JP2017220554A - 撮像装置、及び、表面実装機 - Google Patents

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Abstract

【課題】一の部品の光学像だけを排他的にカメラに入射させるオフセットと各部品保持部列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現すること。【解決手段】複数の吸着ノズル20が一列に配列された吸着ノズル列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドに設けられて各吸着ノズル20に保持されている電子部品Eを一つずつ順に撮像する撮像装置であって、撮像部14Aは、単一のカメラ14Bと、吸着ノズル列毎に設けられており、電子部品Eの光学像を反射する対向ミラー14E及び14Fと、各対向ミラーで反射された光学像を合成して単一のカメラ14Bに入射させる光学系(反射ミラー14C、ハーフミラー14D)と、を有し、一の対向ミラーが吸着ノズル20に対向するときは他の全ての対向ミラーが吸着ノズル20に対向しないように、且つ、光路長が互いに一致するように各対向ミラーが列方向にずれて配されている。【選択図】図3

Description

本明細書で開示される技術は、撮像装置、及び、表面実装機に関する。
従来、部品を保持及び開放する複数の部品保持部が一列に配列された部品保持部列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドに設けられて各部品保持部に保持されている部品を単一のカメラによって一つずつ順に撮像する撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の部品認識装置は、部品実装ヘッドに碁盤目状に配された2列、計8本の吸着ノズルを備えている。そして、認識カメラの近接側に配列された吸着ノズルに対向して配されているハーフミラー(又はプリズム)と、認識カメラの遠隔側に配列された吸着ノズルに対向して配されているミラーとを含み、ハーフミラーで反射された画像が認識カメラに入射し、ミラーで反射された画像がハーフミラーを通過して認識カメラに入射するように構成されている。
そして、特許文献1に記載の部品認識装置では、一方の列の吸着ノズルに吸着されている部品の光学像が認識カメラに入射するときは他方の列の吸着ノズルに吸着されている部品の光学像が認識カメラに入射しないようにするために、認識カメラの光軸が吸着ノズルの配列方向に対して傾斜して配されている。言い換えると、一の部品の光学像だけが排他的にカメラに入射するようにハーフミラーとミラーとが吸着ノズルの配列方向にオフセットされている。
ところで、特許文献1に記載の部品認識装置は一方の列の吸着ノズルに吸着されている部品からカメラに至る光路長と、他方の列の吸着ノズルに吸着されている部品からカメラに至る光路長とが異なっている。光路長が異なっているといずれかの列で部品に焦点が合わなくなってしまう。このため特許文献1に記載の部品認識装置ではハーフミラーとミラーとの間にレンズを追加して光路長差を調整することによって焦点の位置合わせを行っている。
特許第4728181号公報
しかしながら、レンズを用いると部品の光学像が歪んでしまう虞がある。また、精度の高いレンズを用いることによって歪みを抑制することも考えられるが、一般に精度の高いレンズは高価である。このため、レンズを用いることなく各部品保持部列の焦点の位置合わせを行うことが望ましい。
本明細書では、一の部品の光学像だけを排他的にカメラに入射させるオフセットと各部品保持部列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現する技術を開示する。
本明細書で開示する撮像装置は、部品を保持及び開放する複数の部品保持部が一列に配列された部品保持部列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドに設けられて各前記部品保持部に保持されている前記部品を一つずつ順に撮像する撮像装置であって、撮像部と、前記撮像部を前記部品保持部列の列方向に往復移動させる搬送部と、を備え、前記撮像部は、単一のカメラと、前記部品保持部列毎に設けられており、一の前記部品保持部に対向して前記部品の光学像を反射する対向ミラーと、各前記対向ミラーで反射された光学像を合成して前記単一のカメラに入射させる光学系と、を有し、一の前記対向ミラーが前記部品保持部に対向するときは他の全ての前記対向ミラーが前記部品保持部に対向しないように、且つ、前記部品から前記カメラに至る光路の光路長が互いに一致するように各前記対向ミラーが前記列方向にずれて配されている。
上記の撮像装置によると、一の対向ミラーが部品保持部に対向するときは他の全ての対向ミラーが部品保持部に対向しないように各対向ミラーを列方向にずらして配するので、一の部品の光学像だけが排他的にカメラに入射するようにオフセットすることができる。また、各部品保持部列の部品保持部に保持されている部品からカメラに至る光路の光路長が互いに一致するように各対向ミラーを列方向にずらして配するので、レンズを用いることなく各部品保持部列の焦点の位置合わせを行うことができる。よって上記の撮像装置によると、一の部品の光学像だけを排他的にカメラに入射させるオフセットと各部品保持部列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現することができる。
また、各前記部品保持部はそれぞれ上下方向に移動可能に前記部品実装ヘッドに設けられており、各前記対向ミラーは、全ての前記部品保持部の上下方向の位置が同じであるときに前記光路長が互いに一致するように前記列方向にずれて配されてもよい。
一の対向ミラーが部品保持部に対向するときは他の全ての対向ミラーが部品保持部に対向しないように各対向ミラーを列方向にずらす場合、光路長が完全には一致しないように各対向ミラーを列方向にずらし、撮像の際に部品保持部列毎に部品保持部の上下方向の位置を異ならせることによって光路長を一致させるようにすることも可能である。しかしながら、そのようにすると少なくとも一方の部品保持部列については部品を撮像する際に部品保持部を上下方向に移動させなければならず、撮像に時間がかかってしまう。これに対し、上記の表面実装機によると、全ての部品保持部の上下方向の位置が同じである状態で部品を撮像することができるので、短時間に撮像することができる。これにより表面実装機の生産性を向上させることができる。
また、前記部品実装ヘッドには前記部品保持部列が2列配されており、前記光学系は反射ミラーとビームスプリッタとを有し、一方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記ビームスプリッタで反射されて前記カメラに入射する一方、他方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記反射ミラーで反射されて前記ビームスプリッタを透過して前記カメラに入射する、又は、一方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記ビームスプリッタを透過して前記カメラに入射する一方、他方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記反射ミラー及び前記ビームスプリッタにこの順で反射されて前記カメラに入射してもよい。
上記の撮像装置によると、一方の部品保持部列の対向ミラーで反射された光学像と他方の部品保持部列の対向ミラーで反射された光学像とを合成して単一のカメラに入射させることができる。
また、2つの前記光路のうち2つの前記対向ミラーが前記列方向にずれていない場合に光路長が短くなる方の光路をそれら2つの光路の光路長差分長くするように、2つの前記対向ミラーが前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとの間隔分、前記列方向にずれて配されており、各前記部品保持部列において互いに隣り合う2つの前記部品保持部の間隔が前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとの間隔と異なっていてもよい。
上記の撮像装置によると、2つの光路の光路長を互いに一致させることができる。そして、各部品保持部列において互いに隣り合う2つの部品保持部の間隔が反射ミラーとビームスプリッタとの間隔と異なっているので、一の対向ミラーが部品保持部に対向するときは他の全ての対向ミラーが部品保持部に対向しないようにオフセットすることができる。
また、本明細書で開示する表面実装機は、部品を保持及び開放する部品保持部を用いて基板に前記部品を実装する表面実装機であって、複数の前記部品保持部が一列に配列された部品保持部列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドと、前記部品実装ヘッドに設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置と、を備える。
上記の表面実装機によると、一の部品の光学像だけを排他的にカメラに入射させるオフセットと各部品保持部列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現することができる。
本明細書で開示される技術によれば、一の部品の光学像だけを排他的にカメラに入射させるオフセットと各部品保持部列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現することができる。
実施形態1に係る表面実装機の上面図 表面実装機の側面図 撮像装置の斜視図 撮像装置の上面図 撮像装置を前側から見た側面図 表面実装機の電気的構成を示すブロック図 他の実施形態に係る撮像装置の上面図
<実施形態1>
図1から図6を参照して実施形態1を説明する。以降の説明では図1に示す左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、紙面垂直方向(上下方向)をZ軸方向とし、紙面手前側を上、紙面奥側を下とする。また、以降の説明において基板に部品を実装するとは、部品を保持してプリント基板上の搭載位置に搭載することをいう。
(1)表面実装機の構成
図1に示すように、本実施形態に係る表面実装機1は基台10、搬送コンベア11、図示しないバックアップ装置、複数の部品供給装置12、部品実装装置13、撮像装置14(図2参照)などを備えている。
基台10は平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされている。
搬送コンベア11はプリント基板P(基板の一例)を搬送方向(X軸方向)に沿って搬送するものであり、搬送方向に循環駆動する一対のコンベアベルト11A、それらを回転させるコンベア駆動モータ11B(図6参照)などを備えている。プリント基板Pは一対のコンベアベルト11Aに架設されてX軸方向上流側(図1の右側)から基台10上の作業位置に搬入され、作業位置で停止して電子部品Eが実装された後、X軸方向下流側(図1の左側)に搬出される。
図示しないバックアップ装置は作業位置に搬送されてきたプリント基板Pを上方に持ち上げるものであり、搬送コンベア11の下方において一対のコンベアベルト11Aの間に設けられている。
複数の部品供給装置12は部品実装装置13に電子部品E(部品の一例)を供給するものである。部品供給装置12はフィーダ型とされ、搬送コンベア11の前後両側においてX軸方向に並んで2箇所ずつ、計4箇所に配されている。これらの部品供給装置12には複数のフィーダ12Aが左右方向に横並び状に整列して取り付けられている。各フィーダ12Aは複数の電子部品Eが収容された部品供給テープ(不図示)が巻回されたリール(不図示)、及び、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)等を備えており、搬送コンベア11側に位置する端部に設けられた部品供給位置から電子部品Eが一つずつ供給される。
部品実装装置13は部品供給装置12によって供給される電子部品Eをプリント基板Pに実装するものであり、部品実装ヘッド13A(部品実装ヘッドの一例)と、部品実装ヘッド13Aを一定の可動領域内でX軸方向及びY軸方向に搬送するヘッド搬送部13Bとを備えている。
ヘッド搬送部13BはY軸方向に平行に延びる一対のY軸ガイドレール13C、Y軸方向に延伸するY軸ボールねじ13D、Y軸ボールねじ13Dに螺合しているY軸ボールナット13E、Y軸ボールねじ13Dを軸周りに回転させるY軸サーボモータ13F、部品実装ヘッド13AをX軸方向に往復移動可能に支持しているビーム13G、X軸方向に延伸するX軸ボールねじ13H、X軸ボールねじ13Hに螺合しているX軸ボールナット13J、X軸ボールねじ13Hを軸周りに回転させるX軸サーボモータ13Kなどを備えている。
ビーム13GはX軸方向に延伸しており、X軸方向の両端部が一対のY軸ガイドレール13Cに摺動可能に支持されている。Y軸ボールナット13EはY軸ボールねじ13Dに螺合していると共にビーム13Gに固定されており、Y軸ボールねじ13Dが軸周りに回転するとY軸ボールナット13EがY軸ボールねじ13Dに沿って進退する。これによりビーム13GがY軸方向に移動する。
X軸ボールねじ13H及びX軸サーボモータ13Kはビーム13Gに支持されており、ビーム13Gと共にY軸方向に移動する。X軸ボールナット13JはX軸ボールねじ13Hに螺合していると共に部品実装ヘッド13Aに固定されており、X軸ボールねじ13Hが軸周りに回転するとX軸ボールナット13JがX軸ボールねじ13Hに沿って進退する。これにより部品実装ヘッド13AがX軸方向に移動する。
部品実装ヘッド13Aには複数の吸着ノズル20(部品保持部の一例)が一列に配列された吸着ノズル列(部品保持部列の一例)が2列平行に配されている。各列はX軸方向に延びており、それぞれ5個の吸着ノズル20が等間隔に配されている。これら複数の吸着ノズル20は行列状(言い換えると碁盤目状)に配されており、例えば各列の吸着ノズル20にそれぞれ左から順に番号を付した場合、一方の列のn番目の吸着ノズル20のX軸方向の位置と他方の列のn番目の吸着ノズル20のX軸方向の位置とは互いに一致する。以降の説明では後側の列のことを第1列といい、前側の列のことを第2列という。
吸着ノズル20は電子部品Eを吸着及び開放するものであり、外部の空気供給装置から負圧が供給されることによって電子部品Eを吸着し、正圧が供給されることによってその電子部品Eを開放する。
また、各吸着ノズル20はそれぞれ上下方向に移動可能に、且つ、軸周りに回転可能に部品実装ヘッド13Aに支持されている。そして、部品実装ヘッド13Aには各吸着ノズル20を個別に昇降させる複数のZ軸サーボモータ49(図6参照)、及び、吸着ノズル20を回転させるR軸サーボモータ50(図6参照)が設けられている。
(2)撮像装置
次に、図2〜図5を参照して、撮像装置14について説明する。図2に示すように、撮像装置14は部品実装ヘッド13Aの下方に配されている。撮像装置14は部品実装ヘッド13Aに設けられて各吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eを一つずつ順に撮像するものであり、撮像部14Aと、撮像部14AをX軸方向(左右方向)に往復移動させる図示しない搬送部とを備えている。
図3及び図4に示すように、撮像部14Aは単一のカメラ14B、反射ミラー14C、ハーフミラー14D、第1の対向ミラー14E、第2の対向ミラー14F、これらが固定されている基台14Gなどを備えている。反射ミラー14C及びハーフミラー14Dは光学系の一例である。また、ハーフミラー14Dはビームスプリッタの一例である。
図4に示すように、基台14Gは略板状の部材であり、図示しない支持部を介してX軸方向に移動可能に部品実装ヘッド13Aに支持されている。カメラ14Bは第1列より後側に配されており、撮像面がY軸方向前側を向いている。反射ミラー14Cはカメラ14Bの光軸上に配されており、Y軸方向の位置が第2列の吸着ノズル20のY軸方向の位置と一致する位置に反射面が略45度で傾斜する姿勢で配されている。ハーフミラー14Dはカメラ14Bと反射ミラー14Cとの間に配されており、Y軸方向の位置が第1列の吸着ノズル20のY軸方向の位置と一致する位置に略45度で傾斜する姿勢で配されている。
第1の対向ミラー14Eは第1列の一の吸着ノズル20に対向し、当該吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eの光学像を右側(X軸方向上流側)に反射するものである。第1の対向ミラー14Eで反射された電子部品Eの光学像はハーフミラー14Dで後側(Y軸方向後側)に反射されてカメラ14Bに入射する。
第2の対向ミラー14Fは第2列の一の吸着ノズル20に対向し、当該吸着ノズル20に保持されている電子部品Eの光学像を右側(X軸方向上流側)に反射するものである。第2の対向ミラー14Fで反射された電子部品Eの光学像は反射ミラー14Cによって後側(Y軸方向後側)に反射され、ハーフミラー14Dを透過してカメラ14Bに入射する。
カメラ14Bの光軸が略水平で略Y軸方向であれば反射ミラー14Cまたはハーフミラー14Dに略直角に反射された光学像の光路はこの光軸の方向に合せ略水平で略Y軸方向となる。また、第1の対向ミラー14Eや第2の対向ミラー14Fは反射面が略45度であるので電子部品Eの光学像はそれらの対向ミラーにより略直角に反射され、反射された光学像の光路は略水平方向であって吸着ノズル列の列方向(X軸方向)となる。
尚、光路の方向は最終的にカメラ14Bの光軸に略平行でカメラのレンズの略中心(この位置がカメラの撮像エリアの略中心となる)を通るように調整されれば第1の対向ミラー14Eや第2の対向ミラー14Fからの途中の経路は水平でなくとも構わない。
ここで、図4及び図5に示すように、第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとはX軸方向にずれて配されており、第1の対向ミラー14Eが第1列の一の吸着ノズル20に対向するときは第2の対向ミラー14Fは第2列のいずれの吸着ノズル20にも対向せず、第2の対向ミラー14Fが第2列の一の吸着ノズル20に対向するときは第1の対向ミラー14Eは第1列のいずれの吸着ノズル20にも対向しない。
具体的には、第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14Fとは、第1列の吸着ノズル20の高さと第2列の吸着ノズル20の高さとが同じである状態において、第1列の吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eからカメラ14Bに至る光路31の光路長と、第2列の吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eからカメラ14Bに至る光路32の光路長とが一致するように、2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔分だけX軸方向にずれて配されている。
即ち、本実施形態の場合、仮に第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとがX軸方向(吸着ノズル列の列方向)にずれて配されていないとすると、第1の対向ミラー14Eからカメラ14Bに至る光路31の光路長が、第2の対向ミラー14Fからカメラ14Bに至る光路32の光路長より短くなってしまう。このため、それら2つの光路31、32のうち光路長が短くなる方の光路31をそれら2つの光路の光路長差分長くするように、第1の対向ミラー14Eが対向ミラー14Fに対して2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔分、X軸方向下流側にずれて配されている。
なお、本実施形態では2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔と、反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔とが同じであるので、第1の対向ミラー14Eは第2の対向ミラー14Fに対して反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔分、X軸方向下流側にずれて配されているということもできる。
また、吸着ノズル20は同一の間隔を存してX方向に配置されているが、上述したようにして第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14Fとをずらした結果、第1の対向ミラー14Eをいずれかの吸着ノズル20の真下に位置させたときに第2の対向ミラー14Fがいずれかの吸着ノズル20の真下に位置することがないよう、各吸着ノズル列において互いに隣り合う2つの吸着ノズル20の間隔と2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔(言い換えると反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔)とが異なるように吸着ノズル20が配されている。
このため、例えば第1の対向ミラー14Eが第1列の一の吸着ノズル20に対向しているときは、第2の対向ミラー14Fは部品実装ヘッド13Aの下面を表す光学像を反射する。このため第1の対向ミラー14Eによって反射された電子部品Eの光学像と第2の対向ミラー14Fによって反射された部品実装ヘッド13Aの下面の光学像とが光学系(すなわち反射ミラー14C及びハーフミラー14D)によって合成されてカメラ14Bに入射する。
ここで、カメラ14Bは標準的な厚さ(高さ方向)の電子部品Eが吸着ノズル20に吸着されているときにその電子部品Eの下面(あるいはその近傍)に焦点が合うように焦点位置が設定されている。このため部品実装ヘッド13Aの下面には焦点が合っておらず、第2の対向ミラー14Fによって反射される光学像はぼやけたものになる。つまり、合成された光学像は第1の対向ミラー14Fによって反射された輪郭が明瞭な電子部品Eの光学像と第2の対向ミラー14Fによって反射されたぼやけた平坦面の光学像とを合成したものであるので、合成された光学像を撮像した画像を画像処理することによって電子部品Eを認識することが可能である。
尚、光学像を撮像する場合、照明を下方から電子部品Eの下面に照射してその反射像をカメラ14Bに取り込む場合は、電極で反射した光による電極像により電子部品Eの位置認識が行われることがあるが、このような場合、電子部品Eの背景となる吸着ノズル20の上方のノズル20間の背景は黒等暗い色であることが好ましい。
また、図3に示すように、本実施形態では、撮像装置14によって電子部品Eを撮像するとき、第1列の吸着ノズル20及び第2列の吸着ノズル20の下端面の上下方向の位置(以下「吸着ノズル20の高さ」という)が全て同じにされる。尚、第1列の吸着ノズル20及び第2列の吸着ノズル20は高さが同じになっていれば上下方向の上限位置で同じになっていてもよいし下限位置で同じになっていてもよい。
尚、電子部品Eの厚さ(高さ方向)が前述した標準的な電子部品Eの厚さと略同じであり、電子部品Eの下端面からの光路長が略同じとみなせて部品の光学像の焦点が合っているとみなせる場合は吸着ノズル20の下端面の高さをすべて同じにしておけばよいが、無視できないほど厚い電子部品Eを吸着する場合にはその厚さ分だけ吸着ノズル20を上昇させておけばよい。
図示しない搬送部は部品実装ヘッド13Aに固定されている撮像部搬送モータ(図6参照)と撮像部搬送モータ14Hの回転を基台14Gに伝達する伝達機構とを備えている。ここで、図2に示すように、撮像部14Aが常に部品実装ヘッド13Aの下方にあると吸着ノズル20によって電子部品Eを吸着したりプリント基板Pに搭載したりする際に撮像部14Aが邪魔になってしまうため、搬送部は吸着ノズル20によって電子部品Eを吸着及び搭載する際には撮像部14A全体が部品実装ヘッド13Aの下方から外れる退避位置33まで撮像部14AをX軸方向上流側(あるいは下流側でもよい)に搬送する。
尚、搬送部は上述した撮像部搬送モータ14Hとは別に基台14GをY軸方向に往復移動させるモータを備え、撮像部14A全体が部品実装ヘッド13Aの下方から外れる位置まで撮像部14AをY軸方向に搬送してもよい。
(3)表面実装機の電気的構成
次に、図6を参照して、表面実装機1の電気的構成について説明する。表面実装機1は制御部40によってその全体が制御統括されている。制御部40は、CPU等によって構成されている演算処理部41を備えている。演算処理部41にはモータ制御部42、記憶部43、画像処理部44、外部入出力部45、フィーダ通信部46、表示部47、入力部48などが接続されている。
モータ制御部42は演算処理部41の制御の下でX軸サーボモータ13K、Y軸サーボモータ13F、Z軸サーボモータ49、R軸サーボモータ50、コンベア駆動モータ11B、撮像部搬送モータ14Hなどの各モータを回転させる。
記憶部43は演算処理部41によって実行されるプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)や装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成されている。記憶部43には電子部品Eの搭載順序を計算する最適化プログラム43A、その計算結果に従って電子部品Eを実装する実装プログラム43B、各種データ43Cなどが記憶されている。各種データ43Cには実装対象となるプリント基板Pの生産枚数に関する基板情報、プリント基板Pに実装される電子部品Eの個数や種類等を含む部品情報、プリント基板P上の電子部品Eの搭載位置に関する搭載位置情報、部品供給装置12の各フィーダ12Aに保持された電子部品Eの数や種類に関するデータ等が含まれている。
画像処理部44は撮像装置14から出力される画像信号が取り込まれるように構成されており、出力された撮像信号に基づいて画像を生成する。
外部入出力部45はいわゆるインターフェースであり、表面実装機1の本体に設けられる各種センサ類51Aから出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部45は演算処理部41から出力される制御信号に基づいて各種アクチュエータ類51Bに対する動作制御を行うように構成されている。
フィーダ通信部46は部品供給装置12に取り付けられた各フィーダ12Aの制御部と接続されており、各フィーダ12Aを統括して制御する。
表示部47は表示画面を有する液晶表示装置等から構成され、表面実装機1の状態等を表示画面上に表示する。
入力部48はキーボード等から構成され、手動による操作によって外部からの入力を受け付けるようになっている。
(4)表面実装機の作動
表面実装機1は、搬送コンベア11によってプリント基板Pを作業位置に搬送する搬送状態と、作業位置に搬送されたプリント基板Pに電子部品Eを実装する実装状態とを交互に繰り返す。
実装状態では、部品供給装置12によって供給される電子部品Eを各吸着ノズル20に吸着させる吸着動作と、各吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eを撮像装置14によって撮像して電子部品Eの姿勢(R軸方向の回転角度や吸着ノズル20に対する電子部品Eの相対位置)などを検出する検出動作と、検出した姿勢に応じて電子部品EのR軸方向の回転角度や電子部品Eの搭載位置を修正してプリント基板Pに搭載する搭載動作とが繰り返される。
そして、上述した検出動作において、制御部40は第1列の吸着ノズル20及び第2列の吸着ノズル20の高さを全て同じにした状態で撮像部14AをX軸方向に搬送して第1の対向ミラー14E及び第2の対向ミラー14Fを交互に吸着ノズル20に対向させ、各吸着ノズル20に吸着されている電子部品Eを一つずつ順に撮像する。
(5)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る撮像装置14によると、第1の対向ミラー14E及び第2の対向ミラー14Fのうち一方の対向ミラーが吸着ノズル20に対向するときは他方の対向ミラーが吸着ノズル20に対向しないように各対向ミラーを列方向にずらして配するので、一の電子部品Eの光学像だけが排他的にカメラ14Bに入射するようにオフセットすることができる。また、一方の吸着ノズル列の吸着ノズル20に保持されている電子部品Eからカメラ14Bに至る光路の光路長と他方の吸着ノズル列の吸着ノズル20に保持されている電子部品Eからカメラ14Bに至る光路の光路長とが互いに一致するように各対向ミラーを列方向にずらして配するので、レンズを用いることなく各吸着ノズル列の焦点の位置合わせを行うことができる。よって撮像装置1によると、一の電子部品Eの光学像だけを排他的にカメラ14Bに入射させるオフセットと各吸着ノズル列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現することができる。
更に、撮像装置14によると、第1の対向ミラー14E及び第2の対向ミラー14Fは、全ての吸着ノズル20の高さ(上下方向の位置)が同じであるときに光路長が互いに一致するように列方向にずれて配されている。
一の対向ミラーが吸着ノズル20に対向するときは他の全ての対向ミラーが吸着ノズル20に対向しないように各対向ミラーを列方向にずらす場合、光路長が完全には一致しないように各対向ミラーを列方向にずらし、撮像の際に少なくとも一方の吸着ノズル列の吸着ノズル20を上下方向に移動させて光路長を一致させるようにすることも可能である。しかしながら、そのようにすると少なくとも一方の吸着ノズル列については電子部品Eを撮像する際に吸着ノズル20を上下方向に移動させなければならず、撮像に時間がかかってしまう。これに対し、撮像装置14によると、全ての吸着ノズル20の高さが同じである状態で電子部品Eを撮像することができるので、短時間に撮像することができる。これにより表面実装機1の生産性を向上させることができる。
更に、撮像装置14によると、第1の対向ミラー14Eで反射された電子部品Eの光学像がハーフミラー14Dで反射されてカメラ14Bに入射し、第2の対向ミラー14Fで反射された電子部品Eの光学像が反射ミラー14Cで反射されてハーフミラー14Dを透過してカメラ14Bに入射するように構成されているので、第1の対向ミラー14Eで反射された光学像と第2の対向ミラー14Fで反射された光学像とを合成して単一のカメラ14Bに入射させることができる。
更に、撮像装置14によると、2つの光路31、32のうち2つの対向ミラー14E,14FがX軸方向(すなわち吸着ノズル列の列方向)にずれていない場合に光路長が短くなる方の光路31をそれら2つの光路の光路長差分長くするように、第1の対向ミラー14Eが第2の対向ミラー14Fに対して2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔分(すなわち反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔分)、X軸方向下流側にずれて配されているので、2つの光路31、32の光路長を互いに一致させることができる。そして、各吸着ノズル列において互いに隣り合う2つの吸着ノズル20の間隔が2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔(すなわち反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔)と異なっているので、一の対向ミラーが吸着ノズル20に対向するときは他の全ての対向ミラーが吸着ノズル20に対向しないようにオフセットすることができる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記既述及び図面によって説明した各実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような各実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではカメラ14Bの撮像面がY軸方向前側を向いており、第1の対向ミラー14E及び第2の対向ミラー14Fが電子部品Eの光学像をX軸方向上流側に反射する場合を例に説明した。しかしながら、カメラ14Bの撮像面を向ける方向はこれに限られるものではない。
例えば、図7に示すようにカメラ14Bの撮像面をX軸方向上流側に向け、第1の対向ミラー14E及び第2の対向ミラー14Fが電子部品Eの光学像をY軸方向後側に反射してもよい。図7に示す場合も、第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとのX軸方向(すなわち吸着ノズル列の列方向)の間隔は反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔と一致している。また、図7においても二つの光路の光路長が一致していることから、反射ミラー14Cとハーフミラー14Dとの間隔と2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔とが一致している。すなわち、第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとのX軸方向(すなわち吸着ノズル列の列方向)の間隔は2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔とも一致している。そして、各吸着ノズル列において互いに隣り合う2つの吸着ノズル20の間隔は第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとのX軸方向の間隔(言い換えると2つの吸着ノズル列のY軸方向の間隔)と異なっている。
(2)上記実施形態では電子部品Eを撮像する際に全ての吸着ノズル20が同じ高さにされる場合に第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとをX軸方向にずらして配することによって光路長を互いに一致させる場合を例に説明した。これに対し、電子部品Eを撮像する際に各列の吸着ノズル20が同じ高さにされない場合であっても高さが異なる吸着ノズル20間で光路長が一致しない場合は第1の対向ミラー14Eと第2の対向ミラー14FとをX軸方向にずらして配することによって光路長を一致させてもよい。
(3)上記実施形態では複数の吸着ノズル20が行列状(碁盤目状)に配されている場合を例に説明したが、例えば千鳥状に配されてもよい。
(4)上記実施形態では反射ミラー14Cからカメラ14Bに至る光路が一直線状である場合を例に説明したが、例えばカメラ14Bとハーフミラー14Dとの間に別の反射ミラーを介在させることによって光路をL字状にしてもよい。その場合はハーフミラー14D、反射ミラー14C及び別の反射ミラーが光学系の一例である。
(5)上記実施形態では第1の対向ミラー14Eで反射された電子部品Eの光学像がハーフミラー14Dで反射されてカメラ14Bに入射する一方、第2の対向ミラー14Fで反射された電子部品Eの光学像が反射ミラー14Cで反射されてハーフミラー14Dを透過してカメラ14Bに入射する場合を例に説明した。
これに対し、第1の対向ミラー14EのX軸方向上流側に撮像面がX軸方向下流側を向く姿勢でカメラ14Bを配するとともに、第1の対向ミラー14Eとカメラ14Bとの間にハーフミラー14Dを配し、第1の対向ミラー14Eで反射された電子部品Eの光学像がハーフミラー14Dを透過してカメラ14Bに入射する一方、第2の対向ミラー14Fで反射された電子部品Eの光学像が反射ミラー14C及びハーフミラー14Dにこの順で反射されてカメラ14Bに入射するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では吸着ノズル列が2列である場合を例に説明したが、吸着ノズル列は3列以上であってもよい。その場合は、カメラ14Bから最も遠い吸着ノズル列については電子部品Eの光学像を反射ミラー14Cによって反射し、他の列については列毎に設けたハーフミラー14Dによって反射することになる。この場合、最も遠い吸着ノズル列については部品の光学像が反射ミラー14Cで反射されて複数のハーフミラー14Dを透過してカメラ14Bに入射することになる。
(7)上記実施形態では部品保持部として吸着ノズル20を例に説明したが、部品保持部は部品を挟んで保持する所謂チャックであってもよい。
(8)上記実施形態では対向ミラー14E及び14Fと共にカメラ14Bや光学系も移動する場合を例に説明したが、対向ミラー14E及び14Fを移動させる一方、カメラ14Bや光学系については移動しないようにしてもよい。そして、カメラ14Bにオートフォーカス機能を持たせ、それによって焦点の位置合わせを行うようにしてもよい。このような構成であっても、一の電子部品Eの光学像だけを排他的にカメラ14Bに入射させるオフセットと各吸着ノズル列の焦点の位置合わせとをレンズを用いることなく同時に実現することができる。
1…表面実装機、13A…部品実装ヘッド、14…撮像装置、14A…撮像部、14B…カメラ、14C…反射ミラー(光学系の一例)、14D…ハーフミラー(光学系の一例)、14E…第1の対向ミラー、14F…第2の対向ミラー、20…吸着ノズル(部品保持部の一例)、31…光路、32…光路、E…電子部品、P…プリント基板

Claims (5)

  1. 部品を保持及び開放する複数の部品保持部が一列に配列された部品保持部列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドに設けられて各前記部品保持部に保持されている前記部品を一つずつ順に撮像する撮像装置であって、
    撮像部と、
    前記撮像部を前記部品保持部列の列方向に往復移動させる搬送部と、
    を備え、
    前記撮像部は、
    単一のカメラと、
    前記部品保持部列毎に設けられており、一の前記部品保持部に対向して前記部品の光学像を反射する対向ミラーと、
    各前記対向ミラーで反射された光学像を合成して前記カメラに入射させる光学系と、
    を有し、
    一の前記対向ミラーが前記部品保持部に対向するときは他の全ての前記対向ミラーが前記部品保持部に対向しないように、且つ、前記部品から前記カメラに至る光路の光路長が互いに一致するように各前記対向ミラーが前記列方向にずれて配されている、撮像装置。
  2. 各前記部品保持部はそれぞれ上下方向に移動可能に前記部品実装ヘッドに設けられており、
    各前記対向ミラーは、全ての前記部品保持部の上下方向の位置が同じであるときに前記光路長が互いに一致するように前記列方向にずれて配されている、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記部品実装ヘッドには前記部品保持部列が2列配されており、
    前記光学系は反射ミラーとビームスプリッタとを有し、
    一方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記ビームスプリッタで反射されて前記カメラに入射する一方、他方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記反射ミラーで反射されて前記ビームスプリッタを透過して前記カメラに入射する、
    又は、
    一方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記ビームスプリッタを透過して前記カメラに入射する一方、他方の前記対向ミラーで反射された前記部品の光学像が前記反射ミラー及び前記ビームスプリッタにこの順で反射されて前記カメラに入射する、請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
  4. 2つの前記光路のうち2つの前記対向ミラーが前記列方向にずれていない場合に光路長が短くなる方の光路をそれら2つの光路の光路長差分長くするように、2つの前記対向ミラーが前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとの間隔分、前記列方向にずれて配されており、
    各前記部品保持部列において互いに隣り合う2つの前記部品保持部の間隔が前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとの間隔と異なっている、請求項3に記載の撮像装置。
  5. 部品を保持及び開放する部品保持部を用いて基板に前記部品を実装する表面実装機であって、
    複数の前記部品保持部が一列に配列された部品保持部列が複数列平行に配されている部品実装ヘッドと、
    前記部品実装ヘッドに設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置と、
    を備える表面実装機。
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