JP2017219173A - クラッチユニット - Google Patents

クラッチユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2017219173A
JP2017219173A JP2016116133A JP2016116133A JP2017219173A JP 2017219173 A JP2017219173 A JP 2017219173A JP 2016116133 A JP2016116133 A JP 2016116133A JP 2016116133 A JP2016116133 A JP 2016116133A JP 2017219173 A JP2017219173 A JP 2017219173A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
lever
input
side clutch
rotational torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016116133A
Other languages
English (en)
Inventor
恭兵 笹沼
Kyohei Sasanuma
恭兵 笹沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2016116133A priority Critical patent/JP2017219173A/ja
Publication of JP2017219173A publication Critical patent/JP2017219173A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】 外輪とワッシャとの間の隙間を最適に管理することで、操作レバーからの異音発生を防止し、操作フィーリングが良好なレバー操作を実現する。【解決手段】 レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部11と、レバー側クラッチ部11から入力される回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部12とからなり、レバー側クラッチ部11は、回転トルクが入力される外輪14を備え、ブレーキ側クラッチ部12は、回転トルクが出力される出力軸22を備え、外輪14を含む構成部品の抜け止め用ワッシャ31を外輪14と対向させた状態で出力軸22に装着した構造を有し、ワッシャ31は、レバー操作による外輪14からの回転トルクの入力時、外輪14の平坦部14cと接触可能な平坦部31aを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部からの回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側からの回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを備えたクラッチユニットに関する。
一般に、円筒ころやボール等の係合子を用いるクラッチユニットにおいては、入力部材と出力部材との間にクラッチ部が配設される。このクラッチ部は、前述の入力部材と出力部材との間で円筒ころやボール等の係合子を係合および離脱させることによって、回転トルクの伝達および遮断を制御する構成になっている。
本出願人は、レバー操作により座席シートを上下調整する自動車用シートリフタ部に組み込まれるクラッチユニットを先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたクラッチユニットは、レバー操作により回転トルクが入力されるレバー側クラッチ部と、そのレバー側クラッチ部から入力される回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とを備えている。
レバー側クラッチ部は、レバー操作により回転トルクが入力される外輪と、その外輪から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する内輪と、外輪と内輪との間の楔すきまでの係合および離脱により外輪からの回転トルクの伝達および遮断を制御する円筒ころと、外輪から入力される回転トルクで弾性力を蓄積し、回転トルクの入力がなくなると、蓄積された弾性力で外輪を中立状態に復帰させるセンタリングばねとで主要部が構成されている。
ブレーキ側クラッチ部は、回転が拘束された外輪と、回転トルクが出力される出力軸と、外輪と出力軸との間の楔すきまでの係合および離脱により出力軸からの回転トルクの遮断とレバー側クラッチ部からの回転トルクの伝達とを制御する円筒ころおよび板ばねと、円筒ころおよび板ばねを円周方向等間隔に保持する保持器とで主要部が構成されている。なお、ブレーキ側クラッチ部の保持器は、レバー側クラッチ部の内輪と一体的に形成されている。
レバー側クラッチ部では、レバー操作により外輪に回転トルクが入力されると、円筒ころが外輪と内輪との間の楔すきまに係合する。この楔すきまでの円筒ころの係合により、内輪に回転トルクが伝達されて内輪が回転する。この時、外輪の回転に伴ってセンタリングばねに弾性力が蓄積される。
レバー操作による回転トルクの入力がなくなると、センタリングばねの弾性力により外輪が中立状態に復帰する一方で、内輪は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、外輪の回転繰り返し、つまり、操作レバーのポンピング操作により、内輪は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部では、座席シートへの着座により出力軸に回転トルクが逆入力されると、円筒ころが出力軸と外輪との間の楔すきまに係合して出力軸が外輪に対してロックされる。この出力軸のロックにより出力軸からの回転トルクは遮断される。これにより、座席シートは上下調整が不可となる。
一方、レバー側クラッチ部の内輪から回転トルクがブレーキ側クラッチ部の保持器に入力されると、保持器が回転し円筒ころと当接して板ばねの弾性力に抗して円筒ころを押圧することで、円筒ころが外輪と出力軸との間の楔すきまから離脱する。この円筒ころの離脱により、出力軸のロック状態が解除され、出力軸は回転可能となる。
そして、ブレーキ側クラッチ部の保持器がさらに回転することにより、保持器からの回転トルクが出力軸に伝達され、出力軸が回転する。つまり、保持器が寸動回転すると、出力軸も寸動回転することになる。この出力軸の寸動回転により、座席シートの上下調整が可能となる。
特許第5207779号公報
ところで、特許文献1で開示された従来のクラッチユニットは、レバー側クラッチ部に位置する出力軸の端部にウェーブワッシャを介してワッシャを圧入することにより、レバー側クラッチ部の構成部品を抜け止めした構造を具備する。
一方、レバー側クラッチ部では、外輪に回転トルクを入力するためのレバー操作時、操作レバーの軸方向への引張あるいは押圧により、操作レバーの軸方向ガタが発生するようにしている。このガタ量は、レバー操作により回転する外輪と、この外輪と対向した状態で出力軸に圧入されたワッシャとの間に形成された隙間により管理されている。
この操作レバーの軸方向のガタ量が大き過ぎると、レバー操作における剛性感が減少することから、搭乗者のレバー操作における操作フィーリングが悪化することになる。また、このガタ量が大き過ぎると、自動車のアイドリング時などに発生する車体の微振動が操作レバーに伝播し、操作レバーから異音が発生するおそれがある。
以上のことから、操作レバーの軸方向のガタ量を小さくしようとする場合、レバー側クラッチ部の外輪とワッシャとの間の隙間を小さく設定する必要がある。ここで、各種部品公差の積み上げなど、製造上の理由により、外輪とワッシャ間の隙間を小さく設定することは困難である。
また、この外輪とワッシャとの間の隙間を小さくし過ぎると、操作レバーの軸方向への引張あるいは押圧がない状態でも、外輪がワッシャと干渉する可能性がでてくる。その干渉具合によっては、外輪がワッシャに密着状態で固着するおそれがあり、その場合、レバー操作ができないという不具合が発生する。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、外輪とワッシャとの間の隙間を最適に管理することで、操作レバーからの異音発生を防止し、操作フィーリングが良好なレバー操作を実現し得るクラッチユニットを提供することにある。
本発明のクラッチユニットは、入力側に設けられ、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部から入力される回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなる基本構成を具備する。
本発明のレバー側クラッチ部は、回転トルクが入力される入力部材を備えている。本発明のブレーキ側クラッチ部は、回転が出力される出力部材を備えている。本発明のクラッチユニットは、入力部材を含む構成部品の抜け止め部材を入力部材と対向させた状態で出力部材に装着した構造を有する。
前述の目的を達成するための技術的手段として、抜け止め部材は、入力部材の平坦部と接触可能な平坦部を有することを特徴とする。
本発明では、レバー操作による入力部材からの回転トルクの入力時、入力部材の平坦部と抜け止め部材の平坦部とを接触可能としたことにより、入力部材と抜け止め部材との間の隙間を最適に管理することができる。これにより、回転トルクの入力時における入力部材の可動域で、操作レバーの軸方向のガタ量を縮小化することが容易となる。
本発明における抜け止め部材は、R0.1以上で、かつ、R0.5以下のダレ量を持つダレ部が平坦部の隣接部位に形成されている構造が望ましい。
このように、抜け止め部材の平坦部の隣接部位に形成されるダレ部のダレ量を前述の数値範囲に規定すれば、入力部材の平坦部と接触可能な平坦部を持つ抜け止め部材を容易に製作することができる点で有効である。
本発明に係るクラッチユニットは、レバー側クラッチ部およびブレーキ側クラッチ部を自動車用シートリフタ部に組み込むことで自動車用途として適している。
本発明によれば、レバー操作による入力部材からの回転トルクの入力時、入力部材の平坦部と抜け止め部材の平坦部とを接触可能としたことにより、入力部材と抜け止め部材との間の隙間を最適に管理することができる。これにより、回転トルクの入力時における入力部材の可動域で、操作レバーの軸方向のガタ量を縮小化することが容易となる。
このように、操作レバーの軸方向のガタ量を縮小化することにより、操作レバーからの異音発生を防止し、操作フィーリングが良好なレバー操作を実現したクラッチユニットを提供することができる。
本発明の実施形態で、クラッチユニットの全体構成を示す断面図である。 図1のP−P線に沿う断面図である。 図1のQ−Q線に沿う断面図である。 自動車の座席シートおよびシートリフタ部を示す構成図である。 本発明のクラッチユニットにおけるワッシャを製作するためのプレス成形金型を示す断面図である。 本発明のクラッチユニットにおけるワッシャおよび外輪を示す要部拡大断面図である。 本発明のクラッチユニットにおける外輪がワッシャと接触した状態を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチユニットにおけるワッシャおよび外輪を示す要部拡大断面図である。 従来のクラッチユニットにおける外輪がワッシャと接触した状態を示す要部拡大断面図である。 ワッシャ隙間と外輪傾斜角度との関係について、本発明品と従来品との比較を示す特性図である。 ワッシャ隙間の適正範囲について、本発明品と従来品との比較を示す表である。
本発明に係るクラッチユニットの実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はこの実施形態のクラッチユニットの全体構成を示す断面図、図2は図1のP−P線に沿う断面図、図3は図1のQ−Q線に沿う断面図である。この実施形態の特徴的な構成を説明する前にクラッチユニットの全体構成を説明する。
この実施形態のクラッチユニット10は、図1に示すように、入力側に設けられたレバー側クラッチ部11と、出力側に設けられたブレーキ側クラッチ部12とをユニット化した構造を具備する。レバー側クラッチ部11は、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御する。ブレーキ側クラッチ部12は、レバー側クラッチ部11から入力される回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断する逆入力遮断機能を有する。
レバー側クラッチ部11は、図1および図2に示すように、レバー操作により回転トルクが入力される側板13および外輪14と、外輪14から入力される回転トルクをブレーキ側クラッチ部12に伝達する内輪15と、外輪14と内輪15との間での係合および離脱により外輪14からの回転トルクの伝達および遮断を制御する複数の円筒ころ16と、各円筒ころ16を円周方向等間隔に保持する保持器17と、保持器17を中立状態に復帰させるための内側センタリングばね18と、外輪14を中立状態に復帰させるための外側センタリングばね19とを具備する。
レバー側クラッチ部11において、側板13の外周縁部に形成された爪部13aを、外輪14の外周縁部に形成された切欠き凹部14aに挿入して加締めることにより、側板13を外輪14に固定し、レバー側クラッチ部11の入力部材として一体化している。外輪14の内周には、複数のカム面14bが円周方向等間隔に形成されている。外輪14への回転トルクの入力は、側板13にねじ止め等により取り付けた上下方向揺動可能な操作レバー43(図4参照)により行われる。
内輪15は、出力軸22が挿通される筒状部15aと、その筒状部15aのブレーキ側端部を径方向外側に延在させた拡径部15bと、その拡径部15bの外周端部を軸方向に屈曲させることにより突出した複数の柱部15c(図3参照)とからなる。内輪15の筒状部15aの外周に形成された円筒面15dと、外輪14の内周に形成されたカム面14bとの間に楔すきま20が形成され、その楔すきま20に円筒ころ16が保持器17により円周方向等間隔で配設されている。
内側センタリングばね18は、保持器17とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に配設された断面円形のC字状弾性部材で、その両端部を保持器17およびカバー24の一部に係止させている。この内側センタリングばね18は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14に追従する保持器17の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14から入力される回転トルクの開放時、その弾性力により保持器17を中立状態に復帰させる。
内側センタリングばね18の径方向外側に位置する外側センタリングばね19は、外輪14と前述のカバー24との間に配設されたC字状帯板弾性部材で、その両端部を外輪14およびカバー24の一部に係止させている。外側センタリングばね19は、レバー操作により外輪14から入力される回転トルクの作用時、静止状態にあるカバー24に対して、外輪14の回転に伴って押し拡げられて弾性力が蓄積され、外輪14から入力される回転トルクの開放時、その弾性力により外輪14を中立状態に復帰させる。
保持器17は、円筒ころ16を収容する複数のポケット17aが円周方向等間隔に形成された樹脂製の円筒状部材である。この保持器17の一方の軸方向端部、つまり、ブレーキ側クラッチ部12のカバー24側の軸方向端部には、前述の内側センタリングばね18の両端部を係止させている。保持器17は、径方向で外輪14と内輪15との間に配され、軸方向で前述の外輪14とブレーキ側クラッチ部12のカバー24との間に挟み込まれている。
ロック型と称されるタイプで逆入力遮断機能を有するブレーキ側クラッチ部12は、図1および図3に示すように、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが入力される内輪15と、レバー側クラッチ部11からの回転トルクが出力される出力部材としての出力軸22と、回転が拘束された外輪23、カバー24および側板25と、外輪23と出力軸22との間での係合および離脱により、出力軸22から逆入力される回転トルクの遮断と内輪15から入力される回転トルクの伝達とを制御する複数対の円筒ころ27、および各対の円筒ころ27同士に円周方向への離反力を付勢する断面N字形の板ばね28と、出力軸22に回転抵抗を付与する摩擦リング29とを具備する。
出力軸22は、内輪15の筒状部15aが外挿された軸部22aの軸方向中央部位に、径方向外側に延びて拡径した大径部22bが一体的に形成されている。軸部22aの出力側端部には、シートリフタ部41(図4参照)と連結するためのピニオンギヤ22dが同軸的に形成されている。また、軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介して抜け止め部材としてのワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めしている。
出力軸22の大径部22bの外周には、複数の平坦なカム面22eが円周方向等間隔に形成されている。大径部22bのカム面22eと外輪23の円筒状内周面23aとの間で設けられた楔すきま26に、二つの円筒ころ27と二つの円筒ころ27間に介挿された一つの板ばね28とがそれぞれ配されている。円筒ころ27および板ばね28は、内輪15の柱部15cにより円周方向等間隔に配設されている。
ここで、内輪15は、レバー側クラッチ部11の外輪14から入力される回転トルクを出力軸22に拡径部15bを介して伝達することによりブレーキ側クラッチ部12の入力部材として機能すると共に、円筒ころ27および板ばね28をポケット15fに収容して円周方向等間隔に柱部15cで保持することにより保持器として機能する。以下、この内輪15の柱部15cは保持器15cと称す。
出力軸22の大径部22bには、内輪15からの回転トルクを出力軸22に伝達するための突起22fが設けられている。突起22fは、内輪15の拡径部15bに形成された孔15eに円周方向のクリアランスをもって挿入配置されている。
外輪23、カバー24および側板25は、厚肉板状の外輪23の外周縁部に形成された切欠き凹部23bと、カバー24の外周縁部に形成された切欠き凹部24aとに、側板25の外周縁部に形成された爪部25aを挿入して加締めることにより、外輪23およびカバー24に側板25を固定し、ブレーキ側クラッチ部12の静止部材として一体化されている。
摩擦リング29は、例えば、樹脂材を射出成形などによりリング状に形成した部材であり、側板25に固着されている。この摩擦リング29は、出力軸22の大径部22bに形成された環状凹部22cの内周面22gに締め代をもって圧入される。摩擦リング29の外周面29bと出力軸22の環状凹部22cの内周面22gとの間に生じる摩擦力によって、レバー操作時、出力軸22に回転抵抗が付与される。
以上の構成からなるレバー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッチ部12の動作例を以下に説明する。
レバー側クラッチ部11では、レバー操作により外輪14に回転トルクが入力されると、円筒ころ16が外輪14と内輪15との間の楔すきま20に係合する。この楔すきま20での円筒ころ16の係合により、内輪15に回転トルクが伝達されて内輪15が回転する。この時、外輪14および保持器17の回転に伴って両センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される。
回転トルクの入力がなくなると、両センタリングばね18,19の弾性力により保持器17および外輪14が中立状態に復帰する。一方で、内輪15は、与えられた回転位置をそのまま維持する。従って、外輪14の回転繰り返し、つまり、操作レバーのポンピング操作により、内輪15は寸動回転する。
ブレーキ側クラッチ部12では、座席シートへの着座により出力軸22に回転トルクが逆入力されても、円筒ころ27が出力軸22と外輪23との間の楔すきま26に係合して出力軸22が外輪23に対してロックされる。このようにして、出力軸22から逆入力された回転トルクは、ブレーキ側クラッチ部12によってロックされてレバー側クラッチ部11への還流が遮断される。
一方、レバー操作によりレバー側クラッチ部11の内輪15からの回転トルクが保持器15cに入力されると、保持器15cが円筒ころ27と当接して板ばね28の弾性力に抗して円筒ころ27を押圧する。これにより、円筒ころ27が楔すきま26から離脱し、この楔すきま26からの円筒ころ27の離脱により出力軸22のロック状態が解除され、出力軸22は回転可能となる。この出力軸22のロック状態の解除時、摩擦リング29により出力軸22に回転抵抗が付与される。
保持器15cがさらに回転すると、内輪15の拡径部15bの孔15eと出力軸22の大径部22bの突起22fとのクリアランスが詰まって内輪15の拡径部15bが出力軸22の突起22fに回転方向で当接する。これにより、レバー側クラッチ部11からの回転トルクは、突起22fを介して出力軸22に伝達されて出力軸22が回転する。つまり、保持器15cが寸動回転すると、出力軸22も寸動回転することになる。
以上で詳述した構造を具備するクラッチユニット10は、レバー操作により座席シートの高さ調整を行う自動車用シートリフタ部41に組み込まれて使用される。図4は自動車の乗員室に装備される座席シート40を示す。
座席シート40は、図4に示すように、着座シート48と背もたれシート42とで構成され、シートリフタ部41により着座シート48の座面を高さ調整する。着座シート48の高さ調整は、クラッチユニット10におけるレバー側クラッチ部11(図1参照)の側板13に取り付けられた操作レバー43によって行う。
シートリフタ部41は、以下の構造を具備する。スライド可動部材44にリンク部材45,46の一端がそれぞれ回動自在に枢着されている。リンク部材45,46の他端はそれぞれ着座シート48に回動自在に枢着されている。リンク部材45の他端にはセクターギヤ47が一体的に設けられている。セクターギヤ47はクラッチユニット10の出力軸22のピニオンギヤ22dに噛合している。
例えば、着座シート48の座面を低くする場合、レバー側クラッチ部11でのレバー操作、つまり、操作レバー43を下側へ揺動させることにより、ブレーキ側クラッチ部12(図1参照)のロック状態を解除する。このブレーキ側クラッチ部12でのロック解除時、摩擦リング29(図1参照)により出力軸22に適正な回転抵抗を付与することで、着座シート48の座面をスムーズに低くすることができる。
ブレーキ側クラッチ部12でのロック解除により、レバー側クラッチ部11からブレーキ側クラッチ部12に伝達された回転トルクでもって、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸22のピニオンギヤ22dが時計方向(図4の矢印方向)に回動する。そして、ピニオンギヤ22dと噛合するセクターギヤ47が反時計方向(図4の矢印方向)に揺動し、リンク部材45とリンク部材46が共に傾倒して着座シート48の座面が低くなる。
このようにして、着座シート48の座面を高さ調整した後、操作レバー43を開放すると、操作レバー43が両センタリングばね18,19の弾性力によって上側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。なお、操作レバー43を上側へ揺動させた場合は、前述とは逆の動作で着座シート48の座面が高くなる。着座シート48の高さ調整後に操作レバー43を開放すると、操作レバー43が下側へ揺動して元の位置(中立状態)に戻る。
この実施形態におけるクラッチユニット10の全体構成、およびこのクラッチユニット10が組み込まれるシートリフタ部41は、前述のとおりであるが、クラッチユニット10の特徴的な構成について、以下に詳述する。
このクラッチユニット10は、レバー側クラッチ部11に位置する出力軸22の軸部22aの入力側端部にウェーブワッシャ30を介してワッシャ31を圧入することにより、レバー側クラッチ部11の構成部品を抜け止めした構造を具備する(図1参照)。
一方、レバー側クラッチ部11では、外輪14に回転トルクを入力するためのレバー操作時、操作レバー43(図4参照)の軸方向への引張あるいは押圧により、操作レバー43の軸方向ガタが発生するようにしている。
例えば、図1の白抜き矢印で示すような操作レバー43(図4参照)の軸方向への引張が作用した場合、レバー側クラッチ部11の外輪14がブレーキ側クラッチ部12の外輪23と接触する(図1のX点参照)。この接触点Xを支点として、外輪14が図中実線矢印で示すように傾斜する。この外輪14の傾斜により外輪14がワッシャ31と接触し、その外輪14の傾斜はワッシャ31との接触により規制される。
このガタ量は、レバー操作により回転する外輪14と、この外輪14と対向した状態で出力軸22に圧入されたワッシャ31との間に形成された隙間に比例することから、この隙間を管理することにより、ガタ量を管理するようにしている。
この実施形態のクラッチユニット10におけるワッシャ31は、図6に示すように、レバー操作による外輪14からの回転トルクの入力時(図7参照)に外輪14の平坦部14cと接触可能な平坦部31aを有する。このワッシャ31の平坦部31aは、その平坦部31aの隣接部位に形成されるダレ部31bについて、R0.1以上で、かつ、R0.5以下のダレ量を持つことにより形成することが可能である。
ダレ量をR0.1以上で、かつ、R0.5以下の数値範囲に規定するためには、図5に示すように、ワッシャ31を製作するプレス成形金型において、パンチ32とダイ33との寸法差Tを小さくして半抜き加工することにより実現できる。
ダレ量をR0.1以上とすることにより、プレス成形の半抜き加工時、ワッシャ素材の剪断による割れの発生を抑制することができる。また、ダレ量をR0.5以下とすることにより、図7に示すように、レバー操作(図中白抜き矢印参照)による外輪14からの回転トルクの入力時、ワッシャ31のダレ部31bが外輪14の平坦部14cと接触することなく、ワッシャ31の平坦部31aを外輪14の平坦部14cに確実に接触させることができる。
なお、ダレ量がR0.1より小さいと、プレス成形の半抜き加工時、ワッシャ素材の剪断による割れが発生するおそれがある。また、ダレ量がR0.5よりも大きいと、ワッシャ31のダレ部31bが外輪14の平坦部14cと接触する可能性がある。
このダレ量の大小は、前述したガタ量の大小に大きく関わっている。従って、このワッシャ31のダレ量を縮小化することで、操作レバー43の軸方向ガタのガタ量を縮小化することができる。
以上のように、レバー操作による外輪14からの回転トルクの入力時、外輪14の平坦部14cとワッシャ31の平坦部31aとを接触可能としたことにより、外輪14とワッシャ31との間の隙間が小さくなる最適な状態に管理することができる。これにより、回転トルクの入力時における外輪14の可動域で、操作レバー43の軸方向のガタ量を縮小化することが容易となる。つまり、レバー操作において、外輪14がワッシャ31と接触するまでの外輪14の傾斜角度を小さくすることができる。
ここで、前述した本発明品のワッシャ31(図6および図7参照)と比較するため、従来品のワッシャ131を図8および図9に示す。従来品のワッシャ131では、図8に示すように、平坦部131aに対して、ダレ量がR3程度のダレ部131bを有する。このようにダレ部131bのダレ量が大きいことから、図9に示すように、レバー操作(図中白抜き矢印参照)による外輪114からの回転トルクの入力時、ワッシャ131のダレ部131bが外輪114の平坦部114cと接触することになる。
従来品のワッシャ131では、レバー操作による外輪114からの回転トルクの入力時、外輪114の平坦部114cとワッシャ131のダレ部131bとが接触することにより、外輪114とワッシャ131との間の隙間が大きくなっている。これにより、回転トルクの入力時における外輪114の可動域で、操作レバーの軸方向のガタ量が大きくなる。つまり、レバー操作において、外輪114がワッシャ131と接触するまでの外輪114の傾斜角度が大きくなる。
ダレ量をR0.5以下とすることにより、外輪14の平坦部14cとワッシャ31の平坦部31aとを接触させるようにした本発明品Aと、ダレ量をR3程度とすることにより、外輪114の平坦部114cとワッシャ131のダレ部131bとを接触させるようにした従来品Bとを比較した結果を図10および図11に示す。
図10に示すように、ガタ量の許容上限値αを越えない有効なワッシャ隙間(外輪とワッシャとの間の隙間)について、本発明品AのガタOK範囲Cを従来品BのガタOK範囲Dよりも大きく設定することが可能となる。従って、本発明品Aでは、ガタOK範囲Cを満足するような十分なワッシャ隙間を確保することが容易となる(図11参照)。
なお、ワッシャ隙間が許容下限値βよりも小さいと、操作レバーの軸方向への引張あるいは押圧がない状態でも、外輪14とワッシャ31との干渉で外輪14がワッシャ31に密着状態で固着するおそれがあり、レバー操作ができないという不具合が発生する。ワッシャ隙間の許容下限値βについては、本発明品Aおよび従来品Bに関して同一である。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10 クラッチユニット
11 レバー側クラッチ部
12 ブレーキ側クラッチ部
14 入力部材(外輪)
14c 平坦部
22 出力部材(出力軸)
31 抜け止め部材(ワッシャ)
31a 平坦部
31b ダレ部
41 シートリフタ部

Claims (3)

  1. 入力側に設けられ、レバー操作により入力される回転トルクの伝達および遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側クラッチ部から入力される回転トルクを出力側へ伝達すると共に、出力側から逆入力される回転トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、前記レバー側クラッチ部は、回転トルクが入力される入力部材を備え、前記ブレーキ側クラッチ部は、回転トルクが出力される出力部材を備え、
    前記入力部材を含む構成部品の抜け止め部材を入力部材と対向させた状態で前記出力部材に装着した構造を有し、前記抜け止め部材は、入力部材の平坦部と接触可能な平坦部を有することを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記抜け止め部材は、R0.1以上で、かつ、R0.5以下のダレ量を持つダレ部が前記平坦部の隣接部位に形成されている請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記レバー側クラッチ部と前記ブレーキ側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1又は2に記載のクラッチユニット。
JP2016116133A 2016-06-10 2016-06-10 クラッチユニット Pending JP2017219173A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016116133A JP2017219173A (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クラッチユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016116133A JP2017219173A (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クラッチユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017219173A true JP2017219173A (ja) 2017-12-14

Family

ID=60656035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016116133A Pending JP2017219173A (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クラッチユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017219173A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017159431A1 (ja) クラッチユニット
JP6636366B2 (ja) クラッチユニット
JP6324749B2 (ja) クラッチユニット
JP6789726B2 (ja) クラッチユニット
WO2018042991A1 (ja) クラッチユニット
JP6577105B2 (ja) クラッチユニット
JP2018004008A (ja) クラッチユニット
JP2012067793A (ja) クラッチユニット
JP2017219173A (ja) クラッチユニット
WO2017150401A1 (ja) クラッチユニット
JP6474871B1 (ja) クラッチユニット
JP7336907B2 (ja) クラッチユニット
JP2018119647A (ja) クラッチユニット
JP2019007543A (ja) クラッチユニット
JP7110062B2 (ja) クラッチユニット
JP2018112277A (ja) クラッチユニット
JP7152869B2 (ja) クラッチユニット
WO2020255973A1 (ja) クラッチユニット
WO2017038548A1 (ja) クラッチユニット
JP2017137914A (ja) クラッチユニット
JP2017223322A (ja) クラッチユニット
WO2017047336A1 (ja) クラッチユニット
JP2020041665A (ja) クラッチユニット
JP2019056488A (ja) クラッチユニット
JP2012026503A (ja) クラッチユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200827