JP2017501302A - テトラゾール系腐食防止剤 - Google Patents

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    • C23F11/14Nitrogen-containing compounds
    • C23F11/149Heterocyclic compounds containing nitrogen as hetero atom

Abstract

冷却水用途において見出される表面の腐食を、防ぐまたは防止するのに有用な、腐食防止剤化合物および組成物が開示される。いくつかの実施形態において、表面は、軟鋼、アルミニウム、黄銅、銅、亜鉛めっき鋼、銅合金、アドミラルティ黄銅、またはこれらの任意の組合せを含んでよい。腐食防止剤として化合物および組成物を用いる方法もまた開示される。いくつかの実施形態において、腐食防止剤化合物および組成物は、冷却水用途に使用される。

Description

本開示は、一般に、腐食防止剤に関し、より詳細には、本開示は、テトラゾール系腐食防止剤化合物および組成物に関する。
多くの産業プロセスにおいて、水が熱交換流体として使用される熱交換器の使用によって、望ましくない余分な熱が除去される。銅および銅を含む合金が、このような熱交換器の製造に、さらには、冷却水と接触する他のパーツに、例えば、ポンプインペラ、ステータ、およびバルブパーツに使用されることは多い。冷却流体は、高濁度で攻撃的なイオンを有する冷却流体のせいで、また生物の制御のための酸化性殺生物剤の意図的導入によって、これらの金属パーツに対して浸食性および/または腐食性であることが多い。
このような浸食および腐食の結果は、設備からの金属の損失であり、これは、故障に繋がる、または費用のかかるメンテナンスを必要とする;熱交換器表面での不溶性腐食生成物膜の生成であり、これは、熱交換の低下およびそれに続く生産性の低下に繋がる;および、銅イオンの放出であり、これは、次いで、非貴金属表面に「プレートアウト」し、深刻なガルバニック腐食(とりわけ潜行性の腐食の形態)を引き起こし得る。また、銅は毒性物質であるので、環境へのその放出は、望ましくない。このような放出を防ぐことまたは少なくとも最小限に抑えることは、益々厳しい社会の受け止め方および環境汚染に関する法律の故に、大きな問題である。
冷却水に腐食防止剤を導入することは一般的に行われている。これらの材料は、金属と相互作用して、腐食に抵抗力のある膜を直接生成するか、または、安定な酸化物もしくは他の不溶性の塩を形成するように金属表面を活性化することによって、保護膜の形成を間接的に促進する。しかし、このような膜は、完全には安定でなく、むしろ、冷却水における攻撃的条件の影響の下で絶えず劣化している。この作用の故に、冷却水においては、腐食防止性物質の一定の供給が、通常、続けられる。このような物質の絶え間のない枯渇は、多くの冷却システムが開放系であり、蒸発およびブローダウン(すなわち、放出)を補うために、新たな水の連続的な追加を必要とするために起こる。良好な腐食防止を維持するという目的にとって十分なこのような物質の濃度を、一定の限界内に保つために、新たな腐食防止性物質の連続的な追加が、同様に、必要とされる。さらに、現在使用されている材料は、多くの産業プロセスにおける高濁度水の粒子の作用による銅含有表面の浸食を防止しない。
芳香族トリアゾール、すなわちトリルトリアゾールおよびベンゾトリアゾールは、黄色金属(例えば、銅および銅合金)を腐食から保護するために数十年間使用されてきた。しかし、トリルトリアゾールが、そのより低いコストの故に一般的に好ましい。つい最近、ブチルベンゾトリアゾールおよびクロロトリルトリアゾールもまた、例えば、米国特許第4,744,950号、米国特許第5,772,919号、および米国特許第5,773,627号に開示されているように、産業用冷却水システムに用いられている。
トリアゾールは、銅表面に吸着して、金属の損失と酸素還元反応との両方を防ぐ保護膜をもたらすことによって、腐食防止剤として機能する。しかし、トリルトリアゾールおよびベンゾトリアゾールは、黄色金属の腐食を制御するための最も有用な防止剤の中に入るという事実にもかかわらず、トリアゾールの性能および費用効率は、水性システムにおけるそれらの消費によって限定されている。
保護膜を形成するトリアゾールの吸着は、結果としてトリアゾールの消費の1つの形となるが、通常のフィード速度と金属表面積対システム体積とでは、トリアゾールのこの種の損失は、通常、極めて僅かである。
生分解は、特定のトリアゾールの、例えばトリルトリアゾールの5−メチル異性体の、消費に対する、知られている別のメカニズムである。トリアゾールは、また、溶解した銅を含む溶液からの沈殿によっても消費され得る。
しかしながら、銅が、残っているものを枯渇させるのに十分なだけ高い濃度にあることはまれである通常の用途では、これは、トリアゾールの需要に対する主要な寄与因子とは考えられない。トリアゾールの消費の主要な別の根源は、トリアゾールと酸化性ハロゲンの反応に起因する。
多くの冷却水システムは、微生物の増殖を制御するために、酸化性ハロゲン、例えば、塩素ガス、次亜塩素酸塩漂白剤、ヨウ素/次亜ヨウ素酸、二酸化塩素、次亜臭素酸、ブロモクロロジメチルヒダントイン、または次亜塩素酸もしくは次亜臭素酸を安定化したものにより処理される。前もってトリアゾールで保護された黄色金属が、酸化性ハロゲンに曝されると、腐食からの保護が崩れる。ベンゾトリアゾールおよびトリルトリアゾールを含めて、多くのトリアゾールは、ハロゲンの攻撃に弱い。非常に高い投入量のトリアゾールが、新しい保護膜を形成し、性能を向上させる試みにおいて、冷却水システムに頻繁に添加される。
酸化性ハロゲンにより処理される冷却水システムでは、トリアゾールが消費されるだけでなく、ハロゲン自体もまた消費される。酸化性ハロゲンがトリアゾールを攻撃するので、ハロゲンが消費され、そのために、その殺生物剤としての有効性が低下し、殺生物のコストパフォーマンスは低下する。
水性システムにおいてトリアゾールと酸化性ハロゲンを一緒にすることに付随する、他のトリアゾールの消費に関連する問題には、(1)嫌な臭いを有し、環境に放出され得る揮発性副生成物、(2)効果の劣る腐食防止剤である副生成物、および(3)毒性のハロゲン化有機物の形成が含まれる。ハロゲン化有機物は、水性システムからの水が、環境に、とりわけ魚類への毒性が懸念される水受容体に、放出される場合に、特に望ましくない。別の問題は、卑金属に対する、ハロゲンに本来備わっている攻撃性である。
したがって、酸化性ハロゲンを含有する水性システムにおける黄色金属の腐食を防止する、改善された化合物、組成物、および方法を提供することは望ましいであろう。また、ハロゲンの攻撃に抵抗性であり、ハロゲンの殺生物効能を妨げない腐食防止剤を用いることも望ましいであろう。さらに、環境により優しい腐食防止剤を提供することは望ましいであろう。
米国特許第4,744,950号明細書 米国特許第5,772,919号明細書 米国特許第5,773,627号明細書
一態様において、表面での腐食を防止するための組成物が開示され、この組成物は、式(II)のテトラゾール化合物を含み、
Figure 2017501302
式中、
Lは、C〜C10−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Lは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基により置換されているか、または無置換であるC〜C10−アルキレニルであり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Lは、無置換のC〜C10−アルキレニルである。
特定の実施形態において、Lは、1、2、または3個のテトラゾリル基により置換されたC〜C10−アルキレニルであり、前記テトラゾリル基は、置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Lは、1、2、または3個のテトラゾリル基により置換されたC〜C10−アルキレニルであり、前記テトラゾリル基は無置換である。
特定の実施形態において、式(II)の化合物は、1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)からなる群から選択される。
特定の実施形態において、組成物は、1つ以上の成分をさらに含み、各成分は、溶剤、トレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、および塩基からなる群から独立に選択される。
特定の実施形態において、組成物は、水である溶剤を含む。
特定の実施形態において、組成物は、約40重量%の、1つ以上の式(II)の化合物を含む。
特定の実施形態において、組成物は、6〜12のpH、6〜10のpH、または6〜8のpHを有する。特定の実施形態において、組成物は、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12のpHを有する。
特定の実施形態において、組成物は、6〜12のpH、6〜10のpH、または6〜8のpHを有する安定な水系組成物である。
特定の実施形態において、組成物は、黄色金属表面である表面で、腐食を防止する。特定の実施形態において、組成物は、軟鋼表面である表面で、腐食を防止する。
別の態様において、表面での腐食を防止するための組成物が開示され、この組成物は、テトラゾール、溶剤、トレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、および塩基を含む。
特定の実施形態において、テトラゾールは、上記の式(II)の化合物である。
特定の実施形態において、テトラゾールは、式(I)の化合物であり、
Figure 2017501302
式中、
およびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、テトラゾールは、式(I)の化合物であり、RおよびRは、水素;C〜C10−アルキル;C〜C10−アルケニル;C〜C10−アルキニル;C〜C12−アリール;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルケニル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキニル;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリール;ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員のヘテロシクリル;ヘテロシクリル−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);C〜C−シクロアルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルケニル;および、C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキニル;からなる群からそれぞれ独立に選択され;式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、またRは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、またRは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、またRは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、またRは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、C〜C10−アルキルは、1、2、または3個の追加のテトラゾリル基により、さらに置換されている。
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(「BDTZ」);5−フェニル−1H−テトラゾール(「PhTZ」);1,2,3,4−テトラゾール(「T」);5−(p−トリル)−1H−テトラゾール(「TTZ」);1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)からなる群から選択される。
特定の実施形態において、溶剤は水である。
特定の実施形態において、トレーサーは蛍光トレーサーである。
特定の実施形態において、スケール防止剤は、ホスフィノコハク酸オリゴマー(PSO)である。
特定の実施形態において、分散剤は、分散剤ポリマーである。
特定の実施形態において、酸はリン酸である。
特定の実施形態において、塩基は水酸化カリウムである。
特定の実施形態において、組成物は、0.5wt%から3wt%のテトラゾール、25wt%から45wt%の水、0.5wt%から1.5wt%のトレーサー、2wt%から20wt%のスケール防止剤、5wt%から25wt%の分散剤、3wt%から7wt%の酸、および、5wt%から25wt%の塩基を含む。
特定の実施形態において、組成物は、1.46wt%のテトラゾール、37.932wt%の水、1wt%のトレーサー、14.49wt%の31%PSO、16.67wt%の45%分散剤ポリマー、5.468wt%の85%HPO、および、22.98wt%の45%KOHを含む。
特定の実施形態において、組成物はトリアゾールをさらに含む。トリアゾールは、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ブチルベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ハロ−トリルトリアゾール、ニトロ化トリアゾール、およびこれらの組合せからなる群から選択され得る。
別の態様において、表面での腐食を防止する方法であって、表面を、式(I)または式(II)の化合物を含む組成物と接触させることを含む方法が開示される。
特定の実施形態において、組成物は、溶剤、トレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、および/または塩基をさらに含む。
特定の実施形態において、表面は、生産、輸送、貯蔵、および/または原油もしくは天然ガスの分離に使用される設備の一部である。
特定の実施形態において、表面は、石炭火力プロセス、廃水プロセス、農場、食肉処理場、ごみ投棄場、自治体廃水プラント、石炭コークス化プロセス、またはバイオ燃料プロセスで使用される設備の一部である。
特定の実施形態において、表面は、冷却塔または冷却装置の一部である。
特定の実施形態において、表面は、黄色金属を含む。特定の実施形態において、表面は軟鋼を含む。
別の態様において、水性システムにおける黄色金属表面の腐食を防止する方法であって、水性システムは、酸化性ハロゲンにより処理され、水性システムに、腐食防止に有効な量の組成物を添加することを含み、組成物は、少なくとも1種のテトラゾールを含む方法が開示される。
特定の実施形態において、テトラゾールは式(I)または式(II)を有する。
特定の実施形態において、テトラゾールは、水性システムに、約0.25ppmから約50ppm、または約0.1ppmから約20ppmの量で添加される。
特定の実施形態において、水性システムは、冷却塔または冷却装置内に含有される。特定の実施形態において、水性システムは、水のある部分が、魚類、無脊椎動物、および藻類から選択される少なくとも1種の生物を含有する水システムに排出されるものである。
別の態様において、水性システムにおける軟鋼の腐食を防止する方法であって、水性システムに、腐食防止に有効な量の組成物を添加することを含み、組成物は、少なくとも1種のテトラゾールを含む方法が開示される。
特定の実施形態において、テトラゾールは式(I)または式(II)を有する。
特定の実施形態において、テトラゾールは、水性システムに、約0.25ppmから約50ppm、または約0.1ppmから約20ppmの量で添加される。
特定の実施形態において、水性システムは、冷却塔または冷却装置内に含まれる。特定の実施形態において、水性システムは、水のある部分が、魚類、無脊椎動物、および藻類から選択される少なくとも1種の生物を含有する水システムに排出されるものである。
特定の実施形態において、水性システムは、酸化性ハロゲン、銅(I)化学種、および/または銅(II)化学種を含む。
化合物、組成物、方法およびプロセスは、本明細書において、さらに説明される。
1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(「BDTZ」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 トリルトリアゾール(「TT」)の2%溶液の濁度対pHを示す図である。 テトラゾールおよびトリアゾール化合物の推定LC50毒性値を示す図である。 テトラゾールおよびトリアゾール化合物の推定慢性毒性値を示す図である。 漂白剤なしで、銅腐食速度(mpy)対時間への防止剤の効果を示す図である。 漂白剤ありで、銅腐食速度(mpy)対時間への防止剤の効果を示す図である。 銅腐食速度(mpy)への防止剤の効果を示す図である。 軟鋼の腐食速度への防止剤の効果を示す図である。
本明細書に開示されているのは、腐食防止剤組成物、組成物の使用の方法、およびそれらの調製のための方法である。組成物は、冷却水用途において腐食を防止するために有用である。特に、組成物は、腐食性流体に曝される黄色金属を保護するために有用である。組成物は、中性pHで配合でき、現在利用可能な製品に比べて改善された環境および安全性プロファイルをもたらす。組成物には、例えば、魚類、無脊椎動物、藻類、および哺乳動物に対する、低毒性プロファイル(急性および/または慢性)をもたせることができる。組成物は、ハロゲンに(例えば、冷却水の塩素処理を通じて)曝される黄色金属に、改善された耐腐食性をもたらすために特に有用である。組成物は、また、軟鋼がハロゲンに曝された時(例えば、塩素処理)を含めて、軟鋼でのガルバニック腐食(例えば、孔食)を制限できる。組成物は、また、現在利用可能な腐食防止剤(例えば、トリアゾール、およびトリアゾール系組成物)に比べて、より小さい遊離塩素要求量を示し得る。
<1.用語の定義>
特に断らなければ、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。一致しない場合には、定義を含めて、本文書が支配するであろう。好ましい方法および材料が下で記載されるが、本明細書に記載されているものに類似のまたは等価な方法および材料が、本発明の実施または検証に使用され得る。本明細書において挙げられている全ての出版物、特許出願、特許および他の参考文献は、それらの全体を、本願に引用して援用する。本明細書において開示されている材料、方法、および例は、単に例示であるにすぎず、限定することは意図されていない。
本明細書で用いられる場合、用語「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」「有する(having)」、「有する(has)」、「できる(can)」、「含有する(contain(s))」、およびこれらの変形形態は、追加の行為または構造体の可能性を排除しない、制限のない移行句、用語、または語であるものとする。単数形の「1つの(a)」、「および(and)」、および「この(the)」は、前後の関係からそうではないと明瞭に指示されるのでなければ、複数の意味を含む。本開示は、また、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、本明細書において示される実施形態または要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、および「から本質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態も想定している。
本明細書で用いられる場合、用語「適切な置換基」は、化学的に許容される官能基を、好ましくは本発明の化合物の活性を無くさない部分を、意味するものとする。このような適切な置換基には、これらに限らないが、ハロ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、オキソ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アリールまたはヘテロアリール基、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシ基、アラルキルまたはヘテロアラルキル基、アラルコキシまたはヘテロアラルコキシ基、HO−(C=O)−基、複素環式基、シクロアルキル基、アミノ基、アルキル−およびジアルキルアミノ基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、ならびにアリールスルホニル基が含まれる。多くの置換基は、追加の置換基によって置換され得ることを、当業者は理解するであろう。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキル」は、好ましくは1から32個の炭素原子(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、または32個の炭素)を有する、直鎖状または分岐状炭化水素ラジカルを指す。アルキル基には、これらに限らないが、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、sec−ペンチル、3−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが含まれる。アルキル基は、上で定義された1つ以上の適切な置換基により置換されていても、または無置換であってもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキレニル」または「アルキレン」は、1から32個の炭素原子の直鎖状または分岐状飽和炭化水素鎖に由来する2価の基を指す。用語「C〜Cアルキレン」は、1から6個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルキレニル基を意味する。アルキレニル基の代表的な例には、これらに限らないが、−CH−、−CH(CH)−、−CH(C)−、−CH(CH(CH)(C))−、−C(H)(CH)CHCH−、−C(CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、および、−CHCH(CH)CH−が含まれる。アルキレニル基は、上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていても、または無置換であってもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルケニル」は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、または32個の炭素を有し、かつ1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖状または分岐状炭化水素ラジカルを表す。アルケニル基には、これらに限らないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、および、2−ブテニルが含まれる。アルケニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルケニレニル」または「アルケニレン」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有し、2から32個の炭素原子の直鎖状または分岐鎖状炭化水素に由来する2価の基を指す。アルケニレニル基の代表的な例には、これらに限らないが、−C(H)=C(H)−、−C(H)=C(H)−CH−、−C(H)=C(H)−CH−CH−、−CH−C(H)=C(H)−CH−、−C(H)=C(H)−CH(CH)−、および、−CH−C(H)=C(H)−CH(CHCH)−が含まれる。アルケニレニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキニル」は、好ましくは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、または32個の炭素を有し、かつ1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖状または分岐状炭化水素ラジカルを指す。アルキニル基には、これらに限らないが、エチニル、プロピニル、およびブチニルが含まれる。アルキニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキニレニル」または「アルキニレン」は、直鎖状または分岐状であり得、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する、2価の不飽和炭化水素基を指す。アルキニレニル基の代表的な例には、これらに限らないが、−C≡C−、−C≡C−CH−、−C≡C−CH−CH−、−CH−C≡C−CH−、−C≡C−CH(CH)−、および、−CH−C≡C−CH(CHCH)−が含まれる。アルキニレニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に付いた、本明細書において定義されたアルキル基を表す。
本明細書で用いられる場合、用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどのような、単環式、2環式、または3環式の芳香族基(上で定義された1つ以上の適切な置換基、好ましくは1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい)を意味する。
本明細書で用いられる場合、用語「アリールアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付着したアリール基を指す。アリールアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アリールアルケニル」は、アルケニル基を介して親分子部分に付着したアリール基を指す。アリールアルケニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アリールアルキニル」は、アルキニル基を介して親分子部分に付着したアリール基を指す。アリールアルキニル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルアリールアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付着したアルキルアリール基を指す。アルキルアリールアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
用語「カルボニル」、「(C=O)」、または、「−C(O)−」(アルキルカルボニル、アルキル−(C=O)−、またはアルコキシカルボニルのような句で用いられる場合)は、アルキルまたはアミノ基(すなわち、アミド基)のような第2の部分への>C=O部分の結合を表す。アルコキシカルボニルアミノ(すなわち、アルコキシ(C=O)−NH−)は、アルキルカルバメート基を指す。カルボニル基は、また、本明細書では、(C=O)としても、等しく定義される。アルキルカルボニルアミノは、アセトアミドのような基を指す。
本明細書で用いられる場合、用語「シクロアルキル」は、1または2個の二重結合を任意選択で含有する、単環、2環または3環の炭素環式ラジカル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]へプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、および、ビシクロ[5.2.0]ノナニルなど)を指す。シクロアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基、好ましくは1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付着したシクロアルキル基を指す。シクロアルキルアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルシクロアルキルアルキル」は、1つ以上のアルキル基によって置換されたシクロアルキルアルキル基を指す。アルキルシクロアルキルアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、環にO、SおよびNから選択される1つ以上のヘテロ原子(例えば、1から4個のヘテロ原子)を含有する、単環式、2環式、または3環式の芳香族複素環式基を指す。ヘテロアリール基には、これらに限らないが、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、およびインドリルが含まれる。ヘテロアリール基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基、好ましくは1から5個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付着したヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルヘテロアリールアルキル」は、1つ以上のアルキル基によって置換されたヘテロアリールアルキル基を指す。アルキルヘテロアリールアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「複素環式」または「ヘテロシクリル」は、N、O、S(O)、P(O)、PR、NHまたはNRから選択される、1から4個のヘテロ原子を含有する、単環式、2環式、または3環式の基を指し、式中、Rは、適切な置換基である。複素環式基は、1または2個の二重結合を任意選択で含有する。複素環式基には、これらに限らないが、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロ−チアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、およびベンゾオキサジニルが含まれる。単環式の飽和または部分飽和環系の例は、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、チオモルホリン−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テトラヒドロチアジアジン−イル、モルホリン−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イル、および1,2,5−オキサチアジン−4−イルである。複素環式基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基、好ましくは1から3個の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基を介して親分子部分に付着した複素環式基を指す。ヘテロシクリルアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「アルキルヘテロシクリルアルキル」は、1つ以上のアルキル基によって置換されたヘテロシクリルアルキル基を指す。アルキルヘテロシクリルアルキル基は、無置換であっても、または上で定義された1つ以上の適切な置換基によって置換されていてもよい。
本明細書で用いられる場合、用語「ヒドロキシ」は、−OH基を表す。
本明細書で用いられる場合、用語「オキソ」は、二重結合した酸素(=O)ラジカルを表し、この結合の相手は炭素原子である。このようなラジカルは、また、カルボニル基と考えることもできる。
本明細書で用いられる場合、用語「含水率」は、オイルと水の混合物を含有する組成物における水のパーセンテージを意味する。
用語「pH(i)」は、初期pHを指す。
用語「pH(f)」は、最終pHを指す。
用語「FRC」は、初期遊離残留塩素(ppm)を指す。
用語「FRC」は、最終遊離残留塩素(ppm)を指す。
用語「FRCMS」は、材料に特有の遊離残留塩素要求量を指す。
用語「PSO」は、ホスフィノコハク酸オリゴマーを指す。
用語「HEDP」は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を指す。
用語「T」は、1H−テトラゾールを指すことがある。
用語「TT」は、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾールを指す。
用語「BZT」は、1H−ベンゾトリアゾールを指す。
用語「BBT」は、5−ブチル−1H−ベンゾトリアゾールを指す。
用語「CITT」は、5−メチル−6−クロロ−1H−ベンゾトリアゾールを指す。
用語「BDTZ」は、1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタンを指す。
用語「HDTZ」は、1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサンを指す。
用語「TTZ」は、5−(p−トリル)−1H−テトラゾールを指す。
用語「HTT」は、水素化トリルトリアゾールを指す。
用語「PeDTZ」は、1,5−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ペンタンを指す。
用語「HeDTZ」は、1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタンを指す。
用語「ODTZ」は、1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタンを指す。
用語「TCH−TZ」は、5,5’、5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)を指す。
用語「PhTZ」は、5−フェニル−1H−テトラゾールを指す。
用語「NMR」は、核磁気共鳴分光法を指す。
用語「MS」は、質量スペクトルを指す。
用語「mpy」は、ミル/年を指す。
用語「mmpy」は、ミリメートル/年を指す。
用語「ppm」は、百万分率を指す。
用語「RO」は、逆浸透を指す。
用語「mmol」は、ミリモルを指す。
用語「KOH」は、水酸化カリウムを指す。
用語「HCl」は、塩酸を指す。
用語「HPO」は、オルトリン酸を指す。
用語「DMSO−d」は、重水素化N,N’−ジメチルスルホキシドを指す。
用語「DPD」は、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミンを指す。
用語「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを指す。
用語「OB」は、酸化性殺生物剤を指す。
<2.組成物>
本明細書において開示されている組成物は、テトラゾール成分を含む。組成物は、さらに、1種以上のトレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、塩基、および/または溶剤を含み得る。組成物は、追加の腐食防止剤、アスファルテン抑制剤、パラフィン抑制剤、乳化剤、水清澄剤、エマルジョン破壊剤、硫化水素捕捉剤、ガス水和物抑制剤、殺生物剤、pH調節剤、界面活性剤、追加成分、およびこれらの組合せを、さらに含み得る。
組成物は、腐食性流体に曝される黄色金属を保護するために有用である。組成物は、中性pHで配合でき、現在利用可能な製品に比べて改善された環境および安全性プロファイルをもたらす。組成物には、例えば、魚類、無脊椎動物、藻類、および哺乳動物に対する、低毒性プロファイル(急性および/または慢性)がもたらされることも可能である。組成物は、ハロゲンに(例えば、冷却水の塩素処理を通じて)曝される黄色金属に、改善された耐腐食性をもたらすために特に有用である。組成物は、また、軟鋼がハロゲンに曝されたとき(例えば、塩素処理)を含めて、軟鋼でのガルバニック腐食(例えば、孔食)を制限できる。組成物は、また、現在利用可能な腐食防止剤(例えば、トリアゾール、およびトリアゾール系組成物)に比べて、より少ない遊離塩素要求量を示し得る。
組成物は、冷却水用途において腐食への保護をもたらし得る。組成物は、石炭に基づく発電所に関連する用途において、腐食への保護をもたらし得る。組成物は、生産、輸送、貯蔵、ならびに原油および天然ガスの分離に関連する用途において、腐食への保護をもたらし得る。
組成物は、テトラゾール成分、塩基(例えば、NaOH)、および水(例えば、逆浸透水)を含み得る。組成物は、テトラゾール成分、溶剤(例えば、水)、トレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、および塩基を含み得る。
組成物は、6〜12のpH、6〜10のpH、または6〜8のpHを有し得る。組成物は、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、または12.0のpHを有し得る。組成物は、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12のpHを有し得る。
組成物は、金属表面、例えば軟鋼表面での腐食を防止し得る。組成物は、また、黄銅、亜鉛めっき鋼、アルミニウム、アドミラルティ黄銅、銅、銅合金、またはこれらの組合せを含む表面でも、腐食を防止し得る。組成物は、水性システムと接触している表面の、例えば、この段落に開示されている表面の、腐食を防止し得る。水性システムは1種以上の腐食作用剤を含み得る。水性システムは酸化剤を含み得る。水性システムはハロゲン化学種を含み得る。水性システムはハロゲン含有酸化剤を含み得る。水性システムは、1種以上の銅(I)化学種、および/または1種以上の銅(II)化学種を含み得る。
組成物は、1種以上の銅(II)化学種を含む水性システムと接触している軟鋼表面で、腐食を防止し得る。組成物は、Cu2+を不活性化することによって、軟鋼の腐食を防止し得る。組成物は、ビス(テトラゾール)銅(II)一水和物という化学種を形成することによって、銅(II)を不活性化し得る。
組成物は、魚類、無脊椎動物、藻類、および他の生物に対する低毒性を示し得る。組成物は、魚類、無脊椎動物、藻類、および他の生物に対する、低い急性および/または低い慢性毒性を示し得る。組成物は、魚類、無脊椎動物、藻類、および他の生物に対して、1,000mg/L以上、2,000mg/L以上、3,000mg/L以上、4,000mg/L以上、5,000mg/L以上、6,000mg/L以上、7,000mg/L以上、8,000mg/L以上、9,000mg/L以上、10,000mg/L以上、15,000mg/L以上、20,000mg/L以上、25,000mg/L以上、30,000mg/L以上、35,000mg/L以上、40,000mg/L以上、45,000mg/L以上、50,000mg/L以上、または、100,000mg/L以上の、致死濃度(LD50)を示し得る。
組成物は、選ばれたシステム(例えば、冷却塔におけるような、水性システム)における選ばれた表面(例えば、黄色金属表面または軟鋼表面)で、0.1000ミル/年(mpy)以下、0.0900mpy以下、0.0800mpy以下、0.0700mpy以下、0.0600mpy以下、0.0500mpy以下、0.0400mpy以下、0.0300mpy以下、0.0200mpy以下、0.0100mpy以下、0.0090mpy以下、0.0080mpy以下、0.0070mpy以下、0.0060mpy以下、0.0050mpy以下、0.0040mpy以下、0.0030mpy以下、0.0020mpy以下、または0.0010mpy以下の腐食速度をもたらし得る。上記の腐食速度は、表面が酸化剤(例えば、漂白剤)、および/または銅化学種(例えば、Cu2+)に曝されているシステムを含み得る。
〔a.テトラゾール成分〕
本明細書に開示されている組成物は、テトラゾール成分を含む。テトラゾール成分は、腐食防止剤として作用し得る。テトラゾールは、冷却水システム(例えば、冷却塔)、ならびに、オイル、ガス、および/または石炭産業で使用される設備(例えば、パイプライン)における腐食を、防ぐおよび/または減らすのに、特に有用であり得る。
一態様において、テトラゾール成分は、式(I)の化合物、またはその塩であり、
Figure 2017501302
式中、RおよびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、RおよびRは、水素;C〜C10−アルキル;C〜C10−アルケニル;C〜C10−アルキニル;C〜C12−アリール;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルケニル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキニル;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリール;ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員のヘテロシクリル;ヘテロシクリル−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);C〜C−シクロアルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルケニル;および、C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキニル;からなる群からそれぞれ独立に選択され;式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、RおよびRは、水素;C〜C10−アルキル;C〜C10−アルケニル;C〜C10−アルキニル;C〜C12−アリール;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルケニル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキニル;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリール;ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員のヘテロシクリル;ヘテロシクリル−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6、または7員の複素環式環である);C〜C−シクロアルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルケニル;および、C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキニル;からなる群からそれぞれ独立に選択され;式中、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、C〜C12−アリール−C〜C10−アルキル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルケニル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキニル;ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルケニル;および、C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキニル;からなる群から選択され、式中、前記アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、C〜C12−アリール−C〜C10−アルキル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルケニル;C〜C12−アリール−C〜C10−アルキニル;ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);ヘテロシクリル−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員の複素環式環である);C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキル;C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルケニル;および、C〜C−シクロアルキル−C〜C10−アルキニル;からなる群から選択され、式中、前記アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);および、ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);からなる群から選択され、式中、前記ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、ヘテロアリール−C〜C10−アルキル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);ヘテロアリール−C〜C10−アルケニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);および、ヘテロアリール−C〜C10−アルキニル(式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールである);からなる群から選択され、式中、前記ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、およびヘテロアリールアルキニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、ヘテロアリール−C〜C10−アルキルであり、式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールアルキルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、ヘテロアリール−C〜C10−アルキルであり、式中、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールアルキルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、1、2、3、または4個のテトラゾリル基により置換された、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルキルであり、各テトラゾリルは、独立に、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、2、3、または4個のテトラゾリル基により置換された、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルキルであり、各テトラゾリルは、独立に、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、2個のテトラゾリル基により置換された、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルキルであり、各テトラゾールテトラゾリルは、独立に、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、各テトラゾリル基は無置換である。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリル−C10−アルキルであり、式中、テトラゾリルは無置換である。特定の実施形態において、Rは水素であり、Rは、テトラゾリルによりCで、およびテトラゾリルによりCで置換されたC−アルキルであり、各テトラゾリルは無置換である。
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(「BDTZ」);5−フェニル−1H−テトラゾール(「PhTZ」);1,2,3,4−テトラゾール(「T」);1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)からなる群から選択される。
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)からなる群から選択される。
別の態様において、テトラゾール成分は、式(II)の化合物またはその塩であり、
Figure 2017501302
式中、
Lは、アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルからなる群から選択され、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Lは、C〜C32−アルキレニル、C〜C32−アルケニレニル、またはC〜C32−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、C〜C24−アルキレニル、C〜C24−アルケニレニル、またはC〜C24−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、C〜C10−アルキレニル、C〜C10−アルケニレニル、またはC〜C10−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、C〜C−アルキレニル、C〜C−アルケニレニル、またはC〜C−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、1つ以上の適切な置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、C〜C10−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により、独立に置換されているか、または無置換である。
特定の実施形態において、Lは、C〜C32−アルキレニル、C〜C32−アルケニレニル、またはC〜C32−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、C〜C24−アルキレニル、C〜C24−アルケニレニル、またはC〜C24−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、C〜C10−アルキレニル、C〜C10−アルケニレニル、またはC〜C10−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、C〜C−アルキレニル、C〜C−アルケニレニル、またはC〜C−アルキニレニルであり、式中、前記アルキレニル、アルケニレニル、およびアルキニレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、それぞれ独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、C〜C10−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により、独立に置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、Lは、無置換のC〜C10−アルキレニルである。特定の実施形態において、Lは、無置換のC〜C−アルキレニルである。特定の実施形態において、Lは、無置換のC〜C10−アルキレニルである。特定の実施形態において、Lは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているC〜C10−アルキレニルであり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているC〜C−アルキレニルであり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているC〜C10−アルキレニルであり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC−アルキレニルである。
特定の実施形態において、LはC10−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、LはC10−アルキレニルであり、式中、前記アルキレニルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される。特定の実施形態において、Lは、無置換のC10−アルキレニルである。
特定の実施形態において、Lは、1、2、または3個のヘテロアリール基により置換された、C〜C10−アルキレニルまたはC〜C10−アルキレニルであり、前記ヘテロアリール基は、置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、1、2、または3個のテトラゾリル基により置換された、C〜C10−アルキレニルまたはC〜C10−アルキレニルであり、前記テトラゾリル基は、置換されているか、または無置換である。特定の実施形態において、Lは、1、2、または3個のテトラゾリル基により置換された、C〜C10−アルキレニルまたはC〜C10−アルキレニルであり、前記テトラゾリル基は無置換である。
特定の実施形態において、式(II)の化合物は、1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)からなる群から選択される。
テトラゾール成分は不斉中心を含有し得るので、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして存在できる。追加の不斉中心が、分子の様々な置換基の性質に応じて、存在し得る。このような不斉中心の各々は、独立に、2つの光学異性体を生じるであろうが、混合物における、および、純粋なまたは部分的に精製された化合物としての、可能な光学異性体およびジアステレオマーの全ては、本発明の範囲内に含まれるものとする。本発明は、これらの化合物のこのような異性型の全てを包含するものとする。
テトラゾール成分は、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約0.01wt%から約100wt%、腐食防止剤組成物の約0.1wt%から約100wt%、腐食防止剤組成物の約0.5wt%から約10wt%、または、腐食防止剤組成物の約1wt%から約3wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0.01wt%から100wt%のテトラゾール成分、0.1wt%から100wt%のテトラゾール成分、0.5wt%から10wt%のテトラゾール成分、0.5wt%から3wt%のテトラゾール成分、0.5wt%から2wt%のテトラゾール成分、または、1wt%から3wt%のテトラゾール成分を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約1wt%、約2wt%、約3wt%、約4wt%、約5wt%、約6wt%、約7wt%、約8wt%、約9wt%、約10wt%、約11wt%、約12wt%、約13wt%、約14wt%、約15wt%、約16wt%、約17wt%、約18wt%、約19wt%、約20wt%、約21wt%、約22wt%、約23wt%、約24wt%、約25wt%、約26wt%、約27wt%、約28wt%、約29wt%、約30wt%、約31wt%、約32wt%、約33wt%、約34wt%、約35wt%、約36wt%、約37wt%、約38wt%、約39wt%、約40wt%、約41wt%、約42wt%、約43wt%、約44wt%、約45wt%、約46wt%、約47wt%、約48wt%、約49wt%、または約50wt%のテトラゾール成分を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、1.0wt%、1.1wt%、1.2wt%、1.3wt%、1.4wt%、1.5wt%、1.6wt%、1.7wt%、1.8wt%、1.9wt%、2.0wt%、2.1wt%、2.2wt%、2.3wt%、2.4wt%、2.5wt%、2.6wt%、2.7wt%、2.8wt%、2.9wt%、3.0wt%、3.1wt%、3.2wt%、3.3wt%、3.4wt%、3.5wt%、3.6wt%、3.7wt%、3.8wt%、3.9wt%、4.0wt%、4.1wt%、4.2wt%、4.3wt%、4.4wt%、4.5wt%、4.6wt%、4.7wt%、4.8wt%、4.9wt%、または5.0wt%のテトラゾール成分を含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物におけるテトラゾールの重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
本発明の組成物は、約0.01から約5,000ppmの範囲のテトラゾール成分の用量をもたらし得る。特定の実施形態において、組成物は、約1百万分率(ppm)から約1,000,000ppm、約1百万分率(ppm)から約100,000ppm、または約10ppmから約75,000ppmのテトラゾール濃度をもたらし得る。組成物は、約100ppmから約10,000ppm、約200ppmから約8,000ppm、または約500ppmから約6,000ppmのテトラゾール濃度をもたらし得る。特定の実施形態において、組成物は、0.1ppm、0.5ppm、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、20ppm、100ppm、200ppm、500ppm、1,000ppm、5,000ppm、10,000ppm、20,000ppmの、またはより大きいテトラゾール濃度をもたらし得る。特定の実施形態において、組成物は、0.125ppm、0.25ppm、0.625ppm、1ppm、1.25ppm、2.5ppm、5ppm、10ppm、または20ppmのテトラゾール濃度をもたらす。各システムは、それ自体の用量レベルの必要条件を有し、腐食速度を十分に低下させるのに有効な組成物用量レベルは、それが使用されるシステムにより変わり得る。
〔b.トレーサー〕
本明細書に開示されている組成物は、トレーサーを含み得る。トレーサーは、蛍光トレーサーであり得る。これらの蛍光トレーサーは、冷却水プロセスにおける他の何らかの化学的性質によって、または、pH、温度、イオン強度、レドックス電位、微生物の活動もしくは殺生物剤の濃度のような他のシステムパラメータによって、容易に分かるほど、または著しく、影響されることも、されないこともある。
代表的な蛍光トレーサーには、これらに限らないが、3,6−アクリジンジアミン,N,N,N’,N’−テトラメチル−,一塩酸塩(アクリジンオレンジとしても知られている)(CAS登録番号65−61−2)、2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)およびその塩、2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)およびその塩、1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)およびその塩、アントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−,ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩(アントラソールグリーンIBAとしても知られている)(CAS登録番号2538−84−3、別名は、可溶性バット染料)、バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩(CAS登録番号52746−49−3)、アミノ 2,5−ベンゼンジスルホン酸(CAS登録番号41184−20−7)、2−(4−アミノフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール(CAS登録番号92−36−4)、1H−ベンゾ[de]イソキノリン−5−スルホン酸、6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−1,3−ジオキソ−,一ナトリウム塩(ブリリアントアシッドイエロー8Gとしても知られている)(CAS登録番号2391−30−2、別名は、リッサミン イエローFF、アシッドイエロー7)、フェノキサジン−5−イウム,1−(アミノカルボニル)−7−(ジエチルアミノ)−3,4−ジヒドロキシ−,クロリド(セレスチンブルーとしても知られている)(CAS登録番号1562−90−9)、ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5,9−ジアミノ−,酢酸塩(クレシルバイオレット酢酸塩としても知られている)(CAS登録番号10510−54−0)、4−ジベンゾフランスルホン酸(CAS登録番号42137−76−8)、3−ジベンゾフランスルホン酸(CAS登録番号215189−98−3)、1−エチルキナルジニウムヨージド(CAS登録番号606−53−3)、フルオレセイン(CAS登録番号2321−07−5)、フルオレセイン,ナトリウム塩(CAS登録番号518−47−8、別名は、アシッドイエロー73、ウラニン)、Keyfluor White ST(CAS登録番号144470−48−4、別名は、Flu. Bright 28)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩(Keyfluor White CNとしても知られている)(CAS登録番号16470−24−9)、C.I.蛍光増白剤230(Leucophor BSBとしても知られている)(CAS登録番号68444−86−0)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−テトラジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩(Leucophor BMBとしても知られている)(CAS登録番号16470−24−9、別名は、Leucophor U、Flu. Bright.290)、9,9’−ビアクリジニウム,10,10’−ジメチル−,二硝酸塩(ルシゲニンとしても知られている)(CAS登録番号2315−97−1、別名は、ビス−N−メチルアクリジニウム硝酸塩)、1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール(リボフラビンまたはビタミンB2としても知られている)(CAS登録番号83−88−5)、これに限らないが、1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4、別名は、1,5−NDSA水和物)を含むモノ−、ジ−、またはトリ−スルホン化ナフタレン、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号81−16−3)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−79−9)、4−アミノ−3−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号90−51−7)、6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号116−63−2)、7−アミノ−1,3−ナフタレンスルホン酸,カリウム塩(CAS登録番号79873−35−1)、4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸(CAS登録番号90−20−0)、5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号4272−77−9)、1−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号84−86−6)、1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−28−8)、2,6−ナフタレンジカルボン酸,二カリウム塩(CAS登録番号2666−06−0)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸(CAS登録番号81−32−3)、C.I.蛍光増白剤191(Phorwite CLとしても知られている)(CAS登録番号12270−53−0)、C.I.蛍光増白剤200(Phorwite BKLとしても知られている)(CAS登録番号61968−72−7)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩(Phorwite BHC 766としても知られている)(CAS登録番号52237−03−3)、ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩(Pylaklor White S−15Aとしても知られている)(CAS登録番号6416−68−8)、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、ピラニン(CAS登録番号6358−69−6、別名は、8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホン酸,三ナトリウム塩)、キノリン(CAS登録番号91−22−5)、3H−フェノキサジン−3−オン,7−ヒドロキシ−,10−オキシド(Rhodaluxとしても知られている)(CAS登録番号550−82−3)、キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,クロリド,二ナトリウム塩(ローダミンWTとしても知られている)(CAS登録番号37299−86−8)、フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,クロリド(サフラニンOとしても知られている)(CAS登録番号477−73−6)、C.I.蛍光増白剤235(Sandoz CWとしても知られている)(CAS登録番号56509−06−9)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩(Sandoz CDとしても知られている)(CAS登録番号16470−24−9、別名は、Flu. Bright.220)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩(Sandoz TH−40としても知られている)(CAS登録番号32694−95−4)、キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,分子内塩,ナトリウム塩(スルホローダミンBとしても知られている)(CAS登録番号3520−42−1、別名は、アシッドレッド52)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩(Tinopal 5BM−GXとしても知られている)(CAS登録番号169762−28−1)、Tinopol DCS(CAS登録番号205265−33−4)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩(Tinopal CBS−Xとしても知られている)(CAS登録番号27344−41−8)、ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩(Tinopal RBS 200としても知られている)(CAS登録番号6416−68−8)、7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩(チタンイエローとしても知られている)(CAS登録番号1829−00−1、別名は、チアゾールイエローG)、ならびに、これらのアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩の全て、ならびにこれらの類似作用剤および適切な混合物の全てが含まれる。
好ましいトレーサーには、1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール(リボフラビンまたはビタミンB2としても知られている)(CAS登録番号83−88−5)、フルオレセイン(CAS登録番号2321−07−5)、フルオレセイン,ナトリウム塩(CAS登録番号518−47−8、別名は、アシッドイエロー73、ウラニン)、2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)およびその塩、2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)およびその塩、1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)およびその塩、これに限らないが、1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4、別名は、1,5−NDSA水和物)を含むモノ−、ジ−、またはトリ−スルホン化ナフタレン、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号81−16−3)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−79−9)、4−アミノ−3−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号90−51−7)、6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号116−63−2)、7−アミノ−1,3−ナフタレンスルホン酸,カリウム塩(CAS登録番号79873−35−1)、4−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸(CAS登録番号90−20−0)、5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号4272−77−9)、1−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号84−86−6)、1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−28−8)、2,6−ナフタレンジカルボン酸、二カリウム塩(CAS登録番号2666−06−0)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸(CAS登録番号81−32−3)、C.I.蛍光増白剤191(Phorwite CLとしても知られている)(CAS登録番号12270−53−0)、C.I.蛍光増白剤200(Phorwite BKLとしても知られている)(CAS登録番号61968−72−7)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩(Phorwite BHC 766としても知られている)(CAS登録番号52237−03−3)、ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩(Pylaklor White S−15Aとしても知られている)(CAS登録番号6416−68−8)、ピラニン(CAS登録番号6358−69−6、別名は、8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホン酸,三ナトリウム塩)、キノリン(CAS登録番号91−22−5)、3H−フェノキサジン−3−オン,7−ヒドロキシ−,10−オキシド(Rhodaluxとしても知られている)(CAS登録番号550−82−3)、キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,クロリド,二ナトリウム塩(ローダミンWTとしても知られている)(CAS登録番号37299−86−8)、フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,クロリド(サフラニンOとしても知られている)(CAS登録番号477−73−6)、C.I.蛍光増白剤235(Sandoz CWとしても知られている)(CAS登録番号56509−06−9)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩(Sandoz CDとしても知られている)(CAS登録番号16470−24−9、別名は、Flu. Bright.220)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩(Sandoz TH−40としても知られている)(CAS登録番号32694−95−4)、キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,分子内塩,ナトリウム塩(スルホローダミンBとしても知られている)(CAS登録番号3520−42−1、別名は、アシッドレッド52)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩(Tinopal 5BM−GXとしても知られている)(CAS登録番号169762−28−1)、Tinopol DCS(CAS登録番号205265−33−4)、ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩(Tinopal CBS−Xとしても知られている)(CAS登録番号27344−41−8)、ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩(Tinopal RBS 200としても知られている)(CAS登録番号6416−68−8)、7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩(チタンイエローとしても知られている)(CAS登録番号1829−00−1、別名は、チアゾールイエローG)、ならびに、これらのアンモニウム、カリウムおよびナトリウム塩の全て、ならびにこれらの類似作用剤および適切な混合物の全てが含まれる。
より好ましい蛍光トレーサーには、フルオレセイン,ナトリウム塩(CAS登録番号518−47−8、別名は、アシッドイエロー73、ウラニン);1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4、別名は、1,5−NDSA水和物);キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,クロリド,二ナトリウム塩(ローダミンWTとしても知られている)(CAS登録番号37299−86−8);1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゼン[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−リビトール(リボフラビンまたはビタミンB2としても知られている)(CAS登録番号83−88−5);フルオレセイン(CAS登録番号2321−07−5);2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4);1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)およびその塩;2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)およびその塩;1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)およびその塩;ならびにこれらの混合物が含まれる。上で列挙された蛍光トレーサーは、異なる様々な化学品供給会社から市販されている。
上で列挙されたトレーサーに加えて、当業者は、代わりとなる対イオンを用いた塩もまた使用され得ることを理解するであろう。こうして、例えば、対イオンとしてNaを有する陰イオントレーサーは、また、対イオンが、K、Li、NH 、Ca+2、Mg+2または他の適切な対イオンから選択される形態でも使用できるであろう。同様に、陽イオントレーサーは、様々な対イオン、例えば、Cl、SO −2、PO −3、HPO −2、HPO 、CO −2、HCO 、または他の適切な対イオンを有し得る。
特定の実施形態において、テトラゾール成分は、蛍光部分により標識されている。
蛍光トレーサーの投入量は、少なくとも、処理流体において測定可能な濃度をもたらすのに十分である量であり得る。通常の用量は、蛍光剤の濃度に基づいて、約50ppt(1兆分率)から約100ppb(10億分率)、好ましくは約0.1ppbから約10ppbの範囲である。50pptは、現在利用できる産業用蛍光計の、ほぼ検出限界であることに留意されたい。蛍光計技術の向上は、この検出限界を低下させる傾向があり、予見されている。
トレーサーは、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約0.001wt%から約10wt%、腐食防止剤組成物の約0.01wt%から約5wt%、腐食防止剤組成物の約0.1wt%から約3wt%、または、腐食防止剤組成物の約0.5wt%から約1.5wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0.001wt%から10wt%のトレーサー、0.01wt%から5wt%のトレーサー、0.1wt%から3wt%のトレーサー、または、0.5wt%から1.5wt%のトレーサーを含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約0.001wt%、約0.01wt%、約0.05wt%、約0.1wt%、約0.5wt%、約1wt%、約2wt%、または約3wt%のトレーサーを含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1wt%のトレーサーを含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物におけるトレーサーの重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
蛍光トレーサーは、異なる様々な適切な技術を利用することによって検出できる。例えば、少なくとも所定の時間、基本的に実質的に連続な蛍光発光分光法は、本発明の実施形態に従う好ましい分析技術の1つである。蛍光発光分光法および他の分析方法によって化学的トレーサーを、稼働中に連続的に測定するための1つの方法が、米国特許第4,992,380号に記載されており、この特許は、本願に引用して援用する。
本発明の実施に使用され得る蛍光計の例には、Xe II、およびTRASAR(登録商標)8000蛍光計(Nalco Company、Naperville、Ill.から入手可能);Hitachi F−4500蛍光計(Hitachi Instruments Inc.、San Jose、Calif.を通じて、Hitachiから入手可能);JOBIN YVON FluoroMax−3「SPEX」蛍光計(JOBIN YVON Inc.、Edison、N.J.から入手可能);ならびに、Gilford Fluoro−IV分光光度計、またはSFM 25(Research Instruments International、San Diego、Calif.を通じて、Bio−tech Kontronから入手可能)が含まれる。上記のリストは、包括的でなく、代表的な蛍光計の例を示そうとするものであることが理解されるべきである。他の市販の蛍光計およびそれらの改造型もまた、本発明において使用できる。
様々な他の適切な分析技術が、蛍光トレーサーの量を測定するために利用され得ることが理解されるべきである。このような技術の例には、結合HPLC−蛍光分析、比色分析、イオン選択性電極による分析、遷移金属分析、化学発光、パルス蛍光測定などが含まれる。
一実施形態において、本発明は、処理剤投入量の増分を連続的に(即ち、保持時間の時間スケール内で、典型的には数分毎に)変更し、望まれる設定点に処理剤残留量を維持するように計算を行う、アルゴリズムを用いプログラムされたコントローラを含む。コントローラは、様々な異なる適切な方法で配置構成および/または調整できる。代わりとなる方法は、蛍光応答を測定し、次いで最適な投入量を決めるために分析曲線フィッティング法を用いるために、3点以上を用いることを含み得る。コントローラは、配線(例えば、電気通信ケーブル)によって接続されているか、または本明細書に記載されている他のコンポーネントと、無線通信(例えば、無線RFインタフェース)、空気圧インタフェースなどによって通信できるかのいずれかであり得る。
〔c.スケール防止剤〕
本明細書に開示されている組成物は、スケール防止剤を含み得る。適切なスケール防止剤には、これらに限らないが、ホスフェート、ホスフェートエステル、リン酸、ホスホネート、ホスホン酸、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸/アクリル酸コポリマー(AMPS/AA)の塩、ホスフィノ化マレイン酸コポリマー(PHOS/MA)、およびポリマレイン酸/アクリル酸/アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸ターポリマー(PMA/AMPS)の塩が含まれる。
スケール防止剤には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(「HEDP」と略される)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(「PBTC」と略される)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(「AMP」と略される)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(「HMDTMP」と略される)、およびポリアミノポリエーテルメチレンホスホン酸(「PAPEMP」と略される)、有機ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリマレイン酸、無水マレイン酸/エチルアクリレート/ビニルアクリレートターポリマー、およびアルキルエポキシカルボキシレート(「AEC」と略される)、ホスフィノカルボン酸、例えば、ホスフィノコハク酸オリゴマー(「PSO」と略される)、およびホスホノカルボン酸、例えば、ホスホノカルボン酸(スルホン化)コポリマー(「POCA」と略される、Belclene 494として販売されている)。
スケール防止剤は、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約1wt%から約80wt%、腐食防止剤組成物の約1wt%から約50wt%、腐食防止剤組成物の約2wt%から約20wt%、または、腐食防止剤組成物の約5wt%から約15wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1wt%から30wt%のスケール防止剤、2wt%から20wt%のスケール防止剤、5wt%から20wt%のスケール防止剤、5wt%から15wt%のスケール防止剤、または、10wt%から20wt%のスケール防止剤、を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約3.0wt%、約3.5wt%、約4.0wt%、約4.5wt%、約5.0wt%、約5.5wt%、約6.0wt%、約6.5wt%、約7.0wt%、約7.5wt%、約8.0wt%、約8.5wt%、約9.0wt%、約9.5wt%、約10.0wt%、約10.5wt%、約11.0wt%、約11.5wt%、約12.0wt%、約12.5wt%、約13.0wt%、約13.5wt%、約14.0wt%、約14.5wt%、約15.0wt%、約15.5wt%、約16.0wt%、約16.5wt%、または約17.0wt%のスケール防止剤を含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物におけるスケール防止剤の重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
〔d.分散剤〕
本明細書に開示されている組成物は、分散剤を含み得る。適切な分散剤には、これらに限らないが、2〜50個の炭素を有する脂肪族ホスホン酸、例えば、ヒドロキシエチルジホスホン酸、およびアミノアルキルホスホン酸、例えば、2〜10個のN原子(例えば、各々が少なくとも1個のメチレンホスホン酸基を有する)を有するポリアミノメチレンホスホネートが含まれ、後者の例は、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)、ならびに各N原子の間に2〜4個のメチレン基を有するトリアミン−およびテトラミン−ポリメチレンホスホネート(各ホスホネートにおけるメチレン基の数の少なくとも2つが異なる)である。他の適切な分散剤には、リグニン、またはリグノスルホネートのようなリグニンの誘導体、ならびにナフタレンスルホン酸および誘導体が含まれる。
分散剤は、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約1wt%から約80wt%、腐食防止剤組成物の約1wt%から約30wt%、腐食防止剤組成物の約2wt%から約25wt%、または、腐食防止剤組成物の約5wt%から約20wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1wt%から30wt%の分散剤、2wt%から25wt%の分散剤、5wt%から25wt%の分散剤、または、5wt%から20wt%の分散剤を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約10.0wt%、約10.5wt%、約11.0wt%、約11.5wt%、約12.0wt%、約12.5wt%、約13.0wt%、約13.5wt%、約14.0wt%、約14.5wt%、約15.0wt%、約15.5wt%、約16.0wt%、約16.5wt%、約17.0wt%、約17.5wt%、約18.0wt%、約18.5wt%、約19.0wt%、約20.0wt%、約20.5wt%、約21.0wt%、約21.5wt%、約22.0wt%、約22.5wt%、約23.0wt%、約23.5wt%、約24.0wt%、約24.5wt%、または約25.0wt%の分散剤を含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物における分散剤の重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
〔e.酸〕
本明細書に開示されている組成物は、酸を含み得る。酸は、鉱酸、有機酸、およびこれらの組合せからなる群から選択され得る。鉱酸は、塩酸、硫酸、アミド硫酸(98%)、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、スルファミン酸、およびこれらの組合せからなる群から選択され得る;前記有機酸は、クエン酸およびその塩、ギ酸、酢酸、過酸(過酢酸、ペルオキシ酢酸および過ギ酸が含まれる)、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)、シュウ酸、プロピオン酸、乳酸(ヒドロキシプロピオン酸)、酪酸、およびこれらの組合せからなる群から選択され得る。これらの酸は、化学品供給会社から入手可能な市販化学品である。これらの酸は、固形もしくは液体状で、または、やはり固形または液体状であり得る、他の機能性化学品を含有する配合物として、購入できる。
酸は、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約1wt%から約10wt%、腐食防止剤組成物の約2wt%から約8wt%、または、腐食防止剤組成物の約4wt%から約6wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1wt%から10wt%の酸、2wt%から8wt%の酸、3wt%から7wt%の酸、または、4wt%から6wt%の酸を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約1.0wt%、約1.5wt%、約2.0wt%、約2.5wt%、約3.0wt%、約3.5wt%、約4.0wt%、約4.5wt%、約5.0wt%、約5.5wt%、約6.0wt%、約6.5wt%、約7.0wt%、約7.5wt%、約8.0wt%、約8.5wt%、約9.0wt%、約9.5wt%、または約10.0wt%の酸を含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物における酸の重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
〔f.塩基〕
本明細書に開示されている組成物は、塩基を含み得る。塩基は、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アルカリ炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、およびこれらの混合物または組合せからなる群から選択され得る。例示的な塩基には、NaOH、KOH、Ca(OH)、CaO、NaCO、KHCO、KCO、NaHCO、MgO、およびMg(OH)が含まれる。
塩基は、組成物の全重量に対して、腐食防止剤組成物の約1wt%から約40wt%、腐食防止剤組成物の約5wt%から約30wt%、または、腐食防止剤組成物の約10wt%から約25wt%を構成し得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1wt%から40wt%の塩基、5wt%から30wt%の塩基、5wt%から25wt%の塩基、または、10wt%から25wt%の塩基を含み得る。本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約1.0wt%、約1.5wt%、約2.0wt%、約2.5wt%、約3.0wt%、約3.5wt%、約4.0wt%、約4.5wt%、約5.0wt%、約5.5wt%、約6.0wt%、約6.5wt%、約7.0wt%、約7.5wt%、約8.0wt%、約8.5wt%、約9.0wt%、約9.5wt%、約10.0wt%、約11.0wt%、約11.5wt%、約12.0wt%、約12.5wt%、約13.0wt%、約13.5wt%、約14.0wt%、約14.5wt%、約15.0wt%、約15.5wt%、約16.0wt%、約16.5wt%、約17.0wt%、約17.5wt%、約18.0wt%、約18.5wt%、約19.0wt%、約19.5wt%、約20.0wt%、約20.5wt%、約21.0wt%、約21.5wt%、約22.0wt%、約22.5wt%、約23.0wt%、約23.5wt%、約24.0wt%、約24.5wt%、または約25.0wt%の塩基を含み得る。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物における塩基の重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
〔g.溶剤〕
本明細書に開示されている組成物は、溶剤を含み得る。適切な溶剤には、これらに限らないが、アルコール、炭化水素、ケトン、エーテル、芳香族化合物、アミド、ニトリル、スルホキシド、エステル、グリコールエーテル、水性システム、およびこれらの組合せが含まれる。特定の実施形態において、溶剤は、水、イソプロパノール、メタノール、エタノール、2−エチルヘキサノール、重質芳香族ナフサ、トルエン、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、またはキシレンである。組成物との配合に適する代表的な極性溶剤には、水、ブライン、海水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、2−ブトキシエタノールなどの直鎖状または分岐状脂肪族が含まれる)、グリコールおよび誘導体(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテルなど)、ケトン(シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミドなどが含まれる。組成物との配合に適する代表的な非極性溶剤には、脂肪族化合物、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、ディーゼルなど;芳香族化合物、例えば、トルエン、キシレン、重質芳香族ナフサ;脂肪酸誘導体(酸、エステル、アミド)などが含まれる。
特定の実施形態において、溶剤は、ポリヒドロキシル化溶剤、ポリエーテル、アルコール、またはこれらの組合せである。特定の実施形態において、溶剤は、モノエチレングリコール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、またはこれらの組合せである。
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0から99重量パーセント、1から98重量パーセント、20から50重量パーセント、25から45重量パーセント、30から40重量パーセントの1種以上の溶剤を含み得る。特定の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、または約95重量%の1種以上の溶剤を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、または50重量%の1種以上の溶剤を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、または99重量%の1種以上の溶剤を含む。
〔h.追加の腐食防止剤〕
本明細書に開示されている組成物は、追加の腐食防止剤を含み得る。組成物に含めるのに適切な追加の腐食防止剤には、これらに限らないが、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリールアミン第4級塩;単環式または多環式芳香族アミン塩;イミダゾール誘導体;モノ−、ジ−もしくはトリアルキルまたはアルキルアリールホスフェートエステル;ヒドロキシルアミンのホスフェートエステル;ポリオールのホスフェートエステル;およびモノマーまたはオリゴマー脂肪酸が含まれる。
適切なアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキルもしくはアリールアミン第4級塩には、式[N5a6a7a8a][X]のアルキルアリール、アリールアルキルおよびアリールアミン第4級塩が含まれ、式中、R5a、R6a、R7a、およびR8aは、1から18個の炭素原子を含有し、Xは、Cl、BrまたはIである。特定の実施形態において、R5a、R6a、R7a、およびR8aは、アルキル(例えば、C〜C18アルキル)、ヒドロキシアルキル(例えば、C〜C18ヒドロキシアルキル)、およびアリールアルキル(例えば、ベンジル)からなる群からそれぞれ独立に選択される。ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルキルアリールによる単環式または多環式芳香族アミン塩には、式[N5a6a7a8a][X]の塩が含まれ、式中、R5a、R6a、R7a、およびR8aは、1から18個の炭素原子を含有し、Xは、Cl、BrまたはIである。
適切な第4級アンモニウム塩には、これらに限らないが、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラヘキシルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリエチルアンモニウムクロリド、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアルキルベンジル第4級アンモニウム化合物、モノメチルジアルキルベンジル第4級アンモニウム化合物、トリメチルベンジル第4級アンモニウム化合物、およびトリアルキルベンジル第4級アンモニウム化合物が含まれ、アルキル基は、約6から約24個の炭素原子、約10から約18個の炭素原子、または約12から16個の炭素原子を含有し得る。適切な第4級アンモニウム化合物(クアット)には、これらに限らないが、トリアルキル、ジアルキル、ジアルコキシアルキル、モノアルコキシ、ベンジル、およびイミダゾリニウム第4級アンモニウム化合物、これらの塩、など、ならびにこれらの組合せが含まれる。特定の実施形態において、第4級アンモニウム塩は、アルキルアミンベンジル第4級アンモニウム塩、ベンジルトリエタノールアミン第4級アンモニウム塩、またはベンジルジメチルアミノエタノールアミン第4級アンモニウム塩である。
特定の実施形態において、腐食防止剤は、第4級アンモニウム塩、または、次の一般式によって表されるもののようなアルキルピリジニウム第4級塩であってよく、
Figure 2017501302
式中、R9aは、アルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、前記アルキル基は、1から約18個の炭素原子を有し、Bは、Cl、BrまたはIである。これらの化合物の中には、アルキルピリジニウム塩およびアルキルピリジニウムベンジルクアットがある。例示的な化合物には、メチルピリジニウムクロリド、エチルピリジニウムクロリド、プロピルピリジニウムクロリド、ブチルピリジニウムクロリド、オクチルピリジニウムクロリド、デシルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルピリジニウムおよびアルキルベンジルピリジニウムクロリドが含まれ、好ましくは、アルキルは、C〜Cヒドロカルビル基である。特定の実施形態において、腐食防止剤は、ベンジルピリジニウムクロリドを含む。
特定の実施形態において、腐食防止剤は、ジアミン、例えば、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)などから誘導されるイミダゾリン、およびトール油脂肪酸(TOFA)のような長鎖脂肪酸であり得る。適切なイミダゾリンには、次の式のもが含まれ、
Figure 2017501302
式中、R12aおよびR13aは、独立に、C〜Cアルキル基または水素であり、R11aは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアリールアルキルであり、R10aは、C〜C20アルキルまたはC〜C20アルコキシアルキル基である。特定の実施形態において、R11a、R12aおよびR13aは、それぞれ水素であり、R10aは、トール油脂肪酸(TOFA)において典型的であるアルキル混合物である。
特定の実施形態において、腐食防止剤化合物は、次の式のイミダゾリニウム化合物であってよく、
Figure 2017501302
式中、R12aおよびR13aは、独立に、C〜Cアルキル基または水素であり、R11aおよびR14aは、独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、またはC〜Cアリールアルキルであり、R10aは、C〜C20アルキルまたはC〜C20アルコキシアルキル基である。
適切なモノ−、ジ−およびトリアルキルさらにはアルキルアリールホスフェートエステル、ならびに、モノ、ジ、およびトリエタノールアミンのホスフェートエステルは、通常、1から約18個の炭素原子を含有する。好ましいモノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェートエステル、アルキルアリールまたはアリールアルキルホスフェートエステルは、C〜C18脂肪族アルコールを五酸化リンと反応させることによって調製されるものである。ホスフェート中間体は、そのエステル基を、トリエチルホスフェートと交換し、より広い分布のアルキルホスフェートエステルを生じる。代わりに、ホスフェートエステルは、アルキルジエステルと、低分子量アルキルアルコールまたはジオールの混合物とを混合することによって製造され得る。低分子量アルキルアルコールまたはジオールは、好ましくは、CからC10のアルコールまたはジオールを含む。さらに、1つ以上の2−ヒドロキシエチル基を含有する、ポリオールのホスフェートエステルおよびそれらの塩、ならびに、ポリリン酸または五酸化リンと、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンのようなヒドロキシルアミンとを反応させることによって得られるヒドロキシルアミンホスフェートエステルが好ましい。
腐食防止剤化合物は、さらに、モノマーまたはオリゴマー脂肪酸であってもよい。好ましいのは、C14〜C22飽和および不飽和脂肪酸、さらには、1つ以上のこのような脂肪酸を重合することによって得られるダイマー、トリマー、およびオリゴマー生成物である。
腐食防止剤化合物はトリアゾールであり得る。トリアゾールは、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ブチルベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ハロ−トリルトリアゾール、ニトロ化−トリアゾールおよびこれらの組合せからなる群から選択され得る。
本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0から80重量パーセント、0から60重量パーセント、0から50重量パーセントの1種以上の追加の腐食防止剤を含み得る。特定の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、0から10重量パーセントの1種以上の追加の腐食防止剤を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の全重量に対して、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、2.5wt%、3.0wt%、3.5wt%、4.0wt%、4.5wt%、5.0wt%、5.5wt%、6.0wt%、6.5wt%、7.0wt%、7.5wt%、8.0wt%、8.5wt%、9.0wt%、9.5wt%、10.0wt%、10.5wt%、11.0wt%、11.5wt%、12.0wt%、12.5wt%、13.0wt%、13.5wt%、14.0wt%、14.5wt%、または15.0wt%の1種以上の追加の腐食防止剤を含む。各システムは、それ自体の必要条件を有し、組成物における1種以上の追加の腐食防止剤の重量パーセントは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
〔i.アスファルテン抑制剤〕
本明細書に開示されている組成物は、アスファルテン抑制剤を含み得る。適切なアスファルテン抑制剤には、これらに限らないが、脂肪族スルホン酸;アルキルアリールスルホン酸;アリールスルホネート;リグノスルホネート;アルキルフェノール/アルデヒド樹脂および類似のスルホン化樹脂;ポリオレフィンエステル;ポリオレフィンイミド;アルキル、アルキレンフェニルまたはアルキレンピリジル官能基を有するポリオレフィンエステル;ポリオレフィンアミド;アルキル、アルキレンフェニルまたはアルキレンピリジル官能基を有するポリオレフィンアミド;アルキル、アルキレンフェニルまたはアルキレンピリジル官能基を有するポリオレフィンイミド;アルケニル/ビニルピロリドンコポリマー;ポリオレフィンの無水マレイン酸またはビニルイミダゾールによるグラフトポリマー;多分岐ポリエステルアミド;ポリアルコキシル化アスファルテン;両性脂肪酸;アルキルサクシネートの塩;ソルビタンモノオレエート;およびポリイソブチレン無水コハク酸が含まれる。
〔j.パラフィン抑制剤〕
本明細書に開示されている組成物は、パラフィン抑制剤を含み得る。適切なパラフィン抑制剤には、これらに限らないが、パラフィン結晶調整剤、および分散剤/結晶調整剤の組合せが含まれる。適切なパラフィン結晶調整剤には、これらに限らないが、アルキルアクリレートコポリマー、アルキルアクリレートビニルピリジンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、分岐状ポリエチレン、ナフタレン、アントラセン、マイクロクリスタリンワックス、および/またはアスファルテンが含まれる。適切な分散剤には、これらに限らないが、ドデシルベンゼンスルホネート、オキシアルキル化アルキルフェノール、およびオキシアルキル化アルキルフェノール樹脂が含まれる。
〔k.乳化剤〕
本明細書に開示されている組成物は、乳化剤を含み得る。適切な乳化剤には、これらに限らないが、カルボン酸の塩、カルボン酸またはカルボン酸無水物とアミンとの間のアシル化反応の生成物、ならびに、糖のアルキル、アシルおよびアミド誘導体(アルキル−糖乳化剤)が含まれる。
〔l.水清澄剤〕
本明細書に開示されている組成物は、水清澄剤を含み得る。適切な水清澄剤には、これらに限らないが、無機金属塩、例えば、ミョウバン、塩化アルミニウム、およびクロルヒドロキシアルミニウム、または、有機ポリマー、例えば、アクリル酸系ポリマー、アクリルアミド系ポリマー、重合したアミン、アルカノールアミン、チオカルバメート、および、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)などのカチオンポリマーが含まれる。
〔m.エマルジョン破壊剤〕
本明細書に開示されている組成物は、エマルジョン破壊剤を含み得る。適切なエマルジョン破壊剤には、これらに限らないが、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、キシレンスルホン酸のナトリウム塩(NAXSA)、エポキシ化およびプロポキシル化化合物、陰イオン、陽イオンおよび非イオン界面活性剤、ならびに樹脂、例えば、フェノールおよびエポキシ樹脂が含まれる。
〔n.硫化水素捕捉剤〕
本明細書に開示されている組成物は、硫化水素捕捉剤を含み得る。適切な追加の硫化水素捕捉剤には、これらに限らないが、酸化剤(例えば、無機過酸化物、例えば、過酸化ナトリウム、または二酸化塩素)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドまたは(メタ)アクロレインのような、1〜10個の炭素原子の)、トリアジン(例えば、モノエタノールアミントリアジン、モノメチルアミントリアジン、および複数のアミンによるトリアジン、またはこれらの混合物)、ならびにグリオキサールが含まれる。
〔o.ガス水和物抑制剤〕
本明細書に開示されている組成物は、ガス水和物抑制剤を含み得る。適切なガス水和物抑制剤には、これらに限らないが、熱力学的水和物抑制剤(THI)、動力学的水和物抑制剤(KHI)、および抗凝集剤(AA)が含まれる。適切な熱力学的水和物抑制剤には、これらに限らないが、NaCl塩、KCl塩、CaCl塩、MgCl塩、NaBr塩、ギ酸ブライン(例えば、ギ酸カリウム)、ポリオール(例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、グルコネート、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、モノブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、および糖アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール))、メタノール、プロパノール、エタノール、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル)、ならびにアルコールのアルキルもしくは環状エステル(例えば、乳酸エチル、乳酸ブチル、安息香酸メチルエチル)が含まれる。適切な動力学的抑制剤および抗凝集剤には、これらに限らないが、ポリマーおよびコポリマー、多糖(例えば、ヒドロキシ−エチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、デンプン誘導体、およびザンサン)、ラクタム(例えば、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルラクタム)、ピロリドン(例えば、様々な分子量のポリビニルピロリドン)、界面活性剤(例えば、脂肪酸塩、エトキシル化アルコール、プロポキシル化アルコール、ソルビタンエステル、エトキシル化ソルビタンエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルエステルスルホネート、アルキル芳香族スルホネート、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン)、炭化水素系分散剤(例えば、リグノスルホネート、イミノジサクシネート、ポリアスパルテート)、アミノ酸、ならびにタンパク質が含まれる。
〔p.殺生物剤〕
本明細書に開示されている組成物は、殺生物剤を含み得る。適切な殺生物剤には、これらに限らないが、酸化性および非酸化性殺生物剤が含まれる。適切な非酸化性殺生物剤には、例えば、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、およびアクロレイン)、アミン型化合物(例えば、第4級アミン化合物およびココジアミン)、ハロゲン化化合物(例えば、ブロノポール、および2−2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA))、硫黄化合物(例えば、イソチアゾロン、カルバメート、およびメトロニダゾール)、ならびに第4級ホスホニウム塩(例えば、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート(THPS))が含まれる。適切な酸化性殺生物剤には、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウム、塩素化ヒダントイン、安定化次亜臭素酸ナトリウム、活性化臭化ナトリウム、臭素化ヒダントイン、二酸化塩素、オゾン、および過酸化物が含まれる。
〔q.pH調節剤〕
本明細書に開示されている組成物は、pH調節剤を含み得る。適切なpH調節剤には、これらに限らないが、アルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アルカリ炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、およびこれらの混合物または組合せが含まれる。例示的なpH調節剤には、NaOH、KOH、Ca(OH)、CaO、NaCO、KHCO、KCO、NaHCO、MgO、およびMg(OH)が含まれる。
〔r.界面活性剤〕
本明細書に開示されている組成物は、界面滑性剤を含み得る。適切な界面活性剤には、これらに限らないが、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、および非イオン界面活性剤が含まれる。陰イオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホネート、オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、アルキルカルボキシレートおよびアルキルエーテルカルボキシレート、ならびにアルキルおよびエトキシル化アルキルホスフェートエステル、ならびにモノおよびジアルキルスルホサクシネートおよびスルホサクシナメート)が含まれる。陽イオン界面活性剤には、アルキルトリメチル第4級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジル第4級アンモニウム塩、ジアルキルジメチル第4級アンモニウム塩、およびイミダゾリニウム塩が含まれる。非イオン界面活性剤には、アルコールアルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、エチレン、プロピレンおよびブチレンオキシドのブロックコポリマー、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、ポリアルコキシル化グリセリド、ソルビタンエステルおよびポリアルコキシル化ソルビタンエステル、ならびにアルコイルポリエチレングリコールエステルおよびジエステルが含まれる。ベタインおよびスルタン、両性界面活性剤、例えば、アルキルアンホアセテートおよびアンホジアセテート、アルキルアンホプロピオネートおよびアンホジプロピオネート、ならびにアルキルイミノジプロピオネートもまた含まれる。
特定の実施形態において、界面活性剤は、第4級アンモニウム化合物、アミンオキシド、イオン性もしくは非イオン性界面活性剤、またはこれらの任意の組合せであり得る。適切な第4級アミン化合物には、これらに限らないが、アルキルベンジルアンモニウムクロリド、ベンジルココアルキル(C12〜C18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジココアルキル(C12〜C18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ獣脂ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化獣脂アルキル)ジメチル第4級アンモニウムメチルクロリド、メチルビス(2−ヒドロキシエチル)ココアルキル(C12〜C18)第4級アンモニウムクロリド、ジメチル(2−エチル)獣脂アンモニウムメチルサルフェート、n−ドデシルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、n−オクタデシルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムサルフェート、ダイズアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、および水素化獣脂アルキル(2−エチルヘキシル)ジメチル第4級アンモニウムメチルサルフェートが含まれる。
〔s.追加成分〕
本発明に従って製造される腐食防止剤組成物は、有益な特性をもたらす、追加の機能剤または添加剤をさらに含み得る。例えば、追加の作用剤または添加剤は、pH調整剤もしくは他の中和剤、界面活性剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、可溶化剤、他の潤滑剤、緩衝剤、洗剤、清浄剤、リンス助剤組成物、2次的抗腐食剤、保存剤、バインダー、増粘剤もしくは他の粘度調節剤、処理助剤、担体、水状態調整剤、泡抑制剤もしくは泡生成剤、析出防止剤もしくはシステム、知覚向上剤(すなわち、染料、着臭剤、芳香物質)、腐食防止剤組成物との配合に適する他の作用剤もしくは添加剤、など、およびこれらの混合物からなる群から選択され得る。追加の作用剤または添加剤は、製造される特定の腐食防止剤組成物およびその意図する用途に応じて変わるであろう。
<3.使用の方法>
本発明の組成物は、表面での腐食を防止することが望ましい、どの産業においても使用され得る。組成物は、ハロゲン処理(例えば、塩素処理)またはハロゲン含有作用剤の下にある黄色金属を含めて、黄色金属の腐食を防止するために使用できる。組成物は、腐食性銅化学種の下にある軟鋼を含めて、軟鋼の腐食を防止するために使用できる。
本発明の組成物および方法は、水処理プロセスを利用できる全ての産業の適用できる。例えば、本発明の組成物を適用できる様々な種類の産業プロセスには、一般的に、原水プロセス、廃水プロセス、産業水プロセス、都市用水処理、食品および飲料プロセス、医薬プロセス、エレクトロニクス製造、公益設備の運転、パルプおよび紙プロセス、採鉱および鉱物プロセス、運輸関連プロセス、テキスタイルプロセス、めっきおよび金属加工プロセス、ランドリーおよびクリーニングプロセス、皮革およびなめしプロセス、ならびに塗装プロセスが含まれる。
特に、食品および飲料プロセスには、例えば、クリーム、低脂肪乳、チーズ、特性乳製品、タンパク質分離物の生産、ラクトースの製造、乳清、カゼイン、脂肪の分離、および塩漬けチーズからのブライン回収に関連する乳製品製造業プロセスが含まれ得る。飲料産業に関連する用途には、例えば、果汁の清澄化、濃縮または脱酸、アルコール飲料清澄化、低アルコール含有量飲料のためのアルコール除去、プロセス水;ならびに、糖精製、植物タンパク質処理、植物油生産/処理、穀粒のウェットミリング、動物処理(例えば、赤肉、卵、ゼラチン、魚および家禽)、洗い水の再利用、食品加工廃棄物などに関連する用途が含まれる。
組成物は、コンテナ、処理施設、または、食品サービスもしくは食品加工産業における設備の腐食防止に有用である。組成物は、特に低温および高温無菌包装のための、食品包装材料および設備での使用で、特別な価値を有する。組成物を使用できる加工施設の例には、ミルクライン乳製品製造業、連続醸造システム、ポンプ輸送可能な食品システムおよび飲料ラインのような食品加工ライン、用具洗い機、低温用具洗い機、食器類、ボトル洗い機、ボトル冷却器、加温器、サードシンク洗い機、タンク、バット、ライン、ポンプおよびホースのような加工設備(例えば、ミルク、チーズ、アイスクリーム、および他の乳製品を加工するための乳製品製造業加工設備)、ならびに輸送運搬手段が含まれる。組成物は、ソフトドリンク材料の製造および貯蔵のために使用される、さらに、飲料のボトル詰めまたは容器に使用される、タンク、ライン、ポンプ、および他の設備における腐食を防止するために使用できる。
組成物は、産業用設備に、またはそれにおいて、および、加熱器、冷却塔、ボイラ、レトルト水、リンス水、無菌包装洗い水などのような産業プロセスの流れにおいて使用できる。組成物は、プール、温泉、レクリエーション用人工水路およびウォータースライド、泉、などのようなレクリエーション用の水中の表面を処理するために使用できる。
組成物は、オフィス掃除および/または家事用途、食品加工設備および/またはプラント用途、ならびにランドリー用途において見出される清浄剤に接触する金属表面の腐食を防止するために使用できる。例えば、洗い機、例えば、テキスタイルを洗うためのトンネル洗い機の腐食が、本明細書に開示されている方法に従って防止され得る。
組成物は、低温食器および/または用具洗い衛生化最終リンス、便器清浄剤、およびランドリー漂白剤と組み合わせて、使用または適用できる。組成物および方法は、腐食源により清浄化および/または衛生的にされた、金属表面、例えば用具を処理するために使用できる。
本明細書に開示されている組成物および/または方法は、次亜塩素酸塩漂白剤によって引き起こされる腐食から表面を保護するために使用できる。方法は、次亜塩素酸塩溶液によって引き起こされる腐食を防止するために、次亜塩素酸塩溶液により処理される表面に、腐食防止剤組成物を提供することを含む。この方法は、本発明の腐食防止剤組成物の水用組成物を調製することを含み得る。この方法は、次亜塩素酸塩溶液との接触のせいで腐食防止を必要としている表面、例えば、硬質金属表面に接触させることを、さらに含み得る。
本発明に該当する産業水用途の例には、例えば、ボイラ水の生成、プロセス水の精製およびリサイクル/リユース、原水の軟化、冷却水ブローダウンの処理、製紙プロセスからの水の再利用、産業および自治体での使用のための海水および塩含有水の淡水化、飲用水/原水/表流水の精製(例えば、飲用水から有害微生物を排除するための膜の使用が含まれる)、軟化水の浄化、膜バイオリアクタ、採鉱および鉱物プロセス水が含まれる。
本発明の組成物および方法に関連する廃水処理用途の例には、例えば、産業排水処理、生物廃棄物処理システム、重金属汚染物質の除去、3次廃水の浄化、含油廃棄水、輸送関連プロセス(例えば、タンク車洗い水)、テキスタイル廃棄物(例えば、染料、接着剤、サイズ剤、洗毛のためのオイル、ファブリック仕上げオイル)、めっきおよび金属加工廃棄物、ランドリー、印刷、皮革およびなめし、パルプおよび紙(例えば、着色剤除去、使用済み希薄亜硫酸液の濃縮、リグニン回収、紙コーティング剤の回収)、化学品(例えば、エマルジョン、ラテックス、顔料、塗料、化学反応副生成物)、ならびに自治体廃水処理(例えば、下水、産業廃棄物)が含まれる。
本発明の産業用途の他の例には、例えば、半導体リンス水プロセス、注入水の生成、酵素生産/回収および製品配合に使用される水を含めた製薬のための水、ならびに電着塗装処理が含まれる。
本発明の組成物は、石炭に基づく発電所の用途において、腐食を防止するために使用され得る。特に、組成物は、熱電発電所に関連する冷却水用途に使用され得る。組成物は、本明細書に記載されているように、冷却液(例えば、水)を、有効量の本発明の組成物により処理することによって、腐食を防止するために使用され得る。
本発明の組成物は、オイルおよびガスの用途における腐食を防止するために使用され得る。組成物は、本明細書に記載されているように、ガスまたは液体の流れを、有効量の本発明の化合物または組成物により処理することによって、腐食を防止するために使用され得る。
特定の実施形態において、組成物は、水システム、凝縮物/オイルシステム/ガスシステム、またはこれらの組合せに使用できる。特定の実施形態において、組成物は、原油または天然ガスの生産、輸送、貯蔵、および/または分離において生成した、または使用されたガスまたは液体に適用できる。特定の実施形態において、組成物は、石炭火力プロセス、例えば、石炭火力発電所において使用される、または生成されるガスまたは液体に適用できる。特定の実施形態において、組成物は、廃水プロセス、農場、食肉処理場、ごみ投棄場、自治体廃水プラント、石炭コークス化プロセス、またはバイオ燃料プロセスで生成した、または使用されたガスまたは液体に適用できる。
組成物を導入し得る流体は、水性媒体であり得る。特定の実施形態において、水性媒体は、水、ガス、および、任意選択で、液体炭化水素を含み得る。組成物を導入し得る流体は、液体炭化水素であり得る。液体炭化水素は、これらに限らないが、原油、重質油、処理後残油、瀝青油、コーカー油、コーカーガスオイル、流動接触分解装置フィード、ガスオイル、ナフサ、流動接触分解スラリー、ディーゼル燃料、燃料オイル、ジェット機用燃料、ガソリン、および灯油を含む、どのような種類の液体炭化水素であってもよい。特定の実施形態において、流体またはガスは、精製された炭化水素生成物であり得る。
本発明の組成物により処理される流体またはガスは、選択されたどのような温度であっても、例えば、周囲温度または高温であってもよい。特定の実施形態において、流体(例えば、液体炭化水素)またはガスは、約40℃から約250℃の温度であり得る。特定の実施形態において、流体またはガスは、−50℃から約300℃、0℃から200℃、10℃から100℃、または20℃から90℃の温度であり得る。特定の実施形態において、流体またはガスは、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃の温度であり得る。特定の実施形態において、流体またはガスは、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、または100℃の温度であり得る。
本発明の組成物は、様々なレベルの含水率で、流体に添加され得る。例えば、含水率は、0%から100%体積/体積(v/v)、1%から80%v/v、1%から60%v/vであり得る。流体は、様々なレベルの塩分を含有する水性媒体であり得る。一実施形態において、流体は、0%から25%、約1%から24%、または約10%から25%重量/全溶解固体(TDS)重量(w/w)の塩分を有し得る。
本発明の組成物が導入される流体またはガスは、多くの異なる種類の装置に含有され得る、および/または曝され得る。例えば、流体またはガスは、1つの箇所から別の箇所へ流体またはガスを輸送する装置に、例えば、オイルおよび/またはガスパイプラインに、含有され得る。特定の実施形態において、装置は、オイルおよび/またはガス精製所の一部、例えば、パイプライン、分離容器、脱水ユニット、またはガスラインであり得る。流体は、オイル採収および/または生産に用いられる装置、例えば坑口装置に含有され得る、および/または曝され得る。装置は、石炭火力発電所の一部であり得る。装置は、スクラバー(例えば、湿式排煙脱硫装置、スプレードライ吸収塔、乾式吸着剤注入器、スプレー塔、接触またはバブル塔、など)であり得る。装置は冷却塔であり得る。装置は、貨物船、貯蔵容器、汚水タンク、またはタンク、容器、もしくは処理ユニットを連結するパイプラインであり得る。特定の実施形態において、流体またはガスは、水システム、凝縮物/オイルシステム/ガスシステム、またはこれらの任意の組合せに含有され得る。
本発明の組成物は、流体またはガスを通しての分散を保証する適切な何らかの方法によって、流体またはガスに導入され得る。特定の実施形態において、防止剤組成物は、腐食防止が望まれる箇所の上流の、流れラインの箇所で添加される。組成物は、化学品注入ポンプ、T字管、注入器具、アトマイザー、クイルなどのような機械的設備を用い、注入され得る。本発明の組成物は、用途および必要条件に応じて、1つ以上の追加の極性または非極性溶剤と共に、またはそれらなしに、導入され得る。特定の実施形態において、本発明の組成物は、アンビリカルラインを用い、オイルおよび/またはガスパイプラインにポンプで送られ得る。特定の実施形態において、キャピラリー注入システムが、選択された流体に組成物を送り届けるために使用され得る。特定の実施形態において、組成物は、液体に導入され、混合され得る。特定の実施形態において、組成物は、水性もしくは非水性溶液、混合物、またはスラリーとして、ガス流に注入され得る。特定の実施形態において、流体またはガスは、本発明の組成物を含む吸収塔を通過させられ得る。
腐食防止剤組成物は、米国特許第4,826,661号、米国特許第4,690,305号、米国特許第4,687,121号、米国特許第4,426,362号、ならびに再発行米国特許第32,763号、および再発行米国特許第32,818号に開示されているもののような、スプレー型ディスペンサーを用いて分配されてもよく、これらの開示は、本願に引用して援用する。スプレー型ディスペンサーは、水スプレーを、組成物の露出した表面に当てて、組成物の一部を溶解させ、次いで、直ちに、組成物を含む濃厚溶液を、ディスペンサーから、貯蔵容器に、または使用箇所へ直接、向かわせることによって機能する。
特定の実施形態において、組成物は、水に、断続的に、または連続的にのいずれかで浸漬することによって分配され得る。この場合、組成物は、例えば、制御されたまたは予め決められた速度で、溶解し得る。その速度は、本明細書に開示されている方法に従う使用で、望ましい結果を生む、溶解した作用剤の濃度を保つのに有効であることができる。
組成物は、選ばれた任意の濃度をもたらすように、流体またはガスに適用され得る。実際に、本発明の組成物は、通常、約0.01から約5,000ppmの、記載された化合物または組成物の有効処理用量をもたらすように、流れラインに添加される。特定の実施形態において、組成物は、約1百万分率(ppm)から約1,000,000ppm、約1百万分率(ppm)から約100,000ppm、または約10ppmから約75,000ppmの活性剤濃度をもたらすように、流体またはガスに適用され得る。組成物は、約100ppmから約10,000ppm、約200ppmから約8,000ppm、または約500ppmから約6,000ppmの活性剤濃度をもたらすように、流体に適用され得る。特定の実施形態において、組成物は、0.1ppm、0.5ppm、1ppm、2ppm、5ppm、10ppm、20ppm、100ppm、200ppm、500ppm、1,000ppm、5,000ppm、10,000ppm、20,000ppmの、またはより大きい活性剤濃度をもたらすように、流体またはガスに適用される。特定の実施形態において、組成物は、0.125ppm、0.25ppm、0.625ppm、1ppm、1.25ppm、2.5ppm、5ppm、10ppm、または20ppmの活性剤濃度をもたらすように、流体またはガスに適用される。各システムは、それ自体の用量レベルの必要条件を有し、腐食の速度を十分に低下させるために有効な組成物用量レベルは、それが用いられるシステムにより変わり得る。
組成物は、連続的に、バッチで、またはこれらの組合せで、適用され得る。特定の実施形態において、組成物の投入は、腐食を防ぐために、連続的であり得る。特定の実施形態において、組成物の投入は、断続的(すなわち、バッチ処理)であり得る。追加の実施形態において、組成物の投入は、腐食を防止するために、連続的/持続的および/または断続的であり得る。連続処理での投入レートは、通常、約10から約500ppm、または約10から約200ppmの範囲にある。バッチ処理での投入レートは、通常、約10から約400,000ppm、または約10から約20,000ppmの範囲にある。特定の実施形態において、組成物は、丸剤としてパイプラインに適用され、組成物の用量を高く(例えば、20,000ppm)し得る。
組成物が用いられる流れラインの流量は、0から100フィート/秒の間、または0.1から50フィート/秒の間であり得る。いくつかの場合には、組成物は、流れラインへの添加を容易にするために、水を用いて配合され得る。
<4.実施例>
前述の事は、以下の実施例を参照することによって、よりよく理解され得るが、これらは、例示の目的で記載されており、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
本発明の化合物は、高純度および良好な収率で合成された。反応の方法は、副生成物の形成を少なくして、転化率をよくするために、細かく調整された。
Figure 2017501302
本発明の化合物を調製するための一般的な反応スキームが、スキーム1に示されている。アジ化ナトリウムは、触媒としてのジメチルアミン塩酸塩と共に、ジニトリルに添加され、溶剤としてo−キシレンを用い、反応時間は2から8時間であった。反応は、従来の[2+3]機構により進み、その後、1,5−環化を経て、ジテトラゾール/トリテトラゾール生成物を与える。
実施例1
1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(BDTZ)
Figure 2017501302
還流冷却器を装備した250mlの二ツ口丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(2.86g、44mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(3.587g、44mmol)、および20mlのo−キシレンを入れ、撹拌した(1000rpmで)。70℃のこの混合物に、アジポニトリル(2.275ml、20mmol)を加えた。反応混合物を120℃で2〜4時間加熱し、薄層クロマトグラフィーを用いて、出発材料の消費を調べた。出発材料が消費されたら、反応混合物は、濃厚なペースト状混合物であったが、それを室温まで冷ました。混合物に、50mlのRO水を加え、2つの層に分かれるように十分に撹拌した。水性層を分離し、激しく撹拌しながら、10mlの(1:1)希釈塩酸水溶液により、pH1に酸性化して、純粋な生成物BDTZを得た。次いで、白色の固体を、真空濾過(1bar)によって分離し、50℃のオーブンで24時間乾燥して、3.4983gの粗生成物(90.16%の収率)を得た。1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(BDTZ):mp201.82℃;H−NMR(DMSO−d6)2.95(4H, t)および2.13(2H,q);13C NMR 155.45(br),24.87および22.23(脂肪族C);FTIR 1455(C−H),1285(N−N=N−),1108および1140(テトラゾール環)cm−1;MS +m/z,195,170,198,152および197.
実施例2
1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(HDTZ)
Figure 2017501302
還流冷却器を装備した250mlの二ツ口丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(2.86g、44mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(3.587g、44mmol)、および20mlのo−キシレンを入れ、撹拌した(1000rpmで)。70℃のこの混合物に、1,6−ジシアノヘキサン(2.855ml、20mmol)を加えた。反応混合物を120℃で4時間加熱し、薄層クロマトグラフィーを用いて、出発材料の消費を調べた。出発材料が消費されたら、反応混合物は、濃厚なペースト状混合物であったが、それを室温まで冷ました。混合物に、50mlのRO水を加え、2つの層に分かれるように十分に撹拌した。水性層を分離し、激しく撹拌しながら、10mlの(1:1)希釈塩酸水溶液により、pH1に酸性化して、純粋な生成物HDTZを得た。次いで、淡白色の固体を、真空濾過(1bar)によって分離し、50℃のオーブンで24時間乾燥して、3.8009gの粗生成物(91.36%の収率)を得た。1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(HDTZ):mp183.75℃;H−NMR(DMSO−d6)2.95(4H,t),1.65(4H,q)および1.3(4H,q);13C NMR 155.45(br),26.5,27.5(メチレンC)および22.23(脂肪族C);FTIR 1455(C−H),1285(N−N=N−),1108および1140(テトラゾール環)cm−1;MS +m/z,223,198,226,180および237.
実施例3
1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(HeDTZ)
Figure 2017501302

還流冷却器を装備した250mlの二ツ口丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(2.86g、44mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(3.587g、44mmol)、および20mlのo−キシレンを入れ、撹拌した(1000rpmで)。70℃のこの混合物に、アゼラニトリル(3.255ml、20mmol)を加えた。反応混合物を120℃で4時間加熱し、薄層クロマトグラフィーを用いて、出発材料の消費を調べた。出発材料が消費されたら、反応混合物は、濃厚なペースト状混合物であったが、それを室温まで冷ました。混合物に、50mlのRO水を加え、2つの層に分かれるように十分に撹拌した。水性層を分離し、激しく撹拌しながら、10mlの(1:1)希釈塩酸水溶液により、pH1に酸性化して、純粋な生成物HeDTZを得た。次いで、淡白色の固体を、真空濾過(1bar)によって分離し、50℃のオーブンで24時間乾燥して、3.7180gの粗生成物(83.74%の収率)を得た。1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(HeDTZ):mp144.19℃;H−NMR(DMSO−d6)2.85(4H,t),1.65(4H,q)および1.3(6H,q);13C NMR 155.45(br),26.8,27.9,28.1(メチレンC)および22.5(脂肪族C);FTIR 1455(C−H),1285(N−N=N−),1108および1140(テトラゾール環)cm−1;MS +m/z,237,212,240,194および251.
実施例4
1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(ODTZ)
Figure 2017501302
還流冷却器を装備した250mlの二ツ口丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(2.86g、44mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(3.587g、44mmol)、および20mlのo−キシレンを入れ、撹拌した(1000rpmで)。70℃のこの混合物に、セバコニトリル(3.6095ml、20mmol)を加えた。反応混合物を120℃で4時間加熱し、薄層クロマトグラフィーを用いて、出発材料の消費を調べた。出発材料が消費されたら、反応混合物は、濃厚なペースト状混合物であったが、それを室温まで冷ました。混合物に、50mlのRO水を加え、2つの層に分かれるように十分に撹拌した。水性層を分離し、激しく撹拌しながら、10mlの(1:1)希釈塩酸水溶液により、pH1に酸性化して、純粋な生成物ODTZを得た。次いで、淡白色の固体を、真空濾過(1bar)によって分離し、50℃のオーブンで24時間乾燥して、3.820gの粗生成物(81.27%の収率)を得た。1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(ODTZ):mp139.12℃;H−NMR(DMSO−d6)2.85(4H,t),1.65(4H,q)および1.25(8H,q);13C NMR 155.45(br),26.8,28.1,28.2(メチレンC)および22.5(脂肪族C);FTIR 1455(C−H),1285(N−N=N−),1108および1140(テトラゾール環)cm−1;MS +m/z,251,226,254,208,265,279および236.
実施例5
5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(TCH−TZ)
Figure 2017501302
還流冷却器を装備した250mlの二ツ口丸底フラスコに、アジ化ナトリウム(4.550g、70mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(5.707g、70mmol)、および20mlのo−キシレンを入れ、撹拌した(1000rpmで)。70℃のこの混合物に、1,3,6−トリシアノヘキサン(3.224ml、20mmol)を加えた。反応混合物を120℃で4時間加熱し、薄層クロマトグラフィーを用いて、出発材料の消費を調べた。出発材料が消費されたら、反応混合物は、濃厚なペースト状混合物であったが、それを室温まで冷ました。混合物に、50mlのRO水を加え、2つの層に分かれるように十分に撹拌した。水性層を分離し、激しく撹拌しながら、10mlの(1:1)希釈塩酸水溶液により、pH1に酸性化して、純粋な生成物TCH−TZを得た。次いで、淡白色の固体を、真空濾過(1bar)によって分離し、50℃のオーブンで24時間乾燥して、4.7810gの粗生成物(82.46%の収率)を得た。5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(TCH−TZ):mp219.62℃;13C NMR 155.45(br),22.3,24.2,30.6,32.4,33.6(メチレンC)および20.4(脂肪族C);FTIR 1455(C−H),1285(N−N=N−),1108および1140(テトラゾール環)cm−1;MS +m/z,291,253,248,238,205,150,および135.
本発明の化合物および組成物の利点を例示するために、テトラゾール系組成物が調製され、評価された。
実施例6
〔中性pHで配合〕
本発明の化合物の2%溶液の溶解性が、様々なpHで求められた。溶液は、2gのテトラゾール化合物を100mlの逆浸透(RO)水に溶解することによって調製された。調製物は10の部分に分割された。各アリコートのpHは、1Nの水酸化ナトリウムを添加することによって調整された。濁度が、濁度計により求められた。濁度の読み対pHのデータが、図1〜6にプロットされている。
データは、選択されたテトラゾール誘導体の全てが、高濃度(2%)で、6.5から14の広い範囲のpHにわたって可溶であることを示す。BDTZ溶液は、5.6のpHを超える全ての測定で透明のままであった。HDTZ、HeDTZ、ODTZ、およびTCH−TZは、6.5を超えるpHの全ての測定で透明のままであった。対照的に、トリルトリアゾール(TT)の溶解性データは、TTが、11.5を超えるpHでのみ可溶であることを示す。透明なTT溶液を得るためには、pHは、12.0に調整されるべきである;このpH領域は塩基性であり、この製品の取扱いは、開示されたテトラゾール化合物よりも高い安全性を必要とする。
中性pHでのテトラゾールの溶解性は、中性pHで、腐食防止剤組成物への、それらの配合を可能にする。これは、中性から外れたpHを必要とする製品に比べて、安全性、製品イメージ、コストおよび製造の点で、かなりの利点である。
実施例7
〔低毒性/環境に優しい代替品〕
Ecotoxモデリングソフトウェアが、魚類、無脊椎動物、および藻類における、開示されたテトラゾールに対するLC50および慢性値を推定するために用いられた。結果の正当性を立証するために、テトラゾールは、PBTプロファイラを用いてスクリーニングされ、類似の推定が得られた(但し、PBTプロファイラは慢性Ecotoxを予測する)。ECOSARは、急性(図7)と慢性(図8)値の両方を予測する。図7および8に示されるように、テトラゾールは、標準的な技術に対する、環境に優しい代替品を提供する可能性で際立っている。追加の毒物学的利点として、開示されたテトラゾールは物理的な実験の間に、Cu2+化学種(これらは水中で毒性である)に付く親和性を示した。テトラゾールとCu2+とのこの相互作用を支持するデータが下に例示されている。
BDTZテトラゾール成分を含む本発明の組成物が、ファットヘッドミノ(Pimephales promelas)の96時間最終確定毒性試験(96−Hour Definitive Toxicity Test)を用いて評価された。この試験を開始するために用いられたファットヘッドミノは、室内養殖から得られ、試験開始時に1から14日齢であった。試験生物は、試験開始の前に、100パーセントのコントロール水(適度の硬水に再構成された)に入れておかれた。96時間最終確定試験は、250mlのコントロール水または適合した試験溶液を入れた、300から500ミリリットル(mL)の使い捨てポリプロピレン容器を用いて行われた。10匹の試験生物を、各試験チャンバにランダムに導入し、1つの処置あたり2連のチャンバで行った。ファットヘッドミノ試験チャンバの各々に、24時間未満齢の生きたブラインシュリンプ幼虫(アルテミア種(Artemia sp.))の0.1mLの濃縮懸濁液を、48時間の試験期間の前の数時間、餌として与えた。
48時間の試験期間で、試験溶液は、約90%の古い溶液を、新鮮なコントロール水または適合する試験溶液に置き換えることによって、更新した。試験溶液の更新の前に、食べられていない、死んだブラインシュリンプは、他のデブリと共に、試験チャンバの底から除去した。生物の生存が、各試験チャンバにおける生きているファットヘッドミノを数えることによって、毎日、確認された。生存は、軽くつついた後の身体の何らかの動きと定義された。
試験は、16時間の明期と8時間の暗期の光周期を有する蛍光照明の下で、20±1℃の温度で行われた。水質測定は、試験開始前に全ての対照および試験溶液について、開始後は、選ばれた処置について毎日行われた。
96時間最終確定試験の終了後、可能である場合、無影響濃度(NOEC)および96時間LC50が、対応する95パーセント信頼区間と共に計算された。NOEC値は、統計的に適切な方法を用いて求められた。LC50値の推定は、次の統計的方法の1つを用いることによって決定された:図式、スピアマン−カーバー、トリムドスピアマン−カーバー、またはプロビット。試験結果を報告するために選択された方法は、データの特性、すなわち、0および100パーセント死亡率の存在または不在、ならびに0から100パーセントの間の死亡率が現れた濃度の数;によって決められた。全ての統計的分析は、CETIS(商標)バージョン1.8.5.4ソフトウェアプログラムを用いて行われた。
基準の毒物の塩化ナトリウムが、試験生物の感受性および試験手法の正確さをモニターするために用いられた。急性基準毒物試験が少なくとも月に1回行われ、結果が規定限界内にあるかどうかを判定するために、得られたLC50値がプロットされた。特定の基準毒物試験のLC50が、所定の試験生物で、平均±2×標準偏差という予想される範囲内に入らなければ、その生物の感受性および試験システムの全体としての信憑性が疑わしい。
表1は、BDTZの組成物について、毒性試験のデータのまとめおよび試験結果を示す。
Figure 2017501302
実施例8
〔塩素処理あり、またはなしでの腐食防止効能〕
HDTZ、HeDTZ、ODTZ、およびBDTZは、漂白剤の存在あり、またはなしの冷却水環境における銅の腐食を防止できるという利点を有する。漂白剤なし、およびあり(1ppmのFRC)での、ブランク(防止剤なし)、HDTZ、HeDTZ、およびODTZの腐食速度が、図9〜10に示されている。表2および図11では、全ての防止剤の平均腐食速度をまとめて示す。実験条件は、全ての腐食試験で同じようであり、各々は、5ppmの防止剤濃度を有していた。漂白剤なしでの腐食速度は、全ての防止剤で、腐食速度限界値内にある。同様に、漂白剤あり(1ppmのFRC)での腐食速度もまた、腐食速度限界値(<0.3mpy)内にあった。腐食データによれば、形成された膜が、1ppmのFRCでの漂白剤の攻撃によってさえも、腐食を防ぐ能力を有する。個々の防止剤での平均腐食速度が、漂白剤あり、およびなしで、プロットされた。
Figure 2017501302
実施例9
〔Cu2+との相互作用〕
テトラゾールは、Cu2+化学種と相互作用する強い傾向を有する。この現象は、Cu1+防止剤(例えば、トリアゾール防止剤)と互いに補足し合う配合を合成する独特の手段を提供し、その配合は、Cu1+とCu2+化学種の両方に対する腐食保護を生じ、このため、より広いORP域にわたる防止範囲をもたらすことができる。テトラゾールとCu2+の相互作用は、また、業界における他のCu1+防止剤に比べて、防止の向上を生じると思われるが、その理由は、この防止剤が、腐食に対して軟鋼を保護するという追加の利点を提供できるためである。
本明細書に開示されているテトラゾールは、軟鋼の腐食に陽性の効果を有する。HDTZの添加は、腐食速度を安定させるように見えるのに対して、HDTZなしでは、腐食速度は、規則正しく上昇する。提案された作用メカニズムは、間接的ではないかと推測されている:もっともらしい説明は、HDTZが、溶液中のCu2+を不活性化し、試験片表面でのガルバニック電池の発生を防ぎ(より低い腐食速度)、これが、時間と共に増大し得る(腐食速度の安定化)というものである。塩素処理は、軟鋼の腐食に影響を及ぼさない(図12)。
実施例10
〔大量のハロゲンでの安定性〕
大量のハロゲンでの安定性試験が、テトラゾールのBDTZ、HDTZ、およびODTZにより行われた。テトラゾールの安定性は、トリルトリアゾールと比較された。
テトラゾールの濃度は、HPLC法を用いて測定された。この研究に用いられた酸化性殺生物剤は、1)漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)、2)STABREX(登録商標)、および3)ActiBrom(登録商標)であった。試験を行う手順は次の通りである:1)合成冷却水の溶液−150ppmのCa/75ppmのMg/110ppmのMアルカリ度(全て、CaCOとして)、および、15ppmの2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)(水を安定化し、CaCOの沈殿を防ぐため)−を調製する。HSOまたはNaOHにより、望まれる通りに水のpHを調整する。漂白剤の安定性について試験する場合、pH7を用いる。2)3ppmの防止剤溶液を、上記の合成水を用い、調製する。黄褐色のボトルに100mlの防止剤溶液を取り出し、個々に殺生物剤を、2つの異なる濃度(1および5ppm)で、加える。殺生物剤の濃度は、DR2800分光光度計を用いて、DPD試験法を用い、測定された。合成水に殺生物剤を含まず、防止剤だけを含む対照をとっておく。3)ボトルに栓をし、100°F/38℃に加熱した水浴に、3時間入れる。4)十分な残留物が依然として存在することを確認するために、FRCおよびTROのレベルを、DPD試験によって、定期的に(ほぼ毎時間)調べる。残留物がなくなれば、適量のOBを試料ボトルに加える。3時間後、浴から試料を取り出し、溶液中の残留OBを減らす。これは、数滴の約5000ppmエリソルビン酸溶液により行うことができる。残留物が減ったことを、DPD試験を用い、調べる。試料が室温になったら、対照試料、および反応した試料の各々におけるテトラゾールの濃度を、HPLCを用いて求める。消費パーセントは、これらの濃度から計算できる。
消費%=([対照]−[反応した試料])/[対照]
表3は、BDTZ、HDTZ、およびODTZが、様々な酸化性殺生物剤の存在下で安定であることを示す。トリルトリアゾールは、1および5ppmのActibromの存在下に、分解を示した。テトラゾール(BDTZ、HDTZ、およびODTZ)は、Actibrom、STABREXおよび漂白剤の存在下に安定であり、例えば、酸化性殺生物剤による損失%は、<2.7%であった。
Figure 2017501302
実施例11
〔腐食防止剤組成物〕
BDTZ、HDTZ、HeDTZ、ODTZ、およびTCH−TZが、中性pHで、単一ドラム製品として配合された。配合物は、中性pHのせいで、取り扱い、輸送するのに安全である。テトラゾール化合物の最大濃度が、単一の製品配合物を調製するために用いられた。配合物は、冷却水処理プログラムと組み合わされ得る。
テトラゾール(BDTZ、HDTZ、HeDTZ、ODTZ、およびTCH−TZ)は、テトラゾールを可溶にするために、水酸化ナトリウム溶液に溶解された。テトラゾール化合物は、水性媒体に、40〜42%の濃度で調製され、それらの溶液のpHは7.00であった。表4は、単一製品配合物を調製するために添加されたテトラゾール化合物および水酸化ナトリウムの量を記載する。
Figure 2017501302
追加成分を含む腐食防止剤組成物が、表5に示されるように、配合された。テトラゾールに加えて、組成物は、水、トレーサー、スケール防止剤、分散剤、酸、および塩基を含む。
Figure 2017501302
本明細書に開示された化合物および組成物は、現在の市場の標準であるアゾール系配合物を凌ぐいくつかの利点をもたらす。特に、テトラゾール系配合物のpHは、アゾール系配合物の高い酸性pHに対して、約7である。これは、改善された環境および安全性プロファイルをもたらす。さらに、濃硫酸は、製造プロセスの間に全く必要でなく、さらに、製造業者および使用者に対する毒性が低下した製品が提供される。
他の利点には、化合物および組成物が黄色金属を保護する能力を維持すること;製品が、塩素処理の下で、黄色金属への、向上した腐食防止効果を有すること;製品が、特に塩素処理の下で、軟鋼でのガルバニック腐食(孔食)を制限すること;および、配合物の黄色金属保護成分が、現行のアゾール系配合物より低い遊離塩素要求量を示すこと;が含まれる。
絶対的な用語か、または近似的用語のいずれかで記載されたどの範囲も、両方を包含するものとし、本明細書において用いられたどの定義も、明確であろうとするものであり、限定しようとするものではない。本発明の広い範囲を規定する数値の範囲およびパラメータは、おおよその値であるが、具体的な例において記載された数値は、できるだけ正確に報告されている。しかし、どの数値も、それらの個々の試験での測定において見出される標準偏差により必然的に生じる一定の誤差を本来的に含む。さらに、本明細書に開示された全ての範囲は、それの一部分である従属範囲(全ての分数および整数を含めて)のいずれか、および全てを包含すると理解されるべきである。
さらに、本発明は、本明細書に記載された様々な実施形態のいくつかまたは全ての可能な組合せのいずれかまたは全てを包含する。本出願において挙げられた、ありとあらゆる特許、特許出願、科学論文、および他の参考文献、さらには、それらにおいて引用されているどの参考文献も、それらの全体を、本願に引用して援用する。

Claims (20)

  1. 表面での腐食を防止するための組成物であって、式(II)のテトラゾール化合物
    Figure 2017501302
    (式中、Lは、C〜C10−アルキレニルであり、前記アルキレニルは、1つ以上の適切な置換基により置換されているか、または無置換である)
    を含むことを特徴とする、組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物であって、
    Lが、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であるC〜C10−アルキレニルであり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択されることを特徴とする組成物。
  3. 請求項1に記載の組成物であって、Lが無置換のC〜C10−アルキレニルであることを特徴とする組成物。
  4. 請求項1に記載の組成物であって、Lが、1、2、または3個のテトラゾリル基により置換されたC〜C10−アルキレニルであり、前記テトラゾリル基は置換されているか、または無置換であることを特徴とする組成物。
  5. 請求項1に記載の組成物であって、前記式(II)の化合物が、
    1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」)、
    1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」)、
    1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」)、および
    5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)
    からなる群から選択されることを特徴とする組成物。
  6. 請求項1に記載の組成物であって、1つ以上の追加成分を含み、各成分は、
    溶剤、
    トレーサー、
    スケール防止剤、
    分散剤、
    酸、および
    塩基
    からなる群から独立に選択されることを特徴とする組成物。
  7. 請求項1に記載の組成物であって、約40重量%の、1つ以上の式(II)の化合物を含むことを特徴とする組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物であって、6〜12のpHを有する安定な水系組成物であることを特徴とする組成物。
  9. 請求項1に記載の組成物であって、前記表面が、軟鋼、亜鉛めっき鋼、黄銅、銅、アルミニウム、アドミラルティ黄銅、銅合金、またはこれらの任意の組合せを含むことを特徴とする組成物。
  10. 表面での腐食を防止するための組成物であって、
    テトラゾール、
    溶剤、
    トレーサー、
    スケール防止剤、
    分散剤、
    酸、および
    塩基
    を含むことを特徴とする組成物。
  11. 請求項10に記載の組成物であって、前記テトラゾールが、式(I)の化合物であり、
    Figure 2017501302
    式中、
    およびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基によりそれぞれ独立に置換されているか、または無置換であることを特徴とする組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物であって、
    が水素であり、
    が、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、前記テトラゾリルは、−F、−Cl、−NO、−CN、−OH、−NH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、−CO、および−CON(Rからなる群から独立に選択される1から3個の置換基により置換されているか、または無置換であり、式中、RおよびRは、出現する毎に、水素およびC〜Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される
    ことを特徴とする組成物。
  13. 請求項11に記載の組成物であって、
    が水素であり、
    が、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、前記テトラゾリルは無置換である
    ことを特徴とする組成物。
  14. 請求項11に記載の組成物であって、
    が水素であり、
    が、テトラゾリル−C〜C10−アルキルであり、式中、C〜C10−アルキルは、1、2、または3個の追加のテトラゾリル基により、さらに置換されている
    ことを特徴とする組成物。
  15. 請求項11に記載の組成物であって、前記式(I)の化合物が、
    1,4−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ブタン(「BDTZ」);
    5−フェニル−1H−テトラゾール(「PhTZ」);
    1,2,3,4−テトラゾール(「T」);
    5−(p−トリル)−1H−テトラゾール(「TTZ」);
    1,6−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘキサン(「HDTZ」);
    1,7−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)ヘプタン(「HeDTZ」);
    1,8−ジ(1H−テトラゾール−5−イル)オクタン(「ODTZ」);および
    5,5’,5”−(ヘキサン−1,3,6−トリイル)トリス(1H−テトラゾール)(「TCH−TZ」)
    からなる群から選択されることを特徴とする組成物。
  16. 請求項10に記載の組成物であって、前記溶剤が水であり、前記トレーサーが蛍光トレーサーであり、前記スケール防止剤がホスフィノコハク酸オリゴマー(PSO)であり、前記分散剤がHigh Stress Polymer 2分散剤であり、前記酸がリン酸であり、前記塩基が水酸化カリウムであることを特徴とする組成物。
  17. 表面での腐食を防止する方法であって、前記表面を、式(I)の化合物を含む組成物に接触させることを含み、
    Figure 2017501302
    式中、
    およびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニル、およびシクロアルキルアルキニルは、1つ以上の適切な置換基によりそれぞれ独立に置換されているか、または無置換であることを特徴とする方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記テトラゾールが、約0.1ppmから約20ppmの量で水性システムに添加されることを特徴とする方法。
  19. 請求項17に記載の方法であって、前記表面が、軟鋼、亜鉛めっき鋼、黄銅、銅、アルミニウム、アドミラルティ黄銅、銅合金、またはこれらの任意の組合せを含むことを特徴とする方法。
  20. 請求項17に記載の方法であって、冷却水システムが前記表面を含むことを特徴とする方法。
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