JP2017218522A - 積層体、繊維強化複合材料、および電子機器または電気機器の筐体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量であり、かつ難燃性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる、プリプレグを含む積層体を提供する。【解決手段】炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)12aの1枚以上からなる第1の最表層(X1)12と;炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)14aの1枚以上からなる第2の最表層(X2)14と;第1の最表層(X1)12と第2の最表層(X2)14との間に存在し、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)16とを有する、積層体10。【選択図】図1
Description
本発明は、プリプレグを含む積層体、積層体の硬化物である繊維強化複合材料、および繊維強化複合材料を備えた、電子機器または電気機器の筐体に関する。
繊維強化複合材料(FRPともいう。)は、軽量、高強度、かつ高剛性であることから、スポーツ・レジャー用途、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等の様々な用途に幅広く用いられている。
電子機器・電気機器用途としては、パーソナルコンピューター(PC)、電話、家電、医療機器等の筐体等が挙げられる。ノート型PC、携帯電話等のように携帯用途のものについては、軽量であることが求められているため、筐体についても薄肉であることが求められる。筐体を薄肉とした場合、外部から荷重がかかった際に、筐体の一部が撓んで内部部品と接触して内部部品が破損したり、筐体自体が破損したりすることがあるため、筐体は、高強度、高剛性等の機械的特性を有する必要がある。そのため、電子機器・電気機器の筐体として、繊維強化複合材料が注目されている。
また、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等においては、材料が難燃性を有することが強く求められている。そのため、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等に用いられる繊維強化複合材料にも、難燃性を有することが求められている。
軽量な繊維強化複合材料としては、例えば、下記のものが提案されている。
(1)連続繊維束を有する連続繊維強化シートを含む少なくとも3層以上からなる積層体からなり、意匠面を構成する最表層から2層目にポリエチレンテレフタレート等の不織布シートが挟まれるとともに、最表層の連続繊維束の配向方向に直交する方向に湾曲してなることを特徴とする湾曲形状を有する繊維強化プラスチック成形品(特許文献1)。
(1)連続繊維束を有する連続繊維強化シートを含む少なくとも3層以上からなる積層体からなり、意匠面を構成する最表層から2層目にポリエチレンテレフタレート等の不織布シートが挟まれるとともに、最表層の連続繊維束の配向方向に直交する方向に湾曲してなることを特徴とする湾曲形状を有する繊維強化プラスチック成形品(特許文献1)。
難燃性を有する繊維強化複合材料としては、例えば、下記のものが提案されている。
(2)リン含有エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、硬化促進剤としての特定の尿素化合物とを含むエポキシ樹脂組成物を含むプリプレグを用いた繊維強化複合材料(特許文献2)。
(2)リン含有エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、硬化促進剤としての特定の尿素化合物とを含むエポキシ樹脂組成物を含むプリプレグを用いた繊維強化複合材料(特許文献2)。
しかし、(1)の繊維強化プラスチック成形品においては、難燃性について何ら検討はされていない。
(2)の繊維強化複合材料は、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維が用いられているため、軽量化が不十分である。
(2)の繊維強化複合材料は、強化繊維としてガラス繊維や炭素繊維が用いられているため、軽量化が不十分である。
本発明は、軽量であり、かつ難燃性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる、プリプレグを含む積層体;軽量であり、かつ難燃性に優れた繊維強化複合材料;および電子機器または電気機器の筐体を提供する。
繊維強化複合材料の軽量化には、強化繊維として比重の軽い繊維を用いることが有効である。しかし、炭素繊維やガラス繊維を用いた繊維強化複合材料において、強化繊維の一部を熱可塑性樹脂繊維に置き換えた場合、熱可塑性樹脂繊維は可燃性であるため、得られる繊維強化複合材料の難燃性は低下すると考えられる。ところが、本発明者らが鋭意検討した結果、特定の熱可塑性樹脂繊維を特定の層に配置した積層体を用いることによって、繊維強化複合材料の軽量化と難燃性とを高いレベルで両立できることを本発明者らは見出し、本発明に至った。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる第1の最表層(X1)と;炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる第2の最表層(X2)と;前記第1の最表層(X1)と前記第2の最表層(X2)との間に存在し、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)とを有する、積層体。
<2>前記中間層(Y)が、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材を含む、前記<1>の積層体。
<3>前記中間層(Y)における繊維基材が、不織布である、前記<1>または<2>の積層体。
<4>前記中間層(Y)が、前記繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(y)を含む、前記<2>または<3>の積層体。
<5>前記第1の最表層(X1)におけるプリプレグ(x1)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、前記<1>〜<4>のいずれかの積層体。
<6>前記第2の最表層(X2)におけるプリプレグ(x2)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、前記<1>〜<5>のいずれかの積層体。
<7>前記第1の最表層(X1)における繊維目付および前記第2の最表層(X2)における繊維目付が、100〜400g/m2である、前記<1>〜<6>のいずれかの積層体。
<8>前記中間層(Y)における繊維目付が、100〜800g/m2である、前記<1>〜<7>のいずれかの積層体。
<9>前記難燃剤の少なくとも1つが、リン含有難燃剤である、前記<1>〜<8>のいずれかの積層体。
<10>前記<1>〜<9>のいずれかの積層体の硬化物である、繊維強化複合材料。
<11>前記<10>の繊維強化複合材料を備えた、電子機器または電気機器の筐体。
<1>炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる第1の最表層(X1)と;炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる第2の最表層(X2)と;前記第1の最表層(X1)と前記第2の最表層(X2)との間に存在し、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)とを有する、積層体。
<2>前記中間層(Y)が、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材を含む、前記<1>の積層体。
<3>前記中間層(Y)における繊維基材が、不織布である、前記<1>または<2>の積層体。
<4>前記中間層(Y)が、前記繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(y)を含む、前記<2>または<3>の積層体。
<5>前記第1の最表層(X1)におけるプリプレグ(x1)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、前記<1>〜<4>のいずれかの積層体。
<6>前記第2の最表層(X2)におけるプリプレグ(x2)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、前記<1>〜<5>のいずれかの積層体。
<7>前記第1の最表層(X1)における繊維目付および前記第2の最表層(X2)における繊維目付が、100〜400g/m2である、前記<1>〜<6>のいずれかの積層体。
<8>前記中間層(Y)における繊維目付が、100〜800g/m2である、前記<1>〜<7>のいずれかの積層体。
<9>前記難燃剤の少なくとも1つが、リン含有難燃剤である、前記<1>〜<8>のいずれかの積層体。
<10>前記<1>〜<9>のいずれかの積層体の硬化物である、繊維強化複合材料。
<11>前記<10>の繊維強化複合材料を備えた、電子機器または電気機器の筐体。
本発明の積層体によれば、軽量であり、かつ難燃性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
本発明の電子機器または電気機器の筐体は、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
本発明の繊維強化複合材料は、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
本発明の電子機器または電気機器の筐体は、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「最表層」とは、第1の面が積層体の表面となり、第2の面が最表層以外の層と接している層をいう。最表層と、最表層以外の層との境界は、最表層の強化繊維基材が、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなり、最表層以外の層が、炭素繊維およびガラス繊維以外の繊維を含む、または炭素繊維およびガラス繊維を含まないことから、明確に規定できる。
「エポキシ樹脂」とは、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物をいう。
「最表層」とは、第1の面が積層体の表面となり、第2の面が最表層以外の層と接している層をいう。最表層と、最表層以外の層との境界は、最表層の強化繊維基材が、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなり、最表層以外の層が、炭素繊維およびガラス繊維以外の繊維を含む、または炭素繊維およびガラス繊維を含まないことから、明確に規定できる。
「エポキシ樹脂」とは、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物をいう。
<積層体>
本発明の積層体は、プリプレグを含む積層体であり、繊維強化複合材料の製造に用いられるものである。
本発明の積層体は、プリプレグを含む積層体であり、繊維強化複合材料の製造に用いられるものである。
本発明の積層体は、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる第1の最表層(X1)と;炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる第2の最表層(X2)と;第1の最表層(X1)と第2の最表層(X2)との間に存在し、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)とを有する。
図1は、本発明の積層体の一例を示す断面図である。
積層体10は、1枚のプリプレグ(x1)12aからなる第1の最表層(X1)12と;1枚のプリプレグ(x2)14aからなる第2の最表層(X2)14と;第1の最表層(X1)12と第2の最表層(X2)14との間に存在する、2枚のプリプレグ(y)16aからなる中間層(Y)16とを有する。
積層体10は、1枚のプリプレグ(x1)12aからなる第1の最表層(X1)12と;1枚のプリプレグ(x2)14aからなる第2の最表層(X2)14と;第1の最表層(X1)12と第2の最表層(X2)14との間に存在する、2枚のプリプレグ(y)16aからなる中間層(Y)16とを有する。
図2は、本発明の積層体の他の例を示す断面図である。
積層体10は、2枚のプリプレグ(x1)12aからなる第1の最表層(X1)12と;2枚のプリプレグ(x2)14aからなる第2の最表層(X2)14と;第1の最表層(X1)12と第2の最表層(X2)14との間に存在する、2枚のプリプレグ(y)16aからなる中間層(Y)16とを有する。
積層体10は、2枚のプリプレグ(x1)12aからなる第1の最表層(X1)12と;2枚のプリプレグ(x2)14aからなる第2の最表層(X2)14と;第1の最表層(X1)12と第2の最表層(X2)14との間に存在する、2枚のプリプレグ(y)16aからなる中間層(Y)16とを有する。
なお、本発明の積層体は、図示例の積層体に限定されない。第1の最表層(X1)は、プリプレグ(x1)の3枚以上からなるものであってもよい。第2の最表層(X2)は、プリプレグ(x2)の3枚以上からなるものであってもよい。中間層(Y)は、プリプレグ(y)の1枚からなるものであってもよく、プリプレグ(y)の3枚以上からなるものであってもよい。中間層(Y)は、ポリエチレンテレフタレート繊維またはアクリル繊維を含む層であればよく、プリプレグからなる層でなくてもよい。中間層(Y)は、2層以上であってもよい。第1の最表層(X1)と中間層(Y)との間、第2の最表層(X2)と中間層(Y)との間、および2つの中間層(Y)の間のいずれか1箇所以上に、第1の最表層(X1)、第2の最表層(X2)および中間層(Y)以外の他の層(Z)を有してもよい。
(第1の最表層(X1))
第1の最表層(X1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる。なお、第1の最表層(X1)がプリプレグ(x1)の2枚以上からなる層である場合、第1の最表層(X1)は、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じ1種類のプリプレグ(x1)からなるものであってもよく、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なる2種類以上のプリプレグ(x1)からなるものであってもよい。
第1の最表層(X1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる。なお、第1の最表層(X1)がプリプレグ(x1)の2枚以上からなる層である場合、第1の最表層(X1)は、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じ1種類のプリプレグ(x1)からなるものであってもよく、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なる2種類以上のプリプレグ(x1)からなるものであってもよい。
第1の最表層(X1)においては、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、プリプレグ(x1)の少なくとも1つが炭素繊維を含む強化繊維基材を含むものであることが好ましい。
第1の最表層(X1)における繊維目付は、100〜400g/m2が好ましく、150〜350g/m2がより好ましい。第1の最表層(X1)における繊維目付が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れ、かつ繊維強化複合材料が十分な機械的特性を有する。第1の最表層(X1)における繊維目付が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の縦方向剛性と横方向剛性との差が生じにくく、繊維直交方向の割れが抑止される。
(プリプレグ(x1))
プリプレグ(x1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(x1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(x1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(x1)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物の含有率(以下、樹脂含有率と記す。)は、プリプレグ(x1)の100質量%のうち、15質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上45質量%以下がより好ましく、25質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。樹脂含有率が前記範囲の下限値以上であれば、強化繊維とエポキシ樹脂組成物との接着性に優れる。樹脂含有率が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる。
(強化繊維基材)
プリプレグ(x1)における強化繊維基材は、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる。
強化繊維基材は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、炭素繊維を含むことが好ましく、炭素繊維からなることが特に好ましい。
強化繊維基材は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、炭素繊維およびガラス繊維以外の他の繊維を含まないことが好ましい。
プリプレグ(x1)における強化繊維基材は、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる。
強化繊維基材は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、炭素繊維を含むことが好ましく、炭素繊維からなることが特に好ましい。
強化繊維基材は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、炭素繊維およびガラス繊維以外の他の繊維を含まないことが好ましい。
強化繊維基材の形態としては、長繊維が一方向に引き揃えられたもの、織物、ノンクリンプファブリック等が挙げられる。
炭素繊維としては、JIS R 7601:1986に準じて測定したストランド引張強度が1.0GPa以上9.0GPa以下のものが好ましく、1.5GPa以上9.0GPa以下のものがより好ましい。
炭素繊維としては、JIS R 7601:1986に準じて測定したストランド引張弾性率が150GPa以上1000GPa以下のものが好ましく、200GPa以上1000GPa以下のものがより好ましい。
炭素繊維としては、JIS R 7601:1986に準じて測定したストランド引張弾性率が150GPa以上1000GPa以下のものが好ましく、200GPa以上1000GPa以下のものがより好ましい。
(エポキシ樹脂組成物)
プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂:
エポキシ樹脂は、プリプレグのマトリックス樹脂として通常用いられるエポキシ樹脂(ただし、リン含有エポキシ樹脂を除く。)から適宜選択して用いることができる。
エポキシ樹脂は、プリプレグのマトリックス樹脂として通常用いられるエポキシ樹脂(ただし、リン含有エポキシ樹脂を除く。)から適宜選択して用いることができる。
エポキシ樹脂としては、繊維強化複合材料の耐熱性に優れる点から、分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、DPP(Diphenylolpropane)ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビスナフチルメタン型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、アミノフェノールメタン型エポキシ樹脂、これらの変性物等が挙げられる。分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、繊維強化複合材料の難燃性、耐熱性等がさらに優れる点から、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、およびこれらの変性物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、およびアミノフェノールメタン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂(ただし、リン含有エポキシ樹脂を除く。)の100質量%のうち、18質量%以上100質量%以下が好ましく、58質量%以上100質量%以下がより好ましい。分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の耐熱性がさらに優れる。
エポキシ樹脂組成物は、分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。他のエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂等が挙げられる。他のエポキシ樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
他のエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組成物の硬化物の靱性向上の点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物の100質量%のうち、45質量%以上96質量%以下が好ましく、48質量%以上93質量%以下がより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、難燃性、耐熱性、機械的特性が良好な硬化物が得られる。エポキシ樹脂の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂の硬化性を十分に確保できる。
難燃剤:
難燃剤としては、環境への影響が少ない点から、非ハロゲン系難燃剤が好ましく、少量で高い難燃性が得られる点から、リン含有難燃剤が特に好ましい。
難燃剤としては、環境への影響が少ない点から、非ハロゲン系難燃剤が好ましく、少量で高い難燃性が得られる点から、リン含有難燃剤が特に好ましい。
リン含有難燃剤は、分子内にリン原子を含むものであればよく、特に限定されない。リン含有難燃剤としては、リン含有化合物(リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファフェナントレン系化合物等)、リン含有化合物とエポキシ樹脂とを反応させて得られたリン含有エポキシ樹脂、赤リン等が挙げられる。
リン含有難燃剤としては、リン含有エポキシ樹脂が好ましい。リン含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物の硬化反応においてエポキシ樹脂と結合するため、難燃剤が繊維強化複合材料の表面にブリードアウトすることがない。また、リン含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物の粘度を適切な範囲に制御しやすいため、プリプレグを製造しやすく、かつ取扱性がよい。
リン含有エポキシ樹脂としては、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
リン含有エポキシ樹脂としては、下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
ただし、nは、0以上の整数であり、Qは、下記式(Q1)、式(Q2)または式(Q3)で表される基であり、Rは、水素原子またはメチル基である。
(n+2)個のQは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。ただし、(n+2)個のQのうちの少なくとも1つのQは下記式(Q1)または式(Q2)で表される基である。(n+2)個のRは、それぞれ同じであってもく、異なっていてもよい。
nは、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましい。nが前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の耐熱性とエポキシ樹脂組成物の流動性のバランスに優れる。
nは、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましい。nが前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の耐熱性とエポキシ樹脂組成物の流動性のバランスに優れる。
式(I)で表される化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。例えば、(n+2)個のQのうちの一部が式(Q1)または式(Q2)で表される基であり、残部が式(Q3)で表される基である化合物のみから構成されてもよく、(n+2)個のQのうちの一部が式(Q1)または式(Q2)で表される基であり、残部が式(Q3)で表される基である化合物と、(n+2)個のQの全部が式(Q1)または式(Q2)で表される基である化合物との混合物であってもよい。
式(I)で表される化合物は、市販品であってもよく、公知の製造方法によって製造したものであってもよい。
式(I)で表される化合物の市販品としては、新日鉄住金化学社製のFX−289FA等が挙げられる。
式(I)で表される化合物の製造方法としては、式(I)中の(n+2)個のQのすべてが式(Q3)で表される基であるエポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)に、下記式(Q’)で表される化合物(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)を触媒の存在下に高温で反応させる方法が挙げられる。
式(I)で表される化合物の市販品としては、新日鉄住金化学社製のFX−289FA等が挙げられる。
式(I)で表される化合物の製造方法としては、式(I)中の(n+2)個のQのすべてが式(Q3)で表される基であるエポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等)に、下記式(Q’)で表される化合物(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)を触媒の存在下に高温で反応させる方法が挙げられる。
難燃剤の含有量は、エポキシ樹脂組成物中のリン原子含有率が0.4質量%以上3.5質量%以下となる量が好ましく、1.2質量%以上2.9質量%以下となる量がより好ましい。難燃剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる。難燃剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の耐熱性に優れる。
難燃剤が式(I)で表される化合物である場合、該化合物の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂(ただし、リン含有エポキシ樹脂を除く。)の100質量部に対して、7質量部以上100質量部以下が好ましく、25質量部以上90質量部以下がより好ましい。式(I)で表される化合物の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる。優れた難燃性が得られる。式(I)で表される化合物の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の耐熱性に優れる。
硬化剤:
硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させ得るものであればよい。硬化剤としては、アミン、酸無水物、ノボラック樹脂、フェノール、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾール等が挙げられる。硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化速度の点から、アミン型の硬化剤が好ましい。
硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させ得るものであればよい。硬化剤としては、アミン、酸無水物、ノボラック樹脂、フェノール、メルカプタン、ルイス酸アミン錯体、オニウム塩、イミダゾール等が挙げられる。硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化速度の点から、アミン型の硬化剤が好ましい。
アミン型の硬化剤としては、芳香族アミン(ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等)、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、これらの異性体、変成体等が挙げられる。アミン型の硬化剤としては、プリプレグの保存安定性に優れる点から、ジシアンジアミドが特に好ましい。
硬化剤の配合量は、硬化剤を除くエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ当量に対する硬化剤の活性水素当量の比が0.5〜1となる量が好ましく、0.6〜0.8となる量がより好ましい。硬化剤の配合量が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂を十分に硬化できる。硬化剤の配合量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性を高くできる。
硬化促進剤:
硬化促進剤は、硬化剤による硬化反応を促進する効果を有するものであればよく、特に限定されない。
硬化剤がジシアンジアミドである場合、硬化促進剤としては、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)等のウレア化合物が好ましい。
硬化剤が酸無水物またはノボラック樹脂である場合、硬化促進剤としては、三級アミンが好ましい。
硬化剤がジアミノジフェニルスルホンである場合、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、ウレア化合物(3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等)、三フッ化モノエチルアミン、アミン錯体(三塩化アミン錯体)等が好ましい。
硬化促進剤は、硬化剤による硬化反応を促進する効果を有するものであればよく、特に限定されない。
硬化剤がジシアンジアミドである場合、硬化促進剤としては、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)等のウレア化合物が好ましい。
硬化剤が酸無水物またはノボラック樹脂である場合、硬化促進剤としては、三級アミンが好ましい。
硬化剤がジアミノジフェニルスルホンである場合、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、ウレア化合物(3−フェニル−1,1−ジメチルウレア等)、三フッ化モノエチルアミン、アミン錯体(三塩化アミン錯体)等が好ましい。
硬化剤と硬化促進剤の組み合わせとしては、特に高い硬化速度が得られる点から、ジシアンジアミドと、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)または3−フェニル−1,1−ジメチルウレアとの組み合わせが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ABS、AES、ASA、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフォルマール等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、靭性に優れる点から、ポリエーテルスルフォン、フェノキシ樹脂、およびポリビニルフォルマールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル、ポリオレフィン、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ABS、AES、ASA、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフォルマール等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、靭性に優れる点から、ポリエーテルスルフォン、フェノキシ樹脂、およびポリビニルフォルマールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(他の添加剤)
他の添加剤としては、離型剤(シリコーンオイル、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィン類等)、無機充填剤(結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維等)、着色剤(カーボンブラック、ベンガラ等)、シランカップリング剤等が挙げられる。
他の添加剤としては、離型剤(シリコーンオイル、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィン類等)、無機充填剤(結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維等)、着色剤(カーボンブラック、ベンガラ等)、シランカップリング剤等が挙げられる。
(エポキシ樹脂組成物の調製方法)
エポキシ樹脂組成物は、各成分を混合することによって調製できる。各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、万能かくはん機、ホモジナイザー、ホモディスパー等の混合機を用いる方法が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物は、各成分を混合することによって調製できる。各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、万能かくはん機、ホモジナイザー、ホモディスパー等の混合機を用いる方法が挙げられる。
(第2の最表層(X2))
第2の最表層(X2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる。なお、第2の最表層(X2)がプリプレグ(x2)の2枚以上からなる層である場合、第2の最表層(X2)は、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じ1種類のプリプレグ(x2)からなるものであってもよく、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なる2種類以上のプリプレグ(x2)からなるものであってもよい。
第2の最表層(X2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる。なお、第2の最表層(X2)がプリプレグ(x2)の2枚以上からなる層である場合、第2の最表層(X2)は、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じ1種類のプリプレグ(x2)からなるものであってもよく、強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なる2種類以上のプリプレグ(x2)からなるものであってもよい。
第2の最表層(X2)においては、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、プリプレグ(x2)の少なくとも1つが炭素繊維を含む強化繊維基材を含むものであることが好ましい。
第2の最表層(X2)における繊維目付は、100〜400g/m2が好ましく、150〜350g/m2がより好ましい。第2の最表層(X2)における繊維目付が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れ、かつ繊維強化複合材料が十分な機械的特性を有する。第2の最表層(X2)における繊維目付が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の縦方向剛性と横方向剛性との差が生じにくく、繊維直交方向の割れが抑止される。
(プリプレグ(x2))
プリプレグ(x2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(x2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(x2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(x2)は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(x2)における樹脂含有率の好ましい範囲は、プリプレグ(x1)の樹脂含有率の好ましい範囲も同様である。
プリプレグ(x2)は、プリプレグ(x1)と強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じプリプレグであってもよく、プリプレグ(x1)と強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なるプリプレグからなるものであってもよい。
プリプレグ(x2)は、プリプレグ(x1)と強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物が同じプリプレグであってもよく、プリプレグ(x1)と強化繊維基材およびエポキシ樹脂組成物のいずれか一方または両方が異なるプリプレグからなるものであってもよい。
(強化繊維基材)
プリプレグ(x2)における強化繊維基材は、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる。
プリプレグ(x2)における強化繊維基材としては、プリプレグ(x1)における強化繊維基材と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
プリプレグ(x2)における強化繊維基材は、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる。
プリプレグ(x2)における強化繊維基材としては、プリプレグ(x1)における強化繊維基材と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
(エポキシ樹脂組成物)
プリプレグ(x2)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
プリプレグ(x2)におけるエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
プリプレグ(x2)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
プリプレグ(x2)におけるエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
(中間層(Y))
中間層(Y)は、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む。中間層(Y)は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維を含むことが好ましい。
中間層(Y)は、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む。中間層(Y)は、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維を含むことが好ましい。
中間層(Y)としては、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材の1枚以上からなる層、繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(y)の1枚以上からなる層等が挙げられる。中間層(Y)としては、繊維強化複合材料の板厚および板厚分布を安定させやすい点から、プリプレグ(y)の1枚以上からなる層が好ましい。
なお、中間層(Y)が繊維基材の2枚以上、またはプリプレグ(y)の2枚以上からなる層である場合、中間層(Y)は、1種類の繊維基材またはプリプレグ(y)からなるものであってもよく、2種類以上の繊維基材またはプリプレグ(x1)からなるものであってもよい。
また、中間層(Y)は、繊維基材の1枚以上およびプリプレグ(y)の1枚以上からなる層であってもよい。
また、中間層(Y)は、繊維基材の1枚以上およびプリプレグ(y)の1枚以上からなる層であってもよい。
中間層(Y)においては、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、繊維基材またはプリプレグ(y)の少なくとも1つがポリエチレンテレフタレート繊維を含むことが好ましい。
中間層(Y)における繊維目付は、100〜800g/m2が好ましく、150〜700g/m2がより好ましい。中間層(Y)が2層以上である場合、中間層(Y)における繊維目付は、各中間層(Y)における繊維目付を合計したものとする。中間層全体の繊維目付が前記範囲の下限値以上であれば、繊維強化複合材料の軽量化の効果が得られる。中間層全体の繊維目付が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の中間層が層間せん断方向で破壊し難くなる。
(ポリエチレンテレフタレート繊維)
ポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする繊維である。
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を主成分とするグリコール単位とから構成される。
ポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする繊維である。
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸単位を主成分とするジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を主成分とするグリコール単位とから構成される。
(アクリル繊維)
アクリル繊維は、アクリロニトリル系重合体を主成分とする繊維である。
アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルの単独重合体、またはアクリロニトリルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。共重合体中のアクリロニトリル単位は、50質量%以上であることが好ましい。
アクリル繊維は、アクリロニトリル系重合体を主成分とする繊維である。
アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルの単独重合体、またはアクリロニトリルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。共重合体中のアクリロニトリル単位は、50質量%以上であることが好ましい。
(繊維基材)
中間層(Y)における繊維基材は、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む。
繊維基材としては、繊維強化複合材料の軽量化と難燃性とを両立しやすい点からは、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方からなる繊維基材が好ましい。
繊維基材としては、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維を含むものが好ましい。
中間層(Y)における繊維基材は、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む。
繊維基材としては、繊維強化複合材料の軽量化と難燃性とを両立しやすい点からは、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方からなる繊維基材が好ましい。
繊維基材としては、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる点から、ポリエチレンテレフタレート繊維を含むものが好ましい。
繊維基材の形態としては、不織布、織物、三次元交絡シート等が挙げられる。繊維基材の形態としては、加熱加圧成形時に、中間層の繊維基材の模様が最表層に転写されることを抑止できる点から、不織布が好ましい。
(プリプレグ(y))
プリプレグ(y)は、繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(y)は、繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(y)は、繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したものである。
プリプレグ(y)は、繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させることによって製造できる。
プリプレグ(y)における樹脂含有率は、プリプレグ(y)の100質量%のうち、15質量%以上50質量%以下が好ましく、20質量%以上45質量%以下がより好ましく、25質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。樹脂含有率が前記範囲の下限値以上であれば、繊維とエポキシ樹脂組成物との接着性に優れる。樹脂含有率が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の難燃性がさらに優れる。
プリプレグ(y)における繊維基材としては、上述した繊維基材と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
(エポキシ樹脂組成物)
プリプレグ(y)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
プリプレグ(y)におけるエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(ただし、難燃剤を除く。)、難燃剤、および硬化剤を含む。
エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて硬化促進剤、熱可塑性樹脂、他の添加剤を含んでいてもよい。
プリプレグ(y)におけるエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物と同様のものが挙げられ、好ましい実施形態も同様である。
プリプレグ(y)におけるエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物と同じものであってもよく、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物とエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤のうちの少なくとも1つの成分の種類が異なるものであってもよい。
プリプレグ(y)におけるエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物と同じものであってもよく、プリプレグ(x1)におけるエポキシ樹脂組成物とエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤のうちの少なくとも1つの成分の種類が異なるものであってもよい。
(他の層(Z))
他の層(Z)は、第1の最表層(X1)、第2の最表層(X2)および中間層(Y)のいずれにも該当しない層である。
他の層(Z)としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維以外の他の繊維を含む層;繊維を含まない樹脂組成物のみからなる層;2つの中間層(Y)の間に存在する、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグの1枚以上からなる層等が挙げられる。
他の層(Z)は、第1の最表層(X1)、第2の最表層(X2)および中間層(Y)のいずれにも該当しない層である。
他の層(Z)としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維以外の他の繊維を含む層;繊維を含まない樹脂組成物のみからなる層;2つの中間層(Y)の間に存在する、炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグの1枚以上からなる層等が挙げられる。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体は、プリプレグ(x1)の1枚以上と、プリプレグ(x2)の1枚以上とで、中間層(Y)となる材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材の1枚以上、またはプリプレグ(y)の1枚以上)を挟むように、これら材料を積層することによって製造できる。
本発明の積層体は、プリプレグ(x1)の1枚以上と、プリプレグ(x2)の1枚以上とで、中間層(Y)となる材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材の1枚以上、またはプリプレグ(y)の1枚以上)を挟むように、これら材料を積層することによって製造できる。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層体にあっては、比重の軽い繊維、すなわちポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)を有するため、中間層(Y)を有さない積層体を用いた場合に比べ、軽量である繊維強化複合材料を得ることができる。
また、以上説明した本発明の積層体にあっては、第1の最表層(X1)および第2の最表層(X2)が、難燃性に優れた炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材に、難燃剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグからなるため、難燃性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる。
そして、以上説明した本発明の積層体にあっては、難燃性に優れた第1の最表層(X1)と第2の最表層(X2)との間に、軽量化に寄与する中間層(Y)が配置されているため、繊維強化複合材料の軽量化と難燃性とを高いレベルで両立できる。
以上説明した本発明の積層体にあっては、比重の軽い繊維、すなわちポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)を有するため、中間層(Y)を有さない積層体を用いた場合に比べ、軽量である繊維強化複合材料を得ることができる。
また、以上説明した本発明の積層体にあっては、第1の最表層(X1)および第2の最表層(X2)が、難燃性に優れた炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材に、難燃剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグからなるため、難燃性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる。
そして、以上説明した本発明の積層体にあっては、難燃性に優れた第1の最表層(X1)と第2の最表層(X2)との間に、軽量化に寄与する中間層(Y)が配置されているため、繊維強化複合材料の軽量化と難燃性とを高いレベルで両立できる。
<繊維強化複合材料>
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の積層体の硬化物である。
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の積層体の硬化物である。
(繊維強化複合材料の製造方法)
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の積層体を加熱成形し、エポキシ樹脂を加熱硬化させることによって、所望の形状を有する成形物として製造される。
加熱成形法としては、オートクレーブ成形法、真空バッグ成形法、プレス成形法等が挙げられる。加熱成形法としては、生産性の点から、プレス成形法が好ましい。
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の積層体を加熱成形し、エポキシ樹脂を加熱硬化させることによって、所望の形状を有する成形物として製造される。
加熱成形法としては、オートクレーブ成形法、真空バッグ成形法、プレス成形法等が挙げられる。加熱成形法としては、生産性の点から、プレス成形法が好ましい。
金型を用いたプレス成形を行う際の条件は、通常、硬化温度が100℃以上150℃以下であり、成形時の圧力が1MPa以上15MPa以下であり、硬化時間が1分間以上20分間以下である。なお、本発明の積層体を構成するプリプレグに含まれるエポキシ樹脂組成物は、硬化性にも優れているため、ハイサイクルプレス成形によって、例えば硬化温度140℃において、5分以内のような短時間で成形できる。
(用途)
本発明の繊維強化複合材料は、スポーツ・レジャー用途、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等の様々な用途に幅広く用いることができる。本発明の繊維強化複合材料は、薄肉かつ難燃性であることが求められる電子機器または電気機器の筐体として特に有用である。
本発明の繊維強化複合材料は、スポーツ・レジャー用途、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等の様々な用途に幅広く用いることができる。本発明の繊維強化複合材料は、薄肉かつ難燃性であることが求められる電子機器または電気機器の筐体として特に有用である。
(作用機序)
以上説明した本発明の繊維強化複合材料にあっては、本発明の積層体の硬化物であるため、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
以上説明した本発明の繊維強化複合材料にあっては、本発明の積層体の硬化物であるため、軽量であり、かつ難燃性に優れる。
<電子機器または電気機器の筐体>
本発明の電子機器または電気機器の筐体は、本発明の繊維強化複合材料によって一部または全部が構成されたものである。
本発明の電子機器または電気機器の筐体は、本発明の繊維強化複合材料によって一部または全部が構成されたものである。
本発明の電子機器または電気機器の筐体は、本発明の繊維強化複合材料からなるものであってもよく、本発明の繊維強化複合材料と他の材料(金属、インジェクション様熱可塑性樹脂等)とから構成されるものであってもよい。他の材料と組み合わせる場合には、本発明の繊維強化複合材料の特徴の一つである軽量化を損なわない範囲で、材料とその形状を選択することが好ましい。
電子機器または電気機器としては、ノート型PC、デスクトップ型PC、携帯電話、電子手帳、ポータブル音楽プレーヤー、電子書籍ディスプレイ等が挙げられる。本発明の繊維強化複合材料は、軽量であり、かつ難燃性に優れるため、これらの筐体として好適である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<評価>
(UL−94V燃焼試験)
厚さ1mmの繊維強化複合材料板から、その強化繊維の繊維方向に対して試験片の長手方向が0°および90°となるように、長さ:127mm、幅:12.7mmに切り出して試験片とした。該試験片について、燃焼試験機(スガ試験機社製)を用いて、UL−94V規格にしたがって燃焼試験を実施した。具体的には、試験片をクランプに垂直に取り付け、20mm炎による接炎を10秒間行い、燃焼時間を測定した。5個の試験片について燃焼試験を行い、クランプまで燃焼したサンプルの数、各燃焼時間のうちの最大値(max)、および5個の燃焼時間の合計(総燃焼時間:total)を記録した。また、その結果に基づいて判定[V−0、V−1、V−2、fail]を行った。難燃性はV−0が最も優れており、V−1、V−2、failの順に劣っていく。
(UL−94V燃焼試験)
厚さ1mmの繊維強化複合材料板から、その強化繊維の繊維方向に対して試験片の長手方向が0°および90°となるように、長さ:127mm、幅:12.7mmに切り出して試験片とした。該試験片について、燃焼試験機(スガ試験機社製)を用いて、UL−94V規格にしたがって燃焼試験を実施した。具体的には、試験片をクランプに垂直に取り付け、20mm炎による接炎を10秒間行い、燃焼時間を測定した。5個の試験片について燃焼試験を行い、クランプまで燃焼したサンプルの数、各燃焼時間のうちの最大値(max)、および5個の燃焼時間の合計(総燃焼時間:total)を記録した。また、その結果に基づいて判定[V−0、V−1、V−2、fail]を行った。難燃性はV−0が最も優れており、V−1、V−2、failの順に劣っていく。
<原料>
(強化繊維基材)
TR3110:PAN系炭素繊維クロス(三菱レイヨン社製、パイロフィル(登録商標)TR3110M、平織、経糸および緯糸:TR30S 3L(フィラメント数:3000、ストランド引張強度:4120MPa、ストランド引張弾性率:234GPa)、繊維目付:200g/m2)。
K13916:ピッチ系炭素繊維トウ(三菱レイヨン社製、ダイヤリード(登録商標)K13956、フィラメント数:16000、ストランド引張強度:3200MPa、ストランド引張弾性率:760GPa)。
TR50S15L:PAN系炭素繊維トウ(三菱レイヨン社製、パイロフィルTR50S15L、フィラメント数:15000本、ストランド引張強度4900MPa、ストランド引張弾性率240GPa)。
GF:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製、Eガラス繊維、品番ER740)。
(強化繊維基材)
TR3110:PAN系炭素繊維クロス(三菱レイヨン社製、パイロフィル(登録商標)TR3110M、平織、経糸および緯糸:TR30S 3L(フィラメント数:3000、ストランド引張強度:4120MPa、ストランド引張弾性率:234GPa)、繊維目付:200g/m2)。
K13916:ピッチ系炭素繊維トウ(三菱レイヨン社製、ダイヤリード(登録商標)K13956、フィラメント数:16000、ストランド引張強度:3200MPa、ストランド引張弾性率:760GPa)。
TR50S15L:PAN系炭素繊維トウ(三菱レイヨン社製、パイロフィルTR50S15L、フィラメント数:15000本、ストランド引張強度4900MPa、ストランド引張弾性率240GPa)。
GF:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製、Eガラス繊維、品番ER740)。
(繊維基材)
82607/WSO:ポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(ユニチカ社製、マリックス(登録商標)82607/WSO、繊維目付:260g/m2)。
82007/BSO:ポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(ユニチカ社製、マリックス(登録商標)82007/BSO、繊維目付:200g/m2)。
HW21:三次元交絡シート(三菱レイヨン社製、グローレ(登録商標)生機HW21)、熱収縮性ポリエチレンテレフタレート繊維の編地に極細アクリル短繊維が交絡した3次元交絡体シート、ポリエチレンテレフタレート繊維/アクリル繊維=1/1(質量比)、繊維目付:190g/m2)。
82607/WSO:ポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(ユニチカ社製、マリックス(登録商標)82607/WSO、繊維目付:260g/m2)。
82007/BSO:ポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布(ユニチカ社製、マリックス(登録商標)82007/BSO、繊維目付:200g/m2)。
HW21:三次元交絡シート(三菱レイヨン社製、グローレ(登録商標)生機HW21)、熱収縮性ポリエチレンテレフタレート繊維の編地に極細アクリル短繊維が交絡した3次元交絡体シート、ポリエチレンテレフタレート繊維/アクリル繊維=1/1(質量比)、繊維目付:190g/m2)。
(他の繊維基材〕
DS−90VP:レーヨン難燃不織布(日本バイリーン社製、バイブラック(登録商標)DS−90VP、繊維目付:195g/m2)。
DS−45SS:レーヨンマット(日本バイリーン社製、バイブラック(登録商標)DS−45SS、繊維目付:80g/m2)。
DS−90VP:レーヨン難燃不織布(日本バイリーン社製、バイブラック(登録商標)DS−90VP、繊維目付:195g/m2)。
DS−45SS:レーヨンマット(日本バイリーン社製、バイブラック(登録商標)DS−45SS、繊維目付:80g/m2)。
(エポキシ樹脂)
1032H60:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)1032H60、エポキシ当量:169g/eq)。
TX−0911:液状フェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、TX−0911、エポキシ当量:172g/eq)。
604:ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)604、エポキシ当量:120g/eq)。
828:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)828、エポキシ当量:189g/eq)。
807:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)807、エポキシ当量:168g/eq)。
変性エポキシ樹脂:828と4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化工業社製、セイカキュアーS)とを、828と4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンの質量比が100:9となるよう室温にて混合した後、150℃にて混合加熱して得た反応生成物。エポキシ当量:266g/eq。
1032H60:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)1032H60、エポキシ当量:169g/eq)。
TX−0911:液状フェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、TX−0911、エポキシ当量:172g/eq)。
604:ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)604、エポキシ当量:120g/eq)。
828:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)828、エポキシ当量:189g/eq)。
807:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)807、エポキシ当量:168g/eq)。
変性エポキシ樹脂:828と4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化工業社製、セイカキュアーS)とを、828と4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンの質量比が100:9となるよう室温にて混合した後、150℃にて混合加熱して得た反応生成物。エポキシ当量:266g/eq。
(難燃剤)
FX−289FA:リン含有エポキシ樹脂変性物(新日鉄住金化学社製、FX−289FA、式(I)中のRが水素原子であり、nが0〜8である化合物の混合物、エポキシ当量:7740g/eq、リン原子含有率:7.4質量%)。
FX−289FA:リン含有エポキシ樹脂変性物(新日鉄住金化学社製、FX−289FA、式(I)中のRが水素原子であり、nが0〜8である化合物の混合物、エポキシ当量:7740g/eq、リン原子含有率:7.4質量%)。
(硬化剤)
DICY15:ジシアンジアミド(三菱化学社製、DICY15、活性水素当量:21g/eq)。
DICY15:ジシアンジアミド(三菱化学社製、DICY15、活性水素当量:21g/eq)。
(硬化促進剤)
94:1−フェニル−3,3−ジメチルウレア(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)94)。
52:4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)52)。
24:2,4−ジ(N,N−ジメチルウレイド)トルエン(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)24)。
94:1−フェニル−3,3−ジメチルウレア(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)94)。
52:4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)52)。
24:2,4−ジ(N,N−ジメチルウレイド)トルエン(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、omicure(登録商標)24)。
(熱可塑性樹脂)
YP−70:フェノキシ樹脂(三菱化学社製、YP−70)。
E2020P:ポリエーテルスルホン(BASF社製、ULTRASON(登録商標)E2020P)。
YP−70:フェノキシ樹脂(三菱化学社製、YP−70)。
E2020P:ポリエーテルスルホン(BASF社製、ULTRASON(登録商標)E2020P)。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
(調製例1)
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の52と、DICY15および52の合計と同量の807とを容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
硬化剤マスターバッチ以外の、表1に示す量の各成分をフラスコに入れ、オイルバスを用いて160℃に加熱し、溶解混合した。65℃程度まで冷却し、硬化剤マスターバッチを加え、撹拌、混合することによってエポキシ樹脂組成物1を得た。
(調製例1)
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の52と、DICY15および52の合計と同量の807とを容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
硬化剤マスターバッチ以外の、表1に示す量の各成分をフラスコに入れ、オイルバスを用いて160℃に加熱し、溶解混合した。65℃程度まで冷却し、硬化剤マスターバッチを加え、撹拌、混合することによってエポキシ樹脂組成物1を得た。
(調製例2)
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の94と、828とを、828:DICY15:94の質量比が15:8:6となるよう容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
硬化剤マスターバッチ以外の、表1に示す量の各成分をフラスコに入れ、さらに硬化剤マスターバッチを加え、撹拌、混合することによってエポキシ樹脂組成物2を得た。
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の94と、828とを、828:DICY15:94の質量比が15:8:6となるよう容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
硬化剤マスターバッチ以外の、表1に示す量の各成分をフラスコに入れ、さらに硬化剤マスターバッチを加え、撹拌、混合することによってエポキシ樹脂組成物2を得た。
(調製例3)
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の24と、828とを、828:DICY15:24の質量比が11.38:6.07:4.55となるよう容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
表1に示す量のE2020Pと、828とを、828:E2020Pの質量比が7:3となるように混合し、180℃にて均一に溶解させて熱可塑性樹脂マスターバッチを得た。
変性エポキシ樹脂の78.10質量部、硬化剤マスターバッチの19.75質量部、および熱可塑性樹脂マスターバッチの16.70質量部を混合して、エポキシ樹脂組成物3を得た。
表1に示す量のDICY15と、表1に示す量の24と、828とを、828:DICY15:24の質量比が11.38:6.07:4.55となるよう容器に入れ、撹拌、混合した。混合物を三本ロールミルにてさらに細かく混合し、硬化剤マスターバッチを得た。
表1に示す量のE2020Pと、828とを、828:E2020Pの質量比が7:3となるように混合し、180℃にて均一に溶解させて熱可塑性樹脂マスターバッチを得た。
変性エポキシ樹脂の78.10質量部、硬化剤マスターバッチの19.75質量部、および熱可塑性樹脂マスターバッチの16.70質量部を混合して、エポキシ樹脂組成物3を得た。
<積層体、繊維強化複合材料の製造>
以下、プリプレグ(x1)およびプリプレグ(x2)をまとめてプリプレグ(x)と記す。
以下、プリプレグ(x1)およびプリプレグ(x2)をまとめてプリプレグ(x)と記す。
(実施例1)
エポキシ樹脂組成物1をTR3110に含浸させ、プリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は37.5質量%であり、繊維目付は200g/m2であった。
エポキシ樹脂組成物1を82607/WSOに含浸させ、プリプレグ(y)を作製した。
エポキシ樹脂組成物1をTR3110に含浸させ、プリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は37.5質量%であり、繊維目付は200g/m2であった。
エポキシ樹脂組成物1を82607/WSOに含浸させ、プリプレグ(y)を作製した。
1枚のプリプレグ(x)の上に、2枚のプリプレグ(y)を積層し、さらに1枚のプリプレグ(x)を積層して積層体を得た。中間層(Y)全体の樹脂含有率は50.6質量%であり、繊維目付は520g/m2であった。
積層体を、あらかじめ150℃に予熱したプレス成形用金型に投入し、温度:150℃、時間:10分間、圧力:10MPaの条件でプレス成形して、厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例2〜5)
コンマコーター(ヒラノテクシード社製、M−500)を用いてエポキシ樹脂組成物1をフィルム状にしてレジンフィルムを作製した。レジンフィルムを、ドラムワインド方式によって引き揃えられたK13916の両面に張り合わせ、加熱ロールで含浸させて、炭素繊維プリプレグ(一方向材)であるプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は33.0質量%であり、繊維目付は145g/m2であった。
エポキシ樹脂組成物1を表2に示す繊維基材に含浸させ、実施例2〜5のプリプレグ(y)を作製した。
コンマコーター(ヒラノテクシード社製、M−500)を用いてエポキシ樹脂組成物1をフィルム状にしてレジンフィルムを作製した。レジンフィルムを、ドラムワインド方式によって引き揃えられたK13916の両面に張り合わせ、加熱ロールで含浸させて、炭素繊維プリプレグ(一方向材)であるプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は33.0質量%であり、繊維目付は145g/m2であった。
エポキシ樹脂組成物1を表2に示す繊維基材に含浸させ、実施例2〜5のプリプレグ(y)を作製した。
2枚のプリプレグ(x1)を[0°/90°]となるように積層し、さらに表2に示す枚数のプリプレグ(y)を積層し、さらに2枚のプリプレグ(x)を[0°/90°]となるように積層して実施例2〜5の積層体を作製した。積層体の厚さは、最終的に得られる繊維強化複合材料板の厚さが1mmとなるように調整した。第1の最表層(X1)および第2の最表層(X2)の繊維目付は、290g/m2となった。中間層(Y)全体の樹脂含有率および繊維目付を表2に示す。
実施例2〜5の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
GFを用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は23.5質量%であり、繊維目付は200g/m2であった。
実施例1と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
GFを用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は23.5質量%であり、繊維目付は200g/m2であった。
実施例1と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
実施例6のプリプレグ(x)を用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。
実施例6の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
強化繊維基材としてTR50S15Lを用い、エポキシ樹脂組成物2を用いた以外は、実施例2と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は30質量%であり、繊維目付は125g/m2であった。
繊維基材としてDS−90VPを用い、エポキシ樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
強化繊維基材としてTR50S15Lを用い、エポキシ樹脂組成物2を用いた以外は、実施例2と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。プリプレグ(x)の樹脂含有率は30質量%であり、繊維目付は125g/m2であった。
繊維基材としてDS−90VPを用い、エポキシ樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
比較例1のプリプレグ(x)および比較例1のプリプレグ(y)を用い、プリプレグ(y)の積層枚数を表2に示す枚数に変更した以外は、実施例2と同様にして積層体を作製した。
比較例1の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)>
実施例2と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。
エポキシ樹脂組成物1をDS−45SSに含浸させ、比較例2のプリプレグ(y)を作製した。
実施例2と同様にしてプリプレグ(x)を作製した。
エポキシ樹脂組成物1をDS−45SSに含浸させ、比較例2のプリプレグ(y)を作製した。
比較例2のプリプレグ(y)を用い、プリプレグ(y)の積層枚数を表2に示す枚数に変更した以外は、実施例2と同様にして積層体を作製した。
比較例2の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例2と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
3枚のプリプレグ(y)のみを積層し、積層体を得た。
比較例3の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
実施例2と同様にしてプリプレグ(y)を作製した。
3枚のプリプレグ(y)のみを積層し、積層体を得た。
比較例3の積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの繊維強化複合材料板を得た。繊維強化複合材料板について難燃性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1〜6の結果から分かるように、本発明の繊維強化複合材料は高い難燃性を示す。特に中間層(Y)にポリエチレンテレフタレート繊維を含む積層体を用いた繊維強化複合材料は、より高い難燃性を示すことが分かる。
一方、比較例1および比較例2の結果から分かるように、中間層(Y)にポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維以外の熱可塑性樹脂繊維を含む積層体を用いた繊維強化複合材料は、難燃性が不十分である。
また、比較例3の結果から分かるように、中間層(Y)が本発明の積層体と同じであり、中間層(Y)のエポキシ樹脂組成物が難燃剤を含むものであっても、最表層を有さない積層体を用いた繊維強化複合材料は、難燃性が不十分であることが分かる。
また、比較例3の結果から分かるように、中間層(Y)が本発明の積層体と同じであり、中間層(Y)のエポキシ樹脂組成物が難燃剤を含むものであっても、最表層を有さない積層体を用いた繊維強化複合材料は、難燃性が不十分であることが分かる。
本発明の積層体は、スポーツ・レジャー用途、電子機器・電気機器用途、自動車用途、航空機用途、建築用途等に用いられる繊維強化複合材料の前駆体として有用である。
10 積層体、
12 第1の最表層(X1)、
12a プリプレグ(x1)、
14 第2の最表層(X2)、
14a プリプレグ(x2)、
16 中間層(Y)、
16a プリプレグ(y)。
12 第1の最表層(X1)、
12a プリプレグ(x1)、
14 第2の最表層(X2)、
14a プリプレグ(x2)、
16 中間層(Y)、
16a プリプレグ(y)。
Claims (11)
- 炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x1)の1枚以上からなる第1の最表層(X1)と、
炭素繊維およびガラス繊維のいずれか一方または両方からなる強化繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(x2)の1枚以上からなる第2の最表層(X2)と、
前記第1の最表層(X1)と前記第2の最表層(X2)との間に存在し、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む中間層(Y)と
を有する、積層体。 - 前記中間層(Y)が、ポリエチレンテレフタレート繊維およびアクリル繊維のいずれか一方または両方を含む繊維基材を含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記中間層(Y)における繊維基材が、不織布である、請求項2に記載の積層体。
- 前記中間層(Y)が、前記繊維基材にエポキシ樹脂、難燃剤、および硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が含浸したプリプレグ(y)を含む、請求項2または3に記載の積層体。
- 前記第1の最表層(X1)におけるプリプレグ(x1)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記第2の最表層(X2)におけるプリプレグ(x2)の少なくとも1つが、炭素繊維を含む強化繊維基材を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記第1の最表層(X1)における繊維目付および前記第2の最表層(X2)における繊維目付が、100〜400g/m2である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記中間層(Y)における繊維目付が、100〜800g/m2である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記難燃剤の少なくとも1つが、リン含有難燃剤である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体の硬化物である、繊維強化複合材料。
- 請求項10に記載の繊維強化複合材料を備えた、電子機器または電気機器の筐体。
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---|---|---|---|---|
CN109895469A (zh) * | 2019-03-05 | 2019-06-18 | 江苏恒神股份有限公司 | 一种优化环氧碳纤维复合材料体系界面性能的方法 |
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-
2016
- 2016-06-08 JP JP2016114831A patent/JP2017218522A/ja active Pending
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