JP2017219016A - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents

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Tomoaki Chiba
知顕 千葉
丈也 原田
Takeya Harada
丈也 原田
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Teruaki Kitano
輝晃 北野
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Abstract

【課題】 内燃機関の動弁機構において、バルブに必要な剛性を小さくする。【解決手段】 内燃機関1の動弁機構15であって、シリンダヘッド3に回動可能に設けられ、カムシャフト16によって駆動されるロッカアーム18と、シリンダヘッドに設けられ、ロッカアームに押されることによって開弁するバルブ10と、シリンダヘッドに設けられたストッパ40、45、50、60、70、100、110とを有し、ストッパは、ロッカアームがカムシャフトから離れた所定の制限位置にあるときにロッカアームに当接するように配置されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に関する。
内燃機関の動弁機構として、クランクシャフトと同期して回転するカムシャフトと、ロッカシャフト又はラッシュアジャスタに回動可能に支持され、カムシャフトによって所定のタイミングで押されるロッカアームと、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢され、ロッカアームによって所定のタイミングで開弁方向に押されることによって開く吸気バルブ及び排気バルブを有する構成が公知である。このような動弁機構では、内燃機関の回転数の増加に伴ってカムシャフトからロッカアームに加わる荷重が増大する。そのため、内燃機関の最高許容回転数を越えた過回転域において、慣性力によってロッカアームがカムシャフトの回転に追従し難くなってカムシャフトから離れ、バルブのリフト量が適正値よりも大きくなる、いわゆるバルブジャンプが生じる虞がある。バルブジャンプが生じる状況では、ロッカアーム及びバルブの移動範囲が大きくなるため、各部材間の摺接面積を広く確保する必要があると共に、各部材の剛性を高くする必要があるため、各部材が大型化するという問題がある。このようなバルブジャンプを防ぐための手法として、バルブスプリングのばね定数を大きくし、ロッカアームをカムシャフト側により強く付勢することが考えられる。しかしながら、この場合にはバルブの開弁に要するエネルギーが増加することになり、燃費が悪化することになる。
バルブスプリングのばね定数を大きくすることに代えて、バルブスプリングの内側に規制部材を配置し、規制部材によってスプリングリテーナの移動範囲を所定の範囲に規制し、バルブ及びロッカアームの移動範囲を規制したものがある(例えば、特許文献1)。
実開平2−144605号公報
特許文献1に係る発明では、バルブスプリングの内側の狭い空間に規制部材を配置するため、規制部材の大きさや形状、剛性等の制限が多い。そのため、制限が比較的少なく、汎用性が高いバルブジャンプの規制手段が望まれている。また、特許文献1に係る発明では、スプリングリテーナの移動範囲を規制することによって、バルブ及びロッカアームの移動範囲を規制するため、過回転域における過大な荷重がバルブ及びスプリングリテーナに伝達される。そのため、バルブ及びスプリングリテーナには比較的高い剛性が要求される。
本発明は、以上の背景を鑑み、バルブジャンプを抑制し得る内燃機関の動弁機構を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の一態様は、内燃機関(1)の動弁機構(15)であって、シリンダヘッド(3)に回動可能に設けられ、カムシャフト(16)によって駆動されるロッカアーム(18)と、前記シリンダヘッドに設けられ、前記ロッカアームに押されることによって開弁するバルブ(10)と、前記シリンダヘッドに設けられたストッパ(40、45、50、60、70、100、110)とを有し、前記ストッパは、前記ロッカアームが前記カムシャフトから離れた所定の制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接するように配置されていることを特徴とする。
この態様によれば、内燃機関の過回転時において、ロッカアームがカムシャフトから離れるときには、ストッパがロッカアームに当接することによって、ロッカアームの回動範囲が所定の範囲に規制される。これにより、バルブのリフト量の増加が抑制される。また、過回転時においてロッカアームの慣性力がバルブに加わり難くなり、バルブに要求される剛性が小さくなる。
また、上記の態様において、前記ストッパは、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームの回動中心を中心とした接線方向から前記ロッカアームに当接するとよい。
この態様によれば、ストッパがロッカアームの回動方向に対して正面から当接し、ロッカアームの回動が確実に規制される。
また、上記の態様において、前記ロッカアームは、前記シリンダヘッドに回動可能に設けられたアーム本体(18A)と、前記アーム本体に回転可能に支持され、前記カムシャフトに接触するローラ(18B)とを有し、前記ストッパは、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ローラに当接するとよい。
この態様によれば、ロッカアームは、比較的剛性が高いローラにおいてストッパと当接するため、変形が抑制される。
また、上記の態様において、前記ストッパ(40、45)は、前記シリンダヘッドに突設されているとよい。
この態様によれば、ストッパを簡素な構成とすることができる。
また、上記の態様において、前記ストッパは弾性部材(46)を備え、前記弾性部材において前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接するとよい。
この態様によれば、ストッパとロッカアームとが当接するときの衝撃が緩衝される。
また、上記の態様において、前記ストッパ(50)は、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接する第1位置と、前記第1位置に対して前記ロッカアームと相反する方向に位置する第2位置との間で移動可能に前記シリンダヘッドに設けられ、前記シリンダヘッドと前記ストッパとの間には、前記ストッパを前記第1位置に向けて付勢する付勢装置(53)が設けられ、前記付勢装置は、ばね部材、及び同極が対向した磁石対の少なくとも一方を含むとよい。
この態様によれば、内燃機関の過回転時において、付勢装置がストッパを介してロッカアームに回動を抑制する方向に荷重を与える。これにより、ロッカアームとストッパとの衝突時の衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記シリンダヘッドに形成され、前記ストッパを前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能に受容するストッパ受容孔(62)と、前記ストッパ受容孔の底部と前記ストッパの基端部とが協働して画定し、前記ストッパの移動に応じて容積が変化するチャンバ(65)と、前記チャンバと前記シリンダヘッドの外面とを接続する空気通路(111)と、前記空気通路に設けられた弁(112)とを有するとよい。
この態様によれば、ストッパ受容孔及びストッパがエアダンパとして作用し、ロッカアームの回動が緩衝されると共に、ロッカアームとストッパとの衝突時の衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記弁は、前記チャンバから前記シリンダヘッドの外面側への空気の流れを遮断する一方、逆向きの空気の流れを許容する逆止弁(112)であるとよい。
この態様によれば、弁を簡素な構成とすることができる。
また、上記の態様において、前記弁は電磁弁であるとよい。
この態様によれば、弁の開閉タイミングを制御して、ストッパに生じる減衰力を制御することができる。
この態様によれば、ストッパ受容孔及びストッパがエアダンパとして作用し、ロッカアームの回動が緩衝されると共に、ロッカアームとストッパとの衝突時の衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記シリンダヘッドに形成され、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接する前記ストッパ(60)の第1位置と、前記第1位置に対して前記ロッカアームと相反する方向に位置する前記ストッパの第2位置との間で前記ストッパを移動可能に受容するストッパ受容孔(62)と、前記ストッパ受容孔の底部と前記ストッパの基端部とが協働して画定し、前記ストッパの移動に応じて容積が変化するチャンバ(65)と、前記チャンバと前記シリンダヘッドに形成された油路とを接続する接続油路(66)と、前記接続油路に設けられた弁(67、80)とを有するとよい。
この態様によれば、ストッパ受容孔及びストッパがオイルダンパとして作用し、ロッカアームの回動が緩衝されると共に、ロッカアームとストッパとの衝突時の衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記弁は、前記チャンバから前記油路へのオイルの流れを遮断する一方、逆向きのオイルの流れを許容する逆止弁(67)であるとよい。
この態様によれば、弁を簡素な構成とすることができる。
また、上記の態様において、前記弁は電磁弁(80)であるとよい。
この態様によれば、弁の開閉タイミングを制御して、ストッパに生じる減衰力を制御することができる。
また、上記の態様において、前記シリンダヘッドと前記ストッパとの間には、前記ストッパを前記第1位置に向けて付勢する付勢装置(68)が設けられ、前記付勢装置は、ばね部材、及び同極が対向した磁石対の少なくとも一方を含むとよい。
この態様によれば、ストッパとロッカアームとが衝突するときの衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記ストッパ(100)は、前記チャンバに対向する基端部から前記ロッカアームに対向する先端部に延びる噴射孔(101)を有するとよい。
この態様によれば、ストッパとロッカアームとの当接部にオイルが供給され、ストッパとロッカアームとが衝突するときの衝撃が低減される。
また、上記の態様において、前記噴射孔の前記先端部における開口端は、前記ロッカアームに設けられ、前記カムシャフトに接触するローラの前記カムシャフトと相反する側の部分に対向しているとよい。
この態様によれば、ローラの下面側にオイルが供給されるため、ローラの上面側にオイルが供給される場合に比べて、ローラとカムシャフトとの摺接部へのオイルの巻き込み量が抑制され、ローラ及びカムシャフトの摩擦抵抗が減少する。
また、上記の態様において、前記ローラは、前記カムシャフトと接触することによって前記ストッパと対向する側が前記バルブ側に向けて回転しているとよい。
この態様によれば、ローラの表面に供給されたオイルは、ローラの回転によってロッカアームとバルブとの摺接部に向けて飛散し、ロッカアームとバルブとの摺接部が潤滑される。
以上の構成によれば、バルブジャンプを抑制し得る内燃機関の動弁機構を提供することができる。
第1実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 ラッシュアジャスタの断面図 第1実施形態に係る動弁機構の通常回転時の開弁状態における断面図 第1実施形態に係る動弁機構の過回転時の開弁状態における断面図 第2実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第3実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第4実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第5実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第5実施形態に係る動弁機構の第2弁の模式図であって、(A)閉弁状態、(B)開弁状態を示す 動弁機構の各構成の動作を示す表であって、(A)第4実施形態及び第5実施形態に係る動弁機構の過回転時の動作、(B)比較例に係る動弁機構の過回転時の動作を示す 第4実施形態及び第5実施形態に係る動弁機構、及び比較例に係る動弁機構の通常時及び過回転時のバルブリフトを示すグラフ 第6実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第6実施形態の変形例に係る動弁機構の閉弁状態における断面図 第7実施形態に係る動弁機構の閉弁状態における断面図
以下、図面を参照して、本発明に係る内燃機関の動弁機構の各実施形態について説明する。最初に、各実施形態において共通の構成を説明し、その後に各実施形態について相違する構成を説明する。
(実施形態共通部分)
図1に示すように、内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上端面に結合されたシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3の上面3Aを覆い、シリンダヘッド3との間に動弁室4を画定するヘッドカバー5とを有する。シリンダブロック2には、上端面に開口したシリンダ6が形成されている。シリンダ6には、ピストン(不図示)が往復動可能に収容されている。シリンダヘッド3の下面は、シリンダ6の上端を閉じ、シリンダ6の壁面及びピストンの冠面と協働して燃焼室7を画定する。
シリンダヘッド3には、燃焼室7からシリンダヘッド3の側面に延びる吸気ポート8及び排気ポート(不図示)が形成されている。吸気ポート8の燃焼室7側の開口端は、ポペットバルブであるバルブ10によって開閉される。バルブ10は、軸状のステム部10Aと、ステム部10Aの下端に結合された円板状の傘部10Bとを有する。ステム部10Aは、吸気ポート8からシリンダヘッド3の上面3Aに貫通する円筒形のバルブガイド11内に挿入されている。これにより、バルブ10は、バルブガイド11に沿って、傘部10Bが吸気ポート8の燃焼室7側の開口端を閉じる閉弁位置と、傘部10Bが燃焼室7側に移動して吸気ポート8が開かれる開弁位置との間で移動可能となっている。ステム部10Aの動弁室4側の端部には、円板状のスプリングリテーナ12が結合されている。スプリングリテーナ12とシリンダヘッド3の上面3Aとの間には、バルブスプリング13が介装されている。バルブスプリング13によって、バルブ10は閉弁位置に向けて付勢されている。バルブガイド11の動弁室4側の端部には、ステム部10Aとの隙間をシールするステムシール14が設けられている。排気ポート及び排気ポートを開閉するバルブ10の構成は、吸気ポート8及びバルブ10の構成と同様である。
吸気ポート8及び排気ポートのバルブ10は、動弁機構15によって開閉される。本実施形態に係る動弁機構15は、DOHC型であり、吸気ポート8に対応した部分と排気ポートに対応した部分の構成は同様であるため、吸気ポート8のバルブ10を開閉する動弁機構15の吸気側部分について以下に説明する。
動弁機構15の吸気側部分は、カムシャフト16と、油圧式のラッシュアジャスタ17(HLA:Hydraulic Lash Adjuster)を介してシリンダヘッド3に設けられたロッカアーム18とを有する。カムシャフト16は、シリンダヘッド3に設けられた軸受(不図示)に回転可能に支持されている。カムシャフト16は、チェーン及びスプロケットを含むチェーン伝達機構(不図示)によってクランクシャフトと連結され、クランクシャフトと同期して、クランクシャフトの1/2の回転速度で回転する。カムシャフト16は、径方向に突出した円板カムであるカム16Aを有している。
シリンダヘッド3の上面3Aには、上方に向けて開口するHLA受容孔19が形成されている。HLA受容孔19には、ラッシュアジャスタ17が挿入され、固定されている。
図2に示すように、ラッシュアジャスタ17は、HLA受容孔19に挿入され、上端が開口した有底円筒形のハウジング21と、ハウジング21内に摺動可能に受容された基端部及びハウジング21から外部に突出した先端部を備えたプランジャ22とを有する。ハウジング21の外周面には、周方向に延びて環状をなす外周ハウジング油溝23が形成されている。外周ハウジング油溝23は、シリンダヘッド3に形成されたヘッド油路25と接続されている。ヘッド油路25は、シリンダブロック2に形成された油路を介してオイルポンプと接続されており、高圧のオイルが供給されている。ハウジング21には、外周ハウジング油溝23の底部から径方向に貫通し、ハウジング21の内周面に開口するハウジング油路26が形成されている。ハウジング21の内周面において、ハウジング油路26が開口する部分には、径方向外方に向けて凹設され、周方向に延びて環状をなす内周ハウジング油溝27が形成されている。
プランジャ22の外周面には、周方向に延びて環状をなすプランジャ油溝28が形成されている。プランジャ油溝28は、内周ハウジング油溝27と接続している。プランジャ油溝28には、C字形の止め輪29が装着されている。止め輪29の外周部は内周ハウジング油溝27内に突入している。止め輪29が、プランジャ油溝28及び内周ハウジング油溝27の軸方向における端部に当接することによって、プランジャ油溝28及び内周ハウジング油溝27と接続を維持し得る範囲にハウジング21に対するプランジャ22の移動範囲が規制されている。プランジャ22の内部には、軸線方向に延びるリザーバ室30が形成されている。リザーバ室30は、プランジャ油溝28の底部に開口した側孔32と、先端部の外面に開口した先端孔33と、基端部の外面に開口した基端孔34とを有する。
ハウジング21の底部とプランジャ22の底部とは、互いに協働して圧力室35を画定する。基端孔34の圧力室35側の端部には、圧力室35側の圧力がリザーバ室30の圧力よりも高いときに閉じ、圧力室35側の圧力がリザーバ室30の圧力よりも低いときに開く、逆止弁36が設けられている。圧力室35において、ハウジング21の底部とプランジャ22の底部との間には、圧縮コイルばねであるプランジャスプリング37が設けられている。プランジャスプリング37によって、プランジャ22はハウジング21から突出する方向に付勢されている。
図1に示すように、ロッカアーム18は、延在したアーム本体18Aと、アーム本体18Aの長手方向における中間部に回転可能に支持されたローラ18Bとを有する。アーム本体18Aは、基端部においてプランジャ22の先端部に回動可能に支持されている。アーム本体18Aの基端部には、プランジャ22の先端孔33に接続する噴射孔18Cが形成されている。リザーバ室30のオイルは先端孔33を介してプランジャ22とアーム本体18Aの摺接部に供給されると共に、噴射孔18Cからローラ18Bとカム16Aとの摺接部に向けて噴射される。アーム本体18Aの先端はバルブ10のステム部10Aの上端に当接している。ローラ18Bは、カムシャフト16のカム16Aに当接している。カム16Aがローラ18Bをアーム本体18Aの先端部側から押すように、カムシャフト16の回転方向が定められている。
図3に示すように、カムシャフト16が回転すると、カム16Aがロッカアーム18を所定のタイミングで下方に押す。これにより、ロッカアーム18は回動中心O1を中心として回動し、バルブスプリング13の付勢力に抗してバルブ10を下方に押す。これにより、バルブ10が閉弁状態から開弁状態に変化する。
カム16Aのベース円とロッカアーム18のローラ18Bとの隙間があるときには、プランジャスプリング37に付勢されてプランジャ22がハウジング21の外方に突出し、隙間が埋められる。プランジャ22が突出すると、リザーバ室30から基端孔34を通過して圧力室35にオイルが流入する。カム16Aがロッカアーム18を介してプランジャ22を没入方向に押すときは、圧力室35の圧力がリザーバ室30の圧力よりも高くなって逆止弁36が閉じ、プランジャ22の没入が規制される。
図1に示すように、ロッカアーム18のローラ18Bがカム16Aのベース円と接触しているときのロッカアーム18の位置を初期位置とする。内燃機関1の回転数が最高許容回転数(オーバーレブ)未満のとき(以下、内燃機関1の通常回転時という)、ロッカアーム18のローラ18Bとカムシャフト16のカム16Aとは接触を維持する。図3に示すように、カム16Aとローラ18Bとの接触が維持された状態で、カム16Aによってロッカアーム18がシリンダヘッド3の上面3A側に最も押し下げられた位置を駆動後位置とする。駆動後位置におけるローラ18Bの中心O2の位置は、初期位置におけるローラ18Bの中心O2の位置に対して、ロッカアーム18の回動中心O1を中心としてX[mm]シリンダヘッド3の上面3A側に変位している。図4に示すように、内燃機関1の回転数が最高許容回転数以上のとき(以下、内燃機関1の過回転時という)、ロッカアーム18のローラ18Bはカム16Aの回転に追従することができない場合があり、ローラ18Bがカム16Aから離れることがある。このとき、ロッカアーム18は駆動後位置よりもシリンダヘッド3の上面3A側に位置する。
以下、動弁機構15において実施形態毎に互いに異なる構成について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るストッパ40は、シリンダヘッド3の上面3Aに突設されている。ストッパ40は、円柱状のピン部材41(ロッド部材)である。ピン部材41の基端部は、シリンダヘッド3が上面3Aに形成された有底の支持孔31に圧入され、ピン部材41の先端部は支持孔31から上方に突出している。
内燃機関1の通常回転時において、ピン部材41の先端部はロッカアーム18と接触しない位置に配置されている。具体的には、ピン部材41の先端部は駆動後位置にあるロッカアーム18と所定の隙間G[mm]を介して対向するように配置されている。本実施形態ではピン部材41は、駆動後位置におけるロッカアーム18のローラ18Bと隙間Gを介して対向するように配置されている。ローラ18Bの初期位置から駆動後位置までの変位量がX[mm]であるため、初期位置にあるロッカアーム18とピン部材41の先端部との距離はX+G[mm]となる。隙間Gは、例えば1mm以上3mm以下の範囲に設定されている。ローラ18Bが初期位置からX+G[mm]シリンダヘッド3の上面3A側に変位した位置をロッカアーム18の制限位置とする。ロッカアーム18のローラ18Bは、制限位置においてストッパ40に当接する。初期位置から駆動後位置までの変位量X[mm]及び隙間G[mm]は、ロッカアーム18の回動中心O1を基準とした角度で表してもよい。
また、ピン部材41の先端部は、ロッカアーム18の回動中心O1を中心としたローラ18Bの中心O2の回動軌跡P上に配置されている。ピン部材41の軸線A1は、ローラ18Bの中心O2の回動軌跡P上に配置された先端部からローラ18Bの中心の回動軌跡Pの接線方向に延びている。
以上の構成により、内燃機関1の過回転時において、ロッカアーム18がカム16Aから離れるときには、ローラ18Bが制限位置においてピン部材41に当接し、ロッカアーム18の回動が規制される。これにより、ロッカアーム18からバルブ10に伝達される荷重が所定の範囲に規制される。
(第2実施形態)
図5に示すように、第2実施形態に係るストッパ45は、第1実施形態に係るストッパ40と比較して、ピン部材41の長さが短く、ピン部材41の先端部に弾性部材46を有する。弾性部材46は、例えばゴムである。弾性部材46は、有底筒形に形成され、ピン部材41の先端部は弾性部材46の内側に挿入されている。弾性部材46は、ストッパ45の先端部をなし、初期位置にあるロッカアーム18のローラ18BとX+G[mm]の距離をおいて対向している。換言すると、駆動後位置にあるロッカアーム18のローラ18Bと隙間G[mm]を介して対向している。
以上の構成により、内燃機関1の過回転時において、制限位置においてローラ18Bがストッパ45に当接するときには、弾性部材46が変形し、ローラ18Bとストッパ45との衝突時の衝撃が吸収される。
(第3実施形態)
図6に示すように、第3実施形態にストッパ50は、円柱状のピン部材41である。ピン部材41は、その軸線に沿って最もロッカアーム18側に移動した第1位置と、第1位置からロッカアーム18と相反する側に移動した第2位置との間でスライド移動可能にシリンダヘッド3に支持されている。ピン部材41の基端部は、シリンダヘッド3の上面3Aに凹設された凹部51に隙間を有して受容されている。ピン部材41は、径方向外方に突出した鍔部41Aを有している。凹部51には、端壁によって一端が閉塞された有底筒形の規制部材52が圧入されている。規制部材52の凹部51への固定は、圧入に代えて止め輪(サークリップ)によって行われてもよい。規制部材52は、ピン部材41の直径よりも大きく、鍔部41Aの直径よりも小さい貫通孔を端壁に備えている。ピン部材41は、その先端が規制部材52の端壁を貫通して外方に突出し、鍔部41Aが規制部材52の端壁と当接することによって、ストッパ50の第1位置が定められている。鍔部41Aとシリンダヘッド3の上面3Aとの間には、ストッパ50を第1位置に向けて付勢する付勢装置53が設けられている。付勢装置53は、例えば圧縮コイルばねや板ばね等のばね部材や、同極が互いに対向した一対の磁石対であってよい。本実施形態では、付勢装置53は圧縮コイルばねである。付勢装置53を一対の磁石対によって構成する場合、磁石対の一方をストッパ50に結合し、他方をシリンダヘッド3に結合するとよい。
以上の構成によれば、内燃機関1の過回転時において、ローラ18Bがストッパ50に当接するときには、圧縮コイルばねである付勢装置53が変形し、ばねの荷重がロッカアーム18の回動を抑制する方向に加わる。ばねがロッカアーム18に与える荷重は、ロッカアーム18の回動量が大きいほど増大する。
(第4実施形態)
図7に示すように、第4実施形態に係るストッパ60は、円柱状のピン部材61を有する。ピン部材61は、その軸線方向に沿って最もロッカアーム18側に移動した第1位置と、第1位置からロッカアーム18と相反する側(シリンダヘッド3の上面3A側)に移動した第2位置との間でスライド移動可能にシリンダヘッド3に支持されている。ピン部材61の基端部は、シリンダヘッド3の上面3Aに凹設された有底のストッパ受容孔62に摺動可能に受容されている。ピン部材61の外周部には、周方向に延びる環状溝(図示省略)が形成され、環状溝にはC形の止め輪63が装着されている。ストッパ受容孔62の壁面には、止め輪63の外周部を受容する規制溝64が形成されている。規制溝64は、ストッパ受容孔62の軸線方向に所定の幅を有し、止め輪63は規制溝64内においてピン部材61の軸線方向に所定の範囲で移動可能となっている。止め輪63が規制溝64のロッカアーム18側の端部と当接することによってピン部材61の第1位置が定まり、止め輪63が規制溝64のロッカアーム18側と相反する側の端部と当接することによってピン部材61の第2位置が定まる。第1位置において、ピン部材61の先端部は、初期位置にあるロッカアームとX+G[mm]の距離をおいて対向している(駆動後位置にあるロッカアーム18と所定の隙間Gを介して対向している。)また、ピン部材61の先端部は、ロッカアーム18の回動中心O1を中心としたローラ18Bの中心の回動軌跡P上に配置されている。ピン部材61の軸線A2は、ローラ18Bの中心の回動軌跡P上に配置された先端部からローラ18Bの中心の回動軌跡Pの接線方向に延びている。
ピン部材61の基端部と、ストッパ受容孔62の底部とは互いに協働してチャンバ65を画定している。チャンバ65の容積は、ストッパ受容孔62に対するピン部材61の位置に応じて増減する。チャンバ65は、接続油路66によってヘッド油路25と接続されている。接続油路66には弁67が設けられている。本実施形態では、弁67は、ヘッド油路25からチャンバ65への流体の流れを許容する一方、逆向きの流れを遮断する逆止弁である。チャンバ65は、接続油路66を介してヘッド油路25からオイルが供給され、オイルによって満たされている。
ピン部材61とシリンダヘッド3との間には、ピン部材61を第1位置に向けて付勢する付勢装置68が設けられている。付勢装置68は、第3実施形態における付勢装置53と同様の構成であってよい。付勢装置68は、必須の構成ではなく、省略してもよい。本実施形態では、チャンバ65において、ピン部材61の基端部とストッパ受容孔62の底部との間に、圧縮コイルばねである付勢装置68が設けられている。
以上の構成によれば、内燃機関1の過回転時において、ローラ18Bがピン部材61を押すと、ピン部材61が第1位置から第2位置側に移動し、チャンバ65内のオイルの圧力が上昇する。これによって逆止弁である弁67が閉じられ、チャンバ65内のオイルはピン部材61の外周面とストッパ受容孔62の内周面との微小な隙間を通過してチャンバ65から動弁室4に流れる。このオイルの流動抵抗によってピン部材61の移動が減衰され、ロッカアーム18の回動が減衰される。このように、ピン部材61及びストッパ受容孔62は、オイルを用いたピストンダンパとして機能する。また、付勢装置68の付勢力がピン部材61の移動及びロッカアーム18の回動に抗する向きに作用することによって、ロッカアーム18の回動が抑制されると共に、ストッパ60とロッカアーム18とが衝突するときの衝撃が吸収される。これらによって、ロッカアーム18は回動範囲が規制されると共に、回動が減衰される。ロッカアーム18がピン部材61から離れる方向に移動すると、ヘッド油路25の圧力がチャンバ65内のオイルの圧力よりも大きくなるため、弁67が開いてチャンバ65にオイルが流入し、ピン部材61が第1位置に復帰する。また、付勢装置68の付勢力もピン部材61を第1位置に復帰させる駆動力として作用する。
(第5実施形態)
図8に示すように、第5実施形態に係るストッパ70は、第4実施形態の逆止弁である弁67を電磁弁である弁80に変更したものである。弁80は、制御装置78からの信号に応じて開閉制御される公知の電磁弁であり、例えばスプール弁である。図9に、弁80をスプール弁とした場合の一例について示す。図9(A)に示すように、弁80は、シリンダヘッド3に接続油路66を横切るように形成された円筒状の弁受容孔71と、弁受容孔71に往復動可能に設けられた円柱状の弁体72と、弁体72を閉弁位置に向けて付勢するばね73と、弁体72に結合され、弁体72を駆動するアクチュエータ74とを有する。弁受容孔71の内周面には、弁体72と当接して弁体72の初期位置を定める段部75が形成されている。弁体72が段部75に当接した初期状態において、弁受容孔71の一端側には、弁受容孔71と弁体72との間に液室76が形成されている。液室76は、接続油路66の弁受容孔よりも上流側(ヘッド油路25側)の部分と通路77によって接続されている。ばね73は、例えば圧縮コイルばねであり、弁受容孔71の他端と弁体72との間に設けられている。アクチュエータ74は、例えばソレノイドであり、制御装置78からの信号によって駆動し、弁体72をばね73の付勢力に抗して移動させる。弁体72には、往復動方向と直交する方向に貫通した接続孔72Aが形成されている。弁体72が閉弁位置にあるときには、接続孔72Aと接続油路66とは互いに離れた位置にあり、接続油路66は弁体72によって遮断される。一方、アクチュエータ74によって弁体72が弁受容孔71の他端側に移動すると、接続孔72Aと接続油路66とが接続し、接続孔72A及び接続油路66を通過してオイルが流れる。弁80の開度は、弁体72の位置によって変化する。
図10及び図11を参照して、第5実施形態に係るストッパ70、第4実施形態に係るストッパ60、及び比較例に係る動弁機構の動作及び作用について説明する。比較例に係る動弁機構は、第4実施形態に係る動弁機構15に対してストッパ60が省略された従来の動弁機構である。
図10(A)、(B)では、バルブ10の位置であるバルブリフト、ロッカアーム18の位置であるロッカアーム位置、ピン部材61の位置であるストッパ位置は、通常回転時を基準としてその差分を記載している。すなわち、表中の「0」は、通常回転時における各構成と同じ位置にあることを示している。図10(A)、(B)及び図11のクランク位相(i)〜(iv)は、互いに対応している。
図11に示すように、第5実施形態に係る動弁機構15、第4実施形態に係る動弁機構15、及び比較例に係る動弁機構は、いずれも内燃機関1の通常回転時には、所定のリフトカーブ200(実線)となる。これに対して、比較例に係る動弁機構は、図10(B)に示すように、内燃機関1の過回転時にロッカアーム18がカムシャフト16から離れてロッカアーム18の変位量が大きくなると共に、バルブ10がロッカアーム18から離れ、バルブリフトが図11中のリフトカーブ201(破線)のようになる。通常回転時には、弁80は全開に制御されている。これにより、ヘッド油路25から接続油路66を介してチャンバ65にオイルが供給され、ピン部材61は第1位置に維持される。
第5実施形態に係る動弁機構では、制御装置78が、内燃機関1が過回転状態であると判断すると、弁80を絞り制御する。制御装置78は、例えばクランクシャフトの回転数と所定の回転数閾値とを比較することによって、内燃機関1が過回転状態であるか否かを判断する。制御装置78は、内燃機関1が過回転状態であると判断すると、図10(A)に示すように、クランク位相が(ii)、(iii)のときに電磁弁である弁80を絞る(開度を小さくする)。これにより、位相(ii)、(iii)において、チャンバ65から接続油路66を通過してヘッド油路25に流れるオイルの流路抵抗が増加し、ピン部材61に作用する減衰力が増加し、ロッカアーム18の移動が緩衝される。これにより、図10(A)に示すように、ロッカアーム18及びバルブ10の変位が比較例に比べて抑制され、図11に示すようにバルブリフトがリフトカーブ202(一点鎖線)のようになる。図11に示すように、第5実施形態に係る動弁機構の過回転時におけるリフトカーブ202の最大値と、通常回転時におけるリフトカーブ200の最大値との差ΔL1は、比較例に係る動弁機構の過回転時におけるリフトカーブ202の最大値と、通常回転時におけるリフトカーブ200の最大値との差ΔL2に比べて小さくなる。
弁80を位相(ii)、(iii)において絞るとき、位相(ii)から(iii)にかけて弁80の開度を漸減させることによって、ロッカアーム18に作用する減衰力を徐々に大きくすることができる。このように、弁80を電磁弁にし、開度を制御することによって、任意に減衰力を設定することができる。また、弁80は、全開になるタイミングが位相(iv)よりも遅れてもよい。
図10(A)に示すように、第4実施形態に係るストッパ60では、上記したように、チャンバ65の圧力の上昇によって位相(ii)において弁67が閉じ、チャンバ65の圧力の低下によって位相(iv)において弁80が開く。図11に示すように、第4実施形態に係る動弁機構は、第5実施形態に係る動弁機構と同様のリフトカーブ202となる。
(第6実施形態)
図12に示すように、第6実施形態に係るストッパ100では、第4実施形態のストッパ60の構成に加えてピン部材61に噴射孔101が形成されている。噴射孔101は、ピン部材61の中央部を軸線方向に貫通している。噴射孔101は、チャンバ65と動弁室4とを連通し、動弁室4側の開口端がローラ18Bと隙間を介して対向している。ヘッド油路25から供給されるオイルによってチャンバ65内の圧力は比較的高いため、チャンバ65内のオイルは噴射孔101からローラ18Bに向けて噴射される。
以上の構成によれば、内燃機関1の通常回転時及び過回転時において、噴射孔101から噴射されるオイルによって、ローラ18Bが潤滑される。また、ローラ18Bが、下部側(シリンダヘッド3側)においてロッカアーム18の基端側(ラッシュアジャスタ17側)から先端側(バルブ10側)に向うように回転しているため、噴射孔101からローラ18Bに噴射されたオイルは、ローラ18Bの回転によってロッカアーム18の先端側に飛散し、ロッカアーム18とバルブ10との摺接部が潤滑される。また、内燃機関1の過回転時において、ピン部材61が第2位置側に移動するときに、オイルが噴射孔101を通過するときの流動抵抗が減衰力としてロッカアーム18に作用することによって、ロッカアーム18の回動を減衰させることができる。
第6実施形態の変形例として、図13に示すように、付勢装置68として、圧縮コイルばね68A及び磁石対をなす磁石68B、68Cの2つが設けられてもよい。磁石対の一方をなす磁石68Bがストッパ受容孔62の底部に結合され、磁石対の他方をなす磁石68Cがピン部材61の基端部に結合されるとよい。そして、ピン部材61のストッパ受容孔62から突出した部分に鍔部61Aが設けられ、鍔部61Aとシリンダヘッド3の上面3Aとの間に圧縮コイルばね68Aが介装されるとよい。
また、第6実施形態における弁67は、第4実施形態と同様に逆止弁であってもよく、第5実施形態と同様に電磁弁であってもよい。
(第7実施形態)
図14に示すように、第7実施形態に係るストッパ110は、第4実施形態に係るストッパ60と比較して、接続油路66の代わりに空気通路111を有する点、チャンバ65が空気によって満たされる点が主に異なり、他の構成は同様である。
第7実施形態では、チャンバ65は空気通路111によって動弁室4に接続されている。空気通路111には弁112が設けられている。第7実施形態では、弁112は動弁室4からチャンバ65への流体の流れを許容する一方、逆向きの流れを遮断する逆止弁である。他の実施形態では、弁112は第5実施形態と同様に電磁弁であってもよい。
第7実施形態では、付勢装置68は、第6実施形態と同様に様々な形態とすることができる。図14では、ピン部材61の底部とストッパ受容孔62の底部との間に圧縮コイルばねである付勢装置68を設けた例について示す。
以上の構成によれば、内燃機関1の過回転時において、ローラ18Bがピン部材61を押すと、ピン部材61が第1位置から第2位置側に移動し、チャンバ65内の空気が圧縮され、その反力がロッカアーム18に加わる。また、ピン部材61の外周面とストッパ受容孔62の内周面との微小な隙間を通過してチャンバ65から動弁室4に流れる空気の流動抵抗に起因する減衰力がロッカアーム18の回動を抑制する方向に加わる。このように、ピン部材61及びストッパ受容孔62は、空気を用いたピストンダンパとして機能する。また、圧縮コイルばねである付勢装置68が変形し、付勢装置68の反力がロッカアーム18の回動を抑制する方向に加わる。これらによって、ロッカアーム18は回動範囲が規制されると共に、回動が減衰される。ロッカアーム18がピン部材61から離れる方向に移動すると、ピン部材61は付勢装置68の付勢力を受けて第1位置に移動する。このとき、弁112が開き、空気通路111を介して動弁室4からチャンバ65に空気が流入する。
以上の第1〜第7実施形態によれば、内燃機関1の過回転時において、ロッカアーム18のローラ18Bが制限位置においてストッパ40、45、50、60、100、110に当接するため、バルブ10のリフト量の増加が抑制されると共に、ロッカアーム18からバルブ10に加わる荷重が抑制される。そのため、バルブスプリング13のばね定数を増加させる必要がなく、燃費の悪化が抑制される。また、バルブ10やスプリングリテーナ12等に加わる荷重が低減されるため、バルブ10やスプリングリテーナ12に必要な剛性が小さくなる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記の実施形態ではロッカアーム18がラッシュアジャスタ17に支持された例について説明したが、ロッカアーム18はロッカシャフトに回動可能に支持されていてもよい。また、動弁機構15は、DOHC型に限らず、OHC型やOHV型であってもよい。
1 :内燃機関
3 :シリンダヘッド
10 :バルブ
15 :動弁機構
16 :カムシャフト
17 :ラッシュアジャスタ
18 :ロッカアーム
18B :ローラ
40、45、50、60、70、100、110 :ストッパ
41、61 :ピン部材
46 :弾性部材
53、68 :付勢装置
62 :ストッパ受容孔
65 :チャンバ
66 :接続油路
67 :弁
68A :圧縮コイルばね
80 :弁
101 :噴射孔
111 :空気通路
112 :弁
G :隙間
X :変位量
O1 :ロッカアームの回動中心
O2 :ローラの中心
P :回動軌跡

Claims (16)

  1. 内燃機関の動弁機構であって、
    シリンダヘッドに回動可能に設けられ、カムシャフトによって駆動されるロッカアームと、
    前記シリンダヘッドに設けられ、前記ロッカアームに押されることによって開弁するバルブと、
    前記シリンダヘッドに設けられたストッパとを有し、
    前記ストッパは、前記ロッカアームが前記カムシャフトから離れた所定の制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接するように配置されていることを特徴とする内燃機関の動弁機構。
  2. 前記ストッパは、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームの回動中心を中心とした接線方向から前記ロッカアームに当接することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁機構。
  3. 前記ロッカアームは、前記シリンダヘッドに回動可能に設けられたアーム本体と、前記アーム本体に回転可能に支持され、前記カムシャフトに接触するローラとを有し、
    前記ストッパは、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ローラに当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の動弁機構。
  4. 前記ストッパは、前記シリンダヘッドに突設されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  5. 前記ストッパは弾性部材を備え、前記弾性部材において前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  6. 前記ストッパは、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接する第1位置と、前記第1位置に対して前記ロッカアームと相反する方向に位置する第2位置との間で移動可能に前記シリンダヘッドに設けられ、
    前記シリンダヘッドと前記ストッパとの間には、前記ストッパを前記第1位置に向けて付勢する付勢装置が設けられ、
    前記付勢装置は、ばね部材、及び同極が対向した磁石対の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  7. 前記シリンダヘッドに形成され、前記ストッパを前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能に受容するストッパ受容孔と、
    前記ストッパ受容孔の底部と前記ストッパの基端部とが協働して画定し、前記ストッパの移動に応じて容積が変化するチャンバと、
    前記チャンバと前記シリンダヘッドの外面とを接続する空気通路と、
    前記空気通路に設けられた弁とを有することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の動弁機構。
  8. 前記弁は、前記チャンバから前記シリンダヘッドの外面側への空気の流れを遮断する一方、逆向きの空気の流れを許容する逆止弁であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の動弁機構。
  9. 前記弁は、電磁弁であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の動弁機構。
  10. 前記シリンダヘッドに形成され、前記ロッカアームが前記制限位置にあるときに前記ロッカアームに当接する前記ストッパの第1位置と、前記第1位置に対して前記ロッカアームと相反する方向に位置する前記ストッパの第2位置との間で前記ストッパを移動可能に受容するストッパ受容孔と、
    前記ストッパ受容孔の底部と前記ストッパの基端部とが協働して画定し、前記ストッパの移動に応じて容積が変化するチャンバと、
    前記チャンバと前記シリンダヘッドに形成された油路とを接続する接続油路と、
    前記接続油路に設けられた弁とを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  11. 前記弁は、前記チャンバから前記油路へのオイルの流れを遮断する一方、逆向きのオイルの流れを許容する逆止弁であることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の動弁機構。
  12. 前記弁は、電磁弁であることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の動弁機構。
  13. 前記シリンダヘッドと前記ストッパとの間には、前記ストッパを前記第1位置に向けて付勢する付勢装置が設けられ、
    前記付勢装置は、ばね部材、及び同極が対向した磁石対の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  14. 前記ストッパは、前記チャンバに対向する基端部から前記ロッカアームに対向する先端部に延びる噴射孔を有することを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれか1つの項に記載の内燃機関の動弁機構。
  15. 前記噴射孔の前記先端部における開口端は、前記ロッカアームに設けられ、前記カムシャフトに接触するローラの前記カムシャフトと相反する側の部分に対向していることを特徴とする請求項14に記載の内燃機関の動弁機構。
  16. 前記ローラは、前記カムシャフトと摺接することによって前記ストッパと対向する側が前記バルブ側に向けて回転していることを特徴とする請求項15に記載の内燃機関の動弁機構。
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