JP2017223718A - 投写型映像表示装置、スタック投写表示システム、ブレンディング投写表示システム - Google Patents

投写型映像表示装置、スタック投写表示システム、ブレンディング投写表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】映像光を光学的にシフトさせる際に発生する特有のノイズを低減した投写型画像表示装置を提供する。【解決手段】本開示における投写型映像表示装置は、光源から入射される光を映像信号で変調して映像光として出射する光変調素子と、光変調素子からの映像光の光路を変位させることによって、投写面に投写される投写画像の画素を画素シフトする画素シフト素子と、画素シフト素子による画素シフトの状態遷移を制御する画素シフトコントローラと、を備える。画素シフトコントローラは、画素シフトの状態遷移の開始位置の順序を変更する。【選択図】図16

Description

本開示は、プロジェクタ等の投写型映像表示装置に関する。
特許文献1は、投写型映像表示装置を開示する。この投写型映像表示装置は、後レンズ群と前レンズ群との間に、光路変更部と光路変更部を移動させる駆動部とを備える。そして、この光路変更部は、映像光の光路を、光軸に対して垂直な方向に移動(シフト)させる。これにより、この投写型映像表示装置は、ライトバルブが表示する映像の解像度よりも高い解像度の映像を提供できる。
特開2005−283658号公報
映像光を光学的にシフトさせる際に、目線の動きと画素ずらしの方向、速度が一致した瞬間に、動いている画素のエッジが視認され、その繰り返しによりちらつきとして感じられることがある。このちらつきは、目線の動きに対し垂直方向に発生し、複数台で動きを一致して投写してもちらつきを除くことはできない。
本開示は、映像光を光学的にシフトさせる際に発生する特有のノイズを低減した投写型画像表示装置を提供する。
本開示の投写型映像表示装置は、光源と、光源から入射される光を映像信号で変調して映像光として出射する光変調素子と、光変調素子からの映像光の光路を変位させることによって、投写面に投写される投写画像の画素を画素シフトする画素シフト素子と、画素シフト素子による画素シフトの状態遷移を制御する画素シフトコントローラと、を備え、画素シフトコントローラは、前記画素シフトの状態遷移の開始位置の順序を変更するようになっている。
複数の投写型映像表示装置によるスタッキング表示において、画素シフトの開始位置を各々異なる位置に設定することで、互いにノイズの発生方向を打ち消す方向にシフトすることになり、画素シフトに特有のちらつきノイズを低減に有効である。
実施の形態における投写型映像表示装置の光学構成の一例を示す図 実施の形態における光学素子駆動装置の回路構成例を示すブロック図 実施の形態における光学素子駆動装置の概略構成を示す図 ボイスコイルモータの構造の一例を示す図 平行平板ガラスによる光路変更の原理を説明するための図 実施の形態における平行平板ガラスの平面図 実施の形態における平行平板ガラスの動きを説明するための図 実施の形態における投写画像のベースとなるベース映像信号の模式図 実施の形態におけるベース映像信号から生成される2倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図 実施の形態におけるサブフレーム画像を2倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図 実施の形態において、通常モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図 実施の形態において、通常モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図 実施の形態において、90°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図 実施の形態において、90°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図 実施の形態において、180°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図 実施の形態において、180°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図 実施の形態において、270°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図 実施の形態において、270°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図 実施の形態におけるスタック投写の模式図 実施の形態における2倍密映像かつ、スタック投写時の画素の状態遷移を示した模式図 実施の形態における4倍密映像かつ、通常モードと180°開始位置変更モードでのスタック投写時の画素の状態遷移を示した模式図 実施の形態における2倍密映像かつ、通常モードと90°開始位置変更モードでのスタック投写時の画素の状態遷移を示した模式図 実施の形態におけるスタック投写を複数組用いて、ブレンディング投写を行う模式図 調整モードにおける、画素シフト停止時の4つの状態を示す模式図 調整モードにおける、各プロジェクタの投写パターンと、スタック表示したときの見え方を説明する模式図
以下、適宜図面を参照しながら、実施における構成を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
[1.プロジェクタの光学構成]
投写型映像表示装置であるプロジェクタ100の概要について図1の光学構成の模式図を用いて説明する。
図1は、実施の形態におけるプロジェクタ100の光学構成の一例を示す図である。プロジェクタ100は、投写型映像表示装置の一例である。
プロジェクタ100は、光源130と、照明光学系101と、全反射プリズム201およびカラープリズム202を有するプリズムブロック203と、光学素子である平行平板ガラス400と、投写光学系300と、を備える。
光源130は、発光管110と、発光管110で発光した白色光を反射するリフレクタ120と、を備える。発光管110は、互いに波長域が異なる赤色の光、緑色の光、および青色の光を含む白色の光束を射出する。発光管110は、例えば、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプで構成される。リフレクタ120は、リフレクタ120の焦点位置に配置された発光管110から射出された光束を反射させ、前方に平行光として射出する。
光源130から射出される白色光は、照明光学系101に入力される。
照明光学系101は、レンズ160、ロッド170、レンズ180、およびミラー190を有する。照明光学系101は、光源130から射出された光束をデジタル・ミラー・デバイス(以下、「DMD」と称する)240、250、260に導く。ロッド170は、内部で光を全反射させる柱状ガラス部材である。光源130から射出された光束は、ロッド170内で複数回反射する。これにより、ロッド170の射出面での光強度分布は実質的に均一になる。
レンズ180は、ロッド170の射出面の光束をDMD240、250、260に結像するリレーレンズである。ミラー190は、レンズ180を介した光束を反射する。反射した光束は、フィールドレンズ200に入射する。フィールドレンズ200は、入射した光を実質的に平行な光束に変換するレンズである。フィールドレンズ200を介した光束は、全反射プリズム201に入射する。
全反射プリズム201は、プリズム270とプリズム280とを備えて構成される。プリズム270とプリズム280との近接面には空気層210が存在する。空気層210は薄い空気層である。空気層210は、臨界角以上の角度で入射する光束を全反射する。全反射した光束は、カラープリズム202に入射する。
カラープリズム202は、プリズム221、プリズム231、およびプリズム290を備えて構成される。プリズム221とプリズム231との近接面には青色の光を反射するダイクロイック膜220が設けられている。また、プリズム231とプリズム290との近接面には赤色の光を反射するダイクロイック膜230が設けられている。カラープリズム202にはDMD240、250、260が設けられている。
DMD240、DMD250、およびDMD260は、それぞれが1920×1080個のマイクロミラーを有する。DMD240、DMD250、およびDMD260は、映像信号に応じて、各マイクロミラーを偏向させる。これにより、DMD240、DMD250、およびDMD260は、各DMDに入射される光を、投写光学系300に入射させる光と、投写光学系300の有効範囲外へ反射する光とに分ける。こうして、DMD240、DMD250、およびDMD260は、各DMDに入射される光を映像信号に応じて変調する。なお、DMD240には、緑色の光が入射する。DMD250には、赤色の光が入射する。DMD260には、青色の光が入射する。
DMD240、DMD250、およびDMD260で反射された光束のうち投写光学系300に入射する光束は、カラープリズム202にて合成される。合成された光束は、全反射プリズム201に入射する。全反射プリズム201に入射した光束は、空気層210に臨界角以下で入射する。従って、この光束は空気層210を透過して投写光学系300に入射する。
投写光学系300は、入射した光束を拡大するための光学系である。投写光学系300は、フォーカス機能やズーム機能を有し、DMD240、DMD250、およびDMD260からの映像光を投写面上に投写することにより、投写面上に映像信号に応じた映像を表示する。以下、投写面を「スクリーン」とも記す。
平行平板ガラス400は、投写光学系300の光軸に垂直な面内に配置され、後述するように、光学素子駆動装置4000によって傾きが制御される。プロジェクタ100は、光学素子駆動装置4000によってこの平行平板ガラス400の傾きを高速に(サブフレーム画像毎に)制御することで、画像フレームを構成する複数のサブフレーム画像の投写面(スクリーン)上での相対的な表示位置を、画素の大きさ以下の移動量でずらす(シフトする)ことができる。これにより、プロジェクタ100は、各DMD240、250、260のマイクロミラー数(画素数)よりも解像度が高い(画素数が多い)映像を投写面上に表示できる。この詳細は後述する。ここで、平行平板ガラス400は、画素シフト素子の一例である。
[2.プリズムと投写レンズとの間の構成]
次に、光学素子である平行平板ガラス400の傾きを高速に制御する光学素子駆動装置4000について説明する。なお、図1に示したように、平行平板ガラス400は、プリズムブロック203と投写光学系300との間に配置されている。
図2は、実施の形態における光学素子駆動装置4000を含む映像出力システムの回路構成例を示すブロック図である。
図3は、実施の形態における光学素子駆動装置4000の概略構成を示す図である。
図2に示すように、プロジェクタ100が有する映像出力システム4001は、光学素子駆動装置4000と、マイクロコンピュータ405と、映像生成部410と、リモコン信号受信部413と、DMD駆動部411と、を有する。
本実施の形態の光学素子駆動装置4000は、4つのアクチュエータ401(アクチュエータ401a、401b、401c、401d)と、4つの駆動回路404(駆動回路404a、404b、404c、404d)と、4つの位置センサ402(位置センサ402a、402b、402c、402d)と、4つの位置検出回路403(位置検出回路403a、403b、403c、403d)と、を有する。また、図3に示すように、アクチュエータ401(アクチュエータ401a、401b、401c、401d)のそれぞれは、可動部407(可動部407a、407b、407c、407d)と、連結部材406(連結部材406a、406b、406c、406d)と、を有する。また、本実施の形態では、光学素子として平面円形状の平行平板ガラス400を使用している。
図3に示すように、平行平板ガラス400は、その端部の4箇所が、連結部材406a、406b、406c、406dによってアクチュエータ401a、401b、401c、401dの各可動部407a、407b、407c、407dに、それぞれ連結されている。
本実施の形態ではアクチュエータ401としてボイスコイルモータ(Voice Coil Motor、以下、「VCM」と記す)を使用している。
図4は、VCMの構造の一例を示す図である。
VCMは、例えば以下の構造を有する。四角い筒状の形状をしたヨーク4011の内部に、互いに異なる磁極の永久磁石(N極の永久磁石4012とS極の永久磁石4013)が一定の距離を隔てて対向するように配置されている。そして、その対向配置された永久磁石4012、4013の間に、コイル4014を有する可動部407が配置されている。
この可動部407にはガイド窓4070が開設されている。このガイド窓4070にはヨーク4011が挿通されている。そして、可動部407に設けられたコイル4014は、対向配置された永久磁石4012、4013の間に配置されている。
コイル4014に駆動信号電流を流すと、可動部407は、図4に示す矢印方向(1軸2方向)に移動する。この可動部407の移動量は、コイル4014に流れる駆動信号電流の大きさに応じて変化する。可動部407の移動量は、可動部407に取り付けられた位置センサ402を介して検出される。位置センサ402の出力信号は、可動部407の位置に応じて変化する。その出力信号を、図2に示す位置検出回路403が検出することによって、可動部407の移動量が検出される。位置センサ402は、例えば、ホール効果を利用して磁界を検出するホール素子であるが、何らホール素子に限定されるものではない。
コイル4014が取り付けられた可動部407と永久磁石4012、4013との間には、僅かな隙間が生じている。従って、可動部407は、駆動信号電流により移動する1軸方向に対して垂直方向の力が加わっても、その僅かな隙間で許容される分の変位が可能である。すなわち、可動部407は、この僅かな隙間によって傾くことができる。
図6は、実施の形態における平行平板ガラス400の平面図である。
アクチュエータ401の可動部407に結合された連結部材406は、図6に示すように、平行平板ガラス400の端部EA、EB、EC、EDに連結されている。端部EA、EB、EC、EDは、平行平板ガラス400の面中心Oで互いに直交するA−C軸とB−D軸の各軸と平行平板ガラス400の端部との交点である。
本実施の形態では、A−C軸と平行平板ガラス400の端部との交点を端部EA、ECとし、B−D軸と平行平板ガラス400の端部との交点を端部EB、EDとする。そして、図3にも示したように、端部EAを連結部材406aによってアクチュエータ401aの可動部407aに、端部EBを連結部材406bによってアクチュエータ401bの可動部407bに、端部ECを連結部材406cによってアクチュエータ401cの可動部407cに、端部EDを連結部材406dによってアクチュエータ401dの可動部407dに、それぞれ連結している。
図2に示すように、アクチュエータ401aは駆動回路404aによって、アクチュエータ401bは駆動回路404bによって、アクチュエータ401cは駆動回路404cによって、アクチュエータ401dは駆動回路404dによって、それぞれ駆動される。駆動回路404a、404b、404c、404dは、マイクロコンピュータ405の制御信号によって制御される。すなわち、マイクロコンピュータ405からの制御信号に基づき駆動回路404a〜404dから出力される駆動信号電流によって、アクチュエータ401a〜401dの各可動部407a〜407dは、1軸方向に移動する。
可動部407aに設けられた位置センサ402aの出力信号は位置検出回路403aに、可動部407bに設けられた位置センサ402bの出力信号は位置検出回路403bに、可動部407cに設けられた位置センサ402cの出力信号は位置検出回路403cに、可動部407dに設けられた位置センサ402dの出力信号は位置検出回路403dに、それぞれ出力される。すなわち、可動部407a〜407dのそれぞれの位置は、位置センサ402a〜402dに接続された位置検出回路403a〜403dによって検出される。
位置検出回路403a〜403dのそれぞれから検出結果として出力される信号(検出信号)はマイクロコンピュータ405に入力される。マイクロコンピュータ405はこの検出信号に基づいて、アクチュエータ401a〜401dの各可動部407a〜407dの位置を監視する。そして、マイクロコンピュータ405は、この検出信号に基づいて駆動回路404a〜404dを制御することで、アクチュエータ401a〜401dをサーボ制御する。
プロジェクタ制御用のリモコン500(リモートコントローラー)(図15参照)からは、各種制御信号が出力され、リモコン500からのリモコン信号は、プロジェクタのリモコン信号受光部412で受光される。受光されたリモコン信号はリモコン信号受信部413で受信された後、マイクロコンピュータ405に供給される。
このように、マイクロコンピュータ405は、平行平板ガラス400の傾きを制御し、後述する画素シフトの状態遷移を制御する画素シフトコントローラとして動作する。マイクロコンピュータ405は、上述の動作をするようにあらかじめプログラムされたソフトウエアを実行することで実現しているが、本開示は何らこの構成に限定されるものではなく、例えば、画素シフトコントローラとして動作するように構成された回路ブロックをプロジェクタ100が備える構成であってもよい。
上述したように、本実施の形態では、1つの画像フレーム(1フレーム)は複数のサブフレーム画像によって構成される。サブフレーム画像をスクリーンに表示するためのサブフレーム画像信号は、入力映像信号を映像生成部410が信号処理することで得られる。サブフレーム画像信号がマイクロコンピュータ405に入力されると、マイクロコンピュータ405は、このサブフレーム画像信号に基づいて、駆動回路404a〜404dに供給する同期信号を生成するとともにDMD駆動部411を制御するDMD駆動信号及び同期信号を生成する。
そして、プロジェクタ100は、マイクロコンピュータ405が、光学素子駆動装置4000を制御して平行平板ガラス400の傾きを制御することで、画像フレームを構成する複数のサブフレーム画像のスクリーン上でのそれぞれの表示位置をシフト(画素シフト)するように構成されている。
[3.動作]
図5は、平行平板ガラス400による光路変更の原理を説明するための図である。
図7は、実施の形態における平行平板ガラス400の動きを説明するための図である。
まず、平行平板ガラス400の面が、入力光線Liに対して直交しているときの動作を説明する。このとき、入力光線Liは、図5に実線で示すように、入力光線Liが通過する平行平板ガラス400の面(入射面)と空気との界面において屈折せずに直進する。これにより、入力光線Liは屈折せずに平行平板ガラス400を通過する。そして、平行平板ガラス400から出射される光(出力光線Lo)が通過する平行平板ガラス400の面(出射面)と空気との界面においても、平行平板ガラス400が平行平面であるために出力光線Loとその界面とが直交するので、出力光線Loは屈折せずに直進する。このため、入力光線Liが映像光であれば、出力光線Loによりスクリーン上に表示される画像は、入力光線Liが直進して同スクリーン上に表示される画像と同じ位置に表示される。すなわち、平行平板ガラス400の面が入力光線Liに対して直交していれば、スクリーン上で画像の表示位置は移動しない。
次に、平行平板ガラス400の面が、図5の破線で示すように入力光線Liに対して直交していないときの動作を説明する。このとき、入力光線Liは、平行平板ガラス400の入射面と空気との界面において屈折する。これにより、入力光線Liは屈折して平行平板ガラス400に入射し、平行平板ガラス400を通過する。平行平板ガラス400の出射面と空気との界面においても、平行平板ガラス400が平行平面であるために出力光線Loとその界面とは直交しないので、出力光線Loは屈折する。
平行平板ガラス400に入力光線Liが入射するときに屈折する角度と、平行平板ガラス400から出力光線Loが出射するときに屈折する角度は互いに等しい。そのため、入力光線Liが映像光であれば、出力光線Loの映像光は、平行平板ガラス400の傾き方向に、その傾きに応じて平行移動する。この結果、平行平板ガラス400から出射されてスクリーン上に投写される画像の表示位置は、入力光線Liが直進して同スクリーン上に表示される画像に対して、その平行移動の分だけ、移動する。
プロジェクタ100は、この原理を利用してスクリーン上での画像の表示位置をシフトする。光学素子駆動装置4000では、図6に示すように、平行平板ガラス400の中心Oを通る互いに直交するA−C軸とB−D軸の各軸上にある端部EA、EC、EB、EDを、各アクチュエータ401a〜401dの連結部材406a〜406cで、可動部407a〜407dと揺動自在に連結する。
そして、マイクロコンピュータ405(画素シフトコントローラ)が駆動回路404a〜404dを制御してアクチュエータ401a〜401dを駆動することによって、平行平板ガラス400は、中心Oの位置を一定に保持しつつ、傾きが制御される。例えば、マイクロコンピュータ405は、図7に示すA−C軸を、B−D軸を回転軸中心として回転させて、端部EAを所定量上方に移動させ、かつ端部ECを所定量下方に移動させるとともに、B−D軸を、A−C軸を回転軸中心として回転させて、端部EBを所定量下方に移動させ、かつ端部EDを所定量上方に移動させる、といった制御を平行平板ガラス400に行うことができる。これによって、平行平板ガラス400に入射する映像光(画像を表示するための光)の光路が変更され、平行平板ガラス400の傾きに応じた位置(スクリーン上の位置)に画像が表示される。
なお、本実施の形態では、スクリーンに表示される画像は、DMD240、250、260の各マイクロミラーによってスクリーン上に表示される画素の集合体であるので、以下では、スクリーン上に表示される画像の表示位置を「画素の表示位置」とも記し、スクリーン上での画像の移動を「画素シフト」とも記す。
映像生成部410は、入力された映像信号の1フレーム毎に、あらかじめ定められた複数枚のサブフレーム画像信号を生成する。この枚数は、2もしくは4であるが、他の数値であってもよい。そして、各サブフレーム画像は、光学素子駆動装置4000によりスクリーン上での投写位置がシフトする。なお、各サブフレーム画像の画素数は、DMD240、250、260の各画素数(マイクロミラーの数)と実質的に同じである。
[4.2倍密映像の出力動作]
2倍密映像とは、1枚の画像フレームを2枚のサブフレーム画像で構成するときの名称である。プロジェクタ100が2倍密映像(double density image)を出力するとき、映像生成部410は、入力された1フレーム分の映像信号から、2枚のサブフレーム画像信号を生成する。
マイクロコンピュータ405は、映像生成部410で生成されたサブフレーム画像信号から、DMD駆動部411と駆動回路404a〜404dとを同期させるための同期信号を生成する。
映像生成部410で生成されたサブフレーム画像信号は、マイクロコンピュータ405からDMD駆動部411に出力される。DMD駆動部411は、そのサブフレーム画像信号にもとづくサブフレーム画像が、各DMD240、250、260から、ベース映像信号のフレームレートの2倍の速度で出力されるように、DMD駆動信号を生成する。
マイクロコンピュータ405は、DMD駆動部411に同期して平行平板ガラス400を駆動し、スクリーン上における画素の投写位置を移動させるように、制御信号を生成する。そして、その制御信号を駆動回路404a〜404dに出力する。駆動回路404a〜404dは、その制御信号にもとづきアクチュエータ駆動信号を生成してアクチュエータ401a〜401dを駆動する。
映像出力システム4001の具体的な動作例について図8、図9を用いて説明する。
なお、プロジェクタ100において、各DMD240、250、260は、水平方向1920画素×垂直方向1080画素の映像を出力可能であるものとする。また、プロジェクタ100は、平行平板ガラス400をアクチュエータ401a〜401dで駆動することにより、各サブフレーム画像の投写位置をずらす(シフトする)ことができる。例えば、このときの移動量(シフト量)は、水平方向に1/2画素、垂直方向に1/2画素、に調整されている。ここで、投写位置を1/2画素(または、半画素)シフトするとは、スクリーン上における画素の投写位置を、画素の大きさの半分の移動量で移動させることを意味する。このシフト量は後述する方法によって調整される。
図8は、実施の形態における投写画像のベースとなるベース映像信号の模式図である。図8に示すのは、プロジェクタ100の映像出力システム4001においてサブフレーム画像を作成するためのベースとなるベース映像信号であり、水平方向3840画素×垂直方向2160画素の映像信号(いわゆる4K2K映像の映像信号)である。このベース映像信号の画素数は、各DMD240、250、260の画素数(マイクロミラーの数)の4倍である。このベース映像信号は、外部機器から直接入力された映像信号であっても良いし、より低解像度(低画素数)の入力映像信号をプロジェクタ100のシステム内部においてアップコンバートした信号であっても良い。
なお、図8において、1つのマスは1つの画素を表しており、各マスの中の数値は、ベース映像信号に応じて変化する数値である。また、図8において、水平方向に示された番号は画素の列番号を表し、垂直方向に示された番号は画素の行番号を表す。
映像生成部410におけるサブフレーム画像信号作の成方法について説明する。
図9は、実施の形態におけるベース映像信号から生成される2倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図である。なお、図9において、実線で示す1つのマスは1つの画素を表しており、破線で示すのは1画素の1/2の大きさである。また、各マスの中の数値は、ベース映像信号に応じて変化する数値である。
図8に示すように、ベース映像信号には、水平方向に画素の列番号が0、1、2、3、4、5、・・・・と付され、垂直方向に画素の行番号が0、1、2、3、・・・・・と付されている。そして、本実施の形態では、以下の手順で2倍密映像用のサブフレーム画像信号(第1サブフレーム画像信号と第2サブフレーム画像信号)を生成する。
1)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第1サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが0である。
2)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第2サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが1である。
このようにして、第1サブフレーム画像信号と第2サブフレーム画像信号とが生成される。なお、第1サブフレーム画像信号にもとづきスクリーン上に投写される画像が第1サブフレーム画像であり、第2サブフレーム画像信号にもとづきスクリーン上に投写される画像が第2サブフレーム画像である。そして、第1サブフレーム画像と第2サブフレーム画像の2枚のサブフレーム画像で、1枚の画像フレーム(2倍密映像)となる。ただし、本実施の形態では、第1サブフレーム画像と第2サブフレーム画像とのスクリーン上における相対的な投写位置を、シフトさせている。
具体的には、図9に示すように、第2サブフレーム画像を第1サブフレーム画像に対して、水平方向(+X方向)に1/2画素、垂直方向(−Y方向)に1/2画素、シフトさせる。また、第1サブフレーム画像を第2サブフレーム画像に対して、水平方向(−X方向)に1/2画素、垂直方向(+Y方向)に1/2画素、シフトさせる。こうして第1、第2サブフレーム画像を水平方向、垂直方向にそれぞれ1/2画素ずつ互いにシフトさせることで、プロジェクタ100は、DMD240、250、260の画素数(マイクロミラー数)よりも解像度が高い(画素数が多い)2倍密映像をスクリーンに表示することができる。
DMD240、250、260は、第1サブフレーム画像信号と第2サブフレーム画像信号にもとづき、ベース映像信号のフレームレート(出力フレームレート)の2倍の速度で各サブフレームを出力する。具体的には、出力フレームレートを例えば60Hzとすると、DMD240、250、260は、各サブフレームを120Hzで出力する。このとき、アクチュエータ401a〜401dは出力フレームレートと同じ60Hzで駆動される。
図10は、実施の形態におけるサブフレーム画像を2倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図である。図10には、第1サブフレーム画像(第1SF)と第2サブフレーム画像(第2SF)のそれぞれをスクリーン上に投写するときの、アクチュエータ401a〜401dに指示する変位(VCM変位)と各サブフレーム画像の移動の様子を模式的に示している。なお、図10は各サブフレーム画像の移動方向をわかりやすく示しているだけであり、実際の移動量を示しているわけではない。
図10に示す例では、マイクロコンピュータ405は、アクチュエータ401aに対しては変位Aを指示し、アクチュエータ401cに対しては変位Aを反転した変位Cを指示する。変位Aを指示する波形(変位波形)は、第1サブフレーム画像を表示するときは負極性に、第2サブフレーム画像を表示するときは正極性に変位する波形である。変位Cを指示する波形(変位波形)は、第1サブフレーム画像を表示するときは正極性に、第2サブフレーム画像を表示するときは負極性に変位する波形である。また、マイクロコンピュータ405は、アクチュエータ401bに対しては変位Bを指示し、アクチュエータ401dに対しては変位Bを反転した変位Dを指示する。変位Bを指示する変位波形は、第1サブフレーム画像を表示するときは正極性に、第2サブフレーム画像を表示するときは負極性に変位する波形である。変位Dを指示する変位波形は、第1サブフレーム画像を表示するときは負極性に、第2サブフレーム画像を表示するときは正極性に変位する波形である。これによって、平行平板ガラス400は、B−D軸及びA−C軸を回転軸として揺動することになる。
これにより、スクリーン上には、入力映像光の光路が水平方向、垂直方向に変位され、互いに半画素ずつずれた位置に、第1サブフレーム画像(第1SF)と第2サブフレーム画像(第2SF)のそれぞれが投写される。こうして、2倍密映像がスクリーン上に表示される。
[5.4倍密映像の出力動作]
4倍密映像とは、1枚の画像フレームを4枚のサブフレーム画像で構成するときの名称である。プロジェクタ100が4倍密映像(quad density image)を出力するとき、映像生成部410は、入力された1フレーム分の映像信号から、4枚のサブフレーム画像信号を生成する。
マイクロコンピュータ405は、映像生成部410で生成されたサブフレーム画像信号から、DMD駆動部411と駆動回路404a〜404dとを同期させるための同期信号を生成する。
映像生成部410で生成されたサブフレーム画像信号は、マイクロコンピュータ405からDMD駆動部411に出力される。DMD駆動部411は、そのサブフレーム画像信号にもとづくサブフレーム画像が、各DMD240、250、260から、ベース映像信号のフレームレートの4倍の速度で出力されるように、DMD駆動信号を生成する。
マイクロコンピュータ405は、DMD駆動部411に同期して平行平板ガラス400を駆動し、スクリーン上における画素の投写位置を移動させるように、制御信号を生成する。そして、その制御信号を駆動回路404a〜404dに出力する。駆動回路404a〜404dは、その制御信号にもとづきアクチュエータ駆動信号を生成してアクチュエータ401a〜401dを駆動する。
映像出力システム4001の具体的な動作例について図11A、図11Bを用いて説明する。なお、各DMD240、250、260の解像度(画素数)およびベース映像信号の解像度(画素数)は2倍密映像の出力動作で説明した場合と同様であるので繰り返しの説明を省略する。
映像生成部410におけるサブフレーム画像信号の作成方法について説明する。
図11Aは、実施の形態におけるベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図である。なお、図11Aにおいて、実線で示す1つのマスは1つの画素を表しており、破線で示すのは1画素の1/2の大きさである。また、各マスの中の数値は、ベース映像信号に応じて変化する数値である。
本実施の形態では、例えば図8に示すベース映像信号から、以下の手順で4倍密映像用のサブフレーム画像信号(第1〜第4サブフレーム画像信号)を生成する。
1)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第1サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが0である。
2)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第2サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが0である。
3)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第3サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが1である。
4)ベース映像信号において次の条件を満たす画素をサンプリングした信号を、第4サブフレーム画像信号とする。その画素は、水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが1である。
このようにして、第1〜第4サブフレーム画像信号が生成される。なお、第nサブフレーム画像信号にもとづきスクリーン上に投写される画像が第nサブフレーム画像である(n=1〜4)。そして、第1〜第4サブフレーム画像の4枚のサブフレーム画像で、1枚の画像フレーム(4倍密映像)となる。ただし、本実施の形態では、第1〜第4サブフレーム画像のスクリーン上におけるそれぞれの相対的な投写位置をシフトさせている。
具体的には、図11Aに示すように、第2サブフレーム画像を、第1サブフレーム画像に対して水平方向(+X方向)に1/2画素、シフトさせる。また、第3サブフレーム画像を、第2サブフレーム画像に対して垂直方向(−Y方向)に1/2画素、シフトさせる。また、第4サブフレーム画像を、第3サブフレーム画像に対して水平方向(−X方向)に1/2画素、シフトさせる。また、第1サブフレーム画像を、第4サブフレーム画像に対して垂直方向(+Y方向)に1/2画素、シフトさせる。こうして第1〜第4サブフレーム画像を水平方向、垂直方向にそれぞれ1/2画素ずつ互いにシフトさせることで、プロジェクタ100は、DMD240、250、260の画素数(マイクロミラー数)よりも解像度が高い(画素数が多い)4倍密映像をスクリーンに表示することができる。
DMD240、250、260は、第1〜第4サブフレーム画像信号にもとづき、ベース映像信号のフレームレート(出力フレームレート)の4倍の速度で各サブフレームを出力する。具体的には、出力フレームレートを例えば60Hzとすると、DMD240、250、260は、各サブフレームを240Hzで出力する。このとき、アクチュエータ401a〜401dは出力フレームレートと同じ60Hzで駆動される。
図11Bは、実施の形態におけるサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図である。図11Bには、第1サブフレーム画像(第1SF)、第2サブフレーム画像(第2SF)、第3サブフレーム画像(第3SF)、第4サブフレーム画像(第4SF)のそれぞれをスクリーン上に投写するときの、アクチュエータ401a〜401dに指示する変位(VCM変位)と各サブフレーム画像の移動の様子を模式的に示している。なお、図11Bは各サブフレーム画像の移動方向をわかりやすく示しているだけであり、実際の移動量を示しているわけではない。
図11Bに示す例では、マイクロコンピュータ405は、アクチュエータ401aに対しては変位Aを指示し、アクチュエータ401cに対しては変位Aを反転した変位Cを指示する。変位Aを指示する変位波形は、第1、第2サブフレーム画像を表示するときは負極性に、第3、第4サブフレーム画像を表示するときは正極性に変位する波形である。変位Cを指示する変位波形は、第1、第2サブフレーム画像を表示するときは正極性に、第3、第4サブフレーム画像を表示するときは負極性に変位する波形である。また、マイクロコンピュータ405は、アクチュエータ401bに対しては変位Bを指示し、アクチュエータ401dに対しては変位Bを反転した変位Dを指示する。変位Bを指示する変位波形は、第2、第3サブフレーム画像を表示するときは負極性に、第4、第1サブフレーム画像を表示するときは正極性に変位する波形である。変位Dを指示する変位波形は、第2、第3サブフレーム画像を表示するときは正極性に、第4、第1サブフレーム画像を表示するときは負極性に変位する波形である。このように、アクチュエータ401aとアクチュエータ401cに変位を指示する変位波形に対して、アクチュエータ401bとアクチュエータ401dに変位を指示する変位波形は、位相が90°移相されている。これによって、平行平板ガラス400は、B−D軸及びA−C軸を回転軸として揺動することになる。
なお、本実施の形態では、スクリーン上において、第2サブフレーム画像は第1サブフレーム画像に対して水平方向に1/2画素ずれた位置に、第3サブフレーム画像は第1サブフレーム画像に対して水平方向、垂直方向にそれぞれ1/2画素ずつずれた位置に、第4サブフレーム画像は第1サブフレーム画像に対して垂直方向に1/2画素ずれた位置に、それぞれ投写されるように、第1〜第4サブフレーム画像のそれぞれのシフト量を調整する。
これにより、スクリーン上には、入力映像光の光路が水平方向、垂直方向に変位され、互いに半画素ずつずれた位置に、第1サブフレーム画像(第1SF)、第2サブフレーム画像(第2SF)、第3サブフレーム画像(第3SF)、第4サブフレーム画像(第4SF)のそれぞれが投写される。こうして、4倍密映像がスクリーン上に表示される。
[6.スタック投写表示システムの構成]
図15を用いて、スタック投写表示システムについて説明する。図15はスタック投写を説明する模式図である。スタック投写表示システムの場合、複数のプロジェクタ(例えば100Aと100B)に同じ映像信号を入力し、投写面に対し投写される映像が重畳するように出力される。複数のプロジェクタ100A、100Bには、パーソナルコンピュータ415が映像供給装置および外部制御部として、複数のプロジェクタ100A、100Bに接続される。パーソナルコンピュータから、複数のプロジェクタに入力される映像信号は同一の映像信号を入力する。
[7.画素シフト開始位置変更モード]
図11A〜図14Bを用いて、画素シフト開始位置の変更について説明する。
図11Aは通常モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図、図11Bは通常モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図を示す。図12Aは90°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図、図12Bは90°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図を示す。図13Aは180°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図、図13Bは180°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図を示す。また、図14A270°開始位置変更モードでベース映像信号から生成される4倍密映像用のサブフレーム画像信号の模式図、図14Bは270°開始位置変更モードでサブフレーム画像を4倍密映像になるようにシフトさせた状態を示す模式図を示す。
平行平板ガラス400がプロジェクタ100の投写方向から見て左上の位置となる基準位置から時計回りに映像を移動させる場合、通常モードでは、上述の通り、図11Aに示すように第1サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))、第2サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))、第3サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第4サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))を、この順に出力している。
同様に、図12Aは90°開始位置変更モードでのDMD240、250、260にて生成される映像の表示順を示し、第1サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))、第2サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第3サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))、第4サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))の順に出力する。
図13Aは180°開始位置変更モードでのDMD240、250、260にて生成される映像の表示順を示し、第1サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第2サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))、第3サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))、第4サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))の順にサンプリングし、DMD駆動部411へ出力する。
図14Aは270°開始位置変更モードでのDMD240、250、260にて生成される映像の表示順を示し、第1サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第2サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))、第3サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))、第4サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))の順にサンプリングし、DMD駆動部411へ出力する。
各モードは、ユーザーによるリモコン500の操作などの外部から供給されるモード切替え指示をするモード制御信号によって相互に切り替えられる。
具体的には、図2に示すプロジェクタのマイクロコンピュータ405は、モード制御信号に基づいて、サンプリングした映像出力信号とモード制御信号とをDMD駆動部411へ出力する。DMD駆動部411もまた、モード制御信号に基づいて、映像出力信号にアドレスを設定し、DMD240、250、260の各画素へ映像出力信号を出力する。サブフレーム画像の、それぞれの表示位置と駆動波形の対応を示す図11B、図12B、図13B、図14Bに示されるように、サンプリング順序の変更と同時にモード制御信号を駆動回路404a〜404dへと出力することによって、DMD240、250、260において表示する映像と、平行平板ガラス400の動作による映像の表示位置の回転方向を整合させ、スクリーンに投写される映像の破たんを防ぐことができる。
[8.スタック投写における画素シフト開始位置]
[8−1.2倍密映像スタック投写]
2倍密映像スタック投写における画素シフト動作を、画素シフトの状態遷移を示す図16を参照しつつ説明する。
本実施形態では、プロジェクタにおいて表示している映像と、平行平板ガラス400によるスクリーン上での表示位置との整合をとるため、映像生成部410において、映像出力信号の出力順を変更する。
平行平板ガラス400は、この出力順に合わせて、プロジェクタ100から見て左上の位置を基準に左上の位置と、右下の位置とを交互に映像を移動させる。
これに対し、180°開始位置変更モードでは、図16に示すように、平行平板ガラス400がプロジェクタ100から見て右下の位置を基準に右下の位置と、左上の位置とを交互に映像を移動させる。この場合、映像生成部410は、平行平板ガラス400の動作に合わせて、第1サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第2サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))の順にサンプリングし、DMD駆動部411へ出力する。これにより、映像に破たんをきたさなくなる。
調整モードに入ると、プロジェクタ100A、100Bの画素シフトが停止する。この状態で、プロジェクタ100Aについては通常モードとし、プロジェクタ100Bに対しては、180°開始位相変更モードとする。
通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aと、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bをスタック投写で出力する場合、通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素(例えば図16の510)が右下方向に移動するとき、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素(例えば図16の520)は左上方向に移動する。このように、プロジェクタ100Aによる投写映像の画素と開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素とは、必ず逆方向に移動することとなり、どちらか一方のプロジェクタが表示する画素の動きに目線の動きが同期しても、もう一方の画素の動きとは逆になるため、目線の動きによるちらつきノイズは視認されにくくなる。
[8−2.4倍密映像スタック投写]
[8−2−1.180°位相ずらし]
4倍密映像スタック投写の180°位相ずらしの画素シフト動作を、画素シフトの状態遷移を示す図17を参照しつつ説明する。
本実施形態では、プロジェクタにおいて表示している映像と、平行平板ガラス400の動作によるスクリーン上での表示位置との整合をとるため、映像生成部410において、映像出力信号の出力順を変更する。
通常モードの場合、平行平板ガラス400は、この出力順に合わせて、プロジェクタ100から見て左上の位置となる基準位置から時計回りに映像を移動させる。
これに対し、180°開始位置変更モードでは、図17に示すように、平行平板ガラス400がプロジェクタ100Bから見て右下の位置となる基準位置から時計回りに映像を移動させる。映像生成部410は、平行平板ガラス400の動作に合わせて、第1サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第2サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))、第3サブフレームとして左上の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))、第4サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))の順にサンプリングし、DMD駆動部411へ出力する。
調整モードに入ると、プロジェクタ100A、100Bの画素シフトが停止する。この状態で、プロジェクタ100Aについては通常モードとし、プロジェクタ100Bに対しては、180°開始位相変更モードとする。
通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aと、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bをスタックモードで出力する場合、通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素(例えば図17の510)が右方向に移動するとき、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素(例えば図17の520)は左方向に移動する。同様に、通常モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が下方向に移動するとき、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は上方向に移動する。通常モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が左方向に移動するとき、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は右方向に移動する。通常モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が上方向に移動するとき、180°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は下方向に移動する。
以上のように、プロジェクタ100Aによる投写映像の画素と開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素とは、必ず逆方向に移動することとなり、どちらか一方のプロジェクタが表示する画素の動きに目線の動きが同期しても、もう一方の画素の動きとは逆になるため、目線の動きによるちらつきノイズは視認されにくくなる。
[8−2−2.90°位相ずらし]
4倍密映像スタック投写の90°位相ずらしの画素シフト動作を、画素シフトの状態遷移を示す図18を参照しつつ説明する。
90°開始位置変更モードでは、図18に示すように、平行平板ガラス400の動作がプロジェクタ100から見て右上の位置となる基準位置から時計回りに映像を移動させる場合、映像生成部410は、平行平板ガラス400の動作に合わせて、第1サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(200))、第2サブフレームとして右上の信号(例えば、図8の映像入力信号(300))、第3サブフレームとして右下の信号(例えば、図8の映像入力信号(400))、第4サブフレームとして左下の信号(例えば、図8の映像入力信号(100))の順にサンプリングし、DMD駆動部411へ出力する。
調整モードに入ると、プロジェクタ100A、100Bの画素シフトが停止する。この状態で、プロジェクタ100Aについては通常モードとし、プロジェクタ100Bに対しては、90°開始位相変更モードとする。
通常モードで映像を投写するプロジェクタ100Aと、90°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bをスタック投写で出力する場合、通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が右方向に移動するとき、90°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は下方向に移動する。同様に、通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が下方向に移動するとき、90°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は左方向に移動する。通常投写モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が左方向に移動するとき、90°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は上方向に移動する。通常モードで映像を投写するプロジェクタ100Aによる投写映像の画素510が上方向に移動するとき、90°開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bによる投写映像の画素520は右方向に移動する。以上のように、プロジェクタ100Aによる投写映像の画素と開始位置変更モードで映像を投写するプロジェクタ100Bから表示される投写映像の画素の動きによって発生するノイズの方向(例えば、画素が右方向に動くときは縦方向のノイズが発生しやすい)に沿って移動するためノイズは低減される。
上述の実施形態では、通常モードと180°開始位置変更モード、通常モードと90°開始位置変更モードについて説明したが、例えば、270°開始位置変更モードと通常モード、90°開始位置変更モードと270°開始位置変更モードでも同様の効果が得られる。
2倍密画素ずらしの実施形態については、4倍密画素ずらしの場合にも成立するため、2倍密画素ずらしの場合を省略し、4倍密画素ずらしの場合についてのみ説明している。
[9.変形例]
図19は、実施の形態のスタック投写表示システムの構成を複数組用いた表示システムの構成を説明する模式図である。この表示システムは、左2台スタック、右2台スタックにタイリングして一つの映像を構成している。すなわち、プロジェクタ100Aと100Bが第1のグループを構成し、プロジェクタ100Cと100Dが第2のグループを構成する。
2組のプロジェクタ100A、100Bと100C、100Dからの投写領域の間は、投写領域の縁部を隙間なく並べることは困難なため、映像光が重畳するように投写している。映像光が重畳する投写領域は、重畳しない領域に比べて輝度が高くなってしまうことを抑制するため、輝度を半減させる(ブレンディング)信号処理が施されている。このように、投写面上に投写された複数の投写画像の隣り合う投写画像どうしの一部が重なるように投写する処理をするスタック投写表示システムを複数備える投写表示システムを、ブレンディング投写表示システムという。
図19に示すように、4台のプロジェクタ100A、100B、100C、100Dを制御するため、パーソナルコンピュータ415が外部制御部として、4台のプロジェクタ100A、100B、100C、100Dに接続される。パーソナルコンピュータ415は、プロジェクタ100Aと100Bには同一の映像信号、100Cと100Dには同一の映像信号を、それぞれ表示させるべき映像の映像信号を分割して出力する。表示させるべき映像には、上記重畳領域の映像を含む。すなわち、この場合、パーソナルコンピュータ415が、リモコンに代わって、プロジェクタ100A、100B、100C、100Dのマイクロコンピュータに制御の指示をすることになる。
具体的には、パーソナルコンピュータ415は、プロジェクタ100Aに通常モードで投写するよう指示すると共に、プロジェクタ100Bには、実施の形態のように、180°位相ずらしモードを投写するよう指示する。また、プロジェクタ100Cには通常モード、プロジェクタ100Dには180°位相ずらしモードで投写するよう指示をする。このように、プロジェクタ100Aとプロジェクタ100Cまたはプロジェクタ100Dのどちらか一方は同じ投写モードである必要があり、もう一方は、プロジェクタ100Bと同じである必要がある。
これにより、スクリーンに投写される映像上で、出力順がプロジェクタ100Aとプロジェクタ100Cとで一致、プロジェクタ100Bと100Dで一致すると共に、ユーザーから見たスクリーン上での表示位置も一致する。したがって、スタック設置されたプロジェクタ100を複数組用いて、共通の映像を表示する場合においても、表示している映像とスクリーン上での表示位置との整合を取ることができる上、複数台のプロジェクタ間の整合も取ることができる。これにより、画素シフトに伴うノイズを投写映像上で均一に低減することができる。
本実施例では、プロジェクタ100Aと100Cのモードを一致させたが、プロジェクタ100Aと100Dを一致させてもよい。その場合、プロジェクタ100Bと100Cを一致させるとよい。また、100Aは通常モード、100Bは180°位相ずらしモードとしたが、実施の形態にあるように、100Aと100Bが異なる位相であれば、ノイズ低減の効果を得ることができる。
[10.画素シフト開始位置調整モードの実施の形態]
画素シフトの開始位置を手動で調整する場合の実施の形態について、以下に説明する。
図20は投写映像上の一つの画素の4つの状態を表す模式図である。図20(A)は、画素シフトの位相0°の場合の画素点灯位置、図20(B)は、画素シフトの位相90°の場合の画素点灯位置、図20(C)は、画素シフトの位相180°の場合の画素点灯位置、図20(D)は、画素シフトの位相270°の場合の画素点灯位置を示している。
以下、ユーザーから見て、画素が左上で停止する状態を状態A、右上で停止する状態を状態B、右下で停止する状態を状態C、左下で停止する状態を状態Dとする。
ユーザーは、例えばリモコンを用いて、調整モードを設定することができる。プロジェクタ100Aまたは、100Bが調整モードに設定された場合、画素シフトは動作を停止する。調整モードでは、フォーカス調整、レンズシフト、ズーム、画素シフト開始位置、及び画素シフト量の項目を調整することが可能であるが、ここでは、画素シフトについて説明する。
ユーザーがリモコンまたは、プロジェクタ本体を用いて、調整モードを選択したとき、画素シフトは、特定の位置で停止するものとする。
ただし、その停止位置はプロジェクタ100の設置姿勢が異なっても、ユーザーからの見た目が一致するように停止される。画素シフト調整時は、図20に示す、4つの状態から選択する。Aを選択した場合、画素シフトは左上の状態で停止、Bを選択した場合は右上の状態で停止、Cを選択した場合は右下で停止し、Dを選択した場合は左下で停止する。
プロジェクタ100A、100B2台用いて、スタック設置をする場合において、2台の姿勢の組み合わせと、その調整方法について説明する。
[10−1.同一姿勢の場合]
プロジェクタ100Aとプロジェクタ100Bが同一の姿勢である場合、プロジェクタ100Aの画素シフト開始位置は状態A、すなわち通常モード。プロジェクタ100Bの画素シフト開始位置は状態Cすなわち180°位相ずらしモードを選択する。
このことにより、実施の形態と同様に、画素シフト開始位置をずらすことによるノイズ低減を行うことができる。
[10−2.天地逆転設置の場合]
プロジェクタ100Aとプロジェクタ100Bが天地逆転している場合。プロジェクタ100Aは状態A、プロジェクタ100Bは状態Cに設定する。天地逆転する場合とは、一方のプロジェクタが天吊り状態に設置されるような場合である。
このとき、ユーザーから見たそれぞれの画素シフト開始位置は、プロジェクタの投写映像は右上、プロジェクタ100Bの投写映像は右下となり上記実施の形態1の180°位相ずらしの状態となる。ただし、出力される映像はプロジェクタ100Aとプロジェクタ100Bは、上下反転されたものとなる。
このことにより、実施の形態と同様に、画素シフト開始位置をずらすことによるノイズ低減を行うことができる。
本実施の形態では、調整モード選択時に、画素シフトの停止位置が、ユーザーから見て左上で停止するよう説明したが、ユーザーからの見た目が一致すれば、その他の位置で停止してもかまわない。
[11.調整用テストパターン]
スタック投写表示の調整モード時において、現在の状態を目視で確認するための手順と表示パターンについて説明する。この調整モードにおいては、ユーザーからのリモコン操作による指示に従って、マイクロコンピュータが制御動作を行うものとする。
調整モードにおいて、まず2台のプロジェクタ100A、100Bの、画素シフト開始位置を同じ位置に設定する。次に、両方のプロジェクタに1画素毎に白黒が変化する市松模様のパターン(図示せず)を表示する。ここで、市松模様は、第一の画像の一例である。
ユーザーは、ズーム、レンズシフト機能を用いて、2台のプロジェクタで投写されるスクリーン上での映像を重ねる。このように画素シフトを両方のプロジェクタを共通の状態で停止し、市松模様を重ね合わせる調整が、第一の調整モードである。
次に、プロジェクタ100A、100Bそれぞれの画素シフト開始位置を、設定用パターンを用いて設定する。設定用パターン画像とその見え方について、図21を用いて説明する。
プロジェクタ100Aの表示パターンは、図21(a1)のように、緑地Gに、黒色で2画素幅の縦線と横線の組み合わせである。プロジェクタ100Bの表示パターンは図21(a3)のように、黒地に、緑色で1画素幅の縦線と横線の組み合わせ、すなわち、図21(a1)の図形と、図21(a4)の図形の組み合わせである。ここで、プロジェクタ100Aの表示パターンである図21(a1)は、第二の画像の一例であり、プロジェクタ100Bの表示パターンである図21(a3)は、第三の画像の一例である。
プロジェクタ100A、100Bの、それぞれのパターンの描画位置について説明する。図21(b)は、プロジェクタ100A、100Bの表示パターンを、画素シフト開始位置変更をせずに重ねた状態である。プロジェクタ100Bの緑色の1画素幅の縦線は、プロジェクタ100Aの黒色の2画素幅の縦線の左側半分と重なり、プロジェクタ100Bの緑色の1画素幅の横線は、プロジェクタ100Aの投写する画像の黒色の2画素幅の横線の上側半分と重なる。上述した市松模様のパターンでプロジェクタ100Aと100Bの表示が重なるように設置していれば、プロジェクタ100Aと100Bから投影される画像は以上を満たす図21(b)のように描画される。
[11−1.180°位相ずらしの場合]
図21(b)の状態から、画素シフト開始位置を180°位相ずらしの状態に変化させると、図21(c)のように表示される。
プロジェクタ100Bの緑色の縦線は、プロジェクタ100Aの黒色の縦線の中心に表示され、プロジェクタ100Bの緑色の横線は、プロジェクタ100Aの黒色の横線の中心に表示される。このように、プロジェクタ100Aと、プロジェクタ100Bとが異なる位置で画素シフトを停止して、図21(c)のように表示されるようにしたのが、第二の調整モードの一例である。
[11−2.90°位相ずらしの場合]
画素シフト開始位置を90°位相ずらしの状態に変化させると図21(d)のように表示される。
プロジェクタ100Bの緑色の縦線は、プロジェクタ100Aの黒色の縦線の中心に表示され、プロジェクタ100Bの緑色の横線は、プロジェクタ100Aの黒色の上半分に重なるよう表示される。
このように、プロジェクタ100Aと、プロジェクタ100Bとが異なる位置で画素シフトを停止して、図21(d)のように表示されるようにしたのが、第二の調整モードの他の例である。
[11−3.270°位相ずらしの場合]
画素シフト開始位置を270°位相ずらしの状態に変化させると図21(e)のように表示される。
プロジェクタ100Bの緑色の縦線は、プロジェクタ100Aの黒色の縦線の上半分に重なるよう表示され、プロジェクタ100Bの緑色の横線は、プロジェクタ100Aの黒色の中心に表示される。
このように、プロジェクタ100Aと、プロジェクタ100Bとが異なる位置で画素シフトを停止して、図21(e)のように、表示されるようにしたのが、第二の調整モードのさらに別の例である。
このようにして、位相ずらしの状態を目視で確認することができる。
また、例えば、9−1で説明したように、図21(b)の状態から、画素シフト開始位置を180°位相ずらしの状態に変化した際に、図21(c)のように中心に表示されず、上下または左右の黒色の線の幅が異なるように表示された場合、ユーザーは例えばリモコンを使って、アクチュエータの駆動信号電流を制御することにより、画素シフト幅を変化させ、図21(c)の状態に変化させることができる。
次に、プロジェクタ100Aと100Bに入力する画像を互いに入替、同様の確認を実施する。
このことにより、画素シフト開始位置をスタックされる二台のプロジェクタ100A、100Bについて、それぞれ設定することにより、画素シフトによるノイズを低減することができる。
本実施の形態では、プロジェクタ100A、100Bが同一姿勢の場合について述べたが、天吊りの場合も同様のパターンにて確認することができる。
このことにより、プロジェクタ100Aと100Bの画素シフト開始位置が異なるように設定されていることが視覚的に確認され、画素シフト開始の位相をずらした状態から映像表示を行うことで画素シフトによるノイズを低減することができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、プロジェクタをスタック投写表示するときに有効である。
100、100A、100B、100C、100D プロジェクタ
101 照明光学系
110 発光管
120 リフレクタ
130 光源
160、180 レンズ
170 ロッド
190 ミラー
200 フィールドレンズ
201 全反射プリズム
202 カラープリズム
203 プリズムブロック
210 空気層
220、230 ダイクロイック膜
221、231、270、280、290 プリズム
240、250、260 DMD
300 投写光学系
400 平行平板ガラス
401、401a、401b、401c、401d アクチュエータ
402、402a、402b、402c、402d 位置センサ
403、403a、403b、403c、403d 位置検出回路
404a、404b、404c、404d 駆動回路
406、406a、406b、406c、406d 連結部材
407、407a、407b、407c、407d 可動部
405 マイクロコンピュータ
410 映像生成部
411 DMD駆動部
412 リモコン信号受光部
413 リモコン信号受信部
415 パーソナルコンピュータ
4000 光学素子駆動装置
4001 映像出力システム
4011 ヨーク
4012 永久磁石
4014 コイル
4070 ガイド窓
510、520 画素

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源から入射される光を映像信号で変調して映像光として出射する光変調素子と、
    前記光変調素子からの映像光の光路を変位させることによって、投写面に投写される投写画像の画素を画素シフトする画素シフト素子と、
    前記画素シフト素子による画素シフトの状態遷移を制御する画素シフトコントローラと、を備え、
    前記画素シフトコントローラは、前記画素シフトの状態遷移の開始位置の順序を変更する、投写型映像表示装置。
  2. 前記画素シフトコントローラは、ユーザーの操作により、画素シフトの状態遷移の開始位置の順序を変更するための調整モードを有し、この調整モード開始時に、ユーザー設定に応じた位置で画素シフトを停止する、請求項1に記載の投写型映像表示装置。
  3. 前記画素シフトコントローラは、前記調整モードにおいて、前記画素シフト素子による映像光の投写面上での画素シフト量の変更をする、請求項2に記載の投写型映像表示装置。
  4. 請求項1に記載の投写型映像表示装置を複数台備え、これら複数台の投写型映像表示装置の投写画像を投写面上にスタック投写する投写表示システムであって、
    前記各投写型映像表示装置による投写画像の画素シフトの状態遷移の順序が異なっている、スタック投写表示システム。
  5. 請求項4に記載のスタック投写表示システムを複数グループ設置し、投写面上に投写された複数の投写画像の隣り合う投写画像どうしの一部が重なるように投写するブレンディング投写をする投写表示システムであって、
    前記各スタック投写表示システムの投写型映像表示装置の画素シフトの状態遷移の順序は、それぞれ一致するよう制御される、ブレンディング投写表示システム。
  6. 請求項2に記載の投写型映像表示装置を使用してスタック投写表示するスタック投写表示システムであって、
    前記調整モードは、第一の調整モードと第二の調整モードを有しており、
    第一の調整モードでは、前記画素シフトコントローラは、画素シフトを全ての投写型映像装置で共通の状態で停止するとともに、全ての投写型映像装置で共通の第一の画像を光変調部に供給し、
    第二の調整モードでは、前記画素シフトコントローラは、投写システムを構成する少なくとも1台の投写型映像表示装置が、その他の投写型映像表示装置と異なる状態で停止するとともに第二の画像を光変調部に供給し、その他の投写型映像表示装置には第三の画像を光変調部に供給する、スタック投写表示システム。
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