JP2017227836A - 表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に真贋判定可能な偽造防止に利用可能な表示体を提供する。【解決手段】可視光のサブ波長の周期で凸部及び凹部の表面に平坦部を有する凹凸構造上に金属層を形成した表示体であり、表面からの反射像の観察、表面、或いは裏面からの透過像の観察、裏面からの反射像の観察のいずれの観察方法においても異なる色彩表現を可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、偽造防止に利用可能な表示体に関する。
一般に、商品券及び小切手等の有価証券類、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカード等のカード類、並びにパスポート及び免許証等の証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有するラベル(表示体)が貼り付けられていることがある。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会問題化していることから、同様の偽造防止技術を適用する場合が増える傾向にある。
通常の印刷物とは異なる視覚効果を有している表示体としては、複数の溝を並べてなる回折格子を含んだ表示体が知られている。このような表示体には、例えば、観察条件に応じて変化する像を表示させることや、立体像を表示させることができる。また、回折格子が表現する虹色に輝く分光色は、通常の印刷技術では表現することができない。そのため、回折格子を含んだ表示体は、偽造防止対策が必要な物品に広く用いられている。
一般的な回折格子を含んだラベルは、回折構造体は透明な樹脂等で形成され、樹脂層上には、蒸着法を用いてアルミニウム等の金属又は誘電体を単層又は多層に堆積させることにより金属薄膜層を形成する。その後、このようにして得られた表示体を、例えば紙又はプラスチックフィルムからなる物品上に接着層又は粘着層を介して貼り付ける工程によって偽造防止対策が施された物品(ラベル付物品)を製造する。
さらに、偽造防止性能を向上させるため、正弦二次構造を有する数学的な関数により表現可能な形状の回折構造体上に金属薄膜を形成し、構造体の傾斜部の金属膜厚が薄くなることを利用して、構造体上の金属膜の透過率、もしくは反射率を制御し、グレースケールの表現を可能としたセキュリティーエレメントが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該セキュリティーエレメントは、反射像と透過像で異なる色彩表現が可能である。よって、例えば、このセキュリティーエレメントも透明な物品上に設け、反射像と透過像を目視で確認することにより、容易に真贋判定することが可能となる。
特許第5124272号公報
上述したようなセキュリティーエレメントにおいては次のような問題があった。すなわち、該セキュリティーエレメントにおいては、反射像と透過像で異なる色彩表現が可能であるが、正弦二次構造を有する数学的な関数により表現可能な形状の回折構造体に金属層を形成してしまうと、構造体の高さ方向での形状の対称性から、表裏での反射像の色彩を大きく変えることは困難である。また、見え方が限られており、デザイン上のバリエーションを増やすことができない。
そこで本発明の目的は、例えば、偽造防止に利用可能であり、複雑な表示が可能な表示体を提供することにある。
本発明に関わる表示体は、レリーフ構造が表面側に設けられた透明な基材であって、前記レリーフ構造はその凸部の上面及び凹部の底面にそれぞれ第1及び第2平坦面を有し、前記第1又は第2平坦面は500nm以下のピッチPで周期的に配置し、周期的に配列している前記第1又は第2平坦面の幅Wと前記ピッチPとの比W/Pは0.25〜0.75の範囲内に有り、前記第2平坦面に対する前記第1平坦面の高さHと前記ピッチPとの比H/Pは、1.0以下である基材と、前記レリーフ構造を被覆した金属層であって、前記第1及び第2平坦面上における厚さは、前記第1平坦面に対する前記第2平坦面の高さHより小さく、かつ、10nm〜200nmの範囲内に有り、前記凸部の側壁上では、前記第1平坦面から前記第2平坦面へ向けて厚さが減少している金属層を備えた。
前記レリーフ構造は、前記基材の表面に積層配置された誘電体に設けられていることが好ましい。
前記凸部又は凹部は二次元格子を構成していることが好ましい。
前記比W/Pは0.4〜0.6であることが好ましい。
前記比H/Pは、0.5以下であることが好ましい。
前記ピッチPは400nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、
レリーフ構造が表面側に設けられた透明な基材であって、前記レリーフ構造はその凸部の上面及び凹部の底面にそれぞれ第1及び第2平坦面を有し、前記第1又は第2平坦面は500nm以下のピッチPで周期的に配置し、周期的に配列している前記第1又は第2平坦面の幅Wと前記ピッチPとの比W/Pは0.25〜0.75の範囲内に有り、前記第2平坦面に対する前記第1平坦面の高さHと前記ピッチPとの比H/Pは、1.0以下である基材と、前記レリーフ構造を被覆した金属層であって、前記第1及び第2平坦面上における厚さは、前記第1平坦面に対する前記第2平坦面の高さHより小さく、かつ、10nm〜200nmの範囲内に有り、前記凸部の側壁上では、前記第1平坦面から前記第2平坦面へ向けて厚さが減少している金属層とを備え、レリーフ構造を形成した領域では、入射した光の一部波長が選択的に反射、或いは透過することに加え、レリーフ構造形成面を表面とすると、表裏で反射する光の波長選択性を変えることができる。このため、透過像、及び表裏での反射像の色彩表現が全て異なる表示体を提供することが可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る表示体が設けられたカードの平面図である。 同表示体の凹凸構造を示す平面図である。 同凹凸構造を図2におけるIII−III線で切断し矢印方向に見た断面図である。 同凹凸構造の寸法関係を示す説明図である。 同表示体の製造工程を示す平面図。 同表示体の製造工程を図5におけるVI−VI線で切断し矢印方向に見た示す断面図である。 同凹凸構造における反射・吸収・透過の原理を示す説明図である。 本発明の第二の実施形態に係る表示体の凹凸構造を示す平面図である。 同凹凸構造を図8におけるIX−IX線で切断し矢印方向に見た断面図である。 同凹凸構造における反射・吸収・透過の原理を示す説明図である。 同表示体の製造工程を示す平面図。 同表示体の製造工程を図11におけるXII−XII線で切断し矢印方向に見た示す断面図である。 表示体の実施例における反射率/透過率分光スペクトルである。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明において入射光の波長領域は限定されるものではないが、以下の実施形態では、入射光として肉眼で認識可能な可視波長領域(波長:400nm〜800nm)を含む自然光を対象とする。
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る表示体10の一例を示した平面図、図2は表示体10の凹凸構造(レリーフ構造)110を示す平面図、図3は凹凸構造110を図2におけるIII−III線で切断し矢印方向に見た断面図、図4は凹凸構造110の寸法関係を示す説明図である。
表示体10は、入射光(可視光)に対して透過可能な誘電体材料(例えば、合成石英)で形成された基材100を備えている。基材100の表面の一部には、周期性を有する回折格子構造からなる凹凸構造110と、凹凸が設けられず平坦である平坦構造180が形成されている。凹凸構造110は図1中においてアルファベット「A」に相当する領域に形成された場合を示している。
凹凸構造110は、凸部120及び凹部130が形成されており、これらは六方格子配列を形成している。ここで凸部120が設けられている周期を構造周期(凹凸周期)Pとする。この構造周期Pの設定については後述する。
凸部120の少なくとも一部には基材100の表面と平行である平坦部(第1平坦面)121が形成されている。また、凹部130の少なくとも一部には基材100の表面と平行である平坦部(第2平坦面)131が形成されている。凸部120の平坦部121には、金属層140が積層配置されている。凹部130の平坦部131には、金属層150が積層配置されている。なお、後述するプラズモン現象を効果的に利用するためには、金属層140と金属層150とは絶縁されていることが好ましい。
金属層140,150を構成する材料としては、後述するプラズモン現象を効果的に利用するためには、入射光の波長における複素誘電率の実部が負の値である材料が好ましい。可視波長領域においては、例えばアルミ(Al)や銀(Ag)、金(Au)、インジウム(In)、タンタル(Ta)等が適用可能となる。但し、それ以外の入射する光を反射する金属材料を適用した場合でも本発明の効果の一部は得ることができる。金属層140,150は、例えば真空蒸着法により形成される。
凸部120が設けられる構造周期Pは、作用させたい光の波長よりも小さいサブ波長周期とする。具体的には、400nm以下とすることで、可視光を対象とした場合の一次回折光による反射光の発生を防ぐことが可能となる。さらに、金属層140,150を構成する材料として、可視波長領域における複素誘電率の実部が負の値である、例えばAlを適用する場合、プラズモン共鳴現象を利用することができる。以下では金属層としてAlを適用した場合を例として説明する。
図2及び図3に示す凹凸構造110上にAlを蒸着した場合、金属層140は島状に、金属層150は海状に形成される。構造周期Pがサブ波長周期であることから、表示体10表面が空気と接している場合、入射する光に対して表示体10は表面から、空気および金属層140で平均化された層、空気および凸部120で平均化された層、凸部120および金属層150で平均化された層が順次形成された構造に近似される。平均化された各層の屈折率が異なることから界面におけるフレネル反射が発生するが、Alのサブ波長周期構造が形成されていることからプラズモン共鳴現象が発生し、入射光の一部の波長領域はプラズモン共鳴により消費される。さらに、プラズモン共鳴現象により入射光の一部の波長領域は表示体10を透過する。
図2及び図3に示す凹凸構造110を、例えば合成石英により形成した場合、可視波長領域における屈折率の値は、Al<空気<合成石英の順で大きくなる。例えば、凸部120の幅Wpと構造周期Pとの比Wp/Pを0.5とした場合、金属層140は島状であるため、空気およびAlからなる金属層140で平均化された層は空気の屈折率が支配的となる。金属層150は海状であるため、合成石英からなる凸部120とAlからなる金属層150で平均化された層はAlの屈折率が支配的となる。
従って、表示体10の表面側から光を入射した場合の、空気と、空気およびAlからなる金属層140で平均化された層の界面におけるフレネル反射よりも、表示体10の裏面側から光を入射した場合の、合成石英と、合成石英からなる凸部120とAlからなる金属層150で平均化された層の界面におけるフレネル反射は大きい。さらに、プラズモン共鳴現象により構造周期Pに依存して特定の波長領域の光が吸収されるため、表示体10の裏面側から光を入射した場合の反射光は波長選択性を有する。一方、表示体10の裏面側から光を入射した場合は、空気と、空気およびAlからなる金属層140で平均化された層の界面におけるフレネル反射が小さいことに加え、プラズモン共鳴現象により入射光の一部の波長領域は表示体10を透過するため、反射強度は弱くなる。よって、表示体10の裏面側から光を入射した場合の反射率が十分に大きければ、表示体10を表面から観察すると、表面からの観察像は黒色に近く、裏面からの観察像はカラーであり、光源を介しての透過像は、裏面観察像とは異なるカラーで視認される。
金属層140,150の膜厚T1,T2は表示体10に光を照射した際の透過/反射強度に影響する。金属層140,150の膜厚T1,T2の値が過度に小さい場合は、表示体10を透過する成分が支配的となるため、反射像による表裏判別を行うためには観察面の反対側から入射する光を遮断するなどの工夫が必要となる。また、可視波長領域全体の反射率が低下することにより、プラズモン共鳴現象による表示体10裏面側の波長選択性が低下することも懸念される。以上を鑑みて金属層140,150の膜厚T1,T2の値は10nm以上が好ましい。
(第二の実施形態)
凹凸構造110に金属層140,150を例えば真空蒸着法により形成した場合、蒸着源より飛来した粒子は一定範囲の角度分布を持って凹凸構造110に付着する。そのため、図4に示すように凸部120上に形成される金属層140は、角は丸まり、かつ、金属層140の幅W1は凸部120における上面の幅Wpよりも大きくなる。
金属粒子の堆積が進むにつれ、相隣接する凸部120上に形成された金属層140同士のギャップは小さくなるため、射影効果により凹部130に堆積する金属層150の形状としては、上底の幅が下底の幅よりも小さくなり、凹部130の平坦部131上に形成された金属層150の膜厚の平均値が、凹部130の平坦部上に形成された金属層150の膜厚の平均値よりも小さくなり、さらに構造周期Pが十分に小さい場合には、上底が無い(上端が線状あるいは点状)突起構造となる。
このように、金属層の膜厚は、凸部120の側壁上では、平坦部から平坦部へ向けて厚さが減少している状態となる。構造周期Pがサブ波長周期であるため、平均化される層の厚さ方向での屈折率変化がより連続的となり、その結果基材100の表面側からの入射光Kに対して、反射防止効果が新たに付与される。よって、金属層140、150に可視波長領域の光を反射する金属材料を適用することにより、表面から観察した表示体10は黒色に近い色で視認される。
凹部130の線幅Wrと凸部の線幅Wpの比率が最も1に近くなる断面(III−III線)において、凹部130の平坦部131上に形成された金属層150の膜厚T2の平均値が、凸部120の平坦部121上に形成された金属層140の膜厚T1の平均値未満である。
また、金属層140,150の膜厚T1,T2は、凹凸構造110の構造高さHよりも小さく設定されている。構造高さHが膜厚T1,T2よりも小さい場合、凹凸構造110が金属層140,150によって埋没してしまうため、透過率は減少する。従って、構造高さHは膜厚T1,T2よりも大きいことが好ましい。さらに、膜厚T1,T2を過度に大きくしてしまうと、例えば相隣接する凸部120上に形成された金属層140のギャップが消えてしまい、透過率は下がる。十分な透過率が得られるためにより好ましい膜厚T1,T2は100nm以下である。金属層140,150の膜厚T1,T2が100nmより大きくても本発明の効果の一部は得ることができるが、凹凸構造110を形成した領域の透過率が1%以下となると、透過像の視認が困難となる。例えば金属層140,150にAlを適用する場合は、T1,T2が200nm以下であることが好ましい。
構造高さHと凹凸周期Pとの比H/Pは、1.0より小さく設定することが好ましく、0.5より小さいことがより好ましい。H/Pが1.0以上であると凹部130が製造工程において形成しにくいためである。
凸部120の幅Wpと構造周期Pとの比Wp/Pは、0.25以上0.75以下の範囲に設定することが好ましく、0.4以上0.6以下の範囲に設定されていることがより好ましく、0.5に設定することがさらに好ましい。Wp/Pが0.25未満であると凸部120又は凹部130の平坦部面積が少なくなることから反射率が低くなり、結果として透過率が上がるためである。また、0.75を超えると製造工程において凹部130に金属層150を付着させることが困難であるためである。
なお、図1で示した平坦構造180(凹凸構造110が形成されていない領域)には図示しない金属層190が設けられている。この金属層190の膜厚Tは、可視波長領域の光の透過率が反射率を下回る厚さであることが好ましい。例えば30nm以上が好ましいが、30nm以下でも良い。
以上から、本発明の実施形態として好適な構造周期P、構造高さH、金属膜厚T1、T2の組み合わせの例としては、P=320nm、H=150nm、T1=100nm、T2=100nmであり、或いはP=240nm、H=100nm、T1=50nm、T2=50nmであることが好適である。
次に、このように構成された表示体10の製造工程について説明する。なお、図5は表示体10の製造工程を示す平面図、図6は表示体10の製造工程を図5におけるVI−VI線で切断し矢印方向に見た断面図である。
基材100の表面に例えば光、或いは荷電粒子線を用いたリソグラフィ、またはナノインプリント、及びプラズマエッチング等の既知の加工技術を用いて、凹凸構造110を形成する。続いて、基材100上に、例えば真空蒸着法等の既知の技術を用いて凹凸構造110上に金属層140,150、平坦構造180上に金属層190を形成する。
なお、凹凸構造110と金属層140,150がサブ波長の凹凸構造であるため、例えば真空蒸着法によって形成した金属層140,150の膜厚T1,T2が凹凸構造110の高さHよりも小さい場合、凸部120の上端では一部金属粒子が側壁に回り込み付着するが、凹凸構造110の側壁の一部には金属材料が付着していないか、もしくは膜厚T1,T2と比較して極めて小さい膜厚の金属材料が付着することとなる。
このように構成された表示体10においては、次のような効果が得られる。なお、図7は凹凸構造110における反射・吸収・透過の原理を示す説明図である。
表示体10は、表面側(凹凸構造110が設けられている側)から観察した場合は、黒く見える。逆に裏面側(凹凸構造110が設けられていない側)から観察した場合は、黒以外の色彩(カラー)が見える。これは、次のような原理によって生じる。ここで、表示体10の表面側からの入射光をK、裏面側からの入射光をLとする。
裏面から見ると、裏面全面は金属層140,150,190からなる平坦面と近似できるため、大部分の入射光Lは反射される。この時、構造周期Pが入射波長より短いため、波長の一部がプラズモン共鳴により吸収される。プラズモン共鳴は、金属層140,150,190を構成する材料として、アルミ(Al)や銀(Ag)、金(Au)等の自由電子密度が高い金属材料が用いられているため、電磁波と自由電子の振動が結合する現象である。そして、プラズモン共鳴で吸収されなかった波長のみ反射されることにより、反射前後で波長が変化したためカラーとなる。
プラズモン共鳴現象による反射光、もしくは吸収は波長選択性に優れており、彩度の高い発色となる。波長を決める要因としては、構造周期P、金属配列の型(ドット、或いはホール配列)、凹凸の比率等が挙げられる。
上述したように、裏面側からの入射光Lは裏面側で反射されるか吸収されることから、表面側へは透過されない。
これに対し、表面側では、金属膜の厚さによりモスアイ現象(厚いとき)もしくはプラズモン異常透過現象(薄いとき)が起こり、入射光Kが吸収される(反射されない)。したがって、裏面側からの透過も無く、表面側における反射も無いため黒く見える。
また、上述したように、金属層の膜厚は、凸部120の側壁上では、平坦部から平坦部へ向けて厚さが減少している状態であることから、金属層の屈折率を連続的に変化させることができ、反射防止効果がさらに付与される。
以上により得られた表示体10は、自然光の下での観察により、表面からの反射像の観察、表面、或いは裏面からの透過像の観察、裏面からの反射像の観察のいずれの観察方法においても異なる色彩表現が可能となる。したがって、表示体10についての表面・裏面の色彩表現を予め知っていれば、容易に真贋判定が可能となる。このような表示体10を、有価証券やカード、証明書類、その他の物品に貼りあわせる、または組み合わせることによって、従来の物品に高い偽造防止効果を付与することが可能となる。
なお、上述した表示体10では、凹凸構造110を六方格子配列としたが、正方格子配列でもよく、或いは一次元格子構造でも良い。また、図2に示す二次元格子構造は、凸部が格子状に配列されたドット配列型の構造であるが、凹部が格子状に配列されたホール配列型の構造としても良い。二次元格子構造の配列周期については横方向と縦方向で同じでも良いが、異なっても良い。
凹凸構造110の縦断面の形状を矩形としたが、側壁角度が基材100に対して垂直ではない台形でも良い。角は丸まっていても良いが、凹部、凸部それぞれに平坦部が存在することが好ましい。
また、凹凸構造110は必ずしも周期構造でなくても良いが、周期構造ではない場合、裏面で反射する色彩が鈍くなる性質を有している。
(第二の実施形態)
図8は本発明の第二の実施形態に係る表示体10Aの凹凸構造210を示す平面図、図9は凹凸構造210を図8におけるIX−IX線で切断し矢印方向に見た断面図、図10は凹凸構造210における反射・吸収・透過の原理を示す説明図である。なお、これらの図において図1〜図7と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
表示体10Aは、入射光(可視光)に対して透過可能な誘電体材料(例えば、合成石英)で形成された基材100を備えている。基材100の表面には可視波長領域の光を透過する誘電体材料により構成される誘電体層101が積層配置されている。表示体10は、基材100の表面の一部には、周期性を有する回折格子構造からなる凹凸構造210と、凹凸が設けられず平坦である平坦構造が形成されている。
凹凸構造210は、凸部220及び凹部230が形成されており、これらは六方格子配列を形成している。凸部220の少なくとも一部には基材100の表面と平行である平坦部221が形成されている。また、凹部230の少なくとも一部には基材100の表面と平行である平坦部231が形成されている。凸部220の平坦部221には、金属層240が積層配置されている。凹部230の平坦部231には、金属層250が積層配置されている。なお、金属層240と金属層250とは絶縁されている。凹凸構造210の配列、周期、構造高さは、前述した第一の実施形態における凹凸構造110と同じで良い。
このような表示体10Aは次のようにして形成する。図11は表示体10Aの製造工程を示す平面図、図12は表示体の製造工程を図11におけるXII−XII線で切断し矢印方向に見た示す断面図である。
凹凸構造210を形成するためには、光、或いは熱ナノインプリント等の公知の技術が適用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタラートからなる基材に紫外線硬化性樹脂を塗工し、表面に凹凸構造210の凹凸反転構造が形成された合成石英モールドの表面を、紫外線硬化樹脂にプレスして紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、基材100と、モールドを離型すれば良い。紫外線硬化樹脂の代わりに、熱硬化性樹脂、或いは熱可塑性樹脂を用いて、モールドとのプレス、及び加熱、或いは冷却し、基材100と、前記モールドを離型しても良い。
誘電体層101が形成された基材100表面に、例えば真空蒸着法等の公知の技術を用いて金属層240,250を形成する。金属層240,250を構成する材料、膜厚については第一の実施形態における金属層140,150と同じで良い。
以上により、例えば光、或いは熱ナノインプリント法による、大量生産に好適な手法を適用して、自然光の下での観察により、表面からの反射像の観察、表面、或いは裏面からの透過像の観察、裏面からの反射像の観察のいずれの観察方法においても異なる色彩表現を可能とする表示体を得ることができる。但し、誘電体層101を構成する材料の屈折率により、波長選択性が変化するため、所望の発色に対して適宜材料を選択することが好ましい。
また、本発明の表示体の構造を保護するために、金属層240,250の上に保護層を設けてもよい。但し、保護層を構成する材料の屈折率により、波長選択性が変化するため、所望の発色に対して適宜材料を選択することが好ましい。
最初に、紫外線ナノインプリント用のモールドを用意した。具体的には、合成石英基板表面に、Crをスパッタリングにより膜厚10nm成膜し、電子線リソグラフィにより電子線レジストパターンを形成した。使用した電子線レジストはポジ型であり、膜厚は150nmとした。電子線により描画したパターンは、XY座標系において、一辺1cmの正方形領域内に、一辺160nmの正方形を、X座標、Y座標共に周期320nmの六方格子配列となる座標に配置したパターンであり、電子線を描画した領域は前記正方形の内側領域である。塩素と酸素との混合ガスに高周波を印加して発生したプラズマにより、表面が露出した領域のCrをエッチング除去した。続いて六弗化エタンガスに高周波を印加して発生したプラズマにより表面が露出した領域の石英をエッチングした。該工程によりエッチングした石英深さは150nmであった。残存したレジスト、及びCr膜を除去し、離型剤を塗布して紫外線ナノインプリント用モールドを得た。
次に、前記ナノインプリントモールド表面の、パターン形成領域(凹凸構造形成領域)周辺に、紫外線硬化性樹脂を滴下し、片面に易接着処理を施したポリエチレンテレフタラートフィルム103の易接着面を前記ナノインプリントモールド表面に密着させ、ローラーを用いて前記紫外線硬化性樹脂をパターン形成領域前面に延ばし、前記ポリエチレンテレフタラートフィルム裏面側から紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化し、前記ポリエチレンテレフタラートフィルムを前記ナノインプリントモールドから離型し、紫外線硬化性樹脂パターン33が形成されたポリエチレンテレフタラートフィルムを得た。
続いて、紫外線硬化性樹脂パターンが形成されたポリエチレンテレフタラートフィルム表面に、真空蒸着法を用いてAl膜23を100nm成膜し、表示体10Aを得た。
パターン未形成領域(平坦構造領域)については、Alの金属反射が観察された。一方、パターン形成領域に対して、表面側の反射率、裏面側の反射率、透過率の分光観察を行った結果、図13に示すスペクトルが得られ、ポリエチレンテレフタラートフィルム表面側の反射、裏面側の反射、透過ともにピーク波長が異なる表示体を得た。
本発明の表示体は、意匠性の高い表示物に利用可能である。特に、容易に真贋判定可能な偽造防止に好適に利用が期待される。
10…表示体、100…基材、110…凹凸構造、120…凸部、121…平坦部、130…凹部、131…平坦部、140…金属層、150…金属層、180…平坦構造、10A…表示体、101…誘電体層、210…凹凸構造、220…凸部、221…平坦部、230…凹部、231…平坦部、240…金属層、250…金属層、280…平坦構造。

Claims (6)

  1. レリーフ構造が表面側に設けられた透明な基材であって、前記レリーフ構造はその凸部の上面及び凹部の底面にそれぞれ第1及び第2平坦面を有し、前記第1又は第2平坦面は500nm以下のピッチPで周期的に配置し、周期的に配列している前記第1又は第2平坦面の幅Wと前記ピッチPとの比W/Pは0.25〜0.75の範囲内に有り、前記第2平坦面に対する前記第1平坦面の高さHと前記ピッチPとの比H/Pは、1.0以下である基材と、
    前記レリーフ構造を被覆した金属層であって、前記第1及び第2平坦面上における厚さは、前記第1平坦面に対する前記第2平坦面の高さHより小さく、かつ、10nm〜200nmの範囲内に有り、前記凸部の側壁上では、前記第1平坦面から前記第2平坦面へ向けて厚さが減少している金属層と
    を備えた表示体。
  2. 前記レリーフ構造は、前記基材の表面に積層配置された誘電体に設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 前記凸部又は凹部は二次元格子を構成している請求項1又は請求項2記載の表示体。
  4. 前記比W/Pは0.4〜0.6である請求項1から請求項3いずれか記載の表示体。
  5. 前記比H/Pは、0.5以下である請求項1から請求項4いずれか記載の表示体。
  6. 前記ピッチPは400nm以下である請求項1から請求項5いずれか記載の表示体。
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