JP2017225272A - 水中充電システム及び水中充電方法 - Google Patents

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弘 吉田
百留 忠洋
Tadahiro Momotome
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正二郎 石橋
Shojiro Ishibashi
正二郎 石橋
修 沼本
Osamu Numamoto
修 沼本
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Abstract

【課題】水中におけるAUVへの給電を簡易な構成でより確実に実施することができる技術を提供すること。
【解決手段】実施形態の水中充電システムは、二次電池を動力源として動作する潜水機と、水中の前記潜水機に対して電力を供給する給電装置とを備える水中充電システムであって、前記潜水機は、前記給電装置から電力を受電する受電部と、前記受電部によって受電された電力を前記二次電池に蓄電する充電制御部と、を備え、前記給電装置は、水中を移動するための推進器と、磁力によって前記潜水機を自装置に連結する連結部と、前記潜水機に電力を送電する送電部と、自装置に対する前記連結部の相対位置を3次元方向に移動させることが可能な位置調整部と、を備え、前記位置調整部は、前記連結部が前記潜水機を自装置に連結した後、前記潜水機に対する自装置の相対位置が、前記送電部が前記受電部に対して給電可能な位置となるように前記連結部を移動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自律型無人潜水機を水中で充電する技術に関する。
巡航型AUV(Autonomous Underwater Vehicle:自律型無人潜水機。以下、「AUV」と記載する。)は、電池容量の制約を受ける。そのため、現在はその連続稼働時間はせいぜい一日程度である。連続稼働時間の制限を超えてAUVを連続稼働させるには、水中でのAUVの充電が必要になる。従来、AUVを水中に存在する充電ステーションに連結させて充電する方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、AUVに対して前進又は後退可能な給電部をAUVに連結して給電する非接触給電装置(充電ステーション)が記載されている。このほか、AUVとの連結を容易にするために、所定の方向から進入するAUVを捕獲するキャプチャを用いた給電方法なども提案されている。
特開2004−166459号公報
しかしながら、従来技術を用いてAUVに給電しようとした場合、水中を巡航中のAUVに給電装置を連結させるため、AUVの速度をある程度落とす必要がある。一方で、AUVの位置や姿勢は舵によって制御されるため、低速では位置や姿勢の制御が効かなくなる。そのため、低速のAUVを給電装置に連結させるためには、AUVに推進器を追加しなければならず、機体の大型化や制御の複雑化、コスト増などの問題を生じる可能性があった。
上記事情に鑑み、本発明は、水中のAUVに対する給電をより簡易な構成で実現することができる技術を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、二次電池を動力源として動作する潜水機と、水中の前記潜水機に対して電力を供給する給電装置とを備える水中充電システムであって、前記潜水機は、前記給電装置から電力を受電する受電部と、前記受電部によって受電された電力を前記二次電池に蓄電する充電制御部と、を備え、前記給電装置は、水中を移動するための推進器と、磁力によって前記潜水機を自装置に連結する連結部と、前記潜水機に電力を送電する送電部と、自装置に対する前記連結部の相対位置を3次元方向に移動させることが可能な位置調整部と、を備え、前記位置調整部は、前記連結部が前記潜水機を自装置に連結した後、前記潜水機に対する自装置の相対位置が、前記送電部が前記受電部に対して給電可能な位置となるように前記連結部を移動させる、水中充電システムである。
本発明の一態様は、上記の水中充電システムであって、前記給電装置を遠隔から制御する遠隔制御装置をさらに備え、前記給電装置は、自装置周辺を撮像可能な撮像部と、前記送電部と前記受電部との位置合わせに用いられるマーカー光を照射するマーカー照射部と、をさらに備え、前記遠隔制御装置は、前記潜水機及び前記給電装置の位置情報に基づいて、前記潜水機が前記撮像部により撮像される画像に基づいて認識可能な位置に前記給電装置を誘導する誘導制御部を備え、前記位置調整部は、前記マーカー照射部によって照射されるマーカー光の照射位置が、前記給電可能な位置に応じて定まる前記潜水機表面の所定の位置となるように前記連結部を移動させる。
本発明の一態様は、上記の水中充電システムであって、前記送電部及び前記受電部は、非接触方式で電力の受け渡しを行う。
本発明の一態様は、上記の水中充電システムであって、前記送電部は、コンデンサバンクに蓄えられた電力を前記受電部に送電する。
本発明の一態様は、給電装置から電力を受電する受電部と前記受電部によって受電された電力を二次電池に蓄電する充電制御部とを備え、前記二次電池を動力源として動作する潜水機と、前記潜水機を自装置に連結する連結部と前記潜水機に電力を送電する送電部とを備え、水中の前記潜水機に対して電力を供給する給電装置とを備える水中充電システムにおける前記二次電池の充電方法であって、前記連結部が、磁力によって前記潜水機を自装置に連結する連結ステップと、自装置に対する前記連結部の相対位置が、前記送電部が前記受電部に対して給電可能な位置となるように前記連結部を移動させる位置調整ステップと、前記送電部が前記受電部に対して電力を供給する電力供給ステップと、を有する水中充電方法である。
本発明により、水中におけるAUVへの給電を簡易な構成でより確実に実施することが可能となる。
実施形態の水中充電システム100のシステム構成の概略を示す図である。 実施形態のAUV1の機能構成の具体例を示すブロック図である。 実施形態のROV2の機能構成の具体例を示すブロック図である。 実施形態のASV3の機能構成の具体例を示すブロック図である。 実施形態の遠隔制御装置4の機能構成の具体例を示すブロック図である。 送電アンテナ及び受電アンテナの具体例を示す図である。 送電アンテナ及び受電アンテナの他の具体例を示す図である。 実施形態の水中充電システム100の動作例を示すシーケンス図である。 AUV1とROV2との連結のイメージを示した概略図である。 送電部211及び受電部108の位置合わせのイメージを示した概略図である。
図1は、実施形態の水中充電システム100のシステム構成の概略を示す図である。水中充電システム100は、AUV1、ROV2(給電装置の一例)、ASV3、遠隔制御装置4及び基地局5を備える。AUV1は、給電の対象となる自律型無人潜水機である。ROV2(Remotely operated vehicle)は、AUV1に連結し、ASV3から送電される電力をAUV1に供給する遠隔操作無人探査機である。ASV3(Autonomous Surface Vehicle)は、ROV2と遠隔制御装置4との間の通信を中継する洋上中継器である。遠隔制御装置4は、ASV3を介してROV2を操作する遠隔制御装置である。遠隔制御装置4は、基地局5を介した無線通信によってASV3と通信可能である。例えば、基地局5は、通信衛星を介して通信を行うものであってもよいし、携帯電話等の移動体通信網を介して通信を行うものであってもよい。
なお、ROV2は、光・電気複合ケーブル6でASV3と接続される。ROV2には、光・電気複合ケーブル6を介してASV3から電力が供給される。ROV2は、光・電気複合ケーブル6を介してASV3と通信可能である。また、ASV3は、無線通信によって遠隔制御装置4と通信可能である。また、AUV1は、音響通信によってASV3と通信可能である。
図2は、実施形態のAUV1の機能構成の具体例を示すブロック図である。AUV1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、AUVプログラムを実行する。AUV1は、AUVプログラムの実行によってAUV制御部101、音響通信部102、ROVホーマー103、SSBL用トランスポンダ104、被連結部105、二次電池106、充電制御部107、受電部108及び通信部109を備える装置として機能する。なお、AUV1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。AUVプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。AUVプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
AUV制御部101は、自装置をAUVとして機能させるための種々の制御処理を実行する機能部である。AUV制御部101は、自装置が備える各種機能部を制御することによって自装置をAUVとして機能させる。
音響通信部102は、電磁波の減衰が大きい水中において、音波を用いた無線通信(以下、「音響通信」という。)を実現する機能部である。音響通信部102は、音響通信によってASV3と通信する。
ROVホーマー103は、船上局(例えばASV3に備えられる)に自身の相対位置を知らせるトランスポンダである。具体的には、ROVホーマー103は、船上局に対する自身の方向及び距離を計測して船上局に通知する。
SSBL(Super Short Base-line)用トランスポンダ104は、船上局(例えばASV3に備えられる)に対して自身の位置を計測させるための音響信号を発信するトランスポンダである。SSBL用トランスポンダ104は、SSBL方式での測位に用いられるトランスポンダである。SSBL方式は、1個のトランスポンダから発信される音響信号を多重受信機で受信して位置関係を求める測位方式である。なお、SSBL用トランスポンダ104に代えて、SBL方式やLBL方式等の他の測位方式用のトランスポンダが用いられてもよい。
被連結部105は、ROV2に連結されるための構造部材である。被連結部105は、磁石に引きつけられる性質を有する金属板を含んで構成される。例えば、被連結部105は、上記金属板として鉄板を備える。この金属板が磁力によってROV2の構造部材に接着することにより、AUV1がROV2に連結される。
二次電池106は、自装置の動力源となる電源であり、充電によって電気を蓄えることができる蓄電池である。二次電池106は、充電制御部107によって充電される。
充電制御部107は、二次電池106の充電を制御する機能部である。充電制御部107は、受電部108によって受電された電力を二次電池106に蓄電させる。受電部108は、受電用のコイル(図示せず)を備えて構成され、送電側のコイルとの間で生じる電磁誘導作用によって非接触で電力を受電することができる。この電磁誘導作用は、電力供給の手段としてのみならず、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信技術にも応用されている。通信部109は、受電用のコイルを通信用のアンテナとして共用することでROV2との近距離無線通信を実現する機能部である。充電制御部107は、二次電池106の充電を制御する機能に加え、通信部109を介した無線通信を制御する機能を有する。
図3は、実施形態のROV2の機能構成の具体例を示すブロック図である。ROV2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、ROVプログラムを実行する。ROV2は、ROVプログラムの実行によってROV制御部201、光通信部202、ROVホーマー203、SSBL用トランスポンダ204、撮像部205、推進器206、速度センサ207、電源部208、給電制御部209、コンデンサバンク210、送電部211、通信部212、連結部213、位置調整部214、マーカー照射部215、位置固定部216及び連結制御部217を備える装置として機能する。なお、ROV2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。ROVプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。ROVプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
ROV制御部201は、自装置をROVとして機能させるための種々の制御処理を実行する機能部である。ROV制御部201は、自装置が備える各種機能部を制御することによって自装置をROVとして機能させる。
光通信部202は、光信号による情報の送受信を可能にする通信インタフェースである。光通信部202は、光・電気複合ケーブル6の内部を通る光通信ケーブルを介してASV3と通信する。
ROVホーマー203は、AUV1が備えるROVホーマー103と同様である。
SSBL用トランスポンダ204は、AUV1が備えるSSBL用トランスポンダ104と同様である。
撮像部205は、カメラ等の撮像装置を用いて構成される。撮像部205は、設置位置から自装置の周辺を撮像し映像信号を出力する。映像信号はROV制御部201に出力される。例えば、映像信号は光通信部202を介してASV3に送信され、ASV3を介して遠隔制御装置4に送信される。基地局では、遠隔制御装置4に受信される映像信号に基づいて、ROV3付近の水中の映像が表示される。
推進器206は、自装置に対して水中での推進力を与える装置である。速度センサ207は、自装置の移動速度を測定するセンサである。
電源部208は、自装置の動力源となる電源であり、ASV3から供給される電力を自装置の各機能部に供給する。
給電制御部209は、AUV1に対する給電を制御する機能部である。給電制御部209は、コンデンサバンク210に蓄えられた電力を、送電部211を介してAUV1に供給する。このように、AUV1に供給する電力を予めコンデンサバンク210に蓄えておくことにより、ROV2はAUV1に対して大電流で電力を供給することが可能となり、充電時間を短縮することができる。送電部211は、送電用のコイル(図示せず)を備えて構成され、受電側のコイルとの間で生じる電磁誘導作用によって非接触で電力を送電することができる。通信部212は、送電用のコイルを通信用のアンテナとして共用することでAUV1との近距離無線通信を実現する機能部である。給電制御部209は、AUV1に対する給電を制御する機能に加え、通信部212を介した無線通信を制御する機能を有する。
連結部213は、磁力によってAUV1を自装置に連結する装置である。例えば、連結部213は、電気的な動作制御が可能なアーム部に電磁石を取り付けて構成される。
位置調整部214は、連結部213を自装置に固定するとともに、連結部213の固定位置を3次元方向に移動させることが可能な装置である。例えば、位置調整部214は、電気的な動作制御が可能な3軸ステージを用いて構成される。
マーカー照射部215は、レーザー光を照射するレーザー装置を用いて構成される。マーカー照射部215によって照射されるレーザー光は、AUV1が連結部213によって自装置に連結された後、AUV1に対する自装置の相対位置を微調整する際の目印(以下、「マーカー」という。)となる。この微調整によって、ROV2の送電部211がAUV1の受電部108に対して送電可能な位置(以下、「適正位置」という。)をとるように調整される。具体的には、マーカー照射部215は、AUV1の表面の所定の位置にマーカーが合ったときに送電部211が適正位置を取る方向にマーカーを照射するように設置される。
位置固定部216は、自装置とAUV1との位置関係を固定する機能部である。例えば、位置固定部216は、AUV1に設けられた構造部材に篏合する構造部材を有し、篏合動作を電気的に制御可能な篏合装置を用いて構成される。また、位置固定部216は、自装置のAUV1との固定の具合を検出するセンサを含み、検出結果を連結制御部217に通知する。
連結制御部217は、自装置とAUV1との連結を制御する機能部である。連結制御部217は、上述の各種機能部を制御することによって自装置をAUV1に連結する。
図4は、実施形態のASV3の機能構成の具体例を示すブロック図である。ASV3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、ASVプログラムを実行する。ASV3は、ASVプログラムの実行によってASV制御部301、光通信部302、無線通信部303、音響通信部304、推進器305、速度センサ306、SSBL測位部307、着水揚収部308、エンジン部309及びバッテリ部310を備える装置として機能する。なお、ASV3の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。ASVプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。ASVプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
ASV制御部301は、自装置をASVとして機能させるための種々の制御処理を実行する機能部である。ASV制御部301は、自装置が備える各種機能部を制御することによって自装置をASVとして機能させる。
光通信部302は、光信号による情報の送受信を可能にする通信インタフェースである。光通信部302は、光・電気複合ケーブル6の内部を通る光通信ケーブルを介してROV2と通信する。
無線通信部303は、自装置と遠隔制御装置4との間の無線通信を実現する機能部である。例えば、無線通信部303は、通信衛星を介して通信を行うものであってもよいし、携帯電話等の移動体通信網を介して通信を行うものであってもよい。
音響通信部304は、AUV1が備える音響通信部102と同様である。音響通信部304は、音響通信によってAUV1と通信する。
推進器305は、自装置に対して洋上での推進力を与える装置である。速度センサ306は、自装置の移動速度を測定するセンサである。
SSBL測位部307は、SSBL方式でAUV1及びROV2の位置を測定する。具体的には、SSBL測位部307は、AUV1のSSBL用トランスポンダ104から送信される音響信号に基づいてAUV1の位置を測定し、ROV2のSSBL用トランスポンダ204から送信される音響信号に基づいてROV2の位置を測定する。
着水揚収部308は、ROV2の着水及び揚収を行う。エンジン部309は、自装置の動力源となる電力を発電するエンジンを備えて構成される。バッテリ部310は、AUV1に対して供給する電力を蓄える蓄電池である。バッテリ部310は、エンジン部309によって発電された電力の一部を、AUV1に供給する電力として蓄える。
図5は、実施形態の遠隔制御装置4の機能構成の具体例を示すブロック図である。遠隔制御装置4は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、遠隔制御装置プログラムを実行する。遠隔制御装置4は、遠隔制御装置プログラムの実行によって通信部41、操作入力部42、AUV遠隔操作部43、ROV遠隔操作部44及びASV遠隔操作部45を備える装置として機能する。なお、遠隔制御装置4の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。遠隔制御装置プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。遠隔制御装置プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信部41は、自装置と基地局5とを通信可能にする通信インタフェースを用いて構成される。通信部41は、基地局5を介した無線通信によってASV3と通信する。
操作入力部42は、AUV1、ROV2又はASV3に対する操作の入力を受け付ける。例えば、操作入力部42は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を用いて構成されてもよいし、移動体専用の操作装置を用いて構成されてもよい。操作入力部42は、入力された操作の対象に応じて、入力情報をAUV遠隔操作部43、ROV遠隔操作部44及びASV遠隔操作部45のいずれかに出力する。
AUV遠隔操作部43は、AUV1の遠隔制御に関する処理を行う機能部である。ROV遠隔操作部44は、ROV2の遠隔制御に関する処理を行う機能部である。ASV遠隔操作部45は、ASV3の遠隔制御に関する処理を行う機能部である。AUV遠隔操作部43、ROV遠隔操作部44及びASV遠隔操作部45は、操作入力部42から出力される入力情報に基づいて、それぞれの操作対象に対して入力情報に応じた動作を指示するための制御情報を生成する。AUV遠隔操作部43、ROV遠隔操作部44及びASV遠隔操作部45は、生成された制御情報を、通信部41を介してASV3に送信する。ROV2宛ての制御情報はASV3を介してROV2に中継される。AUV1宛ての制御情報はASV3及びROV2を介してAUV1に中継されてもよいし、音響通信によってASV3から直接AUV1宛てに送信されてもよい。
さらにROV遠隔操作部44は、移動操作部441、連結操作部442及び充電操作部443を備える。移動操作部441は、ROV2の移動に関する制御を行う。連結操作部442は、AUV1とROV2との連結に関する制御を行う。充電操作部443は、ROV2によるAUV1に対する給電に関する制御を行う。
図6は、送電アンテナ及び受電アンテナの具体例を示す図である。図6の例では、左側のコイル51が送電アンテナを示し、右側のコイル52が受電アンテナを示す。コイル51及びコイル52は、磁性体コアや空芯を軸として周囲に銅線を巻回したものである。送電アンテナであるコイル51はROV2の送電部211に備えられ、受電アンテナであるコイル52はAUV1の受電部108に備えられる。コイルのサイズは、給電する電力量にもよるが一般には100mm〜300mm程度の直径と、50mm程度の厚みを有する。以下、コイルの軸に直交するコイル半径方向の平面をコイル面という。
このようなコイルを用いた非接触方式の充電において、80%程度以上の充電効率を維持しつつ最大の送電電力での給電を実現するためには、コイル51及び52の各コイル面を平行に維持しつつ、アンテナ間の距離dと、コイル中心から径方向へのずれrとが所定の範囲内に維持されることが必要となる。例えば、上記サイズのアンテナの場合、d≦20[mm]、r≦20[mm]を満たすような位置関係が維持されるようにコイル51及びコイル52の位置を制御する必要がある。
図7は、送電アンテナ及び受電アンテナの他の具体例を示す図である。送電アンテナ及び受電アンテナは、図6に示した円盤状のものに限定されず、非接触での送電及び受電が可能なアンテナであれば他のどのような形状のアンテナが用いられても良い。例えば、図7(A)に示されるような楕円状のアンテナが用いられてもよいし、図7(B)に示されるような筒状のアンテナが用いられても良い。
図8は、実施形態の水中充電システム100の動作例を示すシーケンス図である。図8に示す処理の流れは、ASV3が洋上においてROV2を着水した状況で開始される。この状況において遠隔制御装置4では、まず、移動操作部441(誘導制御部の一例)が、ROV2をAUV1の近辺に誘導する(ステップS101)。ここでいう近辺とは、例えばAUV1の機体表面に存在する位置合わせ用の目印がROV2の撮像する画像によって十分に識別可能な位置を意味する。移動操作部441は、操縦操作の入力に応じた移動を行うようにROV2を制御してもよいし、AUV1及びROV2の位置情報に基づいてROV2をAUV1に近づけるような制御を行ってもよい。移動操作部441は、ROV2をAUV1の近辺に移動させる制御情報を生成しROV2に送信する(ステップS102)。ROV2は、遠隔制御装置4から送信された制御情報に基づいて自装置を移動させることにより、AUV1の近辺に移動する(ステップS103)。
ROV2がAUV1の近辺に誘導されると、続いて連結操作部442が、ROV2をAUV1に連結させる(ステップS104)。具体的には、連結操作部442は、ROV2に対してAUV1と連結する動作を行わせるための制御情報を生成しROV2に送信する(ステップS105)。ROV2では、この制御情報に基づいて連結制御部217が以下のように動作することにより、AUV1がROV2に連結される。
図9は、AUV1とROV2との連結のイメージを示した概略図である。図9は、ROV2がAUV1の近辺に誘導された状態を示している。この状態において、まず、連結制御部217は、連結部213に備えられた電磁石Mを励磁する(ステップS106)。連結制御部217は、推進器206−1及び206−2を制御することにより、励磁された電磁石がAUV1の表面の被連結部105に接着するようにROV2を移動させる(ステップS107)。このとき、連結部213に備えられたアーム部Aが旋回や伸縮等の動作によって電磁石の位置を変化させることが可能である場合、連結制御部217はアーム部Aの動作を制御することによって電磁石Mを被連結部105に連結させてもよい。
続いて、連結制御部217は、電磁石が鉄板に接着した状態で位置調整部214を動作させることにより、ROV2の送電部211とAUV1の受電部108とが適正位置となるように位置合わせを行う(ステップS108)。
図10は、送電部211及び受電部108の位置合わせのイメージを示した概略図である。図10において、符号200によって示される破線はAUV1の筐体表面を表しており、符号300によって示される実線はROV2の位置調整部214の一部を表している。図10は、AUV1の筐体表面に設置された被連結部105に、ROV2の連結部213が連結した状態を示している。具体的には、電磁石Mが被連結部105に磁力によって接着した状態である。電磁石Mが取り付けられたアーム部Aは、紙面垂直方向に延びており、固定位置Pにおいて位置調整部214に固定されている。位置調整部214は、この固定位置Pを3次元方向に移動させることが可能である。
例えば、AUV1の機体表面に適正位置の目印Tが設けられる。この目印Tは、マーカー照射部215−1及び215−2によって照射される十字マーカーCと合った場合に、送電部211及び受電部108が適正位置にあることを示すものである。目印Tの位置と、マーカー照射部215−1及び215−2の照射方向とは、上記の条件を満たすような位置及び方向に予め設定されている。位置調整部214は、十字マーカーCが目印Tに合うように、固定位置Pを移動させることによって送電部211及び受電部108が適正位置となるように位置合わせを行う。例えば、図10において十字マーカーCは位置合わせ前の状態の十字マーカーを表している。この場合、位置調整部214は、十字マーカーCが目印T内に位置するように、固定位置Pをx軸方向にX、y軸方向にY、z軸方向にZだけ移動させる。その結果、送電部211及び受電部108が適正位置に配置される。
送電部211及び受電部108が適正位置に配置されると、位置固定部216は自装置とAUV1とが適正位置に維持されるように固定する(ステップS109)。送電部211及び受電部108の位置関係が固定されると、給電制御部209はAUV1に対する給電を開始する(ステップS110)。AUV1側では、ROV2からの給電開始に応じて、充電制御部107が受電された電力を二次電池106に蓄電する(ステップS211)。
このように構成された実施形態の水中充電システム100は、AUV1との位置合わせを2段階で行うROV2を備える。具体的には、ROV2は、AUV1を自装置に連結する連結部213と、AUV1を自装置に連結した後、自装置の送電部211とAUV1の受電部108との位置合わせを行う位置調整部214とを備える。このような構成を備えることにより、実施形態の水中充電システム100は、水中でのAUV1に対する給電をより簡易な構成で実現することができる。
また、従来のように給電部をAUVに連結する方法や、キャプチャを用いてAUVを捕獲する方法では、水中を浮遊するAUVを捕らえることは現実的に困難であった。これに対して、実施形態の水中充電システム100では、まず連結部213がAUV1を大まかな位置で捕獲し、位置調整部214が適正位置の微調整を行う。そのため、実施形態の水中充電システム100は、水中でのAUV1に対する給電をより確実に実施することができる。
また、従来では、海中での充電を行う方法として次の方法が一般的であった。
(1)海中に充電ステーションを設置し海底ケーブルなどで陸から給電する方法。
(2)ドッキングデバイスを有する母船や潜水艦(人間が乗船)で充電対象に接近する方法。
しかしながら、これらの方法はいずれも高コストであり、頻繁に行うにはハードルが高いものであった。そのため、従来は、AUV1の連続潜水時間を長くすることが困難であった。これに対して、実施形態の水中充電システム100では、遠隔制御装置4を用いた遠隔操作によってAUV1の充電が遠隔から制御可能である。そのため、有人船の派遣が不要となり、AUV1の連続潜水時間を低コストで長時間化することも可能となる。
<変形例>
上記の実施形態では、ROV2の誘導、AUV1との連結、AUV1に対する給電が遠隔制御装置4による遠隔制御又は遠隔操作によって実現される態様について説明したが、遠隔制御装置4に代えてASV3又はROV2が、これらの制御を行うように構成されてもよい。例えば、この場合、遠隔制御装置4が備える移動操作部441、連結操作部442、充電操作部443の各機能部をASV3又はROV2が備えてもよい。ASV3又はROV2は、遠隔制御装置4と同様に、操作入力部42を介して入力される操作情報に基づいて各制御を行うように構成されてもよいし、各制御を自律的に行うように構成されてもよい。
上述した実施形態におけるAUV1、ROV2、ASV3及び遠隔制御装置4の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、水中に存在する充電対象の機器に対して非接触での充電を行う充電システムに適用可能である。
100…水中充電システム、 1…AUV(Autonomous Underwater Vehicle:自律型無人潜水機)、 101…AUV制御部、 102…音響通信部、 103…ROVホーマー、 104…SSBL用(Super Short Base-line)トランスポンダ、 105…被連結部、 106…二次電池、 107…充電制御部、 108…受電部、 109…通信部、 2…ROV(Remotely operated vehicle:遠隔操作無人探査機)、 201…ROV制御部、 202…光通信部、 203…ROVホーマー、 204…SSBL用トランスポンダ、 205…撮像部、 206…推進器、 207…速度センサ、 208…電源部、 209…給電制御部、 210…コンデンサバンク、 211…送電部、 212…通信部、 213…連結部、 214…位置調整部、 215…マーカー照射部、 216…位置固定部、 217…連結制御部、 3…ASV(Autonomous Surface Vehicle:洋上中継器)、 301…ASV制御部、 302…光通信部、 303…無線通信部、 304…音響通信部、 305…推進器、 306…速度センサ、 307…SSBL測位部、 308…着水揚収部、 309…エンジン部、 310…バッテリ部、 4…遠隔制御装置、 41…通信部、 42…操作入力部、 43…AUV遠隔操作部、 44…ROV遠隔操作部、 441…移動操作部、 442…連結操作部、 443…充電操作部、 45…ASV遠隔操作部、 5…基地局、 6…光・電気複合ケーブル、 51…送電コイル、 52…受電コイル、 200…AUVの表面の一部、 300…位置調整部の一部

Claims (5)

  1. 二次電池を動力源として動作する潜水機と、水中の前記潜水機に対して電力を供給する給電装置とを備える水中充電システムであって、
    前記潜水機は、
    前記給電装置から電力を受電する受電部と、
    前記受電部によって受電された電力を前記二次電池に蓄電する充電制御部と、
    を備え、
    前記給電装置は、
    水中を移動するための推進器と、
    磁力によって前記潜水機を自装置に連結する連結部と、
    前記潜水機に電力を送電する送電部と、
    自装置に対する前記連結部の相対位置を3次元方向に移動させることが可能な位置調整部と、
    を備え、
    前記位置調整部は、前記連結部が前記潜水機を自装置に連結した後、前記潜水機に対する自装置の相対位置が、前記送電部が前記受電部に対して給電可能な位置となるように前記連結部を移動させる、
    水中充電システム。
  2. 前記給電装置を遠隔から制御する遠隔制御装置をさらに備え、
    前記給電装置は、
    自装置周辺を撮像可能な撮像部と、
    前記送電部と前記受電部との位置合わせに用いられるマーカー光を照射するマーカー照射部と、
    をさらに備え、
    前記遠隔制御装置は、前記潜水機及び前記給電装置の位置情報に基づいて、前記潜水機が前記撮像部により撮像される画像に基づいて認識可能な位置に前記給電装置を誘導する誘導制御部を備え、
    前記位置調整部は、前記マーカー照射部によって照射されるマーカー光の照射位置が、前記給電可能な位置に応じて定まる前記潜水機表面の所定の位置となるように前記連結部を移動させる、
    請求項1に記載の水中充電システム。
  3. 前記送電部及び前記受電部は、非接触方式で電力の受け渡しを行う、
    請求項1又は2に記載の水中充電システム。
  4. 前記送電部は、コンデンサバンクに蓄えられた電力を前記受電部に送電する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の水中充電システム。
  5. 給電装置から電力を受電する受電部と前記受電部によって受電された電力を二次電池に蓄電する充電制御部とを備え、前記二次電池を動力源として動作する潜水機と、前記潜水機を自装置に連結する連結部と前記潜水機に電力を送電する送電部とを備え、水中の前記潜水機に対して電力を供給する給電装置とを備える水中充電システムにおける前記二次電池の充電方法であって、
    前記連結部が、磁力によって前記潜水機を自装置に連結する連結ステップと、
    自装置に対する前記連結部の相対位置が、前記送電部が前記受電部に対して給電可能な位置となるように前記連結部を移動させる位置調整ステップと、
    前記送電部が前記受電部に対して電力を供給する電力供給ステップと、
    を有する水中充電方法。
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