JP2017223418A - 発電方法及び発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電装置3による発電方法は、廃棄物処理装置2における廃棄物の処理に伴い発生した排ガスを発電用のボイラ10に送ることと、ボイラ10を通過した排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収することと、硫黄化合物の少なくとも一部をボイラ10よりも上流側に還流させることと、を含む。
【選択図】図1
Description
1.1 廃棄物発電システム
図1に示すように、廃棄物発電システム1は、廃棄物処理装置2と発電装置3とを備える。
廃棄物処理装置2は、熱エネルギーにより廃棄物を減容化する処理を行い、これに伴いガスを発生する。以下、廃棄物処理装置2における廃棄物の処理に伴い発生するガスを「排ガス」という。廃棄物処理装置2は、排ガス中の硫黄を除去するための要素を有しない。廃棄物処理装置2の具体例としては、焼却炉又はガス化溶融炉等が挙げられる。焼却炉は、廃棄物を燃焼させることで減容化する。ガス化溶融炉は、廃棄物中の可燃成分を熱分解によりガス化し、ガス化せずに残存した成分を溶融させる。
発電装置3は、廃棄物処理装置2における廃棄物処理に伴い発生する熱エネルギーを利用して発電を行う。発電装置3は、ボイラ10と、エコノマイザ20と、抽出装置30と、還流機構40とを有する。
ボイラ10は、廃棄物処理装置2における廃棄物の処理に伴い発生し、硫黄を除去する処理を経ることなく排出された排ガスから、発電用に熱エネルギーを回収する。例えばボイラ10は、複数の過熱器管11を有する。過熱器管11は、排ガスと水との熱交換により発生した蒸気を更に加熱して過熱蒸気を発生させる。ボイラ10は、過熱器管11により発生させた過熱蒸気を発電用のタービン(不図示)に送る。
エコノマイザ20は、ボイラ10を通過した排ガス中に残る熱エネルギーにより、ボイラ10への供給用の水を予熱する。
抽出装置30は、ボイラ10を通過した排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収する。硫黄化合物の具体例としては、硫酸カルシウム(CaSO4)等が挙げられる。例えば抽出装置30は、中和剤供給部31と、フィルタ32と、洗浄機構33とを有する。
図1に戻り、還流機構40は、硫黄化合物の少なくとも一部をボイラ10よりも上流側に還流させる。「上流側」とは、廃棄物中の成分が廃棄物処理装置2及びボイラ10を順に経て通過する経路における上流側を意味する。「還流」とは、上記経路における下流側から上流側に物質を戻すことを意味する。以下においても同様である。
発電装置3は、成分調節機構50を更に備えてもよい。成分調節機構50は、上記硫黄化合物の一部をボイラ10よりも上流側には還流させずに排出する。例えば成分調節機構50は、上記残渣をカッターにより切断し、一部をコンベヤ41に送り、残りの一部を系外に排出する。「系外」とは、ボイラ10及びエコノマイザ20を経て抽出装置30に至り、抽出装置30からボイラ10よりも上流側に還流する循環経路の外を意味する。
発電装置3は、コントローラ60及び成分計61を更に備えてもよい。成分計61は、排ガス中に含まれる塩素化合物及び硫黄化合物の量をそれぞれ検出する。例えば成分計61は、エコノマイザ20から抽出装置30に排ガスを導く経路に設けられ、エコノマイザ20を通過した排ガス中に含まれる塩素化合物及び硫黄化合物の量をそれぞれ検出する。
a) 成分計61による検出値を電気信号として取得する。
b) 上記aにおいて取得した検出値に基づいて、排ガス中の塩素の量に対する排ガス中の硫黄の量の比率を算出する。
c) 上記bにおいて算出した比率が上記閾値よりも低い場合には、排出する硫黄化合物の量を減らすように成分調節機構50を制御する。
続いて、発電方法の一例として、廃棄物発電システム1により実行される廃棄物処理及び発電の手順を説明する。当該発電手順は、廃棄物処理装置2における廃棄物の処理に伴い発生し、硫黄を除去する処理を経ることなく排出された排ガスを発電用のボイラ10に送ることと、ボイラ10を通過した排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収することと、硫黄化合物の少なくとも一部をボイラ10よりも上流側に還流させることと、を含む。以下、当該発電手順の具体例を示す。
a) 成分計61による検出値を電気信号として取得する。
b) 上記aにおいて取得した検出値に基づいて、排ガス中の塩素の量に対する排ガス中の硫黄の量の比率を算出する。
c) 上記bにおいて算出した比率が上記閾値よりも低い場合には、排出する硫黄化合物の量を減らすように成分調節機構50を制御する。
以上に説明したように、第一実施形態に係る発電装置3によれば、廃棄物処理装置における廃棄物の処理に伴い発生した排ガスを発電用のボイラ10に送ることと、ボイラ10を通過した排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収することと、硫黄化合物の少なくとも一部をボイラ10よりも上流側に還流させることと、を含む発電方法を実行可能である。
図3に示すように、第二実施形態に係る廃棄物発電システム1Aは、発電装置3の洗浄機構33及び還流機構40を洗浄機構33A及び還流機構40Aにそれぞれ置き換えたものである。図4に示すように、洗浄機構33Aは、洗浄機構33の回収機構36を回収機構36Aに置き換えたものである。
図5に示すように、第三実施形態に係る廃棄物発電システム1Bは、発電装置3の還流機構40を還流機構40Bに置き換えたものである。還流機構40Bは、脱水処理により得られた残渣に乾燥処理を施し、乾燥処理により得られた粉状体を、ボイラ10に送られる排ガスに吹き込むように構成されている。例えば還流機構40Bは、乾燥機構44と、ブロワ45と、ノズル46とを有する。
図6に示すように、第四実施形態に係る廃棄物発電システム1Cは、発電装置3の抽出装置30を抽出装置70に置き換えたものである。抽出装置70は、第一中和剤供給部71と、第一フィルタ72と、第二中和剤供給部73と、第二フィルタ74とを含む。
図7に示すように、第五実施形態に係る廃棄物発電システム1Dは、廃棄物発電システム1Cの抽出装置70を抽出装置70Aに置き換えたものである。抽出装置70Aは、抽出装置70の第一中和剤供給部71及び第一フィルタ72を第一中和剤供給部71A及び第一フィルタ72Aにそれぞれ置き換えたものである。
実測結果に基づき設定した以下の条件下にて、ボイラを通過した排ガスにおけるS/CL比率を算出した。
条件1) 廃棄物発電システム1を用いる。
条件2) フィルタ32における塩素の回収率(排ガス中に含まれる塩素のうち、フィルタ32において回収される塩素の比率)は、95%である。
条件3) フィルタ32における硫黄の回収率(排ガス中に含まれる硫黄のうち、フィルタ32において回収される硫黄の比率)は、80%である。
条件4) 混合機構34における塩素の溶解率(混合機構34に送られた塩素のうち、水に溶解する塩素の比率)は99%である。
条件5) 混合機構34における硫黄の溶解率(混合機構34に送られた硫黄のうち、水に溶解する硫黄の比率)は25%である。
条件6) 残渣の1/7を系外に排出し、残渣の6/7をボイラ10よりも上流側に還流させる。
条件7) ボイラ10よりも上流側に還流させた残渣に含まれる塩素及び硫黄の全てがボイラ10に進入するものと仮定する。
以下の条件下にて、ボイラを通過した排ガスにおけるS/CL比率を算出した。
条件1) 実施例と同じ。
条件2) 実施例と同じ。
条件3) 実施例と同じ。
条件4) 実施例と同じ。
条件5) 実施例と同じ。
条件6) 全ての残渣を系外に排出し、ボイラ10よりも上流側に還流させない。
実施例におけるS/Cl比率は、比較例におけるS/Cl比率に対して約2倍であった。この結果より、排ガスから回収した硫黄化合物をボイラ10よりも上流側に還流させることにより、添加剤を別途準備することなくS/Cl比率を上昇させられることが確認された。
Claims (20)
- 廃棄物処理装置における廃棄物の処理に伴い発生した排ガスを発電用のボイラに送ることと、
前記ボイラを通過した前記排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収することと、
前記硫黄化合物の少なくとも一部を前記ボイラよりも上流側に還流させることと、を含む発電方法。 - 前記硫黄化合物の一部を前記ボイラよりも上流側には還流させずに排出することを更に含む、請求項1記載の発電方法。
- 前記排ガス中の塩素の量に対する前記排ガス中の硫黄の量の比率が所定の閾値を超えるように、排出する前記硫黄化合物の量を調節することを更に含む、請求項2記載の発電方法。
- 前記硫黄化合物を生成し、回収することは、
前記排ガスをアルカリ性の中和剤に接触させ、前記排ガス中の酸性成分と前記中和剤との中和により得られた物質を前記排ガスから分離することと、
前記物質を水に混入させることと、
前記物質のうち、水に溶解しなかった成分を回収することと、を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の発電方法。 - 水に溶解しなかった成分を回収することは、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施して得られる残渣を回収することを含み、
前記硫黄化合物の少なくとも一部を前記ボイラよりも上流側に還流させることは、前記残渣の少なくとも一部を前記廃棄物処理装置に投入することを含む、請求項4記載の発電方法。 - 水に溶解しなかった成分を回収することは、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施して得られるスラリー状の残渣を回収することを含み、
前記硫黄化合物の少なくとも一部を前記ボイラよりも上流側に還流させることは、前記スラリー状の残渣を前記ボイラに送られる前記排ガスに吹き込むことを含む、請求項4記載の発電方法。 - 水に溶解しなかった成分を回収することは、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施して得られる残渣を回収することを含み、
前記硫黄化合物の少なくとも一部を前記ボイラよりも上流側に還流させることは、前記残渣に乾燥処理を施して得られる粉状体を、前記ボイラに送られる前記排ガスに吹き込むことを含む、請求項4記載の発電方法。 - 前記硫黄化合物を生成し、回収することは、
前記排ガスをアルカリ性の第一中和剤に接触させ、前記排ガス中の酸性成分と前記第一中和剤との中和により得られた第一物質の少なくとも一部を前記排ガスから分離することと、
前記第一物質が分離された前記排ガスをアルカリ性の第二中和剤に接触させ、前記排ガス中の酸性成分と前記第二中和剤との中和により得られた第二物質の少なくとも一部を前記排ガスから分離して回収することと、を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の発電方法。 - 前記第一中和剤として、スラリー状の中和剤を用い、
前記第二中和剤として、粉状の中和剤を用いる、請求項8記載の発電方法。 - 前記第二中和剤として供給するアルカリ性成分の量に比較して多くのアルカリ性成分を前記第一中和剤として供給する、請求項8又は9記載の発電方法。
- 廃棄物処理装置における廃棄物の処理に伴い発生した排ガスから、発電用に熱エネルギーを回収するためのボイラと、
前記ボイラを通過した前記排ガスに含まれる硫黄から硫黄化合物を生成し、回収するための抽出装置と、
前記硫黄化合物の少なくとも一部を前記ボイラよりも上流側に還流させるための還流機構と、を備える発電装置。 - 前記硫黄化合物の一部を前記ボイラよりも上流側には還流させずに排出するための成分調節機構を更に備える、請求項11記載の発電装置。
- 前記排ガス中の塩素の量に対する前記排ガス中の硫黄の量の比率が所定の閾値を超えるように、前記成分調節機構を制御するコントローラを更に備える請求項12記載の発電装置。
- 前記抽出装置は、
前記排ガスがアルカリ性の中和剤に接触するように、当該中和剤を供給する中和剤供給部と、
前記排ガス中の酸性成分と前記中和剤との中和により得られた物質を前記排ガスから分離するフィルタと、
前記物質を水に混入させる混合機構と、
前記物質のうち、水に溶解しなかった成分を回収する回収機構と、を有する、請求項11〜13のいずれか一項記載の発電装置。 - 前記回収機構は、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施し、前記脱水処理により得られた残渣を回収し、
前記還流機構は、前記残渣の少なくとも一部を前記廃棄物処理装置に投入する、請求項14記載の発電装置。 - 前記回収機構は、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施し、前記脱水処理により得られたスラリー状の残渣を回収し、
前記還流機構は、前記スラリー状の残渣を前記ボイラに送られる前記排ガスに吹き込む、請求項14記載の発電装置。 - 前記回収機構は、前記物質を混入させた水に対して脱水処理を施し、前記脱水処理により得られた残渣を回収し、
前記還流機構は、前記脱水処理により得られた残渣に乾燥処理を施し、前記乾燥処理により得られた粉状体を、前記ボイラに送られる前記排ガスに吹き込む、請求項14記載の発電装置。 - 前記抽出装置は、
前記排ガスがアルカリ性の第一中和剤に接触するように、当該第一中和剤を供給する第一中和剤供給部と、
前記排ガス中の酸性成分と前記第一中和剤との中和により得られた第一物質の少なくとも一部を前記排ガスから分離する第一フィルタと、
前記第一物質が分離された前記排ガスがアルカリ性の第二中和剤に接触するように、当該第二中和剤を供給する第二中和剤供給部と、
前記排ガス中の酸性成分と前記第二中和剤との中和により得られた第二物質の少なくとも一部を前記排ガスから分離して回収する第二フィルタと、を含む、請求項11〜13のいずれか一項記載の発電装置。 - 前記第一中和剤供給部は、スラリー状の中和剤を前記第一中和剤として供給し、
前記第二中和剤供給部は、粉状の中和剤を前記第二中和剤として供給する、請求項18記載の発電装置。 - 前記第一中和剤供給部は、前記第二中和剤供給部が前記第二中和剤として供給するアルカリ性成分の量に比較して多くのアルカリ性成分を前記第一中和剤として供給する、請求項18又は19記載の発電装置。
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JP2020146624A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
CN112628781A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 四川天壹环保科技有限公司 | 一种干式脱酸降温设备 |
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