトリセグメントにおける4D位置(ATER、XTE、VE、ATET)
−所与のフィックス(vTAS,n)あるいはトラジェクトリセグメント全体における速度(SE)
−所与のフィックスあるいはトラジェクトリセグメントにおける姿勢(χTAS,n,μTAS,n,γTAS,n)(BE、PAE、BAE)
−所与の時点あるいはフィックスにおける後方乱気流:速度(vTAS)、コンフィギュレーション(δHL k,δSB k,δLG k)および風(wk)の関数
別の用途では、DSTの関心対象は、同時に評価されるトラジェクトリの組「S」の総合の性能指数である。
この場合のFOMは、複数のトラジェクトリの関数になる。可能性のある大気シナリオWiのいずれについても、対応するトラジェクトリの組は特定の形式に合わせることができ、これにより特定の全体FOMiが得られる。
この場合も、DSTは、a)FOM母集団の代表値を最もよく表すロバストな予測トラジェクトリの特定の組を定めるように、シナリオのインデックスi=Rを選択することと、b)選択されたシナリオに対する、残りのシナリオに関連するFOMの分散度を取得することと、を必須とする。
この場合のFOM’sの例は、典型的には航空交通あるいは航空機の集団に関連し、例えば、
−消費燃料:ΣΔmk=Σ(mn k−m0 k)、ただしk={1,…,s}
−騒音:位置(ATERk,XTEk,VEk)、推進力(Tk)、コンフィギュレーション(δHL k,δSB k,δLG k)および風(wk)の関数
−排気量:消費燃料と風の関数
−コンフリクト性:損失LOS事象の回数に、LOSの確率をかけた値(ATERk、XTEkおよびVEkの関数)、である。
図24aおよび図24bは、意思決定処理において検討される代表的なDST’sの組と、これらの関心対象である(あるいは関心対象となりえる)FOM’sと、の関係を定性的に示す表である。
図24aおよび図24bの表に示されるように、DSTの関心対象が、トラジェクトリの終点におけるFOMのみを評価することであるか、トラジェクトリ全体についてであるかによって、2つのケースに区別される。
既に示唆した通り、トラジェクトリベースのr−DSTは、いずれも、本質的に2つの要素を関心対象とする:
a)いわゆるロバストな予測トラジェクトリ(RPT)。これは、例えば、平均値、最頻値、中央値、所与のパーセンタイル値など、その代表値(重心)を定義する特定のトラジェクトリ選択基準を前提として、FOM母集団の代表値を表すものである。
b)トラジェクトリの標本空間(即ち、所与のトラジェクトリアンサンブル)に相当するFOM母集団。この母集団から、STD、MAE、SEEまたはRMSなどのFOM分散度が得られる。
以下は、上述した意味でのロバストな予測トラジェクトリ(RPT)を特定する一般的な方法について示す。また、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTから与えられるFOMの定義を前提とした、関連するFOM値の母集団について示す。
簡潔さのため、TPにおける唯一の不確実性の要因は、大気予報、即ち、AIDLで表す航空機インテントに由来するものであり、初期条件(IC)および航空機性能モデル(APM)は無関係であるとする。尚、大気シナリオWiは、アンサンブルWのどのメンバーであってもよい(方程式[E17]を参照のこと)。
下記に説明する方法は、トラジェクトリが複数の場合ではなく、既に説明した、単一のトラジェクトリの場合に関する。上述したように、2つのケースに区別される。
a)終点での指数
この場合、所与のFOM関数を、アンサンブルTに含まれるトラジェクトリ{Ti}のそれぞれに適用すると、以下のように記載されるFOMの母集団が得られる。
尚、調査した例では、FOMは、図25の表に示した形式を採る。
FOM母集団の傾向を表す代表値を選択するためには、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTからトラジェクトリ選択基準(TSC)を受け取る必要がある。図26の表は、統計的変数の代表的な値を導出するのために統計学で用いられる最も典型的な基準を示す。
FOM母集団の値にTSCを適用することにより、対応する代表値zcが、
として得られる。
算出されたzcが、母集団zのいずれかの値と一致することはほとんどないので、最も近い値が代表的な傾向を最もよく表す値として選択される。
算出されたFOM値ziと代表値zcとの間の差分の母集団を表す式として、以下の方程式、
を考えると、絶対値が最も小さいものは、
と、記載できる。これは、アンサンブルのうち、代表値zcに最も近いFOMに対応するトラジェクトリTR、即ち、ロバストな予測トラジェクトリRPTを識別する添え字Rを定義するものである。
一旦RPTが特定されれば、いわゆる重心zRに対するFOM偏差の母集団は、
と表すことができる。これは、PRTを算出するために選択されたシナリオWRが実際の大気状況と異なる場合には、FOM分散度の母集団を表すとみなすことができる。
母集団「e」から、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTに有意な、任意の統計的な分散度を得ることができる。図27の表に、最も典型的なものを示す。
b)トラジェクトリ全体の指数
上述したアプローチを一般化して、r−DSTの関心対象が、所与のフィックスあるいは時点のみではなく、トラジェクトリ全体におけるトラジェクトリ側面の不確実性の評価である場合に適合させることができる。例えば、確率論的広域航法(probabilistic Area Navigation)(p−RNAV)におけるトラジェクトリ形状(trajectory geometry)の適合性や継続的な時間/速度ガイダンスの変数を評価する場合が、これにあたる。
この場合に関心対象となる典型的なFOM’sを、図28の表に示す。
この場合、添え字jに追加の自由度(DOF)が対応付けられて、アンサンブルに含まれるトラジェクトリTiの個々のサンプルYijを示す。
このため、トラジェクトリサンプルの段階では、所与のFOMを直接に用いるのではなく、対応する指数(図28にzで示す)を代わりに適用して、トラジェクトリサンプル段階のFOM’sの母集団を下記のように得る:
式[E32]および[E33]では、検討対象のアンサンブルに属するトラジェクトリのすべてが、同数の状態ベクトルサンプルを含むと想定している。
ここで、TSCをzの母集団に列方向に適用すると、対応する各トラジェクトリサンプルの組について代表値TSCが得られる。
算出されたトラジェクトリサンプル段階でのFOM値zijと代表値zCjとの間の差分の母集団を表す式として、以下の方程式、
を考えると、絶対値が最も小さいものは、
と、記載できる。これは、アンサンブルののうち、代表値zcに最も近いFOMに対応するトラジェクトリTR、即ちロバストな予測トラジェクトリRPTを識別する添え字Rを定義するものである:
また、この場合はn次元の値である重心を定義するものである:
一旦RPTが特定されれば、重心zRに対する、FOM偏差の母集団は以下のように表現できる:
この後は、先に検討したケース(終点での指数)において説明したのと類似のアプローチにしたがえば、FOM分散度の値は母集団「e」から導出可能である。
以下に、テストベッドの構成についての簡単な説明を、上述した方法における前提設定に基づいて述べる。この説明は、多くの異なる試験的事例の実行に必要となる異なるトラジェクトリ側面の確率的分析のサポートを目的とする。
当該構成についての大局的な視点を提示することを目的として、以下の記述では、主要な論理コンポーネントについての静的な視点と、これらコンポーネント間の主なインタラクションの詳述となる動的な視点との、両方を提示する。
図14は、テストベッド全体の論理的構成を示す図であり、3つの主要なシステム(r−DST、s−TPおよびp−DMET)と、その内の中心的なシステムである確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPのサブシステムと、を含む。
図14に示すシステム/サブシステムの主要な機能と、そのインターフェースついて順に説明する。
a)ロバストDST部(3)r−DST
一般的に、既存のDST’sがその意思決定処理の基礎とするトラジェクトリプレディクタ(TP)は、典型的にはその都度生成される内部コンポーネントであり、AV種別、トラジェクトリ画定および大気シナリオなどの入力の組のそれぞれに対して単一の(決定論的な)予測トラジェクトリに依拠する。
本提案の構成のTPは、この機能性は維持しつつも、AIDLに基づくトラジェクトリ算出(TC)用の外部インフラであると特徴づけられる。図14に示すインターフェース1、5、7、8はそれぞれ、DSTがAMを必要とする4D領域を設定し、AV種別を選択し、航空機インテントを提供し、および予測トラジェクトリを要求/抽出することを可能にする。
ただし、本明細書で検討するロバストDSTの概念は既存のDSTとは異なり、新規な機構によって、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTが追加の情報に基づいて意思決定処理を行うことを可能にしている。この情報は、不確かであることが分かっている側面についての予測トラジェクトリの感度に関する情報である。加えて、係る機構は、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTが、意思決定処理に関連する不確実性を付随する予測トラジェクトリの特定の側面を選択することを可能にしている。
この新規な機能性は、図14のインターフェース13を介して実現される。このインターフェースを介して、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTは確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPに対して、関心対象であるFOMとトラジェクトリ選択基準(TSC)と、(確率的な)TC処理に関連する確率変数のランダム化の仕方についてのコンフィギュレーション情報と、を提供する。これに対して、確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPは、ロバストな予測トラジェクトリ(RPT)と、それにしたがって算出されたFOM不確実性と、を返す。図14のインターフェース13は、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTにs−TPのランダム化機能についてのメタデータも提供する。このメタデータは、基本的には、ランダム化可能なパラメータと、これらパラメータが取り得る値の範囲と、所与のランダム化コンフィギュレーションの算出に伴う複雑さの測度と、である。
図29aおよび図29bの表は、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTと確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPとの間のインタラクションをさらに詳細に示す。
b)AIDLベースの確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TP
確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPは、図14にランダム化エンジン部(4)およびトラジェクトリ算出部(5)TCとして示す2つの主要なコンポーネントから構成されている。基本的に、モンテカルロシミュレーションに基づくアプローチを用いる。よって、ランダム化エンジン部(4)REは、下位のトラジェクトリ算出部(5)TCであって、ランダム化エンジン部(4)REにより選択されるすべての確率変数の組み合わせのそれぞれについて1つのトラジェクトリを算出する算出部と協働して、繰り返し処理を行う。ランダム化処理に関わる確率変数に、ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTにより設定された可能な値をすべて代入したあと、ランダム化エンジン部(4)REは、すべての「可能な」予測トラジェクトリを収集し、上述したFOM分析(単一トラジェクトリ分析および複数トラジェクトリ分析)を行う。または、検討した確率変数が上述のケースと異なる場合には類似の分析を行う。
−ランダム化エンジン部(4)RE
ランダム化エンジン部(4)REは、上述したインターフェース13を介して確率的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPの機能性を実現する。この目的で、ランダム化エンジン部(4)REは、インターフェース8、9、10、11、12を介して下位のトラジェクトリ算出部(5)TCと図30aおよび図30bの表に記載したようなインタラクションを行う。
ランダム化エンジン部(4)REは、ランダム化手順を構築する役割を有し、この手順は、典型的には入れ子のループ群を含み、各ループは、1つの確率パラメータに関連付けられており、ランダム化エンジン部(4)REに選択された刻みで、当該パラメータに対応する範囲を網羅することで、演算の複雑性に適切に対処している。特定の組み合わせが1つ決まると、その都度、ランダム化エンジン部(4)REは、インターフェース8を呼び出して、その組み合わせに対応する予測トラジェクトリを抽出する。確率パラメータのすべての範囲について処理が完了すると、ランダム化エンジン部(4)REは、上述した分析を実行するように切り替える。
−トラジェクトリ算出部(5)TC
トラジェクトリ算出部(5)TCは、関連する確率パラメータに与えられた値を含む入力の組のそれぞれについて予測トラジェクトリを算出するコンポーネントである。よって、インターフェースを介してランダム化エンジン部(4)REと協働して確率パラメータの処理を行うものの、トラジェクトリ算出部(5)TCは決定論的な方法で動作する。その主要な要素は、トラジェクトリエンジン(TE)、航空機性能モデル(APM)および確率論的大気モデル(PAM)である。図31の表は、これらの間のインターフェースを説明する。
c)確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMET
本開示のシステムにおける確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETは、確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPに対して、提案のアンサンブルアプローチに基づく確率的大気予報を提供するものであり、この目的で、インターフェース2を介してトラジェクトリ算出部(5)TCの内部コンポーネントであるPAMとのインタラクションを行う。図32の表に、当該インターフェースの上位概念設計を示している。
本方法およびシステムは、現在の技術水準に比較して、以下の理由により革新的である。
1)従来にはない、専門技術および分野(気象予報、気象サービス、トラジェクトリ予測および管理、大量データ処理および航空交通運用)の組み合わせを包含する。
2)ユーザの操作決定に与える最終的な影響を理解し、定量化する目的で、航空機トラジェクトリのライフサイクルの最初から最後までの全体に伝播する気象予報不確実性に着目して、他の不確実性要因と組み合わせている。
3)本方法は、航空交通管制(ATM)の決定支援用の現在の技術水準品における不確実性を特徴づけるメトリック(FOM’sあるいはこれに均等なパラメータ集合)を特定しており、よって今後の製品の運用利益の測定値を特定している。
具体的には、3つの主要部(main research unit)は、多数の革新的な特徴を包含している。
確率論的デジタル気象サービス部(2)p−DMETについて:
4)一般的な天気予報は広く利用可能ではあるが、トラジェクトリベースの観点で航空会社やATM運用に特化した専門的な気象予報製品/サービスは利用可能でない。
5)気象予報不確実性は、その分野での経験に裏付けられた3つの異なる組織により提供されるモデルのアンサンブルと条件とから抽出されており、幅広い範囲の結果が補償される。
確率的トラジェクトリ予測処理部(1)s−TPについて:
6)確率論的な気象予報から得る、決定論的ではなく確率的なTPは航空交通管制(ATM)においては新規である。
7)確率的トラジェクトリ予測プロセッサ部(1)s−TPとロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTとの間で、FOMおよび関連する不確実性について行うインタラクションは、これまでにはなかったアプローチである。
ロバスト決定支援ツール部(3)r−DSTについて:
8)カスタマイズされたFOM’sを用いてTPの不確実性を特徴づけて意思決定支援の自動処理に利用することは、現在の技術水準に照らして新規である。現在の技術水準では、DST’sは決定論的TPに依拠しており不確実性を考慮しない。
9)FOM測定値における不確実性とDST性能との相関関係を分析することは、これまでには行われていない試みである。
TPベースのDST’sの基盤となる気象モデルが満たすべき要件の概要を把握するために感度の分析を行って、SESAR(Single European Sky ATM Research:単一欧州航空交通管理)の目的を効果的にサポートすることは、これまでは行われていなかった。

Claims (11)

  1. 航空機の飛行管理に用いる、航空機トラジェクトリの画定および予測のための方法であって、
    a.航空機性能特性および大気データの両方の入力データを取得し、
    b.航空機トラジェクトリに適用すべきトラジェクトリパラメータを定義し、この際に、
    − 航空機トラジェクトリパラメータは、特定の符号で構成される特定の航空機インテント記述言語を用いて定義され、前記航空機インテント記述言語の符号はそれぞれ、航空機トラジェクトリの個々のセグメントを記述するものであり、前記航空機インテント記述言語の符号の特定の組み合わせはそれぞれ、トラジェクトリ全体を記述するものであり、
    − 大気データは、複数の大気予報アンサンブルとして取得され、大気予報アンサンブルに含まれる各大気予報は、決定された天候シナリオをその確率と共に表しており、
    当該方法は、さらに、
    c.大気予報アンサンブルの各大気予報から予測トラジェクトリを算出し、当該予測トラジェクトリは、航空機トラジェクトリの特定の性能指数に関連する情報を含み、
    各大気予報アンサンブルから予想トラジェクトリアンサンブルが取得され、当該予測トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予測トラジェクトリは、大気予報アンサンブルに含まれる各大気予報の確率から導出される確率関連づけられており、
    d.各航空機予測トラジェクトリの特定の性能指数を選択し、
    e.予測トラジェクトリアンサンブルに含まれる各予測トラジェクトリについて、前記選択された性能指数の値を決定し、
    f.前記選択された性能指数の統計値を所定の統計的基準に従って算出し、当該統計値は、前記選択された性能指数に関して、各予測トラジェクトリアンサンブルに含まれるすべての予測トラジェクトリを代表しており、当該算出は、関連する不確実性を算出するための基準であって、それに従うと特定の性能指数の統計的代表値を表す予測トラジェクトリが選択される基準を少なくとも1つ含み、
    g.各予測トラジェクトリアンサンブルから、前記選択された性能指数について先に算出した統計値により近い値を前記選択された性能指数として有する予測トラジェクトリを決定し、
    h.各予測トラジェクトリアンサンブルに含まれるすべての予測トラジェクトリについて、前記選択された性能指数について算出した前記統計値に対する、前記選択された性能指数の値の分散度を所定の統計的基準に従って算出し、
    i.航空機のフライトの少なくとも1つのセグメンにおける飛行管理に、選択された予測トラジェクトリを利用する、方法。
  2. 請求項2に記載の方法であって、前記算出された予測トラジェクトリから予測トラジェクトリを選択し、選択された当該予測トラジェクトリは、所定のトラジェクトリ選択基準に最もよく合致するものである、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記航空機インテント記述言語の前記特定の符号はそれぞれ、少なくとも3つのトラジェクトリ制約条件と4つのコンフィギュレーション指示との組み合わせからなり、前記3つのトラジェクトリ制約条件を課すことにより前記航空機トラジェクトリのすべての自由度が対処され、よって前記3つのトラジェクトリ制約条件を課すことにより、前記航空機トラジェクトリは完全に画定され、これら制約条件は、少なくとも、
    i 経度、
    ii 緯度、
    iii 高度、
    iv 真対気速度、
    v 方位、
    vi スロットル、
    vii 飛行経路角、
    viii バンク角、
    ix 高揚力、
    x スピードブレーキ、のうちから選択される、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記性能指数は、少なくとも、
    i 消費燃料、
    ii 所与のフィックス到着時刻、
    iii コストインデックス、
    iv 水平飛行距離の範囲、
    v 所与の時点における2D位置、
    vi 所与のフィックスにおける2D位置、
    vii トラジェクトリセグメントにおける2D位置、
    viii 所与の時点における高度、
    ix 所与のフィックスにおける高度、
    x トラジェクトリセグメントにおける高度、
    xi 所与の時点における3D位置、
    xii 所与のフィックスにおける3D位置、
    xiii トラジェクトリセグメントにおける3D位置、
    xiv 所与の時点における4D位置、
    xv 所与のフィックスにおける4D位置、
    xvi トラジェクトリセグメントにおける4D位置、
    xvii 所与のフィックスにおける速度、
    xviii トラジェクトリセグメントにおける速度、
    xix 所与のフィックスにおける姿勢、
    xx トラジェクトリセグメントにおける姿勢、
    xxi 所与の時点における後方乱気流、
    xxii 所与のフィックスにおける後方乱気流、のうちから選択される、方法。
  5. 航空機の飛行管理に用いる、航空機トラジェクトリの画定および予測のためのシステムであって、当該システムは、
    a.特定の航空機インテント記述言語を用いて、航空機のフライトの各セグメントについて予測トラジェクトリを算出するプロセッサ部(1)であって、各予想トラジェクトリは、確率的入力データに基づき算出され、したがって、各予測トラジェクトリは、確率的なものであり、関連する確率を有するものであり、前記入力データは、少なくとも、
    i 航空機性能モデルのパラメータと、
    ii 大気予報と、のうちから選択される、プロセッサ部と、
    b.予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)に、気象予報アンサンブルの入力を提供するよう構成された確率論的デジタル気象サービス部(2)と、
    c.ロバスト決定支援ツール部(3)であって、
    i 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)に、トラジェクトリの予測に必要な入力データを提供し、
    ii 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)により算出された予測トラジェクトリのうちから予測トラジェクトリを選択するように構成された、ロバスト決定支援ツール部と、を含み、
    d.さらに、前記ロバスト決定支援ツール部(3)は、
    i 所定のフライトトラジェクトリであって、当該フライトトラジェクトリの各セグメントについて3つのトラジェクトリ制約条件パラメータの組み合わせを適用することにより、当該フライトトラジェクトリを定義する1つまたは複数のパラメータを含むフライトトラジェクトリと、
    ii 外的状況に対する航空機の応答を定義する1つまたは複数のパラメータを含む航空機性能モデルと、
    iii フライトトラジェクトリのセグメントの始点における航空機の初期条件に関連するパラメータと、
    iv 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)により算出された予測トラジェクトリの少なくとも1つの性能指数を定義するパラメータ群と、
    v 予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)により算出された少なくとも1つの予測トラジェクトリアンサンブルから予測トラジェクトリを選択する少なくとも1つの基準であって、当該少なくとも1つの基準は、どの予測トラジェクトリが特定の性能指数の統計的代表値を最もよく表すものであるかのサーチに基づく基準と、
    vi 関連する不確実性を算出するための少なくとも1つの基準であって、それに従うと特定の性能指数の統計的代表値を表す予測トラジェクトリが選択される基準と、を定義し、
    前記選択された予想トラジェクトリは、フライトの少なくとも1つのセグメントにおいて、フライトマネージャーにより航空機のガイダンスに利用される、システム。
  6. 請求項5に記載のシステムであって、前記確率論的デジタル気象サービス部(2)は、
    a フライトトラジェクトリが位置する空域の空間を囲む領域を定義する1つまたは複数のパラメータを含む大気モデル領域と、
    b 前記空域に関する大気パラメータの複数の大気シナリオであって、大気予報アンサンブルを形成するシナリオを提供する大気モデルと、を定義する、システム。
  7. 請求項5に記載のシステムであって、前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)は、
    a.前記ロバスト決定支援ツール部(3)により提供される前記入力パラメータのうちから、確率的なパラメータ群であり、よって不確実性を伴うと判断されるパラメータ群を決定し、
    b.前記確率パラメータ群の不確実性の種類および範囲を決定する、システム。
  8. 請求項5に記載のシステムであって、予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)は、
    a.前記大気モデル、航空機性能モデル、フライトトラジェクトリ記述、および初期条件のパラメータに基づいて、予測トラジェクトリを表すデータセットを決定し、
    b.確率パラメータとして扱われるべきパラメータに、不確実性の範囲と共に値を割り当てて、前記予測トラジェクトリを表すデータセットについて可能な複数のインスタンスを生成し、
    c.それぞれの予測トラジェクトリが大気シナリオに対応する予測トラジェクトリアンサンブルを前記大気予想アンサンブルに基づいて算出し、
    d.予測トラジェクトリアンサンブルにおける各予測トラジェクトリの少なくとも1つの性能指数を評価して、これら性能指数の値の母集団を取得し、
    e.各予測トラジェクトリアンサンブルにおける予測トラジェクトリのうち、前記評価された少なくとも1つの性能指数の代表値を表すものを、特定の統計的基準にしたがって特定し、
    f.前記評価された少なくとも1つの性能指数の値の分散度であって、先の工程で特定された予測トラジェクトリに対する、予測トラジェクトリアンサンブルの残りのトラジェクトリに関連づけられた値の分散度を、特定の統計的基準にしたがって取得する、システム。
  9. 請求項8に記載のシステムであって、前記予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)は、少なくとも、
    a.前記確率論的デジタル気象サービス部(2)およびロバスト決定支援ツール部(3)から受け取る値であって、確率パラメータとして扱われるパラメータに値を割り当てるためのランダム化エンジン部(4)と、
    b.前記ランダム化エンジン部(4)により提供される入力データに基づいて、予測トラジェクトリを算出するトラジェクトリ算出部(5)と、を含むシステム。
  10. 請求項5に記載のシステムであって、前記入力データは、少なくとも、
    i 航空機性能モデルパラメータ、
    ii トラジェクトリ記述パラメータ。
    iii 所定の性能指数、
    iv トラジェクトリ選択基準および
    v 大気予報、のうちから選択される、システム
  11. 請求項5に記載のシステムであって、前記ロバスト決定支援ツール部(3)は、予測トラジェクトリの算出を行う前記プロセッサ部(1)に、
    − 航空機性能モデルパラメータ、
    − トラジェクトリ記述パラメータ、
    − 選択された性能指数および
    − トラジェクトリ選択基準、の入力を提供するよう構成されている、システム。
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