JP2017225265A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転電機は、円環状のステータと、前記ステータを径方向外側から保持する環状のステータホルダ5と、ステータホルダ5を囲むハウジングと、を備えている。ステータホルダ5の外周面とハウジングの内周面との間には、弾性を有し、ステータの周方向にわたって延びる流路シール部材3が挟持されている。流路シール部材3は、ステータホルダ5の外周面とハウジングの内周面との間に、冷却媒体が流れる流通流路15を画成している。
【選択図】図3
Description
また、流路シール部材は弾性を有するため、ハウジングと接触しても流路シール部材およびハウジングが損傷を受けにくい。よって、流路シール部材またはハウジングの損傷を原因とする冷却性能の悪化を回避できる。
図1は、実施形態の回転電機10の正面図である。図2は、ステータホルダ5およびハウジング2を示す斜視図である。図3は、ステータホルダ5および流路シール部材3を示す斜視図である。図4は、ステータホルダ5の一部を示す断面図である。図5は、ステータホルダ5およびハウジング2の一部を示す断面図である。図6は、ステータホルダ5および流路シール部材3の一部を示す側面図である。図7は、ステータホルダの一部を示す側面図である。図8は、流路シール部材3の一部を示す側面図である。矢印Axはステータ1の軸心に沿う方向を示す。矢印Rはステータ1の径方向を示す。矢印Cはステータ1の軸心周りの方向(周方向)を示す。
回転電機10は、例えば電気自動車、ハイブリッド車両などの車両駆動と回生発電に用いることができる。ステータ1の内側には、図示しないロータが回転可能に配置されている。
ステータ1は、複数の分割コア片6からなる円環状のステータコア7と、分割コア片6に巻回されたコイル導線8とを有する。
ハウジング2は、円柱状の内部空間を有する筒状部9を備え、筒状部9内にステータ1およびステータホルダ5を収納することができる。ハウジング2は、ステータ1およびステータホルダ5の外周側に設けられた筒状包囲部材である。
フランジ部12は、円筒部11がハウジング2の筒状部9に挿入された状態で、ボルト等の固定具によりハウジング2に固定することができる。
図3に示すように、環状壁部14は、フランジ部12に対して軸心方向の一方向である第1軸心方向Ax1寄りに位置する。第2軸心方向Ax2は、第1軸心方向Ax1の反対の方向である。
図4および図5に示すように、リブ17は、外周面11aから径方向外方に突出して形成されている。リブ17の突出高さはフランジ部12および環状壁部14より低く、ハウジング2の筒状部9の内周面9aに届かない程度とされている。
図3および図7に示すように、リブ17は、ステータ1の軸心の周りの螺旋状に形成された突条である。リブ17は、一端17aから他端17bにかけて環状壁部14に近づくように形成されている。リブ17の一端17aから他端17bに向かう方向を螺旋の順方向といい、他端17bから一端17aに向かう方向を螺旋の逆方向という。
端部凸部18,18のうち一方である端部凸部18Aは、リブ17の一端17aの近傍であって一端17aから周方向に離間した位置に形成されている。端部凸部18,18のうち他方である端部凸部18Bは、リブ17の他端17bの近傍であって他端17bから周方向に離間した位置に形成されている。
リブ17および端部凸部18は、ステータホルダ5に一体的に形成されていることが好ましい。
導入口23と排出口24とは、ステータ1の軸心方向に位置を違えて形成されている。排出口24は導入口23に比べて第1軸心方向Ax1寄りに位置する。
導入口23は、流路シール部材3によって形成される螺旋状の流通流路15(後述)の始端近傍に位置し、排出口24は、流通流路15の終端近傍に位置する。
図6〜図8に示すように、流路シール部材3は、ステータホルダ5の円筒部11の外周面11aに取り付けられている。
流路シール部材3は、ひも状の主部31と、主部31の両端に形成された端部32,33とを備えている。端部32,33の外形寸法(流路シール部材3の長さ方向に直交する方向の寸法)は、主部31の外径に比べて大きい。
流路シール部材3の主部31は、リブ17の第2軸心方向Ax2側に、リブ17に沿って形成されている。流路シール部材3の主部31は、リブ17の第2軸心方向Ax2側に、全長にわたってリブ17に当接して形成されている。そのため、流路シール部材3は、リブ17によって第1軸心方向Ax1への移動が規制される。
係合凸部34,36が隙間35,37において一端17aおよび他端17bに係合することによって、流路シール部材3を確実に位置決めできる。
流路シール部材3は、リブ17に比べて硬度が低い。硬度の指標としては、JIS K 6253に準拠したデュロメータタイプAの硬度を挙げることができる。流路シール部材3のデュロメータタイプAの硬度は、例えば30〜80である。
環状体41は、ひも状の主部42と、主部42の長さ方向の一部に形成された大径部43とを有する。大径部43の外形寸法は主部42の外径より大きい。
図9(A)に示す切断位置43aにおいて大径部43を切断すると、図9(B)に示すように、環状体41は開環し、切断された大径部43の切断片はそれぞれ端部32,33となる。端部32,33の端面32a,33aは、大径部43を2つに分割した端面であるため、互いに対応する形状(相補的形状)となる。
このように、流路シール部材3は、環状体41を切断するだけの簡単な操作によって作製することができる。
フランジ部シール部材53は、軸心方向に圧縮した状態で環状凹部52の内面とフランジ部12の内面12aとに当接することが好ましい。
フランジ部シール部材53を設けることによって、ハウジング2とフランジ部12との隙間からの冷却媒体Mの漏出を防止できる。
ハウジング2の内面54と環状壁部14の外面14bとの間には、弾性を有する環状壁部シール部材56が設けられている。環状壁部シール部材56は例えば前述の弾性材からなる。環状壁部シール部材56は、環状凹部55の内面と環状壁部14の外面14bとに当接し、ハウジング2と環状壁部14との隙間を閉止する。
環状壁部シール部材56は、軸心方向に圧縮した状態で環状凹部55の内面と環状壁部14の外面14bとに当接することが好ましい。
環状壁部シール部材56を設けることによって、ハウジング2と環状壁部14との隙間からの冷却媒体Mの漏出を防止できる。
図2および図6に示すように、冷却媒体Mを、導入用流路21を通して供給する。冷却媒体Mは、流体であれば特に限定されないが、例えば冷却油、冷却水などの液体であってよい。
冷却媒体Mは、導入口23を経て環状流路13に導入される。環状流路13には螺旋状の流通流路15が形成されているため、冷却媒体Mは、流通流路15内を螺旋の順方向に流れる。排出口24に達した冷却媒体Mは排出用流路22を通して排出される。
また、流路シール部材3は弾性を有するため、ハウジング2と接触しても、流路シール部材3およびハウジング2が損傷を受けにくい。よって、流路シール部材3またはハウジング2の損傷を原因とする冷却性能の悪化を回避できる。
また、冷却性能に悪影響を与えずにリブ17を低く形成することができるため、リブ17の寸法精度の低さ、ステータホルダ5の変形などを原因としてリブ17とハウジング2とが接触してリブ17またはハウジング2が損傷を受けるのを回避できる。よって、リブ17またはハウジング2の損傷による冷却性能の悪化を防ぐことができる。
図10に示すステータホルダ5Aは、ステータホルダ5の第1変形例であり、リブ17Aおよび流路シール部材3Aが、複数の段部61を有する階段状に形成されている点で、図6に示すステータホルダ5と異なる。
図11に示すステータホルダ5Bは、ステータホルダ5の第2変形例であり、リブが形成されていない点で、図6に示すステータホルダ5と異なる。
図12に示すステータホルダ5Cは、ステータホルダ5の第3変形例であり、リブ17Cおよび流路シール部材3Cが周方向に沿う形状である点で、図6に示すステータホルダ5と異なる。符号18Cは端部凸部である。流通流路は例えば軸心周りの環状の流路であってよい。
規制凸部は、シール部材の移動を規制できれば、その形状はリブ形状に限定されない。例えば螺旋状に並んで形成された複数のドット状の凸部などであってもよい。
回転電機10では、流路シール部材3は全体が弾性材からなるが、シール部材は、少なくとも環状流路の内面に当接する部分が弾性材で構成されていればよく、一部が非弾性材で構成されていてもよい。
流路シール部材は、モールド成型によってステータホルダ5の外周面11aに形成してもよい。流路シール部材は突出端面および両側面を覆う形状であってもよい。
回転電機10では、流路シール部材3の係合凸部34,36(係合部)がリブ17の隙間35,37に入り込んで一端17aおよび他端17b(係合受部)に係合する構造が採用されているが、逆に、流路シール部材の係合凹部(係合部)とリブの係合凸部(係合受部)とが係合する構造を採用してもよい。
図8に示す流路シール部材3の係合凸部34,36は、主部31に対して径方向の一方にのみ突出して形成されているが、係合凸部は、主部に対して径方向の複数の方向に突出していてもよい(図9(B)参照)。
Claims (9)
- 円環状のステータと、前記ステータを径方向外側から保持する環状のステータホルダと、前記ステータホルダを囲むハウジングと、を備え、
前記ステータホルダの外周面と前記ハウジングの内周面との間には、弾性を有し、前記ステータの周方向にわたって延びる流路シール部材が挟持され、
前記流路シール部材は、前記ステータホルダの外周面と前記ハウジングの内周面との間に、冷却媒体が流れる流通流路を画成していることを特徴とする回転電機。 - 前記流路シール部材は、前記ステータの軸心周りの螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記流路シール部材の両端面は、環状体が切断された切断面であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記ステータホルダの外周面には、前記流路シール部材が前記ステータの軸心方向に移動するのを規制する規制凸部が設けられ、
前記規制凸部は、前記外周面からの突出高さが、前記外周面からの前記流路シール部材の突出高さより低いことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記規制凸部は、前記軸心周りの螺旋状に形成され、
前記流路シール部材は、前記規制凸部に沿って形成されていることを特徴とする請求項4に記載の回転電機。 - 前記ハウジングは、前記流通流路に前記冷却媒体を導入する導入口と、前記流通流路から前記冷却媒体を排出する排出口とを有し、
前記導入口と前記排出口とは、前記ステータの軸心方向に位置を違えて形成され、
前記規制凸部は、前記流路シール部材に対して前記排出口側に位置することを特徴とする請求項5に記載の回転電機。 - 前記規制凸部に係合受部が形成され、
前記流路シール部材は、前記係合受部に係合する係合部を有することを特徴とする請求項4〜6のうちいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記ステータホルダは、前記外周面を有する円筒部と、前記円筒部から前記径方向外方に突出するフランジ部および環状壁部とを有し、
前記フランジ部と前記環状壁部は、前記ステータの軸心方向に離間して形成され、
前記流通流路は、前記フランジ部と前記環状壁部との間に形成され、
前記フランジ部の内面と前記ハウジングとの間に、弾性を有する環状のフランジ部シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記ステータホルダは、前記外周面を有する円筒部と、前記円筒部から前記径方向外方に突出するフランジ部および環状壁部とを有し、
前記フランジ部と前記環状壁部は、前記ステータの軸心方向に離間して形成され、
前記流通流路は、前記フランジ部と前記環状壁部との間に形成され、
前記環状壁部の外面と前記ハウジングとの間に、弾性を有する環状の環状壁部シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の回転電機。
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