JP2017220396A - 車載バッテリ - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリセル同士の隙間を小さくしつつ、バッテリセルの冷却性能を確保できる車載バッテリを提供する。【解決手段】車載バッテリ1は、容器3と、複数の円柱状のバッテリセル2と、冷却手段である水冷管4と、を備える。容器内には、上方にヘッドスペースGを設けた状態で、低沸点かつ絶縁性を有する冷却媒体Lが充填される。バッテリセルは、車両に電気エネルギーを供給し、冷却媒体中に浸漬される。水冷管は、ヘッドスペース内の気体を冷却させる。複数のバッテリセルは、それぞれの中心軸線を上下方向に直交する方向に向けた状態で、千鳥状に配設されている。【選択図】図1
Description
本発明は、車載バッテリに関するものである。
近年、電気自動車やハイブリットカー等、電気エネルギーを動力とする車両(以下、単に「車両」と記す)の普及が進んでいる。この種の車両に用いられる車載バッテリは、充放電可能なバッテリセルを備えているが、バッテリセルは充放電する際に発熱するため、バッテリセルの冷却手段を備えた車載バッテリが求められている。
バッテリセルの冷却手段として、例えば下記特許文献1では、容器に充填された冷媒液にバッテリセルを浸漬するとともに、冷却媒体をポンプにより循環させる構成が開示されている。
バッテリセルの冷却手段として、例えば下記特許文献1では、容器に充填された冷媒液にバッテリセルを浸漬するとともに、冷却媒体をポンプにより循環させる構成が開示されている。
ところで、車載バッテリは多量の電気エネルギーを車両に供給するため、限られた空間内に多くのバッテリセルを配設する必要があり、バッテリセル同士の隙間を充分に確保できない場合がある。
一方、上記特許文献1に記載の構成では、バッテリセル同士の隙間を小さくすると、この隙間を冷媒液が流動しにくくなってバッテリセルの冷却性能が低下する場合がある。
一方、上記特許文献1に記載の構成では、バッテリセル同士の隙間を小さくすると、この隙間を冷媒液が流動しにくくなってバッテリセルの冷却性能が低下する場合がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、バッテリセル同士の隙間を小さくしつつ、バッテリセルの冷却性能を確保できる車載バッテリを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車載バッテリは、上方にヘッドスペースを設けた状態で、低沸点かつ絶縁性を有する冷却媒体が充填された容器と、前記冷却媒体中に浸漬されるとともに、車両に電気エネルギーを供給する複数の円柱状のバッテリセルと、前記ヘッドスペース内の気体を冷却させる冷却手段と、備え、前記複数のバッテリセルは、それぞれの中心軸線を上下方向に直交する単一の方向に向けた状態で千鳥状に配設されていることを特徴とする。
本発明の車載バッテリによれば、容器内に低沸点の冷却媒体が充填され、この冷却媒体中にバッテリセルが浸漬されている。これにより、バッテリセルが充放電する際に発した熱を、冷却媒体が奪って気化する。気化した冷却媒体は順次浮上してヘッドスペースに向かい、ヘッドスペース内において冷却手段により冷却され、凝縮して液体に戻る。このように、バッテリセルと冷却手段との間の熱エネルギーの伝達に、冷却媒体の顕熱だけでなく潜熱をも利用することができる。これにより、例えば冷却媒体を気化させず、液体のまま顕熱のみによってバッテリセルと冷却手段との間の熱エネルギーの伝達を行う場合と比較して、冷却媒体による熱エネルギーの伝達効率を向上させることができる。
また、複数の円柱状のバッテリセルが千鳥状に配設されているため、複数のバッテリセル全体のかさ張りを抑えつつ、バッテリセル同士の隙間を確保することができる。気化した冷却媒体は、確保されたバッテリセル同士の隙間を浮上していく。ここで、気化した冷却媒体が浮上するために必要なバッテリセル同士の隙間は、例えば冷却媒体が液体のまま流動するために必要なバッテリセル同士の隙間よりも小さい。このため、本発明によればバッテリセル同士の隙間を小さくしながら、バッテリセルから熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体を、冷却手段に向けて確実に移動させることができる。
以上により、本発明によれば、バッテリセル同士の隙間を小さくしつつバッテリセルの冷却性能を確保した車載バッテリを提供することができる。
また、複数の円柱状のバッテリセルが千鳥状に配設されているため、複数のバッテリセル全体のかさ張りを抑えつつ、バッテリセル同士の隙間を確保することができる。気化した冷却媒体は、確保されたバッテリセル同士の隙間を浮上していく。ここで、気化した冷却媒体が浮上するために必要なバッテリセル同士の隙間は、例えば冷却媒体が液体のまま流動するために必要なバッテリセル同士の隙間よりも小さい。このため、本発明によればバッテリセル同士の隙間を小さくしながら、バッテリセルから熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体を、冷却手段に向けて確実に移動させることができる。
以上により、本発明によれば、バッテリセル同士の隙間を小さくしつつバッテリセルの冷却性能を確保した車載バッテリを提供することができる。
ここで前記車載バッテリは、前記冷却媒体を循環させる循環装置を備え、前記循環装置は、一端開口が前記冷却媒体中における前記複数のバッテリセルの上方に配設されて前記冷却媒体を吸い込み、かつ他端開口が前記冷却媒体中における前記複数のバッテリセルの下方に配設されて前記冷却媒体を吐出する流通管と、前記一端開口から前記他端開口へと、前記流通管内の前記冷却媒体を流動させる冷媒ポンプと、を有していてもよい。
この場合、車載バッテリが冷却媒体を循環させる循環装置を備え、該循環装置の流通管が、バッテリセルの上方に配設された一端開口から冷却媒体を吸込み、バッテリセルの下方に配設された他端開口から冷却媒体を吐出するため、冷却媒体内に下方から上方へと向かう流れを生じさせることができる。これにより、冷却媒体を確実にバッテリセルに接触させつつ、バッテリセルから熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体の浮上を促進して、バッテリセルの冷却効率を高めることができる。
また前記冷却媒体中には、前記複数のバッテリセルを囲繞し、前記流通管の前記他端開口から吐出された前記冷却媒体が、上下方向に直交する方向に拡散するのを抑える流動ガイドが配設されていてもよい。
この場合、流動ガイドが冷却媒体内において複数のバッテリセルを囲繞し、循環装置によって生じた冷却媒体の流れが、上下方向に直交する方向に拡散するのを抑えるため、冷却媒体の流れを千鳥状に配設されたバッテリセル同士の隙間に向かわせることが可能となる。これにより、冷却媒体がバッテリセルに接触しやすくなり、バッテリセルの冷却性能をより向上させることができる。
また、前記流動ガイドの下端部に、末広がり状の傾斜部が形成されていてもよい。
この場合、流動ガイドの下端部において末広がり状に形成された傾斜部により、下方から上方に流動する冷却媒体の流れを、複数のバッテリセルに確実に向かわせることが可能となり、バッテリセルと冷却媒体との接触を促進させて、バッテリセルの冷却をより確実に奏功させることができる。
また前記車載バッテリは、一端が前記複数のバッテリセルに電気的に接続され、かつ他端が前記容器の外部に延出した電線と、絶縁体により形成され、かつ前記電線が貫いて保持される保持部材と、前記保持部材よりも前記容器の外部に配設されかつ、前記保持部材を前記容器に固定する固定部材と、前記容器と前記固定部材との間に挟持されるシール部材と、を有していてもよい。
この場合、容器の外部に延出した電線を通じて、バッテリセルから容器の外部へと電力を取り出すことができるとともに、この電線が保持部材により保持され、この保持部材を容器の外部に配設された固定部材によって容器に固定するとともに、容器と固定部材との間にシール部材が挟持されるため、容器内の圧力の上昇によって冷却媒体が容器外に漏れ出ることを防止することができる。
また、前記冷却手段は、前記ヘッドスペース内および前記容器外に延在する水冷管を備えていてもよい。
この場合、バッテリセルから熱エネルギーを奪って気化し、浮上してヘッドスペース内に到達した冷却媒体を、水冷管によって冷却することにより、冷却媒体を効率よく凝縮させて液体に還元することができる。
また、前記冷却手段は、前記ヘッドスペース内に連通する放熱管を備えていてもよい。
この場合、バッテリセルから熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体が、ヘッドスペース内に連通する放熱管内に自ずと入り込み、この放熱管によって熱エネルギーを放出することができる。さらに、冷却媒体が熱エネルギーを奪われて凝縮すると、自重によって落下して冷却媒体の液体層に向かうため、簡易な構成で冷却媒体を冷却して、気体から液体へと還元しつつ、冷却媒体の液体層に戻すことができる。
本発明によれば、バッテリセル同士の隙間を小さくしつつバッテリセルの冷却性能を確保できる車載バッテリを提供することができる。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る車載バッテリの構成を、図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、車載バッテリ1は、上方にヘッドスペースGを設けた状態で、低沸点かつ絶縁性を有する冷却媒体Lが充填された容器3と、冷却媒体Lに浸漬されるとともに、車両に電気エネルギーを供給する複数の円柱状のバッテリセル2と、ヘッドスペースG内の気体を冷却させる冷却手段である水冷管4と、を備える。
以下、第1実施形態に係る車載バッテリの構成を、図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、車載バッテリ1は、上方にヘッドスペースGを設けた状態で、低沸点かつ絶縁性を有する冷却媒体Lが充填された容器3と、冷却媒体Lに浸漬されるとともに、車両に電気エネルギーを供給する複数の円柱状のバッテリセル2と、ヘッドスペースG内の気体を冷却させる冷却手段である水冷管4と、を備える。
ここで本実施形態では、複数のバッテリセル2が、それぞれの中心軸線を上下方向に直交する単一の方向に向けた状態で配設されている。以降、複数のバッテリセル2の中心軸線に沿った方向を前後方向といい、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向という。
バッテリセル2としては、例えばリチウムイオン電池や電解コンデンサ等、充放電可能な種々の蓄電デバイスを用いることができる。図1に示すように、複数のバッテリセル2は、冷却媒体L内において千鳥状に配設されている。なお、「千鳥状」とは、上下方向で隣り合うバッテリセル2の列において、下方に位置するバッテリセル2の上部と、上方に位置するバッテリセル2の下部とが、上下方向において重なっている状態をいう。若しくは、左右方向に隣接する2つのバッテリセルの上方または下方に隣接するバッテリセルが、左右方向においてその2つのバッテリセルの間に配設され、かつ上下方向においてその2つのバッテリセルと重なっている状態をいう。
本実施形態では、冷却媒体L内にバッテリセル2が1000個程度直列に接続されている。なお、図1に記載されているバッテリセル2は、図を簡略化するために数を減らして、バッテリセル2同士を接続する電気部品等を省略している。
隣接するバッテリセル2同士の隙間の大きさは、後述するようにバッテリセル2から熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体Lが通過できる程度とされている。
本実施形態では、冷却媒体L内にバッテリセル2が1000個程度直列に接続されている。なお、図1に記載されているバッテリセル2は、図を簡略化するために数を減らして、バッテリセル2同士を接続する電気部品等を省略している。
隣接するバッテリセル2同士の隙間の大きさは、後述するようにバッテリセル2から熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体Lが通過できる程度とされている。
容器3内に充填する冷却媒体Lは低沸点かつ絶縁性である。なお、「低沸点」とは、沸点が100℃未満であることを指す。このような冷却媒体Lとしては、ハイドロフルオロエーテル(例えば3M社製のNOVEC(登録商標)7100)などを用いることができる。
なお、本実施形態では後述するように、バッテリセル2と水冷管4との間での熱エネルギーの受け渡しに、冷却媒体Lが気化および凝縮する際の潜熱を利用するため、バッテリセル2の充放電の際に発する熱により容易に気化する程度の沸点(例えば50℃〜70℃)を有する冷却媒体Lを用いるのが好ましい。
なお、本実施形態では後述するように、バッテリセル2と水冷管4との間での熱エネルギーの受け渡しに、冷却媒体Lが気化および凝縮する際の潜熱を利用するため、バッテリセル2の充放電の際に発する熱により容易に気化する程度の沸点(例えば50℃〜70℃)を有する冷却媒体Lを用いるのが好ましい。
容器3は上側部3aと下側部3bとを有し、上側部3aおよび下側部3bはボルト7およびナット8により互いに固定されている。上側部3aと下側部3bとの接触面には、不図示のゴムパッキンが配設されている。これにより、容器3内の圧力の上昇によって、冷却媒体Lが上側部3aと下側部3bとの間から容器3の外部に漏れ出るのを防止している。
図1に示すように、車載バッテリ1は、冷却媒体Lを循環させる循環装置20を備えている。循環装置20は、冷却媒体L内かつ複数のバッテリセル2の上方に配設された吸込口22と、冷却媒体L内かつ複数のバッテリセル2の下方に配設されたヘッダー21と、を有する。ヘッダー21の上面には、ヘッダー21の内部と外部とを連通させる孔状のノズル21aが複数形成されている。循環装置20はさらに、吸込口22とノズル21aとを連通する流通管23と、吸込口22からノズル21aへと、流通管23内の冷却媒体Lを流動させる冷媒ポンプ24と、を有する。なお、本実施形態では流通管23の一端開口は吸込口22であり、他端開口23aはヘッダー21の下部に連通している。
冷却媒体L内には、バッテリセル2を囲繞する筒状の流動ガイド25が配設されている。流動ガイド25は、循環装置20のノズル21aから流出する冷却媒体Lの流れが上方に向かうように、冷却媒体Lの流動方向をガイドする。これにより、流通管23の他端開口23aを通してノズル21aから吐出された冷却媒体Lが、バッテリセル2を避けて左右方向および前後方向に拡散するのを抑えることができる。そして、複数のバッテリセル2同士の隙間に効率よく冷却媒体Lを送り込むことができる。
流動ガイド25の下端部には、下方に向かうに従い漸次複数のバッテリセル2から遠ざかる末広がり状の傾斜部25aが形成されている。傾斜部25aにより、冷却媒体Lを流動ガイド25の内側へとより確実に流動させることができる。
流動ガイド25の下端部には、下方に向かうに従い漸次複数のバッテリセル2から遠ざかる末広がり状の傾斜部25aが形成されている。傾斜部25aにより、冷却媒体Lを流動ガイド25の内側へとより確実に流動させることができる。
容器3の外部には、水冷管4内の冷却水を循環させる水冷ポンプ5と、水冷管4内の冷却水を冷却するラジエーター6と、が配設されている。
車載バッテリ1は、一端が容器3の外部に延出した複数の電線9を備える。少なくとも1つの電線9の端部はバッテリセル2に電気的に接続されている。これにより、バッテリセル2の電力を容器3の外部に伝達することができる。なお、温度センサや圧力センサ等の各種センサ若しくはバッテリセル2の制御部等を容器3内に配設し、電線9をこれら容器3内の電気部品に電気的に接続してもよい。
図2に示すように、電線9は保持部材10を貫通し、保持部材10に保持されている。保持部材10は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性を有する材質により形成されている。保持部材10は、容器3の外部に配設された固定部材11の貫通孔内に、電線9とともに進入している。電線9と保持部材10との間、および保持部材10と固定部材11との間には隙間が無く、これらの部材は互いに密着している。さらに、固定部材11はシール部材13を介して、容器3の下側部3bに対してボルト12により固定されている。シール部材13としては、例えばゴム製のOリング等を用いることができる。シール部材13は、容器3の下側部3bと固定部材11とにより圧縮され、弾性変形している。これにより、容器3内の圧力の上昇によって冷却媒体Lが容器3の外部に漏れ出るのを防ぎつつ、電線9を容器3内および容器3外にわたって敷設することができる。
図2に示すように、電線9は保持部材10を貫通し、保持部材10に保持されている。保持部材10は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性を有する材質により形成されている。保持部材10は、容器3の外部に配設された固定部材11の貫通孔内に、電線9とともに進入している。電線9と保持部材10との間、および保持部材10と固定部材11との間には隙間が無く、これらの部材は互いに密着している。さらに、固定部材11はシール部材13を介して、容器3の下側部3bに対してボルト12により固定されている。シール部材13としては、例えばゴム製のOリング等を用いることができる。シール部材13は、容器3の下側部3bと固定部材11とにより圧縮され、弾性変形している。これにより、容器3内の圧力の上昇によって冷却媒体Lが容器3の外部に漏れ出るのを防ぎつつ、電線9を容器3内および容器3外にわたって敷設することができる。
次に、以上のように構成された車載バッテリ1の作用について説明する。
バッテリセル2が充放電することによって発熱すると、バッテリセル2に接触している冷却媒体Lがバッテリセル2から熱エネルギーを奪い、昇温して沸点に到達すると気化する。気化した冷却媒体Lは、千鳥状に配設された複数のバッテリセル2同士の隙間を順次浮上し、ヘッドスペースGに到達する。ヘッドスペースGに到達した冷却媒体Lは、水冷管4により冷却されて沸点以下になると凝縮し、自重によって順次落下する。
以上説明したように、本実施形態による車載バッテリ1によれば、容器3内に低沸点の冷却媒体Lが充填され、この冷却媒体L中にバッテリセル2が浸漬されている。これにより、バッテリセル2が充放電する際に発した熱を、冷却媒体Lが奪って気化する。気化した冷却媒体Lは順次浮上してヘッドスペースGに向かい、ヘッドスペースG内において水冷管4により冷却され、凝縮して液体に戻る。このように、バッテリセル2と水冷管4との間の熱エネルギーの伝達に、冷却媒体Lの顕熱だけでなく潜熱をも利用することができる。これにより、例えば冷却媒体Lを気化させず、液体のまま顕熱のみによってバッテリセル2と水冷管4との間の熱エネルギーの伝達を行う場合と比較して、冷却媒体Lによる熱エネルギーの伝達効率を向上させることができる。
また、複数の円柱状のバッテリセル2が千鳥状に配設されているため、複数のバッテリセル2全体のかさ張りを抑えつつ、バッテリセル2同士の隙間を確保することができる。気化した冷却媒体Lは、確保されたバッテリセル2同士の隙間を浮上していく。ここで、気化した冷却媒体Lが浮上するために必要なバッテリセル2同士の隙間は、例えば冷却媒体Lが液体のまま流動するために必要なバッテリセル2同士の隙間よりも小さい。このため、本実施形態によればバッテリセル2同士の隙間を小さくしながら、バッテリセル2から熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体Lを、水冷管4に向けて確実に移動させることができる。
以上により、本実施形態によれば、バッテリセル2同士の隙間を小さくしつつバッテリセル2の冷却性能を確保した車載バッテリ1を提供することができる。
以上により、本実施形態によれば、バッテリセル2同士の隙間を小さくしつつバッテリセル2の冷却性能を確保した車載バッテリ1を提供することができる。
また、車載バッテリ1が冷却媒体Lを循環させる循環装置20を備え、循環装置20が、バッテリセル2の上方に配設された吸込口22から冷却媒体Lを吸込み、バッテリセル2の下方に配設されたノズル21aから冷却媒体Lを吐出するため、容器3内の冷却媒体Lに下方から上方へと向かう流れを生じさせることができる。また、ノズル21aが複数配設されていることにより、複数のバッテリセル2の全体に万遍なく冷却媒体Lを供給することができる。これにより、冷却媒体Lを確実にバッテリセル2に接触させつつ、バッテリセル2から熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体Lの浮上を促進して、バッテリセル2の冷却効率を高めることができる。
また、流動ガイド25が冷却媒体L内において複数のバッテリセル2を囲繞し、循環装置20によって生じた冷却媒体Lの流れが、上下方向に直交する方向に拡散するのを抑えるため、冷却媒体Lの流れを、千鳥状に配設されたバッテリセル2同士の隙間に向かわせることが可能となる。これにより、冷却媒体Lがバッテリセル2に接触しやすくなり、バッテリセル2の冷却性能をより向上させることができる。
また、流動ガイド25の下端部に末広がり状に形成された傾斜部25aにより、下方から上方に流動する冷却媒体Lの流れを複数のバッテリセル2に確実に向けることが可能となり、バッテリセル2と冷却媒体Lとの接触を促進させてバッテリセル2の冷却をより確実に奏功させることができる。
また、容器3の外部に延出した電線9を通じて、バッテリセル2から容器3の外部へと電力を取り出すことができるとともに、この電線9が絶縁体により形成された保持部材10により保持され、この保持部材10を容器3の外部に配設された固定部材11によって容器に固定するとともに、容器3と固定部材11との間にシール部材13が挟持されるため、容器3内の圧力の上昇によって冷却媒体Lが容器3外に漏れ出ることを防止することができる。
また、容器3内のヘッドスペースGおよび容器外に延在する水冷管4によって、バッテリセル2から熱エネルギーを奪って気化した冷却媒体Lを冷却することにより、冷却媒体Lを効率よく凝縮させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、ヘッドスペースG内の気体を冷却させる冷却手段のみが異なる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、ヘッドスペースG内の気体を冷却させる冷却手段のみが異なる。
図3に示すように、本実施形態の車載バッテリ1は、容器3のヘッドスペースG内と連通する放熱管30が、容器3の上端部に配設されている。ヘッドスペースG内の気化した冷却媒体Lのうち、温度が高く密度が低いものほど放熱管30内に入り込みやすい。
放熱管30には複数の放熱フィン31が設けられており、放熱管30内の冷却媒体Lの熱を効率よく放出することができる。
放熱管30には複数の放熱フィン31が設けられており、放熱管30内の冷却媒体Lの熱を効率よく放出することができる。
本実施形態の車載バッテリ1によれば、バッテリセル2が充放電することによって発熱すると、冷却媒体Lがバッテリセル2から熱エネルギーを奪い、昇温して沸点に到達すると気化する。気化した冷却媒体Lは、千鳥状に配設された複数のバッテリセル2の隙間を順次浮上し、ヘッドスペースGに到達する。ヘッドスペースGに到達した冷却媒体Lのうち、温度が高く密度が低いものから順次、上方に設けられた放熱管30内に流入する。放熱管30内に流入した冷却媒体Lは、放熱管30および放熱フィン31により熱エネルギーを奪われて冷却され、沸点以下となると凝縮する。凝縮して液体となった冷却媒体Lは、自重によって順次放熱管30から冷却媒体Lの液体層に落下する。
この場合、気化した冷却媒体Lが、ヘッドスペースG内に連通する放熱管30内に自ずと入り込むとともに、この放熱管30内で熱エネルギーを奪われて凝縮すると、自重によって落下して冷却媒体Lの液体層に向かうため、簡易な構成で冷却媒体Lを冷却して、気体から液体へと還元しつつ、冷却媒体Lの液体層に戻すことができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、下端部が開口している流動ガイド25を用いたが、これに限られず、例えば下端部が開口していない有底筒状の流動ガイド25を用いてもよい。この場合には、流動ガイドの底部とバッテリセル2との間に循環装置20のヘッダー21およびノズル21aを配設することで、流動ガイド25内の冷却媒体Lをより確実にバッテリセル2同士の隙間に向かわせることができる。
また、前記実施形態では冷却手段として水冷管4若しくは放熱管30を配設したが、これらの構成はなくてもよい。例えば、容器3の上側部3aを介して、ヘッドスペースG内の気化した冷却媒体Lの熱エネルギーを容器3の外部に放出させてもよい。この場合には、容器3の上側部3aが、ヘッドスペースG内の気体を冷却させる冷却手段となる。さらに、容器3の上側部3aに放熱フィン31を取り付けて、上側部3aを介した冷却媒体Lの放熱を促進させてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、水冷管4および放熱管30の両者を冷却手段として備えた車載バッテリ1を用いてもよい。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、水冷管4および放熱管30の両者を冷却手段として備えた車載バッテリ1を用いてもよい。
1…車載バッテリ、2…バッテリセル、3…容器、4…水冷管(冷却手段)、9…電線、10…保持部材、11…固定部材、13…シール部材、20…循環装置、21a…ノズル、22…吸込口(一端開口)、23…流通管、23a…他端開口、24…冷媒ポンプ、25…流動ガイド、25a…傾斜部、30…放熱管(冷却手段)、G…ヘッドスペース、L…冷却媒体
Claims (7)
- 上方にヘッドスペースを設けた状態で、低沸点かつ絶縁性を有する冷却媒体が充填された容器と、
前記冷却媒体中に浸漬されるとともに、車両に電気エネルギーを供給する複数の円柱状のバッテリセルと、
前記ヘッドスペース内の気体を冷却させる冷却手段と、備え、
前記複数のバッテリセルは、それぞれの中心軸線を上下方向に直交する単一の方向に向けた状態で千鳥状に配設されていることを特徴とする車載バッテリ。 - 前記冷却媒体を循環させる循環装置を備え、
前記循環装置は、
一端開口が前記冷却媒体中における前記複数のバッテリセルの上方に配設されて前記冷却媒体を吸い込み、かつ他端開口が前記冷却媒体中における前記複数のバッテリセルの下方に配設されて前記冷却媒体を吐出する流通管と、
前記一端開口から前記他端開口へと、前記流通管内の前記冷却媒体を流動させる冷媒ポンプと、を有することを特徴とする請求項1に記載の車載バッテリ。 - 前記冷却媒体中には、前記複数のバッテリセルを囲繞し、前記流通管の前記他端開口から吐出された前記冷却媒体が、上下方向に直交する方向に拡散するのを抑える流動ガイドが配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車載バッテリ。
- 前記流動ガイドの下端部に、末広がり状の傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車載バッテリ。
- 一端が前記複数のバッテリセルに電気的に接続され、かつ他端が前記容器の外部に延出した電線と、
絶縁体により形成され、かつ前記電線が貫いて保持される保持部材と、
前記保持部材よりも前記容器の外部に配設されかつ、前記保持部材を前記容器に固定する固定部材と、
前記容器と前記固定部材との間に挟持されるシール部材と、
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車載バッテリ。 - 前記冷却手段は、前記ヘッドスペース内および前記容器外に延在する水冷管を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車載バッテリ。
- 前記冷却手段は、前記ヘッドスペース内に連通する放熱管を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車載バッテリ。
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CN110797603A (zh) * | 2019-09-25 | 2020-02-14 | 常州优谷新能源科技股份有限公司 | 一种新能源汽车动力电池的冷却装置 |
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-
2016
- 2016-06-09 JP JP2016115427A patent/JP2017220396A/ja active Pending
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