JP6084934B2 - タイヤ用ゴム組成物、及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
自動車用タイヤは、天然ゴムやジエン系合成ゴムを原料としたゴム組成物を用いているため、オゾンの存在下で劣化が進行することにより、クラックが生じるおそれがある。オゾン存在下でのクラックの発生やその進行を抑制するために、例えば、老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−)ジヒドロキノリン(TMDQ)など)や石油系ワックスなどの添加剤がゴム組成物に配合されている。
上記老化防止剤や石油系ワックスは、加硫ゴム中からタイヤなどのゴム表面に移行(ブルーム)することでオゾンからゴムを守る働きをする。しかしながら、上記老化防止剤や石油系ワックスが短期間で過剰にブルームする事が、白変色の原因となっている。また、オゾンにより劣化した老化防止剤が茶変の原因となり、同様に過剰にブルームする事で、茶変色がより強くなる。更に、タイヤ表面に析出したワックス等が凸凹である場合、光の乱反射が生じ、劣化した老化防止剤による茶変色をより目立ちやすくなり、タイヤの光沢も失われる。
特許文献1には、ポリオキシエチレンのエーテル型非イオン性界面活性剤を配合することにより、タイヤの外観悪化を防止できることが記載されている。しかしながら、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能を維持又は改善しつつ、耐変色性、タイヤの外観を改善するという点では改善の余地がある。
特開平05−194790号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能を維持又は改善しつつ、耐変色性、タイヤの外観を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される非イオン界面活性剤を0.1〜6.0質量部含み、ゴム成分100質量%中、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量が70質量%以上であり、硫黄を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0006084934
(式(1)中、Rは、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。dは任意の整数を表す。)
Figure 0006084934
(式(2)中、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。eは任意の整数を表す。)
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、シリカを15〜150質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中、スチレンブタジエンゴムの含有量が1〜30質量%であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、上記硫黄を0.1〜6.0質量部含むことが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤに関する。
上記タイヤ部材が、トレッドであることが好ましい。
上記空気入りタイヤは、冬用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分100質量部に対して、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される非イオン界面活性剤を0.1〜6.0質量部含み、ゴム成分100質量%中、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量が70質量%以上であり、硫黄を含むタイヤ用ゴム組成物であるので、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能を維持又は改善しつつ、耐変色性、タイヤの外観を改善でき、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能、耐変色性、タイヤの外観に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される非イオン界面活性剤を0.1〜6.0質量部含み、ゴム成分100質量%中、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量が70質量%以上であり、硫黄を含む。
本発明では、特定のゴム成分と、硫黄とを配合したゴム組成物において、特定の非イオン界面活性剤を配合することにより、ワックス等の析出により形成されるタイヤ表面(ブルーム層)の凸凹が平滑化され、光の乱反射が抑制される。これにより、上述の茶変色や白変色を軽減するなど、耐変色性も向上する。また、タイヤ表面に適度な黒色外観と光沢を与えるなど、タイヤ外観が改善される。また、同時に、良好な氷上性能、低燃費性、耐摩耗性を維持又は改善できる。
また、上記ゴム組成物は、ゴム組成物と特定の非イオン界面活性剤との相溶性が適度にコントロールされた結果、上述のように、氷上性能、低燃費性、耐摩耗性を維持又は改善しつつ、タイヤ外観を改善することができると推察される。
本発明では、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される非イオン界面活性剤が使用される。非イオン界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果(特に、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能、耐変色性)がより好適に得られるという理由から、下記式(1)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
Figure 0006084934
(式(1)中、Rは、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。dは任意の整数を表す。)
Figure 0006084934
(式(2)中、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。eは任意の整数を表す。)
式(1)のRは、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。Rの炭化水素基の炭素数が5以下の場合、ゴムへの浸透性が低く、ゴム表面に移行する速度が速くなりすぎる為、ゴム表面の外観が悪くなる傾向がある。またRの炭化水素基の炭素数が27以上の場合、原料が入手困難または高価であり、不適である。Rの炭化水素基の炭素数が上記範囲内であると、非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られる。
の炭化水素基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜22、更に好ましくは14〜20である。
の炭素数6〜26の炭化水素基としては、炭素数6〜26のアルケニル基、炭素数6〜26のアルキニル基、炭素数6〜26のアルキル基が挙げられる。
炭素数6〜26のアルケニル基としては、例えば、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、トリコセニル基、ヘキサコセニル基等が挙げられる。
炭素数6〜26のアルキニル基としては、例えば、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基、トリコシニル基、ヘキサコシニル基等が挙げられる。
炭素数6〜26のアルキル基としては、例えば、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリコシル基、ヘキサコシル基等が挙げられる。
としては、炭素数6〜26のアルケニル基、炭素数6〜26のアルキニル基が好ましく、炭素数6〜26のアルケニル基がより好ましい。
d(整数)は、大きいほど親水親油バランスを表すHLB値が高くなり、ゴム表面に移行する速度が速くなる傾向がある。本発明において、dの値は特に限定されず、使用条件・目的等に応じて適宜選択できる。なかでも、dとしては、好ましくは2〜25、より好ましくは4〜20、更に好ましくは8〜16、特に好ましくは10〜14である。
上記式(1)で表される非イオン界面活性剤としては、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノパルミトレイン酸ポリエチレングリコール、モノバクセン酸ポリエチレングリコール、モノリノール酸ポリエチレングリコール、モノリノレン酸ポリエチレングリコール、モノアラキドン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールモノパルミエート、エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコールモノパクセネート、エチレングリコールモノリノレート、エチレングリコールモノリノレネート、エチレングリコールモノアラキドネート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノセチルエート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノパルミテートが好ましい。
式(2)のR及びRは、同一若しくは異なって、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。R及びRの炭化水素基の炭素数が5以下の場合、ゴムへの浸透性が低く、ゴム表面に移行する速度が速くなりすぎる為、ゴム表面の外観が悪くなる傾向がある。またR及びRの炭化水素基の炭素数が27以上の場合、原料が入手困難または高価であり、不適である。R及びRの炭化水素基の炭素数が上記範囲内であると、非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られる。
及びRの炭化水素基の炭素数は、好ましくは8〜24、より好ましくは10〜22、更に好ましくは14〜20である。
及びRの炭素数6〜26の炭化水素基としては、炭素数6〜26のアルケニル基、炭素数6〜26のアルキニル基、炭素数6〜26のアルキル基が挙げられる。
炭素数6〜26のアルケニル基、炭素数6〜26のアルキニル基、炭素数6〜26のアルキル基としては、上述のRの場合と同様の基が挙げられる。
及びRとしては、炭素数6〜26のアルケニル基、炭素数6〜26のアルキニル基が好ましく、炭素数6〜26のアルケニル基がより好ましい。
e(整数)は、大きいほど親水親油バランスを表すHLB値が高くなり、ゴム表面に移行する速度が速くなる傾向がある。本発明において、eの値は特に限定されず、使用条件・目的等に応じて適宜選択できる。なかでも、eとしては、好ましくは2〜25、より好ましくは4〜20、更に好ましくは8〜16、特に好ましくは10〜14である。
上記式(2)で表される非イオン界面活性剤としては、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジパルミトレイン酸ポリエチレングリコール、ジバクセン酸ポリエチレングリコール、ジリノール酸ポリエチレングリコール、ジリノレン酸ポリエチレングリコール、ジアラキドン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジパルミエート、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジパクセネート、エチレングリコールジリノレート、エチレングリコールジリノレネート、エチレングリコールジアラキドネート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジセチルエート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジラウレート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジパルミテートが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される非イオン界面活性剤の含有量(好ましくは上記式(1)で表される非イオン界面活性剤、及び上記式(2)で表される非イオン界面活性剤の合計含有量)は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.6質量部以上、特に好ましくは1質量部以上、最も好ましくは1.2質量部以上である。0.1質量部未満では、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。また、上記合計含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。6.0質量部を超えると、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能、タイヤの外観が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物では、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、及びイソプレンゴム(IR)からなる群より選択される少なくとも1種のゴムが使用される。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能がより好適に得られるという理由から、NR、BRが好ましく、NRとBRを併用することがより好ましい。
前記ゴム組成物は、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量(好ましくはブタジエンゴム、及び天然ゴムの合計含有量)がゴム成分100質量%中、70質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。70質量%未満であると、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が充分に得られない。また、補強性、耐摩耗性、氷上性能を損なわなければ、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの比率は自由に設計する事ができる。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。該NRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。NRの含有量が上記範囲内であると、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能がより好適に得られる。
IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRとしては特に限定されず、例えば、JSR(株)製のBR730、BR51、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B、BR710等の高シス含量BR等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能がより好適に得られるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
上記ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満では、氷上性能と耐摩耗性が悪化するおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。BRの含有量が上記範囲内であると、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物には、スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いても良い。これにより、より良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用条件・目的等に応じて適宜選択できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、JSR(株)製のSLシリーズ、旭化成ケミカルズ(株)製のタフデンシリーズ、旭化成ケミカルズ(株)製のアサプレンE15、日本ゼオン製Nipolシリーズ等を使用することができる。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。なお、本発明において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
上記ゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。該SBRの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。SBRの含有量が30質量%を超えると、氷上性能が充分に得られないおそれがある。
BR、NR、IR、SBR以外に使用できるゴム成分としては、特に限定されず、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成する為に、硫黄が使用される。硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。硫黄の含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下、特に好ましくは3.0質量部以下、最も好ましくは1.5質量部以下である。6.0質量部を超えると、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が悪化するおそれがある。硫黄の含有量を上記量とすることにより、上記非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果が良好に得られる。
本発明では、加硫剤として、硫黄以外にもアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200)を使用してもよい。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有しても良い。シリカを配合することにより、より良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が得られる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
前記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満では、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が低下する傾向がある。該NSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは210m/g以下である。250m/gを超えると、分散させるのが困難となり、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が悪化する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。また、シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下である。シリカの含有量が150質量部を超えると、耐摩耗性、耐変色性、タイヤの外観が悪化する傾向がある。シリカの含有量を上記範囲内にすることにより、タイヤの外観をより改善できるとともに、良好な氷上性能、補強効果も得られる。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
上記ゴム組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有しても良い。これにより、耐変色性、タイヤの外観が向上するとともに、良好な補強性、耐摩耗性が得られる。
上記カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は20m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましい。20m/g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該NSAは、180m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましく、90m/g以下が更に好ましく、80m/g以下が特に好ましい。180m/gを超えると、分散させるのが困難となり、補強性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましく、115ml/100g以下が更に好ましい。200ml/100gを超えると、分散させるのが困難となり、補強性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。50質量部を超えると、低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が悪化する傾向がある。
本発明では、オゾンによる亀裂の発生及び進行を抑制するために、ワックスを配合することが好ましい。本発明では、ワックスを配合しても上述のように、ワックス等の析出により形成されるタイヤ表面(ブルーム層)の凸凹を平滑化でき、光の乱反射が抑制されるため、上述の茶変色や白変色を軽減できる。また、タイヤ表面に適度な黒色外観と光沢を与えるなど、タイヤ外観が改善される。さらに本発明では、特定のゴム組成物であるため、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能は維持又は改善される。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックス、合成ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理したものも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられ、合成ワックスとしては、エチレンまたはプロピレン等の重合物が挙げられる。
上記ゴム組成物がワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.5質量部未満であると、充分な耐オゾン性が得られないおそれがある。また、該ワックスの含有量は、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。12質量部をこえると、それ以上の耐オゾン性の向上効果が望めず、コストが上昇するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、オイルを配合してもよい。オイルを配合することにより、加工性が改善され、タイヤに柔軟性を与える事ができ、本発明の効果がより良好に得られる。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイルが好ましく、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイルを併用することがより好ましい。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは5.0質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上である。また、オイルの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。自らもタイヤ表面にブルームするオイルの含有量を上記範囲内とすることにより、上記非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られる。なお、オイルの含有量が60質量部を超えると、低燃費性が悪化する傾向が有る。
本発明のゴム組成物は、オゾンによる亀裂の発生及び進行を抑制するために、老化防止剤を含有することが好ましい。本発明では、老化防止剤を配合しても上述のように、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能を維持又は改善しつつ、茶変色や白変色を軽減でき、耐変色性、タイヤの外観を向上できる。
老化防止剤としては特に限定されず、例えば、ナフチルアミン系、キノリン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ヒドロキノン誘導体、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、トリスフェノール系、ポリフェノール系)、チオビスフェノール系、ベンゾイミダゾール系、チオウレア系、亜リン酸系、有機チオ酸系老化防止剤などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐オゾン性能が良好であり、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、p−フェニレンジアミン系が好ましい。
p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−4−メチル−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、ヒンダードジアリール−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐オゾン性能が良好であり、本発明の効果がより好適に得られ、経済性にも優れるという理由から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンがより好ましい。
上記ゴム組成物が老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。0.3質量部未満であると、充分な耐オゾン性が得られないおそれがある。老化防止剤の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下である。10質量部を超えると、老化防止剤のブルーム量が増大し、タイヤの外観が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤と共にグアニジン系加硫促進剤を併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、CBSが好ましく、CBSと共に1,3−ジフェニルグアニジンを併用することがより好ましい。
本発明のゴム組成物は樹脂を含むことが好ましい。樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、ロジン、ロジン誘導体、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、DCPD樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が得られるという理由から、テルペン系樹脂が好ましい。
テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、及びテルペンフェノール樹脂等を用いることができる。テルペン系樹脂の軟化点は、好ましくは50〜140℃、より好ましくは90〜130℃である。なお、樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記ゴム組成物が樹脂を含有する場合、樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは5〜20質量部である。樹脂の含有量が上記範囲内であると、より良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能が得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、粘着付与剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、タイヤの表面(外面)を構成し、良好な耐変色性、タイヤの外観が要求されるトレッド等)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成できる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、たとえば乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ、冬用タイヤ等として用いられる。なかでも、冬用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成ケミカルズ(株)製のアサプレンE15(スチレン含量:23質量%)
NR:RSS#3
BR:JSR(株)製のBR730(シス含量:95質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA:75m/g、DBP:102ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエースワックス
オイル1:出光興産(株)製のプロセスオイルPW−32(パラフィン系プロセスオイル)
オイル2:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140(アロマ系プロセスオイル)
レジン:ヤスハラケミカル社製のPX1150N(テルペン樹脂(ピネン重合体)、軟化点:115℃)
界面活性剤1:三洋化成工業(株)製のイオネットDO600(主成分:ジオレイン酸ポリエチレングリコール、式(2)のR及びR:−C1733、式(2)のe:12に相当、下式で表わされる化合物)
Figure 0006084934
界面活性剤2:三洋化成工業(株)製のイオネットPO600(主成分:モノオレイン酸ポリエチレングリコール、式(1)のR:−C1733、式(1)のd:12に相当、下式で表わされる化合物)
Figure 0006084934
界面活性剤3:関東化学(株)製のポリオキシエチレンドデシルエーテル
老化防止剤1:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
加硫促進剤1:大内新興化学社製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学社製のノクセラーD(1,3−ジフェニルグアニジン)
表1〜4に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を160℃になるまで混練りした。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。次に、得られた未加硫ゴム組成物を160℃で15分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を下記により評価し、結果を表1〜4に示した。なお、表1の基準比較例を比較例1とした。同様に表2、3,4の標準比較例をそれぞれ比較例4,6,8とした。
<低燃費性>
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃で加硫ゴム組成物のtanδを測定した。tanδの逆数の値について基準比較例を100として指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。なお、指数は98以上を目標とした。
<耐摩耗性>
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果は、基準比較例の容積損失量を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
<オゾン劣化サンプルの調製>
JIS K 6259「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に準じて、得られた加硫ゴム組成物から所定のサイズの試験片を作製し、動的オゾン劣化試験を行なって、オゾン劣化サンプルを得た。試験は、往復運動の周波数0.5±0.025Hz、オゾン濃度50±5pphm、試験温度40℃、引張歪み20±2%の条件下で、48時間行った。
<耐変色性評価>
オゾン劣化サンプルを(株)ミノルタ製色彩色差度計(CR−310)を用い、a値、b値を求めた(L*a*b*表色系)。指標を(a2+b2)−0.5とし、基準比較例の指標を100とした指数(各配合の指標/基準比較例の指標×100)を計算した。指数が大きいほど、変色が少なく、耐変色性に優れることを示す。
<外観評価>
オゾン劣化サンプルを屋外に持ち出し、下記指標にて外観評価を行った。
◎基準比較例より黒く、光沢がある
○基準比較例より黒く、やや光沢がある
△基準比較例と同等の茶色
×基準比較例より茶色い
(動的粘弾性試験)
ティ・エス・インスツルメント(株)製の粘弾性測定試験機を用いて、各加硫ゴム組成物について、温度0℃、周波数5Hz、振幅0.1%における弾性率(0.1%G)、及び振幅40%における弾性率(40%G)から0.1%Gを引いた値(ΔG)を測定した。氷上性能と操縦安定性のバランス指標として、次式s=(ΔG)/(0.1%G)で表される指数sを用い(sは0<s<1の値である)、比較例1、4、6、8を100とした相対値を指標とした。指数が大きいほど、氷上性能と操縦安定性のバランスが良く、氷上性能に優れることを示す。
Figure 0006084934
Figure 0006084934
Figure 0006084934
Figure 0006084934
ゴム成分100質量部に対して、上記式(1)及び/又は上記式(2)で表される非イオン界面活性剤を0.1〜6.0質量部含み、ゴム成分100質量%中、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量が70質量%以上であり、硫黄を含む実施例では、良好な低燃費性、耐摩耗性、氷上性能を維持又は改善しつつ、耐変色性、ゴム(タイヤ)の外観を改善できた。

Claims (6)

  1. ゴム成分100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される非イオン界面活性剤を0.1〜6.0質量部含み、ゴム成分100質量%中、ブタジエンゴム、天然ゴム、及びイソプレンゴムの合計含有量が70質量%以上であり、硫黄を含むトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0006084934
    (式(1)中、Rは、炭素数6〜26のアルケニル基、又は炭素数6〜26のアルキニル基を表す。dは任意の整数を表す。)
    Figure 0006084934
    (式(2)中、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数6〜26の炭化水素基を表す。eは4〜25の整数を表す。)
  2. ゴム成分100質量部に対して、シリカを15〜150質量部含む請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量%中、スチレンブタジエンゴムの含有量が1〜30質量%である請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量部に対して、前記硫黄を0.1〜6.0質量部含む請求項1〜3のいずれかに記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
  6. 冬用タイヤである請求項5載の空気入りタイヤ。
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