JP2017220353A - 二次電池 - Google Patents
二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017220353A JP2017220353A JP2016113626A JP2016113626A JP2017220353A JP 2017220353 A JP2017220353 A JP 2017220353A JP 2016113626 A JP2016113626 A JP 2016113626A JP 2016113626 A JP2016113626 A JP 2016113626A JP 2017220353 A JP2017220353 A JP 2017220353A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- opening
- pore
- secondary battery
- inner diameter
- filter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
- Filling, Topping-Up Batteries (AREA)
Abstract
【課題】製造に際して電解液が注入口に付着することを抑制することで、注入口を封止する封止部材の溶着不良を抑制することができる二次電池を提供する。【解決手段】ケースと蓋体12とを備える電槽の内側の空間に極板群を収容してなる二次電池であって、蓋体12は、電槽の外側から内側に貫通し、電解液が注入される注入口15と、注入口15の内側に設けられたフィルタ部50とを備える。フィルタ部50は、電槽の外側から内側に貫通する複数の細孔部51を有し、細孔部51は、電槽の外側になる第1開口の内径が、電槽の内側になる第2開口の内径よりも大きい。【選択図】図3
Description
本発明は、極板群及び電解液を電槽内に備える二次電池に関する。
通常、二次電池の製造工程では、極板群を収容した電槽に電解液が注入される。この電解液の注入工程では、電槽内への異物の混入、特に金属片の混入を防ぐ必要がある。こうした電槽内への異物の混入を防ぐ技術の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の二次電池は、極板群(電池素子)を収容する缶本体の注入口(開口)を蓋体(蓋部材)で閉鎖してなる電槽(電池缶)と、電槽に注入される非水電解液とを備える非水電解質二次電池において、極板群と蓋体との間に介装される絶縁板を備える。絶縁板は、板状の絶縁板本体に注入孔を貫通して設けるとともに、絶縁板本体の片面に、注入孔を覆うように電解液のみを浸透可能な不織布からなるフィルタ部材を設けている。
特許文献1に記載の二次電池によれば、不織布からなるフィルタ部材が電解液のみを浸透させるので、電解液の注入時に、金属片等の異物が缶本体の注入口から電槽内に混入することが防止される。
ところで、二次電池の製造工程では、電解液の注入に要する時間の短縮に併せて、電解液の注入口への付着を防ぐことが望まれている。これは、注入口に電解液が付着すると、注入口を封止する封止部材の溶着に際して溶着不良の要因となるためである。なお、特許文献1に記載の二次電池では、不織布が封止部材の機能を備えるが、不織布はそれ自身が電解液を保持するため、電解液の供給が多すぎると電解液が不織布上に浮き出して液はねを生じ、このはね返った電解液が注入口に付着するおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造に際して電解液が注入口に付着することを抑制することによって注入口を封止する封止部材の溶着不良を抑制することができる二次電池を提供することにある。
上記課題を解決する二次電池は、ケースと蓋体とを備える電槽の内側の空間に発電要素を収容してなる二次電池であって、前記蓋体は、前記電槽の外側から内側に貫通し、電解液が注入される注入口と、前記注入口の内側に設けられたフィルタ部と、を備え、前記フィルタ部は、前記電槽の外側から内側に貫通する複数の細孔部を有し、前記細孔部は、前記電槽の外側になる第1開口の内径が、前記電槽の内側になる第2開口の内径よりも大きい。
電解液が注入口を介して注入されるとき、注入された電解液の一部は、フィルタ部のうち電槽の外側になる表面に当たる。フィルタ部の表面に当たった電解液は、液はねによって、注入口の内周面に付着するおそれがある。注入口の内周面に付着する電解液の量が多いと、注入口を封止する封止部材の溶着の際に、溶着不良を招く可能性がある。一方、フィルタ部を通過した電解液は、電槽内の極板群やその付近に当たって飛散することがある。そして、その飛沫がフィルタ部の細孔部を通り抜けて注入口の内周面に付着するおそれもある。
この点、上記の蓋体の構成によれば、フィルタ部に形成された細孔部は、表面に設けられた第1開口の内径が、裏面に設けられた第2開口の内径よりも大きい。そのため、フィルタ部の表面における第1開口の総面積が大きくなる一方、表面のうち第1開口を除く面積、すなわち液はねを生じさせる面の総面積が小さくなる。また、フィルタ部の裏面側における第2開口の内径は小さくなり、電槽内で飛散した電解液が第2開口を通りにくくなる。したがって、第1開口の内径を大きくしてフィルタ部の表面側の開口総面積を大きくすることで注入口の内周面への付着量を低減しつつ、第2開口の内径を小さくすることで電解液の飛沫が細孔部を介して注入口の内周面に付着することを抑制することができる。したがって、フィルタ部によって、異物の混入及び封止部材の溶着不良の抑制を両立することができる。
上記二次電池について、前記細孔部の内周面は、前記第1開口から前記第2開口に向かうに伴って当該細孔部の内径が小さくなるテーパ面として形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、細孔部の内周面はテーパ面として形成されているため、電解液が通過しやすい。また、細孔部を、例えば複数の異なる直線状の孔から形成する場合に比べ、細孔部の加工も容易とすることができる。
上記二次電池について、前記細孔部の前記第1開口の端縁と互いに隣り合う細孔部の前記第1開口の端縁との間の最小距離は、前記第1開口の内径よりも小さいことが好ましい。
このような構成によれば、互いに隣り合う第1開口の間の最小距離は、第1開口の内径よりも小さいため、隣り合う第1開口の間に設けられる面を狭くすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口の内周面への付着量を低減することができる。
上記二次電池について、前記細孔部の前記第1開口の端縁と互いに隣り合う細孔部の前記第1開口の端縁との間の最小距離は、前記第2開口の内径よりも小さいことが好ましい。
このような構成によれば、隣り合う第1開口の間の最小距離は、第2開口の内径よりも小さいため、互いに隣り合う第1開口の間に設けられる面を狭くすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口の内周面への付着量を低減することができる。
上記二次電池について、前記細孔部の内周面は、非平滑面として形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、細孔部の第1開口付近の電解液が内周面に濡れ広がりやすくなる。そのため、フィルタ部の表面に電解液が留まりにくくなる。
このような構成によれば、細孔部の第1開口付近の電解液が内周面に濡れ広がりやすくなる。そのため、フィルタ部の表面に電解液が留まりにくくなる。
上記二次電池について、前記注入口の内側であって前記フィルタ部よりも前記蓋体の表面側には、前記注入口を閉塞する封止部材を設ける段部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、フィルタ部よりも蓋体の表面側に封止部材を設ける段部が設けられている。したがって、フィルタ部と段部とは同一の平面上に設けられないため、フィルタ部の表面で液はねした電解液が、段部に付着しにくくなる。
上記二次電池について、前記フィルタ部は、複数の前記細孔部が千鳥状に二次元配列されていることが好ましい。
このような構成によれば、細孔部の間の面積を小さくすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口の内周面への付着量を低減することができる。
このような構成によれば、細孔部の間の面積を小さくすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口の内周面への付着量を低減することができる。
上記二次電池について、前記フィルタ部は、前記蓋体に一体に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、フィルタ部は蓋体と一体であるため、蓋体とは別に設けられたフィルタ部を蓋体に取り付ける工程を省略することができる。また、フィルタ部は蓋体と一体であるため、フィルタ部のずれが生じない。また、製造工程において、小さい部品であるフィルタ単体に対して細孔部を形成するよりも、蓋体に設けられたフィルタに対して細孔部を形成するほうが、加工が容易となる。
上記構成によれば、フィルタ部は蓋体と一体であるため、蓋体とは別に設けられたフィルタ部を蓋体に取り付ける工程を省略することができる。また、フィルタ部は蓋体と一体であるため、フィルタ部のずれが生じない。また、製造工程において、小さい部品であるフィルタ単体に対して細孔部を形成するよりも、蓋体に設けられたフィルタに対して細孔部を形成するほうが、加工が容易となる。
この二次電池によれば、製造に際して電解液が注入口に付着することを抑制することができるので、注入口を封止する封止部材の溶着不良を抑制することができる。
図1〜図7に従って、二次電池を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態の二次電池10は、他の二次電池10と組み合わされることにより組電池を構成する。組電池は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車に搭載され、電動モータ等に電力を供給する。二次電池10は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であり、外形が直方体形状の密閉式電池である。
図1を参照して、二次電池10の全体構成について説明する。二次電池10は、開口部を有する直方体形状のケース11と、ケース11の開口部を封止する蓋体12とを有する電槽を備えている。ケース11の内側の空間には、極板群17及び電解液が収容されている。ケース11及び蓋体12は、アルミニウムなどの金属で構成されている。蓋体12には、安全弁14と、電槽内に電解液を注入する注入口15とが設けられている。注入口15には、注入口15の開口を密閉する封止部材16が、溶接等により固定されている。封止部材16もアルミニウムなどの金属で構成されている。また、蓋体12には、電力の充放電に用いられる2つの端子部13が設けられている。
次に図2〜図7を参照して注入口15の構造について説明する。なお、図2に示す蓋体12は、蓋体12から、封止部材16及び端子部13の一部を取り外した状態を示す。
図2に示すように、注入口15は、蓋体12を表面12aから電槽側の裏面12bに向かって貫通する円形状の孔である。注入口15は、その内周面15dに段差が設けられており、蓋体12の表面12aに対して1段低い第1段部15aと、第1段部15aに対して1段低い第2段部15bと、第2段部15bに対して1段低い第3段部15cとを有している。第3段部15cは、注入口15の底部であって、蓋体12の表面12a側からみて円形の形状を有している。第1段部15a、第2段部15b、及び第3段部15cは、第3段部15cを中心に同心円状に設けられている。第3段部15cは、所定の大きさの異物を除去し電解液を通すフィルタ部50として機能する。
図2に示すように、注入口15は、蓋体12を表面12aから電槽側の裏面12bに向かって貫通する円形状の孔である。注入口15は、その内周面15dに段差が設けられており、蓋体12の表面12aに対して1段低い第1段部15aと、第1段部15aに対して1段低い第2段部15bと、第2段部15bに対して1段低い第3段部15cとを有している。第3段部15cは、注入口15の底部であって、蓋体12の表面12a側からみて円形の形状を有している。第1段部15a、第2段部15b、及び第3段部15cは、第3段部15cを中心に同心円状に設けられている。第3段部15cは、所定の大きさの異物を除去し電解液を通すフィルタ部50として機能する。
図3に示すように、第1段部15aは、第2段部15bよりも蓋体12の表面12a側に設けられ、第2段部15bは、第3段部15cよりも蓋体12の表面12a側に設けられている。第1段部15aは、封止部材16が載置されるとともに、封止部材16の縁が溶着等により固定される部分である。第2段部15bは、電槽へ電解液を注入するとき、電解液の注入ノズル7のシール部7Aが嵌合する部分である。第3段部15cには、電解液の注入ノズル7の注液部7Bが入り込み、注液部7Bから電解液が注入される。第1段部15a、第2段部15b、及び第3段部15cは、プレス加工や切削加工、又はそれらの方法の組み合わせにより形成される。
フィルタ部50には、複数の細孔部51が形成されている。細孔部51は、フィルタ部50の表面50a側から裏面50b側に向かって貫通している。なお、図3では、便宜上、細孔部51を実際の大きさよりも大きく示しており、フィルタ部50の厚さと細孔部51の大きさの比は図3で表される比に限定されるものではない。
図4に示すように、細孔部51は、フィルタ部50の表面50aに設けられた第1開口55の内側の直径である内径D1が、フィルタ部50の裏面50bに設けられた第2開口56の内径D2よりも大きくなるように形成されている(内径D1>内径D2)。また、細孔部51の内周面57は、第1開口55から第2開口56に向かうに伴い細孔部51の内径が小さくなるテーパ面として形成されている。第2開口56の内径D2は、100μm以下であることが好ましく、60μm以上100μm以下が特に好ましい。内径D1が60μm以上であると、電解液の通りを良好にすることができる。フィルタ部50の厚さTは、細孔部51を加工する上では、0.2mm以下であることが好ましい。なお、図4では、フィルタ部50の厚さTと内径D1,D2との比は、図4に示される比に限定されない。
細孔部51は、レーザ加工によりフィルタ部50に形成されている。特に、細孔部51は、短い間隔でレーザ光を照射するパルスレーザにより穿孔されることが好ましい。低出力のパルスレーザによって細孔部51を穿孔することにより、細孔部51の内周面57は荒れて非平滑面となる。
また、第2開口56の内径D2に対する第1開口55の内径D1の割合「(D2/D1)×100」(%)は、第2開口56に対して110%以上170%以下であることが好ましく、110%以上130%以下であることが特に好ましい。
フィルタ部50の直径を「d」とするとき、フィルタ部50の裏面50bの面積であって、開口面積を差し引かない面積Aは、「π×d2/4」である。このフィルタ部50の裏面50bの面積Aに対し、全ての第2開口56の開口面積を加算した総開口面積A´の割合「(A´/A)×100」(%)は、30%以上60%以下が好ましく、40%以上60%以下が特に好ましい。総開口面積A´の割合をそのような範囲にすると、注入口15を通過して電槽内の極板群17に当たった電解液が、第2開口56及び第1開口55を介して飛散しにくくなる。また、電解液の注液性も十分確保できる。
図5に示すように、互いに隣り合う第1開口55の間の最小距離を「L」とするとき、細孔部51は、最小距離Lが第1開口55の内径D1よりも小さくなるように形成されている。特に、細孔部51は、最小距離Lが第2開口56の内径D2以下となるように形成されていることが好ましい(最小距離L≦内径D2<内径D1)。このように最小距離Lを小さくすることによって、隣り合う第1開口55の間の面積を小さくすることができる。そして第1開口55の間の面積を小さくすることにより、フィルタ部50の表面50aのうち液はねを生じさせうる部分の総面積を小さくすることができるので、液はねによる電解液の飛沫量が少なくなり、注入口15の内周面15dへの電解液の付着を抑制することができる。
図6に示すように、細孔部51は、フィルタ部50に千鳥状に二次元配列されている。すなわち、フィルタ部50には、複数の細孔部51からなる列58が複数形成され、各列58は、互いに平行に延在している。下段の列58の細孔部51は、図6中、上段の列58を構成する細孔部51の中間位置となるように形成されている。図6は、列58を跨って隣接する3つの細孔部51が、正三角形の頂点に配置されるパターン(60°千鳥配列)である。この場合、第1開口55の各々の最小距離Lは、同一となる。なお、千鳥状の二次元配列のパターンは、3つの細孔部51が直角三角形の頂点に配置されるパターン(45°千鳥配列)でもよいし、その他のパターンでもよい。
図7は、細孔部51の位置を、縦方向及び横方向の両方で二次元的に揃えたパターン(並列)である。この場合、4つの細孔部51の間に液はねを生じうる面が区画される。図6に示すパターンのように細孔部51を千鳥状に二次元配列することによって、図7の並列パターンに比べ、第1開口55が密に配置され、第1開口55の間の面積が小さくなる。したがって、千鳥状に細孔部51を二次元配列することによって、液はねを生じうる面の面積を小さくすることができる。
次に図4及び図5を参照して、二次電池10に設けられる蓋体12の作用について説明する。
図4中、中央の矢印で示すように、注入ノズル7の注液部7Bから供給された電解液59の一部は、フィルタ部50の表面50aに当たらずに細孔部51を通過して、電槽内に流れ込む。また、図4中、左端の矢印で示すように、注液部7Bから供給された電解液59の一部は、フィルタ部50の表面50aに当たって周囲に飛散する。このとき発生する電解液の飛沫は、注入口15の内周面15dに付着するおそれがある。特に第1段部15aに電解液の飛沫が付着し、その付着量が多いと、封止部材16の溶着不良を招く。
図4中、中央の矢印で示すように、注入ノズル7の注液部7Bから供給された電解液59の一部は、フィルタ部50の表面50aに当たらずに細孔部51を通過して、電槽内に流れ込む。また、図4中、左端の矢印で示すように、注液部7Bから供給された電解液59の一部は、フィルタ部50の表面50aに当たって周囲に飛散する。このとき発生する電解液の飛沫は、注入口15の内周面15dに付着するおそれがある。特に第1段部15aに電解液の飛沫が付着し、その付着量が多いと、封止部材16の溶着不良を招く。
細孔部51は、フィルタ部50の表面50a側の第1開口55の内径D1が、裏面50b側の第2開口56の内径D2よりも大きい。また、隣り合う第1開口55の間の最小距離Lは、第1開口55の内径D1よりも小さく第2開口56の内径D2以下である。そのため、フィルタ部50の表面50a側のうち第1開口55を除く面積が小さくなる。したがって、第1開口55の間に電解液が当たっても飛沫量が少なくなるため、その飛沫が、たとえ注入口15の内周面15dへ付着したとしても、内周面15dへの電解液の付着量を低減することができる。そのため、封止部材16の溶着不良を抑制することができる。
また、フィルタ部50の裏面50b側の第2開口56の内径D2は、第1開口55の内径D1よりも小さいため、電槽内で極板群17等に当たってはねた電解液が、第2開口56を通って、注入口15の内周面15dに付着することが抑制される。つまり、フィルタ部50は、異物の混入を抑制するといった本来の機能を備えつつ、表面50aにおける液はねを抑制し、電槽内からの飛沫がフィルタ部50を通過することを抑制することができる。
さらに、低出力のパルスレーザによって細孔部51の内周面57を非平滑面として形成することにより、内周面57に付着した電解液が、内周面57の不規則な凹凸によって内周面57に濡れ広がりやすくなる。そのため、内周面57及びその付近に電解液が留まりにくくなる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)蓋体12のフィルタ部50に形成された細孔部51は、表面50aに設けられた第1開口55の内径D1が、裏面50bに設けられた第2開口56の内径D2よりも大きい。そのため、フィルタ部50の表面50aにおける第1開口55の総面積が大きくなる一方、表面50aのうち第1開口55を除く面積、すなわち液はねを生じさせる面の総面積が小さくなる。また、フィルタ部50の裏面50b側における第2開口56の内径は小さくなり、電槽内で液はねした電解液が第2開口56を通りにくくなる。したがって、第1開口55の内径D1を大きくしてフィルタ部50の表面50a側の開口総面積を大きくすることで注入口15の内周面15dへの付着量を低減しつつ、第2開口56の内径を小さくすることで、電槽内ではねた電解液が細孔部51を介して注入口15の内周面15dに付着することを抑制することができる。したがって、フィルタ部50によって、異物の混入及び封止部材16の溶着不良の抑制を両立することができる。
(1)蓋体12のフィルタ部50に形成された細孔部51は、表面50aに設けられた第1開口55の内径D1が、裏面50bに設けられた第2開口56の内径D2よりも大きい。そのため、フィルタ部50の表面50aにおける第1開口55の総面積が大きくなる一方、表面50aのうち第1開口55を除く面積、すなわち液はねを生じさせる面の総面積が小さくなる。また、フィルタ部50の裏面50b側における第2開口56の内径は小さくなり、電槽内で液はねした電解液が第2開口56を通りにくくなる。したがって、第1開口55の内径D1を大きくしてフィルタ部50の表面50a側の開口総面積を大きくすることで注入口15の内周面15dへの付着量を低減しつつ、第2開口56の内径を小さくすることで、電槽内ではねた電解液が細孔部51を介して注入口15の内周面15dに付着することを抑制することができる。したがって、フィルタ部50によって、異物の混入及び封止部材16の溶着不良の抑制を両立することができる。
(2)隣り合う第1開口55の間の最小距離Lは、第1開口55の内径D1よりも小さいため、隣り合う第1開口55の間に設けられる面を狭くすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口15の内周面15dへの付着量を低減することができる。
(3)隣り合う第1開口55の間の最小距離Lは、第2開口56の内径D2よりも小さいため、隣り合う第1開口55の間に設けられる面を狭くすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口15の内周面15dへの付着量を低減することができる。
(4)細孔部51の内周面57が非平滑面として形成されることで、内周面57に付着した電解液が濡れ広がりやすくなる。そのため、細孔部51の内周面に電解液が留まりにくくなる。
(5)フィルタ部50よりも蓋体12の表面12a側に封止部材16を設ける第1段部15aが設けられている。すなわち、フィルタ部50と第1段部15aとは同一の平面上に設けられないため、フィルタ部50の表面50aで液はねした電解液が、第1段部15aに付着しにくくなる。
(6)フィルタ部50には、複数の細孔部51が千鳥状に二次元配列されているので、細孔部51の間の面積を小さくすることができる。したがって、液はねを生じさせる面の総面積が小さくなるため、注入口15の内周面15dへの付着量を低減することができる。
(7)フィルタ部50は蓋体12と一体であるため、蓋体12とは別に設けられたフィルタ部を蓋体に取り付ける工程を省略することができる。また、製造工程において、フィルタ部50の所定の位置からのずれを防ぐことができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、細孔部51は100μm以下の直径を有する場合について例示したが、これに限らず、除去する必要のある異物の大きさに応じて、細孔部51の直径を100μm以上にしてもよい。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、細孔部51は100μm以下の直径を有する場合について例示したが、これに限らず、除去する必要のある異物の大きさに応じて、細孔部51の直径を100μm以上にしてもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、パルスレーザ光を照射して細孔部51を形成したが、レーザ光を連続的に照射してもよい。これによれば、細孔部51を形成するのに要する時間を短縮することができる。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、フィルタ部50を蓋体12と一体としたが、この態様に限らず、別体としてもよい。この場合、細孔部51を形成したフィルタ部50を、注入口15の内側に嵌合する。また、この場合、フィルタ部50は、アルミニウム以外の金属や、樹脂等、蓋体12と別の材料から形成することができる。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、細孔部51を千鳥状の二次元配列としたが、この配列に限らず、縦方向及び横方向の配置が揃った並列の配置(図7参照)としてもよい。このように並列の配列を可能にすることで、製造工程における自由度が高められる。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、封止部材16を溶着する第1段部15aを、フィルタ部50の表面50aよりも蓋体12の表面12a側に設ける構成とした。これ以外に、封止部材16の溶着部分とフィルタ部50の表面50aとが同一平面上となるように注入口15を形成してもよい。又は、フィルタ部50の表面50aが第1段部15aよりも蓋体12の表面12a側となるように注入口15を形成してもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、細孔部51の内周面が非平滑面となるようにパルスレーザ光を照射したが、電解液の性質等に応じて、内周面が平滑面となるように細孔部51を形成してもよい。これは、電解液の性質により、細孔部51の内周面に対する接触角等が変化し、内周面への濡れ広がりやすさが異なるためである。内周面が平滑面となるように細孔部51を穿孔する方法としては、プレス加工、レーザ光の連続照射等を用いることができる。また、フィルタ部50を蓋体12と別体にする場合には、樹脂成形により、細孔部51を有するフィルタ部50を形成することができる。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、第1開口55の間の最小距離Lを第2開口56の内径D2以下としたが、液はねを低減できる場合等には、第1開口55の間の最小距離Lは、第2開口56の内径D2よりも大きくてもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、第1開口55の間の最小距離Lを第1開口55の内径D1よりも小さくしたが、液はねを低減できる場合等には、第1開口55の間の最小距離Lは、第1開口55の内径D1以上であってもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、細孔部51の内周面をテーパ面として形成したが、第1開口55の内径が第2開口56の内径よりも大きければよい。例えば、細孔部51を、第1開口55を有する孔部と、その孔部に連通し第2開口56を有する孔部とから構成されていてもよい。これらの孔部の間には段差が設けられる。また、細孔部51を、第1開口55を有し垂直に延在する孔部と、その孔部に連通するとともに第2開口56を有し内周面がテーパ面として形成される孔部とから構成されていてもよい。さらに、細孔部51を、第1開口55を有し内周面がテーパ面として形成されている孔部と、その孔部に連通するとともに第2開口56を有し垂直に延在する孔部とから構成されていてもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、二次電池10はリチウムイオン二次電池から構成される場合について例示したが、これに限らず、他の二次電池、例えば、ニッケル水素二次電池等であってもよい。
・上記実施形態及び上記他の実施形態では、二次電池10が電気自動車もしくはハイブリッド自動車に搭載される場合について例示したが、これに限らず、二次電池は、ガソリン自動車やディーゼル自動車等、電気自動車やハイブリッド自動車以外の車両に搭載されてもよい。また二次電池は、電源として、自動車以外の移動体や、固定設置される電源として用いられてもよい。例えば、自動車以外の電源としては、鉄道、船舶、航空機やロボット等の移動体や、情報処理装置等の電気製品の電源等が挙げられる。
10…二次電池、11…ケース、12…蓋体、12a…表面、13…端子部、14…安全弁、15…注入口、15a…第1段部、15b…第2段部、15c…第3段部、15d…内周面、16…封止部材、17…極板群、50…フィルタ部、50a…表面、50b…裏面、51…細孔部、55…第1開口、56…第2開口、57…内周面、58…列。
Claims (8)
- ケースと蓋体とを備える電槽の内側の空間に発電要素を収容してなる二次電池であって、
前記蓋体は、前記電槽の外側から内側に貫通し、電解液が注入される注入口と、
前記注入口の内側に設けられたフィルタ部と、を備え、
前記フィルタ部は、前記電槽の外側から内側に貫通する複数の細孔部を有し、
前記細孔部は、前記電槽の外側になる第1開口の内径が、前記電槽の内側になる第2開口の内径よりも大きい
ことを特徴とする二次電池。 - 前記細孔部の内周面は、前記第1開口から前記第2開口に向かうに伴って当該細孔部の内径が小さくなるテーパ面として形成されている
請求項1に記載の二次電池。 - 前記細孔部の前記第1開口の端縁と互いに隣り合う細孔部の前記第1開口の端縁との間の最小距離は、前記第1開口の内径よりも小さい
請求項1又は2に記載の二次電池。 - 前記細孔部の前記第1開口の端縁と互いに隣り合う細孔部の前記第1開口の端縁との間の最小距離は、前記第2開口の内径よりも小さい
請求項1又は2に記載の二次電池。 - 前記細孔部の内周面は、非平滑面として形成されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。 - 前記注入口の内側であって前記フィルタ部よりも前記蓋体の表面側には、前記注入口を閉塞する封止部材を設ける段部が設けられている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池。 - 前記フィルタ部は、複数の前記細孔部が千鳥状に二次元配列されている
請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池。 - 前記フィルタ部は、前記蓋体に一体に設けられている
請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016113626A JP2017220353A (ja) | 2016-06-07 | 2016-06-07 | 二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016113626A JP2017220353A (ja) | 2016-06-07 | 2016-06-07 | 二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017220353A true JP2017220353A (ja) | 2017-12-14 |
Family
ID=60657815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016113626A Pending JP2017220353A (ja) | 2016-06-07 | 2016-06-07 | 二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017220353A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023160257A1 (zh) * | 2022-02-23 | 2023-08-31 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电芯顶盖、电芯、电池、用电设备以及注液嘴 |
WO2024007447A1 (zh) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 端盖组件、电池单体、电池以及用电装置 |
-
2016
- 2016-06-07 JP JP2016113626A patent/JP2017220353A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023160257A1 (zh) * | 2022-02-23 | 2023-08-31 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 电芯顶盖、电芯、电池、用电设备以及注液嘴 |
WO2024007447A1 (zh) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 端盖组件、电池单体、电池以及用电装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106025111B (zh) | 铅蓄电池以及铅蓄电池的盖部件的制造方法 | |
JP5045752B2 (ja) | 密閉型電池およびその製造方法と,それを搭載した車両,電池搭載機器 | |
KR20100036930A (ko) | 레이저 용접용 지그, 레이저 용접 장치 및 각형 전지의 제조 방법 | |
DE102012022346A1 (de) | Batterie-Gehäuse | |
US20150064550A1 (en) | Prismatic secondary cell | |
JP2017220353A (ja) | 二次電池 | |
JP6331079B2 (ja) | レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 | |
JP2019129129A (ja) | 蓄電装置 | |
KR101605652B1 (ko) | 전지 | |
DE112007002592T5 (de) | Vorrichtung zum Speichern von elektrischer Energie und Fahrzeug | |
DE112013005284T5 (de) | Herstellungsverfahren einer abgedichteten Batterie, Abdichtelement für abgedichtete Batterie und abgedichtete Batterie | |
US11139519B2 (en) | Sealed cell and method for manufacturing same | |
US20190299332A1 (en) | Energy storage device and method of manufacturing energy storage device | |
EP3482431B1 (de) | Batteriezelle sowie verfahren zum applizieren eines berstelements an einem gehäuseteil einer batteriezelle | |
MX2011007505A (es) | Cubierta de bateria resistente a derrames y cubierta de ventilacion. | |
DE112016004390T5 (de) | Energiespeichereinrichtung, verfahren zum herstellen einer energiespeichereinrichtung, strom-sammeleinheit und abdeckelement | |
DE102016116915A1 (de) | Batteriezellenentlüftungssystem für die Batterien eines elektrifizierten Fahrzeugs | |
JP2007250442A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
DE102017125025A1 (de) | Entlüftungsbaugruppe und entlüftungsverfahren für batteriegehäuse | |
DE102017211365A1 (de) | Energiespeichereinrichtung für ein Kraftfahrzeug und Kraftfahrzeug | |
DE102012223203A1 (de) | Elektrische Speichervorrichtung, Herstellungsverfahren für eine elektrische Speichervorrichtung, und für eine elektrische Speichervorrichtung verwendete Busschiene | |
JP2017152322A (ja) | 二次電池 | |
WO2020229276A1 (de) | Batteriegehäuse und batterie mit einem solchen | |
JP2017182986A (ja) | 鉛蓄電池 | |
DE102019213417A1 (de) | Kombinierter Schneid-/Schweißprozess für Al und Cu Werkstoffe mit Wärmeakkumulation ultrakurzer Laserpulse |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170818 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20170818 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20180607 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20180607 |