本発明に係る遊技機として、スロットマシンを例にとって、具体的な実施形態の説明を行う。
(遊技機の構成)
はじめに、本発明の一実施形態に係る遊技機(スロットマシン)の正面図である図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る遊技機の概要の説明を行う。
スロットマシン1は、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、正面に開口を有している。この開口には、前扉20が開閉可能かつロック可能に取り付けられている。
前扉20は、略中央部分に透光性の窓21を有している。この窓21は、後述する各回転リール41,42,43の表面に表示される複数の図柄を視認できるように、配置されている。
また、窓21の上部には、液晶表示装置22と、電飾装置23と、スピーカ24とが設けられている。液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。すなわち、遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23及びスピーカ24によって行われる。
一方、窓21の下部には、操作部30が設けられている。操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、各回転リール41,42,43に対して設けられ、回転中の各回転リール41,42,43を停止させるためのストップスイッチ34,35,36とで構成されている。これら操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)及び貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。
更に、操作部30の下部には、メダルを払い出すための払い出し口25と、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留するための下皿26とが設けられている。
スロットマシン1は、図1に示すスロットマシンのブロック図である図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40及びメダルを払い出すためのホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40及びホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)等とともに、筺体10の内部に配置されている。なお、図2の矢印は、信号の進む方向を示している。
回転リールユニット40は、3個の回転リール41,42,43と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。この回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置されている。回転リール41,42,43の表面には、図3に示すように配列された図柄が表示されるとともに、基準点(図示せず)が設けられている。この基準点は、例えば、回転リール41,42,43のAの図柄(ベルA)の中心に配置されている。
ここで、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、あるいは、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(クレジット)を使用して、メダルをベットする。スロットマシン1の遊技状態(以下、単に「遊技状態」という)等に応じて設定されている規定の枚数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
有効ラインは、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、図1に示す遊技機の有効ラインを示す模式図である図4に示すように、上段ライン71、中段ライン72及び下段ライン73の水平方向の3本と、右上がりライン74及び右下がりライン75の斜め方向の2本とで構成され、メダルのベットに応じて有効化される。なお、このスロットマシン1の窓21に表示される図柄は、図4に示すように、各回転リールにつき3図柄である。
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作され、その操作が受け付けられると、スロットマシン1内で行われる電子計算機による抽せん(以下、内部抽せんという)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作され、その操作が受け付けられると、ストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43を停止させることで、1ゲームが終了し、有効ライン上に揃った図柄の組み合わせ、すなわち、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出される。
また、内部抽せんでリプレイに当せんし、リール停止制御で当せんしたリプレイに対応する図柄が有効ライン上に揃って入賞した場合、次遊技において、メダルのベットを行わずに遊技が可能な再遊技が実施される。
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33及びストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技といい、遊技が行われる、または、行われた期間を遊技期間という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
また、スロットマシン1は、遊技状態の遷移を示す図5から明らかなように、RAMクリア時に移行するRT0、通常状態であるRT1、ARTへの移行準備状態であるRT2、ARTを実施可能なRT3及び一種BB実施状態で構成された遊技状態を有している。
RT0において、内部抽せんの結果、図6,図7に示すシングルボーナス(SB)に当せんし、かつSBが入賞しなかった場合(すなわち、SBを取りこぼした場合)に、RT1へ移行する。RT1において、内部抽せんの結果、図6,図7に示すRT2移行リプレイに当せんし、かつRT2移行リプレイが入賞した場合にRT2に移行する。RT2において、SBを取りこぼすと、RT2からRT1へ移行する。
RT2において、内部抽せんの結果、図6,図7に示すRT3移行リプレイに当せんし、かつ、RT3移行リプレイが入賞した場合に、RT3(ART)へ移行する。よって、RT2は、RT3への移行準備状態にあると言える。RT3において、SBを取りこぼすと、遊技状態がRT3からRT1に移行する。
なお、RT3では、RT0〜2よりも再遊技(リプレイ)が内部抽せんで当せんする確率が上がり、メダルが減りにくい状態である(RT:リプレイタイム)。図6に示すように、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役が設定されている。ここで、ART抽せん等によりARTを実施する遊技期間(ARTゲーム数)が獲得されている場合には、押し順役が入賞する押し順を報知する演出が行われる(AT:アシストタイム)ので、遊技者は確実にメダルの払い出しを受けることができる。これらを総称して、ART(アシストリプレイタイム)と称する。
一種BB実施状態は、図6,図7に示す一種BBに当せん後、一種BBが入賞し、かつ、一種BB中に所定の枚数のメダルが全て払い出される前の場合の遊技状態である。RT1〜RT3の何れからも、一種BBに移行可能である。メダルの払い出し枚数は、例えば、480枚以内で任意に設定できる。
一種BB実施中に規定枚数のメダルが払い出されると、一種BBからRT1に移行する。ただし、一種BB実施中に、内部抽せんの結果、図6,図7に示すRT3移行役に当せんし、かつ、RT3移行役が入賞した場合には、一種BBからRT3に移行する。
つまり、RT3でART実施中、ARTゲームが残っている状態で、一種BBに入賞した場合、ARTを中断して一種BBに移行するが、一種BB終了後、RT1及びRT2を経由して、または直接BBからRT3に移行したとき、ARTを再開することができる。なお、天井遊技数消化後に、ARTを再開することもあり得る。
なお、一種BBとは、一種特別役物に係る連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)である。このスロットマシン1では、全ての回転リール41,42,43について、図3に示す10番の図柄“セブン”が一種BBの入賞に係る図柄として対応付けられている。
内部抽せんで一種BBに当せんしたとき、一種BBフラグが設定され、当該遊技で一種BBが入賞しなかった場合には、一種BBフラグは入賞するまで次遊技に持ち越される所謂内部中の状態になる。なお、一種BBの代わりに、擬似ボーナスを採用してもよい。
SB、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、RT3移行役及び一種BBは、所定の条件、すなわち、RT2移行リプレイ、RT3移行リプレイ、RT3移行役及び一種BBについては入賞することにより、また、SBについては取りこぼすことにより、遊技状態の移行を可能にする移行役の一例である。また、SB、RT2移行リプレイ、RT3移行役及びRT3移行リプレイは、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することにより入賞可能になる押し順役の一例である。
(制御装置)
次に、図2を参照しながら、筺体10の内部に備えられた制御装置100の説明を行う。
メイン制御部110は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、遊技を進行させるための制御を行う。例えば、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36の操作に基づいてステッピングモータ61,62,63を制御して、回転リール41,42,43の回転を開始または終了させる。
また、サブ制御部120もメイン制御部110と同様に、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムあるいはデータ等を記憶しておくROMおよびRAM等を備えており、各種演出等を行うための制御を行う。例えば、メイン制御部110から送信された信号に基づいて演出内容を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を制御して、決定された演出内容を出力する。
なお、下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120を構成する各部は、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
[メイン制御部]
メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、ホッパー制御部114と、外部信号出力部115と、有利状態抽せん部116と、遊技状態移行部117と、ART制御部118と、計測部119とで構成されている。
内部抽せん部111は、複数の役抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、回転リール41,42,43の所定の図柄の組み合わせが対応付けられている役の抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられた遊技状態(図5に示す)を判定し、判定された遊技状態に応じて図6に示す内部抽せんに用いる役抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数と選択された役抽せんテーブルとに基づいて内部抽せんを行い、この内部抽せんにより当せんした役を判定する。内部抽せんの結果は、内部抽せん部111により、内部抽せん結果信号として出力される。また、内部抽せん結果信号はサブ制御部120にも送信される。
なお、このスロットマシン1において、ベットスイッチ32の操作信号は、所定の枚数のメダルが貯留されており、かつ、ベット受付期間において、ベットスイッチ32の操作が行われ、受け付けられた場合(ベットスイッチ32がオンされた場合)に出力される。
スタートスイッチ33の操作信号は、ベットスイッチ32の操作信号または所定の枚数分のメダル投入センサの検出信号が出力された状態で、スタートスイッチ33の操作が行われ、受け付けられた場合(スタートスイッチ33がオンされた場合)に出力される。このスタートスイッチ33の操作信号は、サブ制御部120へも送信される。
ストップスイッチ34,35,36の操作信号は、回転リール41,42,43の回転が開始され定常回転になった以降、スタートスイッチ33の操作信号が出力された状態で、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われ、受け付けられた場合(ストップスイッチ34,35,36がオンされた場合)に出力される。
また、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33及びストップスイッチ34,35,36の各スイッチの操作信号が出力されたか否かの判定は、1ゲーム毎に行われる。また、本明細書において、各スイッチの操作は、別途説明がある場合を除いて、各スイッチの操作信号が出力される操作を意味しているものとする。
役抽せんテーブルは、図7に示すように、RT0〜RT3及び1種BBの遊技状態毎に設けられており、内部抽せん部111の内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域の情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
図7に示す各役抽せんテーブルでは、遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。役抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数領域)が設けられており、この領域の各々が、“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
なお、図6では、押し順役が入賞可能となるストップスイッチ34,35,36の操作の順番を表の上部の3個の数字で示している。この数字は、“1”は左リール、“2”は中リール、“3”は右リールに対応するストップスイッチ34,35,36の操作を意味している。例えば、“123”であれば、左リール41に対応するストップスイッチ34、中リール42に対応するストップスイッチ35、右リール43に対応するストップスイッチ36の順にストップスイッチ34,35,36を操作することを示している。押し順役の押し順は、所定の条件を満たした場合に報知されるようになっている。
スロットマシン1では、当せんした当せん領域に設定されている1以上の役が、全て同時に当せんするように設定されている。例えば、内部抽せん部111の内部抽せんの結果、当せん領域“中ベル1〜4”及び“右ベル1〜4”に当せんした場合、中段ベルと、中ベル1〜4あるいは右ベル1〜4に同時に当せんする。
例えば、“中ベル1”に当せんした場合、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“213”及び“231”の中段ベルと、ストップスイッチ34,35,36の操作の順番が“123”、“132”、“312”及び“321”の中ベル1に同時に当せんする。“213”の中段ベルと“231”の中段ベルは、同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。また、“123”、“132”、“312”及び“321”の中ベル1は、全て同一の図柄の組み合わせが対応付けられている。
また、中段ベル、中ベル1〜4及び右ベル1〜4は、メダルの払い出しのある小役であるとともに、入賞したときに払い出されるメダルが中ベル1〜4及び右ベル1〜4よりも中段ベルのほうが多くなるように設定されている。このスロットマシン1では、3枚のメダルをベットしたとき、中段ベルの入賞で8枚のメダルが払い出され、中ベル〜4及び右ベル1〜4の入賞で1枚のメダルが払い出される。
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33の操作信号に基づいて回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始させる回転開始制御を行う。また、回転リール制御部112は、ストップスイッチ34,35,36の操作信号に基づいて、回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、回転している各回転リール41,42,43の回転を停止させる回転停止制御を行う。
回転停止制御では、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号等に基づいて、各回転リール41,42,43の停止位置を決定し、例えば、当せんした役に対応する図柄が有効ライン上に揃うように回転リール41,42,43の回転を停止させたり(いわゆる引き込み制御)、あるいは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させたりする(いわゆる蹴飛ばし制御)。回転リール41,42,43の回転停止制御の結果は、回転リール制御部112によって、回転リール停止信号として出力される。また、回転リール停止信号もサブ制御部120にも送信される。
遊技結果判定部113は、内部抽せん部111から出力された内部抽せん結果信号及び回転リール制御部112から出力された回転リール停止信号に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。ここでは、遊技結果判定部113は、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが所定の図柄と一致した場合に、役が入賞したと判定し、この判定結果を遊技結果判定信号として出力する。また、遊技結果判定信号もサブ制御部120にも送信される。
ホッパー制御部114は、遊技結果判定部113により出力された遊技結果判定信号、あるいは、操作部30の精算スイッチを操作することにより出力される操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技結果判定信号に基づいて払い出されたメダル(役の当せん、入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
外部信号出力部115は、遊技状態が所定の有利状態に移行した場合に、ホールコンピュータに、遊技状態が所定の有利状態へ移行したこと表す信号を出力する。また、外部信号出力部115は、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合に、サブ制御部120等に、スロットマシン1が設定変更されたことを表す設定変更信号、または、スロットマシン1がリセットされたことを表すリセット信号、または、スロットマシン1の電源がオンされたことを表す電源オン信号を出力する。
なお、有利状態とは、通常の遊技状態よりもメダル獲得の期待度が直接的または間接的に高い有利な状態をいい、例えば、ART及び一種BB実施状態のほか、通常状態における高確率抽せん状態も含まれる。
有利状態抽せん部116は、遊技状態及びメイン制御部110の内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号等に基づいて、例えば、ART抽せん、高確率状態移行抽せん、または後述する連続演出の抽せんを行う。
ART抽せんは、遊技状態がRT1〜RT3のときに、ARTを発生させるか否か(すなわち、遊技状態をARTに移行させるか否か)の抽せんである。このART抽せんでは、抽せん状態(例えば、低確率状態または高確率状態)に応じて異なるテーブルが選択され、この選択されたテーブルと、内部抽せんにより当せんした役とに基づいて、当せん確率が決定される。ART抽せんに当せんしたか否かは、有利状態抽せん部116により判定され、ART抽せんに当せんしたと判定された場合には、併せて、ARTで遊技可能な遊技期間(ARTゲーム数)が決定されてストックされる。更に、ART実施抽せんで当せんした場合には、抽せん結果に応じた遊技期間(ARTゲーム数)を加算してストックすることもできる。ART抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によってART抽せん結果信号として出力される。また、ART抽せん結果信号及び獲得したARTゲーム数等とともに、サブ制御部120にも送信される。
高確率状態移行抽せんは、例えば、ART抽せんに当せんしなかった場合に、抽せん状態を低確率状態から高確率状態へ移行させるか否かの抽せんである。この高確率状態移行抽せんでは、内部抽せんにより当せんした役に基づいて、当せん確率が決定される。高確率状態移行抽せんの結果は、有利状態抽せん部116によって高確率状態抽せん結果信号として出力される。また、高確率状態抽せん結果信号もサブ制御部120にも送信される。連続演出の抽せんについては、図14を用いて、追って詳細に説明する。
遊技状態移行部117は、内部抽せん部111により出力された内部抽せん結果信号、遊技結果判定部113により出力された遊技結果判定信号等に基づいて、遊技状態を移行させる。例えば、遊技結果判定部113により出力された遊技結果判定信号に基づいて、図5を参照しながら上述したように、所定の移行役が入賞したか否か(あるいは、所定の移行役を取りこぼしたか否か)を判定し、所定の移行役である特定移行役が入賞した(所定の移行役を取りこぼした)と判定した場合に、遊技状態を入賞した(取りこぼした)移行役に対応する遊技状態に移行させる。そして、各遊技状体(RT1〜RT3)へ移行したときには、それぞれの移行信号(RT1〜3移行信号)を出力する。これらの信号も、サブ制御部120に送信される。
このとき、ART抽せんでARTを発生させることが定められている場合には、RT1からRT2、RT2からRT3への昇格移行をアシストし、逆にSB取りこぼしのような転落移行を防ぐため、移行役である押し順役の押し順を報知することができる。これにより、遊技者は速やかにARTを開始することができる。
一方、ARTを実施して、ARTゲーム数がゼロとなった場合には、押し順の報知がなくなるため、RT3からRT1へ移行する可能性が高まる。
また、遊技状態移行部117は、RT1〜3において、一種BBが入賞した場合に、遊技状態を一種BB実施状態に移行させ、遊技状態が一種BB実施状態に移行したことを表すBB移行信号を出力する。BB移行信号も、サブ制御部120にも送信される。また、遊技状態移行部117は、一種BB実施状態に移行後、所定の枚数のメダルが払い出されると、基本的に、遊技状態を一種BBからRT1に移行させるが、一種BB実施中に、RT3移行役に入賞した場合には、一種BBからRT3に移行させる。
また、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態への移行に要する遊技数の上限値(天井ゲーム数)を設定し、計測部119から出力された天井計測信号に基づいて、計測された天井消化ゲーム数が、設定された天井ゲーム数に到達したか否かを判定する。そして、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、遊技状態を所定の有利状態に移行させる。例えば、計測部119により計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達したと判定された場合、遊技状態移行部117は、強制移行信号を出力し、遊技状態をARTに強
制的に移行させる。
なお、天井ゲーム数は、例えば、予め定められた遊技数であり、計測された天井消化ゲーム数が設定された天井ゲーム数に到達した場合に加え、スロットマシン1が設定変更またはリセットされた場合等に、再設定される。
ART制御部118は、遊技状態移行部117により遊技状態がRT3に移行した後、ARTゲーム数が経過するまで、内部抽せんにより当せんした押し順役(ベル)の押し順の報知を発生させる。押し順役の押し順の報知は、演出制御部121を用いて液晶表示装置22等を介して行われる。
また、ART制御部118は、有利状態抽せん部116により出力されたART抽せん結果信号と、計測部119により出力されたART計測信号とに基づいて、ARTモードが選択された後経過した遊技数(ART消化ゲーム数)が、ARTゲーム数に達したか否かを判定する。ART消化ゲーム数がARTゲーム数に達したと判定された場合、ART制御部118は、押し順役の押し順の報知を停止させ、ARTを終了させる。
計測部119は、遊技結果判定部113から出力される遊技結果判定信号に基づいて、ART消化ゲーム数を計測する。計測されたART消化ゲーム数は、計測部119によりART計測信号として出力される。なお、ART中に一種BBに入賞した場合、計測部119によるART消化ゲーム数の計測は、一種BB終了後、RT1及びRT2を経由して、または直接BBからRT3に移行してARTが再開するまで中断される。
また、計測部119は、遊技結果判定部113から出力された遊技結果判定信号に基づいて、所定の有利状態終了後、この有利状態に移行することなく経過した遊技期間を計測する。具体的には、例えば、ARTが終了し、遊技状態がRT3からRT1に移行した後、ART抽せんに当せんすることなく経過した遊技期間(天井消化ゲーム数)を計測する。計測された天井消化ゲーム数は、計測部119により天井計測信号として出力される。
なお、計測部119は、ART信号、あるいは、BB移行信号を受信した場合、すなわち、有利状態に移行した場合に、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。また、設定変更信号、リセット信号、あるいは、電源オン信号を受信した場合、すなわち、スロットマシン1が設定変更またはリセットまたは電源オンされた場合も、天井消化ゲーム数をゼロリセットする。
[サブ制御部]
サブ制御部120は、演出制御部121及び連続演出制御部122で構成されている。
演出制御部121は、例えば、内部抽せん部111から出力される内部抽せん結果信号、有利状態抽せん部116から出力されるART抽せん結果信号、あるいは、遊技状態移行部117から出力されるART信号に応じて、1ゲーム毎に、演出パターンを選択する。演出パターンの選択は、遊技状態、あるいは、内部抽せんにより当せんした役等に対応する演出の内容が記憶されているテーブル(図示せず)に基づいて行われる。演出制御部121は、選択された演出パターンに基づいて、液晶表示装置22、電飾装置23及びスピーカ24を制御して、演出を出力する。
演出制御部121に記憶されている演出テーブルには、例えば、所定の役に当せんした場合、あるいは、ART抽せんに当せんした場合に選択される可能性がある前兆演出テーブルを含んでいる。前兆演出テーブルとは、前兆演出が行われる所定の遊技期間(前兆演出期間)にのみ選択される演出テーブルに記憶されている領域の1つであり、前兆演出とは、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する演出の1つである。
前兆演出テーブルが選択された場合、演出制御部121は、例えば、前兆演出が行われる遊技数(前兆ゲーム数)を決定し、記憶する。そして、演出制御部121は、前兆演出の開始から経過した前兆演出期間の遊技数(前兆消化ゲーム数)を計測し、この前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したか否かを判定する。前兆消化ゲーム数が、記憶された前兆ゲーム数に達したと判定された場合、演出制御部121は、前兆演出を終了する。
また、演出制御部121は、遊技状態移行部117によって出力された報知信号に基づいて、押し順役の押し順を報知する。押し順役の押し順の報知は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して行われる。
なお、上記の実施形態では、ARTに関する全ての抽せん処理をメイン制御部110で行っているが、これに限られるものではなく、例えば、当せんした役等に対応する演出の実施に関する抽せん(ATに関する抽せん)をサブ制御部120で実施する場合もあり得る。
連続演出制御部122は、ART実施中に所定の要件を満たしたとき(例えば、ベル当選)、抽せん処理を行い、当せんした演出番号の連続演出を実施する制御処理を行う。連続演出は、複数の遊技にわたって(例えば22ゲーム)実施される一連のストーリー展開を有する演出である。例えば、抽せん処理で演出番号Kの連続演出が選択された場合、最初の遊技で、演出番号Kの連続演出の1番目の演出パターンを出力し、次に遊技で、演出番号Kの連続演出の2番目の演出パターンを出力し、これを演出番号Kの連続演出の最終のN番目の演出パターンまで繰り返す。具体的には、連続演出制御部122は、出力すべき演出パターンの情報(例えば、演出番号Kのn番目の演出)を演出制御部121に送信し、演出制御部121が連続演出を実施するための制御処理を行う。
連続演出においても、連続演出の開始前に、所定の遊技期間(前兆演出期間)、遊技状態が有利状態に移行する期待度を示唆する前兆演出を実施することができる。連続演出実施中に一種BBが入賞して、連続演出が中断される場合の制御処理について、以下に詳細に説明する。
<連続演出設定サブルーチン>
はじめに、図8に示すフローチャートを参照しながら、連続演出制御部122により実施される連続演出設定サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンは、連続演出を実施するための設定処理を示す。
図8において、まず、メイン制御部110から内部抽せん結果信号を受信したか否か判断する(ステップS100)。この判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、内部抽せん結果信号を受信するまで待機状態になっている。
ステップS100の判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNARTの値が0より大きいか否か判断する(ステップS102)。
ここで、NARTは、ARTを実施する遊技数を管理するカウンタである。ARTゲーム数を獲得したとき、カウンタARTに加算され、ART遊技を実施するごとに、1ずつ減じる制御処理を行う(図10のステップS148参照)。よって、カウンタNARTは、ARTを実施可能な残り遊技数を示しており、NARTの値がゼロになったとき、ARTを終了する。このARTを実施する遊技数の管理は、ART制御部118により行われる。
ステップS102の判断で、もし、NARTの値が0以下である(NO)、つまりART実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS102の判断で、もし、NARTの値が0より大きい(YES)、つまりART実施中であると判別したときには、次に、受信した内部抽せん結果信号に基づき、内部抽せんでベルに当せんしたか否か判断する(ステップS104)。この判断で、ベルに当せんしていない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS104の判断で、もし、ベルに当せんした(YES)と判別したときには、次に、カウンタNENSの値が0より大きいか否か判断する(ステップS106)。
ここで、NENSは、連続遊技を実施する遊技数を管理するカウンタである。本実施形態では、抽せんで連続演出を実施することが定まった場合、カウンタNENSに遊技数22がインプットされ(ステップS114参照)、連続演出の1遊技分の演出を実施するごとに、1ずつ減じる制御処理を行う(図9のステップS128参照)。よって、カウンタNENSの値は、連続演出を実施可能な残り遊技数を示しており、NENSの値がゼロになったとき連続演出を終了する。また、NENSの値により、連続演出の中の何番目の遊技を行うかを算出することが可能である(図9のステップS126参照)。
ステップS106の判断で、もし、NENSの値が0より大きい(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、本実施形態では、NENSの値が0より大きく、既に連続演出を実施中と判別したときには、ステップS108からS114に示す連続演出のための設定処理は行わない。ただし、これに限られるものではなく、ステップS108に示すような連続演出の抽せんを行って、当せんした場合にはその連続演出の実施権をストックすることも考えられる。
ステップS106の判断で、もし、NENSの値が0以下である(NO)、つまり連続演出を実施していないと判別したときには、図14に示すような連続演出抽せんテーブルを読み出して抽せん処理を行う(ステップS108)。図14に示す抽せんテーブルには、演出番号が1から20の20種類の連続演出と、はずれが設定され、それぞれの当せん確率が設定されている。本実施形態では、各連続演出番号(1〜20)の連続演出が、それぞれ1番目から22番目まで遊技ごとの演出パターンを有しており、遊技ごとの演出内容は前後で関連しており、1つの連続演出で一連のストーリーを有するようになっている。
次に、連続演出の抽せん処理の結果、何れかの連続演出に当せんしたか否か判断する(ステップS110)。この判断で、連続演出に当せんしていない(NO)つまり、はずれであると判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS110の判断で、もし、連続演出に当せんした(YES)と判別したときには、次に、抽せんで選択された演出番号の値をパラメータKの値としてインプットし(ステップS112)、カウンタNENSの値として22をインプットして(ステップS114)、本サブルーチンを終了する。
本実施形態では、各連続演出が22遊技にわたって実施されるようになっているが、これに限られるものではなく、その他の任意の遊技数を設定することができる。また、連続演出番号によって、実施する遊技数が異なるように設定することもできる。その場合には、ステップS114で、選択された演出番号に応じた値をインプットすることになる。
連続演出を実施する前の所定の遊技数で、それぞれの連続演出に適した内容の前兆演出を実施することもできる。
<連続演出制御サブルーチン>
次に、図9に示すフローチャートを参照しながら、連続演出制御部122により実施される連続演出制御サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンは、連続演出を実施するための制御処理を示す。
図9において、はじめに、メイン制御部110からスタートスイッチの操作信号を受信したか否か判断する(ステップS120)。の判断で、もし、スタートスイッチの操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、スタートスイッチの操作信号を受信するまで(つまり遊技を開始するまで)待機状態になっている。
ステップS120の判断で、もし、スタートスイッチの操作信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNARTの値が0より大きいか否か判断する(ステップS122)。この判断で、もし、NARTの値が0以下である(NO)、つまりART実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS122の判断で、もし、NARTの値が0より大きい(YES)、つまりART実施中であると判別したときには、次に、カウンタNENSの値が0より大きいか否か判断する(ステップS124)。この判断で、もし、NENSの値が0以下である(NO)、つまり連続演出の実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS124の判断で、もし、NENSの値が0より大きい(YES)、つまり連続演出の実施中であると判別したときには、次に、演出番号Kの連続演出の中の(23−NENS)番目の演出パターンを出力する(ステップS126)。具体的には、演出番号演出番号K及び実施する演出の順番(23−NENS)に関する情報を、連続演出制御部122から演出制御部121へ送信することにより、演出制御部121が演出番号Kの(23−NENS)番目の演出を実施する。
例えば、NENS=22の最初の遊技では、1(=23−NENS)番目の演出パターンが出力され、NES=1の最後の遊技では、22(=23−NENS)番目の演出パターンが出力される。
次に、カウンタNENSの値を1減じる制御処理を行い(ステップS128)、次に、カウンタNENSの値が0に達したか否か判断する(ステップS130)。この判断で、もし、NENSの値が0に達した(YES)と判別したときには、演出番号Kの値に0をインプットして初期化して(ステップS132)、本サブルーチンを終了する。これにより、連続演出は終了する。なお、NENSの値が0なので、次の遊技では、ステップS124の判断でNOと判別されるため、連続演出を実施する制御処理は行なわれない。
ステップS130の判断で、もし、NENSの値が0に達していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
<報知演出制御サブルーチン>
次に、図10に示すフローチャートを参照しながら、ART制御部118により実施される報知演出制御サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンは、押し順を報知する報知演出を実施するための制御処理を示す。
図10において、まず、内部抽せん結果信号を受信したか否か判断する(ステップS140)。この判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、内部抽せん結果信号を受信するまで待機状態になっている。
ステップS140の判断で、もし、内部抽せん結果信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNARTの値が0より大きいか否か判断する(ステップS142)。この判断で、もし、NARTの値が0以下である(NO)、つまりART実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS142の判断で、もし、NARTの値が0より大きい(YES)、つまりART実施中であると判別したときには、受信した内部抽せん結果信号に基づき、内部抽せんで当せんした役に対応した押し順を報知する報知演出パターンを出力する(ステップS144)。具体的には、出力する報知演出パターンの情報を、ART制御部122から、サブ制御部120の演出制御部121へ送信することにより、演出制御部121が対応した報知演出を実施する。
次に、カウンタNENSの値が0より大きいか否か判断する(ステップS146)。この判断で、もし、NENSの値が0以下である(NO)、つまり連続演出の実施中ではないと判別したときには、ART実施のためのカウンタNARTの値を1減じる制御処理を行って(ステップS148)、本サブルーチンを終了する。
ステップS146の判断で、もし、NENSの値が0より大きい(YES)、つまり連続演出の実施中であると判別したときには、NARTの値を減じることなく、そのまま本サブルーチンを終了する。
以上のように、ART中に連続演出を実施している場合には、ARTゲーム数を減じる制御処理がストップするので、実質的に、連続演出を実施する遊技数分だけ、ARTの遊技期間が延長されることになる。別の表現をすれば、連続演出を実施する遊技数分だけ、ARTゲーム数が加算されることになるので、遊技者の連続演出に対する関心が高まり、延いては、遊技者の遊技に対する関心が高まる。
<BB入賞時処理サブルーチン>
次に、図11に示すフローチャートを参照しながら、連続演出制御部122により実施されるBB入賞時処理サブルーチンの説明を行う。本サブルーチンは、連続演出を実施中に一種BBが入賞した場合の制御処理を示す。
図11において、はじめに、メイン制御部110から遊技結果判定信号を受信したか否か判断する(ステップS160)。この判断で、もし、遊技結果判定信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、遊技結果判定信号を受信するまで待機状態になっている。
ステップS160の判断で、もし、遊技結果判定信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、受信した遊技結果判定信号に基づき、一種BBが入賞したか否か判断する(ステップS162)。この判断で、もし、一種BBが入賞していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS162の判断で、もし、一種BBが入賞した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNARTの値が0より大きいか否か判断する(ステップS164)。
この判断で、もし、NARTの値が0以下である(NO)、つまりART実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS164の判断で、もし、NARTの値が0より大きい(YES)、つまりART実施中であると判別したときには、次に、カウンタNENSの値が0より大きいか否か判断する(ステプS166)。この判断で、もし、NENSの値が0以下である(NO)、つまり連続演出の実施中ではないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS166の判断で、もし、NENSの値が0より大きい(YES)、つまり連続演出の実施中であると判別したときには、次に、連続演出フラグをオンして記憶する制御処理を行う(ステップS168)。この連続演出フラグを説明すると、一種BBの入賞によりARTは終了するが、連続演出フラグをオンになっている場合には、再びARTを開始するとき、連続演出を実施する設定をするようになっている(図12、13参照)。
つまり、ART実施中(ステップS164でYES)に連続演出を実施しているときに(ステップS166でYES)、一種BBが入賞した場合には(ステップS162でYES)、連続演出フラグをオンにすることにより、ART再開時に、更なる連続演出の抽せん等を行うことなく、連続演出を実施することができる。
ステップS168に引き続いて、実施中の連続演出の演出番号であるKの値を記憶する(ステップS170)。この制御処理により、ART再開時に、中断した連続演出と同一の連続演出を実施することができる。
次に、現在のカウンタNENSの値に1を加えた値を記憶する(ステップS172)。
ステップS172の制御処理は、再びARTを開始するとき、中断した連続演出の続きの演出から再開する場合に必要な制御処理であり、図12に示すような、再びARTを開始するとき、連続演出を最初から再開する場合には実施する必要はない。なお、ステップS170、S172で記憶したデータは、電断等のRAMをクリアする状況が生じない限り維持される。
ステップS172に引き続いて、連続演出の演出番号を示すパラメータKの値に0をインプットして初期化し(ステップS174)、カウンタNENSの値に0をインプットして初期化して(ステップS176)、本サブルーチンを終了する。この制御処理により、次の遊技から連続演出は実施されなくなる(図9のステップ124でNO)。
<ART開始時処理サブルーチン(その1)>
次に、図12に示すフローチャートを参照しながら、連続演出制御部122により実施されるART開始時処理サブルーチン(その1)の説明を行う。本サブルーチンは、再びARTを開始するときに作動するプログラムであり、連続演出を実施するための設定を行う処理の1つの実施形態を示す。
図12において、はじめに、連続演出フラフがオンか否か判断する(ステップS180)。この判断で、もし、連続演出フラフがオンではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS180の判断で、もし、連続演出フラフがオンである(YES)と判別したときには、次に、カウンタNENSの値に22をインプットし(ステップS194)、実施する連続演出の演出番号を示すパラメータKに、図11のステップS170で記憶したKの値をインプットして(ステップS198)、本サブルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態では、再びARTが開始されるときに連続演出が再開される場合、同一の連続演出が初回の演出から開始される。よって、仮に連続演出の中断中に遊技者が代わったとしても、遊技者にとって理解が困難な演出が実施されることがない。
また、連続演出を実施するARTでは、ARTを実施可能な残り遊技数(ARTゲーム数)が減じられないようになっているので、連続演出を実施する遊技数だけ、遊技者にとって有利なARTが実質的に延長されることになるが、連続演出が再開されるとき、中断時までに実施された連続演出の回数に関わらず、連続演出が初回の演出から開始されるので、遊技者に更なる特典を与えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、連続演出が中断されても、連続演出の再開時に、遊技者にとって理解が困難な演出が実施されることがなく、遊技者に更なる特典を与えることができる。
また、図14に示すように、複数種類の連続演出の中から1の連続演出が選択されて実施されるので、変化に富んだ連続演出を実現でき、連続演出の興趣を高めることができる。また、複数の連続演出の中から選択可能な場合であっても、再開時には同じ連続演出を実施するので、遊技者はこの連続演出を堪能することができる。
<ART開始時処理サブルーチン(その2)>
次に、図13に示すフローチャートを参照しながら、連続演出制御部122により実施されるART開始時処理サブルーチン(その2)の説明を行う。本サブルーチンは、再びARTを開始するときに作動するプログラムであり、連続演出を実施するための設定を行う処理のその他の実施形態を示す。なお、図12に示すフローチャートに対応する制御処理については、図12のものと同じステップ番号を記載してある。
図13において、はじめに、連続演出フラフがオンか否か判断する(ステップS180)。この判断で、もし、連続演出フラフがオンではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS180の判断で、もし、連続演出フラフがオンである(YES)と判別したときには、次に、演出制御部121に信号を送信して、液晶表示装置22に、「連続演出を最初から実施する」または「連続演出を続きから再開する」の選択を遊技者に依頼する画像を表示する。なお、音声を伴って、選択を依頼することもできる。
次に、タイマーをオンにし(ステップS186)、次に、遊技者の操作に基づく操作信号を受信したか否か判断する(ステップS188)。この操作信号は、遊技者が「連続演出を最初から実施する」または「連続演出を続きから再開する」の選択を行うための信号であり、スロットマシン1が有する任意のスイッチを適用することができる。
ステップS188の判断で、もし、操作信号を受信していないと判別したときには、基本的に、操作信号を受信するまでこの判断処理を繰り返す。ただし、所定時間が経過するまで操作信号を受信しなかった場合には、ステップS190に示すように、強制的にステップS194へ進む。
ステップS188の判断で、もし、操作信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、「連続演出を最初から実施する」を選択したか否か判断する(ステップS192)。この判断で、もし、「連続演出を最初から実施する」を選択した(YES)と判別したときには、カウンタNENSの値として22をインプットする(ステップS194)。これにより、連続演出が再開されるとき、初回の演出から開始される。なお、遊技者が選択の操作を行わずに所定時間が経過した場合も、連続演出が再開されるとき、初回の演出から開始されるようになっている。
ステップS192の判断で、もし、「連続演出を最初から実施する」を選択していない(NO)、つまり「連続演出を続きから実施する」を選択したと判別したときには、カウンタNENSの値として、図11のステッップS172で記憶した値をインプットする(ステップS196)。これにより、連続演出が再開されるとき、続きの演出から開始される。
ステップS194またはS196の制御処理に引き続いて、実施する連続演出の演出番号を示すパラメータKに、図11のステップS170で記憶したKの値をインプットして(ステップS198)、本サブルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態によれば、例えば、連続演出の中断期間が比較的短いような場合には、同一の連続演出を中断時の次の回から開始させることにより、続きから再開できるので連続演出の興趣を高めることができる、一方、例えば、連続演出の中断期間が長かったり、遊技者が代わったような場合には、同一の連続演出を初回から開始させることにより、連続演出をはじめから堪能することができる。一方、遊技者によっては、連続演出の中断期間が非常に長くなった場合であっても、続きから再開させたい場合もあり、この要求にも適確に対応することができる。
以上のように、本実施態様によれば、連続演出の中断時のあらゆる状況に適応した連続演出の再開を実現できる。
図11のステップS170、S172で記憶したデータは、電断等のRAMをクリアする状況が生じない限り維持されるので、連続演出が中断した後、長時間が経過したとしても、必ず連続演出を実施できるので、遊技者の信頼を高めることができる。
また、連続演出の再開時に、前兆演出から開始することも可能であり、その場合には。遊技者は遊技者は、前兆演出から連続演出を堪能できる。
なお、連続演出を実施する遊技数に関しては、サブ制御部120の連続演出制御部122で管理され(図9のステップS128参照)、ARTの遊技期間(ARTゲーム数)に関しては、メイン制御部110のART制御部119で管理されている(図10のステップS146,S148参照)。
<その他の実施形態>
上述の実施形態では、中断した連続演出を再開させるとき、同一の連続演出を実施するようになっているが、それに限られるものではなく、初回から連続演出を再開させる場合には、実施する連続演出を複数種類の連続演出の中から、遊技者が選択したり、抽せん処理で定めたり、ミニゲームの結果に応じて定めることもできる。連続演出の種類によって実施する遊技数が異なる場合、再開時に実施する連続演出の実施遊技数が、中断した連続演出の実施遊技数よりも多い場合も含めれば、遊技者に更なる特典を付与することができる。