JP2017221028A - モータ制御装置 - Google Patents

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誠 ▲高▼橋
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高行 北河
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高行 北河
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Abstract

【課題】デューティ比100%付近におけるハンチングを抑制しつつも、直流電源電圧の変動がモータ回転数の変動に与える影響を小さく抑えることができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置11は、フィードバック制御によって演算デューティ比Daを所定周期毎に演算するF/B制御部23と、該所定周期毎に電圧補償制御のオンオフ判定を行う判定部25と、判定部25でのオン判定に基づき、バッテリ電圧値+Bの変動に応じて演算デューティ比Daを補正する電圧補償制御を行うデューティ補正部24と、出力デューティ比Dc(演算デューティ比Da又は補正デューティ比)に基づいて駆動電圧をPWM制御するPWM制御部17とを備える。そして、判定部25は、前回処理における出力デューティ比Dcが100%未満の閾値よりも小さい又は100%を越える場合、今回処理における電圧補償制御のオン判定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載されるモータ制御装置に関するものである。
従来、車両に搭載のモータ制御装置では、例えば特許文献1に示されるように、車載バッテリの電圧(直流電源電圧)から生成しモータに供給する駆動電圧をPWM制御により調整する。そして、そのPWM制御のデューティ比は、モータの実回転数(検出値)と目標回転数との偏差を基に該実回転数を目標回転数とするためのフィードバック制御と、バッテリ電圧の変動比率分をPWM制御のデューティ比に反映させるように補正する電圧補償制御(フィードフォワード制御)とによって演算されるようになっている。
電圧補償制御では、例えばバッテリ電圧の最大値とされる基準電圧値をR、バッテリ電圧(検出値)をB、フィードバック制御によって演算されるデューティ比(演算デューティ比)をDとして、(基準電圧値R/バッテリ電圧B)×演算デューティ比D、という演算処理を行って最終的な駆動電圧のデューティ比(出力デューティ比)を算出する。このような電圧補償制御により、バッテリ電圧Bの変動が相殺されるため、バッテリ電圧Bの変動が駆動電圧の変動として現れないように制御できる。なお、電圧補償制御により補正された出力デューティ比が100%を越える場合には、出力デューティ比が100%として処理され、デューティ比100%の駆動電圧がモータに供給されるようになっている。
ところで、上記のようなモータ制御装置において、PWM制御によって駆動され、駆動電圧をモータに供給する駆動回路を構成するスイッチング素子に、例えばFET(Field effect transistor)を用いたものがある。このようなモータ制御装置では、PWM制御の出力デューティ比が100%に近くなると、FETを駆動するゲート電圧の波形のなまり(ゲート容量へ電圧を充電することによる時間遅延)により、FETのリニアリティ(応答の線形性)がくずれて、モータの実回転数が目標値の前後で振れて収束しない、いわゆるハンチングが生じやすい。また、上記のような電圧補償制御が実行されていると、バッテリ電圧Bの変動に応じて出力デューティ比が敏感に変動するため、出力デューティ比100%付近でのハンチングが助長されるおそれがある。
そこで、このような出力デューティ比100%付近でのハンチングを抑制するため、前回処理における出力デューティ比が100%付近かつ100%以下の所定の閾値以上であった場合に、今回処理における電圧補償制御をオフ、つまり、バッテリ電圧Bに応じた補正を行わずに演算デューティ比Dを出力デューティ比とする制御を実行することが望ましい。なお、この電圧補償制御のオンオフ判断のための閾値は、ハンチングが発生しやすい範囲の下限値付近(およそ80〜90%)に設定されることが好ましく、これにより、ハンチングが発生しやすい閾値以上の範囲で電圧補償制御をオフし、ハンチングが発生しにくい閾値未満の範囲では電圧補償制御をオンさせることが可能となる。
特開2000−341982号公報
近年、省エネや燃費向上等のため、一時停車時等にエンジンを自動的に停止させ、車両発進時等にエンジンを自動再始動させる、いわゆるアイドルストップ車の需要が高まっており、このようなアイドルストップ車に上記モータ制御装置を搭載する場合を考える。
アイドルストップ車では、エンジンの再始動時のクランキングによってバッテリ電圧Bが大幅に低下する傾向がある。例えば、バッテリ電圧Bが基準電圧値R(例えば16[V])で安定している状況で、出力デューティ比60%付近でモータが目標回転数で定速駆動されているときに、エンジン再始動時のクランキングによってバッテリ電圧Bが半減(8[V]まで低下)したとする。このとき、電圧補償制御によって、出力デューティ比が60%付近から120%付近まで上昇される。なお、上昇された出力デューティ比が100%を越えるため、出力デューティ比は100%として処理され100%の駆動電圧となる。すると、次回処理では、今回処理における出力デューティ比(120%)に基づく電圧補償制御のオンオフ判断によって、電圧補償制御がオフされる。電圧補償制御がオフされた状態では、演算デューティ比D(出力デューティ比)がフィードバック制御によって徐々に60%から増加されることとなり、しばらく時間が経過すると、電圧補償制御がオフであっても演算デューティ比D(出力デューティ比)が100%付近まで上昇する。そして、その後、クランキングの終了に伴いバッテリ電圧Bが急上昇して基準電圧値R(16[V])まで復帰したとき、バッテリ電圧Bが低下していない状態にも関わらず出力デューティ比が100%でモータが駆動されてしまうこととなる。つまり、クランキングが終了した時のバッテリ電圧Bの急上昇がそのままモータの回転数の急増となり、乗員に違和感を与えるモータの挙動となってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、デューティ比100%付近におけるハンチングを抑制しつつも、直流電源電圧の変動がモータ回転数の変動に与える影響を小さく抑えることができるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するモータ制御装置は、直流電源電圧から生成した駆動電圧をモータに供給する駆動回路と、前記モータの実回転数を目標回転数とするためのフィードバック制御によってデューティ比を所定周期毎に演算するデューティ演算部と、前記デューティ比に基づいて前記駆動電圧をPWM制御するPWM制御部と、前記駆動電圧に対する前記直流電源電圧の変動の影響を相殺するように前記デューティ比を補正する電圧補償制御を行うデューティ補正部と、前記所定周期毎に前記電圧補償制御のオンオフ判定を行う判定部とを備え、前記デューティ補正部は、前記判定部でのオン判定に基づいて前記電圧補償制御を実行するモータ制御装置であって、前記判定部は、前回処理における前記デューティ比が100%未満の閾値よりも小さい又は100%を越える場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行う。
この構成によれば、前回処理におけるデューティ比が100%未満の閾値よりも小さい場合、今回処理における電圧補償制御のオン判定がなされ、そのオン判定に基づいて今回処理で電圧補償制御が実行される。これにより、駆動電圧のデューティ比が100%付近となっている状態において電圧補償制御をオフすることが可能となり、その結果、デューティ比100%付近でのハンチングを抑制することが可能となる。また、前回処理におけるデューティ比が100%を越える場合においても、今回処理における電圧補償制御のオン判定がなされる。これにより、直流電源電圧が急下降した時の電圧補償制御によってデューティ比が100%を越えた場合、次回のデューティ比の演算処理において電圧補償制御がオンのまま維持され、最大デューティ比(100%)が維持される。このため、直流電源電圧が低下している期間において、フィードバック制御を行うデューティ演算部で演算されるデューティ比(演算デューティ比)の上昇を極力抑えることができる。従って、その後、直流電源電圧が復帰(急上昇)した時、駆動電圧のデューティ比が、直流電源電圧の急下降前のデューティ比付近の値に速やかに復帰するため、この時にモータの回転数が急増することを抑制できる。
上記モータ制御装置において、前記デューティ演算部による前記フィードバック制御はPI制御であり、前記デューティ演算部は、前回処理における前記デューティ比が100%を越える場合に、今回処理における前記目標回転数を、前回処理における前記目標回転数よりも小さい値に設定する。
この構成によれば、直流電源電圧が低下し、電圧補償制御によってデューティ比が100%を越えているときに、今回処理におけるフィードバック制御の目標回転数を強制的に小さい値とする。これにより、直流電源電圧が低下している期間において、モータの実回転数と目標回転数との偏差の積分値(累積値)が減算され、それにより、デューティ演算部で演算されるデューティ比(演算デューティ比)の上昇をより一層抑えることができる。その結果、直流電源電圧が復帰(急上昇)した時に、モータの回転数が急増することをより好適に抑制できる。
上記モータ制御装置において、前記判定部は、前記直流電源電圧が予め設定された閾値以下の場合、前記電圧補償制御のオン判定を行う。
この構成によれば、直流電源電圧が低下して閾値以下となった場合に電圧補償制御が実行される。このため、直流電源電圧が復帰した時に、モータの回転数が急増することをより好適に抑制できる。
上記モータ制御装置において、前記判定部は、前記デューティ演算部での今回処理において前記モータの実回転数が前記目標回転数よりも大きい場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行う。
この構成によれば、電圧補償制御のオフ状態でデューティ比が前記閾値以上かつ100%以下のときに、バッテリ電圧が急上昇した場合には、デューティ比が閾値以上の高い値のまま出力されるため、モータの実回転数が上昇し、モータの実回転数が目標回転数を越える。ここで、電圧補償制御がオンされるため、デューティ比を適正値まで迅速に減少させることが可能となる。従って、直流電源電圧の急上昇がモータ回転数の変動に与える影響をより小さく抑えることができる。
上記モータ制御装置において、前記判定部は、前記デューティ演算部での今回処理において前記モータの実回転数が前記目標回転数よりも大きく、かつ、当該モータの実回転数と目標回転数との偏差が予め設定された閾値以上の場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行う。
この構成によれば、電圧補償制御のオフ状態でデューティ比が閾値以上となっているときに、バッテリ電圧が急上昇した場合には、モータの実回転数が目標回転数を大きく越えるため、より適切な状況で電圧補償制御を実行させることが可能となる。
本発明のモータ制御装置によれば、デューティ比100%付近におけるハンチングを抑制しつつも、直流電源電圧の変動がモータ回転数の変動に与える影響を小さく抑えることができる。
実施形態のブラシレスモータ及びモータ制御装置の概略構成図。 同形態の制御回路による処理を示すフローチャート。 同形態の制御回路の判定部での判定処理を示すフローチャート。
以下、モータ制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のブラシレスモータ10は、車両用空調装置の送風用モータとして用いられる。ブラシレスモータ10は、U相・V相・W相の三相の駆動電圧の供給に基づいて回転駆動されるものであり、モータ制御装置11は、その三相への通電タイミングを設定して各相の駆動電圧を生成することでブラシレスモータ10の回転を制御している。このモータ制御装置11は、ブラシレスモータ10に一体に備えられている。
モータ制御装置11は、三相インバータ回路12と制御回路13とを備えている。三相インバータ回路12は、スイッチング素子としてFET14を6個用いたブリッジ回路で構成されている。各FET14が制御回路13によってスイッチング制御されることで、車載バッテリEからの直流電圧から120°位相の異なる三相の駆動電圧が生成され、各相の駆動電圧が各相のコイル10u,10v,10wに供給されるようになっている。
ブラシレスモータ10に備えられた回転センサ15は、例えばホールIC等からなり、ブラシレスモータ10のロータと一体回転するセンサマグネット16の回転に応じた回転検出信号Sp(パルス信号)を制御回路13に出力する。
制御回路13は、目標値算出部21、実回転数算出部22、F/B制御部(フィードバック制御部)23、デューティ補正部24、及び判定部25を備えている。
目標値算出部21は、車室内の操作部(図示略)の操作に基づいてエアコンECU26から出力される回転指令信号Siから目標値となる目標回転数ωdを算出し、その目標回転数ωdをF/B制御部23及び判定部25に出力する。
実回転数算出部22は、回転センサ15から出力される回転検出信号Spに基づいてブラシレスモータ10の実回転数ω(検出値)を算出し、その実回転数ωをF/B制御部23及び判定部25に出力する。
F/B制御部23は、減算器23aによって目標回転数ωdと実回転数ωとの偏差Δω(Δω=ωd−ω)を演算し、その偏差Δωに基づいてフィードバック制御を実行する。本実施形態のF/B制御部23が実行するフィードバック制御はPI制御である。すなわち、F/B制御部23は、偏差ΔωにP(比例)制御の比例ゲインKpを乗ずることにより比例成分を演算するとともに、偏差Δωの積分値(累積値)にI(積分)制御の積分ゲインKiを乗ずることにより積分成分を演算する。そして、これら比例成分及び積分成分を加算器23bにて加算することで演算デューティ比Daを演算し、その演算デューティ比Daをデューティ補正部24に出力する。
判定部25は、後述の判定態様にてデューティ補正部24における補正処理(電圧補償制御)の要否を判定する。
デューティ補正部24は、判定部25にて電圧補償制御が必要であると判定(オン判定)された場合、車載バッテリEの実電圧値(バッテリ電圧値+B)に基づいて演算デューティ比Daを補正する補正処理(電圧補償制御)を行う。電圧補償制御では、補正係数k(=基準電圧値R/バッテリ電圧値+B)を算出し、演算デューティ比Daと補正係数kとの積を補正デューティ比Dbとする。本実施形態では、基準電圧値Rは車載バッテリEの最大値(16[V])に設定されている。これにより、例えばバッテリ電圧値+Bが基準電圧値Rの半分(8[V])まで下がった場合、補正係数kが「2」となり、補正デューティ比Dbは演算デューティ比Daの2倍の値となる。そして、デューティ補正部24は、上記電圧補償制御によって演算された補正デューティ比Dbを出力デューティ比Dcとし、当該出力デューティ比DcをPWM制御部17に出力する。
なお、判定部25にて電圧補償制御が不要であると判定(オフ判定)された場合には、F/B制御部23から出力される演算デューティ比Daがそのまま出力デューティ比Dcとされ、当該出力デューティ比Dc(演算デューティ比Da)がPWM制御部17に出力される。
PWM制御部17は、制御回路13から出力された出力デューティ比Dcで三相インバータ回路12の各FET14をPWM駆動させる。このとき、出力デューティ比Dcが100%を越えている場合には、PWM制御部17は、出力デューティ比Dcを100%として処理する。
次に、図2を参照して、制御回路13による出力デューティ比Dcの出力処理について説明する。なお、この出力処理は所定周期(例えば10[ms])で繰り返し実行される。
ステップS1でエアコンECU26から回転指令信号Siを受けると、目標値算出部21は目標回転数ωdを算出する(ステップS2)。ステップS2では、目標値算出部21は、制御回路13の前回処理における出力デューティ比Dcを参照し、当該出力デューティ比Dcが100%以下か否かを判定する。
前回処理における出力デューティ比Dcが100%以下である場合には、ステップS3に示すように、今回処理における目標回転数ωdを、回転指令信号Siに基づいて算出する。
前回処理における出力デューティ比Dcが100%を越える場合には、ステップS4に示すように、今回処理における目標回転数ωdを、前回処理における目標回転数ωdよりも小さい値に設定する。本実施形態では、前回処理における出力デューティ比Dcが100%を越える場合には、今回処理における目標回転数ωdを、ブラシレスモータ10の最低制御回転数ωL(例えば500[rpm])とする。この最低制御回転数ωLは、回転指令信号Siに基づいて算出される目標回転数ωdの下限値よりも低い値である。これにより、今回処理における目標回転数ωdが、前回処理における目標回転数ωdよりも小さい値とされる。
次に、ステップS5において、F/B制御部23は、上記ステップS3又はステップS4にて設定された目標回転数ωdとブラシレスモータ10の実回転数ωとに基づく上記フィードバック制御によって、演算デューティ比Daを算出する。
次に、ステップS6において、判定部25は、今回処理においてデューティ補正部24による電圧補償制御が必要か否かを判定する。
ステップS6で電圧補償制御が必要であると判定された場合には、デューティ補正部24は電圧補償制御を行う(ステップS7)。つまり、上記態様で補正デューティ比Dbを算出し、該補正デューティ比Dbを出力デューティ比Dcとする。
ステップS6で電圧補償制御が不要であると判定された場合には、デューティ補正部24での電圧補償制御が実行されない(ステップS8)。つまり、F/B制御部23にて算出された演算デューティ比Daがそのまま出力デューティ比Dcとされる。
その後、ステップS9において、制御回路13は、上記ステップS7又はステップS8にて設定された出力デューティ比DcをPWM制御部17に出力する。そして、PWM制御部17は、制御回路13から出力された出力デューティ比Dcで三相インバータ回路12の各FET14をPWM駆動させ、これにより、各相の駆動電圧が各相のコイル10u,10v,10wに供給される。
次に、判定部25での判定処理(上記ステップS6)の詳細を図3に従って説明する。
まず、ステップS11において、車載バッテリEの実電圧値(バッテリ電圧値+B)が予め設定された閾値Vt以下かどうかが判定される。ここで、バッテリ電圧値+Bが閾値Vt以下の場合、今回処理において電圧補償制御が必要であると判定(オン判定)される(ステップS18)。一方、バッテリ電圧値+Bが閾値Vtよりも大きい場合、ステップS12に移る。なお、閾値Vtは、基準電圧値Rの半分の値(本実施形態では8[V])に設定されることが好ましい。
ステップS12では、前回処理における出力デューティ比Dcが100%よりも大きいか否かが判定される。前回処理における出力デューティ比Dcが100%よりも大きい場合には、電圧補償制御のオン判定がなされる(ステップS18)。一方、前回処理における出力デューティ比Dcが100%以下である場合には、ステップS13に移る。
ステップS13では、今回処理においてブラシレスモータ10の実回転数ωが目標回転数ωdよりも大きい(つまり、減速状態)か否かが判定される。ここで、減速状態である(ωd<ω)と判定された場合には、ステップS14に移る。一方、減速状態ではない(ω≦ωd)と判定された場合には、ステップS14を飛ばしてステップS15に移る。
ステップS14では、今回処理におけるブラシレスモータ10の実回転数ωと目標回転数ωdとの偏差Δωが予め設定された閾値ωt以上か否かが判定される。ここで、偏差Δωが予め設定された閾値ωt以上の場合、電圧補償制御のオン判定がなされる(ステップS18)。一方、偏差Δωが予め設定された閾値ωt未満の場合には、ステップS15に移る。
ステップS15では、前回処理における出力デューティ比Dcが、予め設定された100%未満の第1閾値Dt1以下か否かが判定される。第1閾値Dt1は、ブラシレスモータ10の実回転数ωが目標回転数ωdの前後で振れて収束しない、いわゆるハンチングが発生しやすい範囲の下限値付近(およそ80〜90%)に設定されることが好ましく、本実施形態では、第1閾値Dt1は85%に設定されている。このステップS15において、前回処理における出力デューティ比Dcが第1閾値Dt1以下の場合、電圧補償制御のオン判定がなされる(ステップS18)。一方、前回処理における出力デューティ比Dcが第1閾値Dt1よりも大きい場合には、ステップS16に移る。
ステップS16では、前回処理における出力デューティ比Dcが、予め設定された第2閾値Dt2以上か否かが判定される。第2閾値Dt2は、第1閾値Dt1よりも大きく、かつ、100%未満の値に設定され、本実施形態では、第2閾値Dt2は90%に設定されている。このステップS16において、前回処理における出力デューティ比Dcが第2閾値Dt2以上の場合、ハンチングが特に発生しやすい状態であると判断され、今回処理において電圧補償制御をすべきでないと判定(オフ判定)される(ステップS19)。一方、前回処理における出力デューティ比Dcが第2閾値Dt2未満である場合には、ステップS17に移る。
ステップS17では、前回処理において電圧補償制御が実行されたか否かが判定される。ここで、前回処理において電圧補償制御が実行されたと判定された場合、今回処理においても引き続き電圧補償制御を実行すべきと判断され、電圧補償制御のオン判定がなされる(ステップS18)。一方、前回処理において電圧補償制御が実行されなかったと判定された場合、今回処理においても引き続き電圧補償制御をオフするべきと判断され、電圧補償制御のオフ判定がなされる(ステップS19)。
上記態様で電圧補償制御のオンオフが判定され、その判定結果に基づいて上記したステップS7かステップS8の処理がなされる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
バッテリ電圧値+Bが基準電圧値R(16[V])で安定している状況で、60%付近の出力デューティ比Dcによってブラシレスモータ10が目標回転数ωdで定速駆動されているとする。この状況では、制御周期毎に判定部25で電圧補償制御のオン判定がなされ、デューティ補正部24の電圧補償制御が実行される。
この状況から、例えばエンジン再始動時のクランキングによってバッテリ電圧値+Bが半減(8[V]まで低下)すると、電圧補償制御によって、出力デューティ比Dcが60%付近から2倍(補正係数kが「2」)の120%付近まで上昇される。すると、次回処理では、前回処理における出力デューティ比Dc(120%)に基づく電圧補償制御のオンオフ判定によって、電圧補償制御のオン状態が継続される。これにより、出力デューティ比Dcが上方補正された状態が継続し、この状態ではブラシレスモータ10がデューティ100%で駆動される。このため、バッテリ電圧値+Bが低下している期間において、F/B制御部23のフィードバック制御によって演算される演算デューティ比Daが上昇することを極力抑えることができる。
更に、本実施形態では、前回処理における出力デューティ比Dcが100%を越える場合に、ブラシレスモータ10の最低制御回転数ωLとされる。このため、バッテリ電圧値+Bが低下している期間において、F/B制御部23での処理における偏差Δωの積分値(累積値)が減算され、それにより、演算デューティ比Daの上昇をより一層抑えることができる。
その後、クランキングの終了に伴いバッテリ電圧値+Bが急上昇して基準電圧値R(16[V])まで復帰したとき、電圧補償制御の補正係数kは「1」に戻る。そして、演算デューティ比Daは、バッテリ電圧値+Bの急下降前(クランキング前)の値付近(60%付近)に維持されているため、出力デューティ比Dcはその演算デューティ比Daの値(60%付近)まで低下する。このため、クランキングの終了に伴いバッテリ電圧値+Bが急上昇したときに、ブラシレスモータ10の回転数が急増することを抑制できる。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)判定部25は、前回処理における出力デューティ比Dcが100%未満の第1閾値Dt1よりも小さい場合、今回処理における電圧補償制御のオン判定を行い、そのオン判定に基づいて電圧補償制御が実行される。これにより、駆動電圧のデューティ比が100%付近となっている状態において電圧補償制御をオフすることが可能となり、その結果、デューティ比100%付近でのハンチングを抑制することが可能となる。
また、前回処理におけるデューティ比が100%を越える場合においても、今回処理における電圧補償制御のオン判定がなされる。これにより、バッテリ電圧値+Bが急下降した時の電圧補償制御によって出力デューティ比Dcが100%を越えた場合、次回処理において電圧補償制御がオンのまま維持され、最大デューティ比(100%)が維持される。このため、バッテリ電圧値+Bが低下している期間における演算デューティ比Daの上昇を極力抑えることができる。従って、その後、バッテリ電圧値+Bが復帰(急上昇)した時、出力デューティ比Dcが、バッテリ電圧値+Bの急下降前の値付近に速やかに復帰するため、この時にブラシレスモータ10の回転数が急増することを抑制できる。
(2)F/B制御部23によるフィードバック制御はPI制御であり、F/B制御部23は、前回処理における出力デューティ比Dcが100%を越える場合に、今回処理における目標回転数ωdを、前回処理における目標回転数ωdよりも小さい値(ブラシレスモータ10の最低制御回転数ωL)に設定する。これによれば、バッテリ電圧値+Bが低下し、電圧補償制御によってデューティ比が100%を越えているときに、今回処理におけるフィードバック制御の目標回転数ωdが強制的に小さい値とされる。このため、バッテリ電圧値+Bが低下している期間において、ブラシレスモータ10の実回転数ωと目標回転数ωdとの偏差Δωの積分値(累積値)が減算され、それにより、F/B制御部23で演算される演算デューティ比Daの上昇をより一層抑えることができる。その結果、バッテリ電圧値+Bが復帰(急上昇)した時に、ブラシレスモータ10の回転数が急増することをより好適に抑制できる。
(3)判定部25は、バッテリ電圧値+Bが予め設定された閾値Vt以下の場合、電圧補償制御のオン判定を行う。これによれば、バッテリ電圧値+Bが低下して閾値Vt以下となった場合に電圧補償制御が実行される。このため、バッテリ電圧値+Bが復帰した時に、ブラシレスモータ10の回転数が急増することをより好適に抑制できる。
(4)判定部25は、デューティ補正部24は、F/B制御部23での今回処理においてブラシレスモータ10の実回転数ωが目標回転数ωdよりも大きい場合(つまり、減速状態の場合)、今回処理における電圧補償制御のオン判定を行う。電圧補償制御のオフ状態で出力デューティ比Dcが第1閾値Dt1以上かつ100%以下のときに、バッテリ電圧値+Bが急上昇した場合には、出力デューティ比Dcが第1閾値Dt1以上の高い値のまま出力されるため、ブラシレスモータ10の回転数が上昇し、実回転数ωが目標回転数ωdを越える。ここで、電圧補償制御がオンされるため、出力デューティ比Dcを適正値まで迅速に減少させることが可能となる。従って、バッテリ電圧値+Bの急上昇がブラシレスモータ10の回転数の変動に与える影響をより小さく抑えることができる。
また、判定部25は、F/B制御部23での今回処理においてブラシレスモータ10の実回転数ωが目標回転数ωdよりも大きく、かつ、当該ブラシレスモータ10の実回転数ωと目標回転数ωdとの偏差Δωが予め設定された閾値ωt以上の場合、今回処理における電圧補償制御のオン判定を行う。これによれば、電圧補償制御のオフ状態で出力デューティ比Dcが第1閾値Dt1以上かつ100%以下のときに、バッテリ電圧値+Bが急上昇した場合には、ブラシレスモータ10の実回転数ωが目標回転数ωdを大きく越えるため、より適切な状況で電圧補償制御を実行させることが可能となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、基準電圧値Rが車載バッテリEの最大値(16[V])に設定されたが、これに特に限定されるものではなく、基準電圧値Rは適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、F/B制御部23は、前回処理における出力デューティ比Dcが100%を越える場合に、今回処理における目標回転数ωdをブラシレスモータ10の最低制御回転数ωLとするが、これに限らず、前回処理における目標回転数ωdよりも小さい値であれば、最低制御回転数ωL以外の値としてもよい。
・上記実施形態では、判定部25による電圧補償制御のオンオフ判定を、F/B制御部23によるフィードバック演算(ステップS5の演算デューティ比Daの算出)の後に実行するが、これに限らず、判定部25による電圧補償制御のオンオフ判定の実行タイミングは適宜変更可能である。
・上記実施形態における判定部25の判定処理(図3参照)において、ステップS13及びステップS14を省略してもよい。つまり、ステップS12での判定が「NO」の場合、ステップS15に移るように変更してもよい。また、ステップS16及びステップS17を省略してもよい。つまり、ステップS15での判定が「NO」の場合、ステップS19(電圧補償制御のオフ判定)に移るように変更してもよい。
・上記実施形態において、制御回路13は、前回処理におけるブラシレスモータ10の実回転数ωと目標回転数ωdとの関係、つまり、実回転数ωが目標回転数ωdよりも大きい減速状態であるか、実回転数ωが目標回転数ωd以下である非減速状態であるかを記憶する。そして、前回処理が非減速状態であり、今回処理で減速状態に切り替わった場合、今回処理における出力デューティ比Dcをゼロとする(つまり、ブラシレスモータ10に対する駆動電圧の供給をオフする)制御を行ってもよい。これにより、バッテリ電圧値+Bが急上昇したときのブラシレスモータ10の回転数の急増をより好適に抑えることが可能となる。
・上記実施形態では、実回転数算出部22は、ホールIC等の回転センサ15からの回転検出信号Spに基づいてブラシレスモータ10の実回転数ωを検出するが、これ以外に例えば、ブラシレスモータ10に供給する駆動電圧から推定したロータ位置に基づいて実回転数ωを検出してもよい。
・上記実施形態のF/B制御部23によるフィードバック制御を、PID制御等に変更してもよい。
・駆動回路としての三相インバータ回路12を複数のFET14で構成したが、駆動回路の構成はこれに限らず、例えばFET等の半導体スイッチング素子を4個用いたフルブリッジ型駆動回路、半導体スイッチング素子を2個用いたハーフブリッジ型駆動回路を用いてもよい。
・上記実施形態では、車両用空調装置の送風用モータとして用いられるブラシレスモータ10に適用したが、この用途以外のブラシレスモータに適用してもよい。
・上記した実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
10…ブラシレスモータ、11…モータ制御装置、12…三相インバータ回路(駆動回路)、13…制御回路、17…PWM制御部、21…目標値算出部(デューティ演算部)、22…実回転数算出部(デューティ演算部)、23…F/B制御部(デューティ演算部)、24…デューティ補正部、25…判定部。

Claims (5)

  1. 直流電源電圧から生成した駆動電圧をモータに供給する駆動回路と、
    前記モータの実回転数を目標回転数とするためのフィードバック制御によってデューティ比を所定周期毎に演算するデューティ演算部と、
    前記デューティ比に基づいて前記駆動電圧をPWM制御するPWM制御部と、
    前記駆動電圧に対する前記直流電源電圧の変動の影響を相殺するように前記デューティ比を補正する電圧補償制御を行うデューティ補正部と、
    前記所定周期毎に前記電圧補償制御のオンオフ判定を行う判定部と
    を備え、前記デューティ補正部は、前記判定部でのオン判定に基づいて前記電圧補償制御を実行するモータ制御装置であって、
    前記判定部は、前回処理における前記デューティ比が100%未満の閾値よりも小さい又は100%を越える場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記デューティ演算部による前記フィードバック制御はPI制御であり、
    前記デューティ演算部は、前回処理における前記デューティ比が100%を越える場合に、今回処理における前記目標回転数を、前回処理における前記目標回転数よりも小さい値に設定することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のモータ制御装置において、
    前記判定部は、前記直流電源電圧が予め設定された閾値以下の場合、前記電圧補償制御のオン判定を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記判定部は、前記デューティ演算部での今回処理において前記モータの実回転数が前記目標回転数よりも大きい場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記判定部は、前記デューティ演算部での今回処理において前記モータの実回転数が前記目標回転数よりも大きく、かつ、当該モータの実回転数と目標回転数との偏差が予め設定された閾値以上の場合、今回処理における前記電圧補償制御のオン判定を行うことを特徴とするモータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190125760A (ko) * 2018-04-30 2019-11-07 경북대학교 산학협력단 무인 비행체의 모터 속도 제어 장치 및 방법

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