JP2017221552A - 耳用音響フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】電子回路を使用しない簡素な構造を有するものでありながら、通過させる音の周波数帯域を目的の範囲に容易に設定することができ、設計や製造の容易な耳用音響フィルターを提供する。
【解決手段】耳用音響フィルターにおける、外耳道に挿入される外耳道挿入部10に、音を通過させるための通音孔11を設けた。通音孔11における所定箇所を、振動板20によって塞いで、振動板20における所定箇所に、錘部30を設ける。かかる構成を採用することで、入射音による振動板20の共振現象によって、特定の周波数帯域の音のみを選択的に鼓膜側へ通過させることができるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、外耳道に挿入して用いる耳用音響フィルターに関する。
大きな騒音が発生する状況下では、耳栓等によって耳を保護する必要がある。しかし、従来の耳栓では、全ての周波数帯域の音が聞こえなくなってしまうため、耳栓の使用者に不都合が生じる虞があった。例えば、工場等の作業現場では、機械が発生する騒音(低周波数帯域の音)は、聞こえない方が好ましい一方で、警報音(ある程度高い周波数の音)まで聞こえなくなってしまうと、作業者が危険に巻き込まれる虞がある。また、同作業現場において、電話の呼出音や、周囲の人が指示する声まで聞こえなくなってしまうと、業務に支障が生ずる虞もある。
このような実状に鑑みてか、これまでには、特定の周波数帯域の音のみを選択的に鼓膜側へ通過させることができるようにした耳栓等の耳用音響フィルターが提案されている。例えば、特許文献1の図2には、内部の空間(forward chamber 29)を振動板(diaphragm 23)で仕切った構造の耳栓(earplug)が記載されている。また、特許文献2の図4には、貫通ダクト(through duct 16)を膜要素(membrane element 26)で仕切った構造の耳栓(earplug 2)が提案されている。さらに、特許文献3の図1には、通音孔(sound channel 7)を膜(membrane 5)で仕切った構造の耳保護具(ear protector 1)が提案されている。特許文献1〜3の耳栓等は、いずれも特定の周波数帯域の音を選択的に通過させることができるものとなっている。
米国特許第4985925号 国際特許公開第2001/076520号 国際特許公開第2011/078659号
しかし、特許文献1の耳栓は、マイクロホン(microphone 31)やコイル(coil 22)等の電子部品を用いるものであったため、コストが高くなるだけでなく、重くなりがちで、装着時に違和感を生じやすいという欠点も有していた。また、特許文献1の耳栓は、外部回路と信号のやりとりをするため等に、ケーブル(cable 43)を接続する必要があり、煩わしいという欠点も有していた。
これに対し、特許文献2の耳栓や、特許文献3の耳保護具は、電子部品を特に使用する必要のないものとなっているため、引用文献1の耳栓フィルターでは問題となった上記の欠点を有さない。しかし、その一方で、特許文献2,3の耳栓等は、通過させる音の周波数帯域を目的の範囲に設定しにくく、設計や製造が困難であるという欠点を有していた。というのも、特許文献2の耳栓において、通過する音の周波数帯域は、膜要素(membrane element 26)の材質や寸法や形状等によって大きく変化するため、膜要素の材質や寸法や形状等に微妙な調整が要求されるところ、このような調整は非常に困難であるからである。特許文献3の耳保護具についても、これと同様のことが言える。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、電子回路を使用しない簡素な構造を有するものでありながら、通過させる音の周波数帯域を目的の範囲に容易に設定することができ、設計や製造の容易な耳用音響フィルターを提供するものである。
上記課題は、
外耳道に挿入して用いる耳用音響フィルターであって、
外耳道に挿入する外耳道挿入部に、音を通過させるための通音孔が設けられ、
通音孔における所定箇所が、振動板によって塞がれるとともに、
振動板における所定箇所に、錘部が設けられ、
入射音による振動板の共振現象によって、特定の周波数帯域の音のみを選択的に鼓膜側へ通過させることができるようにした
ことを特徴とする耳用音響フィルター
を提供することによって解決される。
このように、振動板に錘部を設けることにより、振動板の材質や基本的な寸法や形状を変更することなく、錘部の質量や錘部を設ける位置等を変更させるだけで、振動板の共振周波数を変化させることが可能になり、通過させる音の周波数帯域(以下において、「通過帯域」と呼ぶことがある。)を目的の範囲に容易に調整することが可能になる。具体的には、錘部の質量を小さくすることで、振動板の共振周波数を高くして、通過帯域の中心周波数を高周波数側にシフトさせることができる一方、錘部の質量を大きくすることで、振動板の共振周波数を低くして、通過帯域の中心周波数を低周波数側にシフトさせることができる。このため、本発明の耳用音響フィルターは、その通過帯域を、警報音(通常、1000Hz以上の高周波数に設定されることが多い。)や、人の声(通常、200〜4000Hz程度であり、音声知覚の観点からは500Hz周辺及び1000〜2500Hz周辺)だけでなく、様々な種類の音に対して容易にカスタマイズすることが可能なものとなっている。したがって、耳用音響フィルターの設計や製造を容易に行うことも可能になる。
また、本発明の耳用音響フィルターでは、通過帯域よりも低い周波数帯域における遮音性能を維持することも可能である。というのも、通過帯域を低周波数側へシフトさせる(振動板の共振周波数を低くする)ために、振動板を柔らかい素材で形成したり薄くしたりすると、低周波数帯域の遮音性能が低下する等、振動板の材質や寸法等を変化させると、振動板の低周波数帯域での遮音性能が変化するところ、本発明の耳用音響フィルターは、振動板の材質や寸法を変更することなく、通過帯域(振動板の共振周波数)を変化させることができるからである。
本発明の耳用音響フィルターにおいて、錘部は、振動板における所定箇所の厚みを局所的に大きくする等、振動板に一体化した状態で設けても(錘部と振動板とを同一部材で形成しても)よい。しかし、錘部は、振動板とは別体の錘部材を振動板に固定することによって設けると好ましい。これにより、通過帯域を目的の範囲にさらに容易に調整することが可能になる。すなわち、振動板自体には何ら変更を施さず、錘部材を交換するだけで、振動板の共振周波数を変化させることが可能になる。また、錘部材として質量の異なる複数種類を用意しておけば、用途に応じて使用者が錘部材を交換するといったことも可能になる。
本発明の耳用音響フィルターにおいて、振動板とは別体の錘部材によって錘部を設ける場合、錘部材を如何なる構造によって振動板に固定するかは特に限定されない。しかし、錘部材を、頭部及び胴部を有するリベット状を為すものとし、振動板における所定箇所に、錘部材の胴部を挿通して固定するための固定孔を設けると好ましい。これにより、簡素な構造でありながら、振動板に対して錘部材をしっかりと固定することが可能になる。
本発明の耳用音響フィルターにおいては、通音孔における振動板が設けられた箇所とは別の箇所に、当該別の箇所における通音孔の断面積を縮小するオリフィス部を設けることも好ましい。これにより、振動板の共振のQ値を容易に変化させることが可能になり、通過帯域の幅を容易に調節することが可能になる。通過帯域の幅は、オリフィス部における開口の径や位置等を調整することによって、広くすることも、狭くすることも可能である。具体的には、オリフィス部における開口径を小さくすれば、通過帯域の幅を広げることができ、オリフィス部における開口径を大きくすれば、通過帯域の幅を狭くすることができる。本発明の耳用音響フィルターが、錘部の質量を変化させることで通過帯域の中心周波数を容易に変化させることができるものであることについては、既に述べた通りであるが、オリフィス部を設けることによって、通過帯域の幅まで容易に変化させることも可能になるため、耳栓の使用者に聞かせる必要のある音の種類に応じて、耳用音響フィルターをより柔軟にカスタマイズすることができるようになる。
本発明の耳用音響フィルターにおいては、外耳道挿入部における通音孔の外端部近傍に固定可能な振動板支持部材を備えたものとし、振動板が、振動板支持部材を介して外耳道挿入部における通音孔の外端部近傍に支持されるようにすることも好ましい。というのも、振動板は、通常、非常に薄いながらも、その厚さには高い精度が要求されるため、外耳道挿入部の全体と一体的に成形することは難しいところ、かかる構成を採用することにより、寸法精度の高い振動板を容易に設けることが可能になるからである。振動板が固定された振動板支持部材を予め複数種類用意しておけば、使用者が、用途等に応じて、振動板を振動板支持部材ごと交換することも可能になる。通気孔に上記のオリフィス部を設ける場合には、このオリフィス部も振動板支持部に設けると好ましい。これにより、オリフィス部も容易に交換することが可能になるからである。
また、振動板支持部材を設ける上記構成が好ましい理由としては、耳用音響フィルターのフィルター性能を安定させやすくなることも挙げられる。というのも、外耳道挿入部は、装着感等を考慮して、シリコン等の柔らかい素材で形成されることが多く、このような柔らかい素材に対して振動板を直接的に固定すると、振動板の振動が外耳道挿入部に吸収されやすくなるところ、振動板支持部材を介して振動板を外耳道挿入部に固定することによって、振動板の振動が外耳道挿入部に吸収されにくくすることが可能になるからである。この場合、振動板支持部材は、外耳道挿入部よりも硬質な材料(硬質樹脂等)によって形成される。
以上のように、本発明によって、電子回路を使用しない簡素な構造を有するものでありながら、通過させる音の周波数帯域を目的の範囲に容易に設定することができ、設計や製造の容易な耳用音響フィルターを提供することが可能になる。
耳用音響フィルターの全体を示した斜視図である。 耳用音響フィルターを各方向から見た状態を示した六面図である。 耳用音響フィルターの一部を破断して示した斜視図である。 耳用音響フィルターを図2におけるX−X面で切断した状態を示した断面図である。 耳用音響フィルターを分解した状態を示した斜視図である。 錘部の質量を変化させたときの通過帯域のシフトの様子を示したグラフである。 オリフィス部の開口径を変化させたときの通過帯域の幅の変化の様子を示したグラフである。 他の実施態様の耳用音響フィルターの一部を破断して示した斜視図である。 他の実施態様の耳用音響フィルターを図2におけるX−X面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。 他の実施態様の耳用音響フィルターを分解した状態を示した斜視図である。 シミュレーションに用いた計算モデルを示した図である。 質量の異なる錘部を有する複数種類の耳用音響フィルターの損失レベルについてのシミュレーション結果を示したグラフである。 実験方法を示した図である。 質量の異なる錘部を有する複数種類の耳用音響フィルターの損失レベルについての実験結果を示したグラフである。
本発明の耳用音響フィルターの好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。
1.耳用音響フィルター
図1は、本実施態様の耳用音響フィルターの全体を示した斜視図である。図2は、本実施態様の耳用音響フィルターを各方向から見た状態を示した六面図であり、同図(a)には正面図を、同図(b)には背面図を、同図(c)には平面図を、同図(d)には底面図を、同図(e)には左側面図を、同図(f)には右側面図を、それぞれ表している。図3は、本実施態様の耳用音響フィルターの一部を破断して示した斜視図である。図4は、本実施態様の耳用音響フィルターを図2におけるX−X面で切断した状態を示した断面図である。図5は、本実施態様の耳用音響フィルターを分解した状態を示した斜視図である。図6は、錘部の質量を変化させたときの通過帯域のシフトの様子を示したグラフである。図7は、オリフィス部の開口径を変化させたときの通過帯域の幅Wの変化の様子を示したグラフである。
1.1 外耳道挿入部
耳用音響フィルターは、図1に示すように、外耳道挿入部10を有するものとなっており、この外耳道挿入部10を使用者の外耳道(耳の穴)に挿入して用いられるものとなっている。
外耳道挿入部10は、円柱状や多角柱状等、単純な形態としてもよいが、本実施態様の耳用音響フィルターにおいては、外耳道に倣った形状に形成している。具体的には、外耳道挿入部10における外端部(耳の外側(y軸方向負側)を向く端部)から内端部(耳の内側(y軸方向正側)を向く端部)にかけて、外径が徐々に小さくなるように形成するとともに、外耳道挿入部10の外周面には、外耳道の内周面に倣った起伏を形成している。このため、外耳道挿入部10を外耳道に挿入した際に、外耳道挿入部10の外周面と外耳道の内周面との間に隙間が形成されにくくし、耳用音響フィルターに所望の遮音特性を発揮させることが可能となっている。また、外耳道挿入部10を外耳道に挿入した際の違和感を軽減して、耳用音響フィルターの装着感を向上させることも可能となっている。外耳道挿入部10の外端部には、フランジ部12が設けられている。このフランジ部12は、後述する振動板支持部材40を取り付けるための部分となっている。
外耳道挿入部10は、その成形材料を特に限定されるものではないが、通常、軟質な材料が用いられる。このような材料としては、シリコーンゴム等のゴムや、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなるエラストマー等が例示される。本実施態様の耳用音響フィルターにおいて、外耳道挿入部10は、シリコーンゴムで形成されたものとなっている。外耳道挿入部10は、それに弾力性を付与するため、発泡体としてもよいが、この場合には、連通気泡を有さない構造とすると好ましい。外耳道挿入部10が、連通気泡を有する発泡体で形成されていると、その連通気泡を通じて音が通過するようになり、耳用音響フィルターに所望の遮音特性を発揮させることができなくなる虞があるからである。
外耳道挿入部10には、図3及び図4に示すように、音を通過させるための通音孔11が設けられている。通音孔11は、外耳道挿入部10をその挿入方向に沿って貫通するように設けられている。通音孔11の直径は、特に限定されないが、通常、少なくとも0.5〜2mm程度は確保される。通音孔11の直径は、通音孔11の音入射側(y軸方向負側)の端部から音出射側(y軸方向正側)の端部にかけて略一定となるようにしてもよいし、場所によって変化させてもよい。通音孔11は、外耳道挿入部10を塊状(ソリッド状)に形成し、その外耳道挿入部10を貫通する状態に設けてもよいが、本実施態様の耳用音響フィルターにおいては、外耳道挿入部10を両端に開口部を有する殻状(シェル状)に形成し、その内側空洞部分が貫通孔11となるようにしている。すなわち、外耳道挿入部10における、その周壁部分の肉厚1〜3mm程度を除いた部分(空洞部)の全てが通音孔11となっている。このため、外耳道挿入部10は、軽量で、且つ、外耳道の内周面の形状に応じて変形しやすいものとなっており、外耳道に挿入した際の違和感が少ないものとなっている。
1,2 振動板
既に述べた通り、通音孔11は、外耳道挿入部10を貫通する状態に設けられている(外耳道挿入部10の空洞部全体が通音孔11となっている)が、この通音孔11における所定箇所は、図3及び図4に示すように、振動板20によって塞がれた構造となっている。この振動板20は、それに生ずる共振現象によって、通音孔11の外端側(音入射側)に入射された音のうち、特定の周波数帯域(通過帯域)の音のみを、通音孔11の内端側(音出射側)へと通過させる「フィルター」としての機能を発揮するものとなっている。振動板20を通過する音の周波数帯域(通過帯域)は、振動板20の共振周波数と相関関係を有している。具体的には、図6に示すように、振動板20の共振周波数が高くなると、通過帯域が高周波数側にシフトする一方、振動板20の共振周波数が低くなると、通過帯域が低周波数側にシフトする。振動板20の共振周波数は、後述する錘部30の質量等を変更することによって、容易に調整することができるようになっている。
外耳道挿入部10を貫通して設けられた通音孔11におけるどの箇所を振動板20で塞ぐのかは、特に限定されないが、通音孔11の外端部(音入射側の端部)近傍に設けると好ましい。というのも、通音孔11における奥まった箇所に振動板20を配することは、必ずしも容易ではないからである。また、振動板20の面積は、振動板20の共振周波数、ひいては通過帯域に影響を及ぼすため、耳用音響フィルターの用途等によっては、振動板20の面積を広く確保したい場合もあり得るのに対して、外耳道挿入部10の内端部付近は、通常、外端部付近よりも細く形成されるため、通音孔11における内端部付近の断面積を広く確保することができず、通音孔11における奥まった箇所に振動板20を配すると、振動板20の面積を広く確保できないからである。逆に言うと、通音孔11の外端部近傍であれば、面積の広い振動板20を容易に配することができる。
振動板20の形状は、通音孔11における目的の箇所を塞ぐことができるのであれば、特に限定されない。振動板20の形状は、目的の通過帯域や、振動板20の材質又は寸法や、通音孔11における振動板20を配する箇所の断面形状等に応じて、適宜決定される。本実施態様の耳用音響フィルターにおいては、図5に示すように、振動板20として、略円形の平板を用いているが、振動板20の形状は、楕円形や多角形(三角形や四角形等)やこれらを組み合わせた形状としてもよい。本実施態様の耳用音響フィルターにおいて、振動板20には、固定孔21が設けられているが、この固定孔21は、後述する錘部材30によって塞がれる。
振動板20の面積は、目的の通過帯域や、振動板20の材質又は形状等によって異なり、特に限定されない。しかし、振動板20の面積を狭くしすぎると、それに設けられる錘部30の寸法も必然的に小さくなり、振動板20に錘部30を設けにくくなる虞がある。このため、振動板20の面積は、通常、10mm以上とされる。振動板20の面積は、20mm以上であると好ましく、30mm以上であるとより好ましい。一方、振動板20の面積を広くしすぎると、耳用音響フィルター自体の寸法も大きくする必要が生じ、耳用音響フィルターを耳に装着した際に違和感を生じやすくなる虞もある。このため、振動板20の面積は、通常、1000mm以下とされる。振動板20の面積は、700mm以下であると好ましく、500mm以下であるとより好ましい。
振動板20の厚さも、目的の通過帯域や、振動板20の材質又は形状等によって異なり、特に限定されない。しかし、振動板20を薄くしすぎると、通過帯域ではない音まで振動板20を通過しやすくなる虞(遮音性が悪くなる虞)や、振動板20に必要な強度が付与できなくなる虞がある。このため、振動板20の厚さは、通常、0.01mm以上とされる。振動板20の厚さは、0.03mm以上であると好ましく、0.05mm以上であるとより好ましい。一方、振動板20を厚くしすぎると、通過帯域の音が振動板20を十分に通過できなくなる虞がある。このため、振動板20の厚さは、通常、2mm以下とされる。振動板20の厚さは、1.5mm以下であると好ましく、1mm以下であるとより好ましい。
振動板20の材質は、必要な強度を有し、かつ、入射音によって共振現象を生ずるものであれば、特に限定されない。振動板20の材質は、目的の通過帯域と、振動板20の形状又は寸法等とを考慮して、適宜選択する。振動板20は、その密度が大きいものであればあるほど、共振周波数が低周波数側へシフトして、振動板20の通過帯域も低周波数側へシフトする。逆に、振動板20は、その密度が小さいものであればあるほど、共振周波数が高周波数側へシフトして、振動板20の通過帯域も高周波数側へシフトする。振動板20としては、ポリ塩化ビニル(密度1.1〜1.5g/cm程度)や、ポリプロピレン(密度0.9〜1.0gm程度)や、ポリエチレン(密度0.9〜1.0gm程度)等の合成樹脂からなる板材や、アルミニウム(密度2.5〜2.8gm程度)等の金属からなる板材を好適に用いることができる。
振動板20は、外耳道挿入部10に対して一体的に形成したものであってもよい。しかし、上述したように、振動板20は、通常、薄く形成されることに加えて、その厚さは、通過帯域に影響を及ぼすため、振動板20の厚さには、高い精度が要求される。この点、寸法精度の高い振動板20を、射出成形等により、外耳道挿入部10と一体的に形成することは、必ずしも容易ではない。また、上述したように、外耳道挿入部10は、通常、シリコン等の柔らかい素材で形成されるため、外耳道挿入部10に対して振動板20を直接的に設けると、振動板20の振動が外耳道挿入部10に吸収されて、耳用音響フィルターに所望のフィルター性能を発揮させにくくなる虞がある。このため、本実施態様の耳用音響フィルターにおいては、図5に示すように、外耳道挿入部10の外端面に、振動板支持部材40を固定するようにしており、振動板20は、この振動板支持部材40を介して外耳道挿入部10に固定されるようになっている。振動板支持部材40は、外耳道挿入部10よりも硬質な材料によって形成しており、振動板20に生じた振動が振動板支持部材40で吸収されないようにしている。
1.3 錘部
振動板20には、図1に示すように、錘部30が設けられている。この錘部30は、振動板20の共振周波数、ひいては振動板20の通過帯域を調整するためのものとなっている。すなわち、図6に示すように、錘部30を、質量の小さなものに交換することによって、振動板20の共振周波数を高くして、振動板20の通過帯域を高周波数側にシフトさせることができる一方、錘部30を、質量の大きなものに交換することによって、振動板20の共振周波数を低くして、振動板20の通過帯域を低周波数側にシフトさせることができるようになっている。
また、本実施態様の耳用音響フィルターのように、錘部30の質量を変更することによって振動板20の共振周波数を調整(通過帯域をシフト)できるようにしたことによる特筆すべき利点は、図6に示すように、通過帯域よりも低い周波数帯域における遮音性能(透過損失)を維持できる点が挙げられる。というのも、通過帯域を低周波数側へシフトさせるために、振動板20を柔らかい素材で形成したり薄くしたりすると、低周波数帯域の遮音性能が低下するところ、本実施態様の耳用音響フィルターでは、振動板20の材質や寸法を変更することなく、錘部30の質量のみを変更することによって、通過帯域(振動板の共振周波数)を変化させることができるからである。
振動板20におけるどの箇所に錘部30を設けるかは、目的の通過帯域や、振動板20の材質又は形状等によって異なり、特に限定されない。錘部30は、振動板20の1箇所のみに設けてもよいし、複数箇所に設けてもよい。本実施態様の耳用音響フィルターでは、上述したように、円形の振動板20を用いているところ、この振動板20の中心の1箇所に、錘部30を設けている。しかし、円形の振動板20に対する錘部20の配置は、これに限定されず、振動板20の中心からずれた箇所(偏心した箇所)に、錘部30を設けてもよいし、複数箇所に錘部30を設けてもよい。錘部30を複数箇所に設ける場合には、それぞれの錘部30を、振動板20の中心に対して回転対称に配すると好ましい。
錘部30の寸法は、特に限定されない。しかし、振動板20に対して錘部30が大きすぎると、振動板20における振動できる範囲が狭くなり、耳用音響フィルターが所望のフィルター性能を発揮できなくなる虞がある。例えば、錘部30が、振動板20の全面を占めるようなものであると、通音孔11は、実質的に、錘部30によって塞がれた状態となり、振動板20は、耳用音響フィルターのフィルター性能との関係で殆ど意味を為さないものとなってしまう。このため、錘部30は、振動板20における振動可能な領域(他の部材によって支持される周縁部等を除いた領域)に局所的に設けると好ましい。
具体的には、振動板20における振動可能な領域の直径(振動板20が非円形である場合には等価円直径)を「R」(図4)とし、錘部30の直径を「R」(図4)としたときに、直径Rに対する直径Rの比R/Rが、0.5以下となるようにすると好ましい。比R/Rは、0.4以下であるとより好ましく、0.3以下であるとさらに好ましい。一方、比R/Rに、特に下限はないが、比R/Rが小さすぎると、錘部30の寸法も必然的に小さくなり、振動板20に錘部30を設けること自体が困難になる虞もある。このため、比R/Rは、通常、0.01以上とされる。比R/Rは、0.05以上であると好ましく、0.1以上であるとより好ましい。本実施態様の耳用音響フィルターにおいて、比R/Rは、約0.27となっている。
錘部30は、振動板20における所定箇所の厚みを局所的に大きくする等、振動板20に一体化した状態で設けてもよい。しかし、この場合には、錘部30を他の質量等のものに交換するためには、振動板20自体を交換しなければならなくなる。このため、錘部30は、振動板20とは別体の部材(錘部材)によって形成すると好ましい。これにより、振動板20自体を交換しなくても、錘部30のみを交換することによって、振動板20の通過帯域を調整することが可能になる。本実施態様の耳用音響フィルターにおいても、図3及び図4に示すように、振動板20とは別体からなる部材(錘部材30)を振動板20に固定することによって、錘部30を設けている。
具体的には、図5に示すように、錘部材30を、頭部31及び胴部32を有するリベット状の部材としている。この錘部材30は、その胴部32を振動板20に設けられた固定孔21に挿通されることによって、振動板20に固定される。錘部材30は、その胴部32を振動板20の固定孔21に挿し込んだだけの状態としてもよいが、この場合には、錘部材30が振動板20から脱落する虞がある。このため、頭部31や胴部32における振動板20と接触する部分には、接着剤等を塗布してもよい。また、胴部32の先端部(y軸方向正側の端部)を押し潰して、錘部材20を振動板20にかしめる等、胴部32の先端部を拡径させたり、胴部32をネジによって形成して、胴部32の先端側からナット部材を螺合したりする等、胴部32が固定孔21から抜けない構造を採用することもできる。特に、上記のナット部材を用いる方法は、振動板20に錘部材30を固定した後でも、振動板20から錘部材30を容易に取り外すことができるため、好適である。
錘部材30は、通常、金属や硬質樹脂等の硬質材料によって形成される。錘部材30の質量は、目的の通過帯域と、振動板20の材質又は形状等とを考慮して適宜決定されるため、特に限定されない。しかし、錘部材30を軽くしすぎると、錘部材30が振動板20の共振周波数に殆ど影響を及ぼさなくなり、錘部材30を振動板20に固定する意義が低下する。このため、錘部材30は、振動板20に対してある程度重くした方が好ましい。具体的には、振動板20における振動可能な領域(図4において「R」で示される領域)の質量を「M」とし、錘部材30の質量を「M」としたときに、質量Mに対する質量Mの比M/Mが、0.5以上となるようにすると好ましい。比M/Mは、1以上であるとより好ましく、2以上であるとさらに好ましい。比M/Mの上限は、特に限定されないが、比M/Mは、通常、500以下とされ、現実的には、100以下とされる。錘部材30は、質量の異なる複数種類を用意しておき、振動板20に固定する錘部材30を、耳用音響フィルターの用途(目的の通過帯域)に応じて、交換できるようにしておくと好ましい。
1.4 振動板支持部材
振動板支持部材40は、上述したように、外耳道挿入部10の外端面(y軸方向負側を向く端面)に対して振動板20を支持させるためのものとなっている。振動板支持部材40は、斯様な機能を発揮できるのであれば、その具体的な形態を特に限定されない。本実施態様の耳用音響フィルターにおいて、振動板支持部材40は、図5に示すように、円環状の振動板受け部41と、振動板受け部41の外周部から前方(y軸方向負側)に突出して設けられた円環状の周壁部42と、振動板受け部42の後方(y軸方向正側)に設けられたオリフィス形成部43とを備えたものとなっている。振動板受け部41は、その片面(y軸方向負側を向く面)側で、振動板20の周縁部を支持するための部分となっている。周壁部42は、振動板受け部41に支持された振動板20の周縁部を保護するための部分となっている。オリフィス形成部43は、後述するオリフィス部43aを形成するための部分となっている。
ところで、振動板20の周縁部における一部が、振動板受け部41から浮いたような状態であると、振動板20の振動特性に悪影響を及ぼす虞があるため、振動板20の周縁部における全周部が固定端となるように、振動板20の周縁部における全周部を振動板受け部41にしっかり固定すると好ましい。振動板20の周縁部は、振動板支持部材40に対して、接着剤等により、完全に固定してもよいし、嵌合構造等によって、着脱自在に固定してもよい。後者の場合には、振動板20を振動板支持部材40に固定した後であっても、振動板20を振動板支持部材40から容易に取り外すことが可能になる。この構成は、振動板20として、材質や厚さの異なる複数種類を用意して、又は、同種類の振動板20であってもそれに固定された錘部材30の質量や配置が異なる複数枚の振動板20を用意して、それらのなかから、使用する振動板20を選択できるようにする場合に適している。ただし、後述するように、振動板20を支持する振動板支持部材40自体を外耳道挿入部10に対して着脱自在に設ける場合には、振動板20を振動板支持部材40に対して着脱可能に設ける必要は特にない。
振動板支持部材40の材質は、特に限定されないが、上述したように、振動板20の振動が振動板支持部材40によって吸収されにくくするため、外耳道挿入部10よりも硬い材質で形成すると好ましい。振動板支持部材40の材質としては、アクリルやポリ塩化ビニルやポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂のほか、アルミニウム等の金属等が例示される。振動板支持部材40を振動板20と同一種類の合成樹脂によって形成する場合であって、振動板20の寸法精度を必要なレベルに維持できる場合には、射出成形等によって、振動板支持部材40に振動板20を一体的に形成してもよい。
本実施態様の耳用音響フィルターにおいて、振動板受け部41は、その後面(y軸方向正側を向く面)を外耳道挿入部10の後端部に設けられたフランジ部12の前面(y軸方向負側を向く面)に固定されるようになっている。フランジ部12(外耳道挿入部10)に対する振動板支持部材40の固定構造は、特に限定されない。振動板支持部材40は、外耳道挿入部10に対して、接着剤等によって完全に固定してもよいし、嵌合構造等によって、着脱可能な状態で固定してもよい。後者は、錘部材30を振動板20や振動板支持部材40ごと交換できるようにする場合に適している。これにより、錘部材30という微細な部品を直接取り扱うことなく、振動板支持部材40という比較的大きな部品を取り扱うことで、錘部材30を他の種類のものへ交換することが可能になり、振動板20の通過帯域を容易に調整することができるようになる。また、フランジ部12によって、外耳道挿入部10の柔軟性が損なわれることが懸念される場合には、外耳道挿入部10にフランジ部12を設けなくてもよい。例えば、外耳道挿入部10の本体部分に設けた固定穴に振動板支持部材40を固定するようにしてもよい。この場合の固定穴は、例えば、シェル状の外耳道挿入部10の内壁(通音孔11の周壁)に設けることができる。
1.5 オリフィス部
本実施態様の耳用音響フィルターでは、図3及び図4に示すように、通音孔11の断面積を縮小するためのオリフィス部43aが設けられている。このオリフィス部43aによって、振動板20の共振のQ値を調整することが可能になり、通過帯域の幅Wを容易に調節することが可能になる。通過帯域の幅Wは、オリフィス部43aにおける開口の径R(図4)や位置等を調整することによって、広くすることも、狭くすることも可能である。具体的には、図7に示すように、オリフィス部43aの開口径Rを小さくすれば、通過帯域の幅Wを広げることができ、オリフィス部43aの開口径Rを大きくすれば、通過帯域の幅Wを狭くすることができる。
オリフィス部43aを設ける箇所は、通音孔11における振動板20が設けられた箇所とは別の箇所であれば、特に限定されない。振動板20を通気孔11の奥まった箇所に設ける場合には、オリフィス部43aは、振動板20よりも外側(y軸方向負側)に設けることもできる。しかし、本実施態様の耳用音響フィルターでは、既に述べた通り、振動板20を通音孔11における外端部(y軸方向負側の端部)近傍に設けており、振動板20よりも外側には、オリフィス部43aを設けるスペースがないため、振動板20よりも内側(y軸方向正側)に、オリフィス部43aを設けている。
オリフィス部43aは、振動板20から離れた箇所に設けてもよいが、振動板20の近傍に設けると好ましい。これにより、オリフィス部43aの開口径R(図4)が通過帯域の幅W(図7)に影響を及ぼしやすくなり、オリフィス部43aによる通過帯域の幅Wの制御作用が得られやすくなる。また、オリフィス部43aを、振動板支持部材40に設けることも可能になる。本実施態様の耳用音響フィルターにおいても、オリフィス部43aは、図5に示すように、振動板支持部材40に形成したオリフィス形成部43に設けている。このため、オリフィス部43aの開口径R(図4)が異なる複数種類の振動板支持部材40を用意しておけば、振動板支持部材40を交換することによって、オリフィス部43aの開口径Rを変更することが可能となっている。すなわち、振動板20の共振周波数だけでなく、通過帯域の幅W(図7)までも調整可能な耳用音響フィルターを得ることが可能になる。
例えば、振動板支持部材40として、図3〜5に示すように、開口径R(図4)が大きなオリフィス部43aが設けられたものと、図8〜10に示すように、開口部Rが小さなオリフィス部43aが設けられたものとの2種類を用意しておけば、振動板支持部材40を図3〜5に示されたものと、図8〜10に示されたものとで交換することによって、通過帯域の幅W(図7)を調整することが可能になる。図8は、他の実施態様の耳用音響フィルターの一部を破断して示した斜視図である。図9は、他の実施態様の耳用音響フィルターを図2におけるX−X面に相当する面で切断した状態を示した断面図である。図10は、他の実施態様の耳用音響フィルターを分解した状態を示した斜視図である。
オリフィス部43aの開口径R(図4)は、振動板20における振動可能な領域の直径R(図4)よりも小さければ、特に限定されない。しかし、オリフィス部43aの開口径Rが振動板20の直径Rに近すぎると、通過帯域の幅W(図7)がオリフィス部43aを設けない場合と略同じとなり、オリフィス部43aを設ける意義が低下する。このため、オリフィス部43aを設ける場合には、振動板20の直径Rに対するオリフィス部43aの開口径Rの比R/Rは、通常、0.95以下とされる。比R/Rは、0.9以下とすると好ましく、0.8以下とするとより好ましく、0.7以下とするとさらに好ましい。一方、比R/Rの下限は、特に限定されないが、比R/Rが小さすぎると、必然的に、オリフィス部43aの開口径Rも小さくなり、開口径Rの寸法精度が高い状態でオリフィス部43aを設けることが難しくなる虞がある。このため、比R/Rは、通常、0.01以上とされ、好ましくは、0.1以上とされる。
1.6 小括
以上のように、本発明の耳用音響フィルターは、錘部材30(錘部)の質量を変更することによって、図6に示すように、振動板20の共振周波数(通過帯域)をシフトさせることが可能なものとなっている。また、振動板20を外耳道挿入部10や振動板支持部材20に対して着脱可能に設ける構成を採用すれば、振動板20を交換することによっても、通過帯域をシフトさせることが可能なものとなっている。さらに、振動板支持部材40にオリフィス部43aを設ける等、オリフィス部43aを、外耳道挿入部10に対して着脱可能に設ける構成を採用すれば、オリフィス部43aの開口径Rも変更することが可能となり、図7に示すように、通過帯域の幅Wを調整することも可能なものとなっている。したがって、耳用音響フィルターの用途等に応じて、通過帯域やその幅Wを調整することも可能となる。
本発明の耳用音響フィルターは、耳に装着して使用するものであれば、その用途を特に限定されるものではないが、耳栓やイヤホンとして好適に用いることができる。特に、本発明の耳用音響フィルターでは、図6に示すように、通過帯域をシフトさせた場合であっても、通過帯域よりも低い周波数帯域における遮音性能を維持することが可能である。このため、本発明の耳用音響フィルターは、低周波数帯域の騒音が発生する場所で使用する耳栓やイヤホンとして特に好適に用いることができる。低周波数帯域の騒音が発生する場所としては、工場等の作業現場が例示される。
2.シミュレーション
本発明の耳用音響フィルターの性能を評価するため、シミュレーションを行った。まず、シミュレーション方法について説明する。図11は、シミュレーションに用いた計算モデルを示した図である。外耳道の空洞部形状は、単純化のため、半径がaで長さがLの円柱形とした。また、振動板や空洞部(外耳道)の断面寸法は、音波の波長よりも十分小さいとし、空洞部分(外耳道部分)の音場は一次元音場として考えた。振動板の支持条件は固定とした。
振動板に加わる空洞部内の音圧による反力、外側空間に対する放射抵抗、及び、入射音波による加振を考慮して、薄肉平板(振動板)の運動方程式を立てる。入射音による振動板の表面上の音圧をpi0ejωt(入射音波の振幅をpiとすると、pi0=2pi)とし、振動板の背後の音圧をp0+ejωtとし、該部振動板上に振動によって発生する音圧をpoutejωtとすると、振動板の運動方程式は、下記式(1)で記述できる。下記式(1)において、Dは、曲げ剛性を表し、減衰を損失係数として、D=D'(1+jη) の形で導入する。
Figure 2017221552
次に、振動速度v(r)をモード展開式として表すと、N次までのモードを考慮し、下記式(2)で表される。
Figure 2017221552
ただし、Tは転置、Ψ(r)はモード関数ベクトル、vは速度モードベクトルを表し、下記式(3),(4)で定義される。下記式(3),(4)において、ψi(r)はi次固有関数を、viはi次複素速度モード振幅を表す。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
ここでは、周縁が固定された半径aiの振動板を考えるので、振動モードは下記式(5)により表すことができる。ただし、Jnはn次第一種ベッセル関数であり、Inはn次第一種の変形されたベッセル関数であり、Anは比例定数であり、rとθは、図11に示す空間の極座標である。また、kは下記式(6)で与えられる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
音波が振動板に垂直に入射する場合には、直径方向の節をもった振動モードは励振されないため、考慮する必要がある振動モードは、下記式(7)で記述することができる。ただし、λiは、境界条件から、下記式(8)の解として与えられる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
上記式(2)を上記式(1)に、速度と変位の関係式を用いて代入し、両辺に左からΨをかけ、試料面の領域Sで積分すると、上記式(1)は、下記式(9)となる。
Figure 2017221552
上記式(9)の左辺のK及びMは、モードの直交性から、N×Nの対角行列となり、それぞれ、下記式(10),(11)となる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
ただし、上記式(10),(11)におけるKi及びMiは、それぞれ、モード剛性及びモード質量を表し、下記式(12),(13)で与えられる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
また、上記式(9)におけるFi0、F0及びFoutは、それぞれ下記式(14),(15),(16)で与えられる。ただし、Fiは入射波によるi次モード加振力を、F0iは振動板が内部空気によって受ける空気反作用によるi次モード加振力を、Foutiは振動板が外部空気によって受ける空気反作用によるi次モード加振力を表す。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
Figure 2017221552
ここで、Z0+面における音圧は、振動板の振動速度の空間平均「vバー」(vの上に横棒)を用いて、下記式(17)で記述することができるため、下記式(17)より下記式(18)が得られる。ただし、下記式(18)におけるBは、下記式(19)で与えられる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
Figure 2017221552
上記式(18),(19)から、上記式(14),(15)は、それぞれ、下記式(20),(21)となる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
次に、外側空間の振動板上に振動によって生じる音圧について考える。板の振動の平均速度を考え、放射抵抗が近似的にピストン板の場合と同様と考えると、poutは、下記式(22)で表される。
Figure 2017221552
ただし、上記式(22)におけるZoutは、放射インピーダンスを表し、半径aの円形の振動板の場合、下記式(23)で記述することができる。ただし、kは波数(k=2πf/C)である。
Figure 2017221552
また、上記式(23)において、J1は一次第一種Bessel関数を、K1はStruve関数を意味し、それぞれ下記式(24),(25)で表される。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
振動板の寸法よりも波長が十分長い場合には、ka<<2であるので、上記式(23)におけるZoutは、下記式(26)のように近似することができる。
Figure 2017221552
上記式(16)に上記式(22)を代入すると、Foutは、下記式(27)となる。
Figure 2017221552
上記式(9)に、上記式(20),(21),(27)を代入して整理すると、下記式(28)が得られる。
Figure 2017221552
続いて、内部空間の音場について考える。内部空間のz方向に垂直な断面寸法は、波長に比べて十分小さいと考えられるため、内部空間の音場はz方向の一次元と考える。この場合、図11の領域Aにおける音圧p1及び粒子速度v1は、z方向の+方向、−方向に進行する音波を考え、それぞれ下記式(29),(30)で表すことができる。 ただし、P1+及びP1-は、それぞれ、領域Aにおいて正負方向に進む音波の振幅である。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
領域Bにおける音圧p2及び粒子速度v2についても同様に、それぞれ下記式(31),(32)で表すことができる。ただし、P2+及びP2-は、それぞれ、領域Bにおいて正負方向に進む音波の振幅である。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
鼓膜面(Z=L1+L2)のインピーダンスが十分高いとすると、近似的に粒子速度を0(剛壁)とみなすことができ、上記式(32)より、下記式(33)となり、下記式(34)が得られる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
断面1(Z=L1)における体積速度の連続性から、下記式(35)が得られる。
Figure 2017221552
また、音圧の連続性より下記式(36)を満たす。
Figure 2017221552
さらに、振動板速度とZ=+0面上の体積速度の連続性から、下記式(37)が得られる。
Figure 2017221552
したがって、上記式(37)に上記式(2)を代入し、上記式(19)を用いると、下記式(38)が得られる。
Figure 2017221552
これらの音場の境界条件を考慮して、P1+、P1-、P2+及びP2-、を求めると、最終的に、p2(t,z)は、下記式(39)となる。
Figure 2017221552
よって、鼓膜面(z=L1+L2)の音圧は、下記式(40)となる。
Figure 2017221552
ここで、振動板の振動速度ベクトルvは、上記式(28)より、下記式(41)で表すことができる。
Figure 2017221552
上記式(41)を上記式(40)に代入すると、下記式(42)が得られる。
Figure 2017221552
よって、入射側音圧pi0と鼓膜面の音厚の比trは、下記式(43)のように求めることができる。
Figure 2017221552
また、入射側音圧に対する鼓膜面の音圧の損失レベルR[dB]は、下記式(44)によって表すことができる。
Figure 2017221552
ここまでは、平板(振動板)上に付加質量(錘部)を設けない場合について説明したが、以下においては、振動板上に微小な錘部を設置し、振動板の共振周波数を変化させる場合について考える。錘部は、質量maの質点(集中質量)とし、振動板の剛性に影響を及ぼさないものとする。また、錘部の質量maは、振動板の質量と比較して軽く、振動板の振動モード形状に影響を及ぼさないものとする。ことのきの振動板の運動方程式は、下記式(45)で与えられる。下記式(45)において、δはディラックのデルタ関数であり、rMは集中質量(錘部)を設置した点の位置ベクトルである。
Figure 2017221552
振動板に錘部を設けない場合と同様に、振動速度vをモード展開式として記述し、モードの直交性により整理すると、下記式(46)が得られる。下記式(46)におけるK及びMは、いずれも対角行列であり、それぞれ剛性マトリクス及び質量マトリクスを表す。
Figure 2017221552
上記式(46)における剛性マトリクスKのi次対角成分Ki及び質量マトリクスMのi次対角成分Miは、それぞれ下記式(47),(48)で表すことができる。
Figure 2017221552
Figure 2017221552
本シミュレーションでは、上記式(44)に基づいて、振動板に錘部が設けられていない場合(後述するモデル1の場合)と、振動板に錘部が設けられている場合(後述するモデル2〜4の場合)との双方について、透過損失を計算した。後者の場合には、上記式(13)におけるMiを上記式(48)のMiで置き換えて計算を行った。本シミュレーションで用いた4種類のモデル1〜4を下記表1に示す。これら4種類のモデルにおいては、振動板を板厚0.1mmの金属(アルミニウム)板で統一した。また、いずれのモデルにおいても、図11における領域Aの半径a1及び領域Bの半径a2を4.5mmとし、領域Aと領域Bの長さの合計L1+L2を15mmとした。
Figure 2017221552
図12は、シミュレーション結果を示したグラフである。図12を見ると、錘部のないモデル1から、錘部の質量が0.01gのモデル2、錘部の質量が0.03gのモデル3、錘部の質量が0.05gのモデル4というように、錘部の質量が増加するにつれて、下向きのピークが表れる周波数(振動板の共振周波数)や、その共振周波数周辺における損失が少ない帯域(通過帯域)が低周波数側にシフトしていくことが分かる。具体的に、モデル1における振動板の共振周波数は10000Hz以上、モデル2における振動板の共振周波数は6000Hz強、モデル3における振動板の共振周波数は4000Hz弱、モデル4における振動板の共振周波数は3000Hz強となっている。このことから、錘部の質量を変更可能な本発明の耳用音響フィルターが、通過帯域をシフトできるものであることが、シミュレーションにより確認された。
また、図12を見ると、通過帯域よりも低い周波数帯域では、モデル1〜4のいずれにおいても、損失が60dB程度となっていることが分かる。このことから、本発明の耳用音響フィルターは、通過帯域をシフトさせても、低周波数帯域の遮音性能が維持されるものであることが、シミュレーションにより確認された。
3.実験
本発明の耳用音響フィルターの効果を確認するため、実験も行った。図13は、実験方法を示した図である。本実験では、図13に示すように、外耳道挿入部に見立てた鉄製の円筒体(カプラー)から1m離れた箇所に音源(スピーカー)を配するとともに、カプラー内の空洞部(直径9mmの円柱状の空洞部。外耳道挿入部に設けた通音孔に相当。)内に第一マイクを、カプラー外部における、スピーカーからの距離が第一マイクと等しくなる場所に第二マイクを配した。第一マイクと第二マイクには、いずれも、1/4インチマイクロホン(ブリュエル・ケアー社4958)を用いた。カプラーの空洞部(通音孔)のスピーカー側の端部から第一マイクの集音部までの距離は、実際の耳用音響フィルターにおける音源側の端部から鼓膜までの距離と略等しくなるように、15mmとした。第一マイクは、Oリングを介してカプラーに支持した。カプラーの空洞部(通音孔)は、スピーカー側の端部を振動板で塞いだ。振動板の周辺部は、シール材によってシールした。
この状態で、スピーカーからホワイトノイズを発生させ、第一マイクに入射したホワイトノイズの音響レベルと第二マイクに入射したホワイトノイズの音響レベルとの差から、振動板の共振による損失を測定した。振動板には、板厚0.2mmの樹脂板(塩化ビニル板)を用いた。この実験を、振動板に固定する錘部の質量を変えながら行った。錘部の質量は、下記表2の実施例1〜3に示す3種類とした。また、比較のため、錘部も振動板も設けない場合(比較例1)についても同様の測定を行った。
Figure 2017221552
図14は、実験結果を示したグラフである。図14を見ると、錘部の質量が0.13gの実施例1から、錘部の質量が0.16gの実施例2、錘部の質量が0.19gの実施例3というように、錘部の質量が増加するにつれて、下向きのピークが表れる周波数(振動板の共振周波数)や、その共振周波数周辺における損失が少ない帯域(通過帯域)が低周波数側にシフトしていくことが分かる。具体的に、実施例1における振動板の共振周波数は1136Hz程度、実施例2における振動板の共振周波数は1000Hz程度、実施例3における振動板の共振周波数は888Hz程度となっている。このことから、錘部の質量を変更可能な本発明の耳用音響フィルターが、通過帯域をシフトできるものであることが、実験によっても確認された。
また、図14を見ると、図12のシミュレーション結果とは異なり、錘部の質量が大きくなるにつれて、通過帯域よりも低い周波数帯域での遮音性能に低下がみられることが分かる。しかし、振動板のない比較例1と比較すると、それでもなお、低周波数帯域での遮音性能が維持されていることが分かる。このことから、本発明の耳用音響フィルターは、通過帯域をシフトさせても、低周波数帯域の遮音性能が維持されるものであることが、実験によっても確認された。
10 外耳道挿入部
11 通音孔
12 フランジ部
20 振動板
21 固定孔
30 錘部材(錘部)
31 頭部
32 胴部
40 振動板支持部材
41 振動板受け部
42 周壁部
43 オリフィス形成部
43a オリフィス部
振動板における振動可能な領域の直径
錘部の直径
オリフィス部の開口径
通過帯域の幅

Claims (5)

  1. 外耳道に挿入して用いる耳用音響フィルターであって、
    外耳道に挿入する外耳道挿入部に、音を通過させるための通音孔が設けられ、
    通音孔における所定箇所が、振動板によって塞がれるとともに、
    振動板における所定箇所に、錘部が設けられ、
    入射音による振動板の共振現象によって、特定の周波数帯域の音のみを選択的に鼓膜側へ通過させることができるようにした
    ことを特徴とする耳用音響フィルター。
  2. 錘部が、振動板とは別体の錘部材を振動板に固定することによって設けられた請求項1記載の耳用音響フィルター。
  3. 錘部材が、頭部及び胴部を有するリベット状を為し、
    振動板における所定箇所に、錘部材の胴部を挿通して固定するための固定孔が設けられた
    請求項2記載の耳用音響フィルター。
  4. 通音孔における振動板が設けられた箇所とは別の箇所に、当該別の箇所における通音孔の断面積を縮小するオリフィス部が設けられた請求項1〜3いずれか記載の耳用音響フィルター。
  5. 外耳道挿入部における通音孔の外端部近傍に固定可能な振動板支持部材を備え、
    振動板が、振動板支持部材を介して外耳道挿入部における通音孔の外端部近傍に支持される
    請求項1〜4いずれか記載の耳用音響フィルター。
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