JP2017226755A - 導電層転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便かつ安定的に導電層を形成することのできる新たな技術的手段を提供すること。
【解決手段】本発明により、剥離基材10と、剥離基材10上に配置され、導電性粉末とアクリル系樹脂と有機溶剤とを含み、剥離基材10から剥離可能な導電性粘着層20とを備え、導電性粘着層20を剥離基材10から剥離させ被着体上に密着させて700℃以上の温度で焼成した際に、上記被着体上に導電層が形成されるように構成されている導電層転写シート1が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電層転写シートに関する。詳しくは、高温域で使用される装置(例えばSOFCやSOFCのスタック)を構築する際に好適に使用することができる導電層転写シートに関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell、以下、単に「SOFC」ということがある。)の単セルは、多孔質構造の燃料極(アノード)と、酸化物イオン伝導体を含む緻密な固体電解質と、多孔質構造の空気極(カソード)とが積層された構成を有する。SOFCは、出力密度や発電効率を向上する観点から、実用的には複数個の単セルを電気的に接続したSOFCのスタックまたはバンドル等として使用されることが多い。
これに関連する技術として、例えば特許文献1には、金属インターコネクタを介して平板型の固体酸化物形燃料電池の単セルを複数個接続したSOFCのスタックが開示されている。このSOFCのスタックは、金属インターコネクタと単セルのカソードとの間に、導電性酸化物粉末とガラスフリットとを含んだ導電性ペーストを有している。
特開2006−190593号公報
一般に、SOFCの構成部材上(例えばカソード上)に設けられる集電部や、SOFCの複数の構成部材間を電気的・物理的に接続する導通部(例えばカソードとインターコネクタとの導通部)は、導電性ペーストを印刷法で塗布し、焼成することにより形成される。しかしながら、かかる方法では、部材の表面がウエットな状態になる。そのため、例えば単セルを積層する際等には部材同士が滑り易くなり、部材間の位置関係がずれてしまうことがあった。また、集電部や導通部を、例えば曲面や水平でない面、あるいは複雑な凹凸形状(例えば多孔質形状)の面等に形成する場合は、印刷法の適用が困難である。このため従来、刷毛やディスペンサー等を用いて当該面に導電性ペーストを塗布していた。しかしながら、かかる方法では、例えば凹形状の部位に局所的な液だまりが生じる等して導電性ペーストの塗布量が不均質になり易く、均質な厚みの導電層を安定して形成することが難しい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便かつ安定的に均質な厚みの導電層を形成することのできる新たな技術的手段を提供することにある。また、関連する他の目的は、かかる新たな技術的手段を用いて作成された装置(例えばSOFCやSOFCのスタック)を提供することにある。
本発明者は、従来使用されている導電性ペーストを予めシート形状に成形しておき、これを被着体上(例えばSOFCのカソードやインターコネクタ上)に転写することによって、集電部や導通部を作成しようと考えた。そして、更なる鋭意検討を重ねて、本願発明を完成させた。
ここに開示される導電層転写シートは、剥離基材と、上記剥離基材上に配置され、上記剥離基材から剥離可能な導電性粘着層と、を備える。上記導電性粘着層は、導電性粉末と、アクリル系樹脂と、有機溶剤とを含む。かかる導電層転写シートは、上記導電性粘着層を上記剥離基材から剥離させ被着体上に密着させて700℃以上の温度で焼成した際に、上記被着体上に導電層が形成されるように構成されている。
上記導電層転写シートの導電性粘着層は、剥離基材から剥離させ、被着体に密着された状態で焼成される。焼成時には導電性粘着層のアクリル系樹脂が燃え抜け、導電性粒子間で電気的にコンタクトがとれるようになる。これによって、被着体上に導電性粘着層が焼き付けられ、導電層を形成することができる。かかる導電層転写シートを用いることで、例えば単セルを積層する際等に、従来の導電性ペーストを塗布する方法に比べて積層する部材同士が滑り難くなり、作業性を向上することができる。そのため、作業に習熟していない作業者であっても、部材間の位置ずれ等の問題が生じ難くなり、導電層を簡便に形成することができる。また、上記導電層転写シートを用いることで、例えば曲面や水平でない面、あるいは複雑な凹凸形状等の面にも、安定的に均質な導電層を形成することができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粉末の体積Vcに対する上記アクリル系樹脂の体積Vaの比(Va/Vc)が、0.45以上1.22以下である。これにより、剥離基材からの剥離容易性と、被着体に対する密着性とを高いレベルでバランスすることができる。また、焼成後の導電層の電気的特性を向上することができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粉末の体積Vcに対する上記有機溶剤の体積Voの比(Vo/Vc)が、0.11以上0.19以下である。これにより、導電性粘着層の柔軟性・伸縮性と形状保持性とを高いレベルでバランスすることができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、上記導電性粉末の割合が37体積%以上63体積%以下である。これにより、焼成後の導電層の電気的特性を一層向上することができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、上記アクリル系樹脂の割合が28体積%以上50体積%以下である。これにより、剥離基材からの剥離容易性と、被着体に対する密着性とを高いレベルでバランスすることができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、上記有機溶剤の割合が5体積%以上8体積%以下である。これにより、積層する部材同士が滑ったりずれたりすることを好適に抑制することができる。また、導電性粘着層の柔軟性・伸縮性と形状保持性とを高いレベルでバランスすることができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粘着層の上記被着体に対する引きはがし粘着力(JIS Z 0237(2009年)に基づく180°剥離。以下同じ。)が、上記導電性粘着層の上記剥離基材に対する上記引きはがし粘着力よりも大きい。これにより、剥離基材からの剥離容易性を高めると共に、被着体との密着性を向上することができる。したがって、剥離基材から被着体へと導電性粘着層を一層安定的に転写することができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粉末が導電性酸化物粉末を含み、上記導電層が500℃以上の温度環境下で導電性を有する。上記導電層では700℃以上で導電性酸化物粉末が焼き締められている。このことにより、上記導電層は、例えば室温〜800℃を超える幅広い温度域で高い導電性を発揮することができる。高温域で使用される装置、なかでも、SOFCやSOFCのスタックでは、当該装置の稼働温度域において導電層が導電性を示すことが求められる。このため、かかる用途では本発明の適用が特に好ましい。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記導電性粘着層の平均厚みが1000μm以下である。これにより、積層する部材同士が滑ったりずれたりすることを高いレベルで抑制することができる。
ここに開示される導電層転写シートの好適な一態様では、上記被着体がセラミック部材または金属部材である。
また、ここに開示される導電層転写シートは、異種部材間の電気的・物理的な接合、例えばセラミック部材と金属部材との接合にも好適に用いることができる。上記導電層転写シートを用いて形成された接合部は、導電性ペーストを用いて形成された接合部と比べて均質で、例えば接合部の厚みが均等であり得る。そのため、長期にわたって安定的に高い気密性を維持することができる。
ここに開示される導電層転写シートは、高温作動型の装置、例えば、SOFCのセルまたは上記セルが複数個電気的に接続されてなるSOFCのスタックを作製するために好適に用いることができる。つまり、上記導電層転写シートを用いて形成された導電層は、導電性ペーストを用いて形成された導電層と比べて均質で、例えば厚みが均等であり得る。そのため、例えば高温域で使用したり常温域〜高温域でヒートサイクルを繰り返したりした場合であっても熱応力が生じ難く、長期耐久性や耐ヒートサイクル性を向上することができる。
また、本発明により、アノードと固体電解質層とカソードとを備えるSOFCの製造方法が提供される。かかる製造方法は、ここに開示される導電層転写シートから上記導電性粘着層を剥離させ上記カソード上に密着させて焼成することにより、上記カソード上に上記導電層を形成することを包含する。
一実施形態に係る導電層転写シートの構成を模式的に示す断面図である。 他の一実施形態に係る導電層転写シートの構成を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るSOFCシステムを模式的に示す分解斜視図である。
以下、図面を適宜参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、導電層転写シートの構成等)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えばSOFCの製造プロセス、SOFCシステムの構成等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面において、同様の作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために必要に応じて模式化されており、実際の転写シートの寸法関係(長さ、幅、厚さ等)を必ずしも正確に反映したものではない。また、本明細書において、「A〜B(ただし、A,Bが任意の値)」とは、特に断らない限りA,Bの値(上限値および下限値)を包含するものとする。
≪導電層転写シート≫
図1は、一実施形態に係る導電層転写シート1の構成を模式的に示す断面図である。使用前(被着体への貼り付け前)の導電層転写シート1は、剥離基材10と、剥離基材10上に配置された導電性粘着層20とを備えている。導電層転写シート1は、導電層を形成する対象である被導電層形成物、すなわち被着体の上に導電層を形成するために用いられる。導電層形成時(使用時)には、導電性粘着層20が剥離基材10から剥離されて被着体上に貼り付けられ、例えば上下を反転しても剥離が無い程度に密着させられる。この導電性粘着層20付きの被着体を700℃以上の温度で焼成することにより、被着体上に導電性粘着層20が焼き付けられ、導電層が形成される。このような構成により、導電層転写シート1は、導電性ペーストを使用する場合に比べて、均質な導電層を簡便にかつ安定的に形成することができる。
図2は、他の一実施形態に係る導電層転写シート2の構成を模式的に示す断面図である。導電層転写シート2は、導電性粘着層20が2つの剥離基材10、11に挟まれるように配置されている。つまり、導電性粘着層20の一の表面20Aには剥離基材10が配置され、導電性粘着層20の他の一の表面20Bには剥離基材11が配置されている。これにより、例えば導電層転写シート2の輸送時や保管時等において、導電性粘着層20が傷付かないように保護される。同時に、導電性粘着層20の性状、例えば剥離基材10、11からの剥離容易性や、被着体への密着性等が好適に維持される。導電層形成時(使用時)には、2つの剥離基材10、11のうちのいずれかを先に剥がし取った後、被着体上へ配置され、上記した図1の導電層転写シート1と同様に使用される。
[剥離基材10、11]
剥離基材10、11としては、導電性粘着層20を支持可能であると共に、導電性粘着層20を剥がし取ることが可能なものであれば特に限定されず、従来知られているものの中から用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも、独立して形状維持が可能な部材であるとよい。一例として、プラスチックフィルム、発泡体シート、金属箔、織布、不織布等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルを主成分(剥離基材全体の50質量%以上を占める成分。以下同じ。)とするポリエステルフィルム、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンを主成分とするポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とする塩化ビニルフィルム、ポリスチレン(PS)等のスチロールを主成分とするスチロールフィルム等が挙げられる。発泡体シートとしては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡体からなるシートが挙げられる。金属箔としては、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。織布や不織布としては、パルプ、綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
剥離基材10、11は、導電性粘着層20の性状を安定的に維持する観点から、例えば、機械的特性(剛性)、耐水性、耐薬品性、耐熱性等に優れることが好ましい。かかる観点からは、非多孔質のプラスチックフィルム、例えばPETフィルムを好ましく用いることができる。剥離基材10、11の平均厚みは特に限定されないが、導電性粘着層20の形状安定性や剥離基材10、11から導電性粘着層20を引き剥がす際の作業性等を考慮して、一般的には概ね2〜500μm、例えば10〜200μm程度であるとよい。
なお、剥離基材10、11の導電性粘着層20と接する側の面には、例えば導電性粘着層20を剥離容易とする目的等で、表面処理が施されていてもよい。例えば、コロナ放電処理等の物理的処理が施されていてもよいし、シリコーン系剥離剤、フッ素樹脂系剥離剤、ポリオレフィン樹脂系剥離剤、セルロース樹脂系剥離剤、メラミン樹脂系剥離剤等の下塗剤等が塗布されていてもよい。
また、図2の態様において、2つの剥離基材10、11は、同じものであってもよく、例えば材質や厚み、表面処理等が異なるものであってもよい。好適な一態様では、2つの剥離基材10、11で、材質、厚みおよび表面処理のうちの少なくとも1つを異ならせる。これにより、2つの剥離基材10、11に対する導電性粘着層20の引きはがし粘着力を相互に異ならせることができる。その結果、導電性粘着層20を剥離させる際の作業性を高めることができる。
[導電性粘着層20]
導電性粘着層20は、典型的には室温付近の温度域(例えば20℃±15℃、好ましくは20℃±10℃)において粘弾性を呈し、剥離基材10、11から剥離可能なように構成されている。この粘弾性により、導電性粘着層20は、典型的には室温付近の温度域においてタック性(被着体に対する粘着力)を有する。したがって、被着体の表面に導電性粘着層20を貼り付ける際には、加熱を要しない。導電性粘着層20はまた、被着体と共に700℃以上の温度で焼成されることによって、容易に剥離できないように被着体上に焼き付けられる。被着体上に焼き付けられた導電性粘着層20は、導通可能な導電層を構成する。導電性粘着層20は、好ましくは高温域(例えば500℃以上の温度域)においても導電性を発揮し得る。言い換えれば、導電性粘着層20は、焼成前に室温付近の温度域において一時的に被着体の表面に密着する性質と、焼成後に被着体上に固着されて導電性を示す性質とを併せ持っている。
導電性粘着層20は、必須の構成成分として、導電性粉末と、アクリル系樹脂と、有機溶剤とを含んでいる。以下、各構成成分について説明する。
導電性粉末は、焼成後の導電層に電気伝導性を付与する成分である。導電性粉末としては特に限定されず、従来知られているものの中から用途等に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。なかでも、700℃以上の温度で焼成することにより、焼結可能な粉末材料が好ましい。言い換えれば、焼成温度よりも融点の低い粉末材料が好ましい。また、一具体例では、SOFCの稼働温度域(典型的には500℃以上の温度環境下)で導電性を有する粉末材料が好ましい。500℃以上の温度環境下で導電性を有する粉末材料としては、例えば、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物、金属、合金等の粉末が挙げられる。
導電性酸化物としては、例えば、次の一般式(1):
ABO3−δ (1)
(ただし、Aは、1価のアルカリ金属、2価のアルカリ土類金属および3価の希土類のいずれかに分類される金属元素の1種または2種以上であり、Bは、3価以上の金属元素であって、遷移金属、典型金属および希土類のいずれかに分類される金属元素のうちの1種または2種以上であり、δは、電荷中性条件を満たすように定まる値である。);
で示されるペロブスカイト型酸化物が挙げられる。
式(1)中のAは、原子番号57〜71のLn(ランタノイド)元素およびAe(アルカリ土類金属)元素のうちの1種または2種以上であることが好ましい。Lnの具体例としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)等が挙げられ、なかでもLaやSmが好ましい。Aeの具体例としては、カルシウム(Ca)やストロンチウム(Sr)等が挙げられ、なかでもSrが好ましい。
式(1)中のBは、遷移金属元素のうちの1種または2種以上であることが好ましい。具体例として、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、チタン(Ti)等が挙げられ、なかでもCoが好ましい。
一好適例として、次の一般式(2):
(Ln1−xAe)(Co1−y)O3−δ (2)
(ただし、Lnは、ランタノイド元素のうちの1種または2種以上であり、xは、0≦x<1を満たす実数であり、0<xのとき、Aeは、アルカリ土類金属元素のうちの1種または2種以上であり、yは、0≦y<1を満たす実数であり、0<yのとき、Mは、3価以上の金属元素であって、遷移金属、典型金属および希土類のいずれかに分類される金属元素のうちの1種または2種以上であり、δは、電荷中性条件を満たすように定まる値である。);で示されるペロブスカイト型酸化物が挙げられる。
式(2)中のxは、電気伝導性を向上する点や他部材(例えば固体電解質)との反応性を抑制する点等から、好ましくは0≦x≦0.8であり、例えば0.1≦x≦0.5である。
式(2)中のyは、電気伝導性を向上する点等から、好ましくは0≦y≦0.9であり、例えば0.2≦y≦0.8である。
このようなペロブスカイト型酸化物の好ましい一態様としては、例えば、ランタンストロンチウムコバルト酸化物(LSC、例えば、La0.6Sr0.4CoO)や、ランタンストロンチウムコバルトフェライト酸化物(LSCF、例えば、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)、サマリウムストロンチウムコバルト酸化物(SSC、例えば、Sm0.5Sr0.5CoO)、マンガンコバルト酸化物(MCO、例えば、MnCoO)等が挙げられる。
なかでも、構成元素にLaとCoとを含むランタンコバルト系のペロブスカイト型酸化物(例えば、LaCoO)が好ましい。なお、ランタンコバルト系酸化物とは、LaおよびCoを構成金属元素とする酸化物の他、LaおよびCo以外に他の1種以上の金属元素を含む酸化物を包含する用語である。
金属や合金としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ニッケル(Ni)等の金属の単体、およびこれらの被覆混合物や合金等が挙げられる。なかでも、コストと導電性とのバランス等から、Agや、銀−パラジウム(Ag−Pd)合金が好ましい。
導電性粉末を構成する粒子の平均粒径は特に限定されないが、典型的にはナノメートルサイズ〜ミクロンサイズである。なかでも、平均粒径が0.1μm以上、例えば0.5μm以上であると、導電性粘着層20を成形する時の取扱性や作業性を向上することができる。また、平均粒径が20μm以下、例えば10μm以下であると、焼成時の焼結温度を低めに設定することができ、焼成に起因する熱収縮(熱応力による歪み)を抑えることができる。
なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的な粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・光散乱法で測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側から累積50%に相当する粒子径(50%体積平均粒径。D50やメジアン径ともいう。)をいう。
好適な一態様では、導電性粉末の粒度分布が、ある程度の広がりを持っている。例えば、横軸に粒径、縦軸に占有体積を表した粒径体積分布において、二峰性の分布を有していることが好ましい。より具体的には、粒径体積分布で存在比率の最も大きな粒径と、粒径体積分布で存在比率が2番目に大きな粒径との粒径サイズが、1.5倍以上、好ましくは2倍以上異なっていることが好ましい。導電性粘着層20に、相対的に粒径の大きな粒子と相対的に小さな粒子とを共存させることで、焼成時に小さな粒子が大きな粒子の隙間を埋めるように溶融され焼結され得る。このため、充填性(パッキング性)が高く緻密な導電層を形成することができる。したがって、一層優れた電子伝導性や接合性を実現することができる。
導電性粉末を構成する粒子の形状は特に限定されず、球状、鱗片状(フレーク状)、破砕状、針状等、種々のものを考慮することができる。なかでも、充填性や平滑性、均質性の高い導体層を実現する観点からは、例えば平均アスペクト比(長径/短径比)が凡そ1〜1.5(例えば1〜1.3)の真球状または略球状の導電性粒子が好ましい。これにより、導電性粘着層20の成形時の取扱性や作業性を向上することができる。
アクリル系樹脂は、導電性粘着層20に粘着性を付与する成分である。また、アクリル系樹脂は、導電性粘着層20の形成時にペーストの取扱性や作業性を向上する成分である。アクリル系樹脂としては特に限定されず、従来知られているものの中から用途等に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。一好適例として、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマー(単量体全体の50質量%以上を占める成分。)として含む重合体や、かかる主モノマーと当該主モノマーに共重合性を有する副モノマーとを含む共重合体が挙げられる。なお、本明細書中において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを意味する用語である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、一般式:CH=C(R)COOR;で表される化合物を好適に用いることができる。ここで、式中のRは水素原子またはメチル基を示している。また、Rは炭素原子数が1〜20の鎖状アルキル基を示している。Rは、炭素原子数が1〜14の鎖状アルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1〜10、典型的には1〜8、例えば1〜4の鎖状アルキル基であることがより好ましい。一好適例として、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等が例示される。
副モノマーとしては、アクリル系樹脂に架橋点を導入したり、アクリル系樹脂の粘着性を制御したりする機能を有する各種の官能基を含むモノマー成分を用いることができる。かかる官能基は、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等であり得る。なかでも、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましい。アクリル系樹脂全体に占める副モノマーの割合は特に限定されないが、質量基準で、概ね30質量%以下、例えば10質量%以下であるとよい。
アクリル系樹脂は、いわゆる熱可塑性エラストマー(ガラス転移点以下ではゴム的性質を示し、ガラス転移点以上に加熱すると軟化して流動性を示す性状のエラストマー)であるとよい。一好適例として、メタクリル酸エステルの重合体ブロックAと、アクリル酸エステルの重合体ブロックBと、をそれぞれ少なくとも1つ含むブロック共重合体が挙げられる。
重合体ブロックAは、硬質性が高く、導電性粘着層20の形状を維持するためのハードセグメントとして機能し得る。重合体ブロックAのガラス転移点(示差走査熱量分析(DSC)に基づくTg値。以下同じ。)は、概ね90℃以上、典型的には100〜200℃、例えば100〜120℃であるとよい。重合体ブロックAを構成するメタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル(PMMA)、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。ブロック共重合体全体に占める重合体ブロックAの割合は特に限定されないが、質量基準で、概ね1〜30質量%、例えば5〜10質量%程度であるとよい。
重合体ブロックBは、柔軟性や粘着性が高く、導電性粘着層20のタック性を高めるためのソフトセグメントとして機能し得る。重合体ブロックBのガラス転移点は、重合体ブロックAよりも低く、概ね−10℃以下、典型的には−20〜−100℃、例えば−40〜−50℃であるとよい。重合体ブロックBを構成するアクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル(PnBA)、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル等が挙げられる。
アクリル系樹脂(複数種類を併用する場合には、その平均値。)の物性は特に限定されない。例えば重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレンン換算の値。)Mwは、概ね数千〜数十万、典型的には5,000以上、例えば10,000以上であって、典型的には1,000,000以下、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下、例えば200,000以下であるとよい。重量平均分子量が所定値以上であると、導電性粘着層20の柔軟性や粘着性が高まり、例えば被着体の凹凸な表面にも導電性粘着層20を好適に密着させることができる。また、重量平均分子量が所定値以下であると、導電性粘着層20の過度な粘着性が抑えられ、使用時には導電性粘着層20を剥離基材10、11から容易に剥離させることができる。さらに、導電性粘着層20を成形する際のペースト化において、粘度が高くなり過ぎることを抑制し、取扱性や作業性を向上することができる。
また、アクリル系樹脂のガラス転移点(複数種類を併用する場合には、その平均値。)は、概ね10℃以下、典型的には0℃以下、例えば0〜−100℃、好ましくは−40〜−80℃であるとよい。ガラス転移点が所定値以上であると、導電性粘着層20の柔軟性や粘着性が高まり、例えば被着体の凹凸な表面にも導電性粘着層20を好適に密着させることができる。また、ガラス転移点が所定値以下であると、導電性粘着層20の過度な粘着性が抑えられ、使用時には導電性粘着層20を剥離基材10、11から容易に剥離させることができる。
また、アクリル系樹脂の引張強度(複数種類を併用する場合には、そのうちの少なくとも1つ。)は、剥離基材10、11からの剥離容易性とタック性とを高いレベルでバランスする観点から、ISO 37(2005年)に基づく値が以下のうち少なくとも1つ:
(1)引張強さが、典型的には1MPa以上、例えば5〜10MPaである;
(2)引張伸びが、概ね100%以上、例えば200〜500%である;
を満たすことが好ましい。これにより、導電性粘着層20に適度な強度を持たせて、例えば剥離基材10、11から導電性粘着層20を引き剥がしたり、被着体上に導電性粘着層20を張り付けたりする際等に、導電性粘着層20が破れたり千切れたりすることを好適に抑制することができる。
有機溶剤としては特に限定されず、従来知られているものの中から用途等に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。なかでも、アクリル系樹脂が可溶であり、かつ導電性粉末を好適に分散可能なものが好ましい。また、導電層転写シート1、2の保管中に導電性粘着層20の性状を好適に維持する観点からは、沸点が概ね200℃以上、例えば200〜300℃の高沸点有機溶剤を主成分(有機溶剤全体の50質量%以上を占める成分。以下同じ。)とするとよい。高沸点有機溶剤の具体例としては、エチルジグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−1−モノイソブチレート等のエステル系溶剤、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体、ターピネオール、メンタノール、テキサノール、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等が挙げられる。
導電性粘着層20は、上記した3成分から構成されていてもよく、上記3成分に加えてその他の任意成分を含んでいてもよい。その他の任意成分としては、例えば、焼結助剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、架橋促進剤、重合禁止剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、防腐剤、帯電防止剤、pH調整剤、着色剤(顔料、染料等)等の、接着剤や粘着剤の分野、あるいは集電部や導通部の形成において一般的に使用され得る各種の添加剤が挙げられる。焼結助剤の具体例としては、例えば、銅、コバルト、ビスマス、ストロンチウムの酸化物、より具体的には、CuOやCo等が挙げられる。
導電性粘着層20の各成分は、導電性粘着層20が、例えば以下の性状:(1)剥離基材10、11から剥離可能である;(2)室温付近の温度域で被着体上に密着可能な程度のタック性を有する;(3)700℃以上の温度で焼成した後に、被着体上に固着する;(4)上記(3)の固着物(導電層)が導電性を有する;を具備するように、その種類や配合比を調整するとよい。
導電性粘着層20において導電性粉末が占める割合は、体積基準で、概ね30体積%以上、典型的には35〜65体積%、例えば37〜63体積%であるとよい。導電性粉末の割合を所定値以上とすることで、タック性を適度に抑えると共に、焼成後の導電層の電気的特性(導電性)を向上することができる。導電性粉末の割合を所定値以下とすることで、タック性を好適に確保することができる。また、導電性粘着層20としての一体性を良好に維持して、例えば剥離基材10、11から導電性粘着層20を引き剥がしたり、被着体上に導電性粘着層20を張り付けたりする際等に、導電性粘着層20が破れたり千切れたりすることを好適に抑制することができる。
導電性粘着層20においてアクリル系樹脂が占める割合は、体積基準で、概ね20体積%以上、典型的には25〜55体積%、例えば28〜50体積%であるとよい。アクリル系樹脂の割合を所定値以上とすることで、導電性粘着層20に優れた柔軟性や伸縮性を付与することができる。そのため、タック性や被着体との密着性を好適に確保することができる。アクリル系樹脂の割合を所定値以下とすることで、タック性を適度に抑えて、剥離基材10、11からの剥離容易性を高めることができる。
導電性粘着層20において有機溶剤が占める割合は、体積基準で、概ね1体積%以上、典型的には2〜10体積%、例えば5〜8体積%であるとよい。有機溶剤の割合を所定値以上とすることで、積層する部材同士が滑ったりずれたりすることを好適に抑制することができる。また、導電性粘着層20に柔軟性・伸縮性を付与して、剥離基材10、11からの剥離性や被着体への密着性を向上することができる。有機溶剤の割合を所定値以下とすることで、例えば比較的厚めの導電性粘着層20であっても、安定的にその形状を維持することができる。
また、導電性粘着層20中に無機添加剤を含む場合は、導電性粘着層20において無機添加剤が占める割合が、体積基準で概ね20体積%以下、例えば6体積%以下であるとよい。
導電性粘着層20においては、アクリル系樹脂による粘着性の付与と、導電性粉末によるタック性の抑制とのバランスも重要となり得る。アクリル系樹脂の種類等によっても異なり得るが、一好適例では、導電性粉末の体積Vcに対するアクリル系樹脂の体積Vaの比(Va/Vc)が、概ね0.4〜1.7、好ましくは0.4〜1.3、例えば0.45〜1.22であるとよい。これにより、剥離基材10、11からの剥離容易性と、被着体との密着性とを高いレベルでバランスすることができる。また、焼成後の導電層の電気的特性を向上することができる。
他の一好適例として、導電性粘着層20に無機添加剤を含む場合は、アクリル系樹脂の種類等によっても異なり得るが、導電性粉末の体積Vcと無機添加剤の体積Viとの合計に対するアクリル系樹脂の体積Vaの比(Va/(Vc+Vi))が、概ね0.4〜1.7、好ましくは0.4〜1.2、例えば0.42〜1.17であるとよい。
また、導電性粘着層20においては、導電性粘着層20の柔軟性・伸縮性と形状保持性とのバランスも重要となり得る。有機溶剤の種類等によっても異なり得るが、一好適例では、導電性粉末の体積Vcに対する有機溶剤の体積Voの比(Vo/Vc)が、概ね0.1〜0.22、好ましくは0.11〜0.2、例えば0.11〜0.19であるとよい。他の一好適例では、有機溶剤の体積Voに対するアクリル系樹脂の体積Vaの比(Va/Vo)が、概ね3.5〜10、例えば4〜9であるとよい。上記(Vo/Vc)および(Va/Vo)のうちの少なくとも1つを満たすことにより、導電性粘着層20に好適な柔軟性や伸縮性を付与することができる。また、導電層転写シート1、2の保管時や、導電性粘着層20を剥離基材10、11から剥離させる時、導電性粘着層20を被着体へ密着させる時等にも、導電性粘着層20の形状を好適に維持することができる。
導電性粘着層20の被着体に対する引きはがし粘着力は、導電性粘着層20の剥離基材10、11に対する引きはがし粘着力よりも大きいとよい。これにより、導電性粘着層20の剥離基材10、11からの剥離容易性を高めると共に、導電性粘着層20と被着体との密着性を向上することができる。したがって、導電性粘着層20の転写性を向上することができる。
導電性粘着層20は、大気雰囲気において850℃の温度で2時間焼成したときの厚み方向の収縮率(焼成前の平均厚みから焼成後の平均厚みを差し引いて、その差分を焼成前の平均厚みで除し、100を掛けた値。)が、概ね10%以下、例えば5%以下であるとよい。これにより、焼成後の導電層に剥離やクラック等が生じ難くなり、被着体上に安定的に導電層を形成することができる。
導電性粘着層20の平均厚みは、概ね2000μm以下、典型的には1500μm以下、例えば1000μm以下、好ましくは500μm以下であるとよい。本発明者の検討によれば、導電性粘着層20の厚みが厚いほど、積層する部材同士が滑ったりずれたりし易くなる傾向にある。導電性粘着層20の平均厚みを所定値以下とすることで、このような不具合の発生を高いレベルで抑制することができる。
また、導電性粘着層20には、剥離基材10、11からの剥離を容易にするために、例えば剥離用のタブ等を設けるようにしても良い。
≪導電層転写シート1の作製方法≫
図1に示す導電層転写シート1は、例えば次のようにして作製することができる。
まず、剥離基材10を用意する。また、導電性粘着層20の構成成分として、導電性粉末とアクリル系樹脂と有機溶剤とその他の任意成分とを用意し、これらの材料を混合して組成物を調製する。組成物の調製は、例えばボールミル等の混合機に上記材料を投入し、均質に撹拌することによって行うことができる。一好適例では、組成物全体を100体積%としたときに、各材料の混合割合が、体積基準で、導電性粉末:15〜50体積%;アクリル系樹脂:10〜70体積%;有機溶剤:1〜20体積%;その他の任意成分:0〜25体積%;を満たすように組成物を調製するとよい。次に、得られた組成物を、所定の厚みになるように剥離基材10上に付与する。組成物の付与は、一般的なスラリーの塗布方法、例えば印刷法(凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等)、シート成形法(ドクターブレード法等)等で行うことができる。次に、組成物を付与した剥離基材10を適当な乾燥手法で乾燥させ、導電性粘着層20中の有機溶剤の含有割合を調節する。有機溶剤の乾燥は、一般的な組成物の乾燥方法、例えば自然乾燥、熱風乾燥、真空乾燥等を用いて行うことができる。これにより、所望の性状に調節された導電性粘着層20を有する導電層転写シート1を得ることができる。
≪導電層転写シート1、2の用途≫
導電層転写シート1、2は、従来の導電性ペーストとは異なり、剥離基材10、11から剥がして被着体に貼り付けた状態で焼成することにより、使用することができる。これによって、被着体上に導電層を形成することができるので、作業者の利便性を大きく向上することができる。
被着体としては、700℃以上の温度で焼成した際に、その形状を維持可能な程度の耐熱性を有するものが好ましい。言い換えれば、融点が800℃以上の材料を含んで構成されるものが好ましい。融点が800℃以上の材料の具体例としては、アルミナ、ムライト、ステアタイト、フォルステライト、チタニア、イットリア、クロミア、ジルコニア、部分安定化ジルコニア等のセラミック材料や、ステンレス鋼、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、銀、マンガン等の金属材料が挙げられる。被着体は、上記材料の複合体、具体的には融点が600℃以上(例えば660℃±10℃程度)の合金等であってもよい。また、被着体の表面は、平坦であってもよいし、例えば曲面や水平でない面、凹凸形状の面等であってもよい。導電層転写シート1、2は、柔軟性や伸縮性を備えることから、平坦でない面に対しても追従性に優れている。
導電層転写シート1、2はまた、同種部材間または異種部材間の電気的・物理的な接合、例えばセラミック部材と金属部材との接合、セラミック部材間の接合、金属部材間の接合等に好適に用いることができる。セラミック部材としては、例えば、SOFCのアノードやカソード等が挙げられる。金属部材としては、例えば、SOFCのスタックのガス管やインターコネクタ等が挙げられる。例えば、セラミック部材と金属部材との接合部分に導電層転写シート1、2を配置して焼成することにより、セラミック部材と金属部材との間に接合部を形成することができる。かかる接合部は、セラミック部材と金属部材とを電気的・物理的に接合するものである。導電層転写シート1、2を用いて形成された接合部は、例えば従来の導電性ペーストを用いて形成された接合部と比べて均質で、接合部の厚みが均等であり得る。そのため、長期にわたって安定的に高い気密性を維持することができる。
導電層転写シート1、2を用いて形成された導電層は、厚みが均等で熱応力が生じ難いものであり得る。このため、例えば高温域で使用したり、常温域〜高温域でヒートサイクルを繰り返したりする場合であっても、高い長期耐久性や耐ヒートサイクル性を実現することができる。
したがって、導電層転写シート1、2は、例えば高温域に曝される部品や、高温作動型の装置、具体的には、蓄電素子や太陽電池等の各種発電システム、およびそれらを製造するための製造装置、ゴミ焼却装置、排ガス除去装置等の環境装置、車両用の排ガス処理装置、エンジン燃焼試験装置、真空系乾燥装置、半導体装置等の構築に好適に用いることができる。
なかでも、導電層転写シート1、2は、SOFCのセルまたは上記セルが複数個電気的に接続されてなるSOFCのスタックを作製するために好ましく用いることができる。言い換えれば、ここに開示される技術によって、導電層転写シート1、2を用いたSOFC(単セル)の製造方法、および、インターコネクタを介して複数個のSOFC(単セル)を電気的に接続してなるSOFCのスタックの製造方法が提供される。
SOFCの製造方法は、例えば、導電層転写シート1、2から導電性粘着層20を剥離させること;カソード上に導電性粘着層20を密着させること;導電性粘着層20が密着しているカソードを焼成すること;を包含する。これによって、カソード上に導電層を形成することができる。
SOFCのスタックの製造方法は、例えば、導電層転写シート1、2から導電性粘着層20を剥離させること;カソードとインターコネクタとを導電性粘着層20を介して密着させること;導電性粘着層20を介して密着しているカソードとインターコネクタとを焼成すること;を包含する。これによって、カソードとインターコネクタとの間を電気的・物理的に接続する導通部を形成することができる。
図3は、複数のSOFCの単セル50A、50Bを備えたSOFCシステム(発電システム)100を模式的に示す分解斜視図である。SOFCシステム100は、単セル50A、50Bが金属製のインターコネクタ60、60Aを介して積み重ねられた(スタッキングされた)スタックとして構成されている。単セル50A、50Bは、それぞれ、層状の固体電解質32の両面が、層状の燃料極(アノード)31と空気極(カソード)33とで挟まれたサンドイッチ構造を有している。単セル50A、50Bは、燃料極31が厚めに形成され支持体としての機能を有する、いわゆる燃料極支持型のSOFCである。図面中央に配されるインターコネクタ60Aは、その両面を2つの単セル50A、50Bで挟まれており、一方のセル対向面62がセル50Bの空気極33と対向(隣接)し、他方のセル対向面66がセル50Aの燃料極31と対向(隣接)している。インターコネクタ60Aのセル対向面62、66と、それぞれ対応する単セル50A、50Bの対向面(燃料極31あるいは空気極33の面)との間には、ここに開示される導電層転写シート1の導電性粘着層20を付与してなる封止部(図示せず)が形成されている。また、セル対向面62、66には複数の溝が形成されており、それぞれ供給されたガスが流れるガス流路64、68を構成している。
SOFCシステム100の作動時には、燃料極31側のガス流路68に燃料ガス(ここでは水素(H)ガス)が、空気極33側のガス流路64に酸素(O)含有ガス(ここでは空気(Air))が、それぞれ供給される。SOFCシステム100に電流を印加すると、空気極33において酸素が還元され、酸化物イオンとなる。該酸化物イオンが固体電解質層32を介して燃料極31に到達すると、燃料ガスを酸化して、電子を放出する。これにより、電気エネルギーを発生させる。
なお、図3で開示されるSOFCの単セル50A、50Bは平型(Planar)であるが、他にも種々の構造、例えば従来公知の多角形型、円筒型(Tubular)あるいは円筒の周側面を垂直に押し潰した扁平円筒型(Flat Tubular)等とすることができ、形状やサイズは特に限定されない。また、平型のSOFCとしては、ここで開示される燃料極支持型(ASC:Anode-Supported Cell)の他にも、例えば電解質を厚くした電解質支持型(ESC:Electrolyte-Supported Cell)や、空気極を厚くした空気極支持型(CSC:Cathode-Supported Cell)等を用いることができる。その他、燃料極の下に多孔質な金属シートを入れた、メタルサポートセル(MSC:Metal-Supported Cell)とすることもできる。
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔ベヒクルの調製〕
下記5種類のアクリル系粘着剤(市販品)を用意し、当該アクリル系粘着剤と有機溶剤とを表1に示す「粘着剤:溶剤」の混合比(質量比)で調合し、80℃で加熱混合することで、ベヒクル(A〜K)を得た。ベヒクルJ,Kでは、ベヒクル調製時の粘度や導電性粘着層の粘着性等を調整する目的で、2種類のアクリル系粘着剤を併用した。
・株式会社クラレ製のクラリティ(商標)LA1114、LA2140
・東亞合成株式会社製のアロンタック(商標)AS−1800、S−1511(改)、S−1605
Figure 2017226755
〔導電層転写シートの作製〕
まず、表2に示す導電性粉末と、上記調製したベヒクルと、任意の添加剤(無機添加剤や、分散剤、消泡剤等の有機添加剤)とを、表2に示す混合割合(体積比)で調合し、3本ロールで混練することにより、導電性粘着層形成用のペーストを得た。なお、表2において、導電性粉末の平均粒径の欄に2つの数値が記載してある例は、平均粒径の異なる2種類の導電性粉末を混合して使用したことを表している。また、分散剤としてはカルボン酸系の分散剤(CRODA社製)を使用し、消泡剤としてはポリオキシアルキレン系化合物(日油株式会社製のディスホーム(商標))を使用した。なお、比較例2については、ベヒクルEの流動性が不足しており、ペースト化が困難だった。この理由としては、有機溶剤成分の含有割合が少ないために、アクリル系樹脂成分を溶解・分散しきれなかったことが考えられる。すなわち、本実施形態においては、ベヒクル中の有機溶剤の割合を20質量%よりも多く、例えば40質量%以上(言い換えれば、アクリル系粘着剤の割合を80質量%未満、例えば60質量%以下)とすることで、導電性粘着層形成用のペーストを好適に調製することができた。
Figure 2017226755
次に、上記調製した導電性粘着層形成用のペーストを、表面に剥離剤が塗られているPETフィルム上に、テープ成形法で表2に示す塗布厚みになるように塗布した。これを110℃の乾燥機にて、大気中で1時間乾燥させることにより、PETフィルム(剥離基材)上に導電性粘着層を備えた導電層転写シート(例1〜10、比較例1、3)を作製した。乾燥後の導電性粘着層の組成を表3に示す。なお、比較例4については、粘度が高過ぎて導電性粘着層を形成することができなかった。この理由としては、導電性粉末の含有割合が高いために、ペーストの粘度が高くなり過ぎ、ペーストの塗工性が低下したことが考えられる。ベヒクル中のアクリル系樹脂の種類や分子量等によっても異なり得るが、本実施形態においては、ペースト中の導電性粉末の割合を概ね40質量%以下、例えば34質量%以下(言い換えれば、ベヒクルの割合を60質量%以上、例えば62質量%以上)とすることで、導電性粘着層を好適に形成することができた。
Figure 2017226755
また、参考例1として、エチルセルロースと有機溶剤(ターピネオール)とを、20:80の混合比(質量比)で調合し、80℃で加熱混合することで、ベヒクルを得た。このベヒクルと、導電性粉末(LSCF、平均粒径0.7μm)とを、60:40の体積比で調製し、3本ロールで混練することにより、導電性ペーストを得た。
また、参考例2として、ブチラール樹脂と有機溶剤(イソプロピルアルコール(IPA))とを、20:80の混合比(質量比)で調合し、80℃で加熱混合することで、ベヒクルを得た。このベヒクルと、導電性粉末(LSCF、平均粒径0.7μm)と、消泡剤と、可塑剤と、分散剤とを、50:33:2:12:3の体積比で調製した。これを、ジルコニアボール(φ5mm、150g)と共にボールミルのポットに収容して、24時間湿式粉砕混合することにより、導電性ペーストを得た。
〔評価〕
上記得られた導電層転写シート(例1〜10、比較例1、3)、および導電性ペースト(参考例1,2)を用いて導電層を形成し、以下(1)〜(5)のように、その性状を評価した。
(1)剥離性評価
図2に示すように、導電層転写シート2を保管する際には、典型的に導電性粘着層20の両側の面20A、20Bにそれぞれ剥離基材10、11が付され、剥離基材10、11によって導電性粘着層20が保護されている。導電層転写シート2を使用する際、作業者は、まず片方の剥離基材11を導電性粘着層20から剥がし取る必要がある。そこで、ここでは、始めに剥がし取る方の剥離基材11が、導電性粘着層20の形状を壊すことなく剥がし取れるかを評価した。
具体的には、まず上記作製した導電層転写シート(例1〜10、比較例1、3)について、導電性粘着層の両面をPETフィルム(剥離基材)で挟み、「PETフィルム−導電性粘着層−PETフィルム」の3層構造の積層体を作製した。次に、片方のPETフィルムの上からスキージで積層体の表面を擦り、PETフィルムと導電性粘着層とを密着させた。次に、この積層体を3cm×15cmの大きさに切り取り、作業台に固定した。次に、台に接していない方のPETフィルムの端を180°真上に引き上げ、積層体から剥がした。このときに導電性粘着層に破れや千切れ等(変形)が無いかを目視にて確認した。結果を表3に示す。
(2)セラミック部材への粘着性評価
次に、被着体としてのセラミック部材に対する粘着性を評価した。具体的には、まず、平板型のSOFCの単セル(□3cm×3cm)を準備した。この平板型のSOFCの単セルは、LSCFを含むカソードを備えている。次に、上記作製した導電層転写シート(例1〜10、比較例1、3)の導電性粘着層側の面を、SOFCのカソードに貼り付けた。次に、PETフィルムを引きはがし、カソード側に導電性粘着層が面積基準で何%転写されるか(転写率)を評価した。また、参考例1,2については、刷毛あるいはディスペンサーを用いてSOFCのカソードに70μmの厚みで導電性ペーストを塗布して、評価した。結果を表3に示す。
(3)金属部材への粘着性評価
次に、被着体としての金属部材に対する粘着性を評価した。具体的には、まず、SOFC用の金属インターコネクタ材としてZMG(商標)板(日立金属株式会社製□3cm×3cm)を用意し、上記(2)と同様に導電層転写シートの導電性粘着層側の面を貼り付け、ZMG(商標)板側に導電性粘着層が面積基準で何%転写されるか(転写率)を評価した。結果を表3に示す。
(4)部材間の滑り性評価
次に、積層する部材間の滑り性を評価した。具体的には、まず平板型のSOFCの単セル(□3cm×3cm)と、ZMG(商標)板(□3cm×3cm)とを、上記作製した導電層転写シート(例1〜10、比較例3)の導電性粘着層を介して積層した。より詳しくは、導電層転写シートの導電性粘着層側の面を、SOFCのカソードに貼り付けた。次に、導電層転写シートからPETフィルムを剥がして、導電性粘着層のもう一方の面にZMG(商標)板を貼り付けた。そして、SOFCを台上に固定して、ZMG(商標)板に対して側方から20kPaの力を加えた場合に、ZMG(商標)板が動いたりずれたりするかを確認した。また、参考例1,2については、刷毛あるいはディスペンサーを用いてSOFCのカソードに導電性ペーストを塗布して、評価した。結果を表3に示す。
(5)焼成後の導電層の膜厚み評価
まず、円筒型のSOFCの単セル(外形5mm、長さ10cm)を準備した。この円筒型のSOFCの単セルは、LSCFを含むカソードを備えている。次に、上記作製した導電層転写シート(例1〜10)の導電性粘着層側の面をSOFCのカソードに貼り付け、導電層転写シートからPETフィルムを引きはがした。これによって得られた「カソード−導電性粘着層」の積層体を、850℃で2h焼成し、カソードの表面に導電層を形成した。導電層の膜厚を円筒形状の同心円状で等間隔に10カ所測定し、平均厚みと膜厚のムラ(標準偏差および標準偏差/平均厚み)を評価した。また、参考例1,2については、刷毛あるいはディスペンサーを用いてSOFCのカソードに導電性ペーストを塗布して、評価した。結果を表3に示す。
表3に示すように、比較例1では、導電性粘着層が始めに剥がし取る方のPETフィルムと、もう一方のPETフィルムとの両方に張り付いてしまい、導電性粘着層をPETフィルムから上手く剥がし取ることができなかった。また、比較例1では、SOFCのカソードやインターコネクタへの転写率が悪く、粘着性が不足していた。この理由としては、例えば、導電性粘着層中の粘着性を発現するアクリル系樹脂成分が少なかったこと、Va/Vcが小さすぎたこと、Va/(Vc+Vi)が小さすぎたこと、Va/Voが小さすぎたこと等が考えられる。また、比較例3では、例1と同様にPETフィルムからの剥離性が悪く、導電性粘着層から上手く剥がし取ることができなかった。また、SOFCのカソードやインターコネクタに対しては転写性が良いものの、部材間に滑りが生じて、導電性粘着層がいわゆる仮止めとしての機能を奏していなかった。この理由としては、導電性粘着層中の導電性粉末成分が少なかったこと、アクリル系樹脂成分が多かったこと、Va/Vcが大きすぎたこと、Va/(Vc+Vi)が大きすぎたこと、Vo/Vcが大きすぎたこと等が考えられる。
また、参考例1,2では、焼成後の導電層において、例1〜10に比べて相対的に膜厚のバラつきが大きく、均質な導電層を形成することができなかった。
これに対して、例1〜10の導電層転写シートは、剥離基材からの剥離性に優れ、被着体への転写性に優れ、積層する部材間に滑りを生じさせず、均質な導電層を実現することができた。
以上の通り、ここに開示される導電層転写シートによれば、室温において被着体に密着させ焼成することにより、簡便に導電層を形成することができる。ここに開示される導電層転写シートによれば、例えば曲面や水平でない面、あるいは複雑な凹凸形状等の面にも、安定的に均質な導電層を形成することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1、2 導電層転写シート
10、11 剥離基材
20 導電性粘着層
50A、B SOFCの単セル
100 SOFCシステム

Claims (13)

  1. 剥離基材と、
    前記剥離基材上に配置され、前記剥離基材から剥離可能な導電性粘着層と、を備え、
    前記導電性粘着層は、導電性粉末と、アクリル系樹脂と、有機溶剤とを含み、
    前記導電性粘着層を前記剥離基材から剥離させ被着体上に密着させて700℃以上の温度で焼成した際に、前記被着体上に導電層が形成されるように構成されている、導電層転写シート。
  2. 前記導電性粉末の体積Vcに対する前記アクリル系樹脂の体積Vaの比(Va/Vc)が、0.45以上1.22以下である、請求項1に記載の導電層転写シート。
  3. 前記導電性粉末の体積Vcに対する前記有機溶剤の体積Voの比(Vo/Vc)が、0.11以上0.19以下である、請求項1または2に記載の導電層転写シート。
  4. 前記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、前記導電性粉末の割合が37体積%以上63体積%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  5. 前記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、前記アクリル系樹脂の割合が28体積%以上50体積%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  6. 前記導電性粘着層全体を100体積%としたときに、前記有機溶剤の割合が5体積%以上8体積%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  7. 前記導電性粘着層の前記被着体に対する引きはがし粘着力(JIS Z 0237に基づく180°剥離)が、前記導電性粘着層の前記剥離基材に対する前記引きはがし粘着力よりも大きい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  8. 前記導電性粉末が導電性酸化物粉末を含み、前記導電層が500℃以上の温度環境下で導電性を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  9. 前記導電性粘着層の平均厚みが1000μm以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  10. 前記被着体がセラミック部材または金属部材である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  11. セラミック部材と金属部材とを接合するために用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  12. 固体酸化物形燃料電池のセルまたは前記セルが複数個電気的に接続されてなる固体酸化物形燃料電池のスタックを作製するために用いられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電層転写シート。
  13. アノードと固体電解質層とカソードとを備える固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電層転写シートから前記導電性粘着層を剥離させ前記カソード上に密着させて焼成することにより、前記カソード上に前記導電層を形成することを包含する、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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