JP2017226241A - タイヤ、及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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隆弘 鈴木
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誓志 今
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圭一 長谷川
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Abstract

【課題】タイヤ骨格部材に簡易に被覆ゴムを保持可能とする。【解決手段】タイヤ10は、ビード部12、ビード部12のタイヤ径方向外側に連なるサイド部14、及びサイド部14のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部16を含んで構成される樹脂材料で形成された環状のタイヤ骨格部材17と、タイヤ骨格部材17のサイド部外面からタイヤ内面にビード部12の周りを折り返して延設される被覆ゴム層24と、タイヤ骨格部材17のタイヤ内面に設けられた係合部と、被覆ゴム層24に設けられ、係合部が係合する被係合部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ、及びタイヤの製造方法に係り、特にタイヤ骨格部材が樹脂材料を用いて形成されたタイヤ、及びその製造方法に関する。
特許文献1には、熱可塑性エラストマーを用いて形成されたタイヤ骨格部材を備えたタイヤが開示されている。
特開2015−016834号公報
樹脂で形成されたタイヤ骨格部材を備え、タイヤ骨格部材のサイド部、及びビード部などが露出しているタイヤは、耐候性の確保や擦り傷防止などの観点で改良の余地がある。このため、タイヤ骨格部材のサイド部、及びビード部などの露出部分を耐候性や耐擦り傷性に優れるゴムなどで被覆することについて検討されている。
そこで、特許文献1に開示のタイヤでは、タイヤ骨格部材のサイド部、及びビード部の外面が被覆ゴムで覆われている。このタイヤを製造する場合、一例として、タイヤ骨格部材のサイド部の外面、及びビード部外面及び内面の一部に未加硫のゴムシートを貼り付け、その後、未加硫のゴムシートを貼り付けたタイヤ骨格部材を加硫モールドで加硫し、ゴムシートをタイヤ骨格部材に加硫接着することが考えられる。
しかしながら、未加硫のゴムシートを貼り付ける際、タイヤ骨格部材のビード部分を外側から内側へ折り返すように未加硫のゴムシートを曲げるため、未加硫ゴムシートをタイヤ骨格部材の表面に接着剤で仮止めしておかないと、未加硫ゴムシート自身の弾性で未加硫ゴムシートがタイヤ骨格部材から剥がれてしまい、加硫成形を行うことができなくなる。また、接着剤を塗布して仮止めする作業は煩雑である。
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、タイヤ骨格部材に未加硫ゴムシートを貼り付けて、タイヤ骨格部材に簡易に被覆ゴムを保持可能な構造を有するタイヤの提供、及びそのタイヤの製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載のタイヤは、樹脂材料で形成され、ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成された環状のタイヤ骨格部材と、前記タイヤ骨格部材のサイド部外面からタイヤ内面に渡って、前記ビード部の周りを折り返して延設される被覆ゴム層と、前記タイヤ骨格部材の前記タイヤ内面に設けられた係合部と、前記被覆ゴム層に設けられ、前記係合部と係合する被係合部と、を有する。
請求項1に記載のタイヤは、環状のタイヤ骨格部材のサイド部外面からタイヤ内面に、ビード部の周りを折り返して延設される被覆ゴム層が設けられ、タイヤ骨格部材のタイヤ内面に設けられた係合部と、被覆ゴム層に設けられた被係合部とが係合する構成となっている。
このため、タイヤ製造時に、未加硫の被覆ゴム層をタイヤ骨格部材のサイド部外面からタイヤ内面に貼り付ける際に、タイヤ骨格部材のタイヤ内面に設けられた係合部と、未加硫の被覆ゴム層に設けられた被係合部とを係合させることができる。この係合により、ビード部の周りを折り返されてビード部の内面側に配置された未加硫の被覆ゴム層を、タイヤ骨格部材に簡易に保持することができ、未加硫の被覆ゴムをタイヤ骨格部材に適正に貼り付けた状態で加硫を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記係合部は凸部であり、前記被係合部は前記凸部が挿入される孔である。
請求項2に記載のタイヤでは、係合部である凸部が、被係合部である孔に挿入されることで、未加硫の被覆ゴム層がタイヤ骨格部材から剥がれることを抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤにおいて、前記凸部の突出方向は、前記タイヤ骨格部材の回転軸に対して、先端側が基部側よりも径方向外側に位置するように傾斜している。
未加硫の被覆ゴム層をタイヤ骨格部材に貼り付けた際に、ビード部内面側に配置される未加硫の被覆ゴム層に対して、ビード部で折り返した部分側、言い換えれば、ビード部内面に沿ってタイヤ径方向内側に引っ張られるように張力が作用する場合があり、この張力が、ビード部内面側に配置される未加硫の被覆ゴム層をタイヤ骨格部材から剥がしてしまう原因となる場合がある。
請求項3に記載のタイヤでは、タイヤ骨格部材に設けられた凸部の突出方向が、タイヤ骨格部材の回転軸に対して、先端側が基部側よりも径方向外側に位置するように傾斜しているため、ビード部内面側に配置される未加硫の被覆ゴム層にタイヤ径方向内側に引っ張られるような張力が作用した際に、凸部に孔が引っ掛かる方向となるので、未加硫の被覆ゴム層がより剥がれ難くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のタイヤにおいて、前記凸部は、前記タイヤ骨格部材の一部が突出して形成されている。
請求項4に記載のタイヤは、凸部をタイヤ骨格部材の一部を突出させること形成しているので、例えば、タイヤ骨格部材を成形するモールドに、凸部を成形するための凹部を形成することで、簡単に凸部を形成することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のタイヤにおいて、前記凸部は、前記タイヤ骨格部材とは異なる部材で形成され、かつ前記タイヤ骨格部材に固定されている。
タイヤ骨格部材をモールドで成形する場合、凸部の形状や向き等によっては、凸部がモールドに引っ掛からないようにタイヤ骨格部材を取り出すためにモールドの構造が複雑化する場合がある。
請求項5に記載のタイヤでは、凸部がタイヤ骨格部材とは異なる部材で形成され、タイヤ骨格部材を成形した後に、タイヤ骨格部材に凸部を固定することができるので、凸部の形状や向き等の影響を受けずにモールドを構成することができ、モールドが複雑化するのを抑制できる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記凸部の先端部は前記被覆ゴム層を貫通して内周面から突出しており、前記凸部の前記先端部の径は、前記凸部の基端側の径よりも大きく形成されている。
請求項6に記載のタイヤでは、凸部の先端部が被覆ゴム層を貫通して内周面側に突出しており、凸部の先端部の径が、凸部の被覆ゴム層中を貫通している部分の径よりも大きく形成されているため、未加硫の被覆ゴム層がタイヤ骨格部材から剥がれようとする際に凸部の先端部が未加硫の被覆ゴム層に引っ掛かり、未加硫の被覆ゴム層をより一層剥がれ難くすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤにおいて、前記係合部は凹部であり、前記被係合部は、前記凹部に挿入される凸部である。
請求項7に記載のタイヤでは、係合部である凹部に対して、被係合部である凸部が挿入されることで、未加硫の被覆ゴム層がタイヤ骨格部材から剥がれることを抑制できる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記ビード部の内面側に配置される前記被覆ゴム層のタイヤ径方向外側端部、及び前記係合部は、前記タイヤ骨格部材のタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に配置されている。
樹脂材料で形成したタイヤ骨格部材のビード部を折り返すように被覆ゴム層を配置することで、タイヤをリムに装着した際に、被覆ゴム層がリムに密着し、従来の全体がゴム製のタイヤと同様にタイヤとリムとの間の気密性を保つことができる。
タイヤとリムとの間の機密性を保つためには、タイヤ内周面側においては、被覆ゴム層は、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に延びている必要はない。タイヤ内周面側において、被覆ゴム層がタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に延びていると、タイヤ重量が増加する原因となる。
請求項9に記載のタイヤの製造方法は、ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材と、前記ビード部のタイヤ内側面に前記ビード部と一体的に形成される係合部とを、樹脂材料を用いてモールドで形成する骨格形成工程と、前記タイヤ骨格部材の前記サイド部の外面から前記ビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置すると共に、前記未加硫ゴムシートを前記係合部に係合する未加硫ゴム配置工程と、前記未加硫ゴムシートの配置された前記タイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱して前記未加硫ゴムシートを加硫すると共に前記タイヤ骨格部材に加硫接着する加硫工程と、を有する。
請求項9に記載のタイヤの製造方法では、先ず、骨格形成工程において、ビード部、ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及びサイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材と、ビード部のタイヤ内側面にタイヤ骨格部材と一体的に形成される係合部とを、樹脂材料を用いてモールドで形成する。
未加硫ゴム配置工程では、タイヤ骨格部材のサイド部の外面からビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置すると共に、未加硫ゴムシートを係合部に係合する。
加硫工程では、未加硫ゴムシートの配置されたタイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱し、未加硫ゴムシートを加硫すると共にタイヤ骨格部材に加硫接着する。
未加硫ゴム配置工程で、未加硫ゴムシートをビード部の内面の係合部に係合するため、ビード部の内面側に配置された未加硫ゴムシートがタイヤ骨格部材から剥がれることを、接着剤を用いずに抑制できる。
請求項10に記載のタイヤの製造方法は、ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材を、樹脂材料を用いてモールドで形成する骨格形成工程と、前記タイヤ骨格部材の前記サイド部の外面から前記ビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置する未加硫ゴム配置工程と、前記未加硫ゴムシートを、前記タイヤ骨格部材とは別体の係止部材で前記ビード部のタイヤ内面に係止する係止工程と、前記未加硫ゴムシートの配置された前記タイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱して前記未加硫ゴムシートを加硫すると共に前記タイヤ骨格部材に加硫接着する加硫工程と、を有する。
請求項10に記載のタイヤの製造方法では、先ず、骨格形成工程において、ビード部、ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及びサイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材を、樹脂材料を用いてモールドで形成する。
未加硫ゴム配置工程では、タイヤ骨格部材のサイド部の外面からビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置する。
係止工程では、未加硫ゴムシートを係止部材でタイヤ骨格部材に係止する。
加硫工程では、未加硫ゴムシートの配置されたタイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱し、未加硫ゴムシートを加硫すると共にタイヤ骨格部材に加硫接着する。
係止工程で、未加硫ゴムシートをビード部の内面に係止部材を用いて係止するため、ビード部の内面側に配置された未加硫ゴムシートがタイヤ骨格部材から剥がれることを接着剤を用いずに抑制できる。
以上説明したように、本発明に係るタイヤ、及びタイヤの製造方法によれば、タイヤ骨格部材に簡易に被覆ゴムを保持可能となる、という優れた効果を有する。
実施形態のタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面図である。 図1のタイヤの左側のサイド部、及びビード部を示す拡大断面図である。 (A)は未加硫ゴムと、凸部の形成されたビード部の内面を示す斜視図であり、(B)は凸部を未加硫ゴムに差し込んだ状態を示す斜視図である。 他の実施形態に係る凸部を示す断面図である。 他の実施形態に係る凸部を示す断面図である。 他の実施形態に係る凸部を示す断面図である。 (A)は未加硫ゴムと、他の実施形態に係る凸部の形成されたビード部の内面を示す斜視図であり、(B)は他の実施形態に係る凸部を未加硫ゴムに差し込んだ状態を示す斜視図である。 他の実施形態に係る凸部を示す断面図である。 他の実施形態に係る凸部を示す断面図である。 他の実施形態に係るビード部と未加硫ゴムとを示す断面図である。 他の実施形態に係るビード部と未加硫ゴムとを示す断面図である。 他の実施形態に係るビード部と未加硫ゴムとを示す断面図である。 他の実施形態に係るビード部と未加硫ゴムとを示す断面図である。 (A)は貼り付け前の未加硫ゴムとビード部を示す断面図であり、(B)は貼り付け後の未加硫ゴムとビード部を示す断面図である。
以下、実施形態を挙げ、本発明の一実施形態について説明する。図面において、矢印TWはタイヤ幅方向を示し、矢印TRはタイヤ径方向(タイヤ回転軸(不図示)と直交する方向)を示している。また、以下では、タイヤ径方向に沿ってタイヤ回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」、タイヤ径方向に沿ってタイヤ回転軸に対して遠い側を「タイヤ径方向外側」と記載する。一方、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに対して遠い側を「タイヤ幅方向外側」と記載する。
なお、各部の寸法測定方法は、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が発行する2016年度版YEAR BOOKに記載の方法による。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、内部に空気を充填して用いる空気入りタイヤであり、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
(タイヤ骨格部材)
本実施形態のタイヤ10は、タイヤ10の骨格部分となる環状のタイヤ骨格部材17を備えている。本実施形態のタイヤ骨格部材17は、樹脂材料で形成された一対のタイヤ半体17Aをタイヤ赤道面CLで接合部材17Bによって接合したものである。
タイヤ骨格部材17は、タイヤ幅方向に間隔をあけて配置された一対のビード部12と、ビード部12のタイヤ径方向外側に連なるサイド部14と、サイド部14のタイヤ幅方向内側に連なり、各々のサイド部14のタイヤ径方向外側端同士を繋ぐクラウン部16と、を含んで構成されている。なお、タイヤ骨格部材17の周方向、幅方向、径方向は、それぞれタイヤ周方向、タイヤ軸方向、タイヤ径方向に対応している。
タイヤ骨格部材17は、樹脂材料を主原料として形成されている。この樹脂材料には、加硫ゴムは含まれない。樹脂材料としては、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)、熱硬化性樹脂、及びその他の汎用樹脂のほか、エンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)とは、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になる高分子化合物をいう。本明細書では、このうち、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有する高分子化合物を熱可塑性エラストマーとし、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有しない高分子化合物をエラストマーでない熱可塑性樹脂として、区別する。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、及び、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)、ならびに、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、及び、ポリエステル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、上記の熱可塑性材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定されている荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78℃以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸び(JIS K7113)が50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃であるものを用いることができる。
熱硬化性樹脂とは、温度上昇と共に3次元的網目構造を形成し、硬化する高分子化合物をいう。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
なお、樹脂材料には、既述の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)及び熱硬化性樹脂のほか、(メタ)アクリル系樹脂、EVA樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の汎用樹脂を用いてもよい。
なお、タイヤ骨格部材17は、単一の樹脂材料で形成されても、タイヤ骨格部材17の各部位(ビード部12、サイド部14、クラウン部16など)毎に異なる特徴を有する樹脂材料で形成されてもよい。
ビード部12は、被覆ゴム24を介して標準リム19に嵌合する部位であり、内部にタイヤ周方向に沿って延びる環状のビードコア18が埋設されている。なお、ここでいう「ビード部」とは、タイヤ径方向内側端からタイヤ断面高さSHの30%の範囲までをいう。ビードコア18は、金属コード(例えば、スチールコード)、有機繊維コード、樹脂被覆した有機繊維コード、または硬質樹脂などのビードコード(不図示)で構成されている。なお、ビードコア18に関しては、ビード部12の剛性を十分に確保できれば省略してもよい。
(凸部)
図2に示すように、ビード部12の内面12Bには、係合部の一例たる凸部20が設けられている。凸部20は、タイヤ骨格部材17のタイヤ最大幅位置Pmaxよりもタイヤ径方向内側で、かつ、ビードコア18よりもタイヤ径方向外側に、タイヤ内側へ突出してタイヤ周方向に複数形成されている。本実施形態の凸部20は、円柱形状である。ビード部12の内面12B内で凸部20が形成されている部分は、タイヤ径方外側がタイヤ径方内側よりもタイヤ幅方向外側となるように傾斜しており、凸部20の軸線Lは、内面12Bに対して垂直に延びている。したがって、凸部20の軸線Lは、凸部20の先端側が基部側よりもタイヤ径方向外側に位置するようにタイヤ回転軸に対して平行な方向(矢印TW方向)に対して傾斜している。
図1に示すように、サイド部14は、タイヤ10の側部を構成する部位であり、ビード部12からクラウン部16に向ってタイヤ幅方向外側に凸となるように緩やかに湾曲している。
クラウン部16は、タイヤ径方向外側に配設される後述するトレッド32を支持する部位であり、外周面がタイヤ幅方向に沿って略平坦状とされている。
(ベルト層)
クラウン部16のタイヤ径方向外側には、ベルト層28が配設されている。図2に示すように、このベルト層28は、樹脂27で被覆された補強コード26をタイヤ周方向に螺旋状に巻いて構成されている。
(骨格部材補強層)
タイヤ骨格部材17のタイヤ外側面側には、骨格部材補強層30が配置されている。骨格部材補強層30は、タイヤ骨格部材17の外面に沿ってビードコア18のタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側へ向けて延び、さらにタイヤ赤道面CLを越えて反対側のビードコア18のタイヤ径方向内側へ延びている。
骨格部材補強層30は、ゴム(図示せず)で被覆された複数の補強コード(図示せず)を備えている。骨格部材補強層30の補強コードは、有機繊維のモノフィラメント(単線)、または有機繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)であり、それぞれラジアル方向に延びてタイヤ周方向に並列されている。なお、骨格部材補強層30の補強コードは、タイヤ側面視で、タイヤ径方向に対して10°以内の角度で傾斜していてもよい。
本実施形態の骨格部材補強層30は、互いに平行に並べられた複数の補強コードをゴム(未加硫)で被覆した後述するプライ30L、及びプライ30Rを、成形されたタイヤ骨格部材17の外周面に貼り付けて形成している。
骨格部材補強層30の補強コードとしては、一例として、ポリエステルコード、ナイロンコード、PETコード、芳香族ポリアミドコード等を用いることができる。なお、骨格部材補強層30の補強コードの材料として、スチール等の金属を用いてもよい。なお、骨格部材補強層30は、補強コードをゴムではなく樹脂で被覆したものであってもよい。
(トレッド)
骨格部材補強層30のタイヤ径方向外側には、ゴム製のトレッド32が配設されている。このトレッド32は、骨格部材補強層30のタイヤ径方向外側部分を覆っている。トレッド32を構成するゴム材は、従来一般の空気入りタイヤのトレッドゴムや、更生タイヤ用のトレッドゴムと同様のものである。また、トレッド32には、路面との接地面にトレッドパターン(図示省略)が形成されている。
(被覆ゴム)
図1及び図2に示すように、タイヤ骨格部材17に貼り付けられた骨格部材補強層30の外面には、サイド部14のタイヤ外側の外面14Aからビード部12のタイヤ内側の内面12Bに渡って被覆ゴム24が配設されている。具体的には、被覆ゴム24は、サイド部14の外面14Aからビード部12の外面12Aを経由してビード部12の内面12B側へ折り返されている。
被覆ゴム24のタイヤ外側の外側端部24Aは、タイヤ骨格部材17に貼り付けられた骨格部材補強層30とトレッド32のタイヤ幅方向外側の端部32A側の一部分との間に挟持された状態で、トレッド32とタイヤ骨格部材17に接合(加硫接着)されている。なお、本実施形態では、タイヤ骨格部材17に貼り付けられた骨格部材補強層30の外面がすべてトレッド32と被覆ゴム24とによって覆われている。
被覆ゴム24を構成するゴム材としては、タイヤ骨格部材17よりも耐候性及び標準リムとのシール性が高いゴム材を用いている。被覆ゴム24を構成するゴム材は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤのサイドウォール、及びビード部に用いるゴム材と同様のものである。
図2に示すように、被覆ゴム24のビード部12のタイヤ径方向内側には、ビードベース24Cが形成されている。このビードベース24Cは、リム組状態(タイヤ10を標準リム19に組み付けた状態)において、標準リム19のビードシート19A上に載置されて該ビードシート19Aに接する。また、被覆ゴム24のビードベース24Cのタイヤ幅方向外側には、ビードヒール24Dが形成されている。このビードヒール24Dは、湾曲形状とされ、リム組状態において、標準リム19のリムフランジ19Bに接する。さらに、被覆ゴム24のビードベース24Cのタイヤ幅方向内側には、ビードトウ24Eが形成されている。このビードトウ24Eは、被覆ゴム24のタイヤ幅方向内側で且つタイヤ径方向内側の端部を指す部分であり、リム組状態において、標準リム19のビードシート19Aに接する。
ビード部12の内面12Bに配置される被覆ゴム24には、被係合部の一例たる孔34が形成されており、この孔34にタイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに形成された凸部20が挿入されている。
(タイヤの製造方法)
次に、本実施形態のタイヤ10の製造方法の一例を説明する。
(骨格形成工程)
まず、骨格形成工程について説明する。この骨格形成工程では、タイヤ骨格部材17をタイヤ赤道面CL部分で半分に分割した形状のタイヤ半体17Aを熱可塑性樹脂を用いて射出成形する。
次に、一対のタイヤ半体17Aの端部同士を突き合せ、この突き合せ部分にタイヤ半体17Aを形成する熱可塑性樹脂と同じ樹脂(接合部材17B)を溶融状態で付与して、一対のタイヤ半体17A同士を溶着し、タイヤ骨格部材17を形成する。なお、一対のタイヤ半体17A同士の接合に用いる樹脂については、タイヤ半体17Aを形成する熱可塑性樹脂と異なる樹脂を用いてもよい。また、一対のタイヤ半体17A同士の接合については、突き合せ部分を加熱溶融して溶着してもよい。
(骨格部材補強層形成工程)
次に、骨格部材補強層形成工程について説明する。この骨格部材補強層形成工程では、加硫後に骨格部材補強層30となる環状とされたプライ30L、及びプライ30Rをタイヤ骨格部材17の外面及び内面の一部に配置する。具体的には、プライ30Lをクラウン部16の外面のタイヤ赤道面CL付近から図面左側のビード部12の内面12Bに渡って配置し、プライ30Rをクラウン部16外面のタイヤ赤道面CL付近から図面右側のビード部12の内面12Bに渡って配置する。なお、タイヤ赤道面CL付近において、プライ30Lの一部とプライ30Rの一部とを重ねる。
(未加硫ゴム配置工程)
次に、未加硫ゴム配置工程について説明する。この未加硫ゴム配置工程では、加硫後に被覆ゴム24となる環状とされたシート状の未加硫ゴムシート25をタイヤ骨格部材17のサイド部14の外面14Aからビード部12の内面12Bに渡ってプライ30Lの外面、及びプライ30Rの外面に配置する。
具体的には、タイヤ10の図面左側においては、未加硫ゴムシート25のタイヤ径方向外側の端部25Eをタイヤ骨格部材17のクラウン部16の端部付近のプライ30Lの外面に位置決めして配置し、サイド部14の外面14Aからビード部12の外面12Aへ向けて未加硫ゴムシート25をタイヤ径方向内側へ順次貼り付けて行き、未加硫ゴムシート25のタイヤ径方向内側部分をタイヤ骨格部材17のタイヤ径方向内側部分を経由してビード部12の内面12B側へと折り返す。
タイヤ10の図面右側においては、未加硫ゴムシート25のタイヤ径方向外側の端部25Eをタイヤ骨格部材17のクラウン部16の端部付近のプライ30Rの外面に位置決めして配置し、サイド部14の外面14Aからビード部12の外面12Aへ向けて未加硫ゴムシート25をタイヤ径方向内側へ順次貼り付けて行き、未加硫ゴムシート25のタイヤ径方向内側部分をタイヤ骨格部材17のタイヤ径方向内側部分を経由してビード部12の内面12B側へと折り返す。
なお、未加硫ゴムシート25の表面はある程度の粘着性を有しているので、例えば、プライ30L、プライ30R、及びタイヤ骨格部材17の表面にローラー(図示せず)等を当てて押し付けながら移動することで、未加硫ゴムシート25の粘着力を利用して未加硫ゴムシート25をプライ30L、プライ30R、及びタイヤ骨格部材17に貼り付けること(後の、加硫工程までの仮固定)ができる。
ここで、未加硫ゴムシート25を折り返した部分においては、未加硫ゴム自身の弾性によって、未加硫ゴムシート25は、折り返す前の形状(平坦な形状)に戻ろうとするため、未加硫ゴムシート25の粘着力では、貼り付け状態を維持することができない場合がある。このため、本実施形態では、未加硫ゴムシート25を折り返す際に、図3(A)に示すように、タイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに形成された凸部20を未加硫ゴムシート25の孔34に挿入し、図3(B)に示すように、未加硫ゴムシート25のタイヤ径方向内側部分をタイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bへ仮止め固定する。これにより、後の加硫工程まで、未加硫ゴムシート25が剥がれることを抑制できる。
(ベルト成形工程)
次に、ベルト成形工程について説明する。このベルト成形工程では、タイヤ骨格部材17の外周にベルト層28を形成する。具体的には、タイヤ骨格部材17のクラウン部16に樹脂27で被覆した補強コード26を螺旋状に巻き付けてベルト層28を形成する。ここで補強コード26は、樹脂部分を溶融させながらクラウン部16に巻き付けるため、樹脂27の冷却固化後には、クラウン部16に強固に接合される。
(トレッド配置工程)
次に、トレッド配置工程について説明する。このトッド配置工程では、加硫後にトレッド32となる未加硫トレッドゴム(図示省略)を、プライ30L、及びプライ30Rのタイヤ径方向外側に配置する。具体的には、タイヤ一周分の帯状の未加硫ゴムトレッドを、プライ30L、及びプライ30Rの外周に巻き付けて貼り付ける。なお、巻き付ける際に、プライ30Lと未加硫ゴムトレッドの一方の端部との間、及びプライ30Rと未加硫ゴムトレッドの他方の端部との間に、未加硫ゴムのタイヤ径方向外側の端部を挟持する。
(加硫工程)
次に、加硫工程の一例について説明する。この加硫工程では、加硫機(図示省略)を用いてタイヤ骨格部材17に接着された未加硫のゴムを加硫する。加硫機は、従来一般の空気入りタイヤを加硫するものと同様の構造のものを用いることができ、簡単に説明すると、加硫機はタイヤ骨格部材17が内部にセットされる加硫型と、膨張収縮可能とされ、タイヤ骨格部材17の内側で膨張することでタイヤ骨格部材17を内側から加圧する加硫ブラダーとを備えている。
加硫工程では、まず、加硫ブラダーを収縮した状態で、タイヤ骨格部材17の内側に配置し、その後膨張させることで、タイヤ骨格部材17を内側から加圧する。そして、加硫ブラダーと共にタイヤ骨格部材17を加硫型内にセットし、その後、タイヤ骨格部材17を内側からさらに加圧し、未加硫ゴムシート25及び未加硫トレッドゴムを成形面に押し付けつつ、所定温度で所定時間加熱して加硫する。これにより、未加硫ゴムシート25及び未加硫トレッドゴムが加硫成形されて最終製品の加硫度に至る。
次に、加硫済みのタイヤ10を加硫型から離型し、その後、加硫ブラダーを収縮してタイヤ骨格部材17の内側から抜く。これにより、タイヤ10が完成する。
(作用、効果)
次に、本実施形態のタイヤ10の製造方法の作用効果について説明する。
前述した様に、未加硫ゴムシート25は小さいながらも弾性力を有しているため、未加硫ゴムシート25を折り返して急激に曲げると、曲げられる前の元の形状に戻ろうとする曲げ応力が内部に生じ、ビード部12の内面12B側に配置された部分が図2の2点鎖線で記載したように剥がれる虞がある。
しかしながら、本実施形態では、未加硫ゴムシート25をタイヤ骨格部材17に貼り付ける際に、タイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに形成された凸部20を、未加硫ゴムシート25の孔34に挿入し、未加硫ゴムシート25を凸部20に係止するので、凸部20を孔34に挿入しない場合に比較して、ビード部12の内面12Bに貼り付けられた未加硫ゴムシート25は剥がれ難くなる。
これにより、未加硫ゴムシート25は、加硫工程に至るまで、プライ30L、プライ30R、及びタイヤ骨格部材17に貼り付けられた状態を維持するので、未加硫ゴムシート25は、プライ30L、プライ30R、及びタイヤ骨格部材17の適正位置において加硫され、プライ30L、プライ30R、及びタイヤ骨格部材17に加硫接着される。
なお、凸部20の数、凸部20の径、及び凸部20の高さは、未加硫ゴムシート25を貼り付けて加硫するまでの間に剥がれないように適宜決めれば良い。一例として、凸部20の径、及び凸部20の高さは、数mm程度あれば良い。凸部20の高さ寸法は、未加硫ゴムシート25の凸部20を挿入する孔34の形成されている部分の厚さ寸法と同程度であればよく、図2に示すように未加硫ゴムシート25の厚さ寸法よりも若干大きくてもよく、未加硫ゴムシート25の貼り付け状態を維持できれば未加硫ゴムシート25の厚さ寸法よりも若干小さくてもよい。
図2に示すように、本実施形態の凸部20は、その軸線Lが、内面12Bに対して垂直に延びており、凸部20の先端側が基部側よりもタイヤ径方向外側に位置するようにタイヤ回転軸に対して平行な方向(矢印TW方向)に対して傾斜しているため、例えば、未加硫ゴムシート25を貼り付けて加硫工程に至るまでの間、折り返した未加硫ゴムシート25に対して、例えば、図2の矢印Fで示す方向の引張り力が作用しても、未加硫ゴムシート25の孔34が凸部20に引っ掛かるので、折り返した未加硫ゴムシート25が該引張り力によって剥がれることを抑制できる。
[変形例]
図4〜14にしたがって、未加硫ゴムシート25をビード部12の内面12Bへ仮止め固定する際の変形例を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
前述した実施形態では、凸部20が一定径であったが、凸部20の先端部の径を、基端側の径よりも大きく形成してもよい。
図4に示す凸部36は、柱状部36Aの先端に、柱状部36Aの軸線Lと交差方向に突出する板状の引掛り部36Bが形成されており、この引掛り部36Bが未加硫ゴムシート25の外側に配置されている。このため、孔34から凸部36が抜け出ようとする際に、引掛り部36Bが未加硫ゴムシート25に引っ掛かり、凸部36が孔34から抜け難くなっている。
図5に示す凸部38は、柱状部38Aの先端に、柱状部38Aの径寸法よりも直径寸法の大きい球状の引掛り部38Bが形成されており、この引掛り部38Bが未加硫ゴムシート25の外側に配置されている。このため、孔34から凸部38が抜け出ようとする際に、引掛り部38Bが未加硫ゴムシート25に引っ掛かり、凸部38が孔34から抜け難くなっている。
図6に示す凸部40は、柱状部40Aの先端に、柱状部40Aの径寸法よりも最大径が太い円錐状の引掛り部40Bが形成されており、この引掛り部40Bが未加硫ゴムシート25の外側に配置されている。このため、孔34から凸部40が抜け出ようとする際に、引掛り部40Bが未加硫ゴムシート25に引っ掛かり、凸部40が孔34から抜け難くなっている。
なお、未加硫ゴムシート25に、孔34の代わりに図7(A)に示すような十字の切込み42を形成して、切込み42に凸部40を差し込み、図7(B)に示すように、未加硫ゴムシート25から引掛り部40Bが突出するようにしてもよい。なお、十字の切込み42に代えて、凸部40を差し込み可能な一直線状の切込みを未加硫ゴムシート25に形成してもよい。
図8に示す凸部44は、2点鎖線で示すような円柱状とされた柱状部44Aを未加硫ゴムシート25の孔34を挿通させた後、孔34から突出させた柱状部44Aの先端部を熱鏝46等により溶融して潰すことで、柱状部44Aよりも径の大きい略円盤状の引掛り部44Bを形成している。このため、孔34から凸部44が抜け出ようとする際に、引掛り部44Bが未加硫ゴムシート25に引っ掛かり、凸部44が孔34から抜け難くなっている。
図9に示すように、本実施形態では、タイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに、タイヤ骨格部材17とは別部材で形成された凸部材48が埋め込まれている。凸部材48は、凸部材48をタイヤ骨格部材17を成形するモールドに配置して樹脂を流し込み、タイヤ骨格部材17に凸部材48を一体化させてもよく(所謂インサート成形)、タイヤ骨格部材17に形成した孔に凸部材48を圧入等して固定してもよい。
本実施形態の凸部材48は、タイヤ骨格部材17に埋め込まれている部分が円柱状で、未加硫ゴムシート25から突出する先端側が円錐台形状とされているが、例えば、前述した図4、5に示すような他の形状であっても良い。
図10に示すように、本実施形態では、未加硫ゴムシート25の厚さ寸法よりも高さ寸法が小さく設定された凸部50がタイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに無数に形成されており、未加硫ゴムシート25をビード部12の内面12Bに押し付けることで、凸部50を未加硫ゴムシート25にめり込ませている、言い換えれば、凸部50を未加硫ゴムシート25に食い込ませている。これにより、本実施形態においても未加硫ゴムシート25が剥がれ難くなっている。なお、本実施形態において、凸部50の形状、凸部50のサイズ、及び凸部50の数等は、未加硫ゴムシート25が剥がれないように適宜設定されるものであり、例えば、凸部50の形状は、断面が三角形状であってもよく、矩形であってもよい。また、凸部50は、タイヤ周方向にリブ状に延びていてもよい(側面視で凸部50が環状)。
図11に示すように、本実施形態では、タイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに、タイヤ骨格部材17とは別部材で形成された無数の繊維状の毛52が植毛されている。毛52の材料は、金属であってもよく、樹脂であってもよい。ここで、毛52とは、直径が1mm以下で、直径寸法よりも長さ寸法が大きいものを意味する。
本実施形態では、未加硫ゴムシート25をビード部12の内面12Bに押し付けることで、無数の毛52を未加硫ゴムシート25にめり込ませている、言い換えれば、毛52を未加硫ゴムシート25に食い込ませている。これにより、本実施形態においても未加硫ゴムシート25が剥がれ難くなっている。
図12に示すように、本実施形態では、未加硫ゴムシート25をタイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに貼り付けた後、頭部54Aの形成された直線状の針54を未加硫ゴムシート25を貫通させてタイヤ骨格部材17に打ち込み、未加硫ゴムシート25を固定している。これにより、本実施形態においても未加硫ゴムシート25が剥がれ難くなっている。なお、針54は、例えば鋲打機等の器具を用いて打ち込むことができる。
図13に示すように、本実施形態では、未加硫ゴムシート25をタイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに貼り付けた後、コ字状に形成された針56を未加硫ゴムシート25を貫通させてタイヤ骨格部材17に打ち込み、未加硫ゴムシート25を固定している。これにより、本実施形態においても未加硫ゴムシート25が剥がれ難くなっている。なお、針56は、例えばタッカー等の器具を用いて打ち込むことができる。
なお、針54、針56は、タイヤ骨格部材17とは異なる部材の一例である。
図14(A)に示すように、本実施形態では、タイヤ骨格部材17のビード部12の内面12Bに係合部の一例たる凹部58が複数形成されている。一方、未加硫ゴムシート25は2層構造となっており、ビード部12の内面12Bに貼り付けられる側の内層25Aは、加硫前の硬さが反対側の外層25Bに比較して軟らかくなっている。
本実施形態では、未加硫ゴムシート25をビード部12の内面12Bに押し付け、図14(B)に示すように、内層25Aの未加硫ゴムを凹部58に進入させるように未加硫ゴムシート25をビード部12の内面12Bに貼り付ける。内層25Aの未加硫ゴムが凹部58に進入しているので、本実施形態においても未加硫ゴムシート25が剥がれ難くなっている。なお、本実施形態では、凹部58が請求項7の発明の係合部に相当しており、凹部58に進入している内層25Aの凸状の一部、即ち凸部60が請求項7の発明の被係合部に相当している。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
なお、凸部20等を、未加硫ゴムシート25(被覆ゴム24)から突出させる場合、未加硫ゴムシート25(被覆ゴム24)から突出から突出する部分の寸法は、必要最小限にすることが好ましい。一例として、凸部20等の最大高さ寸法は、未加硫ゴムシート25(被覆ゴム24)の厚さ寸法の150%まであればよい。
また、凸部20等の位置は、タイヤ交換の際にタイヤチェンジャーのレバー等が引っ掛からないような位置に配置することが好ましい。
なお、タイヤ骨格部材17に凸部と凹部を形成し、未加硫ゴムシート25にタイヤ骨格部材17の凸部と凹部に係合する凹部と凸部を形成しても良い。また、上記実施形態と、上記変形例とを適宜組み合わせてもよい。
10…タイヤ、12…ビード部、14…サイド部、16…クラウン部、17…タイヤ骨格部材、20…凸部(係合部)、24…被覆ゴム、25…未加硫ゴムシート、34…孔(被係合部)、36…凸部(係合部)、38…凸部(係合部)、40…凸部(係合部)、42…切込み(被係合部)、44…凸部(係合部)、48…凸部材(係合部)、50…凸部(係合部)、52…毛(係合部)、54…針(係合部)、56…針(係合部)、58…凹部(係合部)、

Claims (10)

  1. 樹脂材料で形成され、ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成された環状のタイヤ骨格部材と、
    前記タイヤ骨格部材のサイド部外面からタイヤ内面に渡って、前記ビード部の周りを折り返して延設される被覆ゴム層と、
    前記タイヤ骨格部材の前記タイヤ内面に設けられた係合部と、
    前記被覆ゴム層に設けられ、前記係合部と係合する被係合部と、
    を有するタイヤ。
  2. 前記係合部は凸部であり、
    前記被係合部は前記凸部が挿入される孔である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記凸部の突出方向は、前記タイヤ骨格部材の回転軸に対して、先端側が基部側よりも径方向外側に位置するように傾斜している、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記凸部は、前記タイヤ骨格部材の一部が突出して形成されている、請求項2または請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記凸部は、前記タイヤ骨格部材とは異なる部材で形成され、かつ前記タイヤ骨格部材に固定されている、請求項2または請求項3に記載のタイヤ。
  6. 前記凸部の先端部は前記被覆ゴム層を貫通して内周面から突出しており、
    前記凸部の前記先端部の径は、前記凸部の基端側の径よりも大きく形成されている、請求項2〜請求項5の何れか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記係合部は凹部であり、
    前記被係合部は、前記凹部に挿入される凸部である、請求項1に記載のタイヤ。
  8. 前記ビード部の内面側に配置される前記被覆ゴム層のタイヤ径方向外側端部、及び前記係合部は、前記タイヤ骨格部材のタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に配置されている、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のタイヤ。
  9. ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材と、前記ビード部のタイヤ内側面に前記ビード部と一体的に形成される係合部とを、樹脂材料を用いてモールドで形成する骨格形成工程と、
    前記タイヤ骨格部材の前記サイド部の外面から前記ビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置すると共に、前記未加硫ゴムシートを前記係合部に係合する未加硫ゴム配置工程と、
    前記未加硫ゴムシートの配置された前記タイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱して前記未加硫ゴムシートを加硫すると共に前記タイヤ骨格部材に加硫接着する加硫工程と、
    を有するタイヤの製造方法。
  10. ビード部、前記ビード部のタイヤ径方向外側に連なるサイド部、及び前記サイド部のタイヤ幅方向内側に連なるクラウン部を含んで構成されるタイヤ骨格部材を、樹脂材料を用いてモールドで形成する骨格形成工程と、
    前記タイヤ骨格部材の前記サイド部の外面から前記ビード部の内面に渡って未加硫ゴムシートを配置する未加硫ゴム配置工程と、
    前記未加硫ゴムシートを、前記タイヤ骨格部材とは別体の係止部材で前記ビード部のタイヤ内面に係止する係止工程と、
    前記未加硫ゴムシートの配置された前記タイヤ骨格部材を加硫モールド内で加熱して前記未加硫ゴムシートを加硫すると共に前記タイヤ骨格部材に加硫接着する加硫工程と、
    を有するタイヤの製造方法。
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