JP2017229121A - シンクロナスリラクタンスモータ - Google Patents

シンクロナスリラクタンスモータ Download PDF

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Abstract

【課題】出力トルクを大きくできるシンクロナスリラクタンスモータを提供する。
【解決手段】シンクロナスリラクタンスモータ1は、ステータ2と、ロータ3とを含む。ステータ2は、円環状のステータコア4と、スロットコイル5U,5V,5Wとを含む。ステータコア4は、周方向に沿って間隔を空けて配置された複数のスロット6U,6V,6Wを内周部に有しており、スロットコイル5U,5V,5Wは、スロット6U,6V,6Wに収容されている。各スロット6U,6V,6Wは、ステータ2の径方向に沿って延び、スロットコイル5U,5V,5Wが収容されるコイル収容部12と、コイル収容部12の径方向内側の端部において当該コイル収容部12と連通するスロット開口部13とを含む。コイル収容部12の周方向幅Xに対するスロット開口部13の周方向幅Mの比M/Xは、0.076以上0.85以下に設定されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、たとえば電動パワーステアリング装置に用いられるシンクロナスリラクタンスモータに関する。
電磁エネルギーの位置に対する変化によって発生するリラクタンストルクのみを利用して、ロータを回転させるリラクタンスモータが知られている。リラクタンスモータには、ステータおよびロータが磁気的な突極性を有するスイッチトリラクタンスモータ(SRM:Switched Reluctance Motor)と、ステータがブラシレスモータと同様の構造のシンクロナスリラクタンスモータ(SynRM:Synchronous Reluctance Motor)とがある。
シンクロナスリラクタンスモータは、ステータおよびロータのうち、ロータのみに磁気的な突極性を有している。シンクロナスリラクタンスモータでは、ロータの磁気的な突極性により、磁束の流れやすい突極方向(以下、「d軸方向」という)と磁束が流れにくい非突極方向(以下、「q軸方向」という)とがある。このため、d軸方向のインダクタンスとq軸方向のインダクタンスの差によりリラクタンストルクが発生し、このリラクタンストルクによってロータが回転する。
特開平11−289730号公報
シンクロナスリラクタンスモータは、永久磁石を使用せずにリラクタンストルクのみを利用してロータを回転させているため、永久磁石を使用するモータに比べて出力トルクが小さいという問題があり、少しでも出力トルクを大きくすることが必要である。
この発明の目的は、出力トルクを大きくできるシンクロナスリラクタンスモータを提供することである。
請求項1に記載の発明は、円環状のステータ(2)と、前記ステータの径方向内側に配置されたロータ(3)とを含むシンクロナスリラクタンスモータ(1)であって、前記ステータは、前記ステータの周方向に沿って間隔を空けて配置された複数のスロット(6U,6V,6W)をその内周部に有する円環状のステータコア(4)と、前記スロットに収容されたスロットコイル(5U,5V,5W)とを含み、各前記スロットは、前記ステータの径方向に沿って延び、前記スロットコイルが収容されるコイル収容部(12)と、前記コイル収容部の径方向内側の端部において当該コイル収容部と連通するスロット開口部(13)とを含み、前記コイル収容部の周方向幅(X)に対する前記スロット開口部の周方向幅(M)の比(M/X)が、0.076以上0.85以下に設定されていることを特徴とする、シンクロナスリラクタンスモータ(1)である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
請求項2に記載の発明は、各前記スロットは、前記コイル収容部と前記スロット開口部との間に位置し、これらを接続させるスロット接続部(14)を含み、前記コイル収容部と前記スロット接続部との間の角度(θ)が、90°以上130°以下に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のシンクロナスリラクタンスモータである。
請求項3に記載の発明は、前記複数のスロットは、前記周方向に沿って等間隔に配置されており、前記スロット開口部は、前記コイル収容部の周方向中央部において前記コイル収容部に連通されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシンクロナスリラクタンスモータである。
請求項4に記載の発明は、前記ステータコアは、前記周方向に互いに隣り合う前記スロット間の部分であるティース部(7)を含み、前記ティース部の周方向幅は、前記径方向内側に向かって徐々に狭まるように形成されており、当該ティース部の周方向幅の平均値(H)が前記コイル収容部の周方向幅以上の値に設定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
請求項5に記載の発明は、前記コイル収容部の周方向幅に対する前記スロット開口部の周方向幅の比が、0.2以上0.74以下に設定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータである。
請求項6に記載の発明は、出力トルク(T)が4N・m以上であり、かつトルクリップルが10%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータである。
この発明では、コイル収容部の周方向幅に対するスロット開口部の周方向幅の比が0.076以上0.85以下に設定されている。これにより、磁気利用率を良好に高めることができるから、出力トルクを大きくできる。また、磁気利用率の向上によって、トルクリップルの低減を図ることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るシンクロナスリラクタンスモータの構成を示す断面図である。 図2は、図1の一点鎖線IIにより囲まれた部分の拡大平面図である。 図3は、スロット開口部付近の拡大平面図である。 図4は、スロットの収容部の周方向幅を変化させたときの出力トルクのシミュレーション結果を示すグラフである。 図5は、ティース本体部の周方向幅の平均値を変化させたときの磁束密度のシミュレーション結果を示すグラフである。 図6は、ヨーク部の径方向幅を変化させたときの出力トルクのシミュレーション結果を示すグラフである。 図7は、スロットの収容部の周方向幅に対するスロット開口部の周方向幅の比を変化させたときの出力トルクのシミュレーション結果を示すグラフである。 図8は、図7の出力トルクのトルクリップルのシミュレーション結果を示すグラフである。 図9は、コイル収容部とスロット接続部との間の角度を変化させたときの出力トルクのシミュレーション結果を示すグラフである。 図10は、図9の出力トルクのトルクリップルのシミュレーション結果を示すグラフである。 図11は、図1のシンクロナスリラクタンスモータのロータのみを示す拡大平面図である。
以下、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシンクロナスリラクタンスモータ1の構成を示す断面図である。図2は、図1の一点鎖線IIにより囲まれた部分の拡大平面図である。図3は、後述するスロット開口部10付近の拡大平面図である。なお、図2では、説明の便宜上、後述する1つのスロット6Uのみにスロットコイル5Uが収容された状態が示されている。また、図3では、後述するスロットコイル5U,5V,5Wの図示を省略して示している。
図1を参照して、シンクロナスリラクタンスモータ1(以下、単に「モータ1」という。)は、回転磁界を発生する円環状のステータ2と、ステータ2の径方向内側に設けられ、前記回転磁界によって回転されるロータ3とを含む。以下では、ステータ2の周方向を単に「周方向」といい、ステータ2の径方向を単に「径方向」という。また、ステータ2の径方向内側の方向を示すときには単に「径方向内側」といい、ステータ2の径方向外側の方向を示すときには単に「径方向外側」という。また、ロータ3の軸方向を単に「軸方向」といい、当該軸方向から見た平面視を単に「平面視」という。
ステータ2は、円環状のステータコア4とスロットコイル5U,5V,5Wとを含む。ステータコア4は、この実施形態では、円環状の鋼板が複数枚積層されることによって構成されている。ステータコア4の内径は、この実施形態では50mm程度であり、ステータコア4の外径は、この実施形態では90mm程度である。
ステータコア4は、周方向に沿って等間隔に配置された複数(この実施形態では24個)のスロット6U,6V,6Wと、周方向に互いに隣り合うスロット6U,6V,6W間の部分である複数(この実施形態では24個)のティース部7と、これらスロット6U,6V,6Wおよびティース部7の径方向外側の部分である円環状のヨーク部8とを含む。
図2を参照して、各スロット6U,6V,6Wは、平面視において径方向に沿って延びる四角形状に形成されていると共に、いずれも同一形状および同一面積で形成されている。より具体的には、各スロット6U,6V,6Wは、スロットコイル5U,5V,5Wが収容されるコイル収容部9と、コイル収容部9の径方向内側に位置するスロット開口部10と、コイル収容部9とスロット開口部10との間に位置し、これらを接続させるスロット接続部11とを含む。
各コイル収容部9は、径方向に沿って延びる平面視四角形状(この実施形態では平面視長方形状)に形成されている。各コイル収容部9の周方向幅は、径方向に沿って略一様な値に設定されていると共に、各コイル収容部9の径方向幅は、周方向に沿って略一様な値に設定されている。
各スロット開口部10は、周方向に沿って延びる平面視四角形状(この実施形態では平面視長方形状)に形成されている。各スロット開口部10の周方向幅は、各コイル収容部9の周方向幅よりも小さい値に設定されている。各スロット開口部10の径方向外側の端部は、各コイル収容部9の周方向中央部においてスロット接続部11を介して当該コイル収容部9に連通されている。
各スロット接続部11は、コイル収容部9の径方向内側の端部と各スロット開口部10の径方向外側の端部との間を接続している。スロット接続部11は、この実施形態では、スロット開口部10からコイル収容部9に向かって周方向幅が徐々に広がるように形成されている。これにより、コイル収容部9とスロット接続部11との間に、所定の角度が設定されている。
図2を参照して、各ティース部7は、ティース本体部12と、内方端部13と、ティース接続部14とを含む。各ティース部7のティース本体部12は、周方向に隣り合うスロット6U,6V,6Wのコイル収容部9に挟まれた部分である。ティース本体部12は、径方向外側においてヨーク部8に連結された外端部12aと、径方向内側において内方端部13に連結された内端部12bとを有している。ティース本体部12の周方向幅は、この実施形態では、径方向内側から径方向外側に向けて徐々に広がるように形成されており、ティース本体部12の外端部12aの周方向幅は、ティース本体部12の内端部12bの周方向幅よりも幅広に形成されている。
各ティース部7の内方端部13は、周方向に隣り合うスロット6U,6V,6Wのスロット開口部10に挟まれた部分である。内方端部13の周方向幅は、ティース本体部12の内端部12bの周方向幅よりも幅広に形成されている。各ティース部7のティース接続部14は、周方向に隣り合うスロット6U,6V,6Wのスロット接続部11に挟まれた部分であり、ティース本体部12と内方端部13とを接続している。
図1および図2を参照して、ステータコア4には、3個の独立したスロットコイル5U,5V,5Wが巻かれている。3個の独立したスロットコイル5U,5V,5Wには、この実施形態では、U相用のスロットコイル5Uと、V相用のスロットコイル5Vと、W相用のスロットコイル5Wとが含まれる。各スロットコイル5U,5V,5Wは、この実施形態では、銅を含み、断面が四角形状の角線、より具体的には平角線によって形成されており、当該相に対応するスロット6U,6V,6Wに分布巻されている。
より具体的には、複数のスロット6U,6V,6Wには、U相用のスロットコイル5Uが分布巻されるU相用のスロット6Uと、V相用のスロットコイル5Vが分布巻されるV相用のスロット6Vと、W相用のスロットコイル5Wが分布巻されるW相用のスロット6Wとが含まれる。図1を参照して、各スロット6U,6V,6Wは、複数(この実施形態では5個)のティース部7を挟んで周方向に間隔を空けて設けられた一対のスロット6Ua,6Va,6Waを備え、当該一対のスロット6Ua,6Va,6Waが周方向に等間隔に4組配置された構成を有している。各スロットコイル5U,5V,5Wは、当該相に対応する各組の一対のスロット6U,6V,6Wに巻回された4つの巻回部5Ua,5Va,5Waを含む。
図2を参照して、1つのスロット6U,6V,6W内の構成について見ると、各スロットコイル5U,5V,5Wは、軸方向に延びるように配置され、かつ径方向に沿って一列に並んで配置された複数本の導体部15を含む。4本の導体部15は、その周囲が絶縁紙16によって一括して被覆されており、当該絶縁紙16を介してスロット6U,6V,6W内に配置されている。一列に並んで配置される導体部15の本数は、偶数本に設定されていることが好ましく、この実施形態では4本に設定されている。なお、導体部15の本数は、2本、6本、8本等のように4本以外であってもよい。
各スロットコイル5U,5V,5Wの端子間抵抗値をRとすると、当該端子間抵抗Rは、下記(1)式〜(3)式に基づいて設定される。
R=ρ・(L/Se)…(1)
Se=1/n・{(r1−r2)−(Y−Z)−W−2・D}・(X−2・D)…(2)
W=(0.5・X−0.5・M)/tan(180°−θ)…(3)
上記(1)式において、ρは、各スロットコイル5U,5V,5Wの抵抗率である。Lは、各スロットコイル5U,5V,5Wの長さである。Seは、各導体部15の断面積である。
図2および図3を参照して、上記(2)式および(3)式において、nは、コイル収容部9に収容される導体部15の本数(この実施形態ではn=4)である。r1は、ロータ3の回転中心点Pとステータ2の外縁との間の距離であって、この実施形態ではステータコア4の外径の1/2の値である。r2は、ロータ3の回転中心点Pとステータ2の内縁との間の距離であって、この実施形態ではステータコア4の内径の1/2の値である。Yは、ヨーク部8の径方向幅である。Zは、スロット開口部10の径方向幅である。Xは、コイル収容部9の周方向幅である。Mは、スロット開口部10の周方向幅である。θは、コイル収容部9とスロット接続部11との間の角度(以下、単に「開口角度」という。)である。Dは、絶縁紙16の厚さである。Wは、スロット接続部11の径方向幅である。
この実施形態では、断面が四角形状の角線(平角線)によって形成された各スロットコイル5U,5V,5Wが、当該相に対応するスロット6U,6V,6Wに分布巻されている。断面が四角形状の角線(平角線)によって形成されたスロットコイル5U,5V,5Wの場合、断面が円形状の丸線によって形成されたスロットコイル5U,5V,5Wがスロット6U,6V,6Wに同じ本数だけ巻かれた場合に比べて、スロットコイル5U,5V,5Wとスロット6U,6V,6Wと間の隙間を小さくできる。また、スロットコイル5U,5V,5Wの断面積も増加するので、スロット6U,6V,6Wの巻線抵抗の値を小さくできる。
これにより、スロットコイル5U,5V,5Wの端子間抵抗Rの低減を図りつつ、スロット6U,6V,6W内に占めるスロットコイル5U,5V,5Wの割合であるスロットコイル5U,5V,5Wの占積率を高めることができる。とりわけ、上記(1)式〜(3)式に基づいてスロットコイル5U,5V,5Wの端子間抵抗Rが設定されることにより、スロットコイル5U,5V,5Wの端子間抵抗Rを良好に低減しつつ、スロットコイル5U,5V,5Wの占積率を効果的に高めることができる。
また、スロットコイル5U,5V,5Wを分布巻とすることにより、スロットコイル5U,5V,5Wが集中巻とされている場合に比べて、巻線係数を「1」に近づけることができる。よって、スロットコイル5U,5V,5Wの端子間抵抗Rの低減、占積率の増加および巻線係数の向上によって、モータ1の出力トルクであるリラクタンストルクTを大きくすることができる。
次に、ティース本体部12の周方向幅の平均値、コイル収容部9の周方向幅Xおよびヨーク部8の径方向幅Yの関係について説明する。ティース本体部12の周方向幅の平均値をHとすると、当該ティース本体部12の周方向幅の平均値Hは、下記(4)式により表される。
H=(H1+H2)/2…(4)
上記(4)式において、H1は、ティース本体部12の外端部12aの周方向幅であり、H2は、ティース本体部12の内端部12bの周方向幅である。
ティース本体部12の周方向幅の平均値Hは、コイル収容部9の周方向幅X以上の値(X≦H)に設定されることが好ましい。この構成によれば、各ティース部7の体積を、各スロット6U,6V,6Wの容積よりも大きくすることができる。これにより、ステータコア4の体積の増加によって、当該ステータコア4の磁気抵抗を小さくできるから、磁気利用率を向上させることができる。
また、ヨーク部8の径方向幅Yは、ティース本体部12の周方向幅の平均値H以上の値(H≦Y)に設定されていてもよい。この構成によれば、ステータコア4の体積を効果的に増加させることができる。このことから、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hは、コイル収容部9の周方向幅X以上の値で、かつ、ヨーク部8の径方向幅Y以下の値(X≦H≦Y)に設定されていてもよい。
次に、図4〜図9を順に参照して、コイル収容部9の周方向幅X、ティース本体部12の幅の平均値H、ヨーク部8の径方向幅Y、スロット開口部10の径方向幅Z、スロット開口部10の周方向幅M、および開口角度θの具体的な数値について説明する。
図4は、コイル収容部9の周方向幅Xを変化させたときのリラクタンストルクTのシミュレーション結果を示すグラフである。
ここでは、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hを4.4mmとし、ヨーク部8の径方向幅Yを7.2mmとし、スロット開口部10の径方向幅Zを0.5mmとし、スロット開口部10の周方向幅Mを0.5mmとし、開口角度θを100°とした。
図4を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xが1.6mm以上3.6mm以下であれば、リラクタンストルクTは4N・m以上となる。図4を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xの増加に伴ってリラクタンストルクTが減少している。これは、コイル収容部9の周方向幅Xの増加に伴ってティース本体部12の周方向幅の平均値Hが減少することから、ステータコア4の磁気抵抗が増加するためと考えられる。よって、図4の結果から、少なくとも、コイル収容部9の周方向幅Xを1.6mm以上3.6mm以下の範囲に設定することにより、4N・m以上のリラクタンストルクTを良好に達成できることがわかる。
図5は、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hを変化させたときの磁束密度のシミュレーション結果を示すグラフである。ここにいう磁束密度とは、1つのティース部7を通過する磁束密度を意味している。
ここでは、コイル収容部9の周方向幅Xを2.6mmとし、ヨーク部8の径方向幅Yを7.2mmとし、スロット開口部10の径方向幅Zを0.5mmとし、スロット開口部10の周方向幅Mを0.5mmとし、開口角度θを100°とした。
図5を参照して、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hが4mm以上5mm以下であれば、磁束密度は1.5T以上となる。図5を参照して、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hの減少に伴って、磁束密度が増加している。とりわけ、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hが4.4未満の範囲では、磁束密度が高まり2T以上となっている。
これは、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hが減少し、かつコイル収容部9の周方向幅Xが増加するため、磁気抵抗が増加して磁気利用率が低下する結果、磁気飽和が生じたためと考えられる。したがって、磁気飽和の抑制の観点から、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hは、4.4mm以上5mm以下の範囲に設定されることが好ましいことがわかる。
図4および図5の結果から、ティース本体部12の周方向幅の平均値H(=4.4mm以上5mm以下)に対するコイル収容部9の周方向幅X(=1.6mm以上3.6mm以下)の比X/Hを0.32以上0.82以下に設定することにより、磁気飽和の発生を抑制しつつ、良好なリラクタンストルクTを達成できることがわかる。
図6は、ヨーク部8の径方向幅Yを変化させたときのリラクタンストルクTのシミュレーション結果を示すグラフである。
ここでは、コイル収容部9の周方向幅Xを1.6mm,2.6mm,3.6mmとし、スロット開口部10の径方向幅Zを0.5mmとし、スロット開口部10の周方向幅Mを0.5mmとし、開口角度θを100°とした。
図6では、第1〜第3直線L1,L2,L3が示されている。第1直線L1は、コイル収容部9の周方向幅Xが1.6mmのときの、ヨーク部8の径方向幅YとリラクタンストルクTとの関係を示している。第2直線L2は、コイル収容部9の周方向幅Xが2.6mmのときの、ヨーク部8の径方向幅YとリラクタンストルクTとの関係を示している。第3直線L3は、コイル収容部9の周方向幅Xが3.6mmのときの、ヨーク部8の径方向幅YとリラクタンストルクTとの関係を示している。
図6を参照して、ヨーク部8の径方向幅Yが6mm以上9mm以下であれば、コイル収容部9の周方向幅Xの値がいずれの場合であっても、リラクタンストルクTは3.5N・m以上となる。とりわけ、ヨーク部8の径方向幅Yが6.6mm以上9mm以下であれば、リラクタンストルクTは4N・m以上となる。
図6を参照して、ヨーク部8の径方向幅Yの増加に伴って、リラクタンストルクTが増加している。これは、ヨーク部8の径方向幅Yの増加に伴って、ステータコア4の磁気抵抗が減少することから、磁気利用率が向上したためと考えられる。また、図6を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xの増加に伴って、リラクタンストルクTが減少している。これは、前述したように、コイル収容部9の周方向幅Xの増加に伴って、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hが減少し、ステータコア4の磁気抵抗が増加したためと考えられる。
図4および図6の結果から、ティース本体部12の周方向幅の平均値H(=4.4mm以上5mm以下)に対するヨーク部8の径方向幅Y(=6mm以上9mm以下)の比Y/Hを、1.2以上2以下にすることにより、磁気飽和の抑制を良好に図りつつ、良好なリラクタンストルクTを達成できることがわかる。なお、ティース本体部12の周方向幅の平均値Hは、ヨーク部8の径方向幅Y以下の値に設定されていてもよい。したがって、ティース本体部12の周方向幅の平均値H(=4.4mm以上9mm以下)に対するヨーク部8の径方向幅Y(=6mm以上9mm以下)の比Y/Hは、1以上2以下であってもよい。
図7は、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/X(0<M/X<1)を変化させたときのリラクタンストルクTのシミュレーション結果を示すグラフである。
ここでは、コイル収容部9の周方向幅Xを2.6mmとし、ティース本体部12の幅の平均値Hを4.4mmとし、ヨーク部8の径方向幅Yを7.2mmとし、スロット開口部10の径方向幅Zを0.5mmとし、開口角度θを100°とした。
そして、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xを、0.076以上0.85以下の範囲で変化させた。より具体的には、コイル収容部9の周方向幅Xを2.6mmとして、スロット開口部10の周方向幅Mを0.2mm以上2.2mm以下の範囲で変化させた。
図7を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが、0.076以上0.85以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが0.2mm以上2.2mm以下)の範囲であれば、リラクタンストルクTは4.28N・m以上となる。とりわけ、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが、0.2以上0.74以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが0.5mm以上1.9mm以下)の範囲であれば、リラクタンストルクTは4.38N・m以上となる。
図8は、図7のリラクタンストルクTのトルクリップルのシミュレーション結果を示すグラフである。
図8を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが0.076以上0.74以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが0.2mm以上1.9mm以下)の範囲であれば、トルクリップルは10%以下となる。とりわけ、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが0.39以上0.62以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが1mm以上1.6mm以下)の範囲であれば、トルクリップルは8%以下となる。
図7を参照して、リラクタンストルクTは、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが、0または1に近づくにつれて減少し、それらの間で最大値を有していることが理解される。
コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xがほぼ0の場合では、スロット開口部10がティース部7の内方端部13によってほぼ閉塞された状態となる。そのため、隣接するティース部7同士が内方端部13によってほぼ磁気的に接続された状態となり、磁気が適切に利用されなくなる。その結果、磁気利用率が減少し、リラクタンストルクTが低下する。一方、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xがほぼ1の場合では、ティース部7に内方端部13がほぼ存在しない状態となる。そのため、ティース部7の磁気抵抗が増加する結果、磁気利用率が減少し、リラクタンストルクTが低下する。
したがって、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xは、0<M/X<1という条件の下で適切な値に設定されることにより、磁気利用率の向上によって、良好なリラクタンストルクTを実現できることがわかる。また、図8を参照して、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xが適切な値に設定されて磁気利用率が高められることにより、トルクリップルも良好に低減できることがわかる。
よって、図7および図8のシミュレーション結果から、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xは、0.2以上0.74以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが0.5mm以上1.9mm以下)の範囲に設定されることが好ましいことがわかる。この数値の範囲であれば、4.38N・m以上のリラクタンストルクTを達成しつつ、10%以下のトルクリップルを達成できる。
また、コイル収容部9の周方向幅Xに対するスロット開口部10の周方向幅Mの比M/Xは、0.39以上0.62以下(つまり、スロット開口部10の幅Mが1mm以上1.6mm以下)の範囲に設定されることがより好ましいことがわかる。この数値の範囲であれば、4.4N・m以上のリラクタンストルクTを達成しつつ、8%以下のトルクリップルを達成できる。
図9は、開口角度θを変化させたときのリラクタンストルクTのシミュレーション結果を示すグラフである。図10は、図9のリラクタンストルクTのトルクリップルのシミュレーション結果を示すグラフである。
ここでは、コイル収容部9の周方向幅Xを2.6mmとし、ティース本体部12の幅の平均値Hを4.4mmとし、ヨーク部8の径方向幅Yを7.2mmとし、スロット開口部10の径方向幅Zを0.5mmとし、スロット開口部10の周方向幅Mを0.5mmとした。
図9を参照して、開口角度θが80°以上130°以下であれば、リラクタンストルクTは4.2N・m以上となる。図9を参照して、開口角度θが90°未満となると、リラクタンストルクTが急激に低下している。これは、次のような理由により説明される。すなわち、開口角度θが90°未満に設定されると、ティース部7の内方端部13の先端がコイル収容部9側(つまり径方向外側)に向けて突出した構成となるので、内方端部13の先端とティース本体部12とが周方向において互いに対向する。そのため、内方端部13の先端とティース本体部12との間で磁束の漏れが生じる結果、磁気利用率が減少したためと考えられる。
一方、トルクリップルは、図10を参照して、開口角度θの変化に伴って大きく変動することなく、当該開口角度θの値がいずれの場合であっても、10%以下となっている。よって、図9および図10の結果から、開口角度θは、90°以上130°以下に設定されることが好ましいことがわかる。
図1を再度参照して、ロータ3の極数は、この実施形態では4極(2極対)である。ロータ3は、ロータコア20と、ロータコア20の中心部を貫通しかつロータコア20に固定された回転軸21とを含む。ロータコア20は、中心部に孔を有する円形の電磁鋼板が複数枚積層されることによって構成されている。ロータコア20の外径は、この実施形態では、49.6mm程度である。以下、図11を参照しつつ、ロータ3の具体的な構成について説明する。図11は、図1のシンクロナスリラクタンスモータ1のロータ3のみを示す拡大平面図である。
図11を参照して、ロータコア20には、外周側から回転軸21側に向かって複数層に配置され、回転軸21に向かって凸となる円弧状の複数のフラックスバリア(この例ではスリット(空気層))22からなるフラックスバリア群が、周方向に間隔をおいて極数分だけ形成されている。この例では、ロータコア20には、フラックスバリア群が、周方向に間隔をおいて4組形成されている。フラックスバリア22の層数は7である。つまり、1つのフラックスバリア群は、長さの異なる7個のフラックスバリア22から構成されている。フラックスバリア22は、スリットではなく、樹脂などの非磁性物質で形成してもよい。
以下では、平面視において、ロータコア20のうち、同じフラックスバリア群内において互いに隣接する2つのフラックスバリア22に挟まれた領域をリブ23ということにする。また、以下では、フラックスバリア群内のフラックスバリア22の周方向中央を通り、ロータコア20の径方向に延びる軸をq軸とし、隣接するフラックスバリア群の間を通り、ロータコア20の径方向に延びる軸をd軸として説明する。
フラックスバリア22は磁束の流れを妨げるものであるため、ステータコア4からの磁束のうち、隣接する2つのq軸のうちの一方のq軸から他方のq軸に向かう磁束は通りにくくなる。これに対して、フラックスバリア22間のリブ23によって、隣接する2つのd軸のうちの一方のd軸から他方のd軸に向かう磁束は通りやすくなる。
ステータ2によって回転磁界がロータ3に与えられると、モータ1からリラクタンストルクTが発生する。リラクタンストルクTは、下記(5)式で表される。
T=pn・(Ld−Lq)・Id・Iq…(5)
上記(5)式において、pnは極対数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Idはd軸電流、Iqはq軸電流である。
したがって、d軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差(Ld−Lq)を大きくすればリラクタンストルクTが大きくなる。この実施形態では、この差(Ld−Lq)を大きくするために、フラックスバリア22を設けて、q軸方向の磁路の磁気抵抗を大きくする一方、d軸方向の磁路の磁気抵抗を小さくしている。
この実施形態では、さらに、トルクリップルを小さくしながら、リラクタンストルクTを高めるために、フラックスバリア22の平面視形状を適切な形状に設定している。以下、フラックスバリア22の平面視形状について詳しく説明する。
図11を参照して、ロータ3の外周縁上の各フラックスバリア群の周方向中心点を、A,B,C,Dとする。ロータ3のうち、平面視において、A,B,C,Dを頂点とする多角形(この例では四角形)に囲まれた領域を多角形領域(この例では四角形領域)24ということにする。多角形領域24の頂点Aと頂点Bとを結ぶ辺または線分をA−B、頂点Bと頂点Cとを結ぶ辺または線分をB−C、頂点Cと頂点Dとを結ぶ辺または線分をC−D、頂点Dと頂点Aとを結ぶ辺または線分をD−Aで表す場合がある。
各フラックスバリア群における複数のフラックスバリア22は、平面視において、多角形領域24内の円弧状部分22aと、円弧状部分22aの両端部から多角形領域24外に延びた直線状部分22bとからなる。各フラックスバリア群における複数の円弧状部分22aの円弧中心は、ロータ3の外周縁上の当該フラックスバリア群の周方向中心点A,B,C,Dに設定されている。円弧状部分22aの各端部から延びる直線状部分22bは、前記多角形領域24の4辺のうち、平面視において円弧状部分22aの当該端部に近い一辺に対して垂直な方向に延びている。言い換えれば、円弧状部分22aの各端部から延びる直線状部分22bは、当該円弧状部分22aの端部から当該円弧状部分22aの接線方向に延びている。
たとえば、1つのフラックスバリア群における複数のフラックスバリア22は、平面視において、点Aを中心とする複数の円弧状部分22aと、各円弧状部分22aにおける辺A−B側の一端から辺A−Bに対して垂直に延びた直線状部分22bと、各円弧状部分22aにおける辺D−A側の一端から辺D−Aに対して垂直に延びた直線状部分22bとからなる。
各フラックスバリア群における複数のフラックスバリア22の平面視形状をこのように設定している理由について、1つのフラックスバリア群を例にとって説明する。一般的に面積Sの平面回路を磁束密度B[wb]の磁界内に置くと、面積Sの平面回路を貫く磁束Φは、下記の(6)式で表される。
Φ=B・S・sinφ …(6)
φは、平面回路の面と磁束の方向とのなす角である。
上記(6)式から、平面回路の面と磁束の方向とのなす角φが90度のときに、磁束Φは最大となることがわかる。
フラックスバリア群における複数のフラックスバリア22の平面視形状を前記のように設定すると、d軸方向に流れる磁束はリブ23の線分A−Dに沿う断面に対して垂直で通過しかつ磁束が貫くリブ23の線分A−Dに沿う断面積が最大となる。これにより、磁気利用率が高められるから、リラクタンストルクTを大きくすることができる。
また、フラックスバリア22の円弧中心を、q軸上であって、ロータ3の外周縁よりも外側に設定した場合に比べて、ロータ3の中心により近い位置まで円弧状部分22aを形成することができる。これにより、リブ23の幅を大きくできるので、d軸方向の磁路の磁気抵抗を小さくすることができる。よって、リラクタンストルクTを大きくすることができる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、スロット6U,6V,6Wの個数およびティース部7の個数が、いずれも24個であるが、36個、48個、96個等のように24個以上であってもよい。
また、前述の実施形態では、ロータ3の極数は4極(2極対)であるが、6極(3極対)、8極(4極対)等、4極以外の極数であってもよい。
また、前述の実施形態では、フラックスバリア22の層数は7であるが、フラックスバリア22の層数は5層、6層、8層、9層等のように7層以外であってもよい。
また、前述の実施形態において、スロットコイル5U,5V,5Wは、セグメント状導体によって形成されていてもよい。つまり、各相のスロットコイル5U,5V,5Wは、一対の先端部を有するU字形状のセグメント状導体を当該相に対応する4組の一対のスロット6U,6V,6Wにそれぞれ収容し、各セグメント状導体の先端部同士を所定の態様で接合して結線された構成を有していてもよい。スロットコイル5U,5V,5Wをセグメント状導体によって形成することにより、当該スロットコイル5U,5V,5Wをステータコア4に容易に取り付けることが可能となる。
また、前述の実施形態では、スロット開口部10の径方向幅Zが0.5mmである例について説明したが、スロット開口部10の径方向幅Zは、たとえば0.3mm以上1.0mm以下であってもよい。この構成では、各ティース部7の内方端部13の径方向幅も、0.3mm以上1.0mm以下となるから、当該内方端部13において磁気抵抗を低減できる。よって、磁気利用率を良好に高めることができる。
この発明は、たとえば、電動パワーステアリング装置に使用されるシンクロナスモータに適用することができるが、電動パワーステアリング装置以外に使用されるシンクロナスモータにも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。この明細書および図面から抽出される特徴を以下に示す。
項1:円環状のステータ(2)と、前記ステータの径方向内側に配置されたロータ(3)とを含むシンクロナスリラクタンスモータ(1)であって、前記ステータは、前記ステータの周方向に沿って間隔を空けて配置された複数のスロット(6U,6V,6W)をその内周部に有する円環状のステータコア(4)と、前記スロットに収容されたスロットコイル(5U,5V,5W)とを含み、前記スロットコイルは、断面が四角形状の角線によって形成されており、前記スロットに分布巻されていることを特徴とする、シンクロナスリラクタンスモータ(1)。
この構成では、断面が四角形状の角線によってスロットコイルが形成されているから、断面が円形状の丸線によってスロットコイルが形成されている場合に比べて、スロット内にスロットコイルが収容された状態において、当該スロットコイル間の隙間を小さくできる。これにより、スロット内に占めるスロットコイルの割合であるスロットコイルの占積率を増加させることができる。
また、この構成では、スロットコイルが分布巻とされているから、スロットコイルが集中巻とされている場合に比べて、巻線係数を「1」に近づけることができる。よって、スロットコイルの占積率の増加および巻線係数の向上によって、出力トルクを大きくすることができる。
項2:前記複数のスロットは、前記周方向に沿って等間隔に配置されており、前記ステータコアは、前記周方向に互いに隣り合う前記スロット間の部分であるティース部(7)を含み、前記ティース部の周方向幅は、前記径方向内側に向かって徐々に狭まるように形成されていることを特徴とする、項1に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
項3:前記ティース部の周方向幅の平均値(H)は、前記スロットの周方向幅(M,X)以上の値に設定されていることを特徴とする、項2に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
項4:前記複数のスロットは、いずれも前記ロータの軸方向から見て前記ステータの径方向に沿って延びる四角形状に形成されており、各前記スロットコイルは、各前記スロット内において前記ロータの軸方向に延び、かつ前記径方向に沿って一列に並んで配置された複数の導体部(15)を含むことを特徴とする、項1〜3のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
項5:前記ロータには、外周から中心に向かって複数層に配置され、前記中心に向かって凸となる円弧状の複数のフラックスバリア(22)からなるフラックスバリア群が、周方向に間隔をおいて極数分だけ形成されていることを特徴とする、項1〜4のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
1…シンクロナスリラクタンスモータ、2…ステータ、3…ロータ、4…ステータコア、5U,5V,5W…スロットコイル、6U,6V,6W…スロット、7…ティース部、9…スロットのコイル収容部、10…スロットのスロット開口部、15…スロットコイルの導体部、22…フラックスバリア

Claims (6)

  1. 円環状のステータと、前記ステータの径方向内側に配置されたロータとを含むシンクロナスリラクタンスモータであって、
    前記ステータは、前記ステータの周方向に沿って間隔を空けて配置された複数のスロットをその内周部に有する円環状のステータコアと、前記スロットに収容されたスロットコイルとを含み、
    各前記スロットは、前記ステータの径方向に沿って延び、前記スロットコイルが収容されるコイル収容部と、前記コイル収容部の径方向内側の端部において当該コイル収容部と連通するスロット開口部とを含み、
    前記コイル収容部の周方向幅に対する前記スロット開口部の周方向幅の比が、0.076以上0.85以下に設定されていることを特徴とする、シンクロナスリラクタンスモータ。
  2. 各前記スロットは、前記コイル収容部と前記スロット開口部との間に位置し、これらを接続させるスロット接続部を含み、
    前記コイル収容部と前記スロット接続部との間の角度が、90°以上130°以下に設定されていることを特徴とする、請求項1に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
  3. 前記複数のスロットは、前記周方向に沿って等間隔に配置されており、
    前記スロット開口部は、前記コイル収容部の周方向中央部において前記コイル収容部に連通されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
  4. 前記ステータコアは、前記周方向に互いに隣り合う前記スロット間の部分であるティース部を含み、
    前記ティース部の周方向幅は、前記径方向内側に向かって徐々に狭まるように形成されており、当該ティース部の周方向幅の平均値が前記コイル収容部の周方向幅以上の値に設定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
  5. 前記コイル収容部の周方向幅に対する前記スロット開口部の周方向幅の比が、0.2以上0.74以下に設定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
  6. 出力トルクが4N・m以上であり、かつトルクリップルが10%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
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