JP2017226034A - 精密部品の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精密部品を加工するにあたって、バリの発生を低減させることができる精密部品の加工方法を提供することを目的としている。【解決手段】偏光板本体10の内側部分を楕円形状部1aに切断するにあたって、当該偏光板本体10を完全に切断せず一部残して当該偏光板本体10の内側部分を楕円形状部1aに切断する工程と、楕円形状部1aの部分を、突き落とし棒TBを用いて鉛直下向きに突き落とす工程(図3(b)参照)と、を含んでなる。【選択図】図3
Description
本発明は、携帯電話や液晶表示装置等に関する電子部品並びに光学レンズ等に関する光学部品等の精密部品を所定形状に加工する精密部品の加工方法に関する。
近年、精密部品として、例えば、液晶表示装置等では、薄型の偏光板としてポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素化合物を吸着しこれを延伸配向させて可視光の吸収二色性を発現させた偏光フィルムが多く用いられている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記のような偏光板をパンチで孔明け加工しようとすると、バリが発生し、もって、歩留まりが悪くなるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、精密部品を加工するにあたって、バリの発生を低減させることができる精密部品の加工方法を提供することを目的としている。
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の精密部品の加工方法によれば、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分を所定形状(楕円形状部1a)に切断するにあたって、当該精密部品本体(偏光板本体10)を完全に切断せず一部残して当該精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分を所定形状(楕円形状部1a)に切断する工程(図2(b)参照)と、
前記所定形状(楕円形状部1a)の部分を、突き落とし部材(突き落とし棒TB)を用いて鉛直下向きに突き落とす工程(図3(b)参照)と、を含んでなることを特徴としている。
前記所定形状(楕円形状部1a)の部分を、突き落とし部材(突き落とし棒TB)を用いて鉛直下向きに突き落とす工程(図3(b)参照)と、を含んでなることを特徴としている。
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の精密部品の加工方法において、前記突き落とし部材(突き落とし棒TB)の径は、前記所定形状(楕円形状部1a)の径よりも径小であることを特徴としている。
さらに、請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に記載の精密部品の加工方法において、前記突き落とし部材(突き落とし棒TB)を用いて鉛直下向きに突き落とされた前記精密部品本体(偏光板本体10)の所定形状(楕円形状部1a)の部分は、当該突き落とし部材(突き落とし棒TB)が挿抜可能な孔(Da)が形成された収納部材(金型D)の孔(Da)内に収納されてなることを特徴としている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明によれば、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分を、切断刃(K)を用いて所望の形状に切断する際、完全に切断せず一部残して切断することにより、精密部品本体(偏光板本体10)の一部が剥がれて離散し、何らかの製品に貼り付き、不良品となってしまう事態を低減させることができる。次いで、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分を一部残して所望の形状に切断した後、突き落とし部材(突き落とし棒TB)を用いて、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分に形成されている所定形状(楕円形状部1a)の部分を鉛直下向きに突き落とすことにより、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分に形成されている所定形状(楕円形状部1a)の部分にのみその力が加わり、精密部品本体(偏光板本体10)の所定形状(楕円形状部1a)の部分以外の精密部品本体(偏光板本体10)の部分にその力が加わることがないため、もって、バリの発生を低減させつつ、精密部品を加工することができる。
また、請求項2の発明によれば、突き落とし部材(突き落とし棒TB)の径は、精密部品本体(偏光板本体10)の所定形状(楕円形状部1a)の径よりも径小であるから、突き落とし部材(突き落とし棒TB)によって、精密部品本体(偏光板本体10)の内側部分に形成されている所定形状(楕円形状部1a)の部分を精密部品本体(偏光板本体10)より容易に分離することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、突き落とし部材(突き落とし棒TB)を用いて鉛直下向き(図3(a)の矢印Y1方向参照)に突き落とされた所定形状(楕円形状部1a)の部分は、当該突き落とし部材(突き落とし棒TB)が挿抜可能な孔(Da)が形成された収納部材(金型D)の孔(Da)内に収納されているから、廃棄物を一箇所に貯めることができ、もって、廃棄物を簡単容易に破棄することができる。
以下、本発明に係る精密部品の加工方法として、偏光板を例にして、その加工方法の一実施形態を、図1〜図3を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
まず、偏光板について説明する。
図1(a)に示すように、偏光板1は、入射光を偏光方向に応じて透過光と反射光とに分離することができるもので、平面視矩形状に形成されている。この偏光板1は、図2(a)に示すように、断面矩形状の偏光板本体10を備え、この偏光板本体10は、長尺状のベースセパレータ10aと、このベースセパレータ10a上に配置されている粘着剤10bと、この粘着剤10b上に配置されているトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)10cと、偏光子10dと、TACフィルム10eと、位相差フィルム10fと、保護フィルム10gとで構成されている。
ベースセパレータ10aは、厚み約40μmで形成されており、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材等で形成されている。
一方、粘着剤10bは、厚み約25μmで形成されており、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができるもので形成されている。
また、TACフィルム10c,10eは、厚み約40μmで形成されており、トリアセチルセルロース(TAC)を主成分として含有するトリアセチルセルロース系樹脂フィルムにて形成されている。
そして、偏光子10dは、無偏光(自然光)、部分偏光、又は、偏光から特定方向にのみ振動する偏光(直線偏光)を取り出す機能を有するもので、厚み約20μmで形成されており、ポリビニルアルコールあるいはエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、ケン化度99.0〜99.99モル%であるエチレン変性ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーからなるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルムを処理して配向させたもので形成されている。
他方、位相差フィルム10fは、位相差調整機能を有するもので、厚み約70μmで形成されており、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ノルボルネン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、アクリル系、アセテート系、ポリオレフィン系等の樹脂等のポリマーフィルムを延伸処理した複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムで支持した積層体等で形成されている。なお、この位相差フィルム10fは、偏光子10dとの接着性を上げるため、例えば、その表面が、アルカリ等によってケン化処理されてもよく、あるいは、表面に適切なプライマー処理を行ってもよい。
また、保護フィルム10gは、偏光子10dが収縮や膨張することを防いだり、紫外線による劣化を防いだりする機能を有するもので、厚み約60μmで形成されており、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性などに優れる熱可塑性樹脂で形成されている。このような保護フィルム10gを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル系樹脂を代表例とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を代表例とするポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
かくして、上記のように構成される偏光板1は、以下のように加工される。
すなわち、上記偏光板1を加工、すなわち、その偏光板本体10の内側部分に所望の形状を形成するにあたって、図2(b)に示すように、偏光板本体10の内側部分を、切断刃Kを用いて所望の形状に切断する。すなわち、偏光板本体10の内側部分に、例えば、直径約2.0mmからなる中心線O1を基点とする楕円形状部1aが形成されるように、図2(b)に示すように、切断刃Kを用いて偏光板本体10の内側部分を切断する。この際、偏光板本体10の内側部分を完全に切断するのではなく、一部(例えば、20μm程度)残して切断するようにする。そのため、図1(b)においては、一部(例えば、20μm程度)残して切断していることを示すため、楕円形状部1aを破線で示している。しかしてこのようにすれば、偏光板本体10の一部、例えば、ベースセパレータ10aが剥がれて離散し、何らかの製品に貼り付き、不良品となってしまう事態を低減させることができる。
次いで、偏光板本体10の内側部分を、切断刃Kを用いて所望の形状に一部残して切断した後、図3に示すように、突き落とし棒TBを用いて、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aを鉛直下向きに突き落とす。具体的に説明すると、この突き落とし棒TBは、直径約1.6mmからなる円柱状の棒であり、上下動(鉛直上向き、鉛直下向きへ動作)できるようになっている。そしてこのような突き落とし棒TBを、図3(a)に示すように、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aを鉛直下向きに突き落とすように、偏光板本体10の上側から下側(矢印Y1方向)へ移動させると、図3(b)に示すように、突き落とし棒TBによって、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aが偏光板本体10より分離し、もって、楕円形状部1aが鉛直下向きに突き落とされることとなる。そしてその後、突き落とし棒TBを下側(矢印Y1方向)から上側(矢印Y1方向と反対方向)へ移動させると、図1(c)(図3(b)も参照)に示すように、偏光板本体10の内側部分に楕円形状からなる貫通孔1a1が形成され、もって、偏光板1の内側に所望の形状が形成されることとなる。この際、突き落とし棒TBによって、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aが偏光板本体10より容易に分離できるように、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aの径を、突き落とし棒TBの径よりも径小にしている。これにより、突き落とし棒TBによって、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aが偏光板本体10より容易に分離できることとなる。そしてさらに、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aが偏光板本体10よりさらに容易に分離できるように、図3(a)に示すように、突き落とし棒TBの軸線O2と、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aの基点である中心線O1とが同一線上となるようにしている。このようにすれば、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aが偏光板本体10よりさらに容易に分離できることとなる。
ところで、突き落とし棒TBによって、鉛直下向きに突き落とされた偏光板本体10の楕円形状部1aは、図3(b)に示すように、直径約2.4mmの孔Daが形成された金型D内に収納される。すなわち、突き落とし棒TBによって、偏光板本体10の楕円形状部1aを鉛直下向きに突き落とした際、そのまま、図3(b)に示すように、突き落とし棒TBを金型Dの孔Da内に突入させる。これにより、金型Dの孔Da内の矢印Y2方向に偏光板本体10の楕円形状部1aが押し込まれることとなる。そしてその後、突き落とし棒TBを金型Dの孔Da内から抜出(下側(矢印Y1方向)から上側(矢印Y1方向と反対方向)へ移動)させると、金型Dの孔Da内に、偏光板本体10の楕円形状部1aが収納されることとなる。これにより、偏光板本体10より分離された偏光板本体10の楕円形状部1aの廃棄物を一箇所に貯めることができ、もって、廃棄物を簡単容易に破棄することができる。なお、突き落とし棒TBによって、鉛直下向きに突き落とされた偏光板本体10の楕円形状部1aは、図3(b)に示すように、金型Dの孔Da内に下から上に順に積層(図3(b)に示す破線部分が前回突き落とされた偏光板本体10の楕円形状部1aを示し、図3(b)に示す実線部分が今回突き落とされた偏光板本体10の楕円形状部1aを示す)されることとなる。
かくして、上記のような工程を経て、偏光板1は、所望の形状に加工されこととなる。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、偏光板本体10の内側部分を、切断刃Kを用いて所望の形状に切断する際、完全に切断せず一部残して切断することにより、偏光板本体10の一部、例えば、ベースセパレータ10aが剥がれて離散し、何らかの製品に貼り付き、不良品となってしまう事態を低減させることができる。次いで、偏光板本体10の内側部分を一部残して所望の形状に切断した後、突き落とし棒TBを用いて、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aを鉛直下向きに突き落とすことにより、偏光板本体10の内側部分に形成されている楕円形状部1aにのみその力が加わり、偏光板本体10の楕円形状部1a以外の偏光板本体10の部分にその力が加わることがないため、もって、バリの発生を低減させつつ、偏光板を加工することができる。
なお、本実施形態にて例示した偏光板は、あくまで一例であり、どのような偏光板にも適用可能である。例えば、位相差フィルム15が存しない偏光板でも良いし、輝度向上フィルムが存する偏光板でも良い。
また、本実施形態においては、突き落とし棒TBを円柱状にする例を示したが、それに限らず、どのような形状でも良い。
一方、本実施形態においては、精密部品の加工方法として、偏光板を例にして説明したが、それに限らず、携帯電話や液晶表示装置の液晶パネル等の電子部品、あるいは、カメラなどの光学部品にも適用可能である。
1 偏光板(精密部品)
1a 楕円形状部(所定形状)
10 偏光板本体(精密部品本体)
TB 突き落とし棒(突き落とし部材)
D 金型(収納部材)
Da 孔
1a 楕円形状部(所定形状)
10 偏光板本体(精密部品本体)
TB 突き落とし棒(突き落とし部材)
D 金型(収納部材)
Da 孔
Claims (3)
- 精密部品本体の内側部分を所定形状に切断するにあたって、当該精密部品本体を完全に切断せず一部残して当該精密部品本体の内側部分を所定形状に切断する工程と、
前記所定形状の部分を、突き落とし部材を用いて鉛直下向きに突き落とす工程と、を含んでなる精密部品の加工方法。 - 前記突き落とし部材の径は、前記所定形状の径よりも径小である請求項1に記載の精密部品の加工方法。
- 前記突き落とし部材を用いて鉛直下向きに突き落とされた前記精密部品本体の所定形状の部分は、当該突き落とし部材が挿抜可能な孔が形成された収納部材の孔内に収納されてなる請求項1又は2に記載の精密部品の加工方法。
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JP2020116728A (ja) * | 2018-12-13 | 2020-08-06 | 住友化学株式会社 | 打抜き用具、及び、偏光板の打抜き方法 |
WO2020194843A1 (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-01 | 日東電工株式会社 | 偏光板 |
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