JP2007327459A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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明彦 保坂
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Abstract

【課題】ラッシュアジャスタにおいて、高圧室への空気の混入を防止して作動性を向上することで信頼性の向上を図る。
【解決手段】有底筒形状をなすボディ41にプランジャ42を摺動自在に嵌合することでリザーバ室43及び高圧室44を形成すると共に、プランジャスプリング49によりプランジャ42が外方に突出する方向に付勢し、高圧室44とリザーバ室43とを連通路42cにより連通し、この連通路42cに高圧室44の圧力に応じて開閉するチェックボール46を設けて構成し、プランジャ42がボディ41から突出する方向に移動するときにリザーバ室43内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段として支持部材53及びリング部材54を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の動弁機構にて、各構成部材の隙間を調整するためのラッシュアジャスタに関するものである。
例えば、内燃機関においては、燃焼室での燃焼によりエンジン本体が高温となり、その熱が動弁機構に伝達されて動弁機構も高温となることから、熱膨張差が生じて動弁機構の作動が不安定になる。また、動弁機構の長期使用により各接触部における摩耗が原因で動弁機構の接触部に隙間が生じて作動が不安定になる。そのため、これらの現象を防止するために動弁機構における各構成部材の隙間(クリアランス)を調整するラッシュアジャスタが設けられている。このラッシュアジャスタは、動弁機構の作動中に変位する構成部材間に介在して、これらの間隔の変化に追随して隙間の発生を防止するものであり、また、動弁機構の作動音及び作動時の摩耗を減少させることができる。
図8は、従来ラッシュアジャスタの断面図、図9は、従来ラッシュアジャスタの伸張状態を表す断面図である。
従来のラッシュアジャスタにおいて、図8に示すように、ボディ001にプランジャ002が摺動自在に嵌装されると共に、プランジャ002がスプリング003により外方に突出するように付勢支持され、プランジャ002内にリザーバ室004が形成されると共に、ボディ001内にこのプランジャ002により高圧室005が形成され、リザーバ室004と高圧室005が連通路006により連通されると共に、この連通路006にチェック弁007が設けられ、高圧室005からリザーバ室004への作動油の流れが阻止されている。
従って、図示しないカムによりロッカアームを介してプランジャ002が押圧されると、高圧室005の圧力が高くなってチェック弁007により連通路006が閉じられ、プランジャ002が停止することでロッカアームが回動してバルブが押し下げられて開放する。そして、カムによるロッカアームの押圧動作がなくなると、高圧室005の圧力が維持されたままバルブが上がりはじめ、バルブが閉じるとプランジャ002がスプリング003により移動してバルブクリアランスをなくすと同時に、リザーバ室004から高圧室005に作動油が流れて待機状態となる。
なお、このような従来ラッシュアジャスタとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
実用新案登録第2565094号公報
ところで、上述したラッシュアジャスタにて、図8に示すように、ロッカアームによりプランジャ002が押圧されると、高圧室005の圧力が高くなってチェック弁007により連通路006が閉じられることで、プランジャ002が停止してロッカアームによりバルブが押し下げられて開放する。この作動位置で内燃機関が停止すると、高圧室005が加圧状態であるため、この高圧室005の作動油がボディ001とプランジャ002との隙間を通ってリザーバ室004に流動し、プランジャ002がストッパに当接するまで下方に移動して収縮位置で停止する。その後、内燃機関が始動されると、ロッカアームによるプランジャ002の押圧動作がなくなるため、プランジャ002がスプリング003により上方に移動し、高圧室005が低圧状態となってチェック弁007により連通路006が開放され、リザーバ室004の作動油がこの連通路006を通って高圧室005に流れる。
このとき、図9に示すように、比較的短時間で多量の作動油がリザーバ室004から高圧室005に流入するが、リザーバ室004と高圧室005とを連通する連通路006がプランジャ002の軸中心に位置して形成されているため、リザーバ室004の作動油は、その壁面の近傍に貯留されている作動油よりも、中心部に貯留されている作動油の方が連通路006を通って高圧室005に流入しやすい。即ち、リザーバ室004の壁面の近傍にある作動油は、壁面からの摩擦力により流動しにくく、リザーバ室004の中央部にある作動油の方が流動しやすいため、先に高圧室005に引き込まれる。すると、リザーバ室004では、作動油における中央の液面が急激に下降するように変動する。
リザーバ室004には、作動油と共に空気が充填されており、このとき、高圧室005に作動油と共にこの空気が引き込まれるおそれがある。この現象は、冷間時ほど作動油が高粘度となるために顕著なものとなる。そして、空気は作動油よりも圧縮性が高いため、高圧室005にこの空気が混入すると、プランジャ002に押圧力が作用したときに、高圧室005内の空気が圧縮されてプランジャ002が下方に移動し、その高さを維持することができず、正規のバルブリフトが確保できなくなってしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、高圧室への空気の混入を防止して作動性を向上することで信頼性の向上を図ったラッシュアジャスタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のラッシュアジャスタは、有底筒形状をなすボディと、前記ボディに摺動自在に嵌合することでリザーバ室及び高圧室を形成するプランジャと、該プランジャを前記ボディから突出する方向に付勢する付勢部材と、前記高圧室と前記リザーバ室とを連通する連通路と、前記高圧室の圧力に応じて前記連通路を開閉するチェック弁とを具えたラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャが前記ボディから突出する方向に移動するときに前記リザーバ室内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段が設けられたことを特徴とするものである。
本発明のラッシュアジャスタでは、前記プランジャは、内部に前記リザーバ室を有して外周部が前記ボディに摺動自在に嵌合することで前記高圧室を形成しており、前記作動油液面上昇抑制手段は、基端部がボディに支持されて先端部が前記プランジャ内に延出された支持部材と、該支持部材の先端部に連結されて前記プランジャの内壁面に密着可能であると共に前記リザーバ室内に貯留された作動油の液面に接触可能なリング部材とを有することを特徴としている。
本発明のラッシュアジャスタでは、前記リング部材は、外周面が前記プランジャの内壁面に沿った直線形状をなす一方、内周面が前記プランジャの内壁面に向かって傾斜する傾斜形状をなすことを特徴としている。
本発明のラッシュアジャスタでは、前記プランジャが前記ボディ内に没入した位置で、前記リング部材は、前記リザーバ室内に貯留された作動油の液面より上方に位置することを特徴としている。
本発明のラッシュアジャスタでは、前記プランジャは、前記ボディに摺動自在に嵌合するピストン部と、該ピストン部に連結されて前記ボディから突出する方向に延出されたロッド部とを有し、前記ピストン部により前記リザーバ室と前記高圧室が区画され、前記作動油液面上昇抑制手段は、前記ピストンにおける前記リザーバ室側の外周部に前記ボディの内壁面に沿ってテーパ形状をなすエッジ部を有することを特徴としている。
本発明のラッシュアジャスタでは、前記ロッド部の上部に前記ボディの内周面に摺動自在に嵌合する嵌合部が形成されたことを特徴としている。
本発明のラッシュアジャスタによれば、有底筒形状をなすボディにプランジャを摺動自在に嵌合することでリザーバ室及び高圧室を形成し、高圧室とリザーバ室とを連通路により連通し、この連通路に高圧室の圧力に応じて開閉するチェック弁を設けて構成し、プランジャがボディから突出する方向に移動するときにリザーバ室内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段を設けたので、ボディからプランジャが突出する方向に移動し、リザーバ室の作動油が高圧室に流入するとき、リザーバ室内にて、作動油液面上昇抑制手段により作動油における外周側の液面上昇が抑制されることで、作動油における中央部の液面下降が抑制され、高圧室への空気の混入が防止されることとなり、プランジャの作動性を向上することで信頼性の向上を図ることができる。
以下に、本発明に係るラッシュアジャスタの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係るラッシュアジャスタの断面図、図2は、実施例1のラッシュアジャスタの分解斜視図、図3は、実施例1のラッシュアジャスタの伸張状態を表す断面図、図4は、実施例1のラッシュアジャスタが適用された内燃機関の要部断面図である。
実施例1のラッシュアジャスタが適用された内燃機関において、図4に示すように、シリンダヘッド11の下部にシリンダブロック12が組み付けられ、複数の図示しない締結ボルトにより締結されている。シリンダブロック12には複数のシリンダボア13が形成され、各シリンダボア13にピストン14が摺動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック12の下部に図示しないクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド15を介してこのクランクシャフトに連結されている。
燃焼室16は、シリンダブロック12に形成されたシリンダボア13と、シリンダヘッド11の下面と、ピストン14の頂面により構成されており、天井部(シリンダヘッド11の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室16の上部、つまり、シリンダヘッド11の下面に吸気ポート17及び排気ポート18が対向して形成されており、この吸気ポート17及び排気ポート18に対して吸気弁19及び排気弁20がそれぞれ位置している。この吸気弁19及び排気弁20は、シリンダヘッド11に固定された各ステムガイド21,22により軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、各バルブスプリング23,24により吸気ポート17及び排気ポート18を閉止する方向、つまり、図4にて上方に付勢支持されている。
また、シリンダヘッド11には、吸気カムシャフト25及び排気カムシャフト26が回転自在に支持されており、吸気カムシャフト25には吸気カム27が装着され、排気カムシャフト26には排気カム28が装着されている。そして、吸気カム27と吸気弁19の上端部との間に吸気側ラッシュアジャスタ29が装着されると共に、排気カム28と排気弁20の上端部との間に排気側ラッシュアジャスタ30が装着されている。
従って、内燃機関の駆動に同期して吸気カムシャフト25及び排気カムシャフト26が駆動回転すると、吸気カム27及び排気カム28が吸気弁19及び排気弁20を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート17及び排気ポート18を開閉し、吸気ポート17と燃焼室16、燃焼室16と排気ポート18とをそれぞれ連通することができる。
シリンダヘッド11には、吸気ポート17に燃料を噴射する燃料噴射弁31が装着されると共に、燃焼室16の天井部中央、つまり、各吸気ポート17及び各排気ポート18の間に位置して点火プラグ32が装着されている。そして、車両には電子制御ユニット(ECU)が搭載されており、このECUは、燃料噴射弁31による燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ32による点火時期などを制御可能となっており、検出した吸入空気量、スロッドル開度(アクセル開度)、エンジン回転数などのエンジン運転状態に基づいてこの燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定している。
上述した吸気弁19及び排気弁20等からなる動弁機構にて、ラッシュアジャスタ29,30は、この動弁機構における各構成部材の隙間を調整するものであり、この動弁機構の熱膨張差及び作動時の摩耗を吸収することができる。以下に、この本実施例のラッシュアジャスタ29,30について説明するが、両者はほぼ同様の構成であるため、吸気弁19側に設けられたラッシュアジャスタ29についてのみ詳細に説明する。
ラッシュアジャスタ29において、図1及び図2に示すように、シリンダヘッド11に固定されるボディ41は有底円筒形状をなし、上端の外周部には外側に広がって円盤形状をなすフランジ部41aが形成されている。吸気カム27が接触するプランジャ42は中空形状をなし、内部にリザーバ室43が形成されており、基端部側(図1にて下側)がボディ41内に摺動自在に嵌合することで、ボディ41とプランジャ42との間に高圧室44が形成されている。
そして、プランジャ42は、第1ストッパ部42aがボディ41の段部41bに当接する位置と、第2ストッパ部42bがボディ41に取付けられたストッパリング45に当接する位置との間で摺動可能となっている。また、プランジャ42は、基端部側にその中心部に軸方向沿って連通路42cが形成され、リザーバ室43と高圧室44はこの連通路42cにより連通可能となっている。
また、プランジャ42の連通路42cには、これを開閉するチェック弁としてのチェックボール46が高圧室44側からチェックボールゲージ47により支持され、チェックボールスプリング48により連通路42cを閉止する方向に付勢されている。そして、チェックボールゲージ47とボディ41の底部との間に付勢部材としてのプランジャスプリング49が介装されており、プランジャ42をボディ41から上方に突出する方向に付勢している。
ダイアフラム50は伸縮変形可能な円筒形状をなし、下端部がボディ41のフランジ部41aに接合される一方、上端部がプランジャ42の上端外周部に接合されることで、リザーバ室43と高圧室44を外部から区画している。そして、高圧室44には作動油のみが充填され、リザーバ室43には作動油と空気が充填される。
従って、ボディ41に対してプランジャ42が突出したラッシュアジャスタ29の伸張位置では、図3に示すように、リザーバ室43の作動油が高圧室44に流れるため、ダイアフラム50が内方に変形することで、リザーバ室43の容積変化(縮小)を吸収することができる。一方、ボディ41内にプランジャ42が押し込まれたラッシュアジャスタ29の収縮位置では、図1に示すように、高圧室44の作動油がリザーバ室43に流れるため、ダイアフラム50が外方に変形することで、リザーバ室43の容積変化(拡大)を吸収することができる。
また、本実施例では、プランジャ42がボディ41から突出する方向に移動するときにリザーバ室43内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段が設けられている。
即ち、プランジャ42は、プランジャ円筒部51の上端部に円板形状をなすプランジャ上底部52が固定されて構成されている。プランジャ円筒部51は、側壁部に上下方向に沿ったガイド溝51aが対向した位置に形成され、この各ガイド溝51aは上端部が開口している。一方、プランジャ上底部52は、外周下部にこの一対のガイド溝51aに対向して一対の係止部52aが形成されている。そして、プランジャ円筒部51とプランジャ上底部52は、各係止部52aが各ガイド溝51aの上端部に係止することで、両者が一体に固定されてプランジャ42が構成されている。そして、リザーバ室43と高圧室44は、このガイド溝51a及びボディ41の内面とプランジャ42の外面との隙間を通して連通している。
一対の支持部材53は、L字形状をなしており、基端部がボディ41のフランジ部41aに固定される一方、先端部がプランジャ42のガイド溝51aを通ってリザーバ室43側に延出されており、ここにリング部材54が連結されている。このリング部材54は、断面が円形状をなし、プランジャ42の内壁面に密着すると共に、リザーバ室43内に貯留された作動油の液面に接触可能となっている。この場合、プランジャ42がボディ41内に没入した位置、つまり、ラッシュアジャスタ29が図1に示す収縮状態にあるとき、リング部材54は、リザーバ室43内に貯留された作動油の液面より上方に位置している。なお、本実施例では、支持部材53とリング部材54により本発明の作動油液面上昇抑制手段が構成されている。
ここで、実施例1のラッシュアジャスタ29の作用について説明する。図3に示すラッシュアジャスタ29は、プランジャ42が最上点に位置して伸びきった伸張位置にある。この伸張位置から、図3及び図4に示すように、吸気カムシャフト25が回転して吸気カム27がラッシュアジャスタ29のプランジャ42を押圧する。すると、ラッシュアジャスタ29のプランジャ42がプランジャスプリング49の付勢力に抗してボディ41内に下降し始め、高圧室44内の作動油が加圧されてリザーバ室43よりも高圧となり、チェックボール46が連通路42cを閉塞する。連通路42cが閉塞されると、高圧室44からこの連通路42cを通したリザーバ室43への作動油の流動が停止され、プランジャ42の下降も停止する。そのため、吸気カム27は、ラッシュアジャスタ29を介して吸気弁19を押し下げ、吸気ポート17を開放する。
そして、吸気カム27が最大リフトを過ぎると、高圧室44の加圧状態が維持されたまま、吸気弁19はバルブスプリング23の付勢力により上昇して吸気ポート17を閉止する。すると、吸気カム27によるラッシュアジャスタ29のプランジャ42への押圧が終了し、このプランジャ42はプランジャスプリング49の付勢力により上昇し、高圧室44は加圧状態から開放される。そして、チェックボール46が連通路42cを閉塞するのをやめ、リザーバ室43から高圧室44への作動油の流動を許容することとなり、リザーバ室43の作動油が高圧室44へ流動する。
このとき、ラッシュアジャスタ29は、吸排気弁19,20とシリンダヘッド11との間などに熱膨張差が発生したり、動弁機構に摩耗が発生した場合、ボディ41に対してプランジャ42が突出または没入する方向に移動してこれを吸収する。
ところで、吸気カムシャフト25が回転して吸気カム27によりラッシュアジャスタ29のプランジャ42が押圧され、このラッシュアジャスタ29を介して吸気弁19が押し下げられ、吸気ポート17を開放した状態で内燃機関が停止すると、プランジャ42は、第1ストッパ部42aがボディ41の段部41bに当接する位置まで下降する。即ち、ラッシュアジャスタ29のプランジャ42は、吸気カム27から下降する方向の力を受けた状態で停止しており、高圧室44内の作動油がボディ41とプランジャ42との隙間とガイド溝51aを通して徐々にリザーバ室43へ戻される。そのため、図1に示すように、プランジャ42はボディ41内に移動するように変位し、ラッシュアジャスタ29は次第に収縮する。
そして、ラッシュアジャスタ29が収縮した状態で、内燃機関が始動されると、前述したように、吸気カム27が最大リフトを過ぎ、吸気弁19がバルブスプリング23の付勢力により上昇して吸気ポート17を閉止する。このとき、ラッシュアジャスタ29のプランジャ42は、吸気カム27からの押圧が終了し、プランジャスプリング49の付勢力により上昇して高圧室44を拡大することから、チェックボール46による連通路42cの閉塞が解除され、リザーバ室43から高圧室44への作動油の流動が許容される。
すると、プランジャ42の上方移動によりこのプランジャ42の内壁面に接触しているリザーバ室43における外周部の作動油が、摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、リザーバ室43における中央部の作動油が、連通路42cを通して高圧室44から吸引力を受けることとなり、一時的に中央部の液面が下降して作動油が高圧室44へ流動する。ところが、本実施例では、ボディ41に支持部材53により支持されたリング部材54がリザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面に接触可能に設けられている。そのため、ボディ41に対してプランジャ42が上方に移動しても、リング部材54は上昇せずにその位置に保持されることで、プランジャ42とリング部材54の相対移動によりこのリング部材54がプランジャ42の内壁面に接触する作動油を削ぎ落とす。そして、このリング部材54により削ぎ落とされた作動油はリザーバ室43の中央部側へ流動することとなり、リザーバ室43における中央部の作動油が連通路42cを通して高圧室44に流動しても、外周部の作動油がこれを保障するように流動し、リザーバ室43の中央部における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室43から高圧室44への空気の混入が防止される。
なお、上述した説明では、吸気側のラッシュアジャスタ29についてのみ説明したが、排気側のラッシュアジャスタ30も同様の構成を有し、同様の作用効果を奏するものである。
このように実施例1のラッシュアジャスタ29,30にあっては、有底筒形状をなすボディ41にプランジャ42を摺動自在に嵌合することでリザーバ室43及び高圧室44を形成すると共に、プランジャスプリング49によりプランジャ42が外方に突出する方向に付勢し、高圧室44とリザーバ室43とを連通路42cにより連通し、この連通路42cに高圧室44の圧力に応じて開閉するチェックボール46を設けて構成し、プランジャ42がボディ41から突出する方向に移動するときにリザーバ室43内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段として支持部材53及びリング部材54を設けている。
従って、ラッシュアジャスタ29が収縮した状態で内燃機関が始動されたとき、プランジャ42は吸気カム27から受ける押圧力が解除され、プランジャスプリング49の付勢力により上昇し、リザーバ室43から高圧室44への作動油の流動が許容され、リザーバ室43の作動油が高圧室44から連通路42cを通して吸引力を受け、高圧室44へ流動する。このとき、リザーバ室43の作動油の液面は、外周部でプランジャ42との摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、中央部で高圧室44から吸引力を受け、一時的に中央部の液面が下降するが、リザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面に接触可能なリング部材54がボディ41側に設けられているため、このリング部材54がプランジャ42の内壁面に接触する作動油を削ぎ落とし、削ぎ落とされた作動油がリザーバ室43の中央部側へ流動することとなり、リザーバ室43の中心部における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室43から高圧室44への空気の混入が防止され、プランジャ42の作動性を向上することで、ラッシュアジャスタ29の信頼性の向上を図ることができる。
また、本実施例では、作動油液面上昇抑制手段として、ボディ41のフランジ部41aに支持部材53を介してリング部材54を連結している。従って、簡単な構成でリザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面の上昇を抑制することができ、ラッシュアジャスタ29における十分な信頼性を確保することができる一方で、製造コストの上昇を抑制することができる。
図5は、本発明の実施例2に係るラッシュアジャスタの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のラッシュアジャスタにおいて、図5に示すように、プランジャ42がボディ41から突出する方向に移動するときに、リザーバ室43内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段として、支持部材53及びリング部材55が設けられている。
即ち、プランジャ42は、プランジャ円筒部51とプランジャ上底部52とからなり、両者は、係止部52aがガイド溝51aの上端部に係止することで一体に固定されている。そして、一対の支持部材53は、基端部がボディ41のフランジ部41aに固定される一方、先端部がプランジャ42のガイド溝51aを通ってリザーバ室43側に延出されており、ここにリング部材55が連結されている。このリング部材55は、外周面55aがプランジャ42の内壁面に沿った直線形状をなす一方、内周面55bがプランジャ42の内壁面に向かって湾曲しながら傾斜する傾斜形状をなしている。つまり、リング部材55は、断面が三角形状をなすと共に長辺が凹むように湾曲し、下方に向かって先細となるように形成されることで、外周面55aがプランジャ42の内壁面に密着すると共に、内周面55bがリザーバ室43内に貯留された作動油の液面に接触可能となっている。
従って、ラッシュアジャスタ29が収縮した状態で内燃機関が始動されると、吸気カムが最大リフトを過ぎ、吸気弁がバルブスプリングの付勢力により上昇して吸気ポートを閉止する。このとき、ラッシュアジャスタ29のプランジャ42は、吸気カムからの押圧が終了し、プランジャスプリング49の付勢力により上昇して高圧室44を拡大することから、リザーバ室43から高圧室44への作動油の流動が許容される。
すると、プランジャ42の上方移動によりこのプランジャ42の内壁面に接触しているリザーバ室43における外周部の作動油が、摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、リザーバ室43における中央部の作動油が、連通路42cを通して高圧室44から吸引力を受けることとなり、一時的に中央部の液面が下降して作動油が高圧室44へ流動する。ところが、本実施例では、ボディ41に支持部材53により支持されたリング部材55がリザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面に接触可能に設けられている。そのため、ボディ41に対してプランジャ42が上方に移動しても、リング部材55は上昇せずにその位置に保持されることで、プランジャ42とリング部材55の相対移動によりこのリング部材55がプランジャ42の内壁面に接触する作動油を削ぎ落とす。そして、このリング部材55により削ぎ落とされた作動油はリザーバ室43の中央部側へ流動する。この場合、リング部材55は、下方に向かって先細形状であるため、プランジャ42の内壁面に接触する作動油を確実に削ぎ落とすと共に、湾曲した内周面55bにより削ぎ落とされた作動油を確実にリザーバ室43の中央部側へ流動する。そのため、リザーバ室43における中央部の作動油が連通路42cを通して高圧室44に流動しても、外周部の作動油がこれを保障するように流動し、リザーバ室43の中央部における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室43から高圧室44への空気の混入が防止される。
このように実施例2のラッシュアジャスタ29にあっては、有底筒形状をなすボディ41にプランジャ42を摺動自在に嵌合することでリザーバ室43及び高圧室44を形成すると共に、プランジャスプリング49によりプランジャ42が外方に突出する方向に付勢し、高圧室44とリザーバ室43とを連通路42cにより連通し、この連通路42cに高圧室44の圧力に応じて開閉するチェックボール46を設けて構成し、プランジャ42がボディ41から突出する方向に移動するときにリザーバ室43内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段として支持部材53及びリング部材55を設けている。
従って、ラッシュアジャスタ29が収縮した状態で内燃機関が始動されたとき、プランジャ42は吸気カムから受ける押圧力が解除され、プランジャスプリング49の付勢力により上昇し、リザーバ室43から高圧室44への作動油の流動が許容され、リザーバ室43の作動油が高圧室44から連通路42cを通して吸引力を受け、高圧室44へ流動する。このとき、リザーバ室43の作動油の液面は、外周部でプランジャ42との摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、中央部で高圧室44から吸引力を受け、一時的に中央部の液面が下降するが、リザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面に接触可能なリング部材55がボディ41側に設けられているため、このリング部材55がプランジャ42の内壁面に接触する作動油を削ぎ落とし、削ぎ落とされた作動油がリザーバ室43の中央部側へ流動することとなり、リザーバ室43の中心部における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室43から高圧室44への空気の混入が防止され、プランジャ42の作動性を向上することで、ラッシュアジャスタ29の信頼性の向上を図ることができる。
また、本実施例では、作動油液面上昇抑制手段として、ボディ41のフランジ部41aに支持部材53を介してリング部材55を連結し、このリング部材55を下方に向かって先細形状としている。従って、プランジャ42の内壁面に接触する作動油を確実に削ぎ落とすことができると共に、削ぎ落とされた作動油を湾曲した内周面55bにより確実にリザーバ室43の中央部側へ流動させることができ、簡単な構成でリザーバ室43内に貯留された作動油における外周部の液面の上昇を抑制することができ、ラッシュアジャスタ29における十分な信頼性を確保することができる一方で、製造コストの上昇を抑制することができる。
図6は、本発明の実施例3に係るラッシュアジャスタの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6に示すように、実施例3のラッシュアジャスタ60において、シリンダヘッド11に固定されるボディ61は有底円筒形状をなし、上端の外周部には外側に広がって円盤形状をなすフランジ部61aが形成されている。吸気カム27が接触するプランジャ62は、ボディ61内に摺動自在に嵌合するピストン部63と、このピストン部63に連結されてボディ61から上方に突出する方向に延出されたロッド部64と、このロッド部64に連結された上底部65とから構成されており、ピストン部63がボディ61内に摺動自在に嵌合することで、このボディ61の内部がリザーバ室66と高圧室67に区画されている。
そして、プランジャ62は、第1ストッパ部62aがボディ61の段部61bに当接する位置と、第2ストッパ部62bがボディ61に取付けられたストッパリング68に当接する位置との間で摺動可能となっている。また、プランジャ62は、ピストン部63にロッド部64との連結部の外周辺に位置して複数の連通路62cが形成され、リザーバ室66と高圧室67はこの連通路62cにより連通可能となっている。
また、プランジャ62の連通路62cには、これを開閉するチェック弁としてのチェックボール69が高圧室67側からチェックボールゲージ70により支持され、チェックボールスプリング71により連通路62cを閉止する方向に付勢されている。そして、チェックボールゲージ70とボディ61の底部との間に付勢部材としてのプランジャスプリング72が介装されており、プランジャ62をボディ61から上方に突出する方向に付勢している。
ダイアフラム73は伸縮変形可能な円筒形状をなし、下端部がボディ61のフランジ部61aに接合される一方、上端部がプランジャ62の上底部65に接合されることで、リザーバ室66と高圧室67を外部から区画している。そして、高圧室67には作動油のみが充填され、リザーバ室66には作動油と空気が充填される。
従って、ボディ61に対してプランジャ62が突出したラッシュアジャスタ60の伸張位置では、リザーバ室66の作動油が高圧室67に流れるため、ダイアフラム73が内方に変形することで、リザーバ室66の容積変化(縮小)を吸収することができる。一方、ボディ61内にプランジャ62が押し込まれたラッシュアジャスタ60の収縮位置では、高圧室67の作動油がリザーバ室66に流れるため、ダイアフラム73が外方に変形することで、リザーバ室66の容積変化(拡大)を吸収することができる。
また、本実施例では、プランジャ62がボディ61から突出する方向に移動するときにリザーバ室66内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段が設けられている。
即ち、プランジャ62は、上述したように、ボディ61内に摺動自在に嵌合するピストン部63と、このピストン部63に連結されるロッド部64と、このロッド部64に連結される上底部65とから構成されることで、リザーバ室66をボディ61の内壁面とプランジャ62の底面(ピストン部63の上面)により区画されている。また、プランジャ62のピストン部63は、リザーバ室66側に位置する上面の外周部にボディ61の内壁面に沿ってテーパ形状をなすエッジ部74が全周にわたって形成されている。このエッジ部74は、ピストン部63における水平な上面から所定角度で上方に傾斜したテーパ面74aを有しており、先端部が上述した第2ストッパ部62bを兼ねている。なお、本実施例では、リザーバ室66を区画するボディ61とプランジャ62の構成、並びに、エッジ部74により本発明の作動油液面上昇抑制手段が構成されている。
従って、ラッシュアジャスタ60が収縮した状態で内燃機関が始動されると、吸気カム27が最大リフトを過ぎ、吸気弁がバルブスプリングの付勢力により上昇して吸気ポートを閉止する。このとき、ラッシュアジャスタ60のプランジャ62は、吸気カムからの押圧が終了し、プランジャスプリング72の付勢力により上昇して高圧室67を拡大することから、リザーバ室66から高圧室67への作動油の流動が許容される。
すると、プランジャ62の上方移動によりロッド部64の外周面に接触しているリザーバ室66における作動油が摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、リザーバ室66におけるロッド部64の周辺部にある作動油が各連通路62cを通して高圧室67から吸引力を受けることとなり、一時的に液面が下降して作動油が高圧室67へ流動する。ところが、本実施例では、リザーバ室66にて、ロッド部64と作動油との接触面積は少なく、摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力は極小である。また、プランジャ62におけるピストン部63の上面の外周部にエッジ部74が設けられており、プランジャ62の上昇時に、エッジ部74のテーパ面74aがボディ61の内壁面に接触する作動油をリザーバ室66の中央部側へ流動させる。そのため、リザーバ室66の作動油が連通路62cを通して高圧室67に流動しても、外周部の作動油がこれを保障するように流動し、リザーバ室66における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室66から高圧室67への空気の混入が防止される。
このように実施例3のラッシュアジャスタ60にあっては、有底筒形状をなすボディ61にプランジャ62のピストン部63を摺動自在に嵌合することでリザーバ室66及び高圧室67を区画すると共に、プランジャスプリング72によりプランジャ62が外方に突出する方向に付勢し、高圧室67とリザーバ室66とを連通路62cにより連通し、この連通路62cに高圧室67の圧力に応じて開閉するチェックボール69を設けて構成し、プランジャ62がボディ61から突出する方向に移動するときにリザーバ室66内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段としてピストン部63におけるリザーバ室66側の外周部にエッジ部74を設けている。
従って、ラッシュアジャスタ60が収縮した状態で内燃機関が始動されたとき、プランジャ62は吸気カム27から受ける押圧力が解除され、プランジャスプリング72の付勢力により上昇し、リザーバ室66から高圧室67への作動油の流動が許容され、リザーバ室66の作動油が高圧室67から連通路62cを通して吸引力を受け、高圧室67へ流動する。このとき、リザーバ室66の作動油の液面は、プランジャ62におけるロッド部64との摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、高圧室67から吸引力を受け、一時的に中央部の液面が下降するが、ロッド部64と作動油との摩擦抵抗は小さく、ピストン部63のエッジ部74がボディ61の内壁面に接触する作動油をリザーバ室66の中央部側へ流動させるため、リザーバ室66における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室66から高圧室67への空気の混入が防止され、プランジャ62の作動性を向上することで、ラッシュアジャスタ60の信頼性の向上を図ることができる。
図7は、本発明の実施例4に係るラッシュアジャスタの断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図7に示すように、実施例4のラッシュアジャスタ60において、シリンダヘッド11に固定されるボディ61は有底円筒形状をなし、上端の外周部には外側に広がって円盤形状をなすフランジ部61aが形成されている。吸気カム27が接触するプランジャ62は、ボディ61内に摺動自在に嵌合するピストン部63と、このピストン部63に連結されてボディ61から上方に突出する方向に延出されたロッド部64と、このロッド部64に連結された上底部65と、この上底部65に連結されると共にボディ61内に摺動自在に嵌合する嵌合部75から構成されており、嵌合部75に連通孔75aが形成されている。そのため、プランジャ62のピストン部63がボディ61内に摺動自在に嵌合することで、このボディ61の内部がリザーバ室66と高圧室67に区画されている。
また、本実施例では、プランジャ62がボディ61から突出する方向に移動するときにリザーバ室66内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段として、プランジャ62のピストン部63にて、リザーバ室66側に位置する上面の外周部にボディ61の内壁面に沿ってテーパ形状をなすエッジ部74が全周にわたって形成されている。
従って、ラッシュアジャスタ60が収縮した状態で内燃機関が始動されると、吸気カム27が最大リフトを過ぎ、吸気弁がバルブスプリングの付勢力により上昇して吸気ポートを閉止する。このとき、ラッシュアジャスタ60のプランジャ62は、吸気カムからの押圧が終了し、プランジャスプリング72の付勢力により上昇して高圧室67を拡大することから、リザーバ室66から高圧室67への作動油の流動が許容される。この場合、プランジャ62は、ピストン部63と嵌合部75がボディ61に支持されながら摺動するため、安定した動作が可能となる。
そして、プランジャ62の上方移動によりロッド部64の外周面に接触しているリザーバ室66における作動油が摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、リザーバ室66におけるロッド部64の周辺部にある作動油が各連通路62cを通して高圧室67から吸引力を受けることとなり、一時的に液面が下降して作動油が高圧室67へ流動する。ところが、本実施例では、リザーバ室66にて、ロッド部64と作動油との接触面積は少なく、摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力は極小である。また、プランジャ62におけるピストン部63の上面の外周部にエッジ部74が設けられており、プランジャ62の上昇時に、エッジ部74のテーパ面74aがボディ61の内壁面に接触する作動油をリザーバ室66の中央部側へ流動させる。そのため、リザーバ室66の作動油が連通路62cを通して高圧室67に流動しても、外周部の作動油がこれを保障するように流動し、リザーバ室66における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室66から高圧室67への空気の混入が防止される。
このように実施例4のラッシュアジャスタ60にあっては、有底筒形状をなすボディ61にプランジャ62のピストン部63及び嵌合部75を摺動自在に嵌合することでリザーバ室66及び高圧室67を区画すると共に、プランジャスプリング72によりプランジャ62が外方に突出する方向に付勢し、高圧室67とリザーバ室66とを連通路62cにより連通し、この連通路62cに高圧室67の圧力に応じて開閉するチェックボール69を設けて構成し、ピストン部63におけるリザーバ室66側の外周部にエッジ部74を設けている。
従って、ラッシュアジャスタ60が収縮した状態で内燃機関が始動されたとき、プランジャ62は吸気カム27から受ける押圧力が解除され、プランジャスプリング72の付勢力により上昇し、リザーバ室66から高圧室67への作動油の流動が許容され、リザーバ室66の作動油が高圧室67から連通路62cを通して吸引力を受け、高圧室67へ流動する。このとき、プランジャ62は、ピストン部63と嵌合部75がボディ61に支持されながら摺動するため、スティックすることなく安定してスムースに移動することができる。また、リザーバ室66の作動油の液面は、プランジャ62におけるロッド部64との摩擦抵抗により上方へ持ち上げられる力を受けると共に、高圧室67から吸引力を受け、一時的に中央部の液面が下降するが、ロッド部64と作動油との摩擦抵抗は小さく、ピストン部63のエッジ部74がボディ61の内壁面に接触する作動油をリザーバ室66の中央部側へ流動させるため、リザーバ室66における作動油の液面の急下降が抑制される。その結果、リザーバ室66から高圧室67への空気の混入が防止され、プランジャ62の作動性を向上することで、ラッシュアジャスタ60の信頼性の向上を図ることができる。
以上のように、本発明に係るラッシュアジャスタは、プランジャがボディから突出する方向に移動するときにリザーバ室内に貯留された作動油における液面上昇を抑制することで、高圧室への空気の混入を防止して信頼性の向上を図るものであり、いずれの内燃機関やその動弁機構に適用しても有用である。
本発明の実施例1に係るラッシュアジャスタの断面図である。 実施例1のラッシュアジャスタにおける分解斜視図である。 実施例1のラッシュアジャスタの伸張状態を表す断面図である。 実施例1のラッシュアジャスタが適用された内燃機関の要部断面図である。 本発明の実施例2に係るラッシュアジャスタの断面図である。 本発明の実施例3に係るラッシュアジャスタの断面図である。 本発明の実施例4に係るラッシュアジャスタの断面図である。 従来ラッシュアジャスタの断面図である。 従来ラッシュアジャスタの伸張状態を表す断面図である。
符号の説明
19 吸気弁
20 排気弁
23,24 バルブスプリング
25 吸気カムシャフト
26 排気カムシャフト
27 吸気カム
28 排気カム
29,30,60 ラッシュアジャスタ
41,61 ボディ
42,62 プランジャ
42c,62c 連通路
43,66 リザーバ室
44,67 高圧室
46,69 チェックボール(チェック弁)
49,72 プランジャスプリング(付勢部材)
51 プランジャ円筒部
51a ガイド溝
52 プランジャ上底部
52a 係止部
53 支持部材(作動油液面上昇抑制手段)
54,55 リング部材(作動油液面上昇抑制手段)
63 ピストン部
64 ロッド部
74 エッジ部(作動油液面上昇抑制手段)
75 嵌合部

Claims (6)

  1. 有底筒形状をなすボディと、前記ボディに摺動自在に嵌合することでリザーバ室及び高圧室を形成するプランジャと、該プランジャを前記ボディから突出する方向に付勢する付勢部材と、前記高圧室と前記リザーバ室とを連通する連通路と、前記高圧室の圧力に応じて前記連通路を開閉するチェック弁とを具えたラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャが前記ボディから突出する方向に移動するときに前記リザーバ室内に貯留された作動油における外周側の液面上昇を抑制する作動油液面上昇抑制手段が設けられたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 請求項1に記載のラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャは、内部に前記リザーバ室を有して外周部が前記ボディに摺動自在に嵌合することで前記高圧室を形成しており、前記作動油液面上昇抑制手段は、基端部がボディに支持されて先端部が前記プランジャ内に延出された支持部材と、該支持部材の先端部に連結されて前記プランジャの内壁面に密着可能であると共に前記リザーバ室内に貯留された作動油の液面に接触可能なリング部材とを有することを特徴とするラッシュアジャスタ。
  3. 請求項2に記載のラッシュアジャスタにおいて、前記リング部材は、外周面が前記プランジャの内壁面に沿った直線形状をなす一方、内周面が前記プランジャの内壁面に向かって傾斜する傾斜形状をなすことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  4. 請求項2または3に記載のラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャが前記ボディ内に没入した位置で、前記リング部材は、前記リザーバ室内に貯留された作動油の液面より上方に位置することを特徴とするラッシュアジャスタ。
  5. 請求項1に記載のラッシュアジャスタにおいて、前記プランジャは、前記ボディに摺動自在に嵌合するピストン部と、該ピストン部に連結されて前記ボディから突出する方向に延出されたロッド部とを有し、前記ピストン部により前記リザーバ室と前記高圧室が区画され、前記作動油液面上昇抑制手段は、前記ピストンにおける前記リザーバ室側の外周部に前記ボディの内壁面に沿ってテーパ形状をなすエッジ部を有することを特徴とするラッシュアジャスタ。
  6. 請求項5に記載のラッシュアジャスタにおいて、前記ロッド部の上部に前記ボディの内周面に摺動自在に嵌合する嵌合部が形成されたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
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