JP2017501712A - 単鎖il−12核酸、ポリペプチド、およびそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規単鎖インターロイキン−12ポリペプチドに関する。本発明は、特に、ワクチンアジュバントなどとして免疫系の機能を増強するために本発明の単鎖IL−12ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクターおよび細胞を使用する方法における、ならびに感染および癌の処置における、この単鎖インターロイキン−12ポリペプチドをコードする単離された核酸、それらを含むベクターおよび細胞、ならびにそれらの使用にも関する。
Description
配列表への参照
本出願と共に提出された電子的に提出された配列表(名称:SequenceListing.txt;サイズ:127,325バイト;作成日:2013年12月16日)の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
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発明の分野
本発明は、単鎖インターロイキン−12融合タンパク質をコードする新規核酸、それらを含むベクター、それらによってコードされるポリペプチド、および治療用途におけるそれらの使用を提供する。
本発明は、単鎖インターロイキン−12融合タンパク質をコードする新規核酸、それらを含むベクター、それらによってコードされるポリペプチド、および治療用途におけるそれらの使用を提供する。
インターロイキン−12(IL−12)は、食作用細胞、B細胞および活性化された樹状細胞などの免疫系の種々の細胞によって、感染に応答して産生される炎症性サイトカインである(Colombo and Trinchieri (2002), Cytokine & Growth Factor Reviews, 13: 155-168)。IL−12は、免疫系の自然アームと適応アームとの相互作用を媒介し、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞に対して作用し、細胞傷害性リンパ球の増殖および活性、ならびに他の炎症性サイトカイン、特にインターフェロン−ガンマ(IFN−ガンマ)の産生を増強することにおいて、重要な役割を果たす。
IL−12は、腎、結腸および卵巣癌、黒色腫ならびにT細胞リンパ腫を含む、広範な種々の癌の処置のための免疫療法剤として(Atkins et al. (1997), Clin. Cancer Res., 3: 409-17;Gollob et al. (2000), Clin. Cancer Res., 6: 1678-92;Hurteau et al. (2001), Gynecol. Oncol., 82: 7-10;およびYoussoufian, et al. (2013) Surgical Oncology Clinics of North America, 22(4): 885-901)、ならびに癌ワクチンのためのアジュバントとして(Lee et al. (2001), J. Clin. Oncol. 19: 3836-47)、ヒト臨床試験において試験されてきた。しかし、IL−12は、組換えタンパク質として全身投与される場合、毒性である。Trinchieri, Adv. Immunol. 1998; 70:83-243。その全身毒性を最小化しつつ、IL−12の抗腫瘍効果を最大化するために、IL−12遺伝子療法アプローチが、腫瘍部位におけるサイトカインの産生を可能にし、それによって、低い血清濃度と共に高い局所レベルのIL−12を達成するために提唱されている。Qian et al., Cell Research (2006) 16: 182-188;米国特許出願公開第20130195800号。
IL−12は、生物学的に活性な70kDaダイマーを形成するためにジスルフィド架橋によって共有結合されたアルファ鎖(p35サブユニット)およびベータ鎖(p40サブユニット)から構成されたヘテロダイマー分子である。2つのサブユニットの同時発現が、生物学的に活性なヘテロダイマーの産生に必要である。組換えIL−12発現は、単一のベクターからの両方のサブユニットの独立した発現を可能にするために、IRES(内部リボソーム進入部位)配列によって分離されたp40サブユニットおよびp35サブユニットを含むバイシストロン性ベクターを使用して達成されてきた。しかし、IRES配列の使用は、タンパク質発現を損ない得る。Mizuguchi et al. Mol Ther (2000); 1: 376-382。さらに、p40サブユニットおよびp35サブユニットの不均等な発現は、IL−12シグナル伝達に対して阻害効果を有し得るホモダイマータンパク質(例えば、p40−p40)の形成をもたらし得る。Gillessen et al. Eur. J. Immunol. 1995 Jan;25(1):200-6。
IL−12サブユニットのバイシストロン性の発現に対する代替法として、機能的単鎖IL−12融合タンパク質は、(Gly4Ser)3リンカーまたはGly6Serリンカーを用いてp40サブユニットおよびp35サブユニットを接続することによって、産生されている。Lieschke et al., (1997), Nature Biotechnology 15, 35-40;Lode et al., (1998), PNAS 95, 2475-2480。しかし、より長いリンカー配列は、遺伝子療法のためのウイルスベクターを構築する能力を妨害し得、免疫原性応答を誘導する可能性を増加させ得る(例えば、抗単鎖IL−12抗体を生成することによって)。
従って、ワクチンアジュバントなどとして免疫系の機能を増強することにおける、ならびに感染および癌の処置における使用のための、改善された単鎖IL−12融合タンパク質およびかかる融合タンパク質をコードする核酸が、当該分野で依然必要とされている。
本発明は、新規単鎖IL−12(scIL−12)ポリペプチドであって、存在する場合、リンカー配列の長さは、IL−12の少なくとも1つの生物学的活性を保持しつつ、IL−12 p40ポリペプチド配列内にIL−12 p35ポリペプチド配列を挿入することによって最小化される、単鎖IL−12(scIL−12)ポリペプチドに関する。
本発明は、N末端からC末端にかけて、
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む、scIL−12ポリペプチドに関する。
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む、scIL−12ポリペプチドに関する。
好ましい実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドは、IL−12の少なくとも1つの生物学的活性に関する。
本発明はさらに、本明細書に記載されるscIL−12ポリペプチドをコードするscIL−12ポリヌクレオチド、および前記scIL−12ポリヌクレオチドを含むベクターに関する。
本発明は、本明細書に開示されるscIL−12ポリペプチドと、80%、85%、90%または95%の同一性を有する、バリアントscIL−12ポリペプチドにも関する。
本発明は、本明細書に記載されるscIL−12ポリヌクレオチドまたはベクターによって形質転換またはトランスフェクトされた、細胞または非ヒト生物にも関する。
本発明は、活性薬剤として、本明細書に記載されるscIL−12ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクターまたは細胞を含む、医薬組成物または診断組成物にも関する。
本発明は、ワクチンアジュバントなどとして免疫系の機能を増強するために、ならびに感染および癌の処置において、本発明のscIL−12ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクターおよび細胞を使用する方法にも関する。
本発明は、単鎖IL−12(scIL−12)ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを有利に提供する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ワクチンアジュバントなどとして宿主の免疫応答を増強する方法において、ならびに癌などの増殖性障害、感染性疾患および免疫系障害の処置において、有用である。
本発明の種々の態様は、本発明の核酸、ポリペプチド、ベクター、組成物、抗体および使用の方法に関して、以下のセクションにおいてさらに詳細に示される。種々のセクションへのこの組織化は、本発明の理解を容易にすることを意図しており、その限定を決して意図しない。
定義
以下に定義される用語は、本明細書を通じて使用され、本発明の範囲および実施を理解することにおいて有用であるはずである。
以下に定義される用語は、本明細書を通じて使用され、本発明の範囲および実施を理解することにおいて有用であるはずである。
具体的な一実施形態では、用語「約」または「およそ」とは、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内、なおより好ましくは1%以内を意味する。
用語「実質的に含まない」とは、組成物中のタンパク質、DNA、ベクターの少なくとも約75重量%が、(AおよびBが属する種のカテゴリーに依存して)「A」である場合に、「A」を含む組成物(ここで、「A」は、単一のタンパク質、DNA分子、ベクター、組換え宿主細胞などである)が、「B」(ここで、「B」は、1または複数の混入するタンパク質、DNA分子、ベクターなどを含む)を実質的に含まないことを意味する。好ましくは、「A」は、組成物中のA+B種の少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約99重量%を構成する。混入を実質的に含まない組成物は、目的の種の活性または特徴を有する単一分子量種のみを含むこともまた、好ましい。
本発明の目的のために、用語「単離された」は、その元の環境(それが天然に存在する環境)から取り出されている、生物学的材料(核酸またはタンパク質)を指定する。例えば、植物または動物中に天然状態で存在するポリヌクレオチドは、単離されていないが、それが天然に存在する隣接核酸から分離された同じポリヌクレオチドは、「単離された」とみなされる。用語「精製された」は、その材料が、他の化合物の存在を除外した絶対純度を示す形態で存在することを必要としない。これはむしろ、相対的な定義である。
ポリヌクレオチドは、出発材料または天然の材料の精製後、少なくとも1桁、好ましくは2または3桁、好ましくは4または5桁「精製された」状態である。
本明細書で使用する場合、用語「実質的に純粋な」は、そのネイティブの混入物から分離されたポリペプチドまたは他の材料を記述する。典型的には、モノマーポリペプチドは、サンプルの少なくとも約60〜75%が単一のポリペプチド骨格を示す場合、実質的に純粋である。微量バリアントまたは化学的改変は、典型的には、同じポリペプチド配列を共有する。通常、実質的に純粋なポリペプチドは、ポリペプチドサンプルの約85〜90%よりも多くを構成し、好ましくは、約99%を超えて純粋である。通常、純度は、ポリアクリルアミドゲル上で測定され、均一性は、染色によって決定される。あるいは、特定の目的のために、高い分解能が必要であり、HPLCまたは精製のための類似の手段が使用される。ほとんどの目的のために、単純なクロマトグラフィーカラムまたはポリアクリルアミドゲルが、純度を決定するために使用される。
用語「天然に関連する宿主細胞成分を実質的に含まない」は、その天然の宿主細胞状態においてそれに付随するネイティブの混入物から分離された、ポリペプチドまたは他の材料を記述する。従って、化学合成された、またはそれが天然に起源する宿主細胞とは異なる細胞系において合成されるポリペプチドは、その天然に関連する宿主細胞成分を含まない。
用語「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、本明細書で互換的に使用されており、ヌクレオチドと呼ばれる共有結合されたサブユニットから構成されるポリマー性化合物を指す。核酸には、ポリリボ核酸(RNA)およびポリデオキシリボ核酸(DNA)が含まれ、これらは共に、一本鎖または二本鎖であり得る。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、プラスミドDNA、合成DNAおよび半合成DNAが含まれるがこれらに限定されない。DNAは、直鎖状、環状またはスーパーコイルであり得る。
「核酸分子」とは、リボヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、ウリジンもしくはシチジン;「RNA分子」)またはデオキシリボヌクレオシド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジンもしくはデオキシシチジン;「DNA分子」)のリン酸エステルポリマー性形態、あるいは一本鎖形態または二本鎖らせんのいずれかの、ホスホロチオエートおよびチオエステルなどのその任意のホスホエステルアナログを指す。二本鎖DNA−DNA、DNA−RNAおよびRNA−RNAらせんが可能である。用語、核酸分子、および特にDNAまたはRNA分子とは、分子の一次構造および二次構造のみを指し、任意の特定の三次形態に分子を限定しない。従って、この用語には、とりわけ、直鎖状または環状DNA分子(例えば、制限断片)、プラスミドおよび染色体において見出される二本鎖DNAが含まれるがこれに限定されない。特定の二本鎖DNA分子の構造を議論する場合、配列は、DNAの非転写鎖(即ち、mRNAと相同な配列を有する鎖)に沿って5’から3’の方向で、その配列のみを与える通常の慣習に従って、本明細書に記載され得る。「組換えDNA分子」は、分子生物学的操作を受けたDNA分子である。
用語「断片」は、参照核酸と比較して低減された長さの、共通部分にわたって参照核酸と同一なヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を意味すると理解される。本発明に係るかかる核酸断片は、必要に応じて、それが構成要素であるより大きいポリヌクレオチド中に含まれ得る。かかる断片は、長さが、本発明に係る核酸の少なくとも6〜1500連続するヌクレオチドの範囲であるオリゴヌクレオチドを含むまたはこれからなる。
本明細書で使用する場合、「単離された核酸断片」は、合成の、非天然のまたは変更されたヌクレオチド塩基を任意選択で含む、一本鎖または二本鎖のRNAまたはDNAのポリマーである。DNAのポリマーの形態の単離された核酸断片は、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの1または複数のセグメントから構成され得る。
「遺伝子」とは、RNA転写物またはポリペプチドをコードするヌクレオチドのアセンブリを指し、これには、cDNAおよびゲノムDNA核酸が含まれる。「遺伝子」とは、コード配列に先行する調節配列(5’非コード配列)およびコード配列の後ろの調節配列(3’非コード配列)を含む、特定のタンパク質またはポリペプチドを発現する核酸断片もまた指す。「ネイティブ遺伝子」とは、それ自体の調節配列を有する、天然において見出される遺伝子を指す。「キメラ遺伝子」とは、天然には一緒に見出されない調節配列および/またはコード配列を含む、ネイティブ遺伝子ではない任意の遺伝子を指す。従って、キメラ遺伝子は、異なる供給源由来の調節配列およびコード配列、または同じ供給源由来であるが、天然に見出される様式とは異なる様式で配置された、調節配列およびコード配列を含み得る。キメラ遺伝子は、異なる供給源由来のコード配列および/または異なる供給源由来の調節配列を含み得る。「内因性遺伝子」とは、生物のゲノム中のその天然の位置に存在するネイティブ遺伝子を指す。「外来」遺伝子または「異種」遺伝子とは、宿主生物において通常は見出されないが、遺伝子移入によって宿主生物中に導入される遺伝子を指す。外来遺伝子は、非ネイティブの生物中に挿入されたネイティブ遺伝子、またはキメラ遺伝子を含み得る。「導入遺伝子」は、形質転換手順によってゲノム中に導入された遺伝子である。
「異種」DNAとは、細胞中に、または細胞の染色体部位中には天然には位置しない、DNAを指す。好ましくは、この異種DNAは、細胞にとって外来の遺伝子を含む。
用語「ゲノム」は、染色体、ならびにミトコンドリア、葉緑およびウイルスのDNAまたはRNAを含む。
核酸分子は、一本鎖形態の核酸分子が、温度および溶液イオン強度の適切な条件下で他の核酸分子にアニールできる場合、cDNA、ゲノムDNAまたはRNAなどの別の核酸分子に「ハイブリダイズ可能」である(以下のSambrook et al., 1989を参照のこと)。ハイブリダイゼーション条件および洗浄条件は、周知であり、Sambrook, J., Fritsch, E. F. and Maniatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor (1989)、特に、その中のChapter 11およびTable 11.1(参照により全体が本明細書に組み込まれる)中に示される。温度およびイオン強度の条件は、ハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー」を決定する。
ストリンジェンシー条件は、遠く関連する生物由来の相同配列などの中程度に類似の断片から、密接に関連する生物由来の機能的酵素を重複させる遺伝子などの高度に類似の断片までについて、スクリーニングするために調整され得る。相同核酸についての予備的スクリーニングのために、55℃のTmに対応する低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、例えば、5×SSC、0.1%SDS、0.25%ミルク、ホルムアミドなし;または30%ホルムアミド、5×SSC、0.5%SDS)が、使用され得る。中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、より高いTm、例えば、40%ホルムアミド、5×または6×SCCに対応する。高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、最も高いTm、例えば、50%ホルムアミド、5×または6×SCCに対応する。
ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的配列を含むことを必要とするが、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに依存して、塩基間のミスマッチが可能である。用語「相補的」は、互いにハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド塩基間の関係性を記述するために使用される。例えば、DNAに関して、アデノシンは、チミンに対して相補的であり、シトシンは、グアニンに対して相補的である。従って、本発明は、本明細書で開示または使用される完全配列に対して相補的な、単離された核酸断片、ならびに実質的に類似の核酸配列もまた含む。
本発明の具体的な一実施形態では、ポリヌクレオチドは、55℃のTmにおけるハイブリダイゼーションステップを含むハイブリダイゼーション条件を使用し、上に示したような条件を利用することによって、検出される。特定の実施形態では、このTmは、60℃、63℃または65℃である。
ハイブリダイゼーション後の洗浄もまた、ストリンジェンシー条件を決定する。特定の実施形態では、このハイブリダイゼーション条件は、室温で15分間の6×SSC、0.5%SDSで開始し、次いで、45℃で30分間の2×SSC、0.5%SDSでの反復、および次いで、50℃で30分間の0.2×SSC、0.5%SDSで2回の反復による、一連の洗浄を使用する。よりストリンジェントなセットの条件は、より高い温度を使用し、0.2×SSC、0.5%SDS中での最後の2回の30分間の洗浄の温度が60℃に増加されることを除いて、洗浄は上記と同一である。高度にストリンジェントなセットの条件は、0.1×SSC、0.1%SDS中で65℃における2回の最終洗浄を使用する。
核酸をハイブリダイズするのに適切なストリンジェンシーは、核酸の長さおよび相補性の程度、当該分野で周知の変数に依存する。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が大きくなるほど、それらの配列を有する核酸のハイブリッドについてのTmの値は大きくなる。核酸ハイブリダイゼーションの相対的安定性(より高いTmに対応する)は、以下の順で減少する:RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。100ヌクレオチド長よりも長いハイブリッドについて、Tmを計算するための方程式が導出されている(Sambrook et al.,上記, 9.50-0.51を参照のこと)。より短い核酸、即ちオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションについて、ミスマッチの位置が、より重要になり、オリゴヌクレオチドの長さが、その特異性を決定する(Sambrook et al.,上記, 11.7-11.8を参照のこと)。
ハイブリダイゼーションの選択性は、特異性の全面的な欠如よりも選択的なハイブリダイゼーションが起こる場合に、存在する。典型的には、少なくとも約14/25ヌクレオチドのストレッチにわたる少なくとも約55%の相同性、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%の相同性が存在する場合に、選択的ハイブリダイゼーションが生じる。参照によって本明細書に組み込まれる、Kanehisa,M. (1984), Nucleic Acids Res. 12:203-213を参照のこと。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、典型的には、約1M未満の塩濃度、より通常は約500mM未満、好ましくは約200mM未満の塩濃度を含む。温度条件は、典型的には、20セルシウス度よりも高く、より通常は約30セルシウス度よりも高く、好ましくは約37セルシウス度を超える。とりわけ、塩基組成および相補鎖のサイズ、有機溶媒の存在、ならびに塩基ミスマッチの程度を含む他の因子が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに顕著に影響を与え得るので、パラメーターの組合せは、いずれか1つの絶対的尺度よりも重要である。
本発明の具体的な一実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、500mM未満の塩および少なくとも37セルシウス度におけるハイブリダイゼーションステップ、ならびに少なくとも63セルシウス度での2×SSPE中での洗浄ステップを含むハイブリダイゼーション条件を使用することによって、検出される。特定の一実施形態では、これらのハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションステップのために、200mM未満の塩および少なくとも37セルシウス度を含む。別の一実施形態では、これらのハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションステップおよび洗浄ステップの両方のために、2×SSPEおよび63セルシウス度を含む。
一実施形態では、ハイブリダイズ可能な核酸についての長さは、少なくとも約10ヌクレオチドである。ハイブリダイズ可能な核酸についての好ましい最小長さは、少なくとも約15ヌクレオチド;より好ましくは少なくとも約20ヌクレオチドであり;なおより好ましくは、この長さは、少なくとも30ヌクレオチドである。さらに、当業者は、温度および洗浄溶液の塩濃度が、プローブの長さなどの因子に従って、必要に応じて調整され得ることを認識する。
用語「プローブ」とは、相補的一本鎖標的核酸と塩基対合して二本鎖分子を形成し得る、一本鎖核酸分子を指す。
本明細書で使用する場合、用語「オリゴヌクレオチド」とは、ゲノムDNA分子、cDNA分子、プラスミドDNAまたはmRNA分子にハイブリダイズ可能な、一般には少なくとも18ヌクレオチドの、核酸を指す。オリゴヌクレオチドは、例えば、32P−ヌクレオチド、またはビオチンなどの標識が共有結合によりコンジュゲート化されたヌクレオチドによって、標識され得る。標識されたオリゴヌクレオチドは、核酸の存在を検出するためのプローブとして使用され得る。オリゴヌクレオチド(その一方または両方が標識され得る)は、核酸の全長もしくは断片をクローニングするため、または核酸の存在を検出するためのいずれかのために、PCRプライマーとして使用され得る。オリゴヌクレオチドは、DNA分子と共に三重らせんを形成するためにも使用され得る。一般に、オリゴヌクレオチドは、好ましくは核酸合成機で、合成により調製される。従って、オリゴヌクレオチドは、天然に存在しないホスホエステルのアナログ結合、例えば、チオエステル結合などを用いて調製され得る。
「プライマー」は、標的核酸配列にハイブリダイズして、適切な条件下でのDNA合成のための開始点として機能し得る二本鎖核酸領域を創出する、オリゴヌクレオチドである。かかるプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応において使用され得る。
「ポリメラーゼ連鎖反応」は、PCRと略称され、特定の核酸配列を酵素的に増幅するためのin vitro方法を意味する。PCRには、各サイクルが3つの段階を有する、一連の反復する温度サイクルが関与する:標的分子の鎖を分離するための、鋳型核酸の変性、鋳型核酸への一本鎖PCRオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング、およびDNAポリメラーゼによるアニールしたプライマー(複数可)の伸長。PCRは、標的分子の存在を検出するための手段、および定量的または半定量的条件下で、核酸の出発プール内の標的分子の相対的量を決定するための手段を提供する。
「逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応」は、RT−PCRと略称され、RNA分子(単数または複数)から標的cDNA分子(単数または複数)を酵素的に産生し、その後、上記のように標的cDNA分子(単数または複数)内の特定の核酸配列(単数または複数)を酵素的に増幅するための、in vitro方法を意味する。RT−PCRもまた、標的分子の存在を検出するための手段、および定量的または半定量的条件下で、核酸の出発プール内の標的分子の相対的量を決定するための手段を提供する。
DNA「コード配列」は、適切な調節配列の制御下に置いた場合に、in vitroまたはin vivoで、細胞においてポリペプチドへと転写および翻訳される二本鎖DNA配列である。「適切な調節配列」とは、コード配列の上流に位置するヌクレオチド配列(5’非コード配列)、コード配列内に位置するヌクレオチド配列、またはコード配列の下流に位置するヌクレオチド配列(3’非コード配列)を指し、転写、RNAのプロセシングもしくは安定性、または関連するコード配列の翻訳に影響する。調節配列には、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステム−ループ構造が含まれ得るがこれらに限定されない。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端における開始コドンおよび3’(カルボキシル)末端における翻訳停止コドンによって決定される。コード配列には、原核生物配列、mRNA由来のcDNA、ゲノムDNA配列およびさらには合成DNA配列が含まれ得るがこれらに限定されない。コード配列が真核生物細胞における発現のために意図される場合、ポリアデニル化シグナルおよび転写終結配列が、通常、コード配列に対して3’側に位置する。
「オープンリーディングフレーム」は、ORFと略称され、翻訳開始シグナルまたは開始コドン、例えば、ATGまたはAUG、および終結コドンを含み、ポリペプチド配列へと潜在的に翻訳され得る、DNA、cDNAまたはRNAのいずれかの核酸配列の長さを意味する。
用語「頭−頭」は、互いに対する2つのポリヌクレオチド配列の配向を記述するために本明細書で使用される。2つのポリヌクレオチドは、一方のポリヌクレオチドのコード鎖の5’末端が、他方のポリヌクレオチドのコード鎖の5’末端に隣接する場合、頭−頭の配向で位置付けられ、それによって、各ポリヌクレオチドの転写の方向は、他方のポリヌクレオチドの5’末端から離れて進行する。用語「頭−頭」は、(5’)−(5’)と略称される場合もあり、記号(←→)または(3’←5’5’→3’)と示される場合もある。
用語「尾−尾」は、互いに対する2つのポリヌクレオチド配列の配向を記述するために本明細書で使用される。2つのポリヌクレオチドは、一方のポリヌクレオチドのコード鎖の3’末端が、他方のポリヌクレオチドのコード鎖の3’末端に隣接する場合、尾−尾の配向で位置付けられ、それによって、各ポリヌクレオチドの転写の方向は、他方のポリヌクレオチドに向かって進行する。用語「尾−尾」は、(3’)−(3’)と略称される場合もあり、記号(→←)または(5’→3’3’←5’)と示される場合もある。
用語「頭−尾」は、互いに対する2つのポリヌクレオチド配列の配向を記述するために本明細書で使用される。2つのポリヌクレオチドは、一方のポリヌクレオチドのコード鎖の5’末端が、他方のポリヌクレオチドのコード鎖の3’末端に隣接する場合、頭−尾配向で位置付けられ、それによって、各ポリヌクレオチドの転写の方向は、他方のポリヌクレオチドの転写の方向と同じ方向で進行する。用語「頭−尾」は、(5’)−(3’)と略称される場合もあり、記号(→→)または(5’→3’5’→3’)と示される場合もある。
用語「下流」とは、参照ヌクレオチド配列に対して3’側に位置するヌクレオチド配列を指す。特に、下流のヌクレオチド配列は、一般に、転写の出発点に続く配列に関する。例えば、遺伝子の翻訳開始コドンは、転写の開始部位の下流に位置する。
用語「上流」とは、参照ヌクレオチド配列に対して5’側に位置するヌクレオチド配列を指す。特に、上流のヌクレオチド配列は、一般に、コード配列または転写の出発点の5’側に位置する配列に関する。例えば、ほとんどのプロモーターは、転写の開始部位の上流に位置する。
用語「制限エンドヌクレアーゼ」および「制限酵素」とは、二本鎖DNA内の特定のヌクレオチド配列内で結合および切断する酵素を指す。
「相同組換え」とは、別のDNA分子中への外来DNA配列の挿入、例えば、染色体中のベクターの挿入を指す。好ましくは、このベクターは、相同組換えのために特定の染色体部位を標的化する。特異的相同組換えのために、このベクターは、ベクターの相補的結合および染色体中への取り込みを可能にするために、染色体の配列に対する相同性の十分に長い領域を含む。相同性のより長い領域、およびより高い程度の配列類似性は、相同組換えの効率を増加させ得る。
当該分野で公知の多くの方法が、本発明に係るポリヌクレオチドを増やすために使用され得る。適切な宿主系および増殖条件が一旦確立されると、組換え発現ベクターは、多量に増やされ調製され得る。本明細書に記載するように、使用され得る発現ベクターには、以下のベクターまたはそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない:数例挙げると、ヒトまたは動物ウイルス、例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス(AAV);昆虫ウイルス、例えば、バキュロウイルス;酵母ベクター;バクテリオファージベクター(例えば、ラムダ);ならびにプラスミドおよびコスミドDNAベクター。
「ベクター」は、核酸のクローニングおよび/または宿主細胞中への移入のための任意の手段である。ベクターは、取り付けられたセグメントの複製が起こるように別のDNAセグメントを取り付けることができるレプリコンであり得る。「レプリコン」は、in vivoでDNA複製の自律的単位として機能する、即ち、それ自体の制御下で複製が可能な、任意の遺伝子エレメント(例えば、プラスミド、ファージ、コスミド、染色体、ウイルス)である。用語「ベクター」には、in vitro、ex vivoまたはin vivoで細胞中に核酸を導入するための、ウイルス手段および非ウイルス手段の両方が含まれる。当該分野で公知の多数のベクターは、核酸を操作し、応答エレメントおよびプロモーターを遺伝子中に取り込むなどのために使用され得る。可能なベクターには、プラスミド、または例えば、ラムダ誘導体などのバクテリオファージを含む改変されたウイルス、あるいはプラスミド、例えばpBR322もしくはpUCプラスミド誘導体、またはBluescriptベクターなどが含まれるがこれらに限定されない。例えば、応答エレメントおよびプロモーターに対応するDNA断片の、適切なベクター中への挿入は、相補的付着末端を有する選択されたベクター中に適切なDNA断片をライゲーションすることによって、達成され得る。あるいは、DNA分子の末端が、酵素的に改変され得、または任意の部位が、DNA末端中にヌクレオチド配列(リンカー)をライゲーションすることによって、産生され得る。かかるベクターは、細胞ゲノム中にマーカーを取り込んだ細胞の選択を提供する、選択可能なマーカー遺伝子を含むように操作され得る。かかるマーカーは、マーカーによってコードされるタンパク質を取り込みおよび発現する宿主細胞の同定および/または選択を可能にする。
ウイルスベクター、および特にレトロウイルスベクターは、細胞、ならびに生きた動物対象において、広範な種々の遺伝子送達用途において使用されている。使用され得るウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ポックス、バキュロウイルス、ワクシニア、単純ヘルペス、エプスタイン・バー、アデノウイルス、ジェミニウイルスおよびカリモウイルスベクターが含まれるがこれらに限定されない。非ウイルスベクターには、プラスミド、リポソーム、荷電脂質(サイトフェクチン(cytofectin))、DNA−タンパク質複合体およびバイオポリマーが含まれるがこれらに限定されない。核酸に加えて、ベクターは、1または複数の、調節領域、ならびに/または核酸移入結果(いずれかの組織への移入、発現の持続時間など)を選択、測定およびモニタリングするのに有用な選択可能なマーカーもまた、含み得る。
用語「プラスミド」とは、細胞の中央代謝の一部ではない遺伝子を保有する場合が多く、通常は環状二本鎖DNA分子の形態の染色体外エレメントを指す。かかるエレメントは、直鎖状、環状またはスーパーコイルの、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAの、任意の供給源由来の、自律的に複製する配列、ゲノムに統合される配列、ファージまたはヌクレオチド配列であり得、プラスミドにおいて、いくつかのヌクレオチド配列は、適切な3’非翻訳配列と共に、プロモーター断片および選択された遺伝子産物についてのDNA配列を細胞中に導入することが可能な独自の構築へと、接続または組み換えられる。
「クローニングベクター」は、取り付けられたセグメントの複製が起こるように別の核酸セグメントを取り付けることができる「レプリコン」であり、連続的に複製し、複製起点を含む、単位長さの核酸、好ましくはDNA、例えば、プラスミド、ファージまたはコスミドである。クローニングベクターは、1つの細胞型において複製が可能であり得、別の細胞型において発現が可能であり得る(「シャトルベクター」)。
ベクターは、当該分野で公知の方法、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション(リソソーム融合)、微粒子銃、遺伝子銃の使用、またはDNAベクタートランスポーターによって、所望の宿主細胞中に導入され得る(例えば、Wu et al., 1992, J. Biol. Chem. 267:963-967;Wu and Wu, 1988, J. Biol. Chem. 263:14621-14624;およびHartmutら、カナダ特許出願第2,012,311号、1990年3月15日出願を参照のこと)。
本発明に係るポリヌクレオチドはまた、リポフェクションによってin vivoで導入され得る。過去十年間にわたり、in vitroでの核酸のカプセル封入およびトランスフェクションのためのリポソームの使用は、漸増してきた。リポソーム媒介性のトランスフェクションで遭遇する困難および危険を制限するために設計された合成カチオン性脂質が、マーカーをコードする遺伝子のin vivoトランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る(Felgner et al., 1987. PNAS 84:7413;Mackey, et al., 1988. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:8027-8031;およびUlmer et al., 1993. Science 259:1745-1748)。カチオン性脂質の使用は、負に荷電した核酸のカプセル封入を促進し得、負に荷電した細胞膜との融合もまた促進し得る(Felgner and Ringold, 1989. Science 337:387-388)。核酸の移入のために特に有用な脂質化合物および組成物は、国際特許出願公開WO95/18863およびWO96/17823、ならびに米国特許第5,459,127号に記載されている。in vivoで特定の器官中に外因性遺伝子を導入するためのリポフェクションの使用は、特定の実務的利点を有する。特定の細胞へのリポソームの分子標的化は、利益になる1つの領域を示す。トランスフェクションを特定の細胞型に指示することは、細胞不均一性を有する組織、例えば、膵臓、肝臓、腎臓および脳において特に好ましいことが明らかである。脂質は、標的化の目的のために、他の分子と化学的にカップリングされ得る(Mackey, et al., 1988, 上記)。標的化されたペプチド、例えばホルモンもしくは神経伝達物質、およびタンパク質、例えば抗体、または非ペプチド分子が、リポソームに化学的にカップリングされ得る。
カチオン性オリゴペプチド(例えば、WO95/21931)、DNA結合タンパク質由来のペプチド(例えば、WO96/25508)またはカチオン性ポリマー(例えば、WO95/21931)などの他の分子もまた、in vivoでの核酸のトランスフェクションを促進するために有用である。
ネイキッドDNAプラスミドとして、ベクターをin vivoで導入することもまた可能である(米国特許第5,693,622号、同第5,589,466号および同第5,580,859号を参照のこと)。受容体媒介性のDNA送達アプローチもまた使用され得る(Curiel et al., 1992. Hum. Gene Ther. 3:147-154;およびWu and Wu, 1987. J. Biol. Chem. 262:4429-4432)。
用語「トランスフェクション」とは、細胞による外因性または異種のRNAまたはDNAの組込みを意味する。細胞は、外因性または異種のRNAまたはDNAが細胞の内側に導入されている場合、かかるRNAまたはDNAによって「トランスフェクト」されている。細胞は、トランスフェクトされた外因性または異種のRNAまたはDNAが表現型変化をもたらす場合、かかるRNAまたはDNAによって「形質転換」されている。形質転換するRNAまたはDNAは、細胞のゲノムを構成する染色体DNA中に統合(共有結合)されてもよい。
「形質転換」とは、遺伝的に安定な遺伝を生じる、宿主生物のゲノム中への核酸分子の移入を指す。形質転換された核酸分子を含む宿主生物は、「トランスジェニック」または「組換え」または「形質転換された」生物と呼ばれる。
用語「遺伝子領域」は、ポリペプチドをコードする遺伝子を含む、核酸分子またはヌクレオチド配列の領域を指す。
さらに、本発明に係るポリヌクレオチドを含む組換えベクターは、1または複数の、それらの増幅もしくはそれらの発現が求められる細胞性宿主における複製起点、マーカーまたは選択可能なマーカーを含み得る。
用語「選択可能なマーカー」とは、マーカー遺伝子の効果、即ち、抗生物質に対する耐性、除草剤に対する耐性、比色マーカー、酵素、蛍光マーカーなどに基づいて選択され得る識別因子、通常は抗生物質または化学物質耐性遺伝子を意味し、この効果は、目的の核酸の遺伝を追跡するため、および/または目的の核酸を受け継いだ細胞もしくは生物を同定するために使用される。当該分野で公知であり使用される選択可能なマーカー遺伝子の例には、以下:アンピシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ハイグロマイシン、ビアラホス除草剤、スルホンアミドなどに対する耐性を提供する遺伝子;ならびに表現型マーカーとして使用される遺伝子、即ち、アントシアニン調節遺伝子、イソペンタニルトランスフェラーゼ遺伝子などが含まれるがこれらに限定されない。選択可能なマーカー遺伝子もまた、レポーター遺伝子とみなされ得る。
用語「レポーター遺伝子」とは、レポーター遺伝子の効果に基づいて同定され得る識別因子をコードする核酸を意味し、この効果は、目的の核酸の遺伝を追跡するため、目的の核酸を受け継いだ細胞もしくは生物を同定するため、および/または遺伝子の発現誘導もしくは転写を測定するために使用される。当業者で公知であり使用されるレポーター遺伝子の例には、ルシフェラーゼ(Luc)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシダーゼ(LacZ)、β−グルクロニダーゼ(Gus)などが含まれるがこれらに限定されない。
「プロモーター」とは、コード配列または機能的RNAの発現を制御することが可能なDNA配列を指す。一般に、コード配列は、プロモーター配列に対して3’側に位置する。プロモーターは、ネイティブ遺伝子にその全体が由来し得、または天然に見出される異なるプロモーター由来の異なるエレメントから構成され得る、またはさらには合成DNAセグメントを含み得る。異なるプロモーターが、異なる組織もしくは細胞型において、または異なる発生段階において、または異なる環境条件もしくは生理学的条件に応答して、遺伝子の発現を指示できることが、当業者に理解される。ほとんどの時点においてほとんどの細胞型において遺伝子を発現させるプロモーターは、一般に、「構成的プロモーター」と呼ばれる。特定の細胞型において遺伝子を発現させるプロモーターは、一般に、「細胞特異的プロモーター」または「組織特異的プロモーター」と呼ばれる。特定の発生段階または細胞分化の段階において遺伝子を発現させるプロモーターは、一般に、「発生特異的プロモーター」または「細胞分化特異的プロモーター」と呼ばれる。そのプロモーターを誘導する薬剤、生物学的分子、化学物質、リガンド、光などによる細胞の曝露または処理後に誘導され、遺伝子を発現させるプロモーターは、一般に、「誘導性プロモーター」または「調節可能なプロモーター」と呼ばれる。ほとんどの場合、調節配列の正確な境界は完全に規定されていないので、異なる長さのDNA断片が同一のプロモーター活性を有し得ることが、さらに認識される。
「プロモーター配列」は、細胞においてRNAポリメラーゼを結合することが可能であり、下流(3’方向)のコード配列の転写を開始させることが可能である、DNA調節領域である。本発明を定義することを目的として、このプロモーター配列は、その3’末端において転写開始部位と境界を接し、バックグラウンドを上回る検出可能なレベルで転写を開始するために必要な最小数の塩基またはエレメントを含むように、上流(5’方向)に伸びる。プロモーター配列内には、転写開始部位(例えば、ヌクレアーゼS1を用いてマッピングすることによって簡便に定義される)、ならびにRNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出される。
コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写し、次いで、このmRNAが、トランス−RNAスプライスされ(コード配列がイントロンを含む場合)、コード配列によってコードされるタンパク質へと翻訳される場合、細胞において転写制御配列および翻訳制御配列の「制御下」にある。
「転写制御配列および翻訳制御配列」は、宿主細胞におけるコード配列の発現を提供する、プロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどのDNA調節配列である。真核生物細胞では、ポリアデニル化シグナルは、制御配列である。
用語「応答エレメント」とは、第1のキメラ遺伝子のDNA結合ドメインとの相互作用を介して媒介される、プロモーターに応答性を付与する、1または複数のシス作用性DNAエレメントを意味する。このDNAエレメントは、その配列中の回文構造(完全もしくは不完全)である、または変動する数のヌクレオチドによって分離された配列モチーフもしくはハーフサイトから構成される、のいずれかであり得る。これらのハーフサイトは、類似もしくは同一であり得、直列反復もしくは逆方向反復として、または単一のハーフサイトもしくは隣接ハーフサイトのタンデムのマルチマーとして、配置され得る。この応答エレメントは、応答エレメントが取り込まれる細胞または生物の性質に依存して、異なる生物から単離されたミニマルプロモーターを含み得る。第1のハイブリッドタンパク質のDNA結合ドメインは、リガンドの非存在下または存在下で、応答エレメントのDNA配列に結合して、この応答エレメントの調節下にある下流の遺伝子(複数可)の転写を開始または抑制する。
用語「作動可能に連結された」とは、他方によって一方の機能が影響を受けるような、単一の核酸断片上の核酸配列の関連を指す。例えば、プロモーターは、そのコード配列の配列に影響を与えることが可能である(即ち、コード配列が、プロモーターの転写制御下にある)場合、コード配列と作動可能に連結されている。コード配列は、センスまたはアンチセンス配向で調節配列に作動可能に連結され得る。
用語「発現」とは、本明細書で使用する場合、核酸またはポリヌクレオチド由来のセンスRNA(mRNA)またはアンチセンスRNAの転写および安定な蓄積を指す。発現は、タンパク質またはポリペプチドへのmRNAの翻訳もまた指し得る。
用語「カセット」、「発現カセット」および「遺伝子発現カセット」とは、特定の制限部位において、または相同組換えによって、核酸またはポリヌクレオチド中に挿入され得る、DNAのセグメントを指す。DNAのセグメントは、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、カセットおよび制限部位は、転写および翻訳のために適切なリーディングフレームでのカセットの挿入を確実にするために設計される。「形質転換カセット」とは、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、このポリヌクレオチドに加えて、特定の宿主細胞の形質転換を促進するエレメントを有する、特定のベクターを指す。本発明のカセット、発現カセット、遺伝子発現カセットおよび形質転換カセットは、宿主細胞における目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの増強された発現を可能にするエレメントもまた含み得る。これらのエレメントには、以下が含まれ得るがこれらに限定されない:プロモーター、ミニマルプロモーター、エンハンサー、応答エレメント、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列など。
用語「モジュレートする(modulate)」および「モジュレートする(modulates)」とは、核酸または遺伝子の発現を誘導、低減または阻害して、タンパク質またはポリペプチドの産生のそれぞれの誘導、低減または阻害を生じることを意味する。
本発明に係るプラスミドまたはベクターは、宿主細胞において遺伝子の発現を駆動するために適切な少なくとも1つのプロモーターをさらに含み得る。用語「発現ベクター」とは、宿主中への形質転換後に挿入された核酸配列の発現を可能にするように設計された、ベクター、プラスミドまたはビヒクルを意味する。クローニングされた遺伝子、即ち、挿入された核酸配列は、通常、制御エレメント、例えば、プロモーター、ミニマルプロモーター、エンハンサーなどの制御下に配置される。所望の宿主細胞において核酸の発現を駆動するために有用な開始制御領域またはプロモーターは、多数であり、当業者に知られている。以下が含まれるがこれらに限定されない、これらの遺伝子を駆動することが可能な事実上任意のプロモーターが、本発明にとって適切である:ウイルスプロモーター、細菌プロモーター、動物プロモーター、哺乳動物プロモーター、合成プロモーター、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、発生特異的プロモーター、誘導性プロモーター、光調節されるプロモーター;CYC1、HIS3、GAL1、GAL4、GAL10、ADH1、PGK、PHO5、GAPDH、ADC1、TRP1、URA3、LEU2、ENO、TPI、アルカリホスファターゼプロモーター(サッカロマイセス属(Saccharomyces)における発現に有用);AOX1プロモーター(ピキア属(Pichia)における発現に有用);b−ラクタマーゼ、lac、ara、tet、trp、lPL、lPR、T7、tacおよびtrcプロモーター(大腸菌(Escherichia coli)における発現に有用);光調節される、種子特異的、花粉特異的、卵巣特異的、病理発生もしくは疾患関連、カリフラワーモザイクウイルス35S、CMV 35Sミニマル、キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)、クロロフィルa/b結合タンパク質、リブロース1,5−ビスリン酸カルボキシラーゼ、苗条特異的、根特異的、キチナーゼ、ストレス誘導性、イネツングロ悍状ウイルス(rice tungro bacilliform virus)、植物スーパープロモーター、ジャガイモロイシンアミノペプチダーゼ、硝酸レダクターゼ、マンノパインシンターゼ、ノパリンシンターゼ、ユビキチン、ゼインタンパク質およびアントシアニンプロモーター(植物細胞における発現に有用);当該分野で公知の動物および哺乳動物プロモーターには、以下が含まれるがこれらに限定されない:SV40初期(SV40e)プロモーター領域、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の3’末端反復配列(LTR)中に含まれるプロモーター、アデノウイルス(Ad)のE1Aもしくは主要後期プロモーター(MLP)遺伝子のプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)初期プロモーター、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、バキュロウイルスIE1プロモーター、伸長因子1アルファ(EF1)プロモーター、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、ユビキチン(Ubc)プロモーター、アルブミンプロモーター、マウスメタロチオネイン−Lプロモーターの調節配列および転写制御領域、遍在性プロモーター(HPRT、ビメンチン、α−アクチン、チューブリンなど)、中間径フィラメント(デスミン、ニューロフィラメント、ケラチン、GFAPなど)のプロモーター、(MDR、CFTRまたは第VIII因子などの)治療遺伝子のプロモーター、病理発生または疾患関連プロモーター、ならびに組織特異性を示し、トランスジェニック動物において利用されてきたプロモーター、例えば、膵臓腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域;膵臓ベータ細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域、リンパ系細胞において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域、精巣細胞、乳房細胞、リンパ系細胞および肥満細胞において活性なマウス乳癌ウイルス制御領域;アルブミン遺伝子、肝臓において活性なApo AIおよびApo AII制御領域、肝臓において活性なアルファ−フェトプロテイン遺伝子制御領域、肝臓において活性なアルファ1−アンチトリプシン遺伝子制御領域、骨髄系細胞において活性なベータ−グロビン遺伝子制御領域、脳中のオリゴデンドロサイト細胞において活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域、骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域、ならびに視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域、ピルビン酸キナーゼプロモーター、ビリンプロモーター、脂肪酸結合腸タンパク質(fatty acid binding intestinal protein)のプロモーター、平滑筋細胞α−アクチンのプロモーター、など。さらに、これらの発現配列は、エンハンサーまたは調節配列の付加などによって改変され得る。
本発明の実施形態において使用され得るエンハンサーには、以下が含まれるがこれらに限定されない:SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー、伸長因子1(EF1)エンハンサー、酵母エンハンサー、ウイルス遺伝子エンハンサーなど。
終結制御領域、即ち、ターミネーターまたはポリアデニル化配列もまた、好ましい宿主にとってネイティブの種々の遺伝子から誘導され得る。任意選択で、終結部位が不必要であり得るが、含まれる場合が最も好ましい。本発明の特定の実施形態では、この終結制御領域は、合成配列、合成ポリアデニル化シグナル、SV40後期ポリアデニル化シグナル、SV40ポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル、ウイルスターミネーター配列などを含み得るか、またはこれらから誘導され得る。
用語「3’非コード配列」または「3’非翻訳領域(UTR)」とは、コード配列の下流(3’側)に位置するDNA配列を指し、ポリアデニル化[ポリ(A)]認識配列、およびmRNAプロセシングまたは遺伝子発現に影響を与えることが可能な調節シグナルをコードする他の配列を含み得る。このポリアデニル化シグナルは、通常、mRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル酸トラクトの付加に影響を与えることを特徴とする。
「調節領域」とは、第2の核酸配列の発現を調節する核酸配列を意味する。調節領域は、特定の核酸を発現することを天然に担う配列(相同領域)を含み得るか、または異なるタンパク質もしくはさらには合成タンパク質を発現することを担う異なる起源の配列(異種領域)を含み得る。特に、これらの配列は、原核生物遺伝子、真核生物遺伝子もしくはウイルス遺伝子の配列、または特異的様式もしくは非特異的様式で、および誘導性もしくは非誘導性の様式で遺伝子の転写を刺激もしくは抑制する、誘導された配列であり得る。調節領域には、複製起点、RNAスプライス部位、プロモーター、エンハンサー、転写終結配列、および標的細胞の分泌経路中にポリペプチドを指示するシグナル配列が含まれるがこれらに限定されない。
「異種供給源」由来の調節領域は、発現された核酸と天然には関連しない調節領域である。異種調節領域には、異なる種由来の調節領域、異なる遺伝子由来の調節領域、ハイブリッド調節配列、および天然には存在しないが当業者によって設計される調節配列が含まれるがこれらに限定されない。
「RNA転写物」とは、DNA配列のRNAポリメラーゼ触媒された転写から生じる産物を指す。RNA転写物が、DNA配列の完全な相補的コピーである場合、これは、一次転写物と呼ばれるか、または一次転写物の転写後プロセシングから誘導されたRNA配列であり得、成熟RNAと呼ばれる。「メッセンジャーRNA(mRNA)」とは、イントロンを有さない、細胞によってタンパク質へと翻訳され得るRNAを指す。「cDNA」とは、mRNAに対して相補的であり、このmRNAから誘導される、二本鎖DNAを指す。「センス」RNAとは、mRNAを含み、従って、細胞によってタンパク質へと翻訳され得る、RNA転写物を指す。「アンチセンスRNA」とは、標的一次転写物またはmRNAの全てまたは一部と相補的であり、標的遺伝子の発現を遮断するRNA転写物を指す。特定の遺伝子転写物の任意の一部との、即ち、5’非コード配列、3’非コード配列またはコード配列におけるアンチセンスRNAの相補性が、存在し得る。「機能的RNA」とは、アンチセンスRNA、リボザイムRNA、または翻訳はされないが細胞性プロセスに対して影響を有する他のRNAを指す。
「ポリペプチド」は、共有結合したアミノ酸残基から構成されるポリマー性化合物である。アミノ酸は、以下の一般構造を有する:
アミノ酸は、側鎖Rに基づいて、以下の7つの群に分類される:(1)脂肪族側鎖、(2)ヒドロキシル(OH)基を含む側鎖、(3)硫黄原子を含む側鎖、(4)酸性基もしくはアミド基を含む側鎖、(5)塩基性基を含む側鎖、(6)芳香環を含む側鎖、および(7)側鎖がアミノ基に融合されたイミノ酸、プロリン。本発明のポリペプチドは、好ましくは、少なくとも約14アミノ酸を含む。
「単離されたポリペプチド」または「単離されたタンパク質」は、その天然状態でそれらと通常関連する化合物(例えば、他のタンパク質またはポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質)を実質的に含まない、ポリペプチドまたはタンパク質である。「単離された」とは、他の化合物との人工混合物もしくは合成混合物、または生物学的活性を妨害しない、例えば不完全な精製、安定剤の添加もしくは薬学的に許容される調製物中への配合に起因して存在し得る不純物の存在を排除する意味ではない。
本発明に係るポリペプチドの「断片」は、そのアミノ酸配列が参照ポリペプチドのアミノ酸配列よりも短く、全部分にわたって、これらの参照ポリペプチドと同一なアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを意味すると理解される。かかる断片は、必要に応じて、それらがその一部であるより大きいポリペプチド中に含まれ得る。本発明に係るポリペプチドのかかる断片は、少なくとも2〜300アミノ酸の長さを有し得る。
「異種タンパク質」とは、細胞中で天然には産生されないタンパク質を指す。
「成熟タンパク質」とは、翻訳後プロセシングされたポリペプチド;即ち、一次翻訳産物中に存在する任意のプレペプチドまたはプロペプチドが除去されたもの、を指す。「前駆体」タンパク質とは、mRNAの翻訳の一次産物;即ち、プレペプチドおよびプロペプチドがなお存在するもの、を指す。プレペプチドおよびプロペプチドは、細胞内局在化シグナルであり得るが、これらに限定されない。
用語「シグナルペプチド」とは、分泌された成熟タンパク質に先行するアミノ末端ポリペプチドを指す。このシグナルペプチドは、成熟タンパク質から切断され、従って成熟タンパク質中には存在しない。シグナルペプチドは、分泌されたタンパク質を、細胞膜を横切って指示および転位させる機能を有する。シグナルペプチドは、シグナルタンパク質とも呼ばれる。
「シグナル配列」は、細胞の表面上で発現されるタンパク質のコード配列の最初の部分において含まれる。この配列は、宿主細胞にポリペプチドを転位させるように指示する、成熟ポリペプチドに対してN末端側のシグナルペプチドをコードする。用語「転位シグナル配列」は、この種類のシグナル配列を指すために本明細書で使用される。真核生物および原核生物にとってネイティブの種々のタンパク質に関連する転位シグナル配列を見出してもよく、両方の型の生物において機能的な場合が多い。
用語「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド部分または2つのポリペプチド部分間の同一性のパーセントを指す。1つの部分から別の部分への配列間の対応関係は、当該分野に公知の技術によって決定され得る。例えば、相同性は、配列情報をアラインさせ、容易に入手可能なコンピュータープログラムを使用することによる、2つのポリペプチド分子間の配列情報の直接比較によって決定され得る。あるいは、相同性は、相同な領域間で安定な二重鎖を形成する条件下でのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションと、その後の、一本鎖特異的ヌクレアーゼ(複数可)による消化および消化された断片のサイズ決定とによって、決定され得る。
本明細書で使用する場合、その全ての文法的形態および綴りのバリエーションにおける、用語「相同な」とは、スーパーファミリー(例えば、免疫グロブリンスーパーファミリー)由来のタンパク質を含む、「共通の進化上の起源」を有するタンパク質と、異なる種由来の相同なタンパク質(例えば、ミオシン軽鎖など)との間の関連性を指す(Reeck et al., 1987, Cell 50:667.)。かかるタンパク質(およびそれらのコード遺伝子)は、それらの高い程度の配列類似性に反映されるような、配列相同性を有する。しかし、一般的用法および本出願では、用語「相同な」とは、「高度に」などの副詞で修飾される場合、共通の進化上の起源ではなく、配列の類似性を指し得る。
従って、その全ての文法的形態における用語「配列類似性」とは、共通の進化上の起源を共有してもしなくてもよい、核酸またはタンパク質のアミノ酸配列間の同一性または対応関係の程度を指す(Reeck et al., 1987, Cell 50:667を参照のこと)。
具体的な一実施形態では、2つのDNA配列は、それらのDNA配列の規定された長さにわたり、ヌクレオチドの少なくとも約50%(好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90または95%)がマッチする場合、「実質的に相同」または「実質的に類似」である。
実質的に相同な配列は、配列データバンクにおいて利用可能な標準的なソフトウェアを使用して配列を比較することによって、または特定の系について規定されるようなストリンジェントな条件下などでのサザンハイブリダイゼーション実験において、同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは、当業者の技術範囲内である。例えば、Sambrook et al., 1989、上記を参照のこと。
本明細書で使用する場合、「実質的に類似」とは、1または複数のヌクレオチド塩基における変化が、1または複数のアミノ酸の置換を生じるが、DNA配列によってコードされるタンパク質の機能的特性には影響を与えない、核酸断片を指す。「実質的に類似」とはまた、1または複数のヌクレオチド塩基における変化が、アンチセンスまたは共抑制(co-suppression)テクノロジーによる遺伝子発現の変更を媒介する核酸断片の能力に影響を与えない、核酸断片を指す。「実質的に類似」とはまた、本発明の核酸断片の改変、例えば、得られた転写物の機能的特性に実質的に影響を与えない1または複数のヌクレオチド塩基の欠失または挿入を指す。従って、本発明は、具体的な例示的配列以上のものを包含すると理解される。提唱された改変の各々は、コードされた産物の生物学的活性の保持の決定と同様、十分に当業者の技術範囲内である。
さらに、当業者は、本発明によって包含される実質的に類似の配列が、本明細書に例示される配列と、ストリンジェントな条件(0.1×SSC、0.1%SDS、65℃および2×SSC、0.1%SDS、その後の0.1×SSC、0.1%SDSでの洗浄)下でハイブリダイズするそれらの能力によっても規定されることを認識している。本発明の実質的に類似の核酸断片は、そのDNA配列が本明細書で報告された核酸断片のDNA配列と少なくとも70%同一な核酸断片である。本発明の実質的に類似の核酸断片には、そのDNA配列が本明細書で報告された核酸断片のDNA配列と少なくとも80%同一な核酸断片が含まれる。特定の実施形態では、核酸断片は、本明細書で報告された核酸断片のDNA配列と、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一である。特定の実施形態では、本発明の実質的に類似のヌクレオチド配列は、本明細書に記載される特定のポリヌクレオチド配列と比較して存在するヌクレオチド配列中のいずれの差異にもかかわらず、本出願に記載される任意のポリペプチド配列(例えば、scIL−12ポリペプチド)をコードし得る。
2つのアミノ酸配列は、アミノ酸の約40%超が同一であるか、または60%超が類似(機能的に同一)である場合、「実質的に相同」または「実質的に類似」である。好ましくは、類似または相同な配列は、例えば、GCG(Genetics Computer Group、Program Manual for the GCG Package、Version 7、Madison、Wisconsin)パイルアッププログラムを使用するアラインメントによって同定される。
用語「〜に対応する」は、正確な位置が、類似性または相同性が測定される分子と同一であるか異なるかに関わらず、類似または相同な配列を指すために、本明細書で使用される。核酸またはアミノ酸の配列アラインメントは、スペースを含み得る。従って、用語「〜に対応する」とは、配列類似性を指し、アミノ酸残基またはヌクレオチド塩基の番号付けを指すわけではない。
アミノ酸またはヌクレオチド配列の「実質的な部分」は、当業者による配列の手動評価によって、またはBLAST(Basic Local Alignment Search Tool;Altschul, S. F., et al., (1993) J. Mol. Biol. 215:403-410;www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/もまた参照のこと)などのアルゴリズムを使用したコンピューターで自動化した配列の比較および同定によって、そのポリペプチドまたは遺伝子を推定により同定するために十分な、ポリペプチドのアミノ酸配列または遺伝子のヌクレオチド配列を含む。一般に、10以上連続するアミノ酸または30以上のヌクレオチドの配列が、既知のタンパク質または遺伝子と相同なポリペプチドまたは核酸配列を推定により同定するために必要である。さらに、ヌクレオチド配列に関して、20〜30連続するヌクレオチドを含む遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブが、遺伝子の同定(例えば、サザンハイブリダイゼーション)および単離(例えば、細菌コロニーまたはバクテリオファージプラークのin situハイブリダイゼーション)の配列依存的方法において使用され得る。さらに、12〜15塩基の短いオリゴヌクレオチドが、これらのプライマーを含む特定の核酸断片を取得するために、PCRにおいて増幅プライマーとして使用され得る。従って、ヌクレオチド配列の「実質的な部分」は、その配列を含む核酸断片を特異的に同定および/または単離するために十分な配列を含む。
用語「パーセント同一性」は、当該分野で公知のように、これらの配列を比較することによって決定される、2以上のポリペプチド配列間または2以上のポリヌクレオチド配列間の関係性である。当該分野では、「同一性」とは、場合によってかかる配列のストリング間のマッチによって決定され得る、ポリペプチド配列間またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度もまた意味する。「同一性」および「類似性」は、以下に記載されるものが含まれるがそれらに限定されない公知の方法によって容易に計算され得る:Computational Molecular Biology (Lesk, A. M., ed.) Oxford University Press, New York (1988);Biocomputing: Informatics and Genome Projects (Smith, D. W., ed.) Academic Press, New York (1993);Computer Analysis of Sequence Data, Part I (Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds.) Humana Press, New Jersey (1994);Sequence Analysis in Molecular Biology (von Heinje, G., ed.) Academic Press (1987);およびSequence Analysis Primer (Gribskov, M. and Devereux, J., eds.) Stockton Press, New York (1991)。同一性を決定するための好ましい方法は、試験した配列間で最良のマッチを与えるように設計される。同一性および類似性を決定するための方法は、公に利用可能なコンピュータープログラムにおいて成文化される。配列のアラインメントおよびパーセント同一性の計算は、LASERGENEバイオインフォマティクスコンピューティングスイートのMegalignプログラム(DNASTAR Inc.、Madison、WI)を使用して実施され得る。配列のマルチプルアラインメントは、デフォルトパラメーター(GAP PENALTY=10、GAP LENGTH PENALTY=10)と共にClustal法のアラインメント(Higgins and Sharp (1989) CABIOS. 5:151-153)を使用して実施され得る。Clustal法を使用するペアワイズアラインメントのためのデフォルトパラメーターが選択され得る:KTUPLE 1、GAP PENALTY=3、WINDOW=5およびDIAGONALS SAVED=5。
用語「配列分析ソフトウェア」とは、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の分析に有用な任意のコンピューターアルゴリズムまたはソフトウェアプログラムを指す。「配列分析ソフトウェア」は、市販され得るか、または独立して開発され得る。典型的な配列分析ソフトウェアは、GCGスイートのプログラム(Wisconsin Package Version 9.0、Genetics Computer Group (GCG)、Madison、WI)、BLASTP、BLASTN、BLASTX(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990))、およびDNASTAR(DNASTAR,Inc.1228 S.Park St.Madison、WI 53715 USA)が含まれるが、これらに限定されない。本出願の文脈内で、配列分析ソフトウェアが分析に使用される場合、その分析の結果は、特記しない限り、参照したプログラムの「デフォルト値」に基づくことが理解される。本明細書で使用する場合、「デフォルト値」は、最初に初期化したときにソフトウェアに元々ロードされた値またはパラメーターの任意のセットを意味する。
「合成遺伝子」は、当業者に公知の手順を使用して化学合成されるオリゴヌクレオチド構成単位からアセンブルされ得る。これらの構成単位は、遺伝子全体を構築するために次いで酵素的にアセンブルされる遺伝子セグメントを形成するために、ライゲーションおよびアニールされる。「化学合成された」とは、DNAの配列に関する場合、成分ヌクレオチドがin vitroでアセンブルされたことを意味する。DNAの手動化学合成は、十分確立された手順を使用して達成され得、または自動化された化学合成は、いくつかの市販の機械のうち1つを使用して実施され得る。従って、これらの遺伝子は、宿主細胞のコドンバイアスを反映するためのヌクレオチド配列の最適化に基づいて、最適な遺伝子発現のために調整され得る。当業者は、宿主によって好まれるコドンに向けたバイアスがコドン用法にかかっている場合の、首尾よい遺伝子発現の可能性を理解している。好ましいコドンの決定は、配列情報が利用可能である宿主細胞由来の遺伝子の調査に基づき得る。コドンバイアスを反映するための最適化の代わりに、またはそれに加えて、最適化は、特定の宿主細胞に基づくヌクレオチド配列の最適化もまた含み得、ここで、最適化は、転写の速度または量、転写物半減期、および翻訳の速度または量を最大化するために実施される。かかる最適化は、特定の宿主細胞に基づく経験的決定を介して実施され得る。
用語「遺伝子スイッチ」とは、プロモーターと関連する応答エレメントと、1または複数のリガンドの存在下で、応答エレメントおよびプロモーターが作動可能に関連した遺伝子の発現をモジュレートするリガンド依存的転写因子ベースの系との組合せを指す。用語「遺伝子スイッチをコードするポリヌクレオチド」とは、プロモーターと関連する応答エレメントと、1または複数のリガンドの存在下で、応答エレメントおよびプロモーターが作動可能に関連した遺伝子の発現をモジュレートするリガンド依存的転写因子ベースの系をコードするポリヌクレオチドとの組合せを指す。
用語「IL−12活性」および「IL−12生物学的活性」とは、IL−12の周知の生物活性のいずれかを指し、これには、Th1細胞へのナイーブT細胞の分化を刺激すること、T細胞の増殖および機能を刺激すること、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞からのインターフェロン−ガンマ(IFN−ガンマ)および腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−アルファ)の産生を刺激すること、IFN−ガンマのIL−4媒介性の抑制の低減を刺激すること、NK細胞およびCD8+細胞傷害性Tリンパ球の細胞傷害活性の増強を刺激すること、IL−12R−ベータ1およびIL−12R−ベータ2の発現を刺激すること、MHC I分子およびII分子の上方調節を介して腫瘍抗原の提示を促進すること、ならびに抗血管新生活性を刺激することが含まれるが、これらに限定されない。IL−12活性についての例示的なアッセイには、ガンマインターフェロン誘導アッセイ(実施例3、および米国特許第5,457,038号を参照のこと)が含まれる。NK細胞自発的細胞傷害性アッセイ、ADCCアッセイ、同時分裂促進効果アッセイ(Co-Mitogenic Effect Assay)およびGM−CSF誘導アッセイ(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,457,038号の実施例8に開示される)などであるがこれらに限定されないさらなるアッセイが、当該分野で公知である。
好ましい一実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドは、少なくとも1つのIL−12生物学的活性を保持する。特定の実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドは、1よりも多いIL−12生物学的活性を保持する。特定の実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つまたは少なくとも6つの、上述のIL−12生物学的活性を保持する。特定の実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドのIL−12生物学的活性は、IL−12のヘテロダイマーp35/p40(野生型)形態と比較される(かかる形態に対してアッセイされる)。特定の実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドは、IL−12のヘテロダイマーp35/p40(野生型)形態と比較して、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%またはそれ超の、IL−12の生物学的活性を保持する。
本明細書で使用する場合、疾患の、用語「処置すること」または「処置」とは、疾患の徴候または症状を軽減する試みにおいて、1または複数の薬物またはin vitroで操作された細胞を、哺乳動物(ヒトまたは非ヒト)に投与することを含み得るプロトコールを実行することを指す。従って、「処置すること」または「処置」は、徴候または症状の完全な軽減を必要とすると必ずしも解釈すべきではなく、治癒を必要とせず、対象に対する最低限の効果のみを有するプロトコールを具体的に含む。
本明細書で使用する場合、「免疫細胞」には、樹状細胞、マクロファージ、好中球、肥満細胞、好酸球、好塩基球、ナチュラルキラー細胞ならびにリンパ球(例えば、B細胞およびT細胞)が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「幹細胞」には、胚性幹細胞、成体幹細胞および誘導多能性幹細胞が含まれる。幹細胞は、骨髄、脂肪組織および血液(臍帯血および月経血が含まれるがこれらに限定されない)を含む、任意の適切な供給源から取得され得る。幹細胞の例には、間葉系幹細胞および造血幹細胞が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「樹状細胞」および「DC」は、互換的に使用される。同様に、用語「ナチュラルキラー細胞」および「NK細胞」は、互換的に使用される。
単鎖IL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
本発明は、全長および成熟scIL−12ポリペプチドを含む本発明の単鎖インターロイキン−12(scIL−12)ポリペプチドをコードする新規ポリヌクレオチドを提供する。
本発明は、全長および成熟scIL−12ポリペプチドを含む本発明の単鎖インターロイキン−12(scIL−12)ポリペプチドをコードする新規ポリヌクレオチドを提供する。
本発明の具体的実施形態によれば、新規scIL−12ポリペプチドをコードする核酸配列が提供される。具体的には、本発明は、N末端からC末端にかけて、
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含むscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含むscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる第1のIL−12 p40ドメイン(本明細書でp40Nとも呼ばれる)は、IL−12 p40サブユニットのN末端断片である。本発明における使用のためのIL−12 p40ポリヌクレオチドには、配列番号1のヒトIL−12 p40核酸配列および配列番号5のマウスIL−12 p40核酸配列が含まれる。Genbankアクセッション番号AF180563.1(ヒト)、NM_002187.2(ヒト)、NG_009618.1(ヒト)、NM_001077413.1(ネコ)、AF091134.1(イヌ)、NM_008352.2(マウス)、NM_001159424.1(マウス)およびNM_008351.2(マウス)が含まれるがこれらに限定されない、IL−12 p40サブユニットをコードするポリヌクレオチドのさらなる非限定的な例が、公的配列データベースにおいて利用可能である。
本発明のポリヌクレオチドによってコードされる、第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)として適切なIL−12 p40のN末端断片には、配列番号2のアミノ酸1〜288、1〜289、1〜290、1〜291、1〜292、1〜293、1〜294、1〜295、1〜296、1〜297および1〜298を含むまたはこれらからなるポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。本発明のポリヌクレオチドによってコードされる、第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)として適切なIL−12 p40の好ましいN末端断片は、配列番号2のアミノ酸1〜293を含むまたはこれからなる。
本発明のポリヌクレオチドによってコードされる、第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)として適切なIL−12 p40のN末端断片は、シグナル配列を欠き得る。シグナルペプチドの特異的な切断部位は、1、2、3またはそれ超の残基分、変動し得ることが理解される。従って、さらなる実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、配列番号2の残基18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または28で始まり、配列番号2の残基288、289、290、291、292、293、294、295、296、297または298で終わる、配列番号2の断片を含むまたはこれらからなる。一実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、配列番号2のアミノ酸残基23〜293を含むまたはこれからなる。
任意選択の第1のペプチドリンカー(ii)は、機能的タンパク質へのscIL−12ポリペプチドの折り畳みを可能にする、任意の適切なペプチドリンカーであり得る。特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる任意選択の第1のペプチドリンカーは、10以下のアミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、グリシン(Gly);セリン(Ser);アラニン(Ala);スレオニン(Thr);およびプロリン(Pro)から選択される1または複数のアミノ酸の任意の配列および組合せを含む。好ましい一実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、ペプチドThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)、ならびにThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)中に1つのアミノ酸置換を有するペプチドから選択される。特定の実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、存在しない。
特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるIL−12 p35ドメイン(iii)は、シグナルペプチドを欠く成熟IL−12 p35サブユニットである。本発明における使用のためのIL−12 p35ポリヌクレオチドには、配列番号3のヒトIL−12 p35核酸配列および配列番号7のマウスIL−12 p35核酸配列が含まれる。AF101062.1(ヒト)、NM_000882.3(ヒト)、NG_033022.1(ヒト)、NM_001159424.1(マウス)、NM_008351.2(マウス)、NM_001009833(ネコ)、NM_001082511.1(ウマ)、NM_001003293.1(イヌ)が含まれるがこれらに限定されない、IL−12 p35サブユニットをコードするポリヌクレオチドのさらなる非限定的な例が、公的配列データベースにおいて利用可能である。
シグナルペプチドの特異的な切断部位は、1、2、3またはそれ超の残基分、変動し得ることが理解される。従って、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるIL−12 p35ドメインには、配列番号4の残基57〜253を含むまたはこれからなる予測された成熟配列、ならびに配列番号4のアミノ酸52〜253、53〜253、54〜253、55〜253、56〜253、58〜253、59〜253、60〜253、61〜263および62〜253を含むまたはこれらからなる成熟配列が含まれる。
本発明のポリヌクレオチドによってコードされる適切なIL−12 p35ドメインは、C末端において、1または複数のアミノ酸残基分、短縮され得る。従って、さらなる実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるIL−12 p35ドメインは、配列番号4の残基52、53、54、55、56、57、58、59、60、61または62で始まり、配列番号4の残基247、248、249、250、251、252または253で終わる、配列番号4の断片を含むまたはこれらからなる。
任意選択の第2のペプチドリンカー(iv)は、機能的タンパク質へのscIL−12ポリペプチドの折り畳みを可能にする、任意の適切なペプチドリンカーであり得る。特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる任意選択の第2のペプチドリンカーは、10以下のアミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、グリシン(Gly);セリン(Ser);アラニン(Ala);スレオニン(Thr);およびプロリン(Pro)から選択される1または複数のアミノ酸の任意の配列および組合せを含む。好ましい一実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、ペプチドThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)、ならびにThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)中に1つのアミノ酸置換を有するペプチドから選択される。特定の実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、存在しない。好ましい一実施形態では、この第1および第2のペプチドリンカーは、組み合わせて10、9、8、7またはそれ未満のアミノ酸残基からなる。
特定の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる第2のIL−12 p40ドメイン(本明細書でp40Cとも呼ばれる)は、IL−12 p40サブユニットのC末端断片である。本発明のポリヌクレオチドによってコードされる、第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)として適切なIL−12 p40のC末端断片は、配列番号2のアミノ酸289〜328、290〜328、291〜328、292〜328、293〜328、294〜328、295〜328、296〜328、297〜328、298〜328および299〜328を含むまたはこれらからなる。
本発明のポリヌクレオチドによってコードされる適切な第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、C末端において、1または複数のアミノ酸残基分、短縮され得る。従って、さらなる実施形態では、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、配列番号2の残基289、290、291、292、293、294、295、296、297、298または299で始まり、配列番号2の残基322、323、324、325、326、327または328で終わる、配列番号2の断片を含むまたはこれらからなる。
本発明の好ましいscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの全長配列は、配列番号9として本明細書に示される。この全長配列は、配列番号9の核酸1〜66において予測されたシグナルペプチドをコードし、配列番号9の核酸67〜1599において成熟scIL−12ポリペプチドをコードする。
従って、本発明の第1の主題は、新規scIL−12ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。具体的な一実施形態では、この単離されたポリヌクレオチドは、配列番号9および配列番号9の核酸67〜1599からなる群より選択される核酸配列を含む。具体的な一実施形態では、この単離されたポリヌクレオチドは、宿主細胞におけるポリペプチドの発現を可能にする領域をさらに含む。
本発明は、配列番号10および配列番号10のアミノ酸23〜533からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むscIL−12ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドのバリアントをコードするポリヌクレオチドもまた提供する。好ましい一実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号10の全長または成熟アミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一なscIL−12バリアントポリペプチドをコードし、このバリアントポリペプチドは、少なくとも1つのIL−12活性、例えば、NK細胞からのIFN−ガンマ分泌の誘導を示す。かかるIL−12活性は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,457,038号の実施例8に記載されるアッセイなどの、当該分野で公知のアッセイを使用して容易に決定される。
ヌクレオチドコード配列の縮重に起因して、単一のアミノ酸バリアントを含むアミノ酸配列を含む、本明細書に開示されるscIL−12ポリヌクレオチドと実質的に同じアミノ酸配列をコードする他のポリヌクレオチドが、本発明の実施において使用され得る。これらには、対立遺伝子、他の種由来の相同な遺伝子、およびその配列内の同じアミノ酸残基をコードする異なるコドンの置換によって変更され、従って、サイレント変化を生じる、scIL−12ポリヌクレオチドの全てまたは部分を含むヌクレオチド配列が含まれるがこれらに限定されない。同様に、本発明のscIL−12誘導体には、一次アミノ酸配列として、機能的に等価なアミノ酸残基が配列内の残基を置換して保存的アミノ酸置換を生じている変更された配列を含むscIL−12ポリペプチドのアミノ酸配列の全てまたは一部を含む誘導体が含まれるが、これらに限定されない。例えば、配列内の1または複数のアミノ酸残基が、機能的等価物として作用する類似の極性の別のアミノ酸によって置換されて、サイレント変更を生じ得る。配列内のアミノ酸の代替物は、そのアミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択され得る。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが含まれる。芳香環構造を含むアミノ酸は、フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンである。極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが含まれる。正に荷電した(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リジンおよびヒスチジンが含まれる。負に荷電した(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。かかる変更は、当該分野で公知の種々の方法によって産生され得(以下のSambrook et al., 1989を参照のこと)、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定される見かけの分子量、または等電点に影響を与えないと予測される。
本発明は、本発明に係るポリヌクレオチドによってコードされる単離されたscIL−12ポリペプチドにも関する。
単鎖IL−12ポリペプチド
本発明は、全長および成熟scIL−12ポリペプチドを含む、新規scIL−12ポリペプチドを提供する。
本発明は、全長および成熟scIL−12ポリペプチドを含む、新規scIL−12ポリペプチドを提供する。
従って、本発明は、単離されたscIL−12ポリペプチドに関する。具体的な一実施形態では、本発明は、N末端からC末端にかけて、
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む、scIL−12ポリペプチドを提供する。
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む、scIL−12ポリペプチドを提供する。
特定の実施形態では、この第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、IL−12 p40サブユニットのN末端断片である。本発明における使用のためのIL−12 p40ポリペプチドには、配列番号2のヒトIL−12 p40アミノ酸配列および配列番号6のマウスIL−12 p40アミノ酸配列が含まれる。Genbankアクセッション番号P29460.1(ヒト)、AAD56386.1(ヒト)、NP_005526.1(ヒト)、NP_714912.1(ヒト)、Q28268.1(イヌ)、NP_001003292.1(イヌ)、NP_032378.1(マウス)、NP_001152896.1(マウス)、NP_032377.1(マウス)が含まれるがこれらに限定されない、IL−12 p40サブユニットのさらなる非限定的な例が、公的配列データベースにおいて利用可能である。
第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)として適切なIL−12 p40のN末端断片には、配列番号2のアミノ酸1〜288、1〜289、1〜290、1〜291、1〜292、1〜293、1〜294、1〜295、1〜296、1〜297および1〜298を含むまたはこれらからなるポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。好ましい第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、配列番号2のアミノ酸1〜293を含むまたはこれからなる。
第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)として適切なIL−12 p40のN末端断片は、シグナル配列を欠き得る。従って、さらなる実施形態では、この第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、配列番号2の残基18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または28で始まり、残基288、289、290、291、292、293、294、295、296、297または298で終わる、配列番号2の断片を含むまたはこれらからなる。一実施形態では、この第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、配列番号2のアミノ酸残基23〜293を含むまたはこれからなる。
任意選択の第1のペプチドリンカー(ii)は、機能的タンパク質へのscIL−12ポリペプチドの折り畳みを可能にする、任意の適切なペプチドリンカーであり得る。特定の実施形態では、この任意選択の第1のペプチドリンカーは、10以下のアミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、グリシン(Gly);セリン(Ser);アラニン(Ala);スレオニン(Thr);およびプロリン(Pro)から選択される1または複数のアミノ酸の任意の配列および組合せを含む。好ましい一実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、ペプチドThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)、ならびにThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)中に1つのアミノ酸置換を有するペプチドから選択される。特定の実施形態では、この第1のペプチドリンカーは、存在しない。
特定の実施形態では、IL−12 p35ドメイン(iii)は、シグナルペプチドを欠く成熟IL−12 p35サブユニットである。本発明における使用のためのIL−12 p35ポリペプチドには、配列番号4のヒトIL−12 p35アミノ酸配列および配列番号8のマウスIL−12 p35アミノ酸配列が含まれる。Genbankアクセッション番号AAB32758.1(ネコ)、NP_001003293(イヌ)、NP_001075980.1(ウマ)、NP_000873.2(ヒト)、AAD56385.1(ヒト)、NP_001152896.1(マウス)およびNP_032377.1(マウス)を含むがこれらに限定されない、IL−12 p35サブユニットのさらなる非限定的な例が、公的配列データベースにおいて利用可能である。
シグナルペプチドの特異的な切断部位は、1、2、3またはそれ超の残基分、変動し得ることが理解される。従って、特定の実施形態では、本発明の成熟p35ポリペプチドには、配列番号4の残基57〜253からなる予測された成熟配列、ならびに配列番号4のアミノ酸52〜253、53〜253、54〜253、55〜253、56〜253、58〜253、59〜253、60〜253、61〜263および62〜253からなる成熟配列が含まれる。
適切なIL−12 p35ドメインは、C末端において、1または複数のアミノ酸残基分、短縮され得る。従って、さらなる実施形態では、このIL−12 p35ドメインは、配列番号4の残基52、53、54、55、56、57、58、59、60、61または62で始まり、配列番号4の残基247、248、249、250、251、252または253で終わる、配列番号4の断片を含むまたはこれらからなる。
任意選択の第2のペプチドリンカー(iv)は、機能的タンパク質へのscIL−12ポリペプチドの折り畳みを可能にする、任意の適切なペプチドリンカーであり得る。特定の実施形態では、この任意選択の第2のペプチドリンカーは、10以下のアミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる。具体的実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、グリシン(Gly);セリン(Ser);アラニン(Ala);スレオニン(Thr);およびプロリン(Pro)から選択される1または複数のアミノ酸の任意の配列および組合せを含む。好ましい一実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、ペプチドThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)、ならびにThr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)中に1つのアミノ酸置換を有するペプチドから選択される。特定の実施形態では、この第2のペプチドリンカーは、存在しない。好ましい一実施形態では、この第1および第2のペプチドリンカーは、組み合わせて10以下のアミノ酸残基からなる。
特定の実施形態では、第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、IL−12 p40サブユニットのC末端断片である。第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)として適切なp40のC末端断片は、配列番号2のアミノ酸289〜328、290〜329、291〜328、292〜328、293〜328、294〜328、295〜328、296〜328、297〜328、298〜328および299〜328を含むまたはこれらからなる。
適切な第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、C末端において、1または複数のアミノ酸残基分、短縮され得る。従って、さらなる実施形態では、この第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、配列番号2の残基289、290、291、292、293、294、295、296、297、298または299で始まり、配列番号2の残基322、323、324、325、326、327または328で終わる、配列番号2の断片を含むまたはこれらからなる。
本発明の代表的scIL−12ポリペプチドの全長配列は、本明細書で配列番号10として示される。この全長配列は、配列番号10のアミノ酸1〜22において予測されたシグナルペプチドを含み、配列番号10のアミノ酸23〜533において成熟scIL−12ポリペプチドを含む。
別の具体的一実施形態では、このscIL−12ポリペプチドは、配列番号9および配列番号9のヌクレオチド67〜1599からなる群より選択される核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
従って、本発明の第1の主題は、単離されたscIL−12ポリペプチドに関する。具体的な一実施形態では、この単離されたポリペプチドは、配列番号10および配列番号10のアミノ酸23〜533からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
当業者は、本発明、および本明細書に記載される遺伝コードの縮重または非普遍性を使用することによって、本発明のポリペプチドをコードするように、他のポリヌクレオチドを産生することができる。
本発明のさらなる実施形態には、scIL−12ポリペプチドの機能的断片、または異種の、もしくは通常は非連続のタンパク質ドメインを含む第2のポリペプチドに融合された本発明のscIL−12ポリペプチドを含む融合タンパク質が含まれる。好ましくは、この第2のポリペプチドは、単鎖抗体または抗体断片を含む抗体などの標的化ポリペプチドである。従って、本発明は、そのN末端またはC末端において、第2のポリペプチド、好ましくは抗体、抗体断片または単鎖抗体に融合された、ScIL−12ポリペプチドを提供する。
本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドのバリアントもまた提供する。特定の実施形態では、scIL−12バリアントポリペプチドは、配列番号10の全長または成熟アミノ酸配列と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であり、このバリアントポリペプチドは、少なくとも1つのIL−12活性、例えば、NK細胞からのIFN−ガンマ分泌の誘導を示す。かかるIL−12活性は、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,457,038号の実施例8に記載されるアッセイなどの、当該分野で公知のアッセイを使用して容易に決定される。
本発明は、本発明に係る単離されたポリペプチドを含む組成物にも関する。
組成物
本発明は、本発明に係るscIL−12ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む組成物にも関する。かかる組成物は、上で規定したような、scIL−12ポリペプチドまたはscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、許容される担体またはビヒクルとを含み得る。本発明の組成物は、治療的投与における使用のための生物学的材料の製剤に特に適切である。従って、一実施形態では、この組成物は、scIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。別の一実施形態では、この組成物は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドを含む。
本発明は、本発明に係るscIL−12ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを含む組成物にも関する。かかる組成物は、上で規定したような、scIL−12ポリペプチドまたはscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、許容される担体またはビヒクルとを含み得る。本発明の組成物は、治療的投与における使用のための生物学的材料の製剤に特に適切である。従って、一実施形態では、この組成物は、scIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。別の一実施形態では、この組成物は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドを含む。
語句「許容される」とは、投与した場合に細胞または生物にとって生理学的に耐容可能な分子実体および組成物を指す。用語「担体」とは、この組成物が共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを指す。かかる担体は、無菌液体、例えば、水、および石油、動物、植物または合成起源の油を含む油、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などであり得る。許容される担体の例は、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、等張生理食塩水(例えば、リン酸一ナトリウムもしくはリン酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムもしくは塩化マグネシウム、またはかかる塩の混合物)、リンゲル溶液、デキストロース、水、無菌水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組合せである。1,3−ブタンジオールおよび無菌不揮発油が、溶媒または懸濁媒として簡便に使用される。合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無味無臭の不揮発油が使用される。オレイン酸などの脂肪酸もまた、注射剤の調製において使用を見出す。水または水溶液生理食塩水溶液ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液は、好ましくは、特に注射可能な溶液のために、担体として使用される。適切な医薬担体は、E.W. Martinによる「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載されている。本発明の医薬組成物は、外用、経口、非経口、鼻腔内、静脈内、筋内、腫瘍内、皮下、眼内などの投与の目的のために、製剤化され得る。
好ましくは、これらの組成物は、注射可能な製剤のための許容されるビヒクルを含む。このビヒクルは、特に、無菌の等張生理食塩水溶液(リン酸一ナトリウムもしくはリン酸二ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムもしくは塩化マグネシウムなど、またはかかる塩の混合物)、または必要に応じた滅菌水の添加または生理学的生理食塩水の添加の際に、注射可能な溶液を形成させることができる、乾燥した、特に凍結乾燥した組成物であり得る。好ましい無菌の注射可能な調製物は、非毒性の非経口的に許容される溶媒または希釈剤中の、溶液または懸濁物であり得る。
なお別の一実施形態では、scIL−12ポリペプチド、またはこのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組成物は、徐放系で送達され得る。例えば、このポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、静脈内注入、移植可能な浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたは他の様式の投与を使用して、投与され得る。他の徐放系は、Langerによる総説[Science 249:1527-1533 (1990)]において議論されている。
単鎖IL−12ポリペプチドの発現
scIL−12ポリペプチドおよびそれらをコードするポリヌクレオチドの配列を用いて、大量のscIL−12ポリペプチドが調製され得る。細胞におけるベクターの適切な発現によって、高い効率の産生が達成され得る。その後、例えば硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化などの標準的な精製方法が、使用され得る。タンパク質精製のために典型的に使用される技術については、Methods in Enzymologyの種々の巻を参照のこと。あるいは、一部の実施形態では、高い効率の産生は不要であるが、注意深く操作された発現系内の既知の誘導性タンパク質の存在には、非常に価値がある。典型的には、この発現系は細胞であるが、in vitro発現系もまた構築され得る。
scIL−12ポリペプチドおよびそれらをコードするポリヌクレオチドの配列を用いて、大量のscIL−12ポリペプチドが調製され得る。細胞におけるベクターの適切な発現によって、高い効率の産生が達成され得る。その後、例えば硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化などの標準的な精製方法が、使用され得る。タンパク質精製のために典型的に使用される技術については、Methods in Enzymologyの種々の巻を参照のこと。あるいは、一部の実施形態では、高い効率の産生は不要であるが、注意深く操作された発現系内の既知の誘導性タンパク質の存在には、非常に価値がある。典型的には、この発現系は細胞であるが、in vitro発現系もまた構築され得る。
scIL−12、またはその断片、誘導体もしくはアナログ、またはキメラタンパク質を含むそれらの機能的に活性な誘導体をコードするポリヌクレオチドは、適切な発現ベクター、即ち、挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含むベクター中に、挿入され得る。本発明のポリヌクレオチドは、発現ベクターにおいて転写制御配列と作動可能に連結される。発現ベクターは、好ましくは、複製起点もまた含む。
本発明の単離されたポリヌクレオチドは、任意の適切なクローニングベクター中に挿入され得る。当該分野で公知の多数のベクター−宿主系が、使用され得る。可能なベクターには、プラスミドまたは改変ウイルスが含まれるがこれらに限定されず、このベクター系は、使用される宿主細胞と適合性でなければならない。ベクターの例には、大腸菌(Escherichia coli)、バクテリオファージ、例えば、ラムダ誘導体、またはプラスミド、例えば、pBR322誘導体もしくはpUCプラスミド誘導体、例えば、pGEXベクター、pmal−c、pFLAGなどが含まれるがこれらに限定されない。クローニングベクター中への挿入は、例えば、相補的付着末端を含むクローニングベクター中にポリヌクレオチドをライゲーションすることによって達成され得る。しかし、ポリヌクレオチドを断片化するために使用される相補的制限部位がクローニングベクター中に存在しない場合、ポリヌクレオチド分子の末端は、酵素的に改変され得る。あるいは、所望の任意の部位は、DNA末端上にヌクレオチド配列(リンカー)をライゲーションすることによって産生され得る;これらのライゲーションされたリンカーは、制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードする、特定の化学合成されたオリゴヌクレオチドを含み得る。好ましくは、クローニングされた遺伝子は、クローニング細胞、例えば、大腸菌(E. coli)における拡大、およびそれが所望される場合には、適切な発現細胞株中への引き続く挿入のための精製、を提供する、シャトルベクタープラスミド上に含まれる。例えば、1つよりも多い型の生物において複製し得るベクターであるシャトルベクターは、大腸菌(E. coli)プラスミド由来の配列を、酵母2μプラスミド由来の配列と連結させることによって、大腸菌(E. coli)およびサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の両方における複製のために調製され得る。
さらに、本発明は、転写調節エレメントに作動可能に連結された本発明に係るポリヌクレオチドを含む発現ベクターに関する。一実施形態では、このポリヌクレオチドは、発現コンピテントな宿主細胞におけるscIL−12ポリペプチドの発現を可能にする発現制御配列と作動可能に連結される。この発現制御配列は、発現が所望される宿主細胞において機能的であるプロモーターを含み得る。このベクターは、プラスミドDNA分子またはウイルスベクターであり得る。特定の実施形態では、ウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ヘルペスウイルスおよびワクシニアウイルスが含まれるがこれらに限定されない。本発明は、そのゲノム中に本発明に係るポリヌクレオチドを含む複製欠損組換えウイルスにさらに関する。従って、本発明は、かかる発現ベクターを含む単離された宿主細胞であって、転写調節エレメントは、宿主細胞において作動可能である、宿主細胞に関する。
所望の遺伝子は、幅広い選択肢の発現ベクターのいずれかの中に挿入される。適切なベクターおよび細胞株の選択は、所望の産物の制約に依存する。典型的な発現ベクターは、Sambrook et al. (1989)に記載されている。適切な細胞株は、ATCCなどの寄託機関から選択され得る。それらの各々が参照によって本明細書に組み込まれる、ATCC Catalogue of Cell Lines and Hybridomas (6th ed.) (1988);ATCC Cell Lines, Viruses, and Antiseraを参照のこと。これらのベクターは、例えばSambrook et al. (1989)に記載されるような、標準的な形質転換手順またはトランスフェクション手順によって、所望の細胞に導入される。融合タンパク質は、典型的には、組換え核酸法または合成ポリペプチド法のいずれかによって作製される。核酸操作のための技術は、一般に、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Sambrook et al. (1989), Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory中に記載されている。ポリペプチドの合成のための技術は、例えば、Merrifield, J. Amer. Chem. Soc. 85:2149-2156 (1963)中に記載されている。
特定の組換えDNA分子が一旦同定され単離されると、当該分野で公知の複数の方法のいずれかが、それを増やすために使用され得る。適切な宿主系および増殖条件が一旦確立されると、組換え発現ベクターは、多量に増やされ調製され得る。以前に説明したように、使用され得る発現ベクターには、以下のベクターまたはそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない:数例挙げると、ヒトまたは動物ウイルス、例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルス(AAV);昆虫ウイルス、例えば、バキュロウイルス;酵母ベクター;バクテリオファージベクター(例えば、ラムダ)、ならびにプラスミドおよびコスミドDNAベクター。
さらに、挿入された配列の発現をモジュレートする、または所望の特定の様式で遺伝子産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞株が、選択され得る。異なる宿主細胞は、タンパク質の翻訳および翻訳後プロセシングおよび修飾のための特徴的かつ特異的な機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現された外来タンパク質の所望の修飾およびプロセシングを確実にするために選択され得る。酵母における発現は、生物学的に活性な産物を産生し得る。真核生物細胞における発現は、「ネイティブの」折り畳みの可能性を増加させ得る。さらに、哺乳動物細胞における発現は、scIL−12活性を再構成または構成するためのツールを提供し得る。さらに、異なるベクター/宿主発現系は、異なる程度まで、タンパク質分解性切断などのプロセシング反応に影響を与え得る。
ベクターは、当該分野で公知の方法、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、形質導入、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション(リソソーム融合)、微粒子銃、遺伝子銃の使用、またはDNAベクタートランスポーターによって、所望の宿主細胞中に導入される(例えば、Wu et al., 1992, J. Biol. Chem. 267:963-967;Wu and Wu, 1988, J. Biol. Chem. 263:14621-14624;Hartmutら、カナダ特許出願第2,012,311号、1990年3月15日出願を参照のこと)。
可溶性形態のタンパク質は、上記のように、培養液を集めること、または例えば、界面活性剤による処理によって、および所望の場合には超音波処理もしくは他の機械的プロセスによって封入体を可溶化させることによって、取得され得る。可溶化されたまたは可溶性のタンパク質は、種々の技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、等電点電気泳動、2次元ゲル電気泳動、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティ、免疫アフィニティおよびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差的溶解度、免疫沈降を使用して、またはタンパク質の精製のための任意の他の標準的な技術によって、単離され得る。
scIL−12ポリヌクレオチドを含むベクターおよび遺伝子発現カセット
本発明は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターにも関する。本発明は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットもまた提供する。必要に応じてベクターまたは遺伝子発現カセット中に取り込まれた本発明のポリヌクレオチド、およびそれらを含む組成物は、ワクチンアジュバントなどとして免疫系の機能を増強するために、ならびに感染および癌の処置において他の免疫調節因子および/または小分子医薬品と組み合わせて、有用である。これらは、任意の型の細胞または組織におけるin vitroまたはin vivoでの遺伝子の移入および発現のために使用され得る。形質転換は、さらに、標的化され得る(特定の組織への移入は、特に、ベクターの選択によって決定され得、発現は、特定のプロモーターの選択によって決定され得る)。本発明のポリヌクレオチドおよびベクターは、本発明のscIL−12ポリペプチドのin vivoでの産生のために有利に使用される。
本発明は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターにも関する。本発明は、本発明に係るscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットもまた提供する。必要に応じてベクターまたは遺伝子発現カセット中に取り込まれた本発明のポリヌクレオチド、およびそれらを含む組成物は、ワクチンアジュバントなどとして免疫系の機能を増強するために、ならびに感染および癌の処置において他の免疫調節因子および/または小分子医薬品と組み合わせて、有用である。これらは、任意の型の細胞または組織におけるin vitroまたはin vivoでの遺伝子の移入および発現のために使用され得る。形質転換は、さらに、標的化され得る(特定の組織への移入は、特に、ベクターの選択によって決定され得、発現は、特定のプロモーターの選択によって決定され得る)。本発明のポリヌクレオチドおよびベクターは、本発明のscIL−12ポリペプチドのin vivoでの産生のために有利に使用される。
本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、プラスミドベクターにおいて使用され得る。好ましくは、発現制御配列は、scIL−12ポリペプチドの発現のために、scIL−12ポリヌクレオチドコード配列に作動可能に連結される。この発現制御配列は、宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトすることが可能なベクター中の、任意のエンハンサー、応答エレメントまたはプロモーター系であり得る。一旦ベクターが適切な宿主中に取り込まれると、この宿主は、使用に依存して、ポリヌクレオチドの高レベル発現に適切な条件下で維持される。
ポリヌクレオチドは、通常、配列が発現制御配列に作動可能に連結された(即ち、発現制御配列の機能を確実にするように位置付けられた)後、宿主において発現される。これらの発現ベクターは、典型的には、エピソームとして、または宿主染色体DNAの不可欠な一部として、宿主生物において複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、テトラサイクリンまたはネオマイシンを含む(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4,704,362号を参照のこと)。
大腸菌(Escherichia coli)は、本発明のポリヌクレオチドをクローニングために有用な原核生物宿主である。使用に適切な他の微生物宿主には、桿菌、例えば枯草菌(Bacillus subtilis)、ならびに他の腸内細菌科、例えばサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)および種々のシュードモナス属(Pseudomonas)の種が含まれるがこれらに限定されない。
酵母細胞、昆虫組織培養細胞、トリ細胞などが含まれるがこれらに限定されない、他の真核生物細胞が使用され得る。好ましくは、哺乳動物組織細胞培養物が、本発明のポリペプチドを産生するために使用される(参照によって本明細書に組み込まれる、Winnacker, From Genes to Clones, VCH Publishers, N.Y. (1987)を参照のこと)。
発現ベクターは、限定ではなく、発現制御配列、例えば、複製起点、プロモーター、エンハンサー、応答エレメント、および必要なプロセシング情報部位、例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター配列もまた含み得る。好ましくは、これらのエンハンサーまたはプロモーターは、IL−12のサブユニットp40およびp35をコードする遺伝子と天然に関連するエンハンサーまたはプロモーターであるが、多くの場合には、他のエンハンサーまたはプロモーターが、等しく適切またはより適切であると理解される。さらなる実施形態では、発現制御配列は、例えばSV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルスなどのウイルス由来のエンハンサーまたはプロモーターである。
本発明のポリヌクレオチドを含むベクターは、細胞性宿主の型に依存して変動する周知の方法によって、宿主細胞中に移入され得る。例えば、塩化カルシウムトランスフェクションは、原核生物細胞に一般に利用されるが、リン酸カルシウム処理が、他の細胞性宿主のために使用され得る(一般に、参照によって本明細書に組み込まれる、Sambrook et al. (1989), Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed.), Cold Spring Harbor Pressを参照のこと)。用語「形質転換された細胞」は、形質転換された細胞の後代もまた含む意味である。
潜在的な宿主−ベクター系には、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなど)に感染した哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;微生物、例えば、酵母ベクターを含む酵母;またはバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNAで形質転換された細菌が含まれるが、これらに限定されない。ベクターの発現エレメントは、それらの強度および特異性において変動する。利用される宿主−ベクター系に依存して、いくつかの適切な転写エレメントおよび翻訳エレメントのいずれか1つが使用され得る。
本発明の組換えscIL−12タンパク質、またはその機能的断片、誘導体、キメラ構築物もしくはアナログは、組換えによるコード配列の統合後に、染色体性に発現され得る。これに関して、いくつかの増幅系のいずれかが、高レベルの安定な遺伝子発現を達成するために使用され得る(Sambrook et al., 1989、上記を参照のこと)。
scIL−12ポリヌクレオチドを含む組換えベクターを含む細胞は、細胞によるscIL−12ポリペプチドの発現を提供する条件下で、適切な細胞培養培地中で培養される。クローニングベクター中へのDNA断片の挿入のための以前に記載された方法のいずれかが、適切な転写/翻訳制御シグナルおよびタンパク質コード配列からなる遺伝子を含む発現ベクターを構築するために使用され得る。これらの方法には、in vitroの組換えDNAおよび合成技術ならびにin vivoの組換え(遺伝子組換え)が含まれ得る。
scIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、当該分野で公知の任意の調節領域、即ち、プロモーター/エンハンサーエレメントに作動可能に連結され得、それらによって制御され得るが、これらの調節エレメントは、発現のために選択された宿主細胞において機能的でなければならない。これらの調節領域は、宿主細胞における機能的転写のためのプロモーター領域、ならびに目的の遺伝子の3’側に位置し、転写の終結のためのシグナルおよびポリアデニル化部位を特定する領域、を含み得る。これら全てのエレメントが、発現カセットを構成する。
本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、5つの一般的アプローチによって同定され得る:(a)所望のプラスミドDNAまたは特定のmRNAのPCR増幅、(b)核酸ハイブリダイゼーション、(c)選択マーカー遺伝子機能の存在または非存在、(d)適切な制限エンドヌクレアーゼを用いた分析、および(e)挿入された配列の発現。第1のアプローチでは、核酸は、増幅された産物の検出を提供するために、PCRによって増幅され得る。第2のアプローチでは、発現ベクター中に挿入された外来遺伝子の存在は、挿入されたマーカー遺伝子と相同な配列を含むプローブを使用する核酸ハイブリダイゼーションによって検出され得る。第3のアプローチでは、組換えベクター/宿主系は、ベクター中の外来遺伝子の挿入によって引き起こされる特定の「選択マーカー」遺伝子機能(例えば、β−ガラクトシダーゼ活性、チミジンキナーゼ活性、抗生物質に対する耐性、形質転換表現型、バキュロウイルスにおける包埋体形成など)の存在または非存在に基づいて、同定および選択され得る。別の例では、scIL−12ポリペプチドをコードする核酸がベクターの「選択マーカー」遺伝子配列内に挿入される場合、scIL−12核酸挿入物を含む組換え体は、遺伝子機能の非存在によって同定され得る。第4のアプローチでは、組換え発現ベクターは、適切な制限酵素による消化によって同定される。第5のアプローチでは、組換え発現ベクターは、発現されたタンパク質が機能的に活性なコンフォメーションを取ることを条件として、組換え体によって発現された遺伝子産物の活性、生化学的特徴または免疫学的特徴についてアッセイすることによって同定され得る。
広範な種々の宿主/発現ベクターの組合せが、本発明のDNA配列を発現する際に使用され得る。有用な発現ベクターは、例えば、染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列のセグメントからなり得る。適切なベクターには、SV40の誘導体、ならびに公知の細菌プラスミド、例えば、大腸菌(E. coli)プラスミドcol El、pCR1、pBR322、pMal−C2、pET、pGEX(Smith et al., 1988, Gene 67:31-40)、pMB9およびそれらの誘導体、プラスミド、例えばRP4;ファージDNAS、例えば、ファージlの多数の誘導体、例えばNM989、および他のファージDNA、例えば、M13および糸状一本鎖ファージDNA;酵母プラスミド、例えば、2mプラスミドまたはその誘導体;真核生物細胞において有用なベクター、例えば、昆虫細胞または哺乳動物細胞において有用なベクター;プラスミドとファージDNAとの組合せに由来するベクター、例えば、ファージDNAまたは他の発現制御配列を使用するように改変されたプラスミドなどが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、宿主細胞において発現されることが可能な遺伝子発現カセットであって、本発明に係るscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、遺伝子発現カセットもまた提供する。従って、本発明は、scIL−12発現系において有用な新規遺伝子発現カセットもまた提供する。
本発明の遺伝子発現カセットは、特異的リガンドの添加または除去による遺伝子発現の調節を可能にするための遺伝子スイッチを含み得る。一実施形態では、この遺伝子スイッチは、遺伝子発現のレベルが、存在するリガンドのレベルに依存する、遺伝子スイッチである。本発明の遺伝子スイッチにおいて使用され得るリガンド依存的転写因子複合体の例には、とりわけ、そのそれぞれのリガンド(グルココルチコイド、エストロゲン、プロゲスチン、レチノイド、エクジソン、ならびにそれらのアナログおよび模倣物)によって活性化される核受容体スーパーファミリーのメンバー;テトラサイクリンによって活性化されるrTTA;ビオチンベースのスイッチ系;FKBP/ラパマイシンスイッチ系;クメート(cumate)スイッチ系;リボスイッチ(riboswitch)系が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の一態様では、この遺伝子スイッチは、EcRベースの遺伝子スイッチである。かかる系の例には、その各々がその全体が参照によって組み込まれる、以下において記載される系が含まれるがこれらに限定されない:PCT/US2001/009050(WO2001/070816);米国特許第7,091,038号;米国特許第7,776,587号;米国特許第7,807,417号;米国特許第8,202,718号;PCT/US2001/030608(WO2002/029075);米国特許第8,105,825号;米国特許第8,168,426号;PCT/US2002/005235(WO2002/066613);米国特許出願第10/468,200号(米国特許出願公開第20120167239号);PCT/US2002/005706(WO2002/066614);米国特許第7,531,326号;米国特許第8,236,556号;米国特許第8,598,409号;PCT/US2002/005090(WO2002/066612);米国特許出願第10/468,193号(米国特許出願公開第20060100416号);PCT/US2002/005234(WO2003/027266);米国特許第7,601,508号;米国特許第7,829,676号;米国特許第7,919,269号;米国特許第8,030,067号;PCT/US2002/005708(WO2002/066615);米国特許出願第10/468,192(米国特許出願公開第20110212528号);PCT/US2002/005026(WO2003/027289);米国特許第7,563,879号;米国特許第8,021,878号;米国特許第8,497,093号;PCT/US2005/015089(WO2005/108617);米国特許第7,935,510号;米国特許第8,076,454号;PCT/US2008/011270(WO2009/045370);米国特許出願第12/241,018号(米国特許出願公開第20090136465号);PCT/US2008/011563(WO2009/048560);米国特許出願第12/247,738号(米国特許出願公開第20090123441号);PCT/US2009/005510(WO2010/042189);米国特許出願第13/123,129号(米国特許出願公開第20110268766号);PCT/US2011/029682(WO2011/119773);米国特許出願第13/636,473号(米国特許出願公開第20130195800号);PCT/US2012/027515(WO2012/122025);および米国特許出願第14/001,943号(米国特許出願公開[係属中])。
本発明の別の一態様では、この遺伝子スイッチは、FK506結合タンパク質(FKBP)とFKBPラパマイシン関連タンパク質(FRAP)とのヘテロダイマー化に基づき、ラパマイシンまたはその非免疫抑制性アナログを介して調節される。かかる系の例には、ARGENT(商標)Transcriptional Technology (ARIAD Pharmaceuticals、Cambridge、Mass.)ならびに米国特許第6,015,709号、米国特許第6,117,680号、米国特許第6,479,653号、米国特許第6,187,757号および米国特許第6,649,595号に記載される系が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の別の一態様では、本発明の遺伝子発現カセットは、高い親和性でクメートオペレーター配列を結合するCymRリプレッサーを介して作動するクメートスイッチ系を取り込む(SparQ(商標)Cumate Switch、System Biosciences,Inc.)。この抑制は、CymRに結合する非毒性小分子クメートの添加によって軽減される。この系は、ダイナミックな誘導性を有し、細かく調整され得、可逆的かつ誘導性である。
本発明の別の一態様では、本発明の遺伝子発現カセットは、リボスイッチを取り込み、このリボスイッチは、エフェクターに結合して、そのmRNAによってコードされるタンパク質の産生における変化を生じる、メッセンジャーRNA分子の調節セグメントである。リボスイッチを含むmRNAは、そのエフェクター分子の濃度に応答して、それ自体の活性を調節することに直接関与する。エフェクターは、プリン/ピリミジン、アミノ酸、ビタミンまたは他の小分子補因子由来の代謝物であり得る。これらのエフェクターは、リボスイッチセンサーについてのリガンド、またはアプタマーとして作用する。Breaker, RR. Mol Cell. (2011) 43(6):867-79。
本発明の別の一態様では、本発明の遺伝子発現カセットは、細菌リプレッサータンパク質TetRが、遺伝子発現を活性化するために、VP16に融合された合成ビオチン化シグナルAVITAGと相互作用するストレプトアビジンと融合されている、ビオチンベースの遺伝子スイッチ系を取り込む。AVITAGペプチドのビオチン化は、細菌ビオチンリガーゼBirAによって調節され、従って、リガンド応答性を可能にする。Weber et al. (2007) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 104, 2643-2648;Weber et al. (2009) Metabolic Engineering, 11(2):117-124。
本発明における使用に適切なさらなる遺伝子スイッチ系は、当該分野で周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるAuslander and Fussenegger, Trends in Biotechnology (2012), 31(3):155-168に記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。
遺伝子スイッチ系における使用のためのリガンドの例には、以下が含まれるがこれらに限定されない;エクジステロイド、例えば、エクジソン、20−ヒドロキシエクジソン、ポナステロンA、ムリステロンA(muristerone A)など、9−シス−レチノイン酸、レチノイン酸の合成アナログ、N,N’−ジアシルヒドラジン、例えば、米国特許第6,013,836号;米国特許第5,117,057号;米国特許第5,530,028号;および米国特許第5,378,726号ならびに米国特許出願公開第2005/0209283号および米国特許出願公開第2006/0020146号に開示されるもの;米国特許出願公開第2004/0171651号に記載されるようなオキサジアゾリン;ジベンゾイルアルキルシアノヒドラジン、例えば、欧州特許出願第461,809号に開示されるもの;N−アルキル−N,N’−ジアロイルヒドラジン、例えば、米国特許第5,225,443号に開示されるもの;N−アシル−N−アルキルカルボニルヒドラジン、例えば、欧州特許出願第234,994号に開示されるもの;N−アロイル−N−アルキル−N’−アロイルヒドラジン、例えば、米国特許第4,985,461号に記載されるもの;アルニドケトン(arnidoketone)、例えば、米国特許出願公開第2004/0049037号に記載されるもの;その各々は、参照によって本明細書に組み込まれる、ならびに3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−N−イソブチル−ベンズアミド、8−O−アセチルハルパギド(8-O-acetylharpagide)、オキシステロール、22(R)ヒドロキシコレステロール、24(S)ヒドロキシコレステロール、25−エポキシコレステロール、T0901317、5−アルファ−6−アルファ−エポキシコレステロール−3−硫酸(ECHS)、7−ケトコレステロール−3−硫酸、フラメソル(framesol)、胆汁酸、1,1−ビホスホネートエステル(1,1-biphosphonate ester)、幼若ホルモンIIIを含む他の類似の材料、など。本発明において有用なジアシルヒドラジンリガンドの例には、RG−115819(3,5−ジメチル−安息香酸N−(1−エチル−2,2−ジメチル−プロピル)−N’−(2−メチル−3−メトキシ−ベンゾイル)−ヒドラジド−)、RG−115932((R)−3,5−ジメチル−安息香酸N−(1−tert−ブチル−ブチル)−N’−(2−エチル−3−メトキシ−ベンゾイル)−ヒドラジド)およびRG−115830(3,5−ジメチル−安息香酸N−(1−tert−ブチル−ブチル)−N’−(2−エチル−3−メトキシ−ベンゾイル)−ヒドラジド)が含まれる。例えば、それら両方がその全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第12/155,111号およびPCT出願第PCT/US2008/006757号を参照のこと。
単鎖IL−12ポリペプチドに対する抗体
本発明によれば、融合タンパク質を含む、組換え産生されるまたは化学合成によって産生されるscIL−12ポリペプチド、およびそれらの断片または他の誘導体もしくはアナログが、抗体を生成するための抗原または免疫源として使用され得る。好ましくは、これらの抗体は、scIL−12ポリペプチドに特異的に結合するが、ネイティブIL−12ポリペプチドには結合しない。より好ましくは、これらの抗体は、scIL−12ポリペプチドに特異的に結合するが、他のサイトカインポリペプチドには結合しない。
本発明によれば、融合タンパク質を含む、組換え産生されるまたは化学合成によって産生されるscIL−12ポリペプチド、およびそれらの断片または他の誘導体もしくはアナログが、抗体を生成するための抗原または免疫源として使用され得る。好ましくは、これらの抗体は、scIL−12ポリペプチドに特異的に結合するが、ネイティブIL−12ポリペプチドには結合しない。より好ましくは、これらの抗体は、scIL−12ポリペプチドに特異的に結合するが、他のサイトカインポリペプチドには結合しない。
別の一実施形態では、本発明は、上記のような本発明に係るscIL−12ポリペプチドの断片を含む抗原性ペプチドを特異的に結合する抗体に関する。この抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、in vitroまたはin vivoの技術によって産生され得る。
本発明の抗体は、特定のscIL−12ポリペプチドに結合するための特異性を有する。従って、これらまたは相同なポリペプチドの定性的または定量的な存在を決定するための試薬が、産生され得る。あるいは、これらの抗体は、scIL−12ポリペプチドを分離または精製するために使用され得る。
ポリクローナル抗体の産生のために、適切な標的免疫系、典型的には、マウスまたはウサギが選択される。実質的に精製された抗原は、その動物にとって適切な方法、および免疫学者にとって周知の他のパラメーターによって決定される様式で、免疫系に提示される。注射のための典型的な部位は、足蹠中、筋内、腹腔内または皮内である。もちろん、別の種が、マウスまたはウサギの代わりになり得る。
免疫学的応答は、通常、イムノアッセイを用いてアッセイされる。通常、かかるイムノアッセイには、例えば、抗原が産生されたのと同じ細胞によって同じ様式で産生された抗原の供給源のいくらかの精製が関与する。このイムノアッセイは、ラジオイムノアッセイ、酵素結合アッセイ(ELISA)、蛍光アッセイ、またはそのほとんどは機能的に等価であるが特定の条件下で利益を示し得る、多くの他の選択肢のうちいずれかであり得る。
高い親和性を有するモノクローナル抗体は、典型的には、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Harlow and Lane (1988), Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory;またはGoding (1986), Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2d ed) Academic Press, New Yorkに記載されるような標準的な手順によって作製される。簡潔に述べると、適切な動物が選択され、所望の免疫化プロトコールが後に続く。適切な期間の後、かかる動物の脾臓が切り出され、個々の脾臓細胞が、適切な選択条件下で、典型的には不死化骨髄腫細胞と融合される。その後、これらの細胞は、クローン的に分離され、各クローンの上清は、抗原の所望の領域に対して特異的な適切な抗体の産生について試験される。
他の適切な技術には、抗原性ポリペプチドへのリンパ球のin vitro曝露、あるいは、ファージまたは類似のベクター中の抗体のライブラリーの選択が関与する。参照によって本明細書に組み込まれる、Huse et al., (1989) "Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda," Science 246:1275-1281を参照のこと。
本発明のポリペプチドおよび抗体は、改変ありまたはなしで使用され得る。頻繁に、これらのポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を、共有結合または非共有結合のいずれかによって接続することによって標識される。広範な種々の標識およびコンジュゲート化技術は、公知であり、科学文献および特許文献の両方において広範に報告されている。適切な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光、化学発光、磁性粒子などが含まれるがこれらに限定されない。かかる標識の使用を教示する特許には、米国特許第3,817,837号;米国特許第3,850,752号;米国特許第3,939,350号;米国特許第3,996,345号;米国特許第4,277,437号;米国特許第4,275,149号;および米国特許第4,366,241号が含まれる。また、組換え免疫グロブリンが産生され得る、Cabilly、米国特許第4,816,567号を参照のこと。
分子は、免疫系の抗原認識分子、例えば、免疫グロブリン(抗体)またはT細胞抗原受容体と特異的に相互作用することが可能である場合、「抗原性」である。抗原性ポリペプチドは、少なくとも約5アミノ酸、好ましくは少なくとも約10アミノ酸を含む。分子の抗原性部分は、抗体もしくはT細胞受容体認識について免疫優性である部分であり得、または、免疫化のための担体分子にその抗原性部分をコンジュゲート化することによってこの分子に対する抗体を生成するために使用される部分であり得る。抗原性である分子は、それ自体が免疫原性である必要はない、即ち、担体なしに免疫応答を惹起することが可能である必要はない。
かかる抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、単鎖、Fab断片およびFab発現ライブラリーが含まれるがこれらに限定されない。本発明のscIL−12抗体は、交差反応性であり得る、例えば、これらの抗体は、異なる種由来のscIL−12ポリペプチドを認識し得る。ポリクローナル抗体は、交差反応性のより高い可能性を有する。あるいは、本発明の抗体は、ヒトscIL−12ポリペプチドなどのscIL−12ポリペプチドの単一の形態に対して特異的であり得る。好ましくは、かかる抗体は、ヒトscIL−12に対して特異的である。
当該分野で公知の種々の手順が、ポリクローナル抗体の産生のために使用され得る。抗体の産生のために、ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどが含まれるがこれらに限定されない種々の宿主動物が、scIL−12ポリペプチド、またはその誘導体(例えば、断片もしくは融合タンパク質)による注射によって免疫化され得る。一実施形態では、scIL−12ポリペプチドまたはその断片は、免疫原性担体、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)にコンジュゲート化され得る。以下が含まれるがこれらに限定されない種々のアジュバントが、宿主の種に依存して、免疫学的応答を増加させるために使用され得る:フロイント(完全および不完全)、ミネラルゲル、例えば、水酸化アルミニウム、表面活性物質、例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびに潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(カルメット・ゲラン桿菌(bacille Calmette-Guerin))およびコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)。
scIL−12ポリペプチド、またはそれらの断片、アナログもしくは誘導体に対するモノクローナル抗体の調製のために、培養物中の連続的細胞株による抗体分子の産生を提供する任意の技術が使用され得る。これらには、Kohler and Milstein [Nature 256:495-497 (1975)]によって元々開発されたハイブリドーマ技術、ならびにトリオーマ(trioma)技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術[Kozbor et al., Immunology Today 4:72 1983);Cote et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026-2030 (1983)]、およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリドーマ技術[Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 (1985)]が含まれるがこれらに限定されない。本発明のさらなる一実施形態では、モノクローナル抗体は、無菌動物において産生され得る[国際特許出願公開番号WO89/12690、1989年12月28日公開]。実際、本発明によれば、scIL−12ポリペプチドに対して特異的なマウス抗体分子由来の遺伝子を、適切な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子と一緒にスプライシングすることによる、「キメラ抗体」の産生のために開発された技術[Morrison et al., J. Bacteriol. 159:870 (1984);Neuberger et al., Nature 312:604-608 (1984);Takeda et al., Nature 314:452-454 (1985)]が使用され得る;かかる抗体は、本発明の範囲内である。これらのヒトまたはヒト化抗体は、免疫応答、特にアレルギー性応答をそれ自体誘導する可能性が、ゼノジニック抗体よりもかなり低いので、かかるヒトまたはヒト化キメラ抗体は、ヒトの疾患または障害(以下に記載される)の療法における使用に好ましい。
本発明によれば、単鎖Fv(scFv)抗体の産生のために記載された技術[Hustonに対する米国特許第5,476,786号および米国特許第5,132,405号;米国特許第4,946,778]が、scIL−12ポリペプチド特異的単鎖抗体を産生するために適応され得る。本発明のさらなる一実施形態は、scIL−12ポリペプチド、またはその誘導体もしくはアナログに対する所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ容易な同定を可能にするために、Fab発現ライブラリーの構築のために記載された技術[Huse et al., Science 246:1275-1281 (1989)]を利用する。
抗体分子のイディオタイプを含む抗体断片は、公知の技術によって生成され得る。例えば、かかる断片には、以下が含まれるがこれらに限定されない:抗体分子のペプシン消化によって産生され得るF(ab’)2断片;F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFab’断片、ならびにパパインおよび還元剤によって抗体分子を処理することによって生成され得るFab断片。
抗体の産生において、所望の抗体についてのスクリーニングは、当該分野で公知の技術、例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射線アッセイ、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、in situイムノアッセイ(例えば、コロイド金、酵素または放射性同位体標識を使用する)、ウエスタンブロット、沈殿反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイ)、補体結合アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイおよび免疫電気泳動アッセイなどによって、達成され得る。一実施形態では、抗体結合は、一次抗体上の標識を検出することによって検出される。別の一実施形態では、この一次抗体は、一次抗体への二次抗体または試薬の結合を検出することによって検出される。さらなる一実施形態では、この二次抗体は、標識される。多くの手段が、イムノアッセイにおいて結合を検出するために当該分野で公知であり、本発明の範囲内である。例えば、scIL−12ポリペプチドの特異的エピトープを認識する抗体を選択するために、かかるエピトープを含むscIL−12ポリペプチド断片に結合する産物について、生成されたハイブリドーマをアッセイし得る。
上述の抗体は、scIL−12ポリペプチドの局在化および活性に関する当該分野で公知の方法において、例えば、ウエスタンブロッティングのため、scIL−12ポリペプチドをin situで画像化するため、上述のおよび当該分野で公知の検出技術のいずれかを使用して、適切な生理学的サンプル中のそのレベルを測定するためなどに使用され得る。
単鎖IL−12ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、種々の有用性を有する。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、免疫機能の刺激が有益であり得る疾患の処置において有用である。具体的実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、ガンマインターフェロンの増強された存在に対して応答性の疾患状態の処置のため;ウイルス、細菌、原生動物および寄生生物感染の処置のため;ならびに癌などの増殖性障害の処置のために、有用である。本発明のscIL−12ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ワクチンアジュバントとしても有用である。
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、種々の有用性を有する。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、免疫機能の刺激が有益であり得る疾患の処置において有用である。具体的実施形態では、本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、ガンマインターフェロンの増強された存在に対して応答性の疾患状態の処置のため;ウイルス、細菌、原生動物および寄生生物感染の処置のため;ならびに癌などの増殖性障害の処置のために、有用である。本発明のscIL−12ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、ワクチンアジュバントとしても有用である。
IFN−ガンマ産生を誘導する方法
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、それを必要とする患者において、IFN−ガンマの産生を誘導するために有用である。IFN−ガンマ誘導から利益を得る病理学的状態は、疾患、照射または薬物に対する曝露から生じ得、これには、例えば以下が含まれるがこれらに限定されない:白血球減少症、細菌およびウイルス感染、貧血、骨髄移植後の免疫細胞または造血細胞欠損を含む、B細胞またはT細胞欠損。
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、それを必要とする患者において、IFN−ガンマの産生を誘導するために有用である。IFN−ガンマ誘導から利益を得る病理学的状態は、疾患、照射または薬物に対する曝露から生じ得、これには、例えば以下が含まれるがこれらに限定されない:白血球減少症、細菌およびウイルス感染、貧血、骨髄移植後の免疫細胞または造血細胞欠損を含む、B細胞またはT細胞欠損。
感染を処置する方法
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、とりわけ、HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、髄膜炎ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、百日咳、脳炎ウイルス、パピローマウイルス、黄熱ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パルボウイルス、チクングニアウイルス、出血熱ウイルス、クレブシエラ属(Klebsiella)、ならびにヘルペスウイルス、特に水痘、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン・バーウイルス感染が含まれるがこれらに限定されない、ウイルス感染の処置において使用され得る。
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、とりわけ、HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、髄膜炎ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、百日咳、脳炎ウイルス、パピローマウイルス、黄熱ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パルボウイルス、チクングニアウイルス、出血熱ウイルス、クレブシエラ属(Klebsiella)、ならびにヘルペスウイルス、特に水痘、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン・バーウイルス感染が含まれるがこれらに限定されない、ウイルス感染の処置において使用され得る。
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、とりわけ、ハンセン病、結核、ペスト菌(Yersinia pestis)、腸チフス、肺炎球菌細菌感染、破傷風および炭疽が含まれるがこれらに限定されない、細菌感染の処置において使用され得る。
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、とりわけ、例えば、リーシュマニア症およびマラリアであるがこれらに限定されない寄生生物感染;ならびに原生動物感染、例えば、クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)であるがこれに限定されない、または蠕虫、例えば住血吸虫属(Schistosoma)の処置においても使用され得る。
ワクチンアジュバントとしての使用の方法
これらのscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、ワクチンアジュバントとして有用である。「アジュバント」とは、免疫原または抗原と一緒に投与した場合に免疫応答を増強する物質を意味する。
これらのscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、ワクチンアジュバントとして有用である。「アジュバント」とは、免疫原または抗原と一緒に投与した場合に免疫応答を増強する物質を意味する。
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、HIV、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、髄膜炎ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、百日咳、脳炎ウイルス、パピローマウイルス、黄熱ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パルボウイルス、チクングニアウイルス、出血熱ウイルス、クレブシエラ属(Klebsiella)、ならびにヘルペスウイルス、特に、水痘、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン・バーウイルスが含まれるがこれらに限定されないウイルスワクチンに対する免疫応答を増強するために有用である。
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、例えば、とりわけ、ハンセン病、結核、ペスト菌(Yersinia pestis)、腸チフス、肺炎球菌細菌、破傷風および炭疽に対するワクチンであるがこれらに限定されない細菌ワクチンに対する免疫応答を増強するためにも有用である。
同様に、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、寄生生物感染(例えば、とりわけ、リーシュマニア症およびマラリア)に対するワクチン、ならびに原生動物感染(例えば、クルーズトリパノソーマ(T. cruzi))または蠕虫、例えば、住血吸虫属(Schistosoma)に対するワクチンに対する免疫応答を増強するためにも有用である。
本発明のscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、治療的癌ワクチンに対する免疫応答を増強するためにも有用である。癌ワクチンは、癌細胞の表面上で発現された抗原を含み得る。この抗原は、癌細胞上に天然に存在し得る。あるいは、癌細胞は、ex vivoで操作され得、患者中に導入された場合に次いで発現する選択された抗原でトランスフェクトされ得る。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドによって増強され得る癌ワクチンの非限定的な例には、Sipuleucel−T(Provenge(登録商標))が含まれる。
ワクチンアジュバントを製剤化および投与する方法は、本明細書で参照によって組み込まれる米国特許第5,571,515号に記載される方法など、当該分野で公知である。
癌を処置する方法
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、癌を処置するために使用され得る。本発明に従って処置され得る癌の非限定的な例には、乳房癌、前立腺癌、リンパ腫、皮膚癌、膵臓癌、結腸癌、黒色腫、悪性黒色腫、卵巣癌、脳癌、原発性脳癌腫、頭頸部癌、神経膠腫、神経膠芽腫、肝臓癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌腫、乳房癌腫、卵巣癌腫、肺癌腫、小細胞肺癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌腫、精巣癌腫、膀胱癌腫、膵臓癌腫、胃癌腫、結腸癌腫、前立腺癌腫、尿生殖器癌腫、甲状腺癌腫、食道癌腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、副腎癌腫、腎細胞癌腫、子宮内膜癌腫、副腎皮質癌腫、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド癌腫、絨毛癌、菌状息肉症、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、ヘアリー細胞白血病、神経芽腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟組織肉腫、中皮腫、骨原性肉腫、原発性マクログロブリン血症および網膜芽細胞腫などが含まれるがこれらに限定されない。
本発明に係るscIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチド組成物は、癌を処置するために使用され得る。本発明に従って処置され得る癌の非限定的な例には、乳房癌、前立腺癌、リンパ腫、皮膚癌、膵臓癌、結腸癌、黒色腫、悪性黒色腫、卵巣癌、脳癌、原発性脳癌腫、頭頸部癌、神経膠腫、神経膠芽腫、肝臓癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌腫、乳房癌腫、卵巣癌腫、肺癌腫、小細胞肺癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌腫、精巣癌腫、膀胱癌腫、膵臓癌腫、胃癌腫、結腸癌腫、前立腺癌腫、尿生殖器癌腫、甲状腺癌腫、食道癌腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、副腎癌腫、腎細胞癌腫、子宮内膜癌腫、副腎皮質癌腫、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド癌腫、絨毛癌、菌状息肉症、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、ヘアリー細胞白血病、神経芽腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟組織肉腫、中皮腫、骨原性肉腫、原発性マクログロブリン血症および網膜芽細胞腫などが含まれるがこれらに限定されない。
本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドを治療有効量で患者に投与するステップを含む、癌を処置する方法を提供する。特定の実施形態では、このscIL−12ポリペプチドは、腫瘍内投与される。
本発明は、治療有効用量のscIL−12ポリペプチドを産生するのに十分な量で、本発明のscIL−12ポリヌクレオチドを患者に投与するステップを含む、癌を処置する方法もまた提供する。特定の実施形態では、このscIL−12ポリペプチドは、腫瘍内投与される。さらなる実施形態では、このscIL−12ポリヌクレオチドは、発現ベクター中に含まれる。好ましい一実施形態では、この発現ベクターは、アデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。
本発明のscIL−12ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、癌の処置、予防、寛解および/または治癒において、1または複数の治療剤および/または手順と組み合わせて投与され得る。
具体的な一実施形態では、本発明のscIL−12ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、以下が含まれるがこれらに限定されない、癌の処置において有用な1または複数の化学療法剤と組み合わせて投与される:アルキル化剤;ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル);ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)、エチレンイミン/メチル−メラミン、トリエチレンメラミン(TEM)、トリエチレンチオホスホラミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン));スルホン酸アルキル(ブスルファン);トリアジン(ダカルバジン(DTIC));葉酸アナログ(メトトレキサート、トリメトレキサート、ペメトレキセド);ピリミジンアナログ(5−フルオロウラシル フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5−アザシチジン、2,2’−ジフルオロデオキシ−シチジン);プリンアナログ(6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、2’−デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニル−アデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2−CdA));I型トポイソメラーゼ阻害剤(カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン);生物学的応答改変剤(IL−2、G−CSF、GM−CSF);分化剤(レチノイン酸誘導体、ホルモンおよびアンタゴニスト);副腎皮質ステロイド/アンタゴニスト(プレドニゾンおよび等価物、デキサメタゾン、アミノグルテチミド);プロゲスチン(カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール);エストロゲン(ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール/等価物);抗エストロゲン(タモキシフェン);アンドロゲン(プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン/等価物);抗アンドロゲン(フルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ、リュープロリド);非ステロイド性抗アンドロゲン(フルタミド);天然産物;抗有糸分裂薬物;タキサン(パクリタキセル、ビンカアルカロイド、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、ビノレルビン、タキソテール(ドセタキセル)、エストラムスチン、リン酸エストラムスチン);エピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド);抗生物質(アクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン(rubido-mycin))、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミスラマイシン)、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、アフィディコリン);酵素(L−アスパラギナーゼ、L−アルギナーゼ);放射線増感剤(メトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール(desmethylmisonidazole)、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、RSU 1069、EO9、RB 6145、SR4233、ニコチンアミド、5−ブロモデオキシウリジン、5−ヨードデオキシウリジン、ブロモデオキシシチジン);白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、アントラセンジオン、ミトキサントロン);置換尿素(ヒドロキシ尿素);オキサザホスホリン(シクロホスファミド;イホスファミド;トロホスファミド;マホスファミド(NSC 345842)、グルホスファミド(D19575、ベータ−D−グルコシルイソホスホルアミドマスタード(beta-D-glucosylisophosphoramide mustard))、S−(−)−ブロモホスファミド(S-(-)-bromofosfamide)(CBM−11)、NSC 612567(アルドホスファミドペルヒドロチアジン(aldophosphamide perhydrothiazine));NSC 613060(アルドホスファミドチアゾリジン(aldophosphamide thiazolidine));イソホスホルアミドマスタード(isophosphoramide mustard);パリホスファミドリジン(palifosfamide lysine));メチルヒドラジン誘導体(N−メチルヒドラジン(MIH)、プロカルバジン);副腎皮質抑制薬(ミトタン(o,p’−DDD)、アミノグルテチミド);サイトカイン(インターフェロン(アルファ、ベータ、ガンマ)、インターロイキン−2);光増感剤(ヘマトポルフィリン誘導体、フォトフリン、ベンゾポルフィリン誘導体、Npe6、スズエチオポルフィリン(tin etioporphyrin)(SnET2)、フェオホルビド−a、バクテリオクロロフィル−a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン);および照射(X線、紫外線、ガンマ線照射、可視光、赤外線照射、マイクロ波照射)。
投与の様式
scIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、全身的または局所的に(例えば、疾患または障害の部位において)、対象に投与され得る。全身投与は、皮下および静脈内を含む、任意の適切な方法により得る。局所投与は、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、または組織もしくは器官中への直接注射、例えば腫瘍内注射が含まれるがこれらに限定されない、任意の適切な方法により得る。
scIL−12ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、全身的または局所的に(例えば、疾患または障害の部位において)、対象に投与され得る。全身投与は、皮下および静脈内を含む、任意の適切な方法により得る。局所投与は、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、または組織もしくは器官中への直接注射、例えば腫瘍内注射が含まれるがこれらに限定されない、任意の適切な方法により得る。
特定の実施形態では、scIL−12ポリヌクレオチドの発現は、例えば以下に記載されるような、リガンド誘導性遺伝子スイッチ系によって制御される:PCT/US2001/009050(WO2001/070816);米国特許第7,091,038号;米国特許第7,776,587号;米国特許第7,807,417号;米国特許第8,202,718号;PCT/US2001/030608(WO2002/029075);米国特許第8,105,825号;米国特許第8,168,426号;PCT/US2002/005235(WO2002/066613);米国特許出願第10/468,200号(米国特許出願公開第20120167239号);PCT/US2002/005706(WO2002/066614);米国特許第7,531,326号;米国特許第8,236,556号;米国特許第8,598,409号;PCT/US2002/005090(WO2002/066612);米国特許出願第10/468,193号(米国特許出願公開第20060100416号);PCT/US2002/005234(WO2003/027266);米国特許第7,601,508号;米国特許第7,829,676号;米国特許第7,919,269号;米国特許第8,030,067号;PCT/US2002/005708(WO2002/066615);米国特許出願第10/468,192号(米国特許出願公開第20110212528号);PCT/US2002/005026(WO2003/027289);米国特許第7,563,879号;米国特許第8,021,878号;米国特許第8,497,093号;PCT/US2005/015089(WO2005/108617);米国特許第7,935,510号;米国特許第8,076,454号;PCT/US2008/011270(WO2009/045370);および米国特許出願第12/241,018号(米国特許出願公開第20090136465号)。これらの実施形態では、遺伝子スイッチの制御下にあるscIL−12ポリヌクレオチドが対象に一旦導入されると、活性化リガンドが、本発明のscIL−12ポリペプチドの発現を誘導するために投与され得る。このリガンドは、全身的(例えば、経口、静脈内)または局所的に(例えば、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、その疾患または障害が存在する組織または器官中への、腫瘍内を含む直接注射)のいずれかで、任意の適切な方法によって投与され得る。リガンド投与の最適なタイミングは、慣用的な技術のみを使用して、各型の細胞および疾患または障害について決定され得る。
特定の実施形態では、scIL−12ポリヌクレオチドは、活性化リガンドによって活性化され得る遺伝子スイッチの制御下で条件付きでscIL−12ポリペプチドを発現する、in vitroで操作された細胞、例えば、免疫細胞(例えば、樹状細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞)または幹細胞(例えば、間葉系幹細胞、子宮内膜幹細胞、子宮内膜再生細胞(endometrial regenerative cell)(ERC)、胚性幹細胞)中に導入される。かかる方法は、例えば以下に詳細に記載されている:PCT/US2008/011563(WO2009/048560);米国特許出願第12/247,738号(米国特許出願公開第20090123441号);PCT/US2009/005510(WO2010/042189);米国特許出願第13/123,129号(米国特許出願公開第20110268766号);PCT/US2011/029682(WO2011/119773);米国特許出願第13/636,473号(米国特許出願公開第20130195800号);PCT/US2012/027515(WO2012/122025);および米国特許出願第14/001,943号(米国特許出願公開[係属中])。
一実施形態では、免疫細胞または幹細胞は、in vitroで操作された細胞を産生するために、scIL−12ポリヌクレオチドを含むアデノウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターでトランスフェクトされる。
一実施形態では、in vitroで操作された免疫細胞または幹細胞は、自家細胞である。別の一実施形態では、このin vitroで操作された免疫細胞または幹細胞は、同種である。
本発明の一実施形態は、以下の順のステップを含む、腫瘍を処置するための方法を提供する:1)遺伝子スイッチの制御下にあるscIL−12ベクターを含むin vitroで操作された免疫細胞または幹細胞の集団を、哺乳動物において腫瘍内投与するステップ;および2)治療有効量の活性化リガンドを前記哺乳動物に投与するステップ。
特定の実施形態では、この哺乳動物はヒトである。他の実施形態では、この哺乳動物は、イヌ、ネコまたはウマである。
一実施形態では、この活性化リガンドは、in vitroで操作された細胞またはベクター、例えば、アデノウイルスもしくはアデノ随伴ウイルスベクターを含む組成物と実質的に同じ時点で、例えば、これらの細胞またはベクター組成物の投与の前または後1時間以内に、投与される。別の一実施形態では、この活性化リガンドは、in vitroで操作された免疫細胞もしくは幹細胞、またはベクターの投与の約24時間後またはそれ未満の時点で投与され得る。なお別の一実施形態では、この活性化リガンドは、in vitroで操作された免疫細胞もしくは幹細胞、またはベクターの約48時間後またはそれ未満の時点で投与される。別の一実施形態では、このリガンドは、RG−115932である。別の一実施形態では、このリガンドは、約1〜50mg/kg/日の用量で投与される。別の一実施形態では、このリガンドは、約30mg/kg/日の用量で投与される。別の一実施形態では、このリガンドは、7〜28日間の期間にわたって毎日投与される。別の一実施形態では、このリガンドは、14日間の期間にわたって毎日投与される。別の一実施形態では、約1×106〜1×108の細胞が投与される。別の一実施形態では、約1×107の細胞が投与される。
実質的に純粋なポリペプチド、その生物学的に活性な断片およびそれらをコードする組換えポリヌクレオチドを提供したところで、本発明は、それらの各々を含む細胞もまた提供する。当該分野で周知の適切な導入技術によって、それらを含む細胞が産生され得る。例えば、Sambrook et al. (1989)を参照のこと。
宿主細胞および非ヒト生物
本発明の別の態様には、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを含む細胞が関与する。具体的な一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む単離された宿主細胞に関する。本発明は、本発明に係る発現ベクターを含む単離された宿主細胞にも関する。別の具体的な一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットを含む単離された宿主細胞に関する。別の具体的一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現モジュレーション系でトランスフェクトされた単離された宿主細胞に関する。なお別の一実施形態では、本発明は、scIL−12ポリペプチドを産生するための方法に関し、この方法は、scIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を可能にする条件下で、培養培地中で、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された宿主細胞を培養するステップ、およびこの培養物からscIL−12ポリペプチドを単離するステップを含む。
本発明の別の態様には、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを含む細胞が関与する。具体的な一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含む単離された宿主細胞に関する。本発明は、本発明に係る発現ベクターを含む単離された宿主細胞にも関する。別の具体的な一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセットを含む単離された宿主細胞に関する。別の具体的一実施形態では、本発明は、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現モジュレーション系でトランスフェクトされた単離された宿主細胞に関する。なお別の一実施形態では、本発明は、scIL−12ポリペプチドを産生するための方法に関し、この方法は、scIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を可能にする条件下で、培養培地中で、本発明のscIL−12ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された宿主細胞を培養するステップ、およびこの培養物からscIL−12ポリペプチドを単離するステップを含む。
一実施形態では、この単離された宿主細胞は、原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞である。別の具体的一実施形態では、この単離された宿主細胞は、無脊椎動物宿主細胞または脊椎動物宿主細胞である。好ましくは、この単離された宿主細胞は、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、線形動物細胞、昆虫細胞、魚類細胞、植物細胞、トリ細胞、動物細胞および哺乳動物細胞からなる群より選択される。例えば、限定ではなく、この単離された宿主細胞は、酵母細胞、線形動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、ゼブラフィッシュ細胞、ニワトリ細胞、ハムスター細胞、マウス細胞、ラット細胞、ウサギ細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ウシ細胞、ヤギ細胞、乳牛細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、ヒツジ細胞もしくは非ヒト霊長類細胞(例えば、シミアン細胞、サル細胞、チンパンジー細胞)、またはヒト細胞であり得る。
宿主細胞の例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:真菌もしくは酵母種、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)、トリコデルマ属(Trichoderma)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、ピキア属(Pichia)、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、または細菌種、例えば、シネコシスティス属(Synechocystis)、シネココッカス属(Synechococcus)、サルモネラ属(Salmonella)、桿菌属(Bacillus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ロドコッカス属(Rhodococcus)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、大腸菌属(Escherichia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、メチロモナス属(Methylomonas)、メチロバクター属(Methylobacter)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、シネコシスティス属(Synechocystis)、アナベナ属(Anabaena)、硫黄菌属(Thiobacillus)、メタノバクテリウム属(Methanobacterium)およびクレブシエラ属(Klebsiella)のもの;動物;ならびに哺乳動物宿主細胞。
一実施形態では、この単離された宿主細胞は、サッカロマイセス属(Saccharomyces)宿主細胞、ピキア属(Pichia)宿主細胞およびカンジダ属(Candida)宿主細胞からなる群より選択される酵母細胞である。
別の一実施形態では、この単離された宿主細胞は、線虫(Caenorhabditis elegans)線形動物細胞である。
別の一実施形態では、この単離された宿主細胞は、ハムスター細胞、マウス細胞、ラット細胞、ウサギ細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ウシ細胞、ヤギ細胞、乳牛細胞、ブタ細胞、ウマ細胞、ヒツジ細胞、非ヒト霊長類細胞(例えば、サル細胞またはチンパンジー細胞)およびヒト細胞からなる群より選択される哺乳動物細胞である。
宿主細胞の形質転換は、当該分野で周知であり、エレクトロポレーション、ウイルス感染、プラスミド/ベクタートランスフェクション、非ウイルスベクター媒介性トランスフェクション、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)媒介性形質転換、微粒子銃などが含まれるがこれらに限定されない種々の方法によって達成され得る。所望の遺伝子産物の発現には、適切な条件下で、形質転換された宿主細胞を培養するステップ、および形質転換された遺伝子の発現を誘導するステップが関与する。原核生物細胞および真核生物細胞における培養条件および遺伝子発現プロトコールは、当該分野で周知である(実施例の一般的な方法のセクションを参照のこと)。細胞が回収され得、遺伝子産物が、この遺伝子産物に特異的なプロトコールに従って単離され得る。
さらに、トランスフェクトされたポリヌクレオチドの発現をモジュレートする、または所望の特定の様式でポリペプチド産物を修飾およびプロセシングする宿主細胞が、選択され得る。異なる宿主細胞は、タンパク質の翻訳および翻訳後プロセシングおよび修飾[例えば、グリコシル化、切断(例えば、シグナル配列の)]のための特徴的かつ特異的な機構を有する。適切な細胞株または宿主系が、発現された外来タンパク質の所望の修飾およびプロセシングを確実にするために選択され得る。例えば、細菌系における発現は、非グリコシル化コアタンパク質産物を産生するために使用され得る。しかし、細菌において発現されたポリペプチドは、正確に折り畳まれない可能性がある。酵母における発現は、グリコシル化産物を産生し得る。真核生物細胞における発現は、異種タンパク質の「ネイティブの」グリコシル化および折り畳みの可能性を増加させ得る。さらに、哺乳動物細胞における発現は、ポリペプチドの活性を再構成または構成するためのツールを提供し得る。さらに、異なるベクター/宿主発現系は、タンパク質分解性切断などのプロセシング反応に、異なる程度まで影響を与え得る。
本発明は、本発明に係る単離された宿主細胞を含む非ヒト生物にも関する。具体的な一実施形態では、この非ヒト生物は、原核生物または真核生物である。別の具体的一実施形態では、この非ヒト生物は、無脊椎動物生物または脊椎動物生物である。
特定の実施形態では、この非ヒト生物は、細菌、真菌、酵母、線形動物、昆虫、魚類、植物、鳥類、動物および哺乳動物からなる群より選択される。より好ましくは、この非ヒト生物は、酵母、線形動物、昆虫、植物、ゼブラフィッシュ、ニワトリ、ハムスター、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヤギ、乳牛、ブタ、ウマ、ヒツジまたは非ヒト霊長類(例えば、シミアン、サルもしくはチンパンジー)である。
本発明は、本発明の例示として提供された以下の非限定的な実施例を参照してより良く理解され得る。
一般的な分子生物学技術
本発明によれば、当業者の技術範囲内の慣習的な分子生物学、微生物学および組換えDNA技術が使用され得る。かかる技術は、文献中で完全に説明されている。例えば、Green & Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition (2012) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (本明細書で「Green & Sambrook, 2012」);DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II, Second Edition (D.M. Glover and B.D. Hames, eds. 1995);Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait ed. 1984);Nucleic Acid Hybridization [B.D. Hames & S.J. Higgins eds. (1985)];Transcription And Translation [B.D. Hames & S.J. Higgins, eds. (1984)];Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique and Specialized Applications [R.I. Freshney (2010)];Immobilized Cells And Enzymes [IRL Press, (1986)];B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning, Second Edition (1988);F.M. Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (2013)を参照のこと。
本発明によれば、当業者の技術範囲内の慣習的な分子生物学、微生物学および組換えDNA技術が使用され得る。かかる技術は、文献中で完全に説明されている。例えば、Green & Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Fourth Edition (2012) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (本明細書で「Green & Sambrook, 2012」);DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II, Second Edition (D.M. Glover and B.D. Hames, eds. 1995);Oligonucleotide Synthesis (M.J. Gait ed. 1984);Nucleic Acid Hybridization [B.D. Hames & S.J. Higgins eds. (1985)];Transcription And Translation [B.D. Hames & S.J. Higgins, eds. (1984)];Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique and Specialized Applications [R.I. Freshney (2010)];Immobilized Cells And Enzymes [IRL Press, (1986)];B. Perbal, A Practical Guide To Molecular Cloning, Second Edition (1988);F.M. Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (2013)を参照のこと。
慣習的なクローニングビヒクルには、pBR322およびpUC型プラスミドならびにM13シリーズのファージが含まれる。これらは、市販で取得され得る(例えば、Life Technologies Corporation;Promega Corporation)。
ライゲーションのために、DNA断片は、アガロースまたはアクリルアミドゲル電気泳動によって、それらのサイズに従って分離され得、フェノールまたはフェノール/クロロホルム混合物で抽出され得、エタノールで沈殿され得、次いで、供給業者の推奨に従ってファージT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs,Inc.)の存在下でインキュベートされ得る。
5’突出末端の充填は、供給業者の仕様に従って大腸菌(E. coli)DNAポリメラーゼIのKlenow断片(New England Biolabs,Inc.)を用いて実施され得る。3’突出末端の破壊は、製造業者の推奨に従って使用されるファージT4 DNAポリメラーゼ(New England Biolabs,Inc.)の存在下で実施される。5’突出末端の破壊は、S1ヌクレアーゼによる制御された処理によって実施される。
合成オリゴデオキシヌクレオチドによってin vitroで指示される変異誘発は、Life Technologies Corp.およびAgilent Technologies,Inc.によって配布されるものなどの市販のキットを使用して、Taylor et al. [Nucleic Acids Res. 13 (1985) 8749-8764]によって開発された方法に従って実施され得る。
PCR[ポリメラーゼ触媒連鎖反応、Saiki R.K. et al., Science 230 (1985) 1350-1354;Mullis K.B. and Faloona F.A., Meth. Enzym. 155 (1987) 335-350]技術によるDNA断片の酵素的増幅は、製造業者の仕様に従って「DNAサーマルサイクラー」(Life Technologies Corp.)を使用して実施され得る。
ヌクレオチド配列の検証は、GE HealthcareおよびLife Technologies Corp.によって配布されるものなどの市販のキットを使用して、Sanger et al. [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74 (1977) 5463-5467]によって開発された方法に従って実施され得る。
プラスミドDNAは、製造業者の指示に従って、Qiagen Plasmid Purification Systemによって精製され得る。
scIL−12融合タンパク質の設計
単鎖IL−12分子を、図1に示される2つの構成のうちの1つを有するように設計した:
1)p40−リンカー−p35構成(図1A)は、ペプチドリンカーを介して成熟p35サブユニット(シグナルペプチドなし)に融合された全長p40サブユニット(野生型シグナルペプチドを含む)を含む;
2)p35−リンカー−p40構成(図1B)は、ペプチドリンカーを介して成熟p40サブユニット(シグナルペプチドなし)に融合された全長p35サブユニット(野生型シグナルペプチドを含む)を含む;ならびに
3)p40N−p35−p40C挿入物構成(図1C)は、N末端からC末端にかけて、
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む。
単鎖IL−12分子を、図1に示される2つの構成のうちの1つを有するように設計した:
1)p40−リンカー−p35構成(図1A)は、ペプチドリンカーを介して成熟p35サブユニット(シグナルペプチドなし)に融合された全長p40サブユニット(野生型シグナルペプチドを含む)を含む;
2)p35−リンカー−p40構成(図1B)は、ペプチドリンカーを介して成熟p40サブユニット(シグナルペプチドなし)に融合された全長p35サブユニット(野生型シグナルペプチドを含む)を含む;ならびに
3)p40N−p35−p40C挿入物構成(図1C)は、N末端からC末端にかけて、
(i)第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
(ii)任意選択の第1のペプチドリンカー、
(iii)IL−12 p35ドメイン、
(iv)任意選択の第2のペプチドリンカー、および
(v)第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む。
特定のヒトscIL−12構築物を表1にまとめる。説明の欄において番号によって特定されたアミノ酸残基は、それぞれ配列番号2および配列番号4に示される全長ヒトp40サブユニットまたはp35サブユニットのアミノ酸番号付けを指す。例えば、それぞれ配列番号9および配列番号10に対応する、scIL−12構築物ID1481273の核酸配列およびアミノ酸配列は、p40N−p35−p40C挿入物構成である;これは、N末端からC末端にかけて、配列番号2のアミノ酸1〜293からなる第1のp40ドメイン(p40N)、TPS(Thr−Pro−Ser;配列番号41)の第1のリンカー配列、配列番号4のアミノ酸57〜253からなる成熟p35配列、GPAPTS(Gly−Pro−Ala−Pro−Thr−Ser;配列番号42)の第2のペプチドリンカー配列、および配列番号2のアミノ酸294〜328からなる第2のp40ドメイン(p40C)を含むように設計した。
構築物ID1481272(配列番号11および12)もまた、p40N−p35−40C挿入物構成であるが、p35挿入物は、p40サブユニットのアミノ酸残基259と260との間に存在する。
残りのscIL−12設計(構築物ID1480533〜1480546)は、表1に示されるような種々のリンカーを有するp40−p35またはp35−p40単鎖IL−12分子を示す。
並行するマウス構築物もまた、ヒトIL−12配列の代わりにマウスp40およびp35配列(配列番号5〜8)を使用して設計した。
本発明の実施形態には、上の表1に示されるscIL−12構築物が含まれるがこれらに限定されない。本発明のscIL−12構築物は、シグナルペプチド配列(シグナルペプチド配列ありもしくはなしで合成されたか、またはin vitroもしくはin vivoの発現および翻訳後プロセシングに引き続く、分泌形態におけるポリペプチド切断の結果として生じ得るかどうかに関わらない)を含んでも含まなくてもよい。例えば、限定ではなく、scIL−12構築物番号1481273(p40N(1〜293)−TPS−p35(57〜253)−GPAPTS−p40C(294〜328))に関して、本発明の実施形態は、シグナルペプチドなしのこのポリペプチド配列(例えば、p40N(23〜293)−TPS−p35(57〜253)−GPAPTS−p40C(294〜328))もまた含む。同様に、限定ではなく、本発明の実施形態は、シグナルペプチドなしの、表1に示された残りのscIL−12構築物のいずれかを含む。
CHO細胞におけるscIL−12融合タンパク質の発現
ヒトGAPDH由来の5’UTRエレメント、合成3’UTRエレメントと共にヒトまたはマウスscIL−12(全ての場合において、NheI部位とClaI部位との間にクローニングした)のいずれかを含むベクターを構築し、導入遺伝子発現を構成的CMVプロモーターの制御下に置いた。ヒトまたはマウスscIL−12構築物をコードするベクターを、標準的なハイスループットトランスフェクション方法を使用して、CHO−K1細胞(ATCCアクセッションCCL−61)中に3連で一過的にトランスフェクトした。簡潔に述べると、CHO−K1細胞を、トリプシン処理し、計数し、全増殖培地(whole growth media)(F12−Ham(Sigma)+L−グルタミン(Gibco)+10%FBS(Atlanta Biologicals))中で120,000細胞/mlで再懸濁した。150マイクロリットルの細胞懸濁物を、96ウェル細胞培養プレート(Corning)に添加した。プラスミドDNAを、無菌水中に100ng/μlで調製し、3:1の比率のDNA対Fugene 6でFugene 6試薬(Promega)と複合体化させた。5マイクロリットルのDNA/Fugene6複合体を、細胞を含む96ウェルプレートに添加した。次いで、これらの細胞を、37℃で48時間インキュベートした。インキュベーション後、培養物上清を回収し、ELISAアッセイに使用するまで−80℃で凍結させた。陽性対照は、二鎖IL−12(それぞれ、バーAおよびDとして図2中で標識されるp35−IRES−p40およびp40−IRES−p35)を発現するベクターを含んだ。トランスフェクトされたCHO−K1細胞由来の培養物上清を、R&D Systems Reagent Diluent+10%馴化CHO−K1培地中に、1:10、1:100および1:1000希釈した。
ヒトGAPDH由来の5’UTRエレメント、合成3’UTRエレメントと共にヒトまたはマウスscIL−12(全ての場合において、NheI部位とClaI部位との間にクローニングした)のいずれかを含むベクターを構築し、導入遺伝子発現を構成的CMVプロモーターの制御下に置いた。ヒトまたはマウスscIL−12構築物をコードするベクターを、標準的なハイスループットトランスフェクション方法を使用して、CHO−K1細胞(ATCCアクセッションCCL−61)中に3連で一過的にトランスフェクトした。簡潔に述べると、CHO−K1細胞を、トリプシン処理し、計数し、全増殖培地(whole growth media)(F12−Ham(Sigma)+L−グルタミン(Gibco)+10%FBS(Atlanta Biologicals))中で120,000細胞/mlで再懸濁した。150マイクロリットルの細胞懸濁物を、96ウェル細胞培養プレート(Corning)に添加した。プラスミドDNAを、無菌水中に100ng/μlで調製し、3:1の比率のDNA対Fugene 6でFugene 6試薬(Promega)と複合体化させた。5マイクロリットルのDNA/Fugene6複合体を、細胞を含む96ウェルプレートに添加した。次いで、これらの細胞を、37℃で48時間インキュベートした。インキュベーション後、培養物上清を回収し、ELISAアッセイに使用するまで−80℃で凍結させた。陽性対照は、二鎖IL−12(それぞれ、バーAおよびDとして図2中で標識されるp35−IRES−p40およびp40−IRES−p35)を発現するベクターを含んだ。トランスフェクトされたCHO−K1細胞由来の培養物上清を、R&D Systems Reagent Diluent+10%馴化CHO−K1培地中に、1:10、1:100および1:1000希釈した。
scIL−12の発現を、製造業者の指示に従ってELISAアッセイ実行によって検出した。R&D Systems、カタログ番号DY419(マウスIL−12 ELISA)およびカタログ番号DY1270(ヒトIL−12 ELISA)。ベクター1つ当たり9つのサンプルを分析した。
ヒトscIL−12発現が、評価した36のベクターのうち20において検出され、500pg/mL〜900ng/mLの範囲であった。図2を参照のこと。マウスscIL−12発現は、試験した36のベクターのうち18において検出された。マウスscIL−12発現は、385pg/mL〜1.8μg/mLの範囲であった(データ示さず)。ヒト構築物およびマウス構築物の両方について、p40−リンカー−p35構成は、p35−リンカー−p40構成および二鎖(バイシストロン性)IL−12よりも高い発現レベルを実証し、これは、p40−リンカー−p35トポロジーを有するscIL−12が、p35−リンカー−p40単鎖構成および二鎖IL−12と比較して、増強された発現、折り畳みおよび/またはヘテロダイマーアセンブリを有することを示唆している。
驚くべきことに、構成:
p40N(1〜293)−TPS−p35(57〜253)−GPAPTS−p40C(294〜328)
を有するヒトscIL−12構築物ID1481273は、二鎖(バイシストロン性)ベクター(p40−IRES−p35およびp35−IRES−p40)および単鎖p35−リンカー−p40構成によって産生されたレベルと類似のscIL−12タンパク質発現を生じたが、p40−リンカー−p35構成ほど高くはなかった。図2を参照のこと。類似の発現パターンが、マウスscIL−12設計について観察された。構成p40N(1〜259)−GS−p35(57〜253)−PQTPGP−p40C(260〜328)を有する構築物ID1481272は、検出可能なタンパク質を発現しないことが見出された。
p40N(1〜293)−TPS−p35(57〜253)−GPAPTS−p40C(294〜328)
を有するヒトscIL−12構築物ID1481273は、二鎖(バイシストロン性)ベクター(p40−IRES−p35およびp35−IRES−p40)および単鎖p35−リンカー−p40構成によって産生されたレベルと類似のscIL−12タンパク質発現を生じたが、p40−リンカー−p35構成ほど高くはなかった。図2を参照のこと。類似の発現パターンが、マウスscIL−12設計について観察された。構成p40N(1〜259)−GS−p35(57〜253)−PQTPGP−p40C(260〜328)を有する構築物ID1481272は、検出可能なタンパク質を発現しないことが見出された。
NK細胞におけるIFN−ガンマ産生のscIL−12刺激
ナチュラルキラー(NK)細胞は、IL−12曝露に応答してインターフェロンガンマ(IFN−ガンマ)を分泌する。従って、本発明者らは、本発明のscIL−12設計の機能的活性を検出するためのバイオアッセイにおいて、NK−92細胞(ATCCアクセッションCRL−2407)、ヒトナチュラルキラー細胞株におけるIFN−ガンマ産生を測定した。
ナチュラルキラー(NK)細胞は、IL−12曝露に応答してインターフェロンガンマ(IFN−ガンマ)を分泌する。従って、本発明者らは、本発明のscIL−12設計の機能的活性を検出するためのバイオアッセイにおいて、NK−92細胞(ATCCアクセッションCRL−2407)、ヒトナチュラルキラー細胞株におけるIFN−ガンマ産生を測定した。
NK−92細胞を、推奨された培養培地(リボヌクレオシドおよびデオキシリボヌクレオシドなしのAlpha Minimum Essential培地、2mM L−グルタミン;1.5g/L炭酸水素ナトリウム;0.2mMイノシトール;0.1mM 2−メルカプトエタノール;0.02mM葉酸;100〜200U/ml組換えIL−2を含む;12.5%ウマ血清および12.5%胎仔ウシ血清の最終濃度に調整した)を使用して、製造業者の指示に従って培養した。NK−92細胞を、アッセイでの使用の前に24〜48時間継代培養した。アッセイの当日に、NK−92細胞を、トリパンブルーで染色することによって計数し、1ウェル当たり5×104細胞で96ウェルプレート中に播種した。実施例2で取得したCHO−K1/scIL−12培養物上清を、NK−92全増殖培地中に1:5希釈し、NK−92細胞に添加した。対照は、トランスフェクトされていないCHO−K1細胞由来の培養物上清(図3中で「Mock」と標識される)および陰性対照としてIL−12を発現しないプラスミドでトランスフェクトされたCHO−K1細胞由来の培養物上清(即ち、CMV−GFP;図3中で「陰性」と標識される);ならびに1250ng/mlまたは125ng/ml(それぞれ、図3中の左および右の陽性対照バー)で試験した市販の組換えヒトIL−12(R&D Systems)からなる陽性対照を含んだ。NK−92細胞培養物上清を、48時間後に回収し、R&D Systems Reagent Diluent中に、1:10、1:100および1:1000希釈した。培養培地中のIFN−ガンマの量を、R&D Systems Human IFN−gamma Duoset ELISAキット(カタログ番号DY285)を使用して決定した。ベクター1つ当たり9つのサンプルを分析した。
ヒトscIL−12タンパク質は、NK−92においてヒトIFN−ガンマ産生を刺激した。ヒトIFN−ガンマ発現は、600pg/mL〜33ng/mLの範囲であった。図3を参照のこと。類似のIFN−ガンマレベルが、マウスscIL−12構築物について観察された。
驚くべきことに、比較的低いタンパク質発現レベルを示したscIL−12構築物ID1481273(実施例2を参照のこと)は、NK−92バイオアッセイにおいて組換え二鎖IL−12およびp40−p35単鎖構築物と等価な活性を実証し、これは、構築物ID1481273が、分子1つ当たりで、より活性であり得ることを示唆している。
NK細胞を使用する例示的なIL−12機能的アッセイ
本明細書に記載されるアッセイは、IL−12ポリペプチド(例えば、組換え産生された異種p35/p40(p70)ポリペプチドおよび単鎖IL−12(p70)ポリペプチド)が、免疫細胞(例えばNK−92細胞であるがこれに限定されない)において、用量依存的様式でインターフェロン−ガンマ(「IFN−ガンマ」または「IFN−g」)産生を誘導する能力を測定するために使用され得る。本発明の分野における当業者は、IL−12の生物学的活性を測定するために、アッセイおよび手順、ならびに使用される異なるアッセイを改変し得ることが理解される。
本明細書に記載されるアッセイは、IL−12ポリペプチド(例えば、組換え産生された異種p35/p40(p70)ポリペプチドおよび単鎖IL−12(p70)ポリペプチド)が、免疫細胞(例えばNK−92細胞であるがこれに限定されない)において、用量依存的様式でインターフェロン−ガンマ(「IFN−ガンマ」または「IFN−g」)産生を誘導する能力を測定するために使用され得る。本発明の分野における当業者は、IL−12の生物学的活性を測定するために、アッセイおよび手順、ならびに使用される異なるアッセイを改変し得ることが理解される。
ナチュラルキラー(NK)細胞は、IL−12との接触(IL−12への曝露)に応答してインターフェロンガンマ(IFN−ガンマ)を分泌する。従って、このアッセイでは、NK−92細胞を、上昇する用量の組換えヒトおよび/またはマウスIL−12によって24時間刺激する。引き続いて、NK−92上清中のIFN−ガンマを、ELISAによって測定する。結果として、IFN−ガンマ発現は、IL−12用量の減少と共に減少し(または逆に、用量飽和の特定のレベルまで、IFN−ガンマ発現は、IL−12用量の増加と共に増加する)。
図4は、ヒトIL−12およびマウスIL−12を使用して用量反応グラフ(または「曲線」)で取得された典型的な結果を示し、ここで、上昇する用量のIL−12で24時間処理したNK−92細胞によるIFN−ガンマの用量依存的発現が測定された。このアッセイでは、NK−92細胞を、50,000細胞/ウェルで播種し、0.06〜1000ナノグラム(ng)/mLの組換えヒトまたはマウスIL−12で処理した。24時間後にNK−92上清を播種し、ヒトIFN−ガンマのELISA検出によって試験した。示されたデータは、1:5のサンプル希釈に基づいて計算した、3つの復元サンプルからの平均IFN−ガンマ発現を示す。エラーバーは、標準偏差を示す。ELISAを、細胞からの内因性IFN−ガンマ発現を説明するために、20% NK−92馴化培地の存在下で実行した。これらの結果は、NK−92細胞からのIFN−ガンマ発現が、IL−12用量依存的であることを実証している。顕著なことに、NK−92細胞は、ヒトおよびマウスの両方のIL−12に対して同様に応答した。
このアッセイで使用したプロトコールは、回収し、1200rpmで5分間遠心分離したNK−92細胞を利用した。使用済みの培地を除去し、1/5体積の新鮮な培地で置き換えた。細胞を、血球計を使用して計数し、1×106細胞/mLで再懸濁した。1ウェル当たり50マイクロリットルのNK−92細胞を、96ウェルの組織培養物処理プレート中にプレートし、5%CO2インキュベーターを用いて37℃で、投薬の準備ができるまでインキュベートした。rhIL−12(組換えヒトIL−12)またはrmIL−12(組換えマウスIL−12)の希釈曲線を、1000、250、62.5、15.63、3.91、0.98、0.24および0.06ナノグラム/mLの最終濃度のIL−12で、NK−92培養培地中にIL−12を希釈することによって作成した。96ウェルプレート(NK92細胞を有する)の各ウェルに、1ウェル当たり50マイクロリットルのIL−12を投薬した;次いで、プレートを、24時間インキュベートした。
NK92細胞プレートを、引き続いて遠心分離し、細胞培養物上清を回収し、アッセイ(IFN−ガンマについての)の準備ができるまで4℃で貯蔵した。インターフェロン−ガンマELISAについて、組換えタンパク質の検量線を、1000、500、250、125、62.5、31.3、15.6および0ピコグラム(pg)/mLの濃度のIFN−ガンマで作成した。ELISA分析を、標準的な手順;IFN−ガンマ標準を、1:5、1:25、1:125、1:625および1:3125希釈のNK92細胞上清と比較すること、を使用して実施した。得られた結果を図4に示す。
単鎖IL−12構築物の産生および生物学的活性試験
実験を実施して、293T細胞において単鎖IL−12構築物を発現させ、IL−12の用量反応生物学的活性(即ち、IL−12ポリペプチドが用量依存的様式でNK−92細胞からのIFN−ガンマ産生を刺激する能力)を測定した。これらの実験は、本発明の単鎖IL−12(scIL−12)ポリペプチド(ここで、リンカー配列の長さは、存在する場合、IL−12 p40ポリペプチド内にIL−12 p35ポリペプチド配列を挿入することによって最小化される)が、ネイティブIL−12の生物学的活性と類似の、用量依存的なIL−12生物学的活性を保持することをさらに示している。
実験を実施して、293T細胞において単鎖IL−12構築物を発現させ、IL−12の用量反応生物学的活性(即ち、IL−12ポリペプチドが用量依存的様式でNK−92細胞からのIFN−ガンマ産生を刺激する能力)を測定した。これらの実験は、本発明の単鎖IL−12(scIL−12)ポリペプチド(ここで、リンカー配列の長さは、存在する場合、IL−12 p40ポリペプチド内にIL−12 p35ポリペプチド配列を挿入することによって最小化される)が、ネイティブIL−12の生物学的活性と類似の、用量依存的なIL−12生物学的活性を保持することをさらに示している。
3つのIL−12構築物を、72時間にわたる293T細胞の一過的なトランスフェクションによって発現させた。トランスフェクトされた上清を回収し、IL−12 p70(即ち、p35/p40ヘテロダイマーまたは単鎖IL−12ポリペプチド)を、ELISAによって定量化した。次いで、IL−12構築物を、上昇する用量のIL−12(0.00001〜100ナノグラム/mL)でNK−92細胞を処理することによって、機能的アッセイにおいて試験した。組換えヒトIL−12(NK−92細胞からのIFN−ガンマの用量依存的発現を誘導することが以前に実証された)を、陽性対照として含めた。GFP対照ベクターでトランスフェクトされた細胞からの293T細胞上清を、陰性対照として含めた。結果は、単鎖IL−12タンパク質およびネイティブIL−12タンパク質の両方が、NK−92細胞による用量依存的なIFN−ガンマ発現を誘導したことを示している。さらに、誘導のレベルは、これら3つのIL−12構築物ならびに陽性対照の各々にまたがって類似であった。293T GFPトランスフェクト上清で処理したNK−92細胞からのIFN−ガンマ発現は、観察されなかった。図5を参照のこと。
IFN−ガンマ定量化手順
細胞播種:トランスフェクションの1日前に、293T細胞を、7.58e5細胞/ウェル(10% FBS、DMEM、1×GLUTAMAX(商標)(Life Technologies Inc.)の培地組成)で6ウェルディッシュ中に播種し、5%二酸化炭素を補充した空気中で37℃で一晩インキュベートした。
細胞播種:トランスフェクションの1日前に、293T細胞を、7.58e5細胞/ウェル(10% FBS、DMEM、1×GLUTAMAX(商標)(Life Technologies Inc.)の培地組成)で6ウェルディッシュ中に播種し、5%二酸化炭素を補充した空気中で37℃で一晩インキュベートした。
トランスフェクション:次の日、DNAベクターを、100マイクログラム/mLの最終濃度のDNA(出発DNA濃度は、1000〜1300マイクログラム/mLの範囲であった)に希釈した。トランスフェクション混合物を、15mLコニカルポリスチレンチューブ中に、22マイクロリットルのFUGENE(登録商標)6トランスフェクション試薬(Promega Corp.、Madison、WI、USA)、308マイクロリットルのOPTI−MEM(登録商標)細胞培養培地(Life Technologies Inc.、Grand Island、NY、USA)および36.7マイクロリットルのDNA溶液を用いて調製した。チューブを、迅速ではあるが穏やかに撹拌して混合し、室温で15分間インキュベートした。167マイクロリットルのトランスフェクション混合物を、2連のウェルで、ベクター275566および275567と共に、6ウェルディッシュ中の各ウェルに添加した。プレートを、5%二酸化炭素と共に37℃でインキュベートした。トランスフェクションの72時間後、細胞培養物上清を回収し、0.2ミクロンのフィルターおよびシリンジを使用して無菌濾過した。1サンプル当たり150マイクロリットルを、IL−12 ELISA定量化に使用した。残りを、IFN−ガンマアッセイにおける使用まで、−80℃で貯蔵した。
IL−12 ELISA:市販のIL−12 ELISAキット(例えば、R&D Systems Inc.、Minneapolis、MN、USAのHuman IL−12 p40(およびp70)DUOSET(登録商標)ELISA)を、細胞培養物上清中のIL−12の定量化のために、製造業者の指示に従って使用した。450nmにおけるELISAプレートの光学的吸収を測定した。細胞培養物上清は、以下の濃度のIL−12を有することが決定された:8364ng/mLでのp40N−p35−p40C(ベクター275566);28903ng/mLでのp40/p35ヘテロダイマー(ベクター275567);および57197ng/mLでのp40−リンカー−p35(ベクター275562)。IL−12細胞培養物上清を、2000ng/mLの最終濃度のIL−12に希釈した(293T細胞のGFPトランスフェクト上清を、p40N−p35−p40C上清と同じ希釈係数で希釈した)。
NK−92機能的アッセイ:1日目に、NK−92細胞を回収し、1200rpmで5分間遠心分離した。使用済みの培地を除去し、1/5体積の新鮮な培地で置き換えた。細胞を、血球計を使用して計数した。2.03e6c/mLにおいて88%の生存細胞計数が観察された。1e6細胞/mLにおける8mLのNK−92細胞を調製した(1e6c/mLでの8mLを生成するために、4.5mL細胞+3.5mL培地を使用する)。NK92細胞を、1ウェル当たり50マイクロリットルで、2つの96ウェルの組織培養物処理プレート中に播種し、37℃/5%CO2インキュベーターで、IL−12による投薬の準備ができるまでインキュベートした。10倍希釈のIL−12を、200、20、2、0.2、0.02、0.002、0.0002および0.00002ng/mLの最終濃度に調製した。次いで、96ウェルプレート中のNK−92細胞に、50マイクロリットルのIL−12を(各濃度において3連または4連で)投薬し、24時間にわたってインキュベーターに戻した。2日目に、96ウェルプレート中の各ウェルの内容物を、96ウェルのV底プレートに移し、1200rpmで10分間遠心分離した。上清を集めて(細胞を廃棄した)、IFN−ガンマ量についてのアッセイに使用するまで、4℃で貯蔵した。ELISA分析を実施して、組換えIFN−ガンマの検量線と比較して、市販のキット(R&D Systems,Inc.のHuman IFN−gamma DUOSET(登録商標)ELISA)を使用して、製造業者の指示に従ってIFN−ガンマ産生を定量化した。450nmにおける光学的吸収を測定した。
結果:図5は、漸増する用量のIL−12(IL−12への24時間の曝露)で処理したNK−92細胞からのIFN−ガンマの発現を示す。NK−92細胞を、50,000細胞/ウェルで播種し、0.00001〜100ng/mLの組換えヒトIL−12、293T細胞において発現させたIL−12、またはGFPトランスフェクトした細胞由来の293T上清(陰性対照)で処理した。IL−12誘導したNK−92細胞上清を、24時間後に回収し、ヒトIFN−ガンマELISAによって試験した。データは、1:5および1:25のサンプル希釈で2連で試験した、3〜4つの復元サンプルからの平均IFN−ガンマ発現を示す(n=12)。エラーバーは、標準偏差を示す。ELISAを、細胞からの内因性IFN−ガンマ発現を説明するために、20% NK−92馴化培地の存在下で実行した。データは、NK−92細胞からのIFN−ガンマ発現が、トランスフェクトされたサンプルならびに組換えIL−12の両方について、IL−12用量依存的であることを実証している。IFN−ガンマ発現は、GFP上清で処理した細胞からのIFN−ガンマ発現の欠如によって示されるように、IL−12特異的であるようである。
Claims (41)
- N末端からC末端にかけて、
i.第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)、
ii.任意選択の第1のペプチドリンカー、
iii.IL−12 p35ドメイン、
iv.任意選択の第2のペプチドリンカー、および
v.第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)
を含む、単鎖IL−12ポリペプチドであって;
前記第1のIL−12 p40ドメイン(p40N)は、p40サブユニットのN末端断片であり;前記IL−12 p35ドメインは、成熟p35サブユニットまたはその断片であり;前記第2のIL−12 p40ドメイン(p40C)は、p40サブユニットのC末端断片である、単鎖IL−12ポリペプチド。 - N末端側のシグナルペプチドドメインを含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 第1のペプチドリンカーを含まない、第2のペプチドリンカーを含まない、または第1のペプチドリンカーを含まずかつ第2のペプチドリンカーを含まない、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 第1のペプチドリンカーを含まない、第2のペプチドリンカーを含まない、または第1のペプチドリンカーを含まずかつ第2のペプチドリンカーを含まない、請求項2に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 配列番号10のアミノ酸23〜533のポリペプチド配列と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 配列番号10のアミノ酸23〜533を含む、請求項5に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 配列番号10のポリペプチド配列と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一なアミノ酸配列を含む、請求項2に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- 前記第1および第2のペプチドリンカーが、各々、
a)0アミノ酸;
b)1アミノ酸;
c)2アミノ酸;
d)3アミノ酸;
e)4アミノ酸;
f)5アミノ酸;
g)6アミノ酸;
h)7アミノ酸;
i)8アミノ酸;
j)9アミノ酸;および
k)10アミノ酸
からなる群より選択されるアミノ酸残基数を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。 - 前記第1もしくは第2のペプチドリンカーのいずれかまたは両方のペプチドリンカー中のアミノ酸残基が、
a)グリシン(Gly);
b)セリン(Ser);
c)アラニン(Ala);
d)スレオニン(Thr);および
e)プロリン(Pro)
からなる群より選択される1または複数のアミノ酸の任意の組合せを含む、請求項9に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。 - 前記第1および第2のペプチドリンカーが、Thr−Pro−Ser(配列番号41)およびSer−Gly−Pro−Ala−Pro(配列番号42)から選択される、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p40Nが、配列番号2のアミノ酸18〜288、アミノ酸18〜298、アミノ酸28〜288またはアミノ酸28〜298と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一なポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p40Nが、配列番号2のポリペプチド配列の断片を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p40Nが、配列番号2のポリペプチド配列の断片を含み、前記断片の最初の残基が、
a)配列番号2のアミノ酸残基18;
b)配列番号2のアミノ酸残基19;
c)配列番号2のアミノ酸残基20;
d)配列番号2のアミノ酸残基21;
e)配列番号2のアミノ酸残基22;
f)配列番号2のアミノ酸残基23;
g)配列番号2のアミノ酸残基24;
h)配列番号2のアミノ酸残基25;
i)配列番号2のアミノ酸残基26;
j)配列番号2のアミノ酸残基27;および
k)配列番号2のアミノ酸残基28
からなる群より選択される位置で始まり、
前記断片の最後の残基が、
l)配列番号2のアミノ酸残基288;
m)配列番号2のアミノ酸残基289;
n)配列番号2のアミノ酸残基290;
o)配列番号2のアミノ酸残基291;
p)配列番号2のアミノ酸残基292;
q)配列番号2のアミノ酸残基293;
r)配列番号2のアミノ酸残基294;
s)配列番号2のアミノ酸残基295;
t)配列番号2のアミノ酸残基296;
u)配列番号2のアミノ酸残基297;および
v)配列番号2のアミノ酸残基298
からなる群より選択される位置で終わる、請求項13に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。 - p35が、配列番号4のアミノ酸52〜247、アミノ酸52〜253、アミノ酸62〜247またはアミノ酸62〜253と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一なポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p35が、配列番号4のポリペプチド配列の断片を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p35が、配列番号4のポリペプチド配列の断片を含み、前記断片の最初の残基が、
a)配列番号4のアミノ酸残基52;
b)配列番号4のアミノ酸残基53;
c)配列番号4のアミノ酸残基54;
d)配列番号4のアミノ酸残基55;
e)配列番号4のアミノ酸残基56;
f)配列番号4のアミノ酸残基57;
g)配列番号4のアミノ酸残基58;
h)配列番号4のアミノ酸残基59;
i)配列番号4のアミノ酸残基60;
j)配列番号4のアミノ酸残基61;および
k)配列番号4のアミノ酸残基62
からなる群より選択される位置で始まり、
前記断片の最後の残基が、
l)配列番号4のアミノ酸残基247;
m)配列番号4のアミノ酸残基248;
n)配列番号4のアミノ酸残基249;
o)配列番号4のアミノ酸残基250;
p)配列番号4のアミノ酸残基251;
q)配列番号4のアミノ酸残基252;および
r)配列番号4のアミノ酸残基253
からなる群より選択される位置で終わる、請求項16に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。 - p40Cが、配列番号2のアミノ酸289〜322、アミノ酸289〜328、アミノ酸299〜322またはアミノ酸299〜328と、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一または少なくとも99%同一なポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p40Cが、配列番号2のポリペプチド配列の断片を含む、請求項1に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。
- p40Cが、配列番号2のポリペプチド配列の断片を含み、前記p40C断片の最初の残基が、
a)配列番号2のアミノ酸残基289;
b)配列番号2のアミノ酸残基290;
c)配列番号2のアミノ酸残基291;
d)配列番号2のアミノ酸残基292;
e)配列番号2のアミノ酸残基293;
f)配列番号2のアミノ酸残基294;
g)配列番号2のアミノ酸残基295;
h)配列番号2のアミノ酸残基296;
i)配列番号2のアミノ酸残基297;
j)配列番号2のアミノ酸残基298;および
k)配列番号2のアミノ酸残基299
からなる群より選択される位置で始まり、
前記断片の最後の残基が、
l)配列番号2のアミノ酸残基322;
m)配列番号2のアミノ酸残基323;
n)配列番号2のアミノ酸残基324;
o)配列番号2のアミノ酸残基325;
p)配列番号2のアミノ酸残基326;
q)配列番号2のアミノ酸残基327;および
r)配列番号2のアミノ酸残基328
からなる群より選択される位置でおいて終わる、請求項19に記載の単鎖IL−12ポリペプチド。 - 請求項1〜20のいずれか一項に記載の単鎖IL−12ポリペプチドをコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
- 配列番号9のヌクレオチド67〜1599と、少なくとも80%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一な核酸配列を含む、請求項21に記載のポリヌクレオチド。
- 配列番号9の核酸67〜1599を含む、請求項22に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項21〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 前記単鎖IL−12ポリペプチドの発現を調節することが可能な遺伝子スイッチをさらに含む、請求項24に記載のベクター。
- 前記遺伝子スイッチが、EcRベースの遺伝子スイッチである、請求項25に記載のベクター。
- アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスまたはレンチウイルスである、請求項24〜26のいずれか一項に記載のベクター。
- 請求項24〜27のいずれか一項に記載のベクターによって形質転換またはトランスフェクトされた、単離された宿主細胞または非ヒト生物。
- 免疫細胞または幹細胞である、請求項28に記載の単離された宿主細胞。
- 前記免疫細胞が、樹状細胞、マクロファージ細胞、好中球細胞、肥満細胞、好酸球細胞、好塩基球細胞、ナチュラルキラー細胞またはリンパ球細胞である、請求項29に記載の単離された宿主細胞。
- 前記リンパ球細胞がT細胞である、請求項30に記載の単離された宿主細胞。
- 前記幹細胞が、間葉系幹細胞、子宮内膜幹細胞または胚性幹細胞である、請求項29に記載の単離された宿主細胞。
- 前記子宮内膜幹細胞が子宮内膜再生細胞(ERC)である、請求項32に記載の単離された宿主細胞。
- 請求項1〜20のいずれか一項に記載の単鎖IL−12ポリペプチドの有効量を投与するステップを含む、患者を処置する方法。
- 請求項21〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドの有効量を投与するステップを含む、患者を処置する方法。
- 請求項24〜27のいずれか一項に記載のベクターの有効量を投与するステップを含む、患者を処置する方法。
- 請求項28〜33のいずれか一項に記載の宿主細胞の有効量を投与するステップを含む、患者を処置する方法。
- 請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項21〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項24〜27のいずれか一項に記載のベクター、または請求項28〜33のいずれか一項に記載の単離された宿主細胞を含む医薬。
- それを必要とする患者において免疫応答を増強するのに有効な量で投与される、請求項38に記載の医薬。
- 癌、感染性疾患および免疫系障害からなる群より選択される状態の処置に有用である、請求項38に記載の医薬。
- 前記癌が、乳房癌、前立腺癌、リンパ腫、皮膚癌、膵臓癌、結腸癌、黒色腫、悪性黒色腫、卵巣癌、脳癌、原発性脳癌腫、頭頸部癌、神経膠腫、神経膠芽腫、肝臓癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌腫、乳房癌腫、卵巣癌腫、肺癌腫、小細胞肺癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌腫、精巣癌腫、膀胱癌腫、膵臓癌腫、胃癌腫、結腸癌腫、前立腺癌腫、尿生殖器癌腫、甲状腺癌腫、食道癌腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、副腎癌腫、腎細胞癌腫、子宮内膜癌腫、副腎皮質癌腫、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド癌腫、絨毛癌、菌状息肉症、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、ヘアリー細胞白血病、神経芽腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟組織肉腫、中皮腫、骨原性肉腫、原発性マクログロブリン血症および網膜芽細胞腫からなる群より選択される、請求項40に記載の医薬。
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