JP2017223740A - 表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示体が有する意匠性を高めることを可能とした表示体を提供する。【解決手段】マトリックス状に並ぶ複数の画素11Aを備え、前記各画素11Aは、前記各画素11Aに1つずつの反射面11Sを備え、前記各反射面11Sは、前記反射面11Sに固有の方向から前記反射面11Sに入射して前記反射面11Sに固有の波長を有した光に対し、前記光を反射する方向であって前記各反射面11Sに共通する方向である特定方向DKで、前記光を回折する形状を有し、前記各反射面11Sが回折させた光によって前記特定方向DKに画像を表示する。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の画素を備える表示体に関する。
認証書類、有価証券類、および、紙幣などの各種物品は、物品の偽造が困難であることを求められる。物品の偽造を困難なものとする技術の一例には、偽造が困難である表示体を物品に貼り付ける技術が用いられる(例えば、特許文献1を参照)。
特表2008‐547040号公報
上述した表示体を解析する技術は、偽造が困難である構成を開発するために発展している。表示体を製造する技術もまた、偽造が困難である構成を具現化するために多様化する一方である。しかしながら、表示体を解析する技術の向上は、表示体の偽造を目的とした表示体の解析を容易なものとし、表示体を製造する技術の多様化もまた、偽造品の製造を容易なものとしている。そこで、表示体を構成する各要素には、従来にも増して、新規な構造が強く望まれており、特に、表示体が有する意匠性を高める技術が求められている。
本発明は、表示体が有する意匠性を高めることを可能とした表示体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための表示体は、マトリックス状に並ぶ複数の画素を備え、前記各画素は、前記各画素に1つずつの反射面を備える。そして、全ての前記反射面のなかに、所定の方向から入射した光を前記反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記反射面を含み、前記各反射面による光の反射によって、前記各反射面に共通する方向である特定方向に画像を表示する。
上記構成によれば、画像を構成する各要素が、各要素に1つずつの反射面による反射によって表示され、かつ、各画素に1つずつの反射面が、マトリックス状に位置するため、各画素の輝度を定めたデータである画像データから、反射面の有する形状を直接的に定めることが可能となる。結果として、表示体が表示する画像を画像データから直接的に定めることが可能となるため、表示体が有する意匠性を高めることが可能となる。
上記表示体において、前記各反射面は、前記反射面に固有の波長を有して前記反射面に固有の方向から前記反射面に入射した光に対し、当該光を前記特定方向で回折する形状を有し、前記各反射面による回折によって前記特定方向に画像を表示する。
上記構成によれば、光を反射する方向である特定方向で光が回折するため、回折効率が高められた光による画像を、特定方向に表示することが可能となる。また、各画素に1つずつの反射面を各画素が備えるため、特定方向に表示される画像の解像度を高めることが可能ともなる。ひいては、特定方向に表示される画像の視認性を高めることが可能となる。
上記表示体において、前記複数の画素の少なくとも1つは、1つの仮想平面に間隔を空けて並び、かつ、前記仮想平面に沿った形状を有する複数の面要素から構成された前記反射面を含んでもよい。
上記構成によれば、複数の面要素から構成される反射面が画素に含まれるため、画像を表示するための反射面の構造をさらに複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
上記表示体において、前記画像は、第1画像であり、前記反射面は、第1反射面であり、前記特定方向は、第1特定方向であってもよい。そして、前記複数の画素は、各々に1つずつの第2反射面をさらに備えた複数の重畳画素を含んでもよい。この際、前記複数の第2反射面は、所定の方向から入射した光を前記第2反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第2反射面を含み、前記各第2反射面による光の反射によって、前記各第2反射面に共通する方向である第2特定方向にさらに画像を表示してもよい。
上記表示体によれば、第1特定方向の画像を構成する要素の表示と、第2特定方向の画像を構成する要素の表示とを各重畳画素が担うため、表示体の有する意匠性をさらに高めることが可能ともなる。
上記表示体において、前記各第2反射面は、前記第2反射面に固有の波長を有して前記第2反射面に固有の方向から前記第2反射面に入射した光に対し、当該光を前記第2特定方向で回折する形状を有し、前記各第2反射面による回折によって前記第2特定方向の画像を表示してもよい。
上記構成によれば、第1特定方向の画像と、第2特定方向の画像との両方において、特定方向に表示される画像の解像度を高めること、ひいては、各特定方向に表示される画像の視認性を高めることが可能となる。
上記表示体における前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、前記第1反射面は、第1仮想平面に含まれる複数の第1面要素から構成され、前記第2反射面は、第2仮想平面に含まれる複数の第2面要素から構成されてもよい。そして、前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記画素が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、前記第1仮想平面が向く方向と、前記第2仮想平面が向く方向とは相互に異なってもよい。
上記構成によれば、画素が並ぶ面と対向する方向から見て、第1面要素と第2面要素とが、配列方向に沿って交互に並ぶ一方で、第1仮想平面が向く方向と、第2仮想平面が向く方向とは相互に異なる。それゆえに、反射面の構造をさらに複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
上記表示体における前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、前記第1反射面は、第1仮想平面に含まれる複数の第1面要素から構成され、前記第2反射面は、第2仮想平面に含まれる複数の第2面要素から構成され、前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記画素が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、前記画素が並ぶ面と前記第1仮想平面とが形成する角度と、前記画素が並ぶ面と前記第2仮想平面とが形成する角度とは相互に異なってもよい。
上記構成によれば、画素が並ぶ面と対向する方向から見て、第1面要素と第2面要素とが、配列方向に沿って交互に並ぶ一方で、画素が並ぶ面と各第1仮想平面とが形成する角度と、画素が並ぶ面と各第2仮想平面とが形成する角度とは相互に異なる。それゆえに、反射面の構造をさらに複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
上記表示体において、前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、前記重畳画素は、前記画素が並ぶ面と交差する屈曲線で屈曲する面であり、かつ、前記各重畳画素に1つずつの面である屈曲面を備え、平面である前記第1反射面と、平面である前記第2反射面とは、前記屈曲線を共有して前記屈曲面を構成してもよい。
上記構成によれば、第1反射面と第2反射面とが、各重畳画素に1つずつの屈曲面を構成するため、重畳画素が有する構造をさらに複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
上記課題を解決するための表示体は、マトリックス状に並ぶ複数の画素を備え、前記複数の画素は、複数の第1画素と、複数の第2画素とを含み、前記各第1画素は、前記各第1画素に1つずつの第1反射面を備え、全ての前記第1反射面のなかに、所定の方向から前記第1反射面に入射した光を前記第1反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第1反射面を含み、前記各第1反射面による光の反射によって、前記各第1反射面に共通する方向である第1特定方向に第1画像を表示する。また、前記各第2画素は、前記各第2画素に1つずつの第2反射面を備え、全ての前記第2反射面のなかに、所定の方向から前記第2反射面に入射した光を前記第2反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第2反射面を含み、前記各第2反射面による光の反射によって、前記各第2反射面に共通する方向である第2特定方向に第2画像を表示する。
上記構成によれば、第1画像を構成する各要素が、各要素に1つずつの第1反射面による反射によって表示され、かつ、各第1画素に1つずつの第1反射面が、マトリックス状に位置する。そのため、各第1画素の輝度を定めたデータである画像データから、各第1反射面の有する形状を直接的に定めることが可能となる。また、第2画像を構成する各要素が、各要素に1つずつの第2反射面による反射によって表示され、かつ、各第2画素に1つずつの第2反射面が、マトリックス状に位置する。そのため、各第2画素の輝度を定めたデータである画像データから、各第2反射面の有する形状を直接的に定めることが可能となる。結果として、表示体が表示する画像を画像データから直接的に定めることが可能となるため、表示体が有する意匠性を高めることが可能となる。
第1実施形態における表示体が備える単位格子の構成を示す構成図。 第1実施形態における画素の斜視構造を示す斜視図。 第1変形例における画素の斜視構造を示す斜視図。 第1変形例における表示体が備える各画素の配置を示す構成図。 第1変形例における表示体が備える各画素の他の配置を示す構成図。 第2変形例における画素の斜視構造を示す斜視図。 第2実施形態における画素の作用を説明する作用図であって、(a)は連続する3つの画素の側面構造を示す側面図、(b)は連続する3つの画素の平面構造を示す平面図。 第2実施形態における表示体の平面構造を示す平面図。 第2実施形態における画素の斜視構造を示す斜視図。 第2実施形態における画素の平面構造を模式的に示す構成図。 第2実施形態における表示体の作用を示す作用図。 第3変形例における画素の斜視構造を示す斜視図。 第3変形例における仮想面に適用される構造例を示す斜視図。 第3変形例における仮想面に適用される構造例を示す斜視図。 第3変形例における仮想面に適用される構造例を示す斜視図。
(第1実施形態)
図1から図2を参照して第1実施形態における表示体を説明する。
図1が示すように、表示体10は、複数の画素11Aが並ぶ面である表示面10Sを備える。各画素11Aは、特定方向に画像PICを表示するための構造のなかで、独立した像を形成する繰り返しの最小単位であり、表示面10Sにおいてマトリックス状に並ぶ。画像PICは、例えば、文字、図形、記号、絵柄などである。表示面10Sは、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
画素11Aの位置は、例えば、矩形格子の各単位格子、斜方格子の各単位格子、菱形格子の各単位格子である。なお、図1が示す例では、各画素11Aが、1つの方向であるX方向、および、X方向と直交する1つの方向であるY方向に沿って並び、複数の画素11Aが発現する光学的な機能によって、星形の画像PICが特定方向に表示される。また、各画素11Aでは、画素11Aにおける表面と表示面10Sとの距離が小さいほど濃い色が付されるように、グラデーションが付されている。
表示面10Sは、仮想的な格子BLが規定される面である。格子BLは、表示面10Sにおいて所定の大きさを占有する複数の単位格子L1Eを備え、各単位格子L1Eは、表示面10Sにおいてマトリックス状に並ぶ。単位格子L1Eは、格子BLのなかで、光学的な機能を発現する繰り返しの最小単位である。図1が示す例では、各画素11Aが単位格子L1Eに1つずつ位置する。
図2が示すように、画素11Aは、各単位格子L1Eに1つずつであって各画素11Aに1つずつの反射面11Sを備える。反射面11Sは、表示面10Sと交差する光学面であって、反射面11Sと表示面10Sとが形成する角度である傾斜角θbは、Y方向に沿って一定である。各反射面11Sは、可視光を鏡面反射する鏡面であり、反射面11Sに入射する光を傾斜角θbに基づく方向へ正反射する。
各反射面11Sは、入射角度に範囲をもって反射面11Sに入射した光を反射すると共に、各反射面11Sに共通する観察方向である特定方向DKを反射角度に含める形状を有する。各反射面11SがY方向に有する長さは、反射面11Sで鏡面反射された光の進行する方向とは異なる方向で光が回折する大きさである。各反射面11Sで回折した光の進行する方向は、鏡面反射された光の進行する方向よりも反射面11Sの法線方向に近い方向である。なお、画素11Aは、表示面10Sにおいて三角柱状を有する突部であってもよいし、表示面10Sにおいて反射面11Sを有する窪みであってもよい。
上述した表示体10を製造する方法は、例えば、原版から表示体10を複製する方法である。原版を製造する方法は、平板状の基板が有する一方の面に感光性レジストを塗布した後、感光性レジストにビームを照射して感光性レジストの一部を露光、および、現像し、これによって、原版を製造する。そして、電気めっきなどの方法によって、金属製のスタンパを原版から製造し、この金属製スタンパを母型として用いて、表示体10を複製する。なお、金属製のスタンパを製造する方法は、この他に、旋盤技術を用いた金属基板の切削加工であってもよい。表示体10を複製する方法は、例えば、熱エンボス法、キャスト法、フォトポリマー法によって成形物を形成し、その成形物の表面に反射膜を成膜する方法である。フォトポリマー法は、プラスチックフィルムなどの平坦な基材と、金属製のスタンパとの間に、放射線硬化樹脂を流し込み、放射線の照射によって放射線硬化樹脂を硬化させた後、硬化された樹脂膜を基材ごと、金属製のスタンパから剥離する。フォトポリマー法は、熱可塑性樹脂を利用するプレス法やキャスト法に比べて、画素11Aにおける構造上の精度が高く、耐熱性や耐薬品性にも優れた画素11Aが得られる点において好ましい。
上記第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)画像PICを構成する各要素が、各要素に1つずつの反射面11Sによる反射によって表示される。そして、各画素11Aに1つずつの反射面11Sが、マトリックス状に位置するため、各画素11Aの輝度を定めたデータである画像データから、各反射面11Sの有する形状を直接的に定めることが可能となる。結果として、表示体10が表示する画像PICを画像データから直接的に定めることが可能となるため、表示体10が有する意匠性を高めることが可能となる。
(2)特定方向DKからは回折された光が視認され難いため、虹色のギラツキを画像PICにおいて抑えることが可能であって、反射面11Sが有する光沢感を画像PICに与えることが可能ともなる。
上記第1実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[第1変形例]
傾斜角θbは、Y方向において一定に限らず、Y方向において異なっていてもよい。
例えば、図3が示すように、反射面11SにおけるY方向の基端部が有する傾斜角θb1は、反射面11SにおけるY方向の先端部が有する傾斜角θb2よりも小さい。そして、反射面11Sが有する傾斜角θbは、Y方向の基端部から先端部に向けて、単調に増加する。こうした反射面11Sの法線方向は、X方向を含む平面、および、Y方向を含む平面とは交差する方向である。一方で、第1実施形態における反射面11Sの法線方向は、Y方向とは直交する平面である。それゆえに、第1変形例における画素111によれば、表示面10Sと対向する方向から見て、第1実施形態における画素11Aの特定方向DKとは異なる向き、すなわち、X方向を含む面方向やY方向を含む面方向とは異なる方向を、新たな特定方向DKとすることが可能ともなる。なお、反射面11Sが有する傾斜角θbは、Y方向に沿って単調に減少してもよい。
なお、図4が示すように、第1実施形態における画素11Aと、第1変形例における画素111とは、適宜組み合わせて実施することが可能でもある。この際、表示面10Sにおいて、画素11Aのみが位置する領域と、画素111のみが位置する領域と、これらが混在する領域とを、表示体10が備えてもよい。こうした構成であれば、画素11Aによる特定方向DKへの画像PICAの表示と、各画素111による特定方向DKへの画像PICBの表示とを、1つの表示体10で実現することが可能ともなる。また、画像を表示するための反射面11Sの構造を複雑なものとし、それによって、表示体10を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
また、図5が示すように、画素11Aの位置と、画素111の位置とは、幾何学的な立体構造体を示す画像PICにおいて、相互に異なる側面が占める領域であってもよい。この際、幾何学的な立体構造体の有する各側面が臨む方向と、その側面が占める領域に位置する反射面11Sの向く方向とは、相互に近しいことが好ましい。ここで、特定方向DKとは異なる方向からの観察において、画素11Aの反射による像や、画素111の反射による像は、特定方向DKでの観察よりも低い輝度で視認される。そして、上述した構成であれば、幾何学的な立体構造体を示す画像PICにおいて、各側面の位置に適した明暗を各特定方向DKからの視認に対して表現することが可能であり、その立体構造体に立体感を付与することが可能ともなる。
[第2変形例]
反射面11Sは、単一の平面に限らず、面要素の集合であってもよい。
例えば、図6が示すように、画素11Aは、仮想平面11Kに沿った面であり、かつ、仮想平面11Kに位置する複数の面要素11S1を備える。各面要素11S1は、表示面10Sと対向する方向から見て、X方向に延在する面であり、かつ、配列方向であるY方向に沿って間隔を空けて並ぶ。複数の面要素11S1が含まれる仮想平面11Kは、各単位格子L1Eに1つずつの面であって、画素11Aに1つずつの仮想的な平面である。表示面10Sと仮想平面11Kとが形成する角度は、傾斜角θbである。すなわち、表示面10Sと各面要素11S1とが形成する角度は、いずれも単一の傾斜角θbである。面要素11S1は、表示面10Sと交差する光学面であって、傾斜角θbは、Y方向に沿って一定である。こうした構成において、各仮想平面11KがY方向に有する長は、第1実施形態における反射面11SがY方向に有する長さと同程度であってもよいし、鏡面反射された光の進行する方向で光が回折する大きさであってもよい。
(第2実施形態)
図7から図11を参照して第2実施形態における表示体を説明する。まず、図7を参照して、第2実施形態における仮想的な反射面がそれの機能として有してもよい回折について説明する。
なお、図7(b)は、仮想的な反射面11KSのなかで表示面10Sとの距離が大きい部位ほど白色に近く、仮想的な反射面11KSのなかで表示面10Sとの距離が小さい部位ほど黒色に近いように、仮想的な反射面11KSにグラデーションが付されている。
図7(a)が示すように、仮想的な反射面11KSの並ぶ方向における反射面11KSのピッチは、仮想的な反射面11KSによって鏡面反射される光の進行する方向と、仮想的な反射面11KSによって生成された特定波長λを有するm次(mは1以上の整数)の回折光L2の進行する方向とを一致させる大きさである。この際、m次の回折光L2の進行する方向は、上述した特定方向DKである。反射面11Sは、傾斜角θbを有する平面であってもよいし、光学的に傾斜角θbを有する平面とみなされる曲面であってもよい。
詳しくは、反射面11Sに入射する入射光L1が進行する方向と、表示面10Sの法線方向とが形成する角度が入射角αであるとする。m次の回折光L2が進行する方向と、表示面10Sの法線方向とが形成する角度が回折角βであるとする。画素11Aの生成する回折光L2の波長が特定波長λであるとすると、回折角βは各反射面11Sにおいて共通であり、入射角α、回折角β、特定波長λ、および、傾斜角θbは、下記式(1)、および、式(2)を満たす。
sinα+sinβ=mλ(mは1以上の整数) …(1)
θb=(α−β)/2 …(2)
上述した傾斜角θbを有した反射面11Sは、特定波長λを有するm次の回折光L2として高い回折効率を示す。例えば、各反射面11Sは、白色の入射光L1を特定方向DKの有色光に変換すると共に、その変換効率として高い値を有する。また、各画素11Aに1つずつの反射面11Sを各画素11Aが備えるため、特定方向DKに表示される画像の解像度を高めることが可能ともなる。結果として、回折効率が高められた光による画像を特定方向DKに表示すること、ひいては、特定方向DKに表示される画像の視認性を高めることが可能となる。
なお、図6が示すように、各々が相互に異なる傾斜角θbを有した複数の反射面11Sを表示体10が備える構成であれば、相互に異なる特定波長λを有した回折光L2が、共通する特定方向DKに向けて、各画素11Aで反射される。それゆえに、表示体10は、特定方向DKにカラー画像を形成することが可能となる。
図8が示すように、表示体20は、複数の画素11Aが並ぶ面である表示面20Sを備える。複数の画素11Aは、複数の重畳画素21Mと、複数の単面画素21Nとから構成される。単面画素21Nは、第1実施形態やその変形例において説明された画素11Aと同様の構成を有するため、以下では、重複した説明を割愛し、重畳画素21Mに関して詳細に説明する。なお、単面画素21Nから回折光L2が進行する方向である上述した特定方向DKは、第2特定方向である。
各重畳画素21Mは、表示面20Sにおいてマトリックス状に並ぶ。各重畳画素21Mは、第2特定方向、および、第2特定方向とは異なる特定方向である第1特定方向にそれぞれ画像を表示するための構造のなかで、独立した像を形成する繰り返しの最小単位である。複数の重畳画素21Mが表示する第1画像PIC1は、例えば、文字、図形、記号、絵柄などである。重畳画素21Mの位置は、例えば、矩形格子の各単位格子、斜方格子の各単位格子、菱形格子の各単位格子である。重畳画素21Mの位置は、単面画素21Nが位置する格子BLと共通する格子上であって、単面画素21Nの位置とは異なる単位格子である。なお、図8が示す例では、各重畳画素21M、および、各単面画素21Nが、1つの方向であるX方向、および、X方向と直交する1つの方向であるY方向に沿って並ぶ。
そして、複数の重畳画素21Mが発現する光学的な機能が、星形の第1画像PIC1を第1特定方向に表示する。また、複数の重畳画素21Mが発現する光学的な機能、および、複数の単面画素21Nが発現する光学的な機能が、星形の第1画像PIC1と同様な画像と、円形の重畳画像PIC2とが重畳した新たな画像を、第2特定方向に表示する。
なお、第1実施形態と同じく、表示面20Sは、仮想的な格子である格子BLが規定される面である。単位格子L1Eは、格子BLのなかで、光学的な機能を発現する繰り返しの最小単位である。図8が示す例では、各画素11Aが単位格子L1Eに1つずつ位置する。
図9が示すように、重畳画素21Mは、複数の第1面要素21Sxを備える。複数の第1面要素21Sxは、第1仮想平面21Kxに沿った面であり、かつ、単一の第1仮想平面21Kxに含まれる。また、重畳画素21Mは、複数の第2面要素21Syを備える。複数の第2面要素21Syは、第2仮想平面21Kyに沿った面であり、かつ、単一の第2仮想平面21Kyに含まれる。各第1面要素21Sx、および、各第2面要素21Syは、表示面20Sと対向する方向から見て、X方向に延在する面であり、かつ、配列方向であるY方向に沿って、1つずつ交互に並ぶ。
複数の第1面要素21Sxが含まれる第1仮想平面21Kxは、各単位格子L1Eに1つずつの面であって、各重畳画素21Mに1つずつの仮想的な平面である。表示面10Sと第1仮想平面21Kxとが形成する角度は、第1傾斜角θbxである。すなわち、表示面20Sと各第1面要素21Sxとが形成する角度は、いずれも第1傾斜角θbxである。第1面要素21Sxは、表示面20Sと交差する光学面であって、第1傾斜角θbxは、Y方向に沿って一定である。第1仮想平面21Kxが有する第1傾斜角θbxは、第1仮想平面21Kxが、上述した式(1)および式(2)を満たす仮想的な反射面であるように設定されている。
複数の第2面要素21Syが含まれる第2仮想平面21Kyは、各単位格子L1Eに1つずつの面であって、各重畳画素21Mに1つずつの仮想的な平面である。表示面10Sと第2仮想平面21Kyとが形成する角度は、第2傾斜角θbyである。すなわち、表示面20Sと各第2面要素21Syとが形成する角度は、いずれも第2傾斜角θbyである。第2面要素21Syは、表示面20Sと交差する光学面であって、第2傾斜角θbyは、X方向に沿って一定である。第2仮想平面21Kyが有する第2傾斜角θbyは、第2仮想平面21Kyが、上述した式(1)および式(2)を満たす仮想的な反射面であるように設定されている。
表示面20Sと対向する方向から見て、第1仮想平面21Kxの法線方向が向く方向は、第1仮想平面21Kxの向く方向である。表示面20Sと対向する方向から見て、第2仮想平面21Kyの法線方向が向く方向は、第2仮想平面21Kyの向く方向である。第1傾斜角θbxと第2傾斜角θbyとは、相互に等しくてもよいし、相互に異なっていてもよい。一方で、第1仮想平面21Kxの向く方向と、第2仮想平面21Kyの向く方向とは、相互に異なる。第2仮想平面21Kyの向く方向は、単面画素21Nの反射面11Sが向く方向と等しい。
第1仮想平面21Kxに含まれる全ての第1面要素21Sxは、これらの共同によって、以下の光学的な機能を発現する。すなわち、第1仮想平面21Kxに固有の方向から第1仮想平面21Kxに入射する光であって第1仮想平面21Kxに固有の波長を有した光が、各第1面要素21Sxによって反射される。この際、その光を反射する方向であって各第1仮想平面21Kxに共通する方向である第2特定方向で、第1仮想平面21Kxに含まれる全ての第1面要素21Sxは、光を回折する。言い換えれば、第1仮想平面21Kxに含まれる全ての第1面要素21Sxは、これらの共同によって、第1実施形態で説明した反射面11Sと同様の機能を、第2特定方向において発現する。
なお、各重畳画素21Mの第1面要素21Sxは、相互に等しい色の回折光を生成してもよいし、相互に異なる色の回折光を生成してもよい。各重畳画素21Mの第1面要素21Sxが相互に等しい色の回折光を生成する場合、表示体10は、第1特定方向に単色の画像を形成する。各重畳画素21Mの第1面要素21Sxが相互に異なる色の回折光を生成する場合、表示体20は第1特定方向にカラー画像を形成する。また、第1仮想平面21Kxは、表示面20Sにおいて三角柱状を有した突部の上端面であってもよいし、表示面20Sにおける窪みの底面、あるいは、側面であってもよい。
第2仮想平面21Kyに含まれる全ての第2面要素21Syは、これらの共同によって、以下の光学的な機能を発現する。すなわち、第2仮想平面21Kyに固有の方向から第2仮想平面21Kyに入射する光であって第2仮想平面21Kyに固有の波長を有した光が、各第2面要素21Syによって反射される。この際、その光を反射する方向であって各第2仮想平面21Kyに共通する方向である第1特定方向で、第2仮想平面21Kyに含まれる全ての第2面要素21Syは、光を回折する。言い換えれば、第2仮想平面21Kyに含まれる全ての第2面要素21Syは、これらの共同によって、第1実施形態で説明した反射面11Sと同様の機能を、第1特定方向において発現する。
なお、各重畳画素21Mの第2面要素21Syは、相互に等しい色の回折光を生成してもよいし、相互に異なる色の回折光を生成してもよい。各重畳画素21Mの第2面要素21Syが相互に等しい色の回折光を生成する場合、表示体20は、第2特定方向に単色の画像を形成する。各重畳画素21Mの第2面要素21Syが相互に異なる色の回折光を生成する場合、表示体20は第2特定方向にカラー画像を形成する。また、第2仮想平面21Kyは、表示面20Sにおいて三角柱状を有した突部の上端面であってもよいし、表示面20Sにおける窪みの底面、あるいは、側面であってもよい。
図10が示すように、各第1面要素21SxがY方向に有する距離は、第1ピッチ1PTであり、各第2面要素21SyがY方向に有する距離は、第2ピッチ2PTである。また、第1ピッチ1PTと第2ピッチ2PTとの合計が、繰り返しピッチSPTである。第1ピッチ1PTは、重畳画素21Mに含まれる第1面要素21Sxからの光が、1つの反射面からの光として視認される大きさが好ましく、例えば0.05mm以下である。また、各第1面要素21SxがY方向に有する第1ピッチ1PTは、各第1面要素21Sxで鏡面反射された光の進行する方向で光が回折する大きさである。第2ピッチ2PTもまた、重畳画素21Mに含まれる第2面要素21Syからの光が、1つの反射面からの光として視認される大きさが好ましく、例えば0.05mm以下である。また、各第2面要素21SyがY方向に有する第2ピッチ2PTは、第2面要素21Syで鏡面反射された光の進行する方向で光が回折する大きさである。そして、これらの双方が満たされる構造の設計を容易なものとするうえで、繰り返しピッチSPTは、0.05mm以下であることが好ましい。なお、図10においても、重畳画素21Mでは、重畳画素21Mにおける表面と表示面20Sとの距離が小さいほど濃い色が付されるように、模式的なグラデーションが付されている。
図11が示すように、表示面20Sを観察する方向がY方向に沿う場合、各第2面要素21Syが第1特定方向に表示する画像である第1画像PIC1が視認される。そして、各第1面要素21Sxが第2特定方向に表示する画像や、単面画素21Nが第2特定方向に表示する画像は視認されない。これに対して、表示体20を観察する方向がX方向に沿う場合、各第1面要素21Sxが第2特定方向に表示する画像と、単面画素21Nが第2特定方向に表示する画像との重畳画像PIC2が視認される。一方で、各第2面要素21Syが第1特定方向に表示する第1画像PIC1は視認されない。なお、第1仮想平面21Kxに含まれる各第1面要素21Sxは、各第1仮想平面21Kxに1つずつの第2仮想平面21Kyと共に、1つの重畳画素21Mを構成する。そして、表示面20Sと対向する方向から見て、これら第1仮想平面21Kxと第2仮想平面21Kyとが同じ領域に位置するため、重畳画像PIC2では、それの一部として、第1画像PIC1と同様の外形を有した画像が視認される。
上記第2実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(3)各重畳画素21Mからの光の強度を特定方向で高めること、ひいては、特定方向に表示される画像の視認性を高めることが可能となる。
(4)視認性が高められたカラー画像を表示体10が表示することも可能となる。
(5)第1特定方向と第2特定方向とに表示体20が画像を表示するため、表示体20を偽造することの困難性をさらに高めることが可能ともなる。また、表示体20の真贋を判定する際には、表示体を360度回転させることなく、第1画像PIC1、あるいは、重畳画像PIC2を視認することが可能であるため、表示体20の真贋判定を容易なものとすることが可能ともなる。
(6)第1面要素21Sxと第2面要素21Syとを重畳画素21Mが備えるため、これらを別々の画素11Aが備える構成と比べて、表示体20が有する意匠性、第1画像PIC1の解像度、および、重畳画像PIC2の解像度を高めることが可能ともなる。
(7)第1面要素21Sxと第2面要素21Syとが1つずつ交互に並ぶため、第1面要素21Sxに基づく画像、および、第2面要素21Syに基づく画像の双方を表示させる表示体20において、画像の解像度が低下することを抑えることが可能ともなる。
上記第2実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[傾斜角]
第1仮想平面21Kxの向く方向と、第2仮想平面21Kyの向く方向とは、相互に等しい一方で、第1傾斜角θbxと第2傾斜角θbyとが、相互に異なっていてもよい。こうした構成によれば、上記(1),(2)に記載の効果に加え、第1面要素21Sxと第2面要素21Syとに共通する特定方向において、画像における輝度や色を高階調で表現することが可能である。
また、複数の重畳画素21Mは、重畳画素21M間において第1傾斜角θbxが異なる複数の画素11Aを含んでもよいし、重畳画素21M間において第2傾斜角θbyが異なる複数の画素11Aを含んでもよい。
[反射面が向く方向]
第1仮想平面21Kxの向く方向、第2仮想平面21Kyの向く方向、および、単面画素21Nの反射面11Sが向く方向は、相互に異なっていてもよい。こうした構成であれば、第1特定方向、第2特定方向、および、単面画素21Nの反射面11Sによって定められる特定方向に、各別に画像を表示することが可能ともなる。
[重畳画素]
単面画素21Nは、表示面20Sから割愛されてもよく、すなわち、表示体20が重畳画素21Mのみを備える構成であってもよい。また、重畳画素21Mは、マトリックス状に並ばず、例えば、マトリックス状に並ぶ単面画素21Nのなかに点在してもよい。こうした構成であっても、上記(1)から(7)に準じた効果を得ることは可能である。
また、重畳画素21Mが備える第1面要素21Sxの数量は、複数に限らず、1つであってもよい。同様に、重畳画素21Mが備える第2面要素21Syの数量は、複数に限らず、1つであってもよい。こうした構成であっても、上記(1)から(4)に準じた効果を得ることは可能である。
この際、図12が示すように、例えば、重畳画素21Mは、重畳画素21Mが並ぶ面と交差する屈曲線Lで屈曲する面であり、かつ、各重畳画素21Mに1つずつの面である屈曲面21STを備える。そして、第1反射面21SAと第2反射面21SB、および、第3反射面21SCと第4反射面21SDとが、屈曲線Lを共有して1つの屈曲面21STを構成する。
こうした屈曲面21STは、各重畳画素21Mにおける第1反射面21SAが、それに固有の特定方向に画像を形成し、また、各重畳画素21Mにおける第2反射面21SBが、それに固有の特定方向に画像を形成する。さらに、各重畳画素21Mにおける第3反射面21SCが、それに固有の特定方向に画像を形成し、また、各重畳画素21Mにおける第4反射面21SDが、それに固有の特定方向に画像を形成する。結果として、各々が相互に異なる4つの特定方向に表示体20が画像を表示するため、表示体20を偽造することの困難性を一層高めることが可能となる。
[第3変形例]
第1仮想平面21Kxに含まれる第1面要素21Sxにおいて、第1面要素21Sxが光を反射する方向と、第1面要素21Sxが光を回折する方向とは、相互に異なってもよい。すなわち、各第1面要素21SxがY方向に有する長さは、第1実施形態と同じく、第1面要素21Sxで鏡面反射された光の進行する方向とは異なる方向で光が回折する大きさであってもよいし、第1傾斜角θbxが、上述した式(1)および式(2)を満たさない大きさであってもよい。
また、第2仮想平面21Kyに含まれる第2面要素21Syにおいて、第2面要素21Syが光を反射する方向と、第2面要素21Syが光を回折する方向とは、相互に異なってもよい。すなわち、各第2面要素21SyがY方向に有する長さもまた、第1実施形態と同じく、第2面要素21Syで鏡面反射された光の進行する方向とは異なる方向で光が回折する大きさであってもよいし、第2傾斜角θbyが、上述した式(1)および式(2)を満たさない大きさであってもよい。
言い換えれば、第1仮想平面21Kxに含まれる全ての第1面要素21Sxは、回折効率が高められた光による表示に限らず、第1実施形態と同じく、回折された光を含まない反射光によって画像を表示してもよい。さらに、第2仮想平面21Kyに含まれる全ての第2面要素21Syは、回折効率が高められた光による表示に限らず、第1実施形態と同じく、回折された光を含まない反射光によって画像を表示してもよい。また、上記各実施形態、および、各変形例においても、表示体は、回折効率が高められた光による表示に限らず、各反射面による反射によって画像を表示してもよい。これらの構成であっても、上記(1),(2)に準じた効果を得ることは可能である。
また、表示体20が表示する画像は、単位領域である画素の繰り返しによって画像を表現するラスター画像に限らず、ベクトルによって表現された領域の集合によって画像を表現するベクトル画像であってもよい。この際、表示面20Sにおける重畳画素21Mは、画像を表示するための構造における繰り返しの最小単位ではなく、例えば、重畳画素21Mごとに大きさが異なる表示領域である。
上述した第3変形例の構成であれば、複数の方向に別々に画像を表示する表示体20において、反射面の構造を複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることは可能である。
以下、図13から図15を参照して、第3変形例における表示領域が有する反射面に適用することの可能な他の構造例を説明する。なお、図13から図15までの各々の例では、反射面が有する構造を説明する便宜上、第1面要素のみを含む仮想的な面を示し、第2面要素を含む仮想的な面の図示を割愛する。
図13が示す例では、表示領域21AOにおいて、複数の第1面要素を含む仮想面21Kと表示面20Sとの距離は、高さHである。仮想面21KにおけるX方向の先端部に近い部位ほど、X方向の単位距離あたりの高さHの増加する割合は小さい。すなわち、仮想面21Kは、曲面であり、光を反射する方向に向けて突となる曲率を有する。こうした仮想面21Kに含まれる複数の第1面要素21Sxによれば、複数の第1面要素21Sxによる光の拡散が、表示領域21AOの表示する画像の鮮鋭さを抑えるため、滑らかな画像を表示することが可能ともなる。
図14が示す例では、表示領域21AOにおいて、仮想面21Kの一部は、緩やかな窪み部21SGを備える。こうした窪み部21SGによる光の拡散によっても、表示領域21AOが表示する画像の鮮鋭さを抑えることが可能ともなる。
図15が示す例では、表示領域21AOにおいて、仮想面21Kの一部は、緩やかに突出する突部21TGを備える。こうした突部21TGによる光の拡散によっても、表示領域21AOが表示する画像の鮮鋭さを抑えることが可能ともなる。
上記変形例とから導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
複数の表示領域を備え、前記複数の表示領域は、入射光を第1方向へ反射する第1反射面と、入射光を第2方向へ反射する第2反射面とを備える表示領域を含み、
前記第1反射面は、第1仮想面に含まれる複数の第1面要素から構成され、
前記第2反射面は、第2仮想面に含まれる複数の第2面要素から構成され、
前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記表示領域が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、前記第1仮想面が向く方向と、前記第2仮想面が向く方向とは相互に異なる表示体。
上記付記1に記載の構成によれば、表示領域が並ぶ面と対向する方向から見て、第1面要素と第2面要素とが、配列方向に沿って交互に並ぶ一方で、第1仮想平面が向く方向と、第2仮想平面が向く方向とは相互に異なる。それゆえに、各々が相互に異なる方向に表示される2つの画像を表示する表示体において、単一の表示領域が有する反射面の構造を複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
[付記2]
複数の表示領域を備え、前記複数の表示領域は、入射光を第1方向へ反射する第1反射面と、入射光を第2方向へ反射する第2反射面とを備える表示領域を含み、
前記第1反射面は、第1仮想面に含まれる複数の第1面要素から構成され、
前記第2反射面は、第2仮想面に含まれる複数の第2面要素から構成され、
前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記画素が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、前記表示領域が並ぶ面と前記第1仮想面とが形成する角度と、前記表示領域が並ぶ面と前記第2仮想面とが形成する角度とは相互に異なる表示体。
上記付記2に記載の構成によれば、表示領域が並ぶ面と対向する方向から見て、第1面要素と第2面要素とが、配列方向に沿って交互に並ぶ一方で、表示領域が並ぶ面と各第1仮想平面とが形成する角度と、画素が並ぶ面と各第2仮想平面とが形成する角度とは相互に異なる。それゆえに、第1反射面による画像と、第2反射面による画像とを表示する表示体において、単一の表示領域が有する反射面の構造を複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
[付記3]
複数の表示領域を備え、前記複数の表示領域は、入射光を第1方向へ反射する第1反射面と、入射光を第2方向へ反射する第2反射面とを備える表示領域を含み、
前記表示領域は、前記表示領域が並ぶ面と交差する屈曲線で屈曲する面であり、かつ、前記各表示領域に1つずつの面である屈曲面を備え、平面である前記第1反射面と、平面である前記第2反射面とが、前記屈曲線を共有して前記屈曲面を構成する表示体。
上記付記3に記載の構成によれば、第1反射面と第2反射面とが、各表示領域に1つずつの屈曲面を構成する。そのため、第1反射面による画像と、第2反射面による画像とを表示する表示体において、表示領域の反射面が有する構造を複雑なものとし、それによって、表示体を偽造することの困難性を高めることが可能ともなる。
α…入射角、β…回折角、λ…特定波長、H…高さ、L…屈曲線、θb…傾斜角、BL…格子、DK…特定方向、L1…入射光、L2…回折光、θb1,θb2…傾斜角、θbx…第1傾斜角、θby…第2傾斜角、L1E…単位格子、PIC,PICA,PICB…画像、SPT…繰り返しピッチ、PIC1…第1画像、PIC2…重畳画像、1PT…第1ピッチ、2PT…第2ピッチ、10,20…表示体、10S,20S…表示面、11A,111…画素、11K,21K…仮想平面、21M…重畳画素、11S…反射面、11S1…面要素、21AO…表示領域、21Kx…第1仮想平面、21Ky…第2仮想平面、21N…単面画素、21SA…第1反射面、21SB…第2反射面、21SC…第3反射面、21SD…第4反射面、21ST…屈曲面、21SG…窪み部、21Sx…第1面要素、21Sy…第2面要素、21TG…突部。

Claims (9)

  1. マトリックス状に並ぶ複数の画素を備え、
    前記各画素は、前記画素に1つずつの反射面を備え、
    全ての前記反射面のなかに、所定の方向から入射した光を前記反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記反射面を含み、前記各反射面による光の反射によって、前記各反射面に共通する方向である特定方向に画像を表示する
    表示体。
  2. 前記各反射面は、前記反射面に固有の波長を有して前記反射面に固有の方向から前記反射面に入射した光に対し、当該光を前記特定方向で回折する形状を有し、
    前記各反射面による回折によって前記特定方向に画像を表示する
    請求項1に記載の表示体。
  3. 前記複数の画素の少なくとも1つは、1つの仮想平面に間隔を空けて並び、かつ、前記仮想平面に沿った形状を有する複数の面要素から構成された前記反射面を含む
    請求項1または2に記載の表示体。
  4. 前記画像は、第1画像であり、
    前記反射面は、第1反射面であり、
    前記特定方向は、第1特定方向であり、
    前記複数の画素は、各々に1つずつの第2反射面をさらに備えた複数の重畳画素を含み、
    前記複数の第2反射面は、所定の方向から入射した光を前記第2反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第2反射面を含み、前記各第2反射面による光の反射によって、前記各第2反射面に共通する方向である第2特定方向にさらに画像を表示する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の表示体。
  5. 前記各第2反射面は、前記第2反射面に固有の波長を有して前記第2反射面に固有の方向から前記第2反射面に入射した光に対し、当該光を前記第2特定方向で回折する形状を有し、
    前記各第2反射面による回折によって前記第2特定方向の画像を表示する
    請求項4に記載の表示体。
  6. 前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、
    前記第1反射面は、第1仮想平面に含まれる複数の第1面要素から構成され、
    前記第2反射面は、第2仮想平面に含まれる複数の第2面要素から構成され、
    前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記画素が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、
    前記第1仮想平面が向く方向と、前記第2仮想平面が向く方向とは相互に異なる
    請求項4または5に記載の表示体。
  7. 前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、
    前記第1反射面は、第1仮想平面に含まれる複数の第1面要素から構成され、
    前記第2反射面は、第2仮想平面に含まれる複数の第2面要素から構成され、
    前記第1面要素と前記第2面要素とは、前記画素が並ぶ面と対向する方向から見て1つの配列方向に沿って交互に並び、
    前記画素が並ぶ面と前記第1仮想平面とが形成する角度と、前記画素が並ぶ面と前記第2仮想平面とが形成する角度とは相互に異なる
    請求項4または5に記載の表示体。
  8. 前記複数の重畳画素の少なくとも1つにおいて、
    前記重畳画素は、前記画素が並ぶ面と交差する屈曲線で屈曲する面であり、かつ、前記各重畳画素に1つずつの面である屈曲面を備え、
    平面である前記第1反射面と、平面である前記第2反射面とは、前記屈曲線を共有して前記屈曲面を構成する
    請求項4または5に記載の表示体。
  9. マトリックス状に並ぶ複数の画素を備え、
    前記複数の画素は、複数の第1画素と、複数の第2画素とを含み、
    前記各第1画素は、前記各第1画素に1つずつの第1反射面を備え、
    全ての前記第1反射面のなかに、所定の方向から前記第1反射面に入射した光を前記第1反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第1反射面を含み、前記各第1反射面による光の反射によって、前記各第1反射面に共通する方向である第1特定方向に第1画像を表示し、
    前記各第2画素は、前記各第2画素に1つずつの第2反射面を備え、
    全ての前記第2反射面のなかに、所定の方向から前記第2反射面に入射した光を前記第2反射面に固有となる別々の方向へ各々が反射する複数の前記第2反射面を含み、前記各第2反射面による光の反射によって、前記各第2反射面に共通する方向である第2特定方向に第2画像を表示する
    表示体。
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