JP2017226600A - 超速崩壊錠剤 - Google Patents

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智仁 岡林
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淳弘 上友
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久義 伊藤
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Abstract

【課題】凍結乾燥といった煩雑な操作を経ずして簡便な方法で製造することができる、高い崩壊性及び高い錠剤硬度を兼ね備えた口腔内崩壊錠剤(超速崩壊錠剤)、及び、該超速崩壊錠剤を包装して成る包装体等を提供すること。【解決手段】水中崩壊時間が15秒未満、錠剤の応力-歪み曲線における破断時の錠剤の歪みが1.7(%)以上であることを特徴とする、口腔内崩壊錠剤、及び、該口腔内崩壊錠剤を包装して成るプレススルーパッケージ(PTP)体または一包化体等の包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、従来技術で一般的なプレススルーパッケージ(PTP)が可能な、極めて短い口腔内崩壊時間及び実用上十分な錠剤硬度を有する口腔内崩壊錠剤等に関する。
これまでに、薬剤の嚥下が困難な患者、高齢者、小児などが安全に服用でき、また水なしで容易に服用できる利便性の高い剤形として、口腔内崩壊錠剤が開発されてきた。口腔内崩壊錠剤は、通常の錠剤と同様に錠剤製造時又は輸送中若しくは開封時に錠剤の欠け及び粉化等が生じないような充分な破壊強度(錠剤硬度)を有すると共に、口腔内で速やかに崩壊するような優れた崩壊性(崩壊時間)を有していることが重要である。
ここで、錠剤硬度と崩壊性とは互いに反する性質であって、一般に硬度を大きくするため成型圧を大きくすると崩壊時間が長くなり、崩壊時間を短くするため成型圧を小さくすると硬度が小さくなる傾向がある。このために、この2つの性質の両立、または2つの性質の間の最適なバランスを達成すべく、様々な技術が開発されてきた。また、錠剤を構成する粒子あるいは粒子組成物に優れた成形性を賦与すべく、粒子の成分や造粒方法などが検討されてきた。
口腔内崩壊錠剤は患者の服薬コンプライアンスが改善されることが知られているが、特に服薬を強く拒否する傾向にある患者は、20-30秒程度の口腔内崩壊時間では錠剤を吐き出すことが知られている。従って、例えば、崩壊時間が数秒程度というように、崩壊性が著しく高ければ、服薬時、不快に思う前に錠剤が崩壊するため、このような患者に対しても投与しやすい。
このような口腔内での崩壊性が著しく高い錠剤、即ち、「超速崩壊錠剤」の製造技術として、Zydis(登録商標)技術が知られている。これは、カーディナルヘルス(Cardinal Health)社(現米国キャタラント社)により開発された経口固形剤形の製造技術であって、特許文献1に記載されているように、担体材料としてのゼラチンを用い、原末(医薬活性物質)をマンニトール等と共に懸濁状態にした後、ブリスターへ充填し、その後、凍結乾燥にて迅速分散性固形経口投与用剤形を作製する方法である。
更に、特許文献2には、凍結乾燥速溶多相剤形の製造方法に関する発明が記載されている。該方法は、非ゲル化マトリックス形成剤を含有する製剤及びゲル化マトリックスを含有する製剤を順次投入し、これらを凍結乾燥することによって、薬学的に活性な成分を送達するための多相の速溶剤形(FDDF)を調製するものである。非ゲル化マトリックス形成剤として非ゲル化ゼラチン、ゲル化マトリックス形成剤としてゲル化ゼラチン等が使用されている。
又、本発明者等によって、より優れた錠剤硬度と崩壊性、もしくは実質的に崩壊時間を延長させること無くより高い錠剤高度を賦与する崩壊性粒子組成物の製造方法製造が開発された(特許文献3)。
更に、酸型カルボキシメチルセルロースからなる第一の崩壊剤成分、酸型カルボキシメチルセルロース以外の第二の崩壊剤成分、糖又は糖アルコールからなる賦形剤、及び結晶セルロースの四成分を含む崩壊性粒子組成物が開発された(特許文献4)。
しかしながら、特許文献3及び4には、10(秒)以下という極めて短い水中崩壊時間を有する口腔内崩壊錠剤は具体的に開示されていない。更に、軽質無水ケイ酸を含む口腔内崩壊錠剤は開示されていない。
特許第4943581号明細書 特表2013−522308号公報 国際公開パンフレットWO2013/146917 国際公開パンフレットWO2014/046035
上記の従来技術においては、凍結乾燥を実施するための特殊な装置を必要とし、通常の錠剤を製造する場合の様な生産効率の良い打錠機を用いることが出来ない。又、従来技術で作製された超速崩壊錠剤は極めて錠剤硬度が低いことから、通常のPTP包装が可能なレベルでの錠剤硬度を示す超速崩壊錠が望まれている。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、このような従来の超速崩壊錠剤に見られる技術的課題を解決し、患者の確実な服薬を見届けることが可能な極めて高い崩壊性(短い崩壊時間)を有し、且つ、錠剤の割れ欠けが実用レベルまで低減されると期待できる程度の高い錠剤硬度を兼ね備えた口腔内崩壊錠剤(超速崩壊錠剤)を提供すること、更に、そのような超速崩壊錠剤を凍結乾燥といった煩雑な操作を経ずして製造することができる簡便な方法及び該口腔内崩壊錠剤を包装して成る包装体等を提供することである。
本発明者は、口腔内崩壊錠剤に崩壊剤成分の一種として酸型カルボキシメチルセルロース等を含有させることによって、極めて高い崩壊性及び実用上十分な錠剤硬度を兼ね備え、応力―ひずみ曲線において一般的な破断点を示さないことを特徴とする、口腔内崩壊錠剤を従来の造粒工程を用いて製造することができること、及び、更に、係る超速崩壊錠剤は、従来公知の一般的で簡便な技術であるプレススルーパッケージ(PTP:Press Thorugh Package)等による包装体として提供できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、より具体的には以下の態様を提供するものである。
[態様1]
水中崩壊時間が15秒未満、錠剤の応力-歪み曲線における破断時の錠剤の歪みが1.7(%)以上であることを特徴とする、口腔内崩壊錠剤。
[態様2]
水中崩壊時間が9秒未満である、態様1記載の口腔内崩壊錠剤。
[態様3]
口腔内崩壊時間が5秒以下である、態様1又は2記載の口腔内崩壊錠剤。
[態様4]
更に、錠剤硬度が10N〜30Nである、態様1乃至3のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤。
[態様5]
酸型カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース及び糖又は糖アルコールを含む崩壊性粒子組成物を医薬活性物質と混合し、得られた混合物を打錠することを含む方法で製造される、態様1乃至4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤。
[態様6]
崩壊性粒子組成物に更に軽質無水ケイ酸を含む、態様5記載の口腔内崩壊錠剤。[態様7]
打錠圧縮力2乃至8kNを加えて打錠する、態様5又は6記載の口腔内崩壊錠剤。[態様8]
態様1乃至7のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤を包装して成る包装体。
[態様9]
包装体がプレススルーパッケージ(PTP)体または一包化体である態様8記載の包装体。
本発明の口腔内崩壊錠剤(超速崩壊錠剤)は、極めて短い口腔内崩壊時間及び実用上十分な錠剤硬度を兼ね備えている。
更に、本発明の口腔内崩壊錠剤は、錠剤の応力-歪み曲線における破断時の錠剤の歪みが従来の錠剤に比べて有意に高い値を示す。このために、ゴムのような挙動(座屈点)を示し、座屈点付近の高い衝撃を受けた場合でも錠剤外観に「割れ」、「欠け」及び「ひび」等が生じない、という優れた特性を示す。また、破断直前に応力に対して緩やかに歪む、というゴムのような挙動(座屈点)を示すことから、座屈点付近の衝撃を受けた場合でも錠剤外観に「割れ」、「欠け」及び「ひび」等が生じないという優れた特性を示す。
更に、係る超速崩壊錠剤は通常錠剤と同様の装置を用いて簡便に製造することができ、従来公知の一般的で簡便な技術であるプレススルーパッケージ(PTP:Press Thorugh Package)等による包装体として提供することができる。
発明の口腔内崩壊錠剤、及び、比較例で得られた錠剤に関して得られた応力-歪み曲線を示す。
錠剤を投与された患者が不快に感じて錠剤を吐き出すことを防止するために、吐き出しが出来ない程度にまで崩壊が進むまでの時間は出来るだけ短いことが望まれる。また、速やかに服薬が完了し次回以降の投薬に対する拒絶が起こらないよう崩壊完了までの時間も出来るだけ短いことが望まれる。
本発明の口腔内崩壊錠剤は、水中崩壊時間が約15秒未満、好ましくは約9秒未満、より好ましくは約7秒以下である。更に、好ましくは、口腔内崩壊時間が約5秒以下、より好ましくは約4秒以下である。
更に、本発明の口腔内崩壊錠剤は、錠剤の応力-歪み曲線における破断時の錠剤の歪みが1.7(%)以上、好ましくは1.9(%)以上であることを特徴とする。
ここで、「応力―ひずみ曲線」とは、物体にひずみが生じた場合の応力の変化を示す曲線図であり、公知の試験機を用いて容易に測定することができる。応力―ひずみ曲線における破断時「破断点」(最大応力値を示す点)もしくは「座屈点」の歪みの値が大きいものほど、弾性域が広く、柔軟な物性を有しているために、落下等の物理的衝撃に対する割れ、欠け及びひび等の破損等が生じにくいと考えられる。
又、製造使用時における実用上の観点から、錠剤硬度は有る程度高いことが必要であり、本発明の口腔内崩壊錠剤の錠剤硬度は好ましくは約10N〜30N、より好ましくは約20Nである。
本発明は、更に、係る口腔内崩壊錠剤を包装して成る包装体に係る。包装体は錠剤を包装する公知の方法であればどのような方法でもよい。例えば、包装体として一包化体が好ましい。一包化は薬局などで薬の飲み忘れを防ぐために、一日に服用する薬を一つの袋にまとめるものである。また薬の瓶詰めなど一般的な錠剤では割れ、欠けを生じやすいものにも適している。更にプレススルーパッケージ(PTP)体が特に好ましい。尚、PTP(包装)は、「ブリスターパック」として知られている包装形態を、特に薬剤に対して適用した場合に呼ばれるものである。ブリスターパックとは、一般に、片面を比較的固い材質の厚紙等を台紙として使用し、これに商品名等を印刷し、一方、板状のプラスチックをバキュームフォームなどで成型して台紙に接着し、商品はこの台紙とそれに接着された成型プラスチックとの間に包装されて成るものである。
従って、本発明の口腔内崩壊錠剤を包装して成る包装体は当業者が公知の方法に従って容易に製造できる。プレススルーパッケージ(PTP)体も、当業者に公知の方法(例えば、実開昭51-139176、実開昭50-32371等に記載)に従って、容易に製造することができる。
本発明の口腔内崩壊錠剤は、酸型カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース及び糖又は糖アルコールを含む崩壊性粒子組成物を医薬活性物質と混合し、得られた混合物を打錠することを含む方法で製造することができる。
更に、崩壊性をより高めるために、崩壊性粒子組成物に更に軽質無水ケイ酸を含有させることができる。
尚、本発明の口腔内崩壊錠剤においては、従来技術における超速崩壊錠剤において担体として実質的に必要とされるゼラチンが含まれている必要はない。
本発明の口腔内崩壊錠剤は、薬効成分(医薬活性物質)に加えて、必要に応じて、賦形剤、界面活性剤、滑沢剤、酸味料、甘味料、矯味剤、香料、着色剤、安定化剤など医薬上許容されるその他の任意の成分を含むことが出来る。これら任意成分として、例えば、医薬品添加物辞典(薬事日報社)、日本薬局方に記載の該当成分を用いることができる。又、本発明の所望の効果が奏される限り、各成分の配合割合に特に制限はなく、当業者が適宜決めることが出来る。このような口腔内崩壊錠剤は、打錠等の当業者に公知の任意の方法によって製剤化することが出来る。
その好適な製造方法の例として、崩壊性粒子組成物を医薬活性物質(又は、該物質を含む医薬組成物)と混合し、得られた混合物を当業者に公知の適当な打錠機を用いて、例えば、打錠圧縮力2乃至8kN、好ましくは2乃至5kNで打錠することを含む製造方法を挙げることができる。したがって、本発明は、このような製造方法に用いられる崩壊性粒子組成物にも係る。
医薬活性物質等の形態(状態)に特に制限はなく、例えば、粉末状態であり得る。又、医薬活性物質等と崩壊性添加剤配合物との混合(固体倍散)及び打錠は当業者に公知の任意の手段・方法で実施することが出来る。この際に、投与対象及び投与目的等に応じて、適切な投薬用量となるように、該口腔内崩壊錠に含まれる有効成分量を容易に調整することができる。
錠剤等の崩壊機構としては、「Wicking」、「Swelling」、「Deformation」及び「Repulsion」の4つが提唱されている。この中で、Wickingとは錠剤中に含まれる崩壊剤などの成分を介して水分が浸透する結果、錠剤に含まれる各粒子間の結合力が弱まって進行する崩壊機構である。このようなWickingを促進する効果が高い崩壊剤の代表例として酸型カルボキシメチルセルロースが知られている。又、Swellingとは、崩壊剤に水が浸透する結果、崩壊剤自体が膨潤して進行する崩壊機構である。
本発明の崩壊性粒子組成物に含まれる第一の崩壊剤成分である酸型カルボキシメチルセルロースは、カルメロースと称される物質であり、医薬品添加剤として使用されている。酸型カルボキシメチルセルロースと同様に、例えばカルボキシメチルセルロースのカルシウム塩及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの架橋物はいずれも水に不溶性であり錠剤等に崩壊剤として用いられる。一方、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩は水溶性であり結合剤等の目的で用いられる。尚、カルボキシメチルセルロースの塩がカルメロースと記載される場合もある。
崩壊性粒子組成物には、当業者に公知の結晶セルロースが含まれることが好ましい。その代表例として、アビセル(FMCコーポレーション)、セオラス(旭化成ケミカルズ)、ビバプアー(レッテンマイヤー)等の市販品を挙げることができる。
又、本発明の崩壊性粒子組成物の第二の崩壊剤成分として、酸型カルボキシメチルセルロース以外の当業者に公知の任意の崩壊剤を用いることができる。しかしながら、上記に示したような異なる崩壊機構の複合的効果を得るために、Wicking以外の機構、例えば、Swellingを促進する効果に優れた崩壊剤を第二の崩壊剤成分として使用することが好ましい。このような崩壊剤の好適例としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、及び、スターチ等を挙げることが出来る。尚、クロスポビドンは1−ビニルー2−ピロリドンの架橋重合物の通称であり、クロスカルメロースナトリウムはカルボキシメチルセルロースナトリウムの架橋物の通称である
この中でも、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースカルシウムから選択される一つ又は2つ以上の任意の組合わせが好ましい。
更に、当業者に賦形剤として公知の任意の化合物が含まれる。その代表例として、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、D−グルチトール(マルチトール)、キシリトール、トレハロース、ラクトース及びマルトース等の糖又は糖アルコールを挙げることが出来る。更に、好適例として、マンニトール、エリスリトール、トレハロース、ソルビトール、及びD−グルチトール(マルチトール)を挙げることが出来る。賦形剤としてはこれらの中から適当に選択された2種類以上の化合物を用いることも出来る。
更に、本発明の崩壊性粒子組成物には、例えば、崩壊力、結合力及び錠剤の服用感等の諸特性を調整する目的で、当業者に公知の各種の任意成分を適宜、添加混合しても良い。このような成分の例として、流動化剤、甘味剤、香料及び、着色料等を挙げることが出来る。
本発明の崩壊性粒子組成物における各成分の配合量は各成分の種類、崩壊性粒子組成物の使用対象である薬効成分の種類及び用途、最終製品である口腔内崩壊錠剤の用途等に応じて、当業者が適宜決めることが出来る。通常、崩壊性粒子組成物全重量に対して、第一の崩壊剤成分は10〜50重量%、第二の崩壊剤成分は 1〜20重量%、賦形剤は30〜88重量%の範囲、及び、結晶セルロースは1〜40重量%の範囲である。
本発明の崩壊性粒子組成物は当業者に公知の任意の方法で製造することが出来る。例えば、任意の一成分もしくは二成分を用いる第一湿式造粒工程、第一湿式造粒工程で得られた造粒物と残りの成分を少なくとも用いる第二湿式造粒工程からなる二段造粒工程、或いは、第二湿式造粒工程で得られた造粒物に更に成分を混合する第三工程を含む三段造粒工程等によって製造することができる。
上記の製造方法以外に、例えば、全成分の全てを一緒に用いる一段階の造粒工程で本発明の崩壊性粒子組成物を製造しても良い。
上記の製造方法において、各造粒工程は水の存在下で各成分を分散させ乾燥することによって複合体を形成する方法、すなわち湿式造粒法で行われる。湿式造粒法の具体例としては、噴霧乾燥、転動造粒、撹拌造粒、及び流動層造粒などの噴霧法、凍結乾燥法、並びに、混練造粒等を挙げることができ、これらの当業者に公知の任意の方法で製造することができる。
酸型カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤は親水性であるため、湿式造粒により、水の存在下にて撹拌などの物理的な力を加える操作を行うことによって、乾燥粉末時の凝集状態から、粒子がより分散した状態となる。水噴霧による分散化と乾燥を行う流動層造粒、噴霧乾燥、転動造粒、及び撹拌造粒などは、分散を最も容易に行うことができ、乾燥速度が速いので、これらの方法が好ましい。
この中で、流動層造粒法は粉体を温風で吹き上げながら、水又は結合剤を含む水溶液等を噴霧して行う造粒法であり、噴霧条件等の調節が容易であること等から、最も好ましい方法である。
更に、各造粒工程において、噴霧(スプレー)速度やエアー給気温度、排気温度、エアー給気量などの諸条件は、各成分の種類・量等に応じて当業者が適宜決めることが出来る。
各造粒工程のいずれにおいても、噴霧液の媒体としては、例えば水、エタノール、メタノール、及びアセトン等の医薬品や食品に許容される溶媒を挙げることができる。或いは噴霧液として、10%未満の該崩壊性粒子組成物の成分を溶解させた水溶液などが挙げられるが、特に水または該水溶液が好ましい。
尚、上記の崩壊性添加剤配合物は以下のような物性を有していることが好ましい。
(1)平均粒子径:50〜200ミクロン、(2)水分:0.5〜6重量%。
尚、これら物性値は以下の条件・方法で測定される。
平均粒子径:崩壊性添加剤配合物2gを、φ75mm自動振とう篩器(M−2型、筒井理化学器械株式会社)を用いて測定する。
水分:崩壊性添加剤配合物5gをハロゲン水分測定器(HB43型、メトラートレド株式会社)を用いて測定する。
尚、本明細書において引用された全ての先行技術文献の記載内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[崩壊性粒子組成物の製造]
第一湿式造粒工程として、マンニトール(D−マンニトール、メルク株式会社)280g、カルメロース(NS−300、五徳薬品株式会社)75g、結晶セルロース(セオラスPH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)100gを流動層造粒機(LAB−1、株式会社パウレック)に投入し、精製水240gを24g/minの速度で噴霧することによって造粒し、さらに、第二湿式造粒工程として、クロスポビドン(ポリプラスドンINF−10、アイエスピー・ジャパン株式会社)40gを添加し、精製水300gを10g/minにて噴霧することによって、造粒物(本発明の崩壊性粒子組成物)を得た。尚、造粒物は以下の物性値を有していた。(1)平均粒子径:93ミクロン、(2)水分:2.3重量%。
[口腔内崩壊錠剤の製造例1]
実施例1[崩壊性粒子組成物の製造]で得られた崩壊性粒子組成物99.8重量部にステアリン酸マグネシウム0.2重量部を混合し、ロータリー打錠機(HT-EX12SS-U、株式会社畑鐵工所)を用い、回転盤回転数20rpm、打錠圧縮力3kNにおいて打錠し、直径6.0mm、隅角平錠、重量60mgの錠剤を得た。
[口腔内崩壊錠剤の製造例2]
実施例1[崩壊性粒子組成物の製造]で得られた崩壊性粒子組成物98.8重量部に、軽質無水ケイ酸(アドソリダー)1.0重量部、ステアリン酸マグネシウム0.2重量部を混合し、ロータリー打錠機(HT-EX12SS-U、株式会社畑鐵工所)を用い、回転盤回転数20rpm、打錠圧縮力3kNにおいて打錠し、直径6.0mm、隅角平錠、重量60mgの錠剤を得た。
[比較例]
乳糖(FlowLac90、Meggre株式会社)350g、コーンスターチ(コーンスターチホワイト、日本コーンスターチ株式会社)150gを混合し、混合物を得た。
得られた混合物99.8部に、ステアリン酸マグネシウム0.2部を混合し、比較例1と同様に打錠し、直径6.0mm、隅角平錠、重量60mgの錠剤を得た。
[硬度および崩壊性の評価]
実施例および比較例で得た各錠剤について、以下の方法によって硬度及び水中崩壊時間を測定した。硬度及び水中崩壊時間の測定結果を表1に示す。
尚、これら物性値は以下の条件・方法で測定した。
硬度:デジタル木屋式硬度計(株式会社藤原製作所)を用いて、硬度(N)を測定した。
水中崩壊時間:日本薬局方記載の方法(ただし、補助盤なし)に従い、崩壊試験器(NT−400、富山産業株式会社)を用いて、水中崩壊時間を測定した。
口腔内崩壊時間:口腔内崩壊試験機(トリコープテスタ、岡田精工株式会社)を用いて、口腔内崩壊時間を測定した。
硬度および各種崩壊時間はそれぞれ10回の測定を行い、それらの平均値を測定結果とした。
[応力-歪み曲線の評価]
更に、実施例および比較例で得た各錠剤について、以下の方法によって錠剤の応力-歪み曲線を取得した。テンシロン万能試験機を用いて、圧縮モード、圧縮速度1mm/minの速度で錠剤を圧縮し、錠剤の歪み(%)に対する応力(N/mm2)の変化をプロットし、曲線を得た。錠剤の割れた時点(破断点)の歪みおよび衝撃吸収エネルギーを各錠剤について評価した。
[落下試験および評価]
1m高からステンレス板上に1錠ずつ、計50錠の錠剤を落下させ、落下前後の錠剤硬度の変化、錠剤外観の変化を評価した。
[錠剤の各種物性値]
こうして製造された本発明の錠剤(製造例1及び製造例2)、及び、比較例で得られた錠剤の各種物性値を以下の表1に示す。また、得られた応力-歪み曲線を図1に示す。
Figure 2017226600
製造例1及び2、並びに比較例に示す各種錠剤の落下試験を実施した結果、製造例1は落下試験による錠剤の割れや欠けは確認されず、製造例2は落下試験後の僅か2錠に微小な欠けが確認されたのみであり、PTP包装や一包化など幅広い梱包体に適用可能であることを示された。一方で、比較例は落下試験後の錠剤に2錠の明確な割れ、欠けが確認されたため錠剤が分断され、このような包装には不適格であることが示された。
本発明によって、高い崩壊性(短い崩壊時間)を有し、且つ、錠剤の割れ欠けが実用レベルまで低減されると期待できる程度の高い錠剤硬度を兼ね備えた口腔内崩壊錠剤(超速崩壊錠剤)をプレススルーパッケージ(PTP:Press Thorugh Package)による包装体として提供することが可能となる。

Claims (9)

  1. 水中崩壊時間が15秒未満、錠剤の応力-歪み曲線における破断時の錠剤の歪みが1.7(%)以上であることを特徴とする、口腔内崩壊錠剤。
  2. 水中崩壊時間が9秒未満である、請求項1記載の口腔内崩壊錠剤。
  3. 口腔内崩壊時間が5秒以下である、請求項1又は2記載の口腔内崩壊錠剤。
  4. 更に、錠剤硬度が10N〜30Nである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤。
  5. 酸型カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース及び糖又は糖アルコールを含む崩壊性粒子組成物を医薬活性物質と混合し、得られた混合物を打錠することを含む方法で製造される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤。
  6. 崩壊性粒子組成物に更に軽質無水ケイ酸を含む、請求項5記載の口腔内崩壊錠剤。
  7. 打錠圧縮力2乃至8kNを加えて打錠する、請求項5又は6記載の口腔内崩壊錠剤。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠剤を包装して成る包装体。
  9. 包装体がプレススルーパッケージ(PTP)体または一包化体である請求項8記載の包装体。
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