JP2017223239A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダストリップを備えることによる油膜の掻き出しや摺動摩耗が発生せず、シール性を向上させることができる密封装置を提供する。
【解決手段】ハウジング側に固定され軸の周面に摺動可能に接触することにより機内の密封対象をシールするシールリップを有し、シールリップの機外側にダストの侵入を抑制するダストシールを設けた密封装置であって、ダストシールは、その先端部を軸に固定されるとともに軸の往復動に伴って弾性変形する環状の膜状体よりなることを特徴とする。膜状体は、先端部および基端部よりも中央部の径が大きい形状よりなり、または蛇腹形状よりなる。ダストシールは、先端部が止め輪によって軸に固定される。密封装置はショックアブソーバー用シールとして用いられる。
【選択図】図2
【解決手段】ハウジング側に固定され軸の周面に摺動可能に接触することにより機内の密封対象をシールするシールリップを有し、シールリップの機外側にダストの侵入を抑制するダストシールを設けた密封装置であって、ダストシールは、その先端部を軸に固定されるとともに軸の往復動に伴って弾性変形する環状の膜状体よりなることを特徴とする。膜状体は、先端部および基端部よりも中央部の径が大きい形状よりなり、または蛇腹形状よりなる。ダストシールは、先端部が止め輪によって軸に固定される。密封装置はショックアブソーバー用シールとして用いられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、シール技術に係る密封装置に関する。本発明の密封装置は例えば、自動車関連の分野で用いられ、または一般産業機械の分野などで用いられる。また本発明の密封装置は、ショックアブソーバー用シールとして用いられる。
従来から図4に示すショックアブソーバー用シール51が知られている。このシール51は、機内Iの密封対象(オイル)をシールするシールリップ52を有し、このシールリップ52の機外O側にダストの侵入を抑制するためのダストリップ53が設けられ、これらのリップ52,53が取付環54を介してロッドガイド61とともに外筒62に組み付けられている。ダストリップ53としては、1本のリップに2つのリップ端53a,53bを備えるリップ端2段仕様が一般的とされている。
上記従来技術では、軸63が往復動する際に、軸63およびシールリップ52間に発生した油膜をダストリップ53が掻き出してしまうことや、機外Oから侵入したダストがダストリップ53および軸63間の摺動部に介在してダストリップ53に摺動摩耗が発生することにより、シール性の低下につながることがある。
本発明は以上の点に鑑みて、油膜の掻き出しや摺動摩耗が発生することがなく、もってシール性を向上させることができる密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の密封装置は、ハウジング側に固定され軸の周面に摺動可能に接触することにより機内の密封対象をシールするシールリップを有し、前記シールリップの機外側にダストの侵入を抑制するダストシールを設けた密封装置であって、前記ダストシールは、その先端部を前記軸に固定されるとともに前記軸の往復動に伴って弾性変形する環状の膜状体よりなることを特徴とする。
本発明において、機外のダストの侵入を抑制するのは、軸と摺動するダストリップではなく、先端部を軸に固定するとともに軸の往復動に伴って弾性変形する環状の膜状体よりなるダストシールとされ、このダストシールは先端部が軸に固定されることにより軸と摺動しないので、油膜の掻き出しや摺動摩耗がまったく発生しない。また、このダストシールは先端部が軸に固定されるので、ダストに対するほぼ完全なシール作用を発揮することが可能とされる。
環状の膜状体の形状は特に限定されないが、例えば先端部および基端部よりも中央部の径が大きい形状とするのが好適であり、この形状によれば膜状体が例えば半裁断面円弧形とされて径方向外方へ向けての膨らみが設定されるため、膨らみが大きくなったり小さくなったりするように弾性変形する。また膜状体は蛇腹形状であっても良く、この場合は蛇腹が軸方向に伸縮するように弾性変形する。
ダストシールの先端部は、上記したように軸と摺動せず、軸に固定され、軸とともに往復動する。固定構造としては、嵌合や接着などであっても良いが、止め輪によって固定するのが好適であり、この構造によれば固定作業が容易で、しかも先端部が軸に対してずれにくい。
本発明の密封装置は例えば、ショックアブソーバー用シールとして用いられる。
本発明においては、油膜の掻き出しや摺動摩耗が発生せず、シール性を向上させることができる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係る密封装置11を示している。
当該実施例に係る密封装置11は、ショックアブソーバー用シールとして用いられるものであって、ロッドガイド61とともにハウジングとしての外筒62に組み付けられる取付環12の内周部にゴム状弾性体13が被着(架橋接着)され、このゴム状弾性体13によって、軸(ロッド)63の周面に摺動可能に接触することにより機内Iの密封対象(オイル)をシールするシールリップ14が設けられ、このシールリップ14の機外O側に位置して、ダストの侵入を抑制するダストシール21が設けられている。シールリップ14には軸63に対する締め代を調整するため、ガータースプリング15が嵌着されている。
ダストシール21は、環状の膜状体22によって構成されている。
膜状体22は、所定の厚みおよび軸方向長さを備え、その基端部22aをもってシールリップ14の背面側に一体に成形され、先端部22bをもって軸63の外周面に固定され、軸63の往復動に伴って弾性変形するものとされている。
また、この膜状体22は、その先端部22bおよび基端部22aよりも軸方向の中央部22cの径寸法が大きい半裁断面円弧形の形状よりなるものとされている。
先端部22bは、軸63の外周面に設けた位置決め用の溝部64に嵌め込まれ、先端部22bの外周側にCリング等の止め輪31が嵌着され、この止め輪31をもって溝部64内に固定されている。
上記構成の密封装置11がショックアブソーバーに装着され、ショックアブソーバーが作動して軸63がその中心軸線方向に往復動すると図2に示すように、ダストシール21は軸63と摺動せず、軸63の往復動に伴って径方向外方へ向けての膨らみが大きくなったり小さくなったりするように弾性変形する。したがって、軸63およびシールリップ14間に発生した油膜をダストシール21が掻き出したりダストシール21に摺動摩耗が発生したりすることがないために、シール性を向上させることができる。また、ダストシール21は先端部22bが軸63に固定されるので、ダストに対するほぼ完全なシール作用を発揮することが可能とされる。したがってこの点からしてもシール性を向上させることができる。
環状の膜状体22の形状について、上記実施例では断面円弧形状としたが、これには限定されず、軸63のストローク全長に対し膜状体22がゆとりをもって弾性変形するものであれば良い。ここに、ゆとりをもってとは、膜状体22が軸方向に引き延ばされる状態に達しないことを云う。
図3に示す第2例では、膜状体22が所要数(複数)の山谷を備える蛇腹形状とされており、このような形状によれば、膜状体22は軸方向に収縮しても径方向外方へ膨らまないので、設置スペースのコンパクト化を実現することができる。
11 密封装置
12 取付環
13 ゴム状弾性体
14 シールリップ
15 ガータースプリング
21 ダストシール
22 膜状体
22a 基端部
22b 先端部
22c 中央部
31 止め輪
61 ロッドガイド
62 外筒
63 軸
64 溝部
12 取付環
13 ゴム状弾性体
14 シールリップ
15 ガータースプリング
21 ダストシール
22 膜状体
22a 基端部
22b 先端部
22c 中央部
31 止め輪
61 ロッドガイド
62 外筒
63 軸
64 溝部
Claims (5)
- ハウジング側に固定され軸の周面に摺動可能に接触することにより機内の密封対象をシールするシールリップを有し、前記シールリップの機外側にダストの侵入を抑制するダストシールを設けた密封装置であって、
前記ダストシールは、その先端部を前記軸に固定されるとともに前記軸の往復動に伴って弾性変形する環状の膜状体よりなることを特徴とする密封装置。 - 請求項1記載の密封装置において、
前記環状の膜状体は、その先端部および基端部よりも中央部の径が大きい形状よりなることを特徴とする密封装置。 - 請求項1記載の密封装置において、
前記環状の膜状体は、蛇腹形状よりなることを特徴とする密封装置。 - 請求項1、2または3記載の密封装置において、
前記ダストシールは、その先端部が止め輪によって前記軸に固定されることを特徴とする密封装置。 - 請求項1、2、3または4記載の密封装置において、
当該密封装置は、ショックアブソーバー用シールであることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016116919A JP2017223239A (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016116919A JP2017223239A (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 密封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017223239A true JP2017223239A (ja) | 2017-12-21 |
Family
ID=60687903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016116919A Pending JP2017223239A (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017223239A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102018209035A1 (de) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | Hyundai Mobis Co., Ltd. | Luftfedervorrichtung |
-
2016
- 2016-06-13 JP JP2016116919A patent/JP2017223239A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102018209035A1 (de) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | Hyundai Mobis Co., Ltd. | Luftfedervorrichtung |
DE102018209035B4 (de) | 2018-06-07 | 2022-07-07 | Hyundai Mobis Co., Ltd. | Luftfedervorrichtung |
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