JP2017218494A - 電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、それを用いた接着構造物及び剥離方法 - Google Patents

電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、それを用いた接着構造物及び剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた施工性、貼り直し性を有し、被着体に十分な接着力を付与することができる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを用いた接着構造物の提供すること、および接着構造物と被着体との剥離方法の提供。【解決手段】厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、上記接着シートと被着体とを接着してなる接着構造物、および電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを、電磁誘導加熱装置により加熱し、被着体と電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートとを接着することを特徴とする接着構造物とを、剥離する方法によって、上記課題は解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、それを用いた物と、被着体と、を接着してなる接着構造物に関する。
また、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、接着構造物の剥離方法に関する。
ホットメルト接着シートとは、溶剤不含の接着剤であり、加熱されて溶融した状態で接着すべき基材に塗布され、そして固化後に接着作用を発揮するものである。乾燥不要等の多彩な利点から、ホットメルト接着シートは、慣用の溶剤に基づく接着剤に対する経済的でかつ環境に優しい代替品として、特にラベル、包装、家具、繊維材料及び履き物など工業的に益々使用されつつある。
例えば、プリン、ゼリー、みつ豆、ヨーグルト、乳酸飲料、豆腐などの食品の包装分野には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどの硬質乃至半硬質樹脂のブロー成形、インジエクシヨン成形、インジエクシヨンブロー成形法などによる容器、更にはこれらの樹脂やポリ塩化ビニル樹脂などの単層シートまたはこれらの樹脂をそれの一層とする共押出法などによる積層シートを、真空成形、圧空成形などの適当な二次成形法によって成形したカツプやトレーなどの容器が使用されており、これらの容器の蓋材のシール層には、ホットメルト接着シートが用いられている(特許文献1)。しかし、支持体の厚みが1mm未満の樹脂フィルムやシート状の物のみである。
その一方、ホットメルト接着シートが建築やリフォームや木工などの分野に使用される例もある。
従来、建築物、構造物の外表面、内壁、間仕切壁等の表面に合板、石膏ボード、珪酸カルシュウム板、陶磁器タイル、金属板等の内外装材を接合する方法としては、釘やボルト等の接合部品を用いる方法が古くから用いられている。この接合方法は、作業が比較的簡易ではあるが、点接合であるために応力がその一点に集中してしまい、これを分散させるには広範囲に釘やボルトを打ち込まなければならないし、作業的にも煩雑になる。また、接合部分に突起や肉盛が表れて美観を損ねる。これらの方法に変わって、溶剤系、水系又はエポキシ樹脂等の液状接着剤を使用した接合方法が用いられるようになってきた。この接着剤による接合方法では、面接合になるため接合部分全体に応力が均一になり、耐久性が向上した。しかも接合部分の表面が平滑になり、美観の面からも好ましい。しかし、これらの液状接着剤を使用した接合方法は、接着剤を塗布した後、接着力が発現するまでに一定の時間が必要であり、接着剤塗布後に所定時間の養生が必要である。このために大量作業をする場合には連続的な接合作業が行なえない問題がある。このような問題を改善する接合方法として、両面粘着テープを使用する方法が行なわれるようになってきた。しかし、この接合方法は、両面粘着テープの貼着と同時に接着性が発現するため、所望の位置からずれた際の修正が困難である。さらに被着体の表面が粗面になっている場合に、粘着面との接触面積が充分ではなく、材料の重量による応力や、接着後の温度、湿度等の気候変化による建築材料の伸縮や反りにより発生する応力によって、貼着した粘着テープが経時的に剥がれやすくなる等の問題がある。従って、両面粘着テープを使用した接合方法においても、長時間の接合力には信頼性が得られないといった問題があった。
以上のような問題点を改善する方法として、導電性材料と熱可塑性樹脂系接着剤層を予め建築基材に設けておくか、またはテープ或いはフィルム状の接着剤と導電性シートを建築基材と内外装材の間に挟んで、電磁誘導加熱による接合方法が最近行なわれている。この方法は、電磁誘導で生じる渦電流によって導電性材料が発熱し、この発熱によって熱可塑性樹脂系接着剤が溶融して被着体と接着される方法である。この方法によると、建築基材面と内外装材面の中間に熱可塑性樹脂を介在させ、その上部から高周波発信機を接触させるだけで、熱可塑性樹脂が加熱溶融し、発信機を取り去れば直ちに涸結して接着されるために、短時間で接合が完了し、作業が簡便であるばかりでなく、解体の場合にも使用済みの材料を再利用できる等のメリットが大きい。
電磁誘導加熱方式を用いた接着剤の溶融装置(特許文献2)が開発された。しかし、特許文献2で提案されている方法では、部材と部材との接合強度が十分なものではなく、優れた施工性および貼り直し性の記載もないといった問題もあった。また、解体する(剥がす)時は、再度電磁誘導装置を用いて接着剤層を加熱させホットメルト接着シートを再加熱させて、ホットメルト接着剤層が固化する前に被着体同士を引き剥がすことできたと報告もあった(特許文献3)が、水性エマルジョン系接着剤から成ることを特徴とする熱膨張性微粒中空体を含む接着剤が使用されており、接着剤の種類も限定される。
特開2009−190745号公報 特開2000−220288 特許2006−200279
本発明の目的は、厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、および上記接着シートと、被着体と、を接着することにより、優れた施工性、貼り直し性を有し、被着体に十分な接着力を付与できる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、および接着構造物を提供することである。
また、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを用いた接着構造物の剥離方法を提供することである。
本発明者らは、鋭利研究を重ねた結果、課題を解決するホットメルト接着シート、および上記接着シートを用いた接着構造物を見出した。
すなまち、本発明は、厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート関する。
また、本発明は、厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱硬化した接着剤層(B)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
また、本発明は、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の厚さが、10μm以上500μm以下であることを特徴とする電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
また、本発明は、金属層(A)の厚さが、1μm以上1000μm以下であることを特徴とする電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
また、本発明は、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の表面粗さ(Ra)が0.01μm以上100μm以下であることを特徴とした電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
また、本発明は、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと、被着体とを接着してなる接着構造物に関する。
更に、本発明は、接着構造物を、電磁誘導加熱装置により加熱し、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)を、軟化ないし溶融させ、被着体とホットメルト接着剤層(C)とを、剥離方法に関する。
本発明により、優れた施工性、貼り直し性を有し、被着体に十分な接着力の付与ができる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、及びそれを用いた接着構造物の提供が可能となる。
また、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを用いた接着構造物の剥離方法の提供が可能となる。
図1は、本発明の代表的な実施形態を表す。 図2は、本発明の代表的な実施形態を表す。
以下、本発明の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートについて、更に詳細に説明する。
[熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)]
熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の樹脂構成としては、ABS、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、スチレン系エラストマー、ゴムなどの酸変性ポリプロピレンなどがあげられる。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)は熱可塑性ホットメルト接着剤からなる物である。熱可塑性ホットメルト接着剤により接着性を向上させる為に粘着付与剤などを添加しても良い。主な粘着付与剤は、特に限定されないがフェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、フェノール−変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、水素添加されたロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などの粘着付与樹脂が含まれていることが好ましい。
粘着付与樹脂は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)に使われた熱可塑性ホットメルト接着剤層の粘度を低粘度化するなどの目的でワックスなどを添加しても良い。主なワックスは、特に限定されないが、カルナバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、これらのワックスの酸化物、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体等が挙げられる。ワックスは、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは20μm以上300μm以下である。熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の厚さが10μm未満であると接着不良が発生することがある。熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の厚さが500μmより厚いと電磁誘導加熱でホットメルト接着シートを加熱しても熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の表面まで加熱・溶融するまでに時間がかかり、金属層に近傍にある熱可塑性ホットメルト接着層が加熱劣化し、接着力が低下することがある。
熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)に使われた添加剤として、必要により各種のものが使用可能である。例えば着色剤やブロッキング防止剤、無機フィラー、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤などである。
着色剤としては、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよく、例えば、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント、ペリレン系、モノアゾ系、縮合アゾ系、イソインドリノン系、酸化チタン、カーボンなどが挙げられる。
ブロッキング防止剤としてはシリコーン、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、ステアリン酸アミドやベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミドなどが挙げられる。
無機フィラーとしては、金属、金属酸化物及び金属水酸化物など粒子、繊維状などが挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、珪酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ワラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミナ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、カーボンナノチーブ、グラファイト、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ
化カルシウム、雲母、モンモリナイト、アパタイトなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、高分子量ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体、高分子量ヒンダード・フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、4,4−メチレン−ビス−(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,6−ジ−第三−ブチルフェノール−p−クレゾール、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、4,4−ブチ
リデンビス−(3−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
充填剤としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が挙げられる。
難燃剤としては、燐含有化合物系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
帯電防止剤としては、プラスチックの帯電防止剤として汎用されているものでよく、具体的には、非イオン界面活性剤(例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及びアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルなど)、陰イオン界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩など)、陽イオン界面活性剤(例えば、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩など)、両性界面活性剤(例えばイミダゾリン型、ベタイン型など)が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物及びベンゾエイト系化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
重金属不活性化剤としては、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体又はシュウ酸アミド誘導体などが挙げられる。
[熱硬化した接着層(B)]
本発明の熱硬化した接着層(B)には、熱硬化しうる接着剤を用いることができる。熱硬化しうる接着剤の一例について説明する。熱硬化しうる接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等の官能基を有する主剤と硬化剤とをベース樹脂とした熱硬化しうる接着剤が挙げられる。
ポリエステル樹脂として、モノマー組成の酸成分としては、例えばジメチルテレフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族二塩基性酸や、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸などの脂肪族二塩基性酸と、グルコール成分としては、エチレングリール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタジオール、1,5−ペンタジオール、3−メチルペンタジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフ
ェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコールもしくはその残基形成誘導体もしくはカプロラクトンなどのα,ω−オキシ酸もしくはその残基形成誘導体よりなる飽和二官能性モノマーとを適宜選択して常法により共重合して得ることが可能である。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリマーポリオール等のポリオールとポリイソシアネートからなるイソシアネート化合物を上記ポリオール過剰で反応させて得られるが、上記エーテル系ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等からなる活性水素2個以上を有する低分子量活性水素化合物の1種又は2種以上の存在下に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの1種又は2種以上を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等の多塩基性酸と、例えばビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、又、例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンの重合体、又、例えばひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等のヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコールなどの縮合物が挙げられる。
上記ポリマーポリオールとしては、例えば前記ポリエーテル系ポリオールないしはポリエステル系ポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたものや、1,2−もしくは1,4−ポリブタジエンポリオール、又はこれらの水素添加物が挙げられる。
上記ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート類、又、上記ジイソシアネート類の3量体、トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類、又、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の混合物であるクルードMDIなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種類で使用されてもよいが、2種類以上を併用してもよい。上記水酸基末端ポリウレタンポリマーの水酸基1に対し、イソシアネート化合物のイソシアネート基2〜8となるように配合されて上記熱硬化しうる接着剤として使用される。
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレートエポキシ樹脂、アクリル酸変性エポキシ樹脂(エポキシアクリレート)、リン含有エポキシ樹脂及びこれらハロゲン樹脂(臭素化エポキシ樹脂など)や水素添加物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。臭素化エポキシ樹脂などは、接着剤に難燃性が要求される場合に、特に有効である。アクリル酸変性エポキシ(エポキシアクリレート)は、感光性を有する為エポキシ系樹脂組成物に光硬化性を付与する為に有効である。
硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化に用い得るものであれば、特に制限なく使用することが可能であるが、例えば、脂肪族アミン系硬化剤、脂環式アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。硬化剤の配合量はエポキシ樹脂に応じて定めることができる。
熱硬化しうる接着剤の添加剤としてシランカップリング剤、酸化防止剤等などが挙げられる。シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトエチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、上記記載の熱可塑性ホットメルト接着層に用いられる酸化防止剤が用いられる。
本発明の熱硬化しうる接着剤は、各種の溶剤を含有しても良い。例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンなどのケトン系化合物、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソランなどの環状エーテル系化合物、酢酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系化合物、トルエン、キシレンなどの芳香族系化合物、カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレンコールモノメチルエーテルなどのアルコール系化合物などが挙げられる。これらは、単独でも使用しても二種類以上を併用しても良い。
エポキシ接着剤を金属単層フィルムまたは、熱可塑性ホットメルト単層フィルムに塗工する装置としては、コンマコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなどが挙げられる。熱硬化しうる接着剤の塗布量は、乾燥膜厚で1〜50μm程度であることが好ましい。さらに好ましくは2〜25μmである。さらに好ましくは2〜10μmである。
[金属層(A)]
本発明の金属層(A)とは、電誘導加熱装置により高周波磁束によって渦電流が誘導され、上記金属層のジュール加熱により、熱可塑性ホットメルト接着層が溶融し接着する。この金属層は、鉄,アルミニウム,ニッケル,ステンレス,亜鉛,銅,錫,亜鉛,マグネシウム及びそれらの合金などから選ばれる導電性金属をフィルム状にしたものであればよい。
本発明の金属層の厚みは、1μm以上1000μm以下が好ましく、さらに好ましくは10μm以上500μm以下が好ましく、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。1μm以下の場合電磁誘導加熱を行っても発熱温度が上がらなく電磁誘導加熱が出来なかったり、1000μmよりも厚い場合は、電磁誘導加熱を行っても金属層が加熱するのに時間がかかったり、熱可塑性ホットメルト層が溶融する温度にならず、接着しないことがある。
[支持体]
本発明の支持体は、厚さが1mm以上であることを特徴とする。支持体の厚みが1mm未満の場合は電磁誘導加熱を行った時に電磁誘導加熱装置により発生する熱が支持体にダメージを与える可能性があるため、支持体の厚みが、1mm以上が好ましい。
支持体としては、プラスチック、紙、紙とプラスチックの複合体、コンクリート、タイル、舗装材、木材、布、皮革、ゴム、ガラスなどが挙げられる。
また、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを製造する場合、支持体と金属層の間を仮固定又は固定させるために、支持体には、粘接着層などが設けられていることが好ましい。粘接着層は両面テープのように機能させることができる。粘接着層のS1面と金属層、及び粘接着層のS2面と支持体の基材を貼り付けることができる。或いは、粘接着層形成用組成物を支持体の基材に塗工し、更に支持体の粘接着層面と金属層と、を接着させることができる。
本願において、「粘接着」とは、粘着性能と接着性能を併せ持つことを意味し、粘着は一時的な接着現象を意味するものとして用いられるのに対し、接着は永久的な接着現象を意味するものとして用いられる点で区別されることがある(岩波書店 理化学辞典第5版)。貼り合わされた後の粘接着層を硬化させる。
手段としては、加熱、紫外線照射、電子線照射等を挙げることができる。
粘接着層形成用組成物とは、粘接着層を塗布等によって形成する樹脂組成物のことである。粘着剤層を構成する粘接着層形成用組成物としては、ポリアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン、フッ素系などが挙げられる。
接着シートを電磁誘導加熱装置により加熱する場合、熱が支持体にダメージを与える可能性があるため、耐熱性が高い支持体が特に好ましい。
そのため、支持体を製造する際、耐熱性を向上させるために、粘接着層形成用組成物を厚さが1mm以上の基材に塗工する(貼り付ける)ことが好ましい。基材としては特に限定されず、例えば、以下のもの等が挙げられる。フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキシド、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂、セルロース系プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック又はその混合物。
支持体の基材の形態としては板状、シート状、繊維状など等が挙げられる。
粘接着層形成用組成物を基材に塗布する(貼り付ける)方法も特に限定されない、印刷による形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。コーティングによる方法としては、例えば、ロールコート、リバースコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート等を挙げることができる。
粘接着層形成用組成物を基材上に塗布し(貼り付ける)、塗布後の粘接着層形成用組成物を乾燥して形成し、厚さが1mm以上の支持体を得ることができる。
[被着体]
被着体とは、プラスチック、紙、紙とプラスチックの複合体、金属板、コンクリート、タイル、舗装材、木材、布、皮革、ゴム、ガラスなどが挙げられる。
[電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法]
電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造は、上記の熱可塑性ホットメルト接着剤をインフレーション法、Tダイ法、溶液流延法、カレンダー法などの他、離型紙又はフィルムなどの上にスリットコーティングして得られた熱可塑性ホットメルト接着剤フィルムを、金属層に接着し、さらに粘接着層のS1面と金属層と、及び粘接着層のS2面と支持体を接着させ、熱可塑性ホットメルト接着剤層、金属層、支持体の順で積層した電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートが得られる。または、支持体と金属層との接着の際、まず粘接着層形成用組成物を支持体の基材に塗工し、支持体の粘接着層面と熱可塑性ホットメルト接着剤フィルムと接着した金属層と、を接着させることもできる。
また、熱硬化しうる接着剤を用いることが好ましい。この場合の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造は、熱可塑性ホットメルト接着剤層または金属層どちらかに熱硬化しうる接着剤を塗工して、乾燥させた後に最表面が熱可塑性ホットメルト接着剤層になるように金属層を貼り合せた後に、熱硬化しうる接着剤は硬化速度が遅い為、熱硬化しうる接着剤を硬化させる目的でエージングを行う必要がある。
具体的にいえば、熱硬化しうる接着剤を介して熱可塑性ホットメルト層と熱硬化した接着剤層を貼り合わせた後35〜80℃の保温室にて3〜5日間程度保存してエージングすることにより熱硬化した接着剤層の接着剤を硬化させる。この際、保存温度が高すぎると例えばロール状にした時に接している熱可塑性ホットメルト接着剤層同士がブロッキングを起こすことがあるので巻圧と保存温度は注意する必要がある。また、エージング条件によって熱硬化性接着剤の硬化の度合いが変わってくる為、ホットメルト接着シートの熱可塑性ホットメルト接着剤層と金属層の接着強度に影響を及ぼすことがあり、エージングが不十分な場合には、接着剤の硬化不良によるデラミネーション(層剥離)を引き起こすことがある。
ブロッキングを防止する為に熱硬化した接着剤層の表面にエンボス処理,剥離紙又は剥離フィルムを入れるなどすると効果的である。電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの表面粗さが0.01μm以上100μm以下であることが好ましい。熱可塑性ホットメルト接着シートの表面粗さRaが0.01μm未満の場合は、熱可塑性ホットメルト接着シートがブロッキングして、使用できなくなることがあり、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの表面粗さ100μmより大きい場合電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの強度が低くなり、塗工する時熱可塑性ホットメルト接着シートが切れてしまうなど問題が生じることがある。
熱可塑性ホットメルト接着層と熱硬化接着層の接着強度を強くする為に熱可塑性ホットメルト接着剤層面にコロナ処理を行うことは、有効である。特に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど極性が低いフィルムを金属層と接着させるには、効果がある。
[接着構造物の製造方法]
電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと、被着体と接着する際には、電磁誘導加熱の熱を利用し、接着構造物を得る。
具体的にいえば、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの支持体の外側から、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、被着体の順で入力電圧:100V、消費電力:550Wの電磁誘導加熱装置により加熱し、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの熱可塑性ホットメルト接着剤を軟化させ、加熱を終了することにより、熱可塑性ホットメルト接着剤を固化させ、被着体と電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートとを密着させ、接着構造物が得られる。
(接着構造物の構造:被着体/熱可塑性ホットメルト接着剤/金属層/支持体))
[接着構造物からホットメルト接着シートの剥離方法]
接着構造物を、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの支持体の外側から電磁誘導加熱装置により加熱し、固体状態にある熱可塑性ホットメルト接着剤層を、軟化ないし溶融させ、被着体と電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを剥がす。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明では、特に断らない限り、部は重量部、%は重量%を表す。
<熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)>
実施例1〜2に使用された熱可塑性ホットメルト接着剤層は、下記の通りである。
・LDPEフィルム(コロナ処理有) 膜厚:50μm 北越化成(株)社製
・LDPEフィルム(コロナ処理有) 膜厚:100μm 北越化成(株)社製

実施例3〜17に使用された熱可塑性ホットメルト接着剤層は、下記ポリマーを製膜することによって得られた。
・ポリアミド(ナイロンベース) アルケマ社(株)製プラタミドM1276
・ポリアミド(ダイマー酸ベース) ヘンケル社(株)製マクロメルト6239
・結晶性ポリエステル東洋紡社(株)製バイロンGA6300
・非結晶ポリエステル東洋紡社(株)製バイロン600
・ポリウレタン(ポリエーテルタイプ) BASF(株)社製エラストランET−370
・アクリル(メタクリル酸メチル) 住友化学(株)社製スミペックスEX
・エチレン-酢酸ビニル共重合体東ソー(株)社製ウルトラセン540
・変性ポリオレフィン三井化学(株)社製アドマーSE810
<熱硬化しうる接着剤(B)>
本発明に使用した熱硬化しうる接着剤は、下記の通りである。
(主剤)
・TM−585−60(ポリエステル系)不揮発分60% 東洋モートン(株)社製
・TM−K55(ポリエステル系)不揮発分30% 東洋モートン(株)社製
・TM−K76(ポリエステル系)不揮発分51% 東洋モートン(株)社製
(硬化剤)
・CAT−10L(芳香族系)不揮発分52.5% 東洋モートン(株)社製
・CAT−RT85(脂肪族系)不揮発分70% 東洋モートン(株)社製

(熱硬化した接着剤層に用いられる熱硬化しうる接着剤の作製方法)
・接着剤A
熱硬化性接着剤の主剤TM−K55と硬化剤CAT-10Lを重量比17/3の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
・接着剤B
熱硬化性接着剤の主剤TM−585−60と硬化剤CAT-10Lを重量比100/7の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
・接着剤C
熱硬化性接着剤の主剤TM−K76と硬化剤CAT-10Lを重量比100/7の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
・接着剤D
熱硬化性接着剤の主剤TM−K76と硬化剤CAT-RT85を重量比100/7の割合で配合し、固形分が30%になるように酢酸エチルで希釈した。
<支持体>
支持体の粘接着剤層形成用組成物、および基材には、下記の製品を用いた。
・粘接着剤層形成用組成物:トーヨーケム製 オリバインBPS8170
・基材:木材、皮革、硬質塩ビ、ガラス
[実施例1]
(支持体の作成)
粘接着剤層形成用組成物をアプリケータを使用して、ウェット厚で200μm となるように基材(木材)に均一に塗布し、100℃で、3分間乾燥させ、粘接着剤層を有する厚みが5mmの支持体を得た。

(電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの作成)
熱可塑性ホットメルト接着剤層に熱硬化しうる接着剤を塗工量Dryで3〜10g/mになるようにグラビアコーターで塗工した。この時接着剤の温度は30〜45℃程度に加熱した。熱硬化しうる接着剤をとばすために、乾燥を行った。乾燥条件は、80℃1分であった。次に、圧着ロールを用いてアルミ層と熱硬化しうる接着剤の塗工面を接着し、圧着を行った(圧着ロールは、60℃に加熱した)。その後40℃4日間の環境下でエージングを行い、アルミ層、熱可塑性ホットメルト接着剤層の順で積層されてなる積層物を得た。なお、コロナ処理については、コロナ処理面が熱硬化性接着剤面と接するように、熱可塑性ホットメルト接着剤層にコロナ処理を行った。
更に上記で得た支持体の粘接着剤層面とアルミ層と、を手で軽く止め、接着させることにより、熱可塑性ホットメルト接着剤層、熱硬化した接着剤層、金属層、支持体の順で積層した電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを得た。
(電磁誘導加熱による接着構造物の作成)
電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを被着体(PEシート)の上に置いて、電磁誘導加熱装置(アキレス社製、オールオーバー接着装置)を、支持体の外側に押し当てて2秒間加熱して、加熱終了後、熱可塑性ホットメルト接着剤層が冷えるまで約5秒程度電磁誘導加熱装置のアプリケータ部(コイル)を押し当てたままにして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと被着体とを接着し、接着構造物を得た。
[実施例2〜23]
支持体の種類と厚さ、熱可塑性ホットメルト接着剤層の種類、膜厚およびコロナ処理の有無、熱硬化性接着剤層の種類と膜厚、金属層の種類と厚さ、支持体、接着構造物の作成時の加熱時間を表1〜4に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜23において、接着シート、および接着構造物を得た。
Figure 2017218494
Figure 2017218494
Figure 2017218494
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[熱可塑性ホットメルト接着剤層、接着シート、および接着構造物の評価]:
下記の評価方法を用いて、実施例1〜23で作成した熱可塑性ホットメルト接着剤層、接着シート、および接着構造物の評価を行った。表1〜4に記載のとおり、評価結果を得た。

(1)表面粗さRaの測定方法
Taylar Hobson社製のファームタリサーフシリーズi60を用いて測定した。表面粗さはRaを用いた。測定条件は下記のとおりであり、5回の測定の平均値をもって値とした。
針の種類;先端2μmダイヤモンドスタイラス
カットオフ周波数λc;80μm
測定長;1mm
速度;2mm/min.

(2−1) 電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと被着体との接着力の測定方法
接着強度は、引張り試験機(株式会社エー・アンド・エー社製、商品名RTA−100)を用いて、剥離速度300mm/分でせん断強度を測定した(測定温度:23℃、湿度50%)。
剥離力は、10N/25mm以上(基材破壊含む)を「〇」、10N未満5N以上/25mmを「△」、5N/25mm未満を「×」とした。

(2−2)接着構造物の外観:
目視で、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと被着体の接着後の接着構造物を観察した。接着構造物の表面が皺なく、(電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの支持体面)平滑である:「○」、接着構造物の表面が皺あり、(電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの支持体面)凸凹感があり、外観が悪い:「×」。

(3)剥離試験
実施例1〜23の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを用いた接着構造体は、それぞれ、接着工程と同様の電磁誘導加熱条件で加熱したところ、いずれも、容易に被着体より剥離できた。
(比較例1)
押出しラミネーター(ムサシノキカイ社製400M/MテストEXTラミネーター)を用いて、支持体(基材:王子タック製のPETC50 ポリエチレンテレフタレートフイルム厚さ50μm、粘接着剤層形成用組成物:トーヨーケム製 オリバインBPS8170)の上、に実施例17に使用した金属層(アルミ20μm)、熱硬化接着剤層(接着剤C)、熱可塑性接着剤層(変性オレフィン樹脂を500μm)の順で、同様の方法で製膜したところ、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと被着体との接着が可能となるが、支持体の変性により、接着構造物の表面が皺あり、外観が悪いとなった。

Claims (8)

  1. 厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
  2. 厚みが1mm以上である支持体、金属層(A)、熱硬化した接着剤層(B)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の順で積層されてなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
  3. 熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の厚さが、10μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
  4. 金属層(A)の厚さが、1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
  5. 熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)の表面粗さ(Ra)が0.01μm以上100μm以下であることを特徴とした請求項1〜4いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートと、被着体と、を接着してなる接着構造物。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを、電磁誘導加熱装置により加熱し、被着体と電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートとを接着することを特徴とする、接着構造物の製造方法。
  8. 請求項6に記載の接着構造物を、電磁誘導加熱装置により加熱し、熱可塑性ホットメルト接着剤層(C)を、軟化ないし溶融させ、被着体とホットメルト接着剤層(C)とを、剥がす方法。





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