JP2017219348A - 撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する方法および装置 - Google Patents

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【課題】金属試料における除錆の終点を、目標とする除錆の程度にあわせて、判定することを可能にする方法を提供する。【解決手段】金属試料の金属素地の画像の色調から取得した第1の明度ヒストグラムから明度の閾値を決定し(S13)、除錆溶液に浸漬させた金属試料の表面を撮影した画像の色調から第2の明度ヒストグラムを得て(S15)、第2の明度ヒストグラムにおいて閾値より暗い部分の割合が予め設定された値を以下となったかどうかを判定し、第2の明度ヒストグラムにおいて閾値より暗い部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定する(S23)。【選択図】図6

Description

本発明は、金属試料の除錆方法および装置に関し、より詳細には、撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する方法および装置に関する。
金属試料の腐食生成物の除去(除錆)は、腐食量を評価する上で、および腐食生成物の除去後の金属試料の性状を評価する上で必要な作業である。従来、金属試料の除錆方法の一つに、試験片を除錆溶液に所定の時間浸漬する、化学的方法が存在する。
この試験片を除錆溶液に所定の時間浸漬する除錆方法は、除錆対象である金属試料の素材に応じて、除錆溶液の組成、時間、温度を選択して実行する(例えば、非特許文献1、2参照)。この時、腐食量や除錆の終点を判断するにあたっては、質量を指標にすることが一般的である。金属試料を除錆溶液に浸漬させ、試料を取出し、水で洗浄し、水分を拭き取り、乾燥させ、試料温度を室温としてから秤量を行う。この一連の作業を繰り返すことによって、金属試料の質量が徐々に小さくなっていく様子を追うことができる(例えば、非特許文献3、4参照)。
図1は、試験片を除錆溶液に所定の時間浸漬する除錆方法により、金属試料の質量が徐々に小さくなっていく様子を示す図である。図1に示すように、縦軸を試料質量、横軸を浸漬時間として、各時間における試料質量をプロットすると、試料自体が除錆溶液に溶解するために質量減少が発生するブランク減量直線(B−C直線)を描くことができる。このブランク減量直線(B−C直線)と縦軸との交点Dから、腐食量を算出することが可能である(例えば、非特許文献3参照)。
また、除錆終点は試料質量の減量が小さくなった時点である。JIS規格(非特許文献1)に除錆時間の目安が言及されているが、金属試料の錆状態によって要する時間は大きく変動する。よって、金属試料ごとにブランク減量直線を描くことができるまで除錆を続けて、終点を見極めることが好ましい。
他方、画像解析により金属材料における素地と錆部分離し、錆面積率の算出する方法が知られている(例えば、非特許文献5)。
「大気環境の腐食性を評価するための標準金属試験片及びその腐食度の測定方法」,日本工業規格 JIS Z 2383:1998,(付属書A(参考)腐食生成物を除去する化学的方法 参照) "Corrosion of metals and alloys -- Removal of corrosion products from corrosion test specimens",ISO 8407:2009 「大気暴露試験ハンドブック」,財団法人 日本ウエザリングテストセンター,平成19年1月,([II]金属編,「9.付記」 参照) 林直宏他、「複合サイクル試験の腐食促進試験への適用」、あいち産業科学技術総合センター研究報告2013 (2.3 腐食成生物除去 参照) 小松秀和他、「金属材料における画像解析による白錆及び赤錆面積率算出手法の開発」、群馬県立産業技術センター研究報告(2012)
上述したように、試験片を除錆溶液に所定の時間浸漬する除錆方法では、浸漬、洗浄、水分拭き取り、乾燥、秤量という作業を繰り返すため、手間が発生する。
また、質量を指標にして除錆の終点の判断する場合には、図1に示す点Bの時点では錆がすべて落ちているとは限らない。目視で確認できる錆が凹みの中等に残っていたとしても、質量減少からは点Bの時点で除錆終了と判定されてしまう。大部分の除錆が目的ならば構わないが、全ての錆を落とすという目的の場合、除錆の終点を判断する際に質量を指標とすることは適さない。
また、ブランク減量直線を描くためには、試料自体が除錆溶液に溶解されることを許容しなければならない。例えば腐食量を決定することだけを目的としていれば許容できるが、除錆後の金属試料の溶解を許さない場合は、試験片(金属試料)を除錆溶液に所定の時間浸漬する除錆方法を適用することが難しい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、目標とする除錆の程度にあった金属試料の除錆の終点を判定することを可能とする方法および装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は試料質量に代えて、外観評価によって除錆終点の判定を行う。
本発明の一実施態様は、撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する方法である。該方法は、除錆対象である金属試料の金属素地の画像の色調から取得した第1のヒストグラムから閾値を決定することと、除錆溶液に浸漬させた金属試料の表面を撮影した画像の色調から第2のヒストグラムを得ることと、上記第2のヒストグラムにおいて上記閾値以下の部分の割合が予め設定された値以下となったかどうかを判定すること、上記第2のヒストグラムにおいて上記閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定することとを含むことを特徴とする。
また、本発明の別の態様は、撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する装置である。該装置は、除錆対象である金属試料の金属素地の画像の色調から予め取得した第1のヒストグラムおよび上記第1のヒストグラムから決定された閾値を記憶する手段と、除錆溶液に浸漬させた金属試料の表面の画像を撮影する撮影手段と、上記撮影した画像の色調から第2のヒストグラムを得るヒストグラム生成手段と、上記第2のヒストグラムにおいて上記閾値以下の部分の割合が予め設定された値以下となったかどうかを判定し、上記第2のヒストグラムにおいて上記閾値以下の部分の割合が予め設定された値以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
一実施形態では、上記第1のヒストグラムおよび第2のヒストグラムは明度ヒストグラムであり、上記閾値は明度の閾値である。他の実施形態では、上記第1のヒストグラムおよび第2のヒストグラムはRBG値の合成のヒストグラムであり、上記閾値はRBG値の閾値である。
本発明によれば、金属試料における除錆の終点を、目標とする除錆の程度にあわせて、判定することを可能にする方法および装置を提供することができる。また、本発明によれば、手間をかけることなくかつ金属自体の溶解を防ぎつつ、金属試料の腐食量を精度よく計測することが可能となる。
ISO8407に準拠した方法で除錆を行った際の、試料質量と浸漬時間の関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る除錆終点を判定する装置の概略構成図である。 金属試料の画像からヒストグラムへの変換を説明するための図であり、(a)は金属素地の画像およびヒストグラムを示す図であり、(b)は除錆前の金属試料の画像およびヒストグラムを示す図、(c)は除錆過程の金属試料の画像およびヒストグラムを示す図である。 変換されたヒストグラムから閾値を決定する方法を説明するための図であり、(a)は図3(a)に対応する除錆過程の金属試料の画像およびヒストグラムを示す図であり、(b)は(a)よりも除錆が進んだ金属試料の画像およびヒストグラムを示す図であり、(c)は、(b)よりも除錆が進んだ金属試料の画像およびヒストグラムを示す図である。 除錆の経過および終点を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る除錆終点を判定する方法のフローチャートである。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(a)は除錆開始から180分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(b)は真鍮の画像およびヒストグラムを示す図である。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(a)は除錆前のステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(b)は真鍮および除錆前のステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(c)は真鍮の画像およびヒストグラムを示す図である。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(a)は除錆前のステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(b)は除錆開始から10分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(c)は除錆開始から20分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図である。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(d)は除錆開始から30分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(e)は除錆開始から40分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(f)は除錆開始から50分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図である。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(g)は除錆開始から60分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(h)は除錆開始から70分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(i)は除錆開始から80分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図である。 金属試料の画像および該金属試料の画像から変換されたヒストグラムを例示する図であり、(j)は除錆開始から90分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(k)は除錆開始から120分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図、(l)は除錆開始から180分経過したステンレス鋼の画像およびヒストグラムを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
上述したように、本発明は、試料質量に代えて、外観評価によって除錆終点の判定を行う。
図2は、本発明の一実施形態に係る除錆終点を判定する装置の概略構成図である。該装置は、槽の除錆溶液5に浸漬された除錆対象である金属試料2の表面の画像を撮影するカメラ(撮影手段)3,4と、該カメラから撮影した画像を受信するように構成されたコンピュータ1とを備える。コンピュータ1は、メモリとプロセッサを備える。
コンピュータ1のメモリには、予め金属試料2の金属素地の画像の色調から取得した第1の明度ヒストグラムが記憶されている。また、メモリには、第1の明度ヒストグラムから決定された明度の閾値が記憶されている。例えば、コンピュータ1は、ディスプレイ等の出力手段を介して第1の明度ヒストグラムをユーザに提示して、ユーザがキーボードやポインティングデバイスなどの入力手段を使用して入力した明度を「明度の閾値」としてメモリに記憶することができる。さらに、メモリは、後述する「予め設定された値x」を記憶することができる。また、メモリは、後述するように、プロセッサに各種機能を実行させるためのプログラムを記憶することができる。
コンピュータ1のプロセッサは、カメラ3,4から受信する金属試料2の画像の色調から第2の明度ヒストグラムを得るヒストグラム生成手段と、上記第2の明度ヒストグラムにおいて上記閾値より暗い部分の割合が予め設定された値を以下となったかどうかを判定し、上記第2の明度ヒストグラムにおいて上記閾値より暗い部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定する判定手段として機能する。
金属試料2は、槽の除錆溶液5に浸漬させた状態で、除錆溶液に侵されない糸やワイヤ6など固定される。
カメラ3,4は、金属試料2の面(表面および裏面(並びに側面、上面および下面))に対して対向するように設置される。金属試料の片面のみ除錆する場合はカメラ1台、両面の除錆を行う場合はカメラ2台、というように目的に合わせてカメラの台数は変更する。また、カメラの設置場所は、除錆溶液中でも、除錆溶液外でも構わない。ただし、溶液中にカメラを浸漬する場合は、溶液に侵されないよう予め保護加工を行っておく。
カメラ3,4は、一定時間毎に試料を撮影し、コンピュータ1は、得られた画像から錆の色調について情報を抽出する。例えば錆が存在する金属試料については、赤・黄・橙系、赤褐色・黄褐色系、褐色・暗褐色・黒褐色系、灰色・暗灰色・黒色系など、いずれかの錆の色調を捉えることができる。このようにして、コンピュータ1(ヒストグラム生成手段)は、色調から第2の明度ヒストグラムを得ることができる。
これに対して、除錆が終了した金属試料については、金色、銀色などその試料(金属素地)固有の色調を捉えることができるはずである。金属固有の色調は、試料に用いられている金属と同様の素材を用いた試料を予め撮影しておくことで把握できる。コンピュータ1(ヒストグラム生成手段)は、このようにして予め金属素地の画像の色調から第1の明度ヒストグラムを取得してメモリに記憶しておくことができる。金属素地の画像の色調から取得された第1の明度ヒストグラムは、上述したようにユーザに提示され、除錆の目的に合わせた閾値の決定に利用される。
コンピュータ1(判定手段)は、第2の明度ヒストグラムにおけるこの閾値より暗い部分の割合が「予め設定された値x(%)」を下回った時点を終点とする。これを踏まえて、予め、目標とする除錆の程度から閾値とxの値とを決定する。ヒストグラムおよび閾値については明度の代わりにRGB合成値を用いても構わない。
カメラ3,4は撮影画像が得られる毎にコンピュータ1に送信し、コンピュータ1(ヒストグラム生成手段)は、閾値に基づいて、明度について2値化処理を行う。閾値は、明度の観点から錆部分と金属素地部分とを分離するための指標として機能する。撮影画像毎に錆部分と金属素地部分の分離を続け、閾値より暗い部分の割合が予め設定された値x%を下回った時に終点となった、即ち、目標とする程度まで除錆が進行した時点が、終点である。この時に、コンピュータ1は、ユーザにアラーム(音、ディスプレイ表示)を提供する機構、もしくは自動的に浸漬してあった試料を引き上げて除錆溶液から取り出す機構を設けておくことが好ましい。
また、除錆中は金属試料2から剥がれ落ちた錆が除錆溶液5中を漂うことが懸念される。除錆溶液5を対流させる機構を設けておき、剥がれ落ちた錆が金属試料2とカメラ3,4の間に浮かぶことのないよう、液面に浮かせる、もしくは容器底(槽底)に沈殿させることが好ましい。
加えて、除錆中は金属試料2を振動させると、除錆を促すことが可能になり、時間の短縮につながる。よって撮影と被らない重複しないタイミングで、金属試料2を左右/上下に往復運動させるまたは回転運動させるもしくは金属試料2をブラシなどで擦る機構を設けておくことが好ましい。揺動洗浄または回転洗浄もしくはブラッシング洗浄に代えてまたは加えて、除錆溶液5中に超音波を放射する振動機構を用いた超音波洗浄もしくは除錆溶液5を撹拌する撹拌洗浄を用いてもよい。
図1に示すように、ISO8407(非特許文献2)では、除錆前および除錆中の金属試料2の質量減少を、横軸を浸漬時間とし縦軸を試料質量として、グラフにプロットする。本グラフの点Aは除錆前の金属試料の質量、点Bは概ね金属試料の除錆が終了したポイントである。直線A−Bは、金属試料の除錆によって質量減少が大きい直線であり、一方で直線B−Cは金属試料自身が除錆溶液により溶解されるために質量減少が発生するブランク減量直線である。ISO8407では、ブランク減量直線を延長した、B−D直線の縦軸との交点Dが腐食量であるとされている。
図3(a)は金属素地2aの画像およびヒストグラムを示す図である。図3(b)は除錆前の全面が腐食した金属試料2bの画像およびヒストグラムを示す図である。図3(a)に示すように金属素地2aの明度のヒストグラムは、ピークが明側(右側)にある分布を示し、他方、図3(b)に示すように全面が腐食された金属試料2bの明度のヒストグラムはピークが暗側(左側)にある分布を示す。
図3(c)は除錆過程の金属試料の画像およびヒストグラムを示す図である。図3(c)に示すように一部の錆が剥がれ落ちた金属試料2cの明度のヒストグラムはピークが明側(右側)および暗側(左側)ある分布を示す。
図4を参照して変換されたヒストグラムから閾値を決定する方法を説明する。上述したように、コンピュータ1は、図3(a)に示した金属素地の画像2aの明度のヒストグラムをユーザに提示し、ユーザから明度の観点から錆部分と金属素地部分とを分離するための指標となる閾値の入力を受け取ってメモリに記憶する。図4において、破線は明度の閾値を示す。金属試料のほぼ全面を除錆したい場合は、閾値を比較的明度の高い方へ設定する。もしくは図4(c)に示すように「予め設定された値x%」の値を低めに設定する(図4(c)の場合、閾値以下となる部分の割合が5%以下となった時点が除錆終点と判定されることになる)。ある程度の錆が落ちればよい場合は、閾値を明度の低い方へ設定する。もしくは図4(a)に示すように、「予め設定された値x%」の値を高めに設定する(図4(a)の場合、閾値以下となる部分の割合が60%以下となった時点が除錆終点と判定されることになる)。
図5は、撮影画像毎に錆部分の分離を続け、閾値より暗い部分がx%を下回った時(すなわち、除錆終点)でコンピュータがユーザに対してアラームを提示するシーンを示す図である。全面が腐食した金属試料2b(図3(b))に対して除錆を開始し、閾値以下となる部分の割合が予め設定された値(5%以下)となった時点(図4(c))で除錆終点と判定されて、アラームと同時に金属試料2eが除錆溶液5から取り出される。
図6は、本発明の一実施形態に係る除錆終点を判定する方法のフローチャートである。この方法は、例えば、図2を参照して説明した装置で実施することができる。
ステップS11で、コンピュータ1(例えば、ヒストグラム生成手段)は、予めメモリに記憶された金属素地の画像の色調から第1のヒストグラム(明度ヒストグラムまたはRGB値の合成のヒストグラム)を取得する。
ステップS13で、コンピュータ1は、取得した第1のヒストグラムから閾値を決定する。例えば、コンピュータ1(例えば、表示手段)は、取得した第1のヒストグラムをユーザに提示し、応答して、コンピュータ1(例えば、入力手段)は、ユーザによる閾値の決定の入力を受信し、メモリに記憶する。また、コンピュータ1(例えば、入力手段)は、ユーザから「予め設定された値X%」の値をユーザから受け取って、メモリに記憶する。
ステップS15で、コンピュータ1は、金属試料の表面を撮影した画像をカメラ3,4から受信する。また、コンピュータ1(ヒストグラム生成手段)は、受信した画像の色調から第2のヒストグラムを得る。
ステップS17で、コンピュータ1(例えば、ヒストグラム生成手段)は、閾値を基準に、第2のヒストグラムの明度を2値化する。例えば、コンピュータ1は、金属試料の表面を撮影した画像の各画素について、明度が閾値(基準)をより大きい(明るい)画素に値“1”を、明度が閾値(基準)以下(明るい)画素に値“0”を付与することで、明度を2値化した第2のヒストグラムを得ることができる。
ステップS19で、コンピュータ1(例えば、判定手段)は、錆画像(除錆対象の金属試料の画像)の2値化した第2のヒストグラムにおいて閾値以下の画素数を計数する。
ステップS21で、コンピュータ1の制御下で、糸6の長さを伸ばして、除錆対象の金属試料を除錆溶液に浸漬する。
ステップS23で、コンピュータ1(例えば、判定手段)は、2値化した第2のヒストグラムにおいて閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったかどうかを判定し、第2のヒストグラムにおいて閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定する。このとき、コンピュータ1は、ユーザにアラーム(音、ディスプレイ表示)を提供し、および/または自動的に浸漬されていた金属試料を引き上げて除錆溶液から取り出す。
ステップS11およびS13は、除錆対象の金属試料を除錆溶液に浸漬する前段に行う。本実施形態では、除錆対象の金属試料は、一度除錆溶液に浸漬されると除錆終点と判定されるまで、引き上げる必要はない(従来、必要とされている、洗浄、水分拭取、乾燥、試料の室温化、秤量の工程を繰り返す必要としない)。したがって、除錆対象の金属試料を除錆溶液に浸漬するステップ(S21)は、ステップS15からS23のループのうちのはじめの1回のみ行われる。
図7〜12を参照して、一実施例を説明する。金属は固有の色調を有しているため、金属試料を撮影した写真から得られる明度ヒストグラムについても、固有の特徴が確認できるはずである。
例えば、図7(a)に示すステンレス鋼を撮影した写真と、図7(b)に示す真鍮を撮影した写真について、それぞれ明度ヒストグラムを抽出すると、異なる位置にピークが現れる。
図8のように、ステンレス鋼(除錆前)および真鍮という、2つ異なる種類の金属試料の画像を撮影し(図8(a)および(c))、さらにこれらを一枚の写真(図8(b))となるように加工して、ヒストグラムを抽出すると、真鍮固有およびステンレス鋼(除錆前)固有の位置にそれぞれピークが現れることが確認できる。また、同じステンレス鋼であっても、錆がある場合とない場合では、明度ヒストグラムにおけるピークの出現位置が変わった。
図9〜12は、全面が錆に覆われた(全面が腐食した)ステンレス鋼を除錆溶液に浸漬させ、錆を除去した際の画像と明度ヒストグラムを時系列に示す図である。図9(a)は除錆前のステンレス鋼の画像および画像から抽出した明度ヒストグラムを示す図である。除錆時間が経過するにつれて、ステンレス鋼(除錆前)の明度ヒストグラムで確認できたピークが小さくなってき、その右側(明側)に新たなピークが現れ、その新たな山が右側(明側)へと順次に移行していく様子を確認できた。また、錆がなくなると、新たな山の移行は止まった(図12(k)および(l))。
以上説明したように、金属試料における除錆の終点を、目標とする除錆の程度にあわせて、判定することを可能にする方法および装置を提供することができ、また、手間をかけることなくかつ金属自体の溶解を防ぎつつ、金属試料の腐食量を精度よく計測することが可能となる。
1 コンピュータ
2 金属試料
3,4 カメラ
5 除錆溶液
6 除錆溶液に侵されない糸

Claims (6)

  1. 撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する方法であって、
    除錆対象である金属試料の金属素地の画像の色調から取得した第1のヒストグラムから閾値を決定することと、
    除錆溶液に浸漬させた前記金属試料の表面を撮影した画像の色調から第2のヒストグラムを得ることと、
    前記第2のヒストグラムにおいて前記閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったかどうかを判定すること、
    前記第2のヒストグラムにおいて前記閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定することと
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記第1のヒストグラムおよび前記第2のヒストグラムは明度ヒストグラムであり、前記閾値は明度の閾値であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のヒストグラムおよび前記第2のヒストグラムはRBG値の合成のヒストグラムであり、前記閾値はRBG値の閾値であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 撮影画像を用いて金属試料の除錆終点を判定する装置であって、
    除錆対象である金属試料の金属素地の画像の色調から予め取得した第1のヒストグラムおよび前記第1のヒストグラムから決定された閾値を記憶する手段と、
    除錆溶液に浸漬させた前記金属試料の表面の画像を撮影する撮影手段と、
    前記撮影した画像の色調から第2のヒストグラムを得るヒストグラム生成手段と、
    前記第2のヒストグラムにおいて前記閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったかどうかを判定し、前記第2のヒストグラムにおいて前記閾値以下の部分の割合が予め設定された値を以下となったと判定された時点を、除錆終点と判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする、装置。
  5. 前記第1のヒストグラムおよび前記第2のヒストグラムは明度ヒストグラムであり、前記閾値は明度の閾値であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
  6. 前記第1のヒストグラムおよび前記第2のヒストグラムはRBG値の合成のヒストグラムであり、前記閾値はRBG値の閾値であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
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