JP2017225508A5 - - Google Patents

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使い捨て着用物品
本発明は、着色部分を有する使い捨て着用物品に関するものである。
使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品では、より下着に近い外観を得るために、外面を形成する不織布を白色以外の色に着色したり、あるいはその他の部位を着色したりすることが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
しかし、白色以外の色に着色した不織布を外面に用いた場合、不織布の地合い(換言すると、繊維と繊維間隙が不規則に配置された微細構造)の影響で色ムラが少なからず発生し、下着らしい良好な見栄えが得られないという問題点を有していた。
特許5695789号公報 特開2012−170577号公報
そこで、本発明の主たる課題は、着色部分を有する使い捨て着用物品における色ムラを抑制することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は次のとおりである。
<第1の態様>
第1シート層と、これに対向し、製品外面に露出する第2シート層との間に弾性フィルムが積層され、前記第1シート層及び第2シート層が、間隔を空けて配列された多数のシート接合部で直接又は前記弾性フィルムを介して接合された、弾性フィルム伸縮構造を備えており、
前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記弾性フィルムにおける、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分が、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されている、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
本第1の態様は、上述のような弾性フィルム伸縮構造において、製品外面に露出する第2シート層と、その裏側の弾性フィルムとの両方に重なるように着色部分を設けるとともに、それらの色差を小さく、つまり一般に同じ色となる範囲とするところに特徴を有するものである。これにより、これら着色部分の重なる領域が製品外面から製品着色として視認されるため、第2シート層の外面から見たとき、第2シート層をなす不織布の色と、第2シート層をなす不織布を介して薄く透けて見える弾性フィルムの色とが重なり、第2シート層のみで見る場合と比較して色ムラが少なく見えるようになる。特に、弾性フィルムは、着色部分が連続的な構造を有しており、不織布のような地合いに起因する色ムラがないため、第2シート層の不規則な繊維間隙部分の色を確実に補うことができる。また、弾性フィルムは着色部分の不透明性が高いため、第2シート層側の部材の色の影響が第2シート層側に及びにくいことも色ムラの軽減効果に寄与していると思われる。
<第2の態様>
前記第2シート層をなす不織布は、繊度が1.5〜5.0dtex、目付けが10〜20g/m2の不織布である、
第1の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
肌触りを柔軟なものとするためには、第2シート層をなす不織布を上記範囲内とすることが好ましいが、この場合、不織布の地合いが色ムラとなって現れやすい。しかし、本発明では、第2シート層の着色部分の裏側に色差の小さい弾性フィルムの着色部分を有するため、柔軟でありながら、色ムラが少ないものとなる。
<第3の態様>
少なくとも前記弾性フィルムの着色部分では、前記第1シート層は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが6.5以上の不織布であり、
前記弾性フィルムの全光線透過率が40%未満である、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
弾性フィルムの不透明性がある程度以上であれば、第1シート層が第2シート層の着色部分に対して色差の大きい色、例えば白色であっても、弾性フィルムにより隠蔽され、第2シート層から見たときの色ムラに対して影響が少ないものとなる。なお、弾性フィルムの全光線透過率は自然長状態での値を意味し、弾性フィルムに貫通孔が形成されている場合には貫通孔の無い部分の値を意味する。
<第4の態様>
前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域は、伸縮可能な伸縮領域を有しており、
前記伸縮領域に、前記第2シート層の着色部分及び前記弾性フィルムの着色部分を有しており、
前記シート接合部は規則的なパターンで配列されており、
前記伸縮領域における前記シート接合部の面積は0.14〜3.5mm2であり、
前記伸縮領域における前記シート接合部の面積率は1.8〜19.1%である、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
弾性フィルム伸縮構造の伸縮領域は、自然長状態では、弾性フィルムの収縮に伴い第1シート層及び第2シート層が収縮して皺又は襞が形成される。着色部分にこのような皺や襞を有する場合、凹凸により影が形成されるが、皺や襞の大きさが大きく、かつ不規則であると、影の影響で下着らしい外観となりにくい。これに対して、上述のようにシート接合部を規則的に設けると、皺や襞が細かく、かつ規則的となるため、影が目立ちにくくなり、より下着らしい外観となる。
<第5の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、環状の胴周り部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備えた、パンツタイプ使い捨て着用物品であって、
前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記外装体は、少なくとも前後方向の一部の範囲における前記サイドシール部間に対応する幅方向範囲にわたり、前記弾性フィルム伸縮構造を、その伸縮領域の伸縮方向が幅方向となるように備えている、
第1〜4のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨て着用物品は、使い捨て着用物品の中でも、より下着に近いものとされている反面、フィット性を確保するために広範囲に伸縮領域を設けることが一般的となっている。よって、本発明はこのようなパンツタイプ使い捨て着用物品の伸縮領域に適している。
<第6の態様>
前記内装体は液不透過性シートを含んでおり、
前記外装体は、前身頃の胴周り部及び後身頃の胴周り部の間の前後方向範囲における前記液不透過性シートを有する領域に、前記第2シート層を有するが前記弾性フィルムを有しない非弾性フィルム領域を有しており、
前記非弾性フィルム領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記液不透過性シートにおける、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されており、
製品外面における、弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部分と、前記非弾性フィルム領域の着色部分との、色差ΔEが3.2以下である、
第5の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨て着用物品は、股間部等の前後方向中間部が幅方向に伸縮する構造であると装着感が悪化する等の問題があるため、非伸縮領域とすることが一般的である。弾性フィルム伸縮構造により伸縮領域を設ける形態において、前後方向中間部に非伸縮領域を設ける場合、非伸縮領域に弾性フィルムを設けて伸縮性を殺すよりも弾性フィルムを設けないことが簡素であり好ましい。しかし、このような非伸縮領域においても第2シート層に着色を施す場合、弾性フィルムが無いと前述の色ムラ抑制を図ることが困難となる。そこで、上述のように液不透過性シートを有する領域に非弾性フィルム領域を設けるとともに、当該非弾性フィルム領域では液不透過性シートに第2シート層の着色部分に対する色差の少ない着色を施すことも提案する。これにより、液不透過性シートを有する領域であれば、弾性フィルムを有しない領域にも色ムラの少ない着色を施すことができる。
また、弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部と、非弾性フィルム領域の着色部分との色差も少ないため、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり色差が少なく色ムラも少ないものとなる。
<第7の態様>
前記外装体のウエスト端部領域は、前記第1シート層及び第2シート層の間に、幅方向に沿う細長状の弾性伸縮部材が取り付けられ、かつ弾性フィルムを有しない非弾性フィルム領域であり、
前記ウエスト端部領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記第1シート層における、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されており、
製品外面における、前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部分と、前記ウエスト端部領域の着色部分との、色差ΔEが3.2以下である、
第5又は6の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨て着用物品のウエスト端部領域は、フィット性を向上させるために、胴周りの他の部分とは異なる弾性伸縮部材を用いることが広く行われており、この点は弾性フィルム伸縮構造を用いる場合にも同様であり、ウエスト端部領域には一般的な細長状弾性伸縮部材を取り付けることもできる。しかし、ウエスト端部領域においても第2シート層に着色を施す場合、弾性フィルムが無いと前述の色ムラ抑制を図ることが困難となる。そこで、上述のようにウエスト端部領域に弾性フィルムを用いずに細長状弾性伸縮部材を取付け、第2シート層に着色部分を設ける場合には、第2シート層の着色部分に対する色差の少ない着色を第1シート層に施すことも提案する。これにより、弾性フィルムを有しないウエスト端部領域にも色ムラの少ない着色を施すことができ、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり着色を施すことができる。
また、弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部と、ウエスト端部領域の着色部分との色差も少ないため、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり色差が少なく色ムラも少ないものとなる。
以上のとおり、本発明によれば、着色部分を有する使い捨て着用物品における色ムラを抑制できる、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部のみ示す平面図である。 (a)は図1のC−C断面図、(b)は図1のE−E断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 サンプルの伸縮領域の(a)平面方向からの顕微鏡写真のトレース図、(b)平面方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図、(c)斜視方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 サンプルの伸縮領域の(a)平面方向からの顕微鏡写真のトレース図、(b)平面方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図、(c)斜視方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図である。 (a)は非伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 サンプルの非伸縮領域の写真のトレース図である。 非伸縮領域の要部拡大平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部を示した平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 (a)は図15のC−C断面図、(b)は図15のE−E断面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 (a)第1溶着形態で形成されたシート接合部の平面写真のトレース図、(b)第3溶着形態で形成されたシート接合部の平面写真のトレース図である。 超音波シール装置の概略図である。 シート接合部の各種配列例を示す平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部を示した平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤等の接合手段を示している。
図1〜図6はパンツタイプ使い捨ておむつを示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bをなす外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性トップシート11と液不透過性シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合された後に、内装体10及び外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である前後方向LD(縦方向)の中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口及び左右一対の開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図4〜図6に示すように、液透過性トップシート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、トップシート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図1に示されるようにほぼ長方形とすることが一般的である。
吸収体13の表側(肌側)を覆う液透過性トップシート11としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性トップシート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性トップシート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏側まで延在している。
吸収体13の裏側(非肌当接側)を覆う液不透過性シート12は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分13Nを有するほぼ砂時計状に形成されている。括れ部分13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部分13Nの前後方向長さはおむつ全長の20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部分13Nを有する場合において、内装体10の平面形状がほぼ長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部分13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない無吸収体側部17が形成される。
液不透過性シート12は、液透過性トップシート11とともに吸収体13の幅方向両側で裏側に折り返されている。この液不透過性シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザー90が形成されている。この立体ギャザー90は、図5及び図6に示されるように、内装体10の裏面の側部に固定された固定部91と、この固定部91から内装体10の側方を経て内装体10の表面の側部上まで延在する本体部92と、本体部92の前後端部が倒伏状態で内装体10の表面(図示形態ではトップシート11)の側部に固定されて形成された倒伏部分93と、この倒伏部分93間が非固定とされて形成された自由部分94とを有している。これらの各部は、不織布などのシートを折り返して二重シートとしたギャザーシート95により形成されている。ギャザーシート95は、内装体10の前後方向全体にわたり取り付けられており、倒伏部分93は無吸収体側部17よりも前側及び後側に設けられ、自由部分94は無吸収体側部17の前後両側に延在されている。また、二重のギャザーシート95間には、自由部分の先端部等に細長状ギャザー弾性伸縮部材96が配設されている。ギャザー弾性伸縮部材96は、製品状態において図5に示すように、弾性収縮力により自由部分94を立ち上げるためのものである。
図5及び図6に示す形態では、倒伏非伸縮部分97以外ではギャザー弾性伸縮部材96の位置のホットメルト接着剤を介して、ギャザー弾性伸縮部材96がギャザーシート95に接着固定されるとともに、ギャザーシート95の対向面が接合されているものの、倒伏非伸縮部分97では、ギャザー弾性伸縮部材96の位置にホットメルト接着剤が無く、したがってギャザー弾性伸縮部材96とギャザーシート95とが接着されておらず、ギャザー弾性伸縮部材96を有する位置でギャザーシート95の対向面が接合されていないものである。
図5及び図6に示される立体ギャザー90は、本体部92が折り返されていない形態であるが、図22(b)に示すように、本体部92における付け根側の部分が幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分が幅方向外側に向かって斜めに起立する形態とするなど、後述する倒伏非伸縮部分97に文字表示98を設けうる限り、公知のあらゆる形態を採用することができる。
ギャザー弾性伸縮部材96としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性伸縮部材96としては、図示形態のような糸状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
前述のギャザーシート95を構成する素材繊維も液透過性トップシート11と同様に、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザーシート95については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコーン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロライド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
図3〜図6に示すように、内装体10はその裏面が、内外固定領域10B(斜線領域)において、外装体20の内面に対してホットメルト接着剤等により接合される。この内外固定領域10Bは、適宜定めることができ、内装体10の幅方向WDのほぼ全体とすることもできるが、幅方向両端部は外装体20に固定しないことが好ましい。
(外装体の構造例)
外装体20は吸収体13の側縁より側方まで延在されている。外装体20は図示形態のように股間部において外装体20の側縁が内装体10の側縁より幅方向中央側に位置していても、また幅方向外側に位置していても良い。また、外装体20は、サイドシール部21と対応する前後方向範囲である胴周り部Tと、前身頃Fの胴周り部T及び後身頃Bの胴周り部Tの間の前後方向範囲である中間部Lとを有する。そして、図示形態の外装体20では、その中間部Lの前後方向中間を除いて、図2及び図4〜図6に示されるように、第1シート層20A及び第2シート層20Bの間に弾性フィルム30が積層されるとともに、図7に示されるように、第1シート層20A及び第2シート層20Bが、間隔を空けて配列された多数のシート接合部40で弾性フィルム30を貫通する貫通孔31を通じて接合された、伸縮方向EDが幅方向WDとされた弾性フィルム伸縮構造20Xを有している。第1シート層20A及び第2シート層20Bは、弾性フィルム30の貫通孔31を通じてではなく、弾性フィルム30を介して間接的に接合されていても良い。外装体20の平面形状は、中間部Lの幅方向両側縁がそれぞれ開口を形成するように凹状の脚周りライン29により形成されており、全体として砂時計に似た形状をなしている。外装体20は、前身頃F及び後身頃Bで個別に形成し、両者が股間部で前後方向LDに離間するように配置しても良い。
図1及び図2に示す形態は、弾性フィルム伸縮構造20Xがウエスト端部領域23まで延在されている形態であるが、ウエスト端部領域23に弾性フィルム伸縮構造20Xを用いると、ウエスト端部領域23の締め付けが不十分になる等、必要に応じて、図15及び図16に示すようにウエスト端部領域23には弾性フィルム伸縮構造20Xを設けずに、従来の細長状のウエスト部弾性部材24による伸縮構造を設けることもできる。ウエスト部弾性部材24は、前後方向LDに間隔をおいて配置された複数の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、身体の胴周りを締め付けるように伸縮力を与えるものである。ウエスト部弾性部材24は、間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜8mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。ウエスト部弾性部材24の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の成人用の場合230〜320%程度とすることができる。ウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えば平ゴム等、他の細長状の伸縮部材を用いても良い。図示しないが、ウエスト端部領域23に弾性フィルム30を設けるとともに、弾性フィルム30と重なる位置に細長状のウエスト部弾性部材24を設け、両方の弾性部材による伸縮構造とすることもできる。また、図示形態では、外装体20における脚開口の縁部分には、脚開口に沿って延びる細長状弾性伸縮部材は設けられていないが、当該縁部分における弾性フィルム30と重なる位置に、又は当該縁部分の弾性フィルム30に代えて、細長状弾性伸縮部材を設けることもできる。
他の形態としては、図示しないが、前身頃Fの胴周り部Tと後身頃Bの胴周り部Tとの間の中間部Lには弾性フィルム伸縮構造20Xを設けない形態としたり、前身頃Fの胴周り部T内から中間部Lを経て後身頃Bの胴周り部T内まで前後方向LDに連続的に伸縮構造20Xを設けたり、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ弾性フィルム伸縮構造20Xを設けたりすること等、適宜の変形も可能である。
個々のシート接合部40及び貫通孔31の自然長状態での形状は、適宜定めることができるが、真円形(図7、図8参照)、楕円形、三角形、長方形(図9〜図12参照)、ひし形(図13(b)参照)等の多角形、あるいは凸レンズ形(図13(a)参照)、凹レンズ形(図13(c)参照)、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。個々のシート接合部の寸法は特に限定されないが、最大長さは0.5〜3.0mm、特に0.7〜1.1mmとするのが好ましく、最大幅40xは0.1〜3.0mm、特に伸縮方向と直交する方向XDに長い形状の場合には0.1〜1.1mmとするのが好ましい。
個々のシート接合部40の大きさは、適宜定めれば良いが、大きすぎるとシート接合部40の硬さが感触に及ぼす影響が大きくなり、小さすぎると接合面積が少なく資材同士が十分に接着できなくなるため、通常の場合、個々のシート接合部40の面積は0.14〜3.5mm2程度とすることが好ましい。個々の貫通孔31の開口の面積は、貫通孔31を介してシート接合部が形成されるためシート接合部以上であれば良いが、シート接合部の面積の1〜1.5倍程度とすることが好ましい。なお、貫通孔31の開口の面積は、弾性フィルム30単独の状態ではなく第1シート層20A及び第2シート層20Bと一体化した状態で、かつ自然長の状態における値を意味し、貫通孔31の開口の面積が、弾性フィルム30の表と裏で異なる等、厚み方向に均一でない場合には最小値を意味する。
シート接合部40及び貫通孔31の平面配列は適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図21(a)に示すような斜方格子状や、図21(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図21(c)に示すような正方格子状、図21(d)に示すような矩形格子状、図21(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向EDに対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、シート接合部40の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合は、弾性フィルム30に形成された貫通孔31を通じて接合される場合、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では、第1シート層20A及び第2シート層20Bは弾性フィルム30と接合されていないことが望ましい。
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合手段は特に限定されない。例えば、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合はホットメルト接着剤によりなされていても、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による接合手段によりなされていても良い。
シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bが弾性フィルム30の貫通孔31を通じて接合される場合、シート接合部40が素材溶着により形成される形態は、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の大部分又は一部の溶融固化物20mのみにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される第1溶着形態(図17(a)参照)、シート接合部40における弾性フィルム30の全部若しくは大部分又は一部の溶融固化物30mのみにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される第2溶着形態(図17(b)参照)、及びこれらの両者が組み合わさった第3溶着形態(図17(c)参照)のいずれでも良いが、第2、第3溶着形態が好ましい。特に好ましいのは、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部の溶融固化物20mと、シート接合部40における弾性フィルム30の全部若しくは大部分の溶融固化物30mとにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される形態である。なお、図19(b)に示される第3溶着形態では、黒色に写っている第1シート層20A又は第2シート層20Bの繊維溶融固化物20m間に、白色に写っている弾性フィルム30の溶融固化物30mが見られるのに対して、図19(a)に示される第1溶着形態では、第1シート層20A又は第2シート層20Bの繊維溶融固化物20m間に弾性フィルムの溶融固化物は見られない(白色部分は繊維溶融固化物20mの境界と、繊維溶融固化物20mの乱反射である)。
第1接着形態や第3接着形態のように、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の大部分又は一部の溶融固化物20mを接着剤として第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する場合、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部は溶融しない方がシート接合部40が硬質化しないため好ましい。なお、第1シート層20A及び第2シート層20Bが不織布であるときには、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部が溶融しないことには、シート接合部40の全繊維について芯(複合繊維における芯だけでなく単成分繊維の中心部分を含む)は残るがその周囲部分(複合繊維における鞘だけでなく単成分繊維の表層側の部分を含む)は溶融する形態や、一部の繊維は全く溶融しないが、残りの繊維は全部が溶融する又は芯は残るがその周囲部分は溶融する形態を含む。
第2溶着形態及び第3溶着形態のように、弾性フィルム30の溶融固化物30mを接着剤として第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合すると、剥離強度が高いものとなる。第2溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性フィルム30の融点及びシート接合部40形成時の加熱温度よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性フィルム30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、弾性フィルム30のみを溶融することにより製造することができる。一方、第3溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性フィルム30の融点よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性フィルム30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性フィルム30とを溶融することにより製造することができる。このような観点から、弾性フィルム30の融点は80〜145℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点は85〜190℃程度、特に150〜190℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点と弾性フィルム30の融点との差は60〜90℃程度であるのが好ましい。また、加熱温度は100〜150℃程度とするのが好ましい。
第2溶着形態及び第3溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bが不織布であるときには、弾性フィルム30の溶融固化物30mは、図18(c)に示すようにシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの厚み方向全体にわたり繊維間に浸透していても良いが、図17(b)(c)及び図18(a)に示すように厚み方向中間まで繊維間に浸透する形態、又は図18(b)に示すように第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維間にほとんど浸透しない形態の方が、シート接合部40の柔軟性が高いものとなる。
図20は、第2溶着形態及び第3溶着形態を形成するのに好適な超音波シール装置の例を示している。この超音波シール装置では、シート接合部40の形成に際して、外面にシート接合部40のパターンで形成した突起部60aを有するアンビルロール60と超音波ホーン61との間に、第1シート層20A、弾性フィルム30及び第2シート層20Bを送り込む。この際、例えば上流側の弾性フィルム30の送り込み駆動ロール63及びニップロール62による送り込み移送速度を、アンビルロール60及び超音波ホーン61以降の移送速度よりも遅くすることにより、送り込み駆動ロール63及びニップロール62によるニップ位置からアンビルロール60及び超音波ホーン61によるシール位置までの経路で、弾性フィルム30をMD方向(マシン方向、流れ方向)に所定の伸長率まで伸長する。この弾性フィルム30の伸長率は、アンビルロール60及び送り込み駆動ロール63の速度差を選択することにより設定することができ、例えば300%〜500%程度とすることができる。62はニップロールである。アンビルロール60と超音波ホーン61との間に送り込まれた、第1シート層20A、弾性フィルム30及び第2シート層20Bは、この順に積層した状態で、突起部60aと超音波ホーン61との間で加圧しつつ、超音波ホーン61の超音波振動エネルギーにより加熱し、弾性フィルム30のみを溶融するか、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性フィルム30とを溶融することによって、弾性フィルム30に貫通孔31を形成するのと同時に、その貫通孔31を通じて第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する。したがって、この場合にはアンビルロール60の突起部60aの大きさ、形状、離間間隔、ロール長方向及びロール周方向の配置パターンなどを選定することにより、シート接合部40の面積率を選択することができる。
貫通孔31が形成される理由は必ずしも明確ではないが、弾性フィルム30におけるアンビルロール60の突起部60aと対応する部分が溶融して周囲から離脱することにより開孔するものと考えられる。この際、弾性フィルム30における、伸縮方向EDに並ぶ隣接貫通孔31の間の部分は、図7(a)、図9(a)及び図11(a)に示すように、貫通孔31により伸縮方向両側の部分から切断され、収縮方向両側の支えを失うことになるため、収縮方向と直交する方向の連続性を保ちうる範囲で、伸縮方向EDと直交する方向XDの中央側ほど伸縮方向中央側に釣り合うまで収縮し、貫通孔31が伸縮方向EDに拡大する。そして、後述する伸縮領域80のように弾性フィルム30が伸縮方向EDに沿って直線的に連続する部分が残るパターンでシート接合部40を形成すると、図7(a)及び図9(a)に示すように、個別の製品に切断すること等により自然長状態まで収縮するときに、貫通孔31の拡大部分の伸縮方向EDの長さは、貫通孔31とシート接合部40との間に隙間ができなくなるまで収縮することとなる。一方、後述する非伸縮領域70のように弾性フィルム30が伸縮方向EDに沿って直線的に連続する部分がないパターンでシート接合部40を形成すると、図11(a)に示すように、個別の製品に切断すること等により自然長状態まで収縮するときにほとんど収縮しないため、貫通孔31とシート接合部40との間に隙間が大きく残されることとなる。
第1シート層20A及び第2シート層20Bの構成材は、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、通気性及び柔軟性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜25g/m2程度とするのが好ましい。また、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部又は全部は、一枚の資材を折り返して対向させた一対の層であっても良い。例えば、図示形態のように、ウエスト端部領域23では、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとし、かつそのウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cを第1シート層20Aとして、その間に弾性フィルム30を介在させるとともに、それ以外の部分では内側に位置する構成材を第1シート層20Aとし、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとして、その間に弾性フィルム30を介在させることができる。もちろん、前後方向LDの全体にわたり第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材を個別に設け、構成材を折り返しすることなく、第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材間に弾性フィルム30を介在させることもできる。
弾性フィルム30は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有する熱可塑性樹脂フィルムであれば、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8〜25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5〜20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450〜1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450〜1400%の弾性フィルム30であると好ましい。弾性フィルム30の厚みは特に限定されないが、20〜40μm程度であるのが好ましい。
(伸縮領域)
外装体20における弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域は、幅方向WDに伸縮可能な伸縮領域を有している。伸縮領域80では、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有しており、かつ弾性フィルム30の収縮力により幅方向WDに収縮しているとともに、幅方向WDに伸長可能となっている。より具体的には、弾性フィルム30を幅方向WDに伸長した状態で、幅方向WD及びこれと直交する前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD)にそれぞれ間隔を空けて、弾性フィルム30の貫通孔31を介して第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合し、多数のシート接合部40を形成することにより、弾性フィルム伸縮構造20Xを形成するとともに、伸縮領域80では弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有するように貫通孔31を配置することによって、このような伸縮性を付与することができる。
伸縮領域80は、自然長状態では、図7(d)及び図9(d)に示すように、シート接合部40間の第1シート層20A及び第2シート層20Bが互いに離間する方向に膨らんで、前後方向LDに延びる収縮皺25が形成され、図7(c)及び図9(c)に示すように、幅方向WDにある程度伸長した装着状態でも、収縮皺25は伸ばされるものの、残るようになっている。また、図示形態のように、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では弾性フィルム30と接合されていないと、装着状態を想定した図7(c)及び図9(d)及び第1シート層20A及び第2シート層20Bの展開状態を想定した図7(a)(b)及び図9(a)(b)からも分かるように、これらの状態では、弾性フィルム30における貫通孔31と、シート接合部40との間に隙間が形成され、弾性フィルム30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間により通気性が付加される。また、図7(d)及び図9(d)に示す自然長状態では、弾性フィルム30の収縮により貫通孔31がすぼまり、貫通孔31とシート接合部40との間に隙間がほとんど形成されない。なお、装着状態及び自然長状態の収縮皺25の状態は、図8及び図10にも現れている。
伸縮領域80の幅方向WDの弾性限界伸びは200%以上(好ましくは265〜295%)とすることが望ましい。伸縮領域80の弾性限界伸びは、製造時の弾性フィルム30の伸長率によってほぼ決まるがこれを基本として、幅方向WDの収縮を阻害する要因により低下する。このような阻害要因の主なものは、幅方向WDにおいて単位長さ当たりに占めるシート接合部40の長さ40xの割合であり、この割合が大きくなるほど弾性限界伸びが低下する。通常の場合、シート接合部40の長さ40xはシート接合部40の面積率と相関があるため、伸縮領域80の弾性限界伸びはシート接合部40の面積率により調整できる。
伸縮領域80の伸長応力は、主に弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32の幅32wの総和により調整することができる。弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32の幅32wは、当該連続する部分32の両側縁に接する貫通孔31の、前後方向LDの間隔31dに等しく、当該貫通孔31の間隔31dは、前後方向LDにおける貫通孔31の長さ31yと、前後方向LDにおけるシート接合部40の長さ40yとが等しいとき(前述の貫通孔31及びシート接合部40の同時形成手法を採用する場合等)には、当該連続する部分の両側縁に接するシート接合部40の、前後方向LDの間隔40dに等しい。よって、この場合には、前後方向LDにおいて単位長さ当たりに占めるシート接合部40の長さ40yの割合により、伸縮領域80の伸長応力を調整することができ、通常の場合、シート接合部40の長さ40yはシート接合部40の面積率と相関があるため、シート接合部40の長さはシート接合部40の面積率により調整できる。伸縮領域80の伸長応力は、弾性限界の50%まで伸長したときの伸長応力を目安とすることができる。
伸縮領域80におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
シート接合部40の面積:0.14〜3.5mm2(特に0.14〜1.0mm2
シート接合部40の面積率:1.8〜19.1%(特に1.8〜10.6%)
このように、伸縮領域80の弾性限界伸び及び伸長応力はシート接合部40の面積により調整できるため、図15に示すように、伸縮領域80内にシート接合部40の面積率が異なる複数の領域を設け、部位に応じてフィット性を変化させることができる。図15に示す形態では、前身頃Fにおける脚の付け根に沿って斜め方向に延びる領域81、及び脚開口の縁部領域82は、それ以外の領域と比べてシート接合部40の面積率が高く、従って伸長応力が弱く、柔軟に伸縮する領域となっている。また、後身頃Bにおける腸骨対向領域83、及び脚開口の縁部領域82も、それ以外の領域と比べてシート接合部40の面積率が高く、したがって伸長応力が弱く、柔軟に伸縮する領域となっている。
(非伸縮領域)
外装体20における弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域には、図15に示すように、伸縮領域80の少なくとも幅方向一方側に非伸縮領域70を設けることができる。伸縮領域80及び非伸縮領域70の配置は適宜定めることができる。本実施形態のようなパンツタイプ使い捨ておむつの外装体20の場合、吸収体13と重なる部分は伸縮が不要な領域であるため、図示形態のように、吸収体13と重なる部分の一部又は全部(内外固定領域10Bのほぼ全体を含むことが望ましい)を非伸縮領域70とするのは好ましい。もちろん、吸収体13と重なる領域からその幅方向WD又は前後方向LDに位置する吸収体13と重ならない領域にかけて非伸縮領域70を設けることもでき、吸収体13と重ならない領域にのみ非伸縮領域70を設けることもできる。
非伸縮領域70は、弾性フィルム30は幅方向WDに連続するものの、貫通孔31の存在により幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有しない領域とされている。したがって、弾性フィルム30を幅方向WDに伸長した状態で、幅方向WD及びこれと直交する前後方向LDにそれぞれ間隔を空けて、弾性フィルム30の貫通孔31を介して第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合し、多数のシート接合部40を形成することにより、伸縮領域80及び非伸縮領域70の両者を含む弾性フィルム伸縮構造20X全体を形成するとしても、図11に示すように、非伸縮領域70では、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続しないため、弾性フィルム30の収縮力が第1シート層20A及び第2シート層20Bにほとんど作用せず、伸縮性がほぼ消失し、弾性限界伸びは100%に近くなるのである。そしてこのような非伸縮領域70では、第1シート層20A及び第2シート層20Bが間隔を空けて配列された多数のシート接合部40で接合されており、シート接合部40が連続的とならないため、柔軟性の低下は防止される。換言すれば、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続しない部分の有無により伸縮領域80及び非伸縮領域70を形成することができる。また、非伸縮領域70でも弾性フィルム30の連続性が残っており、図12からも分かるように、弾性フィルム30の独立切断片が残ることもなく、また皺も形成されないため、極めて見栄えが良く、かつ貫通孔31による厚み方向の通気性が確保される。非伸縮領域70は、幅方向WDの弾性限界伸びが120%以下(好ましくは110%以下、より好ましくは100%)であると好ましい。
非伸縮領域70における弾性フィルム30における貫通孔31の配列パターンは適宜定めることができるが、図11に示すように千鳥状配置とし、貫通孔31の前後方向LDの中心間隔31eが貫通孔31の前後方向LDの長さ31yより短いパターンとすると、弾性フィルム30の連続性を維持しつつ幅方向WDの直線連続性をほぼ完全に無くすことができ、見栄えも図12に示すように好ましいものとなる。この場合、貫通孔31の幅方向WDの中心間隔31fが貫通孔31の幅方向WDの長さ31xより短いとがより好ましい。
通常の場合、中でも弾性フィルム30を幅方向WDに4倍に伸長したときの伸長応力が4〜12N/35mmのものである場合、非伸縮領域70を幅方向WDに弾性限界まで伸ばした状態で、貫通孔31の前後方向LDの中心間隔31eが0.4〜2.7mm、かつ貫通孔31の前後方向LDの長さ31yが0.5〜3.0mm、特に0.7〜1.1mmであると好ましい。また、貫通孔31の幅方向WDの中心間隔31fが、貫通孔31の前後方向LDの長さ31yの0.5〜2倍、特に1〜1.2倍であると好ましく、貫通孔31の幅方向WDの長さ31xが、貫通孔31の幅方向WDの中心間隔31fの1.1〜1.8倍、特に1.1〜1.4倍であると好ましい。なお、非伸縮領域70を幅方向WDに弾性限界まで伸ばした状態(換言すれば第1シート層20A及び第2シート層20Bが完全に展開した状態)では、貫通孔31の幅方向WDの中心間隔31fはシート接合部40の幅方向WDの中心間隔40fに等しく、貫通孔31の前後方向LDの中心間隔31eはシート接合部40の前後方向LDの中心間隔40eに等しく、貫通孔31の前後方向LDの長さ31yはシート接合部40の前後方向LDの長さ40yに等しい。
非伸縮領域70では、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの間以外では、第1シート層20A及び第2シート層20Bと弾性フィルム30とが接合されておらず、かつ自然長の状態でシート接合部40の幅方向両側に弾性フィルム30の貫通孔31の周縁及びシート接合部40が離間されて形成された隙間を有していると、弾性フィルム30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間により常に通気性が付加されるため好ましい。前述の貫通孔31及びシート接合部40の同時形成手法を採用する場合には、シート接合部40の形状等に関係なく、自然にこの状態になる。
個々のシート接合部40及び貫通孔31の自然長状態での形状は、特に限定されないが、柔軟性の観点からは面積が小さいことが望ましく、弾性フィルム30の幅方向WDの直線連続性をなくすためには、前後方向LDに長い形状であることが望ましいため、前後方向LDに長い楕円形、長方形(図11、図13(d)参照)、ひし形(図13(b)参照)、凸レンズ形(図13(a)参照)、凹レンズ形(図13(c)参照)とすることが好ましい。ただし、ひし形のように角が鋭角であると、弾性フィルム30が破断しやすい。これに対して、凸レンズ形はシート接合部40の溶着が安定するため好ましく、凹レンズ形は面積をより小さくできる点で好ましい。
非伸縮領域におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とすると、各シート接合部40の面積が小さくかつシート接合部40の面積率が低いことにより非伸縮領域70が硬くならいためが好ましい。
シート接合部40の面積:0.10〜0.75mm2(特に0.10〜0.35mm2
シート接合部40の面積率:4〜13%(特に5〜10%)
このように、非伸縮領域70の弾性限界伸びは、貫通孔31の配列パターンや、個々の貫通孔31の寸法及び中心間隔により変化させることができる。よって、図示しないが、これらを伸縮領域80内の複数個所、又は複数の非伸縮領域70間で異ならしめることもできる。例えば、前身頃Fの非伸縮領域70における弾性限界伸びを後身頃Bの非伸縮領域70における弾性限界伸びよりも大きくするのは一つの好ましい形態である。
非伸縮領域70は、伸縮領域と同様に幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有するものの、シート接合部の面積率が伸縮領域よりも高いことにより弾性限界伸びが著しく低く、具体的には130%以下とされている形態、従来の糸ゴムを用いる伸縮構造のように幅方向WDに一か所又は複数個所で切断する形態等、他の伸縮性を殺す形態を採用することもできる。
(着色)
特徴的には、第2シート層20Bはその全体が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ弾性フィルム30も、その全体は、第2シート層20Bの着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されている。このように、製品外面に露出する第2シート層20Bと、その裏側の弾性フィルム30との両方に、厚み方向に重なるように着色部分を設けるとともに、それらの色差を小さく、つまり一般に同じ色となる範囲とすると、これら着色部分の重なる領域101が製品外面から製品着色として視認されるため、第2シート層20Bの外面から見たとき、第2シート層20Bの色と、第2シート層20Bをなす不織布を介して薄く透けて見える弾性フィルム30の色とが重なり、第2シート層20Bのみで見る場合と比較して色ムラが少なく見えるようになる。特に、弾性フィルム30は、着色部分が連続的な構造を有しており、不織布のような地合いに起因する色ムラがないため、第2シート層20Bの不規則な繊維間隙部分の色を確実に補うことができる。また、弾性フィルム30は着色部分の不透明性が高いため、第2シート層20B側の部材の色の影響が第2シート層20B側に及びにくいことも色ムラの軽減効果に寄与していると思われる。なお、本実施形態における、第2シート層20Bの着色部分と弾性フィルム30の着色部分とが重なる部位は、図14及び図22に右斜め上向きのハッチングで示され、かつ符号101が付された領域である。
第2シート層20Bの着色部分と弾性フィルム30の着色部分とが重なる限り、着色部分は、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域、つまり第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性フィルム30が挟まれている領域の一部であっても、全体であっても良い。また、図示しないが、同一色の着色部分を間隔を空けて複数個所に設けたり、異なる色の着色部分を間隔を空けて又は隣接して複数個所に設けたりすることもできる。例えば、幅方向WDの中間部及び両側部を異なる色に着色したり、ウエスト端部領域23とそれ以外の領域とを異なる色に着色したりすることができる。
弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域における着色部分は、伸縮領域80であっても、非伸縮領域70であっても良い。伸縮領域80は、自然長状態では、弾性フィルム30の収縮に伴い第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して皺又は襞が形成される。着色部分にこのような皺や襞を有する場合、凹凸により影が形成されるが、皺や襞の大きさが大きく、かつ不規則であると、影の影響で下着らしい外観となりにくい。これに対して、前述のように、伸縮領域80においてシート接合部40の面積を0.14〜3.5mm2とし、かつシート接合部40の面積率を1.8〜19.1%として、シート接合部40を規則的なパターンで配列すると、皺や襞が細かく、かつ規則的となるため、影が目立ちにくくなり、より下着らしい外観となるため好ましい。
着色手法は特に限定されないが、単一の素材を複数色に着色する場合には印刷や後染めにより行うことができ、素材全体を単一色に着色する場合には、印刷や後染めを採用することもできるが、原材料に染料又は顔料を混合する手法(例えば不織布の場合、紡糸前の原液に染料又は顔料を混ぜて着色した原液着色繊維により不織布を形成する)を採用することが望ましい。
着色部分の色は特に限定されるものではないが、L*a*b*表色系のL値は25〜75程度であるのが好ましい。ここで、着色部分のL,a,bの各値は、色彩計や色差計を用い、測定対象における製品外面となる側の面を測色して得られる値を意味する。色差ΔEはこのL,a,bの各値の計測結果に基づいて算出する。例えば、第2シート層20Bの着色部分と弾性フィルム30の着色部分との色差を計測する場合、単独の状態の第2シート層20Bを用意し、この第2シート層の着色部分における製品外面となる面を、反対面に接触配置した標準白色板を背景としてかつ当該第2シート層20Bの展開状態で測色し、同じく単独の状態の弾性フィルム30を用意し、この弾性フィルム30の第2シート層20B側の面を、反対面に接触配置した標準白色板を背景としてかつ当該弾性フィルムの自然長の展開状態で測色し、これらの測色結果からΔEを算出する。第1シート層を測色する場合も同様である。一方、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域の着色部分と、非弾性フィルム領域の着色部分との色差や、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域の着色部分と、ウエスト端部領域の着色部分との色差については、部材単独ではなく、製品状態でかつ展開状態で製品外面における各着色部分を測色する。
肌触りを柔軟なものとするためには、第2シート層20Bをなす不織布の繊度は1.5〜5.0dtex程度、目付けは10〜20g/m2程度とすることが好ましいが、この場合、不織布の地合いが色ムラとなって現れやすい。しかし、前述のように、第2シート層20Bの着色部分の裏側に色差の小さい弾性フィルム30の着色部分を有するため、柔軟でありながら、色ムラが少ないものとなる。
弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域では、第1シート層20Aは、白色以外の色に着色されていても、着色されていなくても良い。特に、弾性フィルム30の不透明性がある程度以上、具体的には全光線透過率が40%未満であれば、第1シート層20Aが第2シート層20Bの着色部分に対する色差ΔEが6.5以上の色、例えば白色であっても、弾性フィルム30により隠蔽され、第2シート層20Bの外面から見たときの色ムラに対して影響が少ないものとなる。このような構造は、図示形態のように、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域における第1シート層20A及び第2シート層20Bが一枚の不織布の折り畳みにより形成されているのではなく、別々の不織布の貼り合わせにより形成されている場合、第2シート層20Bの構成材に原液着色繊維の不織布を用い、第1シート層20Aの構成材に非着色の不織布を用いることにより構築できる。なお、弾性フィルム30の全光線透過率は自然長状態での値を意味し、弾性フィルム30に貫通孔31が形成されている場合には貫通孔31の無い部分の値を意味する。
図示形態のように、弾性フィルム伸縮構造20Xにより伸縮領域80を設ける形態において、股間部を含む前後方向LDの中間部Lを、弾性フィルム30が無く伸縮しない非弾性フィルム領域20Yとする場合、当該非弾性フィルム領域20Yにおいても弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域から続く第2シート層20Bに着色を施すと、弾性フィルム30が無いため前述の色ムラ抑制を図ることができない。そこで、図14及び図22に示すように、非弾性フィルム領域20Yを液不透過性シート12を有する前後方向LD範囲内とし、当該非弾性フィルム領域20Yでは、液不透過性シート12における、少なくとも第2シート層20Bの着色部分と重なる部分が、第2シート層20Bの着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色される形態も提案する。この場合、図示形態のように、液不透過性シート12の全体が着色されている他、液透過性シート12のうち非弾性フィルム領域20Yに位置する部分のみ着色されている形態とすることもできる。なお、液不透過性シート12の着色部分と第2シート層20Bの着色部分とが重なる部位は、図14及び図22に右斜め下向きのハッチングで示され、かつ符号102が付された領域である。これにより、液不透過性シート12を有する領域であれば、弾性フィルム30を有しない領域にも色ムラの少ない着色を施すことができる。そして、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域の着色部分と、非弾性フィルム領域の着色部分との、色差ΔEが3.2以下であると、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり色差が少なく色ムラも少ないものとなる。
図16に示すようにウエスト端部領域23には弾性フィルム伸縮構造20Xを設けずに、従来の細長状のウエスト部弾性部材24による伸縮構造を設ける場合、当該ウエスト端部領域23においても弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域から続く第2シート層20Bに着色を施すと、弾性フィルム30が無いため前述の色ムラ抑制を図ることができない。そこで、図22に示すように、ウエスト端部領域23では、第1シート層20Aにおける、第2シート層20Bの着色部分と重なる部分が、第2シート層20Bの着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されている形態も提案する。なお、ウエスト端部領域23で第1シート層の着色部分と第2シート層20Bの着色部分とが重なる部位は、図22に右斜め下向きのハッチングで示され、かつ符号103が付された領域である。これにより、弾性フィルム30を有しないウエスト端部領域23にも色ムラの少ない着色を施すことができ、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり着色を施すことができる。特に図示形態の外装体20のウエスト端部領域23では、第2シート層20Bをなす不織布がウエスト開口の縁で内側に折り返された折り返し部分20Cが第1シート層20Aとなっているため、このような構造では、第2シート層20Bをなす不織布を着色するだけで、弾性フィルム30を有する領域における第1シート層20Aの構成材を着色しなくても、ウエスト端部領域23の第1シート層20A及び第2シート層20Bを着色することができる。そして、弾性フィルム伸縮構造20Xを有する領域の着色部分と、ウエスト端部領域23の着色部分との、色差ΔEが3.2以下であると、パンツタイプ使い捨て着用物品のより広範囲にわたり色差が少なく色ムラも少ない着色となる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前身頃」「後身頃」は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を境としてそれぞれ前側及び後側の部分を意味する。また、股間部は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を含む前後方向範囲を意味し、吸収体が括れ部を有する場合には当該括れ部を有する部分の前後方向範囲を意味する。
・「弾性限界伸び」とは、伸縮方向EDにおける弾性限界(換言すれば第1シート層及び第2シート層が完全に展開した状態)の伸びを意味し、弾性限界時の長さを自然長を100%としたときの百分率で表すものである。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域80、非伸縮領域70、主伸縮部分、緩衝伸縮部分)における対象部分(例えばシート接合部40、貫通孔31の開口、通気孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に伸縮構造を有する領域における「面積率」とは、伸縮方向EDに弾性限界まで伸ばした状態の面積率を意味するものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「全光線透過率」は、JIS−K7105に準じて測定される値を意味する。
・色差ΔEは、L*a*b*表色系の色差を意味し、ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)21/2で表されるものである。各値の測定は市販の測定装置、例えば日本電色工業株式会社製のハンディ型分光色差計NF333等を用いて行うことができる。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・「伸長応力」とは、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとする引張試験により、弾性領域内で伸長するときに測定される引張応力(N/35mm)を意味し、伸長の程度は試験対象により適宜決定することができる。試験片は幅35mm、長さ80mm以上の長方形状とすることが好ましいが、幅35mmの試験片を切り出すことができない場合には、切り出し可能な幅で試験片を作成し、測定値を幅35mmに換算した値とする。また、対象領域が小さく、十分な試験片を採取できない場合であっても、伸長応力の大小を比較するのであれば、適宜小さい試験片でも同寸法の試験片を用いる限り少なくとも比較は可能である。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、弾性フィルム伸縮構造を適用可能な伸縮領域を有するものである限り、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ、パッドタイプ等の各種使い捨ておむつ、生理用ナプキン、スイミングや水遊び用の使い捨て着用物品等、使い捨て着用物品全般に利用できるものである。
10…内装体、10B…内外固定領域、11…トップシート、12…液不透過性シート、13…吸収体、13N…括れ部分、14…包装シート、17…無吸収体側部、20…外装体、20A…第1シート層、20B…第2シート層、20C…折り返し部分、20X…弾性フィルム伸縮構造、20Y…非弾性フィルム領域、21…サイドシール部、23…ウエスト端部領域、24…ウエスト部弾性部材、25…収縮皺、29…脚周りライン、30…弾性フィルム、31…貫通孔、40…シート接合部、70…非伸縮領域、80…伸縮領域、90…立体ギャザー、93…倒伏部分、94…自由部分、95…ギャザーシート、96…ギャザー弾性伸縮部材、B…後身頃、ED…伸縮方向、F…前身頃、L…中間部、LD…前後方向、T…胴周り部、WD…幅方向。

Claims (7)

  1. 第1シート層と、これに対向し、製品外面に露出する第2シート層との間に弾性フィルムが積層され、前記第1シート層及び第2シート層が、間隔を空けて配列された多数のシート接合部で直接又は前記弾性フィルムを介して接合された、弾性フィルム伸縮構造を備えており、
    前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記弾性フィルムにおける、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されている、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品。
  2. 前記第2シート層をなす不織布は、繊度が1.5〜5.0dtex、目付けが10〜20g/m2の不織布である、
    請求項1の記載の使い捨て着用物品。
  3. 少なくとも前記弾性フィルムの着色部分では、前記第1シート層は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが6.5以上の不織布であり、
    前記弾性フィルムの全光線透過率が40%未満である、
    請求項1又は2記載の使い捨て着用物品。
  4. 前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域は、伸縮可能な伸縮領域を有しており、
    前記伸縮領域に、前記第2シート層の着色部分及び前記弾性フィルムの着色部分を有しており、
    前記シート接合部は規則的なパターンで配列されており、
    前記伸縮領域における前記シート接合部の面積は0.14〜3.5mm2であり、
    前記伸縮領域における前記シート接合部の面積率は1.8〜19.1%である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
  5. 前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、環状の胴周り部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備えた、パンツタイプ使い捨て着用物品であって、
    前記前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記外装体は、少なくとも前後方向の一部の範囲における前記サイドシール部間に対応する幅方向範囲にわたり、前記弾性フィルム伸縮構造を、その伸縮領域の伸縮方向が幅方向となるように備えている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
  6. 前記内装体は液不透過性シートを含んでおり、
    前記外装体は、前身頃の胴周り部及び後身頃の胴周り部の間の前後方向範囲における前記液不透過性シートを有する領域に、前記第2シート層を有するが前記弾性フィルムを有しない非弾性フィルム領域を有しており、
    前記非弾性フィルム領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記液不透過性シートにおける、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されており、
    製品外面における、前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部分と、前記非弾性フィルム領域の着色部分との、色差ΔEが3.2以下である、
    請求項5記載の使い捨て着用物品。
  7. 前記外装体のウエスト端部領域は、前記第1シート層及び第2シート層の間に、幅方向に沿う細長状の弾性伸縮部材が取り付けられ、かつ弾性フィルムを有しない非弾性フィルム領域であり、
    前記ウエスト端部領域では、前記第2シート層は、一部又は全部が白色以外の色に着色された不織布であり、かつ前記第1シート層における、少なくとも前記第2シート層の着色部分と重なる部分は、前記第2シート層の着色部分に対する色差ΔEが3.2以下の色に着色されており、
    製品外面における、前記弾性フィルム伸縮構造を有する領域の着色部分と、前記ウエスト端部領域の着色部分との、色差ΔEが3.2以下である、
    請求項5又は6記載の使い捨て着用物品。
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