JP2017222780A - タイヤ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤ - Google Patents

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朋子 前田
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幸伸 河村
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睦樹 杉本
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Abstract

【課題】良好な耐クラック性、耐変色性を有するタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
一般にゴム製品は、大気中のオゾンや酸素によって劣化し、表面に亀裂(クラック)が生じる。この亀裂は、ゴム製品にかかる静的及び動的応力により進行し、その結果、ゴム材料が破壊に至る。
このような亀裂を抑制するために、すなわち、耐クラック性を改善するために、ゴム製品、とりわけタイヤに用いられるゴム組成物(特に、使用環境下で大気中にさらされるトレッド、サイドウォール、クリンチ、ウイングに使用されるタイヤ用ゴム組成物)においては、オゾンと反応しやすい老化防止剤やゴム製品の表面に保護膜を形成するためのワックスが予め配合されている。
老化防止剤もワックスも表面に析出しなければ耐オゾン性の効果を発揮できないが、特にワックスは表面に析出して皮膜を形成しなければ耐オゾン性の効果を発揮することができない。ワックスの配合量を多くすることで表面のワックス皮膜を厚くすることはできるが、白色化等による外観不良が生じるという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、予め着色しておいたワックスを配合することで、耐オゾン性を保ちつつ、タイヤ表面の白色化を抑制する手法が提案されている。
特開2014−12802号公報
従来から、ワックスの配合量が多いほど耐クラック性が改善するものと考えられてきたが、本発明者らが鋭意検討した結果、実際には、ゴム表面に析出したワックス皮膜の厚み(ワックスの表面析出量)が重要であり、ワックスの表面析出量が多くなりすぎるとワックス皮膜に割れが生じやすくなり、耐クラック性が低下するおそれがあることが分かった。
更に、本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1の手法では、白色化を防ぐことはできるものの、表面に析出したワックス皮膜の厚みは変化しないため、ワックス皮膜の割れを防ぐことはできないという問題があり、耐クラック性については改善の余地があることが分かった。
本発明は、前記課題を解決し、良好な耐クラック性、耐変色性を有するタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ワックスの含有量が、ゴム組成物100質量%中0.6〜1.25質量%であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、屋外に6カ月間静置した後、色差計を用いて測定した色差(−(a+b)×10)が−20より大きいことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物、サイドウォール用ゴム組成物、クリンチ用ゴム組成物及び/又はウイング用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤに関する。
上記タイヤ部材が、トレッド、サイドウォール、クリンチ及び/又はウイングであることが好ましい。
本発明によれば、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物であるので、良好な耐クラック性、耐変色性を有し、耐クラック性、耐変色性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物)は、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmである。
ゴム組成物に配合されたワックスは、全てがゴム表面に析出するわけではなく、ある程度表面を覆うとそれ以上は析出しなくなり、膜厚が安定化する。本発明者らの検討の結果、ワックスの析出を促進するためには最適温度があり、その最適温度はワックスの融点より20〜30℃低い温度であることが分かった。更に、種々のワックスを用いて析出量を調べた結果、最適温度で2週間静置することによってワックスが十分析出し、安定的な膜厚を得ることができることが分かった。
更に、ワックスの膜厚と市場で実際に使用される場合との相関を調べた結果、ワックスの融点よりも20〜30℃低い温度で2週間タイヤ用ゴム組成物を静置させることによって、市場において約2年経過した後の状態と相関が得られ、ワックス配合量が多いほど上記ワックスの膜厚は厚くなり、上記ワックスの膜厚が厚くなるほど白色化は進むこと、一方で耐クラック性はある程度の膜厚までは膜厚が厚いほどよくなるが、厚くなりすぎるとワックス膜が割れやすくなり、耐クラック性が低下することを見出した。更に、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであれば、市場で実際に使用した場合に、良好な耐オゾン性を確保しつつ、ワックス皮膜の割れを防ぐことができ、市場で実際に使用した場合に良好な耐クラック性、耐変色性を保つことができることを見出し、本発明を完成した。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ワックスを含有する。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中からタイヤ用ゴム組成物表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmである。これにより、良好な耐クラック性、耐変色性が得られる。具体的には、ワックスの膜厚が0.2μm未満であると、良好な耐クラック性が得られず、ワックスの膜厚が1.5μmを超えると、ワックス膜が割れやすくなり、良好な耐クラック性、耐変色性が得られない。
ワックスの膜厚は、好ましくは0.3〜1.5μm、より好ましくは0.5〜1.2μm、更に好ましくは0.8〜1.0μmである。
ここで、ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間静置する方法、ワックスの膜厚の測定方法は、実施例に記載の方法により行われる。
ここで、本明細書にいて、ワックスの融点は、ワックスについて、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、−0℃から100℃まで5℃/minの昇温速度でヒートフロー(mW/g)を測定して得られるヒートフロー曲線の最大ピーク温度を意味する。なお、複数のワックスが配合されている場合、ゴム組成物に含まれるものと同一のワックス組成とした混合ワックスの融点を測定する。例えば、ワックスAとワックスBを1:2でゴムに配合している場合は、ワックスAとワックスBを1:2で予め混合した混合ワックスの融点を測定すればよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、屋外に6カ月間静置した後、色差計を用いて測定した色差(−(a+b)×10)が−20より大きいことが好ましく、−10より大きいことが更に好ましく、0より大きいことが特に好ましく、上限は特に限定されない。これは、ワックスを原因とする白色化等による外観不良が抑制できていることを意味し、耐変色性を改善できることを意味する。
ここで、屋外に6カ月間静置する方法、色差計を用いて色差を測定する方法は、実施例に記載の方法により行われる。
上記ワックスの膜厚を上記特定範囲とし、更には、屋外に6カ月間静置した後、色差計を用いて測定した色差(−(a+b)×10)を−20より大きくするためには、ゴム組成物を調製する際に配合するワックスの配合量を特定量とすることが好ましい。
ワックスの含有量(初期含有量、ゴム組成物を調製する際に配合するワックスの配合量)は、ゴム組成物100質量%中、好ましくは0.6〜1.25質量%、より好ましくは0.65〜1.20質量%である。ワックスの含有量が0.6質量%未満であると、良好な耐クラック性が得られないおそれがあり、ワックスの含有量が1.25質量%を超えると、ワックス膜が割れやすくなり、良好な耐クラック性、耐変色性が得られないおそれがある。
ワックスの含有量を上記範囲内とすることにより、上記ワックスの膜厚を好適に上記特定範囲に調整でき、ワックスの含有量の上限値を上記量とすることにより、屋外に6カ月間静置した後、色差計を用いて測定した色差(−(a+b)×10)を好適に−20より大きくすることができる。
本発明のゴム組成物に使用されるゴム成分としては、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、イソプレン系ゴム、BR、SBRを併用することがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、合成イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、NR、IRが好ましく、NRがより好ましい。
上記ゴム組成物がイソプレン系ゴムを含有する場合、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。該イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。イソプレン系ゴムの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
BRとしては特に限定されず、例えば、JSR(株)製のBR730、BR51、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR710等の高シス含量BR、日本ゼオン(株)製のBR1250H等の低シス含量BR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含有するBR(SPB含有BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、シス含量が95質量%以上の高シス含量BRが好ましい。
上記ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。該BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。BRの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、S−SBRが好ましい。
上記ゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。該SBRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。SBRの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物では、イソプレン系ゴム、BR、及びSBRの合計含有量がゴム成分100質量%中好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。80質量%未満では、耐クラック性、耐オゾン性が悪化するおそれがある。
本発明では、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成する為に、硫黄が使用される。これにより、本発明の効果がより良好に得られる。硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。0.1質量部未満であると、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。硫黄の含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下、特に好ましくは3.0質量部以下である。6.0質量部を超えると、操縦安定性、耐オゾン性、耐変色性、タイヤの外観が悪化するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックを配合することが好ましい。これにより、良好な補強性が得られ、良好な操縦安定性、耐クラック性、耐オゾン性が得られる。
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は20m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましい。20m/g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該NSAは、180m/g以下が好ましく、140m/g以下がより好ましい。180m/gを超えると、分散させるのが困難となり、操縦安定性、耐クラック性、耐オゾン性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。2質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。60質量部を超えると、操縦安定性、耐オゾン性が悪化する傾向がある。
本発明では、シリカを配合することが好ましい。シリカを配合することにより、タイヤの外観をより改善できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満では、操縦安定性、耐クラック性、耐オゾン性が低下する傾向がある。該NSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは210m/g以下である。250m/gを超えると、分散させるのが困難となり、操縦安定性、耐クラック性、耐オゾン性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。また、シリカの含有量は、好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。シリカの含有量が80質量部を超えると、耐クラック性、耐オゾン性、耐変色性、タイヤの外観が悪化する傾向がある。シリカの含有量を上記範囲内にすることにより、タイヤの外観をより改善できるとともに、補強効果も得られる。
本発明のゴム組成物は、シリカを配合する場合、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
上記ゴム組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、操縦安定性、耐クラック性、耐オゾン性が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、オゾンによる亀裂の発生及び進行を抑制するために、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されず、例えば、ナフチルアミン系、キノリン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、トリスフェノール系、ポリフェノール系)、チオビスフェノール系、ベンゾイミダゾール系、チオウレア系、亜リン酸系、有機チオ酸系老化防止剤などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐オゾン性能が良好であり、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、p−フェニレンジアミン系が好ましい。
p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐オゾン性能が良好であり、本発明の効果がより好適に得られ、経済性にも優れるという理由から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンがより好ましい。
上記ゴム組成物が老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満であると、充分な耐オゾン性が得られないおそれがある。また、該老化防止剤の含有量は、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。12質量部を超えると、老化防止剤のブルーム量が増大し、タイヤの外観が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、オイルを配合してもよい。オイルを配合することにより、加工性が改善され、タイヤに柔軟性を与える事ができ、本発明の効果がより良好に得られる。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。また、オイルの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。自らもタイヤ表面にブルームするオイルの含有量を上記範囲内とすることにより、ワックスのブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物は加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、TBBSが好ましい。
上記ゴム組成物が加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。加硫促進剤の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、粘着付与剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物として使用される。具体的には、タイヤの表面(外面)を構成し、使用環境下で大気中にさらされ、良好な耐クラック性、耐変色性が要求されるタイヤ部材であるトレッド、サイドウォール、クリンチ及び/又はウイングに使用されるトレッド用ゴム組成物、サイドウォール用ゴム組成物、クリンチ用ゴム組成物及び/又はウイング用ゴム組成物として使用される。
サイドウォールとは、ショルダー部からビード部にかけてケースの外側に配された部材であり、具体的には、特開2005−280612号公報の図1、特開2000−185529号公報の図1等に示される部材である。
クリンチとは、サイドウォール下部に存在するリムとの接触部をカバーするゴム部であり、クリンチエイペックス又はラバーチェーファーともいう。具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。
ウイングとは、ショルダー部において、トレッドとサイドウォールの間に位置する部材であり、具体的には、特開2007−176267号公報の図1、3等に示される部材である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド、サイドウォール、クリンチ、ウイング等のタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成できる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
本発明はまた、ゴム組成物の耐クラック性を評価する方法も提供する。
本発明者らは、上述の通り、ゴム組成物に配合されたワックスは、全てがゴム表面に析出するわけではなく、ある程度表面を覆うとそれ以上は析出しなくなり、膜厚が安定化する。本発明者らの検討の結果、ワックスの析出を促進するためには最適温度があり、その最適温度はワックスの融点より20〜30℃低い温度であることが分かった。更に、種々のワックスを用いて析出量を調べた結果、最適温度で2週間静置することによってワックスが十分析出し、安定的な膜厚を得ることができることが分かった。
更に、ワックスの膜厚と市場で実際に使用される場合との相関を調べた結果、ワックスの融点よりも20〜30℃低い温度で2週間タイヤ用ゴム組成物を静置させることによって、市場において約2年経過した後の状態と相関が得られ、ワックス配合量が多いほど上記ワックスの膜厚は厚くなり、上記ワックスの膜厚が厚くなるほど白色化は進むこと、一方で耐クラック性はある程度の膜厚までは膜厚が厚いほどよくなるが、厚くなりすぎるとワックス膜が割れやすくなり、耐クラック性が低下することを見出した。更に、ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであれば、市場で実際に使用した場合に、良好な耐オゾン性を確保しつつ、ワックス皮膜の割れを防ぐことができ、市場で実際に使用した場合に良好な耐クラック性、耐変色性を保つことができることを見出した。
従って、本発明では、この知見に基づいて、以下の方法を提供する。
ワックスを含むゴム組成物を、前記ワックスの融点よりも20〜30℃低い温度の恒温容器に14日以上静置する工程1と、静置したゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚を測定する工程2と、工程2で測定したワックスの膜厚に基づいて、ゴム組成物の耐クラック性を評価する工程3とを含む、ゴム組成物の耐クラック性を評価する方法
(工程1)
工程1では、測定対象であるワックスを含むゴム組成物(測定試料)を、ワックスの融点よりも20〜30℃低い温度(以下においては、保持温度ともいう)の恒温容器に14日以上(好ましくは20日以上、より好ましくは30日以上)静置する。ここで、保持温度の恒温容器とは、保持温度±2℃の恒温容器を意味する。
恒温容器(オーブン)は、温度を保持温度に維持できるものであれば特に限定されないが、ゴムと空気との接触機会を増やすため、空気循環装置がついている強制循環形熱老化試験機を用いることがより好ましい。
恒温容器の容量は、特に限定されないが、5L以上が好ましく、20L以上がより好ましく、また槽内の老化防止剤濃度や温度に差がでないよう80L以下が好ましい。
恒温容器内で空気循環させる場合の風速は、ワックスの析出を促進するため0.25m/s以上であることが好ましく、ゴムの市場での劣化状態との相関を保てる1.5m/s以下であることが好ましい。
測定対象であるゴム組成物(測定試料)の形状、大きさは特に限定されないが、直方体形状が好ましく、幅5〜30mm、長さ60〜200mm、厚さ0.5〜5mmの直方体形状がより好ましい。なお、測定対象であるゴム組成物としては、未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物のいずれも使用できるが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、加硫ゴム組成物が好ましい。
(工程2)
工程2では、工程1により静置した後のゴム組成物について、該ゴム組成物中から該ゴム組成物表面に析出したワックスの膜厚を測定する。
ゴム組成物表面に析出したワックスの膜厚の測定方法は、特に限定されないが、環境制御型走査電子顕微鏡(E−SEM)による断面観察が好適に用いられる。また、その際の測定視野についてはワックス膜厚のバラツキを考慮して1μm以上であることが好ましい。
(工程3)
工程3では、工程2で測定したワックスの膜厚に基づいて、ゴム組成物の耐クラック性を評価する。これにより、測定したワックスの膜厚に基づいて、良好な耐オゾン性を確保できるか否か、市場で実際に使用した場合にワックス皮膜の割れを防ぐことができるか否かを予測することができる。このように、上記方法により、あるゴム組成物が、市場で実際に使用した場合に良好な耐クラック性を有するゴム組成物であるか否かを評価でき、市場で実際に使用した場合の耐クラック性をより正確に予測することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム:RSS#3
SBR:日本ゼオン社製 NS116R(溶液重合SBR、結合スチレン量:23質量%、Tg:−21℃)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220(NSA:114m/g)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
プロセスオイル(アロマオイル):ジャパンエナジー社製のプロセスX−140(アロマ系プロセスオイル)
パラフィンワックス:日本精蝋(株)製 オゾエース0355(融点:70℃)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
1.7Lバンバリーミキサーを用いて、天然ゴム(20部)、SBR(40部)、BR(40部)、カーボンブラック(20部)、シリカ(50部)、シランカップリング剤(5部)、プロセスオイル(20部)、パラフィンワックス(表1のワックス配合量参照)、老化防止剤(1部)、ステアリン酸(2部)、酸化亜鉛(2部)を混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄(2部)及び加硫促進剤(1部)を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。次に、得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を用いて、トレッドの形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して試験用タイヤを得た。
なお、表1に記載の量(質量%)は、ゴム組成物100質量%中の含有量(質量%)を意味する。
<加硫ゴム組成物の評価>
得られた加硫ゴム組成物を下記により評価し、結果を表1に示した。
厚さ2mmのゴムシートから幅15mm×長さ120mmの長方形状に切り出したサンプルを試験片とし、40℃(ワックスの融点である70℃よりも30℃低い温度)のオーブンで2週間静置した(恒温容器の容量:64L、恒温容器内の風速:1.0m/s)後、以下のワックスの膜厚の計測を行った。
(ワックスの膜厚の計測)
2週間静置した試験片の断面を環境制御型走査電子顕微鏡(E−SEM)で観察し、試験片の表面に形成されたワックス膜の厚みを測定視野10μmにおいて測定した。
(屋外曝露試験)
ゴム試験片を屋外の日の当たる場所(兵庫県神戸市)に6カ月間(3月〜9月)静置した後、色差計を用いて、a、bを測定し、その値により、以下の基準にしたがって5段階に分けて評価した。数字が大きいほど、白変色の度合いが小さいことを示している。なお、aは赤色の強さを意味しており、bは黄色の強さを意味している。3以上の場合、耐変色性が良好であると判断した。
(基準)
1:−(a+b)×10≦−30
2:−30<−(a+b)×10≦−20
3:−20<−(a+b)×10≦−10
4:−10<−(a+b)×10≦0
5:−(a+b)×10>0
<試験用タイヤの市場での耐クラック性評価>
試験用タイヤを2年間使用した後、トレッド溝底の耐クラック性を評価した。評価方法は目視にて確認し、亀裂の長さに応じて下記のように評点付けを行った。結果を表1に示した。
◎:亀裂が発生していない
○:亀裂は発生しているが、長さが1mm未満
△:亀裂の長さが1mm以上〜3mm未満
×:亀裂の長さが3mm以上
Figure 2017222780
ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmである実施例は、良好な耐クラック性、耐変色性を有していた。
実施例及び比較例の比較により、ワックスの膜厚と市場での耐クラック性能には相関があり、ワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであれば、良好な耐変色性、市場での耐クラック性を得られることが分かった。
実施例と比較例の比較により、ワックス配合量が多いほどワックス膜厚は厚くなり、ワックス膜厚が厚くなるほど白色化は進むことが分かった。一方で耐クラック性はある程度の膜厚までは膜厚が厚いほどよくなるが、厚くなりすぎるとワックス膜が割れやすくなり、耐クラック性が低下することが分かった。

Claims (7)

  1. ワックスを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
    前記ワックスの融点よりも30℃低い温度の恒温容器に2週間タイヤ用ゴム組成物を静置した後、タイヤ用ゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚が0.2〜1.5μmであることを特徴とする使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物。
  2. ワックスの含有量が、ゴム組成物100質量%中0.6〜1.25質量%である請求項1に記載の使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物。
  3. 屋外に6カ月間静置した後、色差計を用いて測定した色差(−(a+b)×10)が−20より大きい請求項1又は2に記載の使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物。
  4. トレッド用ゴム組成物、サイドウォール用ゴム組成物、クリンチ用ゴム組成物及び/又はウイング用ゴム組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の使用環境下で大気中にさらされるタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤ。
  6. 前記タイヤ部材が、トレッド、サイドウォール、クリンチ及び/又はウイングである請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. ワックスを含むゴム組成物を、前記ワックスの融点よりも20〜30℃低い温度の恒温容器に14日以上静置する工程1と、静置したゴム組成物中から表面に析出したワックスの膜厚を測定する工程2と、工程2で測定したワックスの膜厚に基づいて、ゴム組成物の耐クラック性を評価する工程3とを含む、ゴム組成物の耐クラック性を評価する方法。
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