JP2017225006A - 指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置 - Google Patents

指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射鏡アンテナの指向方向に係る経年変化の補正を、地上側の設備および人口衛星側の装備に与える影響を小さくして実現すること。【解決手段】複数の放射器5(51,52)と、複数の放射器からの放射信号を反射させて地上側に照射する反射鏡アンテナ1とを備えて人工衛星に搭載され、放射信号の位相差を連続的または離散的に可変可能に構成されるアンテナ装置と、地上側に設置され、アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動および位相差に基づいて、反射鏡アンテナ1の指向性を補正するためのコマンド信号を生成してアンテナ装置に送信するコマンド信号生成装置と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、人工衛星に搭載されたアンテナ装置(以下「人工衛星搭載アンテナ装置」と称する)から放射される放射信号の指向性を補正する指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置に関する。
人工衛星搭載アンテナ装置には、大型の反射鏡アンテナが用いられる。近年は、複数の一次放射器から成るアレー給電系と共に用いられて、マルチビーム用反射鏡アンテナとして移動体通信用途に用いられている。マルチビーム用反射鏡アンテナでは、地上の狭いサービスエリアに電波を集中すること、および、そのようなサービスエリアを同時に数多く運用することで、効率の良い通信を行っている。
一方、狭いサービスエリアは、宇宙空間の熱の変化の影響で、衛星に搭載している反射鏡アンテナの指向方向が変化すると、電波を効率的に受けられなくなる。したがって、何らかの方法で、反射鏡アンテナの方向の経年変化を検出し、人工衛星に搭載されているアンテナから放射される電波の送信方向を補正する必要がある。
ここで、下記特許文献1には、人工衛星に搭載され、交信する地上局を指向すべく配置した指向誤差検出用の4つのホーンアンテナを併設して成る反射鏡アンテナにおいて、指向誤差検出用の4つのホーンアンテナを反射鏡アンテナの外周に、反射鏡アンテナの中心軸対称に配置し、所望の地上位置にある地上局からの電波を4つのアンテナで受信し、その位相情報をもとに本来あるべき方向を検出している。
また、下記特許文献2には、人工衛星搭載アンテナ装置から放射された信号を複数の地上局で受信してアンテナ放射パターンを測定し、当該アンテナ放射パターンに基づいて人口衛星搭載アンテナ装置の給電分布を制御し、アンテナ鏡面変形に応じたアンテナ放射パターンの劣化を補償するか、または、当該アンテナ放射パターンから所定の計算によりアンテナ鏡面形状を求め、アンテナ鏡面形状の変形分を補償する変形を人口衛星搭載アンテナ装置に与えるとしている。
特開平5−229500号公報 特開平7−249934号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、反射鏡アンテナの周囲の4ヶ所にホーンアンテナと受信機を置き、さらに信号が減衰しないように増幅器も設置する必要があり、アンテナ装置が非常に重くなるという問題がある。また、増幅器を設置する場合、当該増幅器の通過位相を精度よく管理する必要がある。さらに、反射鏡アンテナの指向方向を高精度で検出するには、受信信号から検出する位相情報は非常に精度が高い必要があり、現実的ではないという問題がある。
また、上記特許文献2の技術では、アンテナ放射パターンの強弱からアンテナの方向を逆算する必要がある。この場合、複数の地上局の間で、受信電力の校正が高精度でなされていなければならない。このため、また、本来のあるべきアンテナ放射パターンを推定するには、多くの地上局が必要であり、現実的ではないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、反射鏡アンテナの指向方向に係る経年変化の補正を、地上側の設備および人口衛星側の装備に与える影響を小さくして実現することができる指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る指向性補正システムは、複数の放射器と、複数の前記放射器からの放射信号を反射させて地上側に照射する反射鏡アンテナとを備えて人工衛星に搭載され、放射信号の位相差を連続的または離散的に可変可能に構成されるアンテナ装置と、地上側に設置され、前記アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動および位相差に基づいて、前記反射鏡アンテナの指向性を補正するためのコマンド信号を生成して前記アンテナ装置に送信するコマンド信号生成装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、反射鏡アンテナの指向方向に係る経年変化の補正を、地上側の設備および人口衛星側の装備に与える影響を小さくして実現することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る指向性補正システムの構成を模式的に示す図 実施の形態1に係るコマンド信号生成装置の構成を示すブロック図 単一の放射器のみを使用したときの地上に投影される放射パターンを示す図 位相差が0度の場合に信号強度が強め合う地点で受信される信号受信強度の変化を示す図 位相差が180度の場合に信号強度が強め合う地点で受信される信号受信強度の変化を示す図 一方の放射器と他方の放射器とが同相励振であった場合に信号受信強度が極大となる地点を示す図 実施の形態2に係る指向性補正システムの動作原理の説明に供する図 2つの放射器に付与する周波数を可変したときに異なる地点で受信される信号受信強度の変化を示す図 処理回路が専用のハードウェアである場合の構成を示す図 処理回路がCPUの場合のハードウェア構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る指向性補正システム100の構成を模式的に示す図である。実施の形態1に係る指向性補正システム100は、図1に示すように、無変調信号を発生する複数の発振器7(図1では、2つの発振器7,7を例示)、発振器7が生成した無変調信号の各位相を可変する複数の移相器6(図1では、2つの移相器6,6を例示)と、移相器6から伝達された各信号を放射する放射器5(図1では、2つの放射器5,5を例示)と、放射器5からの各放射信号を反射させて地上側に照射する反射鏡アンテナ1、とを備えて構成される。これら反射鏡アンテナ1、放射器5、移相器6および発振器7は、人工衛星に搭載され、放射信号の位相差を連続的または離散的に可変可能に構成されるアンテナ装置を構成する。
なお、図1では、2つの放射器5,5および2つの発振器7,7を有する構成に対応して2つの移相器6,6を有するように構成しているが、移相器6の数は、放射器5および発振器7の数と同数もしくは1つ少ない数で構成されていてもよい。すなわち、放射器5および発振器7の数をm個とするとき、移相器6はm個もしくはm−1個で構成することができる。
反射鏡アンテナ1、放射器5、移相器6および発振器7に加え、図1には、放送用の信号または通信用の信号を生成する信号生成装置4、信号生成装置4が生成した信号にDBF(Digital Beam Forming)処理を施すDBF処理部3と、DBF処理部3によってDBF処理された放送用の信号または通信用の信号を地上局10,…,10(総称する場合には「地上局10」と表記)に向けて指向すべく反射鏡アンテナ1に放射する放射器2が設けられている。
実施の形態1において、放射器5から放射され反射鏡アンテナ1で反射された信号は、指向性監視信号8として位置づけられる。指向性監視信号8は、地上側において、複数の地上局10(図1では、n個の地上局10,…,10を例示)によって受信される。地上局10と管制局12とは通信ネットワーク14によって結ばれている。地上局10が受信した指向性監視信号8もしくはその処理信号は、通信ネットワーク14によって管制局12に伝達される。なお、図2では、n個の地上局10,…,10を例示しているが、少なくとも2個の地上局があればよい。
図2は、実施の形態1に係るコマンド信号生成装置16の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係るコマンド信号生成装置16は、図2に示すように、地上局10からの信号を受信する受信部16aと、受信部16aからの受信信号を処理する信号処理部16bと、信号処理部16bが生成したコマンド信号を反射鏡アンテナ1に向けて送信する送信部16cと、を備えて構成される。また、信号処理部16bは、受信部16aが受信した信号の振幅変動および信号間の位相差に基づいて指向性のずれ量を算出する指向性ずれ量算出部16b1と、指向性ずれ量算出部16b1が算出した指向性ずれ量に基づいて、本来の指向性に戻すための位相補正量を算出する位相補正量算出部16b2と、位相補正量算出部16b2が算出した位相補正量に基づいて反射鏡アンテナ1の指向性を補正するためのコマンド信号を生成するコマンド信号生成部16b3と、を備えて構成される。
なお、図2では、コマンド信号生成装置16を管制局12に設けるように構成しているが、設置場所が管制局12に限定されるものではなく、地上局10と通信可能な場所であれば、どのような場所に設置してもよい。
つぎに、実施の形態1に係る指向性補正システムおよびコマンド信号生成装置の動作原理について、図3から図6の図面を参照して説明する。
まず、図3は、単一の放射器(例えば放射器5)のみを使用したときの地上に投影される放射パターンを示す図である。図3において、上部側には、白丸で示すボアサイト点A、すなわち放射パターンのうちで最も指向性の強い点Aを中心に、同心円状の円が描かれている。図3の下部側には、振幅の強弱と距離の関係、より詳細に説明すると放射器5から放射される放射信号を地上で受信した場合の振幅とボアサイト点Aからの距離の関係が示されている。なお、振幅の大小は地上での受信電力の大小と等価である。図3によれば、ボアサイト点Aが最も振幅が大きく(振幅A1)、ボアサイト点Aから離れるに従って、振幅がピーク値を持って周期的に変動する様子(2番目のピークでは振幅A2)が示されている。
図4は、2つの放射器5,5を使用したときの地上に投影される放射パターン(図4(a))およびC点に位置する地上局で受信される信号受信強度の変化(図4(b))を示す図である。
図4(a)において、実線で示される同心円状の波形は例えば放射器5による放射パターンであり、破線で示される同心円状の波形は例えば放射器5による放射パターンである。また、C点には、地上局があることを想定している。
また、図4(b)は、C点での信号受信強度の変化を示す図であり、横軸は放射器5と放射器5との間の位相差であり、縦軸は信号受信強度を表している。また、図4(b)において、実線で示される波形K1はC点において期待される理論上の波形(理想曲線)であり、黒丸で示す点は実測した場合に想定される誤差を含む信号受信強度を示している。
ここで、図4(a)において、受信強度の着目点であるC点は、放射器5による放射パターン上のピーク値が生ずる点と放射器5による放射パターン上のピーク値が生ずる点とが重なる点としているので、位相差が0度の場合には放射パターン上のピーク同士が重なるので信号が強め合い、受信強度が最も大きくなる。一方、位相差が180度の場合には放射パターン上の山と谷とが重なるので信号が弱め合い、受信強度が最も小さくなる。
このようにして、地上局が置かれるC点での理論上の波形は、図4(b)に示す波形K1となる。したがって、地上局が測定した受信強度を理論上の曲線である波形K1と比較することで、反射鏡アンテナ1の初期状態からの変化を知ることができる。なお、波形K1については、人工衛星を打ち上げた後の早い時期に測定しておくことが好ましい。波形K1は、放射器5に付与する位相と放射器5に付与する位相との間の位相差を例えば0度から360度まで、もしくは、−180度から+180度まで可変したときの受信強度を地上の任意の地点で測定することで求めることができる。人工衛星を打ち上げて軌道に展開した後の早い時期に受信強度を測定しておくことで、経年変化による反射鏡アンテナ1の放射パターンの変動を適切に管理することができる。
図4では、位相差が0度の場合に信号強度が強め合う地点(図4の例ではC点)での信号受信強度の変化を示したが、図5では、位相差が0度の場合(以下必要に応じて「同相励振」と称する)に信号強度が弱め合う地点(図5の例ではD点)、逆の観点で言えば位相差が180度の場合(以下必要に応じて「逆相励振」と称する)に信号強度が強め合う地点での信号受信強度の変化を示している。
図5(a)において、受信強度の着目点であるD点は、放射器5による放射パターン上のピーク値が生ずる点と放射器5による放射パターン上のピーク値が生ずる点との概ね中間地点にあるので、位相差が0度の場合には放射パターン上の山と谷とが重なるので信号が弱め合い、受信強度が最も小さくなる。一方、位相差が180度の場合には、放射パターン上における受信強度が大きい部分同士が重なるので信号が強め合い、受信強度が最も大きくなる。
このとき、D点での受信強度は、図5(b)に示すものとなる。図5(b)において、実線で示される波形K2は、D点において期待される理論上の波形であり、黒丸で示す点は実測した場合に想定される誤差を含む信号受信強度を示している。
図4および図5から理解できるように、地上局の位置によって、2つあるうちの一方の放射器5と他方の放射器5とが同相励振であった場合に、受信強度の極大点にいるのか極小点にいるのか、あるいはその間にいるのかは周波数が決まれば、一意に決定することができる。同様に、2つあるうちの一方の放射器5と、他方の放射器5とが逆相励振であった場合に、受信強度の極大点にいるのか極小点にいるのか、あるいはその間にいるのかについても周波数が決まれば、一意に決定することができる。
図6は、一方の放射器5と他方の放射器5とが同相励振であった場合に信号受信強度が極大となる地点を示す図である。図6において、破線で示される同心円状の波形は例えば放射器5による放射パターンであり、一点鎖線で示される同心円状の波形は例えば放射器5による放射パターンであり、実線で示される波形は信号受信強度が極大になる点を繋いでいった波形である。すなわち、観測点が実線で示される波形上にあるときに信号受信強度が極大になる。ただし、反射鏡アンテナ1の指向方向がずれていれば、信号受信強度が必ずしも極大にはならない。
よって、本来ならば極大となるある位相差と、測定から推測された極大となるある位相差を元に、反射鏡アンテナ1の放射パターンが元々の放射パターンからどれくらいずれているのかを判定し、また、指向方向がどれくらいずれているのかを表す指向性ずれ量を算出することができる。
なお、観測に必要な地点、すなわち観測する地上局の数は、少なくとも1つあればよい。1つの地上局での観測結果があれば、反射鏡アンテナ1の放射パターンが元々の放射パターンからどの程度ずれているのかを判定することができ、また、大まかではあるがずれの方向も判定することができる。このため、反射鏡アンテナ1の放射パターンを元々の放射パターンに戻すための補正量を算出することができる。
なお、元々の放射パターンに戻すための補正量、すなわち位相補正量であるが、反射鏡アンテナ自体を制御する場合には、上述した特許文献2に代表されるような公知の技術を採用し、アンテナ鏡面形状の変形分を補償するための補償量として算出すればよい。なお、このとき算出された補償量が、コマンド信号として、もしくはコマンド信号に含めて、管制局から人工衛星に送信されることは言うまでもない。
また、反射鏡アンテナ自体は制御せずに電子的な制御によって放射パターンを制御する場合には、例えば図2に示すDBF処理部3がDBF処理を行う際に、補正量を加味したDBF処理が行えるように、当該補正量を地上側から送信すればよい。
また、放射パターンの東西南北方向のずれを精度よく補正するためには、2つ以上の地上局によって実測されることが好ましい。また、東西南北方向のずれに加え、回転方向のずれを含めて高精度に補正するためには、3つ以上の地上局によって実測されることが好ましい。
なお、上記の議論は、放射パターンが比較的単純なパラボラ鏡面を例に説明したが、複雑な形状と放射パターンを持つ修正鏡面アンテナにおいても、地上局ごとに事前に受信強度が極大となる位相差を計算することが可能であり、3つ以上の地上局があれば放射パターンのずれを求めることができる。
実施の形態1に係る手法によれば、上記特許文献2のように、地上局間での受信感度の調整を行う必要が無く、各地上局で受信する受信強度および位相差の変化分を理論値もしくは予測値と照合すればよいので、地上側の設備に与える影響を小さくして実現することができる。
また、実施の形態1に係る手法によれば、人口衛星側に付加する装備は、放射器5、移相器6および発振器7のみであり、人口衛星側の装備に与える影響を小さくして実現することが可能である。
なお、放射器5については、既存の放送用の放射器で代用することができ、また、移相器6および発振器7の機能についても既存の機能を利用することも可能である。なお、既存の放送用の装備を利用する場合には、運用中断を伴うことになるので、運用中断が許容されない放送システムもしくは通信システムの場合には、既存の機能を利用せずに、新たな装備で対応する必要があることは言うまでもない。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る指向性補正システムの動作原理の説明に供する図であり、単一の放射器のみを使用し、周波数を許容される範囲内で可変したときに地上に投影される放射パターンを示している。なお、実施の形態2に係る指向性補正システムにおける地上側の構成、すなわち地上側に設けるコマンド信号生成装置については、図2に示す実施の形態1と同一または同等の構成部で実現することができる。また、実施の形態2に係る指向性補正システムにおける人工衛星側の構成について言えば、図1の構成において、発振器7(7,7)の周波数を連続的または離散的に可変する機能を有している必要がある。なお、図1の構成における移相器6(移相器6,6)については省略可能である。
図7において、実線で示す波形は、周波数を許容される下限値としたときの放射パターン(上部側の波形)および振幅の強弱と距離の関係(下部側の波形)を示すものであり、破線で示す波形は、周波数を許容される上限値としたときの放射パターン(上部側の波形)および振幅の強弱と距離の関係(下部側の波形)を示すものである。周波数を高くすると、波長換算の距離は小さくなるため、図7に示すように周波数が高くなるに従って放射パターンは縮小され、また、振幅の強弱と距離の関係も距離方向に縮尺される。なお、振幅変動の様子は図3の場合と同様であり、ボアサイト点Bが最も振幅が大きく(振幅B1)、ボアサイト点Bから離れるに従って、振幅がピーク値を持って周期的に変動する様子(2番目のピークでは振幅B2)が示されている。
図8は、2つの放射器5,5を使用し、周波数を可変したときの地上に投影される放射パターン(図8(a))およびC点、D点およびE点に位置する地上局で受信される信号受信強度の変化(図8(b))を示す図である。なお、図8(b)において、実線で示される波形は、それぞれC点、D点およびE点において期待される理論上の波形(理想曲線)であり、黒丸で示す点は実測した場合に想定される誤差を含む信号受信強度を示している。
2つの放射器5,5から放射される放射パターンを周波数を変えながら地上局で受信すると、図8(b)に示されるように受信強度および受信強度変化は受信地点に応じて異なる。位相を変化させる実施の形態1の手法に比べて、変化分は小さいものの、地上局の位置に応じて、変化の仕方が異なるため、この変化分を元々の値、すなわち理想曲線の値と比較することにより、アンテナ指向方向のずれを特定するとともに、指向方向がどれくらいずれているのかを表す指向性ずれ量を算出することができる。また、この指向性ずれ量に基づいて、元々の放射パターンに戻すための補正量である位相補正量を算出することができる。
なお、元々の放射パターンに戻すための制御については、実施の形態1と同様に、反射鏡アンテナ自体を制御してもよいし、反射鏡アンテナ自体は制御せずに電子的な制御によって放射パターンを制御してもよい。
実施の形態2に係る手法によれば、上記特許文献2のように、地上局間での受信感度の調整を行う必要が無く、各地上局で受信する受信強度の変化分を理論値もしくは予測値と照合すればよいので、地上側の設備に与える影響を小さくして実現することができる。
また、実施の形態2に係る手法によれば、人口衛星側に付加する装備は、放射器5および発振器7のみであり、人口衛星側の装備に与える影響を小さくして実現することが可能である。なお、放射器5については、既存の放送用の放射器で代用することができ、また、発振器7の機能についても既存の機能を利用することが可能であることは、実施の形態1と同様である。
なお、図8の例では、3つの地上局で実施する場合を例示したが、反射鏡アンテナ1の放射パターンが元々の放射パターンからずれているのかの判定であれば、1つの地上局での観測結果があればよい。ただし、放射パターンの東西南北方向のずれを精度よく補正するためには、2つ以上の地上局によって実測されることが好ましく、また、東西南北方向のずれに加え、回転方向のずれを含めて高精度に補正するためには、3つ以上の地上局によって実測されることが好ましい。
実施の形態1,2で説明したコマンド信号生成装置16における指向性ずれ量算出部16b1、位相補正量算出部16b2およびコマンド信号生成部16b3の機能は、処理回路により実現することができる。この処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit:中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)であってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合の構成を図9に示す。処理回路が図5に示した専用のハードウェアである場合、処理回路50は、例えば単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。指向性ずれ量算出部16b1、位相補正量算出部16b2およびコマンド信号生成部16b3の各部の機能をそれぞれ個別の処理回路で実現してもよいし、各部の機能を纏めて一つの処理回路で実現してもよい。
処理回路がCPUの場合のハードウェア構成を図10に示す。図示のように、処理回路60は、プロセッサ61およびメモリ62を備えて構成される。処理回路60では、プロセッサ61が、メモリ62に記憶されたプログラムを呼び出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、指向性ずれ量算出部16b1、位相補正量算出部16b2およびコマンド信号生成部16b3の各部の機能は、プログラムという形で具現され、当該プログラムが呼び出されてメモリ62に格納され、メモリ62に記憶されたプログラムをプロセッサ61が実行することで実行される。ここで、メモリ62は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。なお、指向性ずれ量算出部16b1、位相補正量算出部16b2およびコマンド信号生成部16b3の各部の機能のうちの一部を専用のハードウェアで実施し、残りをCPUで実施してもよいことは言うまでもない。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 反射鏡アンテナ、2,5(5,5) 放射器、3 DBF処理部、4 信号生成装置、6(6,6) 移相器、7(7,7) 発振器、8 指向性監視信号、10(10,…,10) 地上局、12 管制局、14 通信ネットワーク、16 コマンド信号生成装置、16a 受信部、16b 信号処理部、16b1 指向性ずれ量算出部、16b2 位相補正量算出部、16b3 コマンド信号生成部、16c 送信部。

Claims (6)

  1. 複数の放射器と、複数の前記放射器からの放射信号を反射させて地上側に照射する反射鏡アンテナとを備えて人工衛星に搭載され、放射信号の位相差を連続的または離散的に可変可能に構成されるアンテナ装置と、
    地上側に設置され、前記アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動および位相差に基づいて、前記反射鏡アンテナの指向性を補正するためのコマンド信号を生成して前記アンテナ装置に送信するコマンド信号生成装置と、
    を備えたことを特徴とする指向性補正システム。
  2. 複数の放射器と、複数の前記放射器からの放射信号を反射させて地上側に照射する反射鏡アンテナとを備えて人工衛星に搭載され、前記放射信号の周波数を連続的または離散的に可変可能に構成されるアンテナ装置と、
    地上側に設置され、前記アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動に基づいて、前記反射鏡アンテナの指向性を補正するためのコマンド信号を生成して前記アンテナ装置に送信するコマンド信号生成装置と、
    を備えたことを特徴とする指向性補正システム。
  3. 複数の前記放射器は、放送信号または通信用の信号を放射する放射器とは異なる放射器であることを特徴とする請求項1また2に記載の指向性補正システム。
  4. 放送用の信号または通信用の信号を放射する放射器の一部を複数の前記放射器として使用することを特徴とする請求項1また2に記載の指向性補正システム。
  5. 地上側に設けられ、人工衛星に搭載されたアンテナ装置の指向性を補正するためのコマンド信号を生成するコマンド信号生成装置であって、
    前記アンテナ装置は、複数の放射器からの放射信号を反射鏡アンテナを使用して地上側に照射する際に当該放射信号の位相差を連続的または離散的に可変可能に構成され、
    前記コマンド信号生成装置は、前記アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動および位相差に基づいて前記コマンド信号を生成して前記アンテナ装置に送信することを特徴とするコマンド信号生成装置。
  6. 地上側に設けられ、人工衛星に搭載されたアンテナ装置の指向性を補正するためのコマンド信号を生成するコマンド信号生成装置であって、
    前記アンテナ装置は、複数の放射器からの放射信号を反射鏡アンテナを使用して地上側に照射する際に当該放射信号の周波数を連続的または離散的に可変可能に構成され、
    前記コマンド信号生成装置は、前記アンテナ装置からの放射信号を受信し、受信信号の振幅変動に基づいて前記コマンド信号を生成して前記アンテナ装置に送信することを特徴とするコマンド信号生成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019140510A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 三菱電機株式会社 アンテナ校正方法

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JP2019140510A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 三菱電機株式会社 アンテナ校正方法

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