JP2017219951A - 情報処理装置および情報提供方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】利用者に情報を提供する場面で想定される課題を解決する。【解決手段】情報処理装置12は、指示者からの指示に応じた案内文字列Xを取得する第1情報取得部42と、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを取得する第2情報取得部44と、配信文字列Yを示す配信情報を送信装置に送信させる配信制御部54と、表示装置36と、配信文字列Yを表示装置36に表示させる表示制御部46とを具備する。【選択図】図2

Description

本発明は、利用者に情報を提供する技術に関する。
画像または音声等の情報を端末装置に提供するための各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、配信対象として事前に登録された端末装置に対して、当該端末装置の位置に応じたコンテンツを配信する技術が開示されている。
特開2002−351905号公報
例えば電車またはバス等の交通機関では、乗降または乗換等に関する情報を利用者に案内する案内音声が随時に再生される。案内音声の発音内容の文字列または翻訳文等の情報を案内音声の放音とともに各利用者の端末装置にて再生できれば、例えば案内音声の聴取が困難な難聴者、または案内音声の言語の理解が困難な外国人にとって便利である。しかし、各種の情報を利用者の端末装置に提供する現実の場面では種々の課題が想定される。具体的には、案内音声と完全に同じ内容の情報を利用者の端末装置に提供することが適切でない場合がある。例えば、迷子の名前等の個人情報を含む案内音声と同内容の情報を各利用者の端末装置に提供することは、個人情報の保護の観点から問題となり得る。以上の事情を考慮して、本発明は、利用者に情報を提供する場面で想定される課題の解決を目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る情報処理装置は、指示者からの指示に応じた第1文字列を取得する第1情報取得部と、第1文字列とは部分的に相違する第2文字列を取得する第2情報取得部と、第2文字列を示す配信情報を送信装置に送信させる配信制御部と、表示装置と、第2文字列を表示装置に表示させる表示制御部とを具備する。具体的な態様において、配信制御部は、第1文字列に対応する音声を放音する放音装置を送信装置として音響通信で配信情報を送信させる。
本発明の好適な態様において、表示制御部は、第1文字列と第2文字列とを並行して表示装置に表示させる。以上の態様によれば、指示者が第1文字列と第2文字列とを容易に対比することが可能である。より好適な態様において、表示制御部は、指示者が選択した複数の言語の各々について、当該言語で表現された第1文字列と第2文字列とを表示装置に表示させる。以上の態様によれば、第1文字列と第2文字列とを指示者が複数の言語で確認できるという利点がある。
本発明の好適な態様において、第1情報取得部は、収音装置が収音した音声に対する音声認識の結果に応じた第1文字列を取得する。他の態様において、第1情報取得部は、表示装置の操作画面に対して指示された第1文字列を取得する。また、第1情報取得部は、操作画面に対する指示で複数の項目の各々について利用者が複数の候補から選択した文字列を含む第1文字列を取得する。
本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの構成図である。 情報処理装置の構成図である。 案内テーブルの模式図である。 操作画面の模式図である。 操作画面の模式図である。 操作画面の模式図である。 情報処理装置の動作のフローチャートである。 端末装置の構成図である。 第2実施形態における情報処理装置の構成図である。 第2実施形態における第2情報取得部の動作のフローチャートである。 変形例における情報処理装置の構成図である。 変形例における操作画面の模式図である。 登録文字列と挿入句との関係を例示する説明図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における情報提供システム10の構成図である。第1実施形態の情報提供システム10は、電車またはバス等の交通機関の利用者HAに情報を提供するためのコンピュータシステムであり、情報処理装置12と放音装置14とを具備する。放音装置14は、交通機関の施設内(例えば駅構内または電車内)に設置され、交通機関に関する案内のための音声(以下「案内音声」という)Vを放音する音響システムである。例えば、電車またはバスの到着または発進を告知する音声、停車地点または他路線への乗換を案内する音声、乗降時の注意事項を告知する音声、迷子を通知する音声、もしくは緊急事態の発生を告知する音声など、交通機関に関する各種の音声が案内音声Vとして放音装置14から放音される。
交通機関の利用者HAは、端末装置20を携帯する。端末装置20は、例えば携帯電話機またはスマートフォン等の可搬型の情報端末である。なお、実際には多数の利用者HAが情報提供システム10のサービスを利用し得るが、以下の説明では便宜的に1個の端末装置20に着目する。図1の情報提供システム10の情報処理装置12は、例えば交通機関を管理または運営する従業者(以下「指示者」という)HBが所持および使用する情報端末である。具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末等の種々の情報端末が情報処理装置12として利用され得る。情報処理装置12は、放音装置14に有線または無線で接続される。なお、情報処理装置12と放音装置14とを一体に構成することも可能である。
図2は、情報提供システム10の構成図である。図2に例示される通り、第1実施形態の情報処理装置12は、制御装置32と記憶装置34と表示装置36と操作装置38とを具備する。制御装置32は、情報処理装置12の全体的な動作を制御する処理回路であり、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。表示装置36は、例えば液晶表示パネルで構成され、制御装置32による制御のもとで各種の画像を表示する。操作装置38は、指示者HBからの指示を受付ける入力機器である。例えば指示者HBが操作する複数の操作子、または、表示装置36の表示面に対する接触を検知するタッチパネルが操作装置38として好適に利用される。記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラムと制御装置32が使用する各種のデータとを記憶する。例えば、磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体、あるいは複数種の記録媒体の組合せが記憶装置34として任意に採用される。
第1実施形態の記憶装置34は、図3の案内テーブルTAを記憶する。図3に例示される通り、案内テーブルTAには、案内音声Vの相異なる内容に対応する複数の登録文字列R(R1,R2,……)が登録される。図3に例示される通り、案内テーブルTAの複数の登録文字列Rのなかには、1個以上の挿入区間を包含する登録文字列Rがある。図3では挿入区間が大括弧[ ]で表現されている。挿入区間には種々の語句(以下「挿入句」という)が挿入される。登録文字列Rの挿入区間に可変の挿入句を挿入することで、案内音声Vの発音内容を表す文字列(以下「案内文字列」という)Xが生成される。例えば、図3には、「ただいま、[服装][名前][年齢]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という登録文字列R1(すなわち、交通機関の構内での迷子を通知する文字列)が例示されている。登録文字列R1の各挿入区間に適切な挿入句を挿入することで、「ただいま、[赤い服を着た][スズキユウキちゃんという][4歳の]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という案内文字列Xが生成される。以上の説明から理解される通り、登録文字列Rは、挿入句を相違させた複数の案内文字列Xにわたり共通する定型的な文字列(典型的には文)である。また、挿入句は、案内音声V毎に可変に選定されて登録文字列Rの挿入区間に挿入される文字列である。なお、以上に例示した通り1個以上の挿入区間を含む登録文字列Rのほか、挿入区間を含まない登録文字列Rも案内テーブルTAには登録され得る。
図3に例示される通り、案内テーブルTAには、相異なる登録文字列Rに対応する複数の配信文字列Y(Y1,Y2,……)が、各配信文字列Yの識別情報DY(DY1,DY2,……)とともに登録される。任意の1個の配信文字列Yは、案内文字列Xと内容自体は類似または共通するが案内文字列Xとは部分的に相違する文字列である。第1実施形態では、案内文字列Xのうち挿入句を削除した文字列が配信文字列Yとして案内テーブルTAに登録される。具体的には、配信文字列Yは、案内文字列Xのうち個人に関する秘匿性の高い部分(特に名前等)を削除した文字列である。例えば、「ただいま、[赤い服を着た][スズキユウキちゃんという][4歳の]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という前述の案内文字列Xのうち、個人に関する秘匿性の高い挿入句を削除した「ただいま、迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という配信文字列Y1が、記憶装置34に記憶される。
図2の制御装置32は、記憶装置34に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(第1情報取得部42,第2情報取得部44,表示制御部46,音声合成部52,配信制御部54)を実現する。なお、制御装置32の一部の機能を専用の電子回路で実現した構成、または、制御装置32の機能を複数の装置に分散した構成も採用され得る。
第1情報取得部42は、指示者HBからの指示に応じた案内文字列X(第1文字列の例示)を取得する。指示者HBは、操作装置38を適宜に操作することで、案内テーブルTAに登録された複数の登録文字列Rのうち所望の1個の登録文字列Rと、当該登録文字列Rの各挿入区間に挿入される挿入句とを任意に指定することが可能である。第1情報取得部42は、指示者HBから指示された登録文字列Rの各挿入区間に、指示者HBから指示された挿入句を挿入することで、案内音声Vの発音内容を表す案内文字列Xを生成する。
第2情報取得部44は、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Y(第2文字列の例示)を取得する。具体的には、第2情報取得部44は、案内テーブルTAに登録された複数の配信文字列Yのうち、指示者HBが指定した案内文字列Xを構成する登録文字列Rに対応した配信文字列Yを案内テーブルTAから取得する。すなわち、案内文字列Xから挿入句を削除した文字列が配信文字列Yとして取得される。第2情報取得部44は、案内文字列Xを配信文字列Yに補正ないし変換する要素とも換言され得る。なお、案内テーブルTAから配信文字列Yを取得する構成のほか、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xの編集(例えば挿入句の削除)で第2情報取得部44が配信文字列Yを生成する構成も採用され得る。
表示制御部46は、表示装置36に画像を表示させる。第1実施形態の表示制御部46は、例えば図4の操作画面GAと図5の操作画面GBとを表示装置36に表示させる。操作画面GAおよび操作画面GBは、指示者HBからの指示を受付けるための画像である。図4に例示される通り、操作画面GAには、案内音声Vの内容に関する複数の選択肢362が表示される。具体的には、案内テーブルTAに登録された複数の登録文字列Rの各々について操作画面GAに選択肢362が表示される。指示者HBは、操作装置38を適宜に操作することで任意の選択肢362を選択することが可能である。操作画面GAにて指示者HBが選択した選択肢362に対応した登録文字列Rを含む案内文字列Xが第1情報取得部42により取得される。
操作画面GBは、案内文字列Xおよび配信文字列Yの内容を指示者HBが指示または確認するための画像であり、操作画面GAでの選択肢362の選択後に表示装置36に表示される。図5に例示される通り、操作画面GBは、指示領域A1と確認領域A2と再生指示子A3とを包含する。再生指示子A3は、案内音声Vの再生を指示者HBが指示するための画像(コマンドボタン)である。
指示領域A1は、登録文字列Rの各挿入区間に挿入されるべき挿入句を指示者HBが指示するための領域である。具体的には、指示領域A1には、操作画面GAにて指示者HBが選択した選択肢362に対応する登録文字列Rの挿入区間毎に指示欄364が配置される。挿入区間の個数または内容は登録文字列R毎に区々であるから、操作画面GBの指示領域A1に配置される指示欄364の個数または内容は、操作画面GAで選択された登録文字列Rに応じて相違し得る。
指示者HBは、操作装置38を適宜に操作することで、登録文字列Rの各挿入区間に挿入すべき挿入句を指示欄364毎に指示することが可能である。具体的には、指示者HBは、事前に用意された複数の選択肢366からの選択と直接的な文字入力との何れかにより、各指示欄364の挿入句を指示することが可能である。例えば、「ただいま、[服装][名前][年齢]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という登録文字列R1を想定すると、「服装」および「年齢」の挿入区間については複数の選択肢366から挿入句が選択され、「名前」の挿入区間については挿入句が文字入力で任意に指示される。図2の第1情報取得部42は、操作画面GAにて指示された登録文字列Rの各挿入区間に、操作画面GBで各指示欄364に指示された挿入句を挿入することで、案内音声Vの発音内容を表す案内文字列Xを生成する。すなわち、第1実施形態の第1情報取得部42は、操作画面GBに対する指示で複数の項目(挿入区間)の各々について指示者HBが複数の候補から選択した挿入句を含む案内文字列Xを取得する。
なお、複数の登録文字列Rのなかには、挿入区間を含まない登録文字列Rもある。挿入区間を含まない登録文字列Rが操作画面GAにて選択された場合、図6に例示される通り、挿入句(すなわち可変の要素)を含まない定型的な登録文字列Rであることを指示者HBに報知するメッセージが指示領域A1に表示される。すなわち、指示領域A1に指示欄364は表示されない。なお、定型的な登録文字列Rが選択された場合に指示領域A1を空欄とする(定型の旨のメッセージを表示しない)ことも可能である。
図5の確認領域A2には、案内文字列Xと配信文字列Yとが表示される。すなわち、第1実施形態の表示制御部46は、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xと第2情報取得部44が取得した配信文字列Yとを表示装置36に表示させる。具体的には、図5に例示される通り、「ただいま、[赤い服を着た][スズキユウキちゃんという][4歳の]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という案内文字列Xと、当該案内文字列Xのうち個人に関する部分を削除した「ただいま、迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という配信文字列Yとが、表示装置36に並行して表示される。したがって、指示者HBは、自分自身が指示した案内文字列Xと、当該案内文字列Xを部分的に変更した配信文字列Yとを、相互に対比しながら確認することが可能である。
図2の音声合成部52は、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xを適用した音声合成で音響信号SVを生成する。音響信号SVは、案内文字列Xを発音した音声(すなわち案内音声V)の波形を表す時間信号である。音響信号SVの生成には公知の音声合成技術が任意に採用され得る。なお、情報処理装置12が通信可能な音声合成サーバに音響信号SVの生成(音声合成)を実行させることも可能である。具体的には、第1情報取得部42は、案内文字列Xを音声合成サーバに送信し、音声合成サーバによる音声合成で生成された音響信号SVを音声合成サーバから受信して放音装置14に供給する。したがって、音声合成部52は省略され得る。
配信制御部54は、第2情報取得部44が取得した配信文字列Yを示す配信情報Qを生成する。第1実施形態の配信情報Qは、配信文字列Yの識別情報DYである。具体的には、配信制御部54は、第2情報取得部44が取得した配信文字列Yの識別情報DYを案内テーブルTAから配信情報Qとして取得する。また、第1実施形態の配信制御部54は、配信情報Qを音響成分として含有する音響信号SQを生成する。音響信号SQの生成には公知の技術が任意に採用され得る。例えば、所定の周波数の正弦波等の搬送波を配信情報Qにより周波数変調することで音響信号SQを生成する構成、または、拡散符号を利用した配信情報Qの拡散変調と所定の周波数の搬送波を利用した周波数変換とを順次に実行して音響信号SQを生成する構成が好適である。音響信号SQの周波数帯域は、放音装置14による放音と端末装置20による収音とが可能な周波数帯域であり、かつ、利用者HAが通常の環境で聴取する音声(例えば案内音声V)または楽音等の音の周波数帯域を上回る周波数帯域(例えば18kHz以上かつ20kHz以下)に包含される。ただし、音響信号SQの周波数帯域は任意であり、例えば可聴帯域内の音響信号SQを生成することも可能である。
音声合成部52による音響信号SVの生成と配信制御部54による音響信号SQの生成とは、図5の操作画面GBの再生指示子A3が指示者HBにより操作された場合に実行される。すなわち、再生指示子A3の操作を契機として音響信号SVおよび音響信号SQが放音装置14に供給される。放音装置14は、音響信号SVおよび音響信号SQが表す音を放音する。したがって、音響信号SVが表す案内音声Vと音響信号SQが表す音響成分とが放音装置14から放音される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の放音装置14は、空気振動としての音波を伝送媒体とする音響通信で配信情報Qを端末装置20に送信する手段(送信装置)として機能する。すなわち、第1実施形態の配信制御部54は、案内音声Vを放音する放音装置14を送信装置として利用した音響通信で配信情報Qを送信させる。以上の構成では、案内音声Vを放音する放音装置14が配信情報Qの送信に流用されるから、放音装置14とは別個の無線通信機器で配信情報Qを端末装置20に送信する構成と比較して、情報提供システム10の構成を簡素化できるという利点がある。
図7は、情報処理装置12の制御装置32の動作を例示するフローチャートである。例えば操作装置38に対する指示者HBからの指示を契機として図7の処理が開始される。図7の処理を開始すると、制御装置32(表示制御部46)は、図4の操作画面GAを表示装置36に表示させ、指示者HBによる登録文字列Rの選択を受付ける(SA1)。登録文字列Rが選択されると、制御装置32(表示制御部46)は、初期的な操作画面GBを表示装置36に表示させる(SA2)。
制御装置32は、操作画面GBの何れかの指示欄364に対する挿入句の指示を指示者HBから受付けたか否かを判定する(SA3)。挿入句の指示を受付けた場合(SA3:YES)、制御装置32(第1情報取得部42)は、操作画面GAで選択された登録文字列Rと指示者HBから指示された挿入句とを含む案内文字列Xを生成する(SA4)。また、制御装置32(第2情報取得部44)は、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを取得する(SA5)。制御装置32(表示制御部46)は、案内文字列Xと配信文字列Yとを表示装置36に表示させる(SA6)。挿入句が指示されない場合(SA3:NO)には、案内文字列Xおよび配信文字列Yの生成および表示(SA4−SA6)は省略される。
制御装置32は、再生指示子A3に対する操作を指示者HBから受付けたか否かを判定する(SA7)。再生指示子A3が操作されない場合(SA7:NO)、制御装置32は処理をステップSA3に移行し、指示者HBからの指示に応じた案内文字列Xおよび配信文字列Yの更新(SA3−SA6)を反復する。他方、再生指示子A3が操作された場合(SA7:YES)、制御装置32(音声合成部52)は、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xから音響信号SVを生成する(SA8)。また、制御装置32(配信制御部54)は、第2情報取得部44が取得した配信文字列Yを示す配信情報Qの音響信号SQを生成する(SA9)。制御装置32は、音響信号SVと音響信号SQとを放音装置14に供給する(SA10)。したがって、案内文字列Xを発音した案内音声Vが再生されるとともに配信情報Qが音響通信により送信される。なお、音響信号SVの生成(SA8)と音響信号SQの生成(SA9)との先後は逆転され得る。また、案内音声Vの再生と配信情報Qの送信との時間的な関係は任意である。例えば、案内音声Vの再生に並行して配信情報Qを反復的に送信することが可能である。
図8は、端末装置20の構成図である。図8に例示される通り、端末装置20は、収音装置62と制御装置64と記憶装置66と再生装置68とを具備する。収音装置62は、周囲の音を収音する音響機器(マイクロホン)である。第1実施形態の収音装置62は、情報提供システム10の放音装置14から放音される音波を収音して音響信号Sを生成する。音響信号Sは、配信情報Qの音響成分(音響信号SQ)を含有する。すなわち、収音装置62は、空気振動たる音波を伝送媒体とした音響通信で配信情報Qを受信する受信装置として機能する。なお、収音装置62が生成した音響信号Sをアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略した。
制御装置64は、情報処理装置12の全体的な動作を制御する処理回路であり、例えばCPUを含んで構成される。記憶装置66は、制御装置64が実行するプログラムと制御装置64が使用する各種のデータとを記憶する。第1実施形態の記憶装置66は、案内テーブルTBを記憶する。図8に例示される通り、案内テーブルTBには、配信情報Qで指定され得る複数の配信文字列Y(Y1,Y2,……)が、各配信文字列Yの識別情報DY(DY1,DY2,……)とともに登録される。すなわち、情報処理装置12の第2情報取得部44が取得する可能性がある複数の配信文字列Yが記憶装置66に記憶される。
図8の制御装置64は、記憶装置66に記憶されたプログラムを実行することで、配信情報Qが示す配信文字列Yを利用者HAに提示するための複数の機能(情報抽出部642,再生制御部644)を実現する。なお、制御装置64の一部の機能を専用の電子回路で実現した構成、または、制御装置64の機能を複数の装置に分散した構成も採用され得る。
情報抽出部642は、収音装置62から供給される音響信号Sから配信情報Qを抽出する。具体的には、情報抽出部642は、配信情報Qの音響成分を含む周波数帯域の帯域成分を強調するフィルタ処理と配信制御部54での変調処理に対応した復調処理とを音響信号Sに対して実行することで配信情報Qを抽出する。再生制御部644は、情報抽出部642が抽出した配信情報Qが示す識別情報DYに対応する配信文字列Yを再生装置68に再生させる。再生装置68は、再生制御部644から指示された配信文字列Yを再生して利用者HAに提示する。第1実施形態の再生装置68は、配信文字列Yを表示する表示機器(例えば液晶表示パネル)である。
以上の説明から理解される通り、指示者HBからの指示に応じた案内文字列Xの案内音声Vが放音装置14から放音される一方、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yが端末装置20の再生装置68で再生される。具体的には、「ただいま、赤い服を着たスズキユウキちゃんという4歳の迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という案内音声Vが放音装置14から再生される場合には、案内文字列Xのうち個人に関する秘匿性の高い部分を削除した「ただいま、迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という配信文字列Yが端末装置20にて表示される。
以上の通り、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを端末装置20にて再生することで個人情報の保護が実現され得る。他方、指示者HBにとっては、自身が指示した案内文字列Xに対応した適切な配信文字列Yが端末装置20にて実際に再生されているか否かが懸念される。第1実施形態では、端末装置20にて再生される配信文字列Yが情報処理装置12の表示装置36に表示されるから、端末装置20にて実際に再生される配信文字列Yを指示者HBが確認できるという利点がある。第1実施形態では特に、案内文字列Xと配信文字列Yとが並行して表示されるから、指示者HBは、自身が指示した内容(案内文字列X)と端末装置20が再生する内容(配信文字列Y)とを相互に対比しながら両者間の関係(例えば相違点または一致点)を確認できるという利点がある。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態における情報提供システム10の構成図である。図9に例示される通り、第2実施形態の情報処理装置12は、第1実施形態と同様の要素に加えて収音装置16を具備する。収音装置16は、周囲の音響を収音する音響機器(マイクロホン)である。指示者HBは、案内音声Vを収音装置16に対して発音する。具体的には、記憶装置34に事前に登録された複数の登録文字列Rの何れかを含む内容の案内音声Vを指示者HBは発音する。収音装置16は、指示者HBが発音した案内音声Vを収音して当該案内音声Vを表す音響信号SVを生成する。図9に例示される通り、第2実施形態では第1実施形態の音声合成部52が省略され、収音装置16が生成した音響信号SVが放音装置14に供給される。なお、収音装置16が生成した音響信号SVをアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略した。
図9の第1情報取得部42は、音響信号SVに対する音声認識で案内文字列Xを特定する。案内文字列Xは、指示者HBが発音した案内音声Vの内容を表す文字列である。音響信号SVの音声認識には、例えばHMM(Hidden Markov Model)等の音響モデルと、言語的な制約を示す言語モデルとを利用した認識処理等の公知の技術が任意に採用され得る。なお、情報処理装置12が通信可能な音声認識サーバに、音響信号SVの音声認識を実行させることも可能である。例えば、第1情報取得部42は、音響信号SVを音声認識サーバに送信し、音声認識サーバによる音声認識で特定された案内文字列Xを音声認識サーバから取得する。すなわち、第1情報取得部42は、それ自身が案内文字列Xを生成する要素のほか、他装置により生成された案内文字列Xを取得する要素も包含する。
第2実施形態の第2情報取得部44は、第1情報取得部42が取得した案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを取得する。具体的には、第2情報取得部44は、案内テーブルTAに登録された複数の登録文字列Rのうち案内文字列Xに類似する登録文字列Rを探索し、当該登録文字列Rに対応する配信文字列Yを案内テーブルTAから取得する。
図10は、第2実施形態の第2情報取得部44が配信文字列Yを取得する処理のフローチャートである。図10に例示される通り、第2情報取得部44は、複数の登録文字列Rの各々について案内文字列Xとの類似度の指標(以下「類似指標」という)を算定する(SB1)。類似指標の種類は任意であるが、例えば2種類の文字列間の類似性を評価するための編集距離(レーベンシュタイン距離)等の公知の指標が類似指標として好適である。類似指標の算定が完了すると、第2情報取得部44は、複数の登録文字列Rのうち類似指標が示す類似度が最大となる1個の登録文字列R(すなわち、案内文字列Xに最も類似する登録文字列R)を案内テーブルTAから検索する(SB2)。そして、第2情報取得部44は、案内テーブルTAから検索した登録文字列Rに対応する配信文字列Yを案内テーブルTAから取得する(SB3)。以上の例示の通り、第2実施形態では、案内文字列Xに類似する登録文字列Rに対応した配信文字列Yが特定される。したがって、案内文字列Xが誤認識等の影響で実際の発音内容とは相違する場合でも適切な配信文字列Yを選択できるという利点がある。表示制御部46が案内文字列Xおよび配信文字列Yを表示装置36に表示させる動作は第1実施形態と同様である。
図9の第1情報取得部42は、操作画面GBの再生指示子A3に対する操作を契機として、収音装置16が生成した音響信号SVを放音装置14に供給する。また、配信制御部54は、再生指示子A3に対する操作を契機として、配信文字列Yの識別情報DYを示す配信情報Qの音響信号SQを生成して放音装置14に供給する。したがって、第1実施形態と同様に、案内文字列Xの案内音声Vが放音装置14から再生され、かつ、放音装置14を送信装置として利用した音響通信で配信情報Qが送信される。第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、収音装置16に対する発音(音声入力)で指示者HBが案内文字列Xを指示できるという利点がある。
なお、以上の説明では、音響信号SVに対する音声認識の結果を案内文字列Xとして利用したが、案内テーブルTAに登録された登録文字列Rを案内文字列Xの取得に利用することも可能である。例えば、第1情報取得部42は、音響信号SVに対する音声認識で特定された文字列X0(前述の形態での案内文字列X)に最も類似する登録文字列Rを案内テーブルTAから検索する。そして、第1情報取得部42は、文字列X0に含まれる挿入句を当該登録文字列Rの各挿入区間に挿入することで案内文字列Xを生成する。また、登録文字列Rの各挿入区間について挿入句の複数の候補を案内テーブルTAに事前に登録し、文字列X0のうち挿入区間に対応する部分を複数の候補の各々と比較することで、当該部分に最も類似する候補を挿入句として選択することも可能である。
<変形例>
以上に例示した各態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)案内文字列Xと同様の内容を他言語で表現した案内音声Vを放音装置14から放音することも可能である。例えば、図11に例示される通り、第1実施形態と同様の構成の情報処理装置12に機械翻訳部56が追加される。機械翻訳部56は、第1言語(例えば日本語)の案内文字列Xを第2言語(例えば英語)の案内文字列Xに変換する。案内文字列Xの機械翻訳には、公知の技術が任意に採用され得る。音声合成部52は、第1言語の案内文字列Xに対応する案内音声Vと、翻訳後の第2言語の案内文字列Xに対応する案内音声Vとを表す音響信号SVを音声合成により生成する。音響信号SVが放音装置14に供給されることで案内音声Vが第1言語および第2言語の双方で例えば順次に放音される。
複数の言語の案内音声Vを選択的に放音装置14から放音することも可能である。例えば、図12の操作画面GBを表示制御部46が表示装置36に表示させる。図12に例示された操作画面GBは、図5と同様の要素に加えて言語選択領域A4を包含する。言語選択領域A4には、相異なる言語(日本語,英語,中国語)に対応する複数の言語指示子368が配置される。任意の1種類の言語に対応する言語指示子368は、当該言語を有効状態および無効状態の何れかに指示者HBが設定するための画像である。音声合成部52は、言語指示子368により有効状態に設定された言語について案内音声Vの音響信号SVを生成して放音装置14に供給する。無効状態に設定された言語について音響信号SVは生成されない。したがって、複数の言語のうち有効状態の言語の案内音声Vが配信情報Qの音響成分とともに放音装置14から放音される。
操作画面GBの確認領域A2には、言語指示子368により有効状態に設定された各言語について案内文字列Xと配信文字列Yとが表示される。図12では、案内文字列Xと配信文字列Yとが日本語および英語の双方で確認領域A2に表示された場合が例示されている。以上の構成によれば、相異なる言語で放音される案内音声Vの内容を指示者HBが複数の言語で確認することが可能である。
(2)音声合成部52による案内音声Vの合成には公知の技術が任意に採用され得る。また、例えば案内文字列Xのうち定型的な登録文字列Rと可変の各挿入句とで音声合成の方法を相違させることも可能である。音声合成の方法としては、例えば特定の文字列を発音した音声を事前に収録した収録データを利用する録音編集方式、または、音声素片等の音声単位を選択的に組合わせて音声を合成する素片接続方式等の規則合成方式が例示され得る。例えば、音声合成部52は、発音内容が既知である登録文字列Rについては録音編集方式で音声信号を生成し、発音内容が可変である挿入句については規則合成方式で音声信号を生成する。そして、音声合成部52は、各音声信号を時間軸上で接続することで案内音声Vの音響信号SVを生成する。以上の構成によれば、登録文字列Rの音声合成については事前の収録音を使用することで処理負荷を軽減しながら、挿入句については規則合成方式で多様な発音内容の音声を合成できるという利点がある。
また、既定の登録文字列Rについては収録データを利用した録音編集方式で音声信号を生成する一方、事後的に追加された登録文字列Rおよび挿入句については規則合成方式で音声信号を生成することも可能である。なお、既定の登録文字列Rと新規な登録文字列Rとで声質が相違する可能性も想定されるが、新規な登録文字列Rに適用される規則合成方式の合成パラメータ(特に声質に寄与する変数)を適宜に調整することで、規則合成方式による合成音声を、収録済の収録データの声質に近付けることが可能である。
(3)前述の各形態では、交通機関の構内での迷子を通知する案内音声Vを想定したが、案内音声Vの発音内容は任意である。例えば、図4の例示からも理解される通り、交通機関の運行状況に関する案内音声Vを放音装置14から放音することも可能である。
前述の通り、挿入区間の個数または内容は登録文字列R毎に区々である。したがって、操作画面GBの指示領域A1に配置される指示欄364の個数および内容(選択項目)、あるいは、各指示欄364で選択可能な選択肢366の個数および内容は、登録文字列R毎に相違し得る。図13には、交通機関の運行状況について、操作画面GAで選択可能な選択肢362と、各選択肢362に対応する登録文字列Rと、当該登録文字列Rの各挿入区間に対応する指示欄364と、指示欄364で選択可能な選択肢366との組合せが例示されている。なお、図13の「事故防止アナウンス」の登録文字列Rは、挿入句を含まない定型文であるから、図6に例示した通り、可変の要素を含まない定型的な登録文字列Rであることを報知するメッセージが指示領域A1に表示される。
例えば、図13の例示から理解される通り、「ただいま、[落雷による信号故障のため]電車の運転を見合わせております。[復旧には10分程度かかる見込みです。][そのまましばらくお待ち下さい。]」という案内文字列Xと、挿入区間を除外した「ただいま、電車の運転を見合わせております。」という配信文字列Yとが表示装置36の確認領域A2に表示される。
(4)前述の各形態では、案内文字列Xの挿入句を削除した配信文字列Yを例示したが、案内文字列Xと配信文字列Yとの関係は以上の例示に限定されない。例えば、前述の各形態の例示とは反対に、登録文字列Rに挿入句を挿入した文字列を配信文字列Yとして第2情報取得部44が取得し、配信文字列Yから挿入句を削除した文字列(例えば登録文字列R)を案内文字列Xとして第1情報取得部42が取得することも可能である。以上の構成によれば、詳細な情報を含む配信文字列Yを端末装置20に提供する一方、各情報を省略した内容の簡略的な案内文字列Xが案内音声Vとして再生される。したがって、案内音声Vの発音時間を短縮しながら、端末装置20に配信文字列Yを提供できるという利点がある。
また、登録文字列Rに複数の挿入句を挿入した文字列を案内文字列Xおよび配信文字列Yの一方として生成し、複数の挿入句のうちの一部を削除した文字列を案内文字列Xおよび配信文字列Yの他方として生成することも可能である。例えば、前述の登録文字列R1の全部の挿入区間に挿入句を挿入した「ただいま、[赤い服を着た][スズキユウキちゃんという][4歳の]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という文字列が案内文字列Xとされ、複数の挿入句のうち[名前]を削除した「「ただいま、[赤い服を着た][4歳の]迷子のお子様がお待ちでございます。お心当たりのお客様は案内所までお越し下さい。」という文字列が配信文字列Yとされる。
以上の例示から理解される通り、配信文字列Y(第2文字列の例示)は、案内文字列X(第1文字列の例示)とは部分的に相違する文字列として包括的に表現される。具体的には、案内文字列Xおよび配信文字列Yの一方は、他方を部分的に削除した文字列または他方に特定の語句を追加した文字列である。
なお、配信文字列Yが挿入句を含む構成では、登録文字列Rの識別情報と挿入区間毎の挿入句の識別情報とを含む配信情報Qを情報処理装置12から端末装置20に送信する必要がある。端末装置20の再生制御部644は、登録文字列Rと識別情報とを対応させるとともに挿入句と識別情報とを対応させる案内テーブルTBを参照して配信文字列Yを生成する。具体的には、再生制御部644は、配信情報Qが示す識別情報に対応する登録文字列Rと挿入句とを案内テーブルTBから特定し、当該登録文字列Rに挿入句を挿入することで配信文字列Yを生成する。
(5)前述の各形態では、案内文字列Xおよび配信文字列Yの双方を表示装置36に表示させたが、表示制御部46が配信文字列Yのみを表示装置36に表示させる(案内文字列Xの表示は省略する)ことも可能である。
(6)前述の各形態では、配信文字列Yを表示する表示機器を再生装置68として例示したが、配信文字列Yの再生方法は以上の例示に限定されない。例えば、配信文字列Yを発音した音声を放音する放音機器を再生装置68として利用することも可能である。具体的には、再生制御部644は、配信情報Qが示す配信文字列Yを適用した音声合成により、当該配信文字列の音声を表す音声信号を生成して再生装置68の放音機器に供給する。配信文字列Yの表示と当該配信文字列Yの音声の放音とを併用することも可能である。
(7)前述の各形態では、端末装置20にて配信文字列Yが1種類の言語(日本語)で再生される場合を例示したが、端末装置20にて再生される配信文字列Yの言語を変更できる構成も好適である。例えば、配信情報Qで指定され得る複数の識別情報DYの各々について、同様の内容を相異なる言語で表現した複数の配信文字列Yが案内テーブルTBに登録される。再生制御部644は、情報抽出部642が抽出した配信情報Qが示す識別情報DYに対応する複数の配信文字列Yのうち、端末装置20で指定された言語(以下「指定言語」という)に対応する配信文字列Yを再生装置68に再生させる。指定言語は、例えば、端末装置20のOS(Operating System)の言語設定で指定された言語、または、端末装置20の利用者HAが任意に指定した言語である。以上の構成によれば、端末装置20の利用者HAに好都合な指定言語で配信文字列Yが再生されるから、例えば案内音声Vの言語の理解が困難である外国人等にとって便利である。
(8)端末装置20で使用される案内テーブルTBは、例えば、移動体通信網またはインターネット等の通信網を介して特定の配信サーバから配信されて記憶装置66に記憶される。なお、配信サーバから端末装置20に案内テーブルTBが配信される時期は任意である。例えば、所定の周期で配信テーブルTBを定期的に更新することが可能である。また、例えば配信文字列Yの再生用のプログラムの起動毎に、配信テーブルTBの更新の有無を端末装置20から配信サーバに照会し、更新がある場合に最新の配信テーブルTBを配信サーバから端末装置20に配信することも可能である。
(9)前述の各形態では、端末装置20の記憶装置66に案内テーブルTBを記憶した場合を例示したが、移動体通信網またはインターネット等の通信網を介して端末装置20と通信する配信サーバに案内テーブルTBを保持することも可能である。端末装置20の再生制御部644は、情報抽出部642が抽出した配信情報Qを含む配信要求を配信サーバに送信する。配信サーバは、端末装置20から受信した配信要求内の配信情報Qが示す配信文字列Yを案内テーブルTBから特定して要求元の端末装置20に送信する。端末装置20の再生制御部644は、配信サーバから受信した配信文字列Yを再生装置68に再生させる。以上の構成によれば、端末装置20に案内テーブルTB(複数の配信文字列Y)を保持する必要がないという利点がある。他方、端末装置20が案内テーブルTBを保持する前述の各形態の構成によれば、配信文字列Yの再生時に配信サーバと通信する必要がないから、端末装置20が配信サーバと通信可能な状況にあるか否かに関わらず、端末装置20にて配信文字列Yを再生できるという利点がある。
(10)前述の各形態では、音波を伝送媒体とする音響通信で配信情報Qを端末装置20に送信したが、配信情報Qを端末装置20に送信するための通信方式は以上の例示に限定されない。例えば、電波または赤外線等の電磁波を伝送媒体とした無線通信で情報提供システム10から端末装置20に配信情報Qを送信することも可能である。以上の例示から理解される通り、配信情報Qの送信には、通信網が介在しない近距離無線通信が好適であり、音波を伝送媒体とする音響通信または電磁波を伝送媒体とする無線通信は近距離無線通信の例示である。ただし、移動体通信網またはインターネット等の通信網を介して情報提供システム10から端末装置20に配信情報Qを送信することも可能である。
(11)前述の各形態では、配信文字列Yの識別情報DYを配信情報Qとして端末装置20に送信したが、配信情報Qの内容は以上の例示に限定されない。例えば、配信文字列Y自体を示す配信情報Qを情報提供システム10から端末装置20に送信することも可能である。
(12)前述の各形態では、交通機関の案内に情報提供システム10を利用した場合を例示したが、情報提供システム10が利用される場面は、電車またはバス等の交通機関に限定されない。例えば、海港または空港等の施設、ショッピングモール等の商業施設、美術館または博物館等の展示施設、競技場または体育館等の運動施設、ホテルまたは旅館等の宿泊施設、寺院等の観光施設を含む各種の施設に関する案内に、前述の各形態で例示した情報提供システム10が利用され得る。
(13)前述の各態様に係る情報処理装置12は、前述の各形態の例示の通り、制御装置32とプログラムとの協働で実現される。前述の各形態に係るプログラムは、指示者HBからの指示に応じた案内文字列Xを取得する第1情報取得部42、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを取得する第2情報取得部44、配信文字列Yを示す配信情報Qを送信装置(例えば放音装置14)に送信させる配信制御部54、および、配信文字列Yを表示装置36に表示させる表示制御部46として、コンピュータ(例えば制御装置32)を機能させる。以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供することも可能である。
(14)本発明は、前述の各形態に係る情報処理装置12の動作方法(情報提供方法)としても特定され得る。好適な態様に係る情報処理方法は、表示装置36を具備するコンピュータシステム(単体または複数のコンピュータで構成される情報提供システム10)が、指示者HBからの指示に応じた案内文字列Xを取得し(SA4)、案内文字列Xとは部分的に相違する配信文字列Yを取得し(SA5)、配信文字列Yを示す配信情報Qを送信装置(例えば放音装置14)に送信させ(SA10)、配信文字列Yを表示装置36に表示させる(SA6)。
10…情報提供システム、12…情報処理装置、14…放音装置、16,62…収音装置、20…端末装置、32,64…制御装置、34,66…記憶装置、36…表示装置、38…操作装置、42…第1情報取得部、44…第2情報取得部、46…表示制御部、52…音声合成部、54…配信制御部、56…機械翻訳部、642…情報抽出部、644…再生制御部、68…再生装置。

Claims (8)

  1. 指示者からの指示に応じた第1文字列を取得する第1情報取得部と、
    前記第1文字列とは部分的に相違する第2文字列を取得する第2情報取得部と、
    前記第2文字列を示す配信情報を送信装置に送信させる配信制御部と、
    表示装置と、
    前記第2文字列を前記表示装置に表示させる表示制御部と
    を具備する情報処理装置。
  2. 前記配信制御部は、前記第1文字列に対応する音声を放音する放音装置を前記送信装置として音響通信で前記配信情報を送信させる
    請求項1の情報処理装置。
  3. 前記表示制御部は、前記第1文字列と前記第2文字列とを並行して前記表示装置に表示させる
    請求項1または請求項2の情報処理装置。
  4. 前記表示制御部は、前記指示者が選択した複数の言語の各々について、当該言語で表現された前記第1文字列と前記第2文字列とを前記表示装置に表示させる
    請求項3の情報処理装置。
  5. 前記第1情報取得部は、収音装置が収音した音声に対する音声認識の結果に応じた前記第1文字列を取得する
    請求項1から請求項4の何れかの情報処理装置。
  6. 前記第1情報取得部は、前記表示装置の操作画面に対して指示された前記第1文字列を取得する
    請求項1から請求項4の何れかの情報処理装置。
  7. 前記第1情報取得部は、前記操作画面に対する指示で複数の項目の各々について利用者が複数の候補から選択した文字列を含む前記第1文字列を取得する
    請求項6の情報処理装置。
  8. 表示装置を具備するコンピュータシステムが、
    指示者からの指示に応じた第1文字列を取得し、
    前記第1文字列とは部分的に相違する第2文字列を取得し、
    前記第2文字列を示す配信情報を送信装置に送信させ、
    前記第2文字列を前記表示装置に表示させる
    を具備する情報提供方法。
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