JP2017218993A - フィルタ再生制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】捕集した粒子状物質(PM)の特性を検出してフィルタの再生温度を決定することにより、エネルギ浪費を回避して、フィルタを効率よく再生することのできるフィルタ再生制御装置を提供すること。【解決手段】内燃機関と、この内燃機関に取り付けられる排気管と、この排気管内を流れる排気中に含まれるPMを捕集するDPFとを備える車両に搭載されて、DPFの捕集したPMを燃焼させて当該DPFを再生するフィルタ再生制御装置であって、排気管のDPFの上流側に設置されてPMの電気特性を検出する検出回路50と、PMの燃焼温度を調整して該PMを除去するDPFの再生処理を実行するECU21とを備えており、ECUは、検出回路の検出用電圧計55の出力する検出電圧値Vpmから算出したPMの抵抗率に基づいて当該PMの燃焼温度を更新してDPFの再生処理を実行する。【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の排気を浄化するフィルタの再生処理を実行するフィルタ再生制御装置に関する。
燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関は、燃焼後の排気に含まれる物質を除去して浄化させる装置が設けられる。このような内燃機関では、排気中に含まれる未燃焼燃料やNOxやSOxや粒子状物質(以下、PM:Particulate Matter)を浄化するために触媒やフィルタ(例えば、DPF:diesel particulate filter)などの排気浄化装置を設置することが広く利用されている。
この排気浄化装置は、排気の処理量に伴って性能が低下することから、適宜、再生処理をする必要がある。特に、粒子状物質を除去するフィルタは、捕集したPMが一定量以上になると、圧損の要因となって、動力性能を低下させるとともに、燃焼を妨げてしまう。
このことから、特許文献1には、そのフィルタが捕集したPMの結晶性を内燃機関の運転履歴から特定して、その捕集PMを燃焼除去してフィルタの再生処理を行う温度を決定するフィルタ再生制御装置が開示されている。このフィルタ再生制御装置では、捕集したPMの不完全燃焼や、再生処理に使用する燃料などの浪費がないように、捕集したPMを適切な温度で燃焼させるようになっている。
ここで、内燃機関により生成されてフィルタにより捕集されるPMは、構成成分に炭素成分を含む微粒子状物質である。このPMに含まれる炭素成分は、その生成条件に応じた異なる結晶構造で結晶化あるいは非晶質化される。このことから、PMは、例えば、グラファイトカーボンやアモルファスカーボンなどのように結晶構造の異なる炭素成分が混在している。このグラファイトカーボンやアモルファスカーボンは、その結晶構造により燃焼温度が異なる。
このため、PMは、含まれる炭素成分の結晶構造やその結晶構造毎の含有率に応じて燃焼温度に違いが生じることになる。このことから、フィルタの再生温度を決定する際には、PMに含まれる炭素成分の結晶構造やその含有率が問題になる。このため、フィルタの再生温度は、PMに含まれる炭素成分の結晶構造やその含有率の差異をPMの結晶性というパラメータとして決定する必要がある。すなわち、本明細書においては、PMに含まれる炭素成分の結晶構造やその含有率をPMの結晶性と称して以下を説明する。
ところで、この特許文献1に記載のフィルタ再生制御装置にあっては、フィルタが捕集したPMの結晶性を内燃機関の運転履歴から判断していることから、PMの結晶性を間接的に推定しているだけであり、正確性に欠ける。
このため、内燃機関の駆動時に、推定したPMの結晶性に応じた燃焼温度でフィルタの再生処理を行ったとしても、フィルタ内に未処理のPMが残ったり、その再生処理時に必要以上の燃料を浪費するなどしてしまうことを回避できない場合があった。
そこで、本発明は、捕集した粒子状物質の電気特性を検出してフィルタの再生温度を決定することにより、フィルタを効率よく再生することのできるフィルタ再生制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するフィルタ再生制御装置の発明の一態様は、内燃機関と、前記内燃機関に取り付けられる排気管と、前記排気管内を流れる排気中に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタとを備える車両に搭載されて、前記フィルタの捕集した前記粒子状物質を燃焼させて当該フィルタを再生するフィルタ再生制御装置であって、前記排気管の前記フィルタの上流側に設置されて前記粒子状物質の電気特性を検出する検出装置と、前記粒子状物質の燃焼温度を調整して該粒子状物質を除去する前記フィルタの再生処理を実行する再生制御部と、を備えており、前記再生制御部は、前記検出装置の検出する前記粒子状物質の電気特性に基づいて前記粒子状物質の燃焼温度を決定して調整するように構成されている。
このように本発明の一態様によれば、フィルタに流入する排気に含まれる粒子状物質の電気特性が検出されて、その電気特性に基づいて粒子状物質の燃焼温度、すなわち、フィルタの再生温度を決定することができる。このため、粒子状物質を適正な温度で燃焼させることができ、フィルタ内に未処理の粒子状物質を残すことなく、また、無駄に燃料などを浪費することなく、フィルタの再生処理を行うことができる。
したがって、過不足のない適切な燃料消費で、フィルタの再生処理を実行することができるフィルタ再生制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図10は本発明の一実施形態に係るフィルタ再生制御装置を説明する図であり、図1はそのフィルタ再生制御装置を搭載する車両の一例を示す図である。
図1において、車両100は、動力源として搭載する内燃機関型のエンジン11から変速機19を介して出力される回転動力により不図示の駆動輪が転動されて走行するようになっている。本実施形態のエンジン11は、圧縮点火式のディーゼルエンジンである。このエンジン11は、燃料噴射弁12が不図示の燃焼室(筒内)内に噴射する燃料を不図示の吸気管から引き込む吸気(新気)と混合させて、その混合気を自己着火させることにより燃焼させる。また、このエンジン11は、その燃焼室から掃気される燃焼後の排気を排気マニホールド14を介して排気管15から外気中に排出する。
エンジン11の排気管15には、排気中に含まれる炭化水素や一酸化炭素を浄化する酸化触媒16と、ディーゼルエンジンで発生するPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPF)17とが排気浄化装置として配置されている。
酸化触媒16は、排気管15における排気マニホールド14の下流側に設置されている。この酸化触媒16は、流入する排気中の炭化水素などの浄化処理を行う。また、酸化触媒16は、未燃焼燃料を流入させて排気中の酸素により貯めた炭化水素などを燃焼させて除去する再生処理が適宜行われるようになっている。
DPF17は、排気管15における酸化触媒16の下流側に設置されている。このDPF17は、酸化触媒16を通過して流入する排気中に含まれるPMを捕集する浄化処理を行う。また、DPF17は、酸化触媒16での燃焼により昇温された高温の排気が導入されることにより、PMを燃焼させて除去する再生処理が適宜行われるようになっている。すなわち、酸化触媒16が捕集PMを燃焼除去してDPF17を再生する装置として機能する。
ところで、エンジン11は、車両100に搭載されているECU(Electronic Control Unit)21により燃料噴射弁12などの駆動が統括制御されて所望の駆動トルクを回転動力として出力する。ECU21は、備えるメモリ22内に格納されている制御プログラムを実行することにより、各種情報に応じた制御処理を行う。ここで、ECU21は、後述するように、適宜、カウンタ機能をタイマ23として利用して経過時間を計時(カウント)することもできる。
ECU21には、DPF17の上流側の排気管15に設置されて排気圧力を検出する圧力センサ25と、DPF17の下流側の排気管15に設置されて排気圧力を検出する圧力センサ26と、が検出情報を受け取り可能に接続されている。
このECU21は、圧力センサ25、26から受け取る排気圧力の検出情報からDPF17の前後の排気管15における差圧を算出して、その差圧が予めメモリ22内に設定されている再生閾値よりも大きくなったときに、DPF17に所定以上のPMが堆積しているものと判断して、PDF17を再生する制御プログラムを実行する。このとき、ECU21は、燃料噴射弁12の駆動を制御して所定のタイミングに燃料噴射させることにより、未燃焼燃料を酸化触媒16に処理させてDPF17に高温の排気を流入させることによって捕集した堆積PMを燃焼させる再生処理を実施する。
また、ECU21には、DPF17の上流側の排気管15に設置されて、そのDPF17に流入して捕集されるPMの電気特性を検出するPMセンサ30の2セット(図1中には、30A、30Bとして図示)が検出情報を受け取り可能に接続されている。このECU21は、そのPMセンサ30の検出情報に基づいて再生処理時にDPF17に流入させる排気温度を決定し、酸化触媒16における反応温度がその決定排気温度に達するように燃料噴射弁12からの燃料噴射量などを調整する制御処理を実行するようになっている。
なお、ECU21は、酸化触媒16における反応温度を燃料噴射量などの駆動条件に基づいて演算して、あるいは排気管15の下流側に設置する温度センサの検出情報に基づいて推定して取得するようにしてもよい。また、酸化触媒16に処理させる未燃焼燃料は、燃焼噴射弁12から燃焼室に所定のタイミングで噴射させるだけでなく、例えば、排気管15に、所謂、燃料添加弁を設置して流入させるようにしてもよい。
PMセンサ30は、図2に示すように、センサ部31と、加熱部41とを備えて構築されている。このPMセンサ30は、DPF17に流入する排気中のPMがセンサ部31に堆積することにより、PMの電気特性が検出可能になる。また、このPMセンサ30は、センサ部31に堆積するPMが加熱部41の発熱により燃焼除去されることにより、そのセンサ部31のPM堆積面を絶縁状態にリセットして検出処理を再開可能に再生されるようになっている。
センサ部31には、絶縁基板39の一面側をPM堆積面39fとするように、一対の櫛歯電極33、34と、一対の接続端子35、36とが形成されている。接続端子35、36は、絶縁基板39の一端側短辺部39aに形成されて、櫛歯電極33、34にそれぞれ接続されている。このセンサ部31は、櫛歯電極33および接続端子35と、櫛歯電極34および接続端子36との間の絶縁性が確保されている。
櫛歯電極33、34は、一対の接続端子35、36から絶縁基板39の両長辺部39bに沿って他端側短辺部39c側まで延長されている共通配線33w、34wと、この共通配線33w、34wをそれぞれ共通にして絶縁基板39の内側の直交方向に向かって並列状態に延長されている複数本の検出電極部33s、34sと、により構成されている。この櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34sは、絶縁基板39の長手方向において交互に位置するように形成されて、微小間隔に離隔する櫛歯間隔dになるようにパターニングされている。ここで、以下の説明では、検出電極部33s、34sを櫛歯電極33、34と称して説明する場合もある。
このPMセンサ30は、センサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34sがDPF17の上流側に向かって対面するように排気管15に設置されて機能するようになっている。
これにより、センサ部31は、櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34sの形成領域に、排気中に含まれる検出対象のPMが堆積する(図5を参照)。ここで、PMは、構成成分に炭素成分を含む微粒子状物質であり、その炭素成分は生成条件に応じた結晶構造で結晶化あるいは非晶質化されることから、その結晶構造に応じて燃焼温度が異なる。また、このPMは、このように結晶構造の異なる炭素成分を含むことから、その結晶構造に応じて電気特性も異なる。このため、検出対象のPMは、抵抗率の異なる微粒子状の抵抗体Rtgtとして生成されてセンサ部31に堆積する。この抵抗体Rtgt内には、例えば、グラファイトカーボンやアモルファスカーボンなどのように結晶構造の異なる炭素成分がそれぞれの含有率で混在している。
このことから、このセンサ部31は、その櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34s上に堆積するPM(抵抗体Rtgt)の堆積量に応じた電気特性が検出情報として、後述する検出回路50に接続されているECU21に取得される。
加熱部41は、電熱線43と、一対の接続端子45、46と、一対の導通端子47、48とにより構成されている。電熱線43および導通端子47、48は、センサ部31の絶縁基板39の櫛歯電極33、34(PM堆積面39f)の背面側に接合される絶縁基板49の一面側の接合面49fに形成されている。接続端子45、46は、絶縁基板49の接合面49fの背面側の一端側短辺部49aに形成されている。導通端子47、48は、絶縁基板49の一端側短辺部49aに形成されて、電熱線43の両端部に接続されている。この導通端子47、48は、接続端子45、46に絶縁基板49を貫通するスルーホールなどによりそれぞれ導通接続されている。
電熱線43は、導通配線43wと、加熱配線43hとにより構成されている。導通配線43wは、導通端子47、48から絶縁基板49の両長辺部49bに沿って他端側短辺部49c側まで延長されている。加熱配線43hは、センサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34sの形成領域の背面側に位置して、絶縁基板49の接合面49fの平面内において繰り返し屈曲されて線間隔を狭く形成されることによりヒータとして機能可能にパターニングされている。
このPMセンサ30は、センサ部31の櫛歯電極33、34等の形成されている絶縁基板39のPM堆積面39fの背面に、加熱部41の電熱線43等の形成されている絶縁基板49の接合面49fが密着するように接合されている。この加熱部41は、接続端子45、46に再生用電源61(図4を参照)が接続される。
これにより、加熱部41は、接続端子45、46に接続する再生用電源61から導通端子47、48を介して電熱線43に通電されて、その通電量に応じて、特に加熱配線43hが発熱させられる。この加熱部41は、その加熱配線43hの発熱量を絶縁基板39に伝熱させてセンサ部31の検出電極部33s、34sを加熱することができ、その検出電極部33s、34s間に堆積したPMを燃焼除去して繰り返し利用可能に再生処理を実施することができる。
そして、PMセンサ30は、図3に示すように、センサ部31の櫛歯電極33、34が検出回路50内に組み込まれている。検出回路50では、検出用電源51の出力端子51n、51pの間に、センサ部31の櫛歯電極33、34と固定抵抗値Rsのシャント抵抗56とが直列接続されており、そのシャント抵抗56の両端部に検出用電圧計55が並列接続されている。なお、シャント抵抗56には検出回路50に流れる電流値iに応じた電圧を検出可能にある程度の高抵抗の抵抗器が選択されて接続されている。
この検出回路50は、検出用電源51と検出用電圧計55がECU21に接続されることにより、検出用電源51から検出用印加電圧Vdを出力させ、また、検出用電圧計55の計測する電圧値Vpmを検出情報としてECU21に取得させる回路構成になっている。すなわち、検出回路50が本発明における検出装置を構成している。
これにより、検出回路50は、図5に示すように、センサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34s間に検出対象のPMである抵抗体Rtgtが堆積することにより閉回路になる。このとき、検出回路50では、ECU21により駆動される検出用電源51から検出用印加電圧Vdが出力されることにより、その櫛歯電極33、34間の抵抗体Rtgtに検出用電流Iが通電される。このため、検出回路50では、櫛歯電極33、34間の抵抗体Rtgtに通電された検出用電流Iの回路電流値iに応じてシャント抵抗56の両端間に発生する検出電圧値Vpmが検出用電圧計55により計測(検出)される。ECU21は、その検出電圧値Vpmを堆積PMの電気特性の検出情報として取得することができる。
このPMセンサ30は、図4に示すように、加熱部41の電熱線43が加熱回路60内に組み込まれている。加熱回路60では、加熱部41の電熱線43の接続端子45、46に再生用電源61の出力端子61n、61pが接続されて、この再生用電源61にECU21が接続されている。
この加熱回路60では、再生用電源61から電熱線43に通電させる電力量がECU21により調整されるようになっている。ECU21は、センサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMを燃焼させるのに十分な電力を再生用電源61から出力させる。
これにより、加熱回路60では、ECU21による堆積PMの電気特性の取得処理の終了後や開始前に、加熱部41の電熱線43に通電されて発熱されることにより、図5に示すように、センサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMを燃焼除去することができる。すなわち、この加熱回路60は、センサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34s間の堆積PMを燃焼除去して絶縁状態に戻す(リセットする)ことができ、堆積するPMの電気特性の検出処理を再開可能にする再生処理を実施することができる。
なお、検出回路50の検出用電源51や加熱回路60の再生用電源61は、車両100に搭載されている不図示のバッテリの出力を、例えば、ECU21が制御する別系統のコンバータなどによりそれぞれに適した電圧に変換して印加あるいは通電するようにすればよい。
ところで、PMセンサ30の検出対象のPMは、上述するように、含まれる成分に応じて各種特性に差が生じることになり、例えば、含まれる炭素の種別、言い換えると、炭素の結晶構造などに応じて抵抗率等の電気特性や加熱時の燃焼特性に差が生じる。具体的には、例えば、結晶化された結晶構造のグラファイトカーボンの含有率が高いPMgraは、非晶質化された結晶構造のアモルファスカーボンの含有率が高いPMamoよりも抵抗率が小さく、また、燃焼温度が高くなる傾向にある。
また、検出対象のPMは、PMセンサ30のセンサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34sの間に堆積される際に、図5に示すように、微細な抵抗体Rtgt同士として互いに接触することにより、その櫛歯電極33、34の間を導通状態にして電気特性が検出可能になる。
このため、検出対象のPMは、PMセンサ30による検出処理が開始されたセンサ部31への堆積当初には抵抗体Rtgt同士の接触が少ない。このことから、このときのECU21は、図6に示すように、櫛歯電極33、34間が絶縁状態にあることを示す実質ゼロVの検出用電圧計55の検出電圧値Vpmを取得する。この後に、検出対象のPMは、センサ部31に堆積することにより、その櫛歯電極33、34間の抵抗体Rtgt同士が接触して導通状態になる。このことから、このときのECU21は、図6に示すように、そのPM(抵抗体Rtgt)の抵抗率rに応じた検出用電圧計55の検出電圧値Vpmを取得する。
この検出対象のPMは、PMセンサ30のセンサ部31の櫛歯電極33、34間において、微小な抵抗体Rtgt同士の導通接触により通電可能にする。このように、そのPMの堆積当初には抵抗体Rtgtの接触面積が小さく櫛歯電極33、34間の通電電流Iも微小電流から徐々に上昇する程度である。このことから、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmに抵抗体Rtgtの抵抗率rの差が現れるのには時間が掛かる。
このため、PMの検出処理においては、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmと比較する後述の導通閾値を微小電圧に設定しておくことにより、検出対象のPMに含まれる炭素成分の結晶構造や含有率、すなわち、結晶性が異なる場合でも、略同様な堆積量で導通状態になったことを判別することができる。このことから、ECU21は、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmが導通閾値に到達するタイミングを検出開始基準時として利用することができ、その時点からのPMの堆積量や結晶性に応じた電気特性の差異を取得して、検出対象のPMの燃焼温度などを特定することができる。
具体的に、検出対象が、図6に実線で示すアモルファスカーボンの含有率が高いPMamoの場合と、図6に破線で示すグラファイトカーボンの含有率が高いPMgraの場合とでは、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmが導通閾値を超えるタイミングに大きな時間差はなく、ほぼ同じタイミングを検出開始基準時とすることができる。その検出開始基準時の後に堆積量が上昇するのに伴って、グラファイトカーボンのPMgraは、小抵抗率であるために通電量も増加して、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmが急上昇していることが分かる。これに対して、アモルファスカーボンのPMamoは、高抵抗率であるために通電量の増加が抑えられて、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmも緩やかに上昇していることが分かる。
例えば、図7に示すように、PMセンサ30のセンサ部31の櫛歯電極33、34間に検出対象のPMが同量堆積する場合でも、アモルファスカーボンの含有率が大きなPMamoでは高抵抗率であるのに対して、グラファイトカーボンの含有率が大きなPMgraでは低抵抗率であることが分かる。また、同様に、図8に示すように、同じ堆積量で同様な加熱処理時間で燃焼除去可能な温度で比較すると、例えば、アモルファスカーボンの含有率が大きなPMamoの燃焼温度は620℃であるのに対して、グラファイトカーボンの含有率が大きなPMgraの燃焼温度は735℃と大きな差があることが分かる。なお、この図7における抵抗率や図8における燃焼温度は、一例に過ぎず、PMの結晶性に応じて変動する。
ここで、PMセンサ30の検出対象のPMの各種特性は、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmが既定値に至るまでの検出時間(PMの堆積時間)をパラメータとして演算処理することにより特定することが考えられる。例えば、検出用電圧計55の検出電圧値Vpmは、PMセンサ30のセンサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMの抵抗成分に、その櫛歯電極33、34間の通電電流I(検出電流I)が連動して変化する。このことから、その検出電圧値Vpmが既定値に至るまでの検出時間に基づいてPMの電気特性の抵抗率rを決定して、そのPMに含まれる炭素成分の結晶性に対応するPMの燃焼温度を取得することが考えられる。
しかしながら、PMセンサ30のセンサ部31に堆積するPMは、エンジン11の駆動条件などに応じて構成成分、すなわち、結晶性が変動する。このことから、センサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMの抵抗率rも変動することになる。また、PMの生成速度もエンジン11の駆動条件などに応じて変動することから、その櫛歯電極33、34間でのPMの堆積速度uも変動することになる。さらに、PMセンサ30のセンサ部31に堆積するPMは、上述するように、その櫛歯電極33、34間を導通状態にして初めて電気特性が検出可能になる。このことから、PMセンサ30の検出用電圧計55の検出電圧値Vpmが既定値に達するまでの検出時間に、櫛歯電極33、34間を導通状態にするまでの堆積時間がどの程度含まれるのかが不明である。
このことから、本実施形態では、上述するように、2セットのPMセンサ30A、30Bを排気管15に、それぞれのセンサ部31に同様の状態でPMが堆積するように設置している。このPMセンサ30A、30Bは、それぞれのセンサ部31の櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34s間に同様な回路電流値iが流れることになり、ECU21は、そのPMセンサ30A、30B毎の回路電流値iに応じた検出電圧値Vpmを取得するように検出用電圧計55に接続されている。
これにより、ECU21は、PMセンサ30A、30B毎のセンサ部31の櫛歯電極33、34に、同時期に、かつ同様に堆積するPMに関する別個の情報を取得することができ、排気中に含まれるPMの生成量や構成成分、すなわち、堆積量や炭素成分などが微妙に変動する場合でも、その堆積PMに応じた各種情報を正確に取得することができる。言い換えると、ECU21が1セットのPMセンサ30から別個の情報を順次に取得する場合、その異なる取得期間毎にPMの生成量や構成成分が変動してしまっては、取得するPMに関する情報の正確性や信頼性に欠けることになるが、PMセンサ30A、30B毎に別個の情報を同時期のPMから取得することにより、その正確性や信頼性を確保することができる。
ここで、以下の説明では、PMセンサ30A、30B毎に、センサ部31などにも同様に符号A、Bを付すことにより、適宜、区別可能に説明する。
具体的に、図9に示すように、PMセンサ30A、30Bは、加熱部41A、41Bの電熱線43A、43Bに再生用電源61A、61Bから通電されてセンサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bに堆積するPMが燃焼除去される再生処理が施される。これにより、PMセンサ30A、30Bは、センサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34B間が絶縁状態にされて検出用電圧計55A、55Bの検出電圧値VpmがゼロVにリセットされる。
このPMセンサ30A、30Bは、その検出用電圧計55A、55B毎の検出電圧値Vpmがリセットされた後のそれぞれの所定タイミングに、再生用電源61A、61Bからの通電が適宜停止されてセンサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34BへのPMの堆積が開始(再開)される。これにより、PMセンサ30A、30Bは、加熱回路60A、60Bにより堆積PMが燃焼除去された後に、センサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bに再度堆積するPMの堆積量に応じて、検出回路50A、50Bの検出用電圧計55A、55Bの検出電圧値Vpmが上昇される。
そして、ECU21は、PMセンサ30Aにおいて、センサ部31Aの再生処理の完了後、すなわち、櫛歯電極33A、34Aの絶縁化後に加熱部41Aの電熱線43Aへの再生用電源61Aからの通電を停止する。この後に、ECU21は、検出用電源51Aから検出用印加電圧Vdを出力して櫛歯電極33A、34Aに印加することにより、検出用電圧計55Aの検出電圧値Vpmを取得する処理を開始する。
また、ECU21は、PMセンサ30Aのセンサ部31の櫛歯電極33A、34Aにおける検出用電圧計55Aの検出電圧値Vpmがメモリ22内に予め設定されている導通閾値に達するPM堆積時間s´が経過したとき、PMセンサ30Bにおいても同様に、センサ部31Bの再生処理を停止する。この後に、ECU21は、検出用電源51Bから検出用印加電圧Vdを出力して櫛歯電極33B、34Bに印加することにより、検出用電圧計55Bの検出電圧値Vpmを取得する処理を開始する。
このECU21は、PMセンサ30Bのセンサ部31Bの櫛歯電極33B、34Bにおける検出用電圧計55Bの検出電圧値Vpmが上記の導通閾値に達したときに、その櫛歯電極33B、34B間が導通状態になるまでに掛かったPM堆積時間s(≠s´)を取得する。このとき、ECU21は、PMセンサ30Bの検出電圧値Vpmが導通閾値に達した時点でのPMセンサ30Aのセンサ部31Aの櫛歯電極33A、34A間における検出用電圧計55Aの検出電圧値Vpmを取得する。さらに、ECU21は、櫛歯電極33A、34Aの櫛歯間隔dをPM堆積時間sにより除算することによりPM堆積速度uを算出して、堆積するPMの抵抗率rを次の演算式(f)
r={(u×s)2×Vd×Rs}/(Vpm×d) ・・・(f)
r:PMの抵抗率、u:PMの堆積速度、s:PMの堆積時間s
Vd:検出用印加電圧、Rs:シャント抵抗値、Vpm:検出電圧値、d:櫛歯間隔
から求めて取得する。このECU21は、その取得したPMの抵抗率rに基づいて、メモリ22内に予め格納されているPMの炭素成分の結晶性、すなわち、アモルファスカーボンとグラファイトカーボンとの含有率に応じた燃焼温度のマップを参照して、堆積するPMを燃焼除去するのに必要十分な燃焼温度を特定して、DPF17の再生温度を決定するようになっている。すなわち、ECU21が本発明における再生制御部を構成している。なお、本実施形態では、PMの抵抗率rの演算式の一例を説明するが、これに限るものではなく、他の演算式を用いて、PMの抵抗率rを取得するようにしてもよい。
r={(u×s)2×Vd×Rs}/(Vpm×d) ・・・(f)
r:PMの抵抗率、u:PMの堆積速度、s:PMの堆積時間s
Vd:検出用印加電圧、Rs:シャント抵抗値、Vpm:検出電圧値、d:櫛歯間隔
から求めて取得する。このECU21は、その取得したPMの抵抗率rに基づいて、メモリ22内に予め格納されているPMの炭素成分の結晶性、すなわち、アモルファスカーボンとグラファイトカーボンとの含有率に応じた燃焼温度のマップを参照して、堆積するPMを燃焼除去するのに必要十分な燃焼温度を特定して、DPF17の再生温度を決定するようになっている。すなわち、ECU21が本発明における再生制御部を構成している。なお、本実施形態では、PMの抵抗率rの演算式の一例を説明するが、これに限るものではなく、他の演算式を用いて、PMの抵抗率rを取得するようにしてもよい。
ここで、センサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMの抵抗値Rpmは、櫛歯電極33、34の検出電極部33s、34s間を導通させた後にさらにその離間方向と直交する2次元方向に堆積するPMの堆積量で決まる。このため、そのPMの抵抗値Rpmは、次式(1)
Rpm={r/(u×s)2}×d ・・・(1)
のようにおくことができる。要するに、上記の演算式(f)においては、櫛歯電極33、34の櫛歯間隔dを固定値として、他の2次元方向毎で変化するパラメータの堆積速度uおよび堆積時間sの乗算項を2乗するようにしている。
Rpm={r/(u×s)2}×d ・・・(1)
のようにおくことができる。要するに、上記の演算式(f)においては、櫛歯電極33、34の櫛歯間隔dを固定値として、他の2次元方向毎で変化するパラメータの堆積速度uおよび堆積時間sの乗算項を2乗するようにしている。
また、センサ部31の櫛歯電極33、34間に堆積するPMの抵抗値Rpmは、抵抗率rのPMの抵抗体Rtgtが堆積して櫛歯電極33、34の微小な櫛歯間隔dで離隔する検出電極部33s、34s間を導通させた後の電気特性値であり、シャント抵抗値Rsよりも大きな制限抵抗として機能する抵抗値(Rs≪Rpm)となる。このため、センサ部31を含む検出回路50における回路電流値iは次式(2)
i=Vd/(Rs+Rpm) ・・・(2)
で算出することから、検出電圧値Vpmは次式(3)
Vpm=i×Rs={Vd/(Rs+Rpm)}×Rs=(Vd/Rpm)×Rs ・・・(3)
のように簡素化することができる。要するに、上記の演算式(f)においては、回路電流値iを求める際のシャント抵抗値Rsの項を省いてPM抵抗値Rpmの項からPM抵抗率rを算出するようにしている。
i=Vd/(Rs+Rpm) ・・・(2)
で算出することから、検出電圧値Vpmは次式(3)
Vpm=i×Rs={Vd/(Rs+Rpm)}×Rs=(Vd/Rpm)×Rs ・・・(3)
のように簡素化することができる。要するに、上記の演算式(f)においては、回路電流値iを求める際のシャント抵抗値Rsの項を省いてPM抵抗値Rpmの項からPM抵抗率rを算出するようにしている。
そして、ECU21は、車両100のイグニッションスイッチがオンされたときに制御プログラムを実行する。このECU21は、圧力センサ25、26の検出情報から算出する排気管15のDPF17前後における差圧がメモリ22内に予め格納する再生準備閾値よりも大きくなったときに、DPF17の再生処理に最適な堆積PMの燃焼温度を決定する再生準備処理を実行する。このECU21は、その堆積PMの燃焼温度の決定後に、排気管15のDPF17前後の差圧が再生閾値を超えたときに、そのDPF17の堆積PMを燃焼除去する再生処理を実行するようになっている。
ここで、本実施形態では、再生閾値とは別に再生準備閾値をメモリ22内に格納してPMの燃焼温度を決定する制御処理をECU21が実行する場合を一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、ECU21は、排気管15のDPF17前後の差圧が再生閾値を超えたタイミングにPMの燃焼温度を決定して、その後に続けて、DPF17の再生処理を実行するようにしてもよい。なお、再生準備閾値は、再生閾値よりも小さめの値を適宜設定すればよく、例えば、その再生閾値に達するまでに、堆積PMの燃焼温度を決定するのに必要な時間を十分に確保することができる程度の値を設定すればよい。
詳細に、ECU21は、例えば、図10のフローチャートに示す制御プログラムを実行する。まず、ECU21は、排気管15内の排気圧力を検出する圧力センサ25、26の検出情報からDPF17前後の差圧を算出し(ステップS11)、その差圧が再生準備閾値を超えたか否かを確認して(ステップS12)、超えていない場合にはステップS11に戻って同様の処理を繰り返す。
ステップS12において、排気管15のDPF17前後の差圧が再生準備閾値を超えたことを確認したECU21は、PMセンサ30A、30Bの加熱部41A、41Bの電熱線43A、43Bに再生用電源61A、61Bから通電してセンサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bに堆積するPMを燃焼除去する再生処理を開始する(ステップS13)。このとき、ECU21は、PMセンサ30A、30Bの再生処理の開始時に、タイマ23をリセットして、その再生処理の開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS14)。ここで、センサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bに堆積するPMは、少量であることから、燃焼除去に必要な電力量は少なく済む。このため、ECU21は、再生処理の実行時において、その堆積PMの結晶性に拘わらずに、センサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34BをPMの燃焼除去可能な温度に十分に昇温させることのできる電力を電熱線43A、43Bに通電するようになっている。
次いで、ECU21は、タイマ23のカウントする経過時間がセンサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bの再生処理に必要な時間として予めメモリ22内に設定されている絶縁化時間を経過したか否かを繰り返し確認する(ステップS15)。
ステップS15において、センサ部31A、31Bの櫛歯電極33A、34A、33B、34Bの再生処理に必要な絶縁化時間が経過したことを確認したECU21は、まずは、1つのPMセンサ30Aの電熱線43Aへの通電による櫛歯電極33A、34Aの加熱を停止して(ステップS16)、その櫛歯電極33A、34Aに検出用電源51Aから既定の検出用印加電圧Vdを印加して検出用電圧計55Aによる検出電圧値Vpmの計測を開始する(ステップS17)。
次いで、ECU21は、PMセンサ30Aのセンサ部31Aの櫛歯電極33A、34A間の絶縁化後に、ゼロVであった検出用電圧計55Aによる検出電圧値VpmがPMの堆積によりメモリ22内の導通閾値以上に達しているか否か繰り返し確認する(ステップS18)。
ステップS18において、PMセンサ30Aの櫛歯電極33A、34A間の検出電圧値Vpmが導通閾値以上に達したことを確認したECU21は、PMセンサ30Aに続けて、もう1つのPMセンサ30Bの電熱線43Bへの通電による櫛歯電極33B、34Bの加熱を停止して(ステップS19)、その櫛歯電極33B、34Bに検出用電源51Bから既定の検出用印加電圧Vdを印加して検出用電圧計55Bによる検出電圧値Vpmの計測を開始する(ステップS20)。このとき、ECU21は、タイマ23を再度リセットして、その再生処理の停止からの経過時間の計測を開始する(ステップS21)。
次いで、ECU21は、PMセンサ30Aと同様に、もう1つのPMセンサ30Bのセンサ部31Bの櫛歯電極33B、34B間の検出用電圧計55による検出電圧値VpmがPMの堆積によりメモリ22内の導通閾値以上に達しているか否か繰り返し確認する(ステップS22)。
ステップS22において、PMセンサ30Bの櫛歯電極33B、34B間の検出電圧値Vpmが導通閾値以上に達したことを確認したECU21は、導通閾値に到達後もPMの堆積を継続させているPMセンサ30Aのセンサ部31Aの櫛歯電極33A、34A間の検出用電圧計55Aによる検出電圧値Vpmを取得するとともに、同時に、再度リセットしてからのタイマ23の経過時間を堆積時間sとして取得する(ステップS23)
次いで、ECU21は、予めメモリ22内に設定されているセンサ部31における既定の櫛歯電極33、34の櫛歯間隔dを読み出して、取得したPMの堆積時間sにより除算することによりPMの堆積速度uを算出して取得する(ステップS24)。
次いで、このECU21は、その櫛歯電極33、34の櫛歯間隔dに加えて、予めメモリ22内に設定されている既定の検出用印加電圧Vdおよびシャント抵抗値Rsも読み出して、取得した検出電圧値VpmとPMの堆積時間sと共に上記の演算式(f)に代入して、センサ部31Aの櫛歯電極33A、34Aに堆積するPMの抵抗率rを算出して取得する(ステップS25)。
この後に、ECU21は、その取得したPMの抵抗率rに基づいて、メモリ22内のマップを参照して、そのPMの結晶性、すなわち、PMの炭素成分におけるアモルファスカーボンのPMamoとグラファイトカーボンのPMgraとの含有率に応じた燃焼温度を決定して取得する(ステップS26)。
次いで、ECU21は、メモリ22内に設定済みのDPF17の再生温度をその決定したPMの燃焼温度に更新した後に(ステップS27)、ステップS11と同様に、排気管15のDPF17前後の排気圧力の差圧を算出し(ステップS28)、その差圧が再生閾値を超えたか否かを確認して(ステップS29)、超えていない場合にはステップS28に戻って同様の処理を繰り返す。
ステップS29において、排気管15のDPF17前後の差圧が再生閾値を超えたことを確認したECU21は、燃料噴射弁12から所定のタイミングに燃料噴射させることにより、酸化触媒16からDPF17に流入させる排気をメモリ22内の再生温度に昇温させて捕集PMを燃焼除去する再生処理を実施する(ステップS30)。
これにより、ECU21は、PMセンサ30Bの櫛歯電極33B、34Bに堆積するPMの堆積速度uと、PMセンサ30Aの櫛歯電極33A、34Aに堆積するPMの堆積量に応じた検出電圧値Vpmとを同時期に取得して、DPF17に捕集されるPMの電気特性として抵抗率rを高精度に算出することができる。このため、ECU21は、メモリ22内のマップを参照して、そのPMの抵抗率rに対応する燃焼温度を特定して取得することができ、DPF17に捕集されているPMを燃焼除去するための再生温度を精度良く更新して調整することができる。
このように、本実施形態のECU21においては、DPF17に捕集されているPMの結晶性、すなわち、アモルファスカーボンとグラファイトカーボンとの含有率に応じた燃焼温度を、そのPMの抵抗率rに基づいて決定してDPF17の再生温度とすることができる。このため、エンジン11の排気中に含まれるPMの堆積速度uや炭素成分などが変動する場合でも、そのPMの燃焼温度を信頼性高く高精度に取得して、酸化触媒16の排気温度を最適化することができる。
したがって、ECU21は、DPF17の再生温度が低くて未処理のPMが残ってしまったり、酸化触媒16の排気温度を無駄に上げ過ぎてしまうことを回避することができ、過不足のない適切な燃料噴射量でDPF17の再生処理を実行することができる。この結果、ECU21は、DFP17に起因する圧損の発生を安価に回避しつつ排気の清浄性を確保することができる。
ここで、本実施形態においては、DPF17の再生温度を決定する場合を一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、本実施形態の第1の他の態様として、PMセンサ30のセンサ部31の再生温度、すなわち、加熱部41の電熱線43に通電して櫛歯電極33、34の堆積PMを燃焼除去する絶縁化処理時の加熱温度も併せてフィードバック処理して更新するようにしてもよく、その絶縁化処理時における電気エネルギの浪費を抑えるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、エンジン11によるPMの生成量や炭素成分が安定しない場合に備えて、PMセンサ30を2セット設置する場合を一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、本実施形態の第2の他の態様として、エンジン11のPMの生成量が一定である場合、PMセンサ30を1セットにしてもよい。この場合、まずは、櫛歯電極33、34の絶縁化処理後にPMの堆積時間sを取得して堆積速度uを算出し、この後に続けて、さらにその堆積時間sが経過、すなわち、絶縁化処理から2倍の堆積時間sが経過した時点での検出電圧値Vpmを検出することにより、PMの抵抗率rを算出するようにしてもよい。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
11 エンジン(内燃機関)
15 排気管
16 酸化触媒
17 DPF(フィルタ)
21 ECU(再生制御部)
30、30A、30B PMセンサ
31、31A、31B センサ部
33、34、33A、34A、33B、34B 櫛歯電極
41、41A、41B 加熱部
43、43A、43B 電熱線
50、50A、50B 検出回路(検出装置)
60、60A、60B 加熱回路
100 車両
15 排気管
16 酸化触媒
17 DPF(フィルタ)
21 ECU(再生制御部)
30、30A、30B PMセンサ
31、31A、31B センサ部
33、34、33A、34A、33B、34B 櫛歯電極
41、41A、41B 加熱部
43、43A、43B 電熱線
50、50A、50B 検出回路(検出装置)
60、60A、60B 加熱回路
100 車両
Claims (1)
- 内燃機関と、前記内燃機関に取り付けられる排気管と、前記排気管内を流れる排気中に含まれる粒子状物質を捕集するフィルタとを備える車両に搭載されて、前記フィルタの捕集した前記粒子状物質を燃焼させて当該フィルタを再生するフィルタ再生制御装置であって、
前記排気管の前記フィルタの上流側に設置されて前記粒子状物質の電気特性を検出する検出装置と、前記粒子状物質の燃焼温度を調整して該粒子状物質を除去する前記フィルタの再生処理を実行する再生制御部と、を備えており、
前記再生制御部は、前記検出装置の検出する前記粒子状物質の電気特性に基づいて当該粒子状物質の燃焼温度を決定して調整する、フィルタ再生制御装置。
Priority Applications (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113685245A (zh) * | 2020-05-19 | 2021-11-23 | 丰田自动车株式会社 | 排气净化装置以及排气净化装置的控制方法 |
-
2016
- 2016-06-08 JP JP2016114558A patent/JP2017218993A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113685245A (zh) * | 2020-05-19 | 2021-11-23 | 丰田自动车株式会社 | 排气净化装置以及排气净化装置的控制方法 |
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