JP2017217958A - 車両用シートスライド装置 - Google Patents

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英雄 二本松
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康敬 小島
康一 森田
Koichi Morita
康一 森田
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Abstract

【課題】車幅方向における配置スペースが狭い車両用シートスライド装置を提供する。
【解決手段】車両用シートスライド装置は、ロアレールと、アッパレールと、シートバックが前倒しにされるときアッパレールの後方への移動を規制する規制部材50と、ロアレールの底壁から突出する突起と、ロアレール内に進入した異物が突起を回避して移動するように異物を案内するガイド40と、ガイド40に設けられて規制部材50が当接する当接部とを備える。ガイド40及び規制部材50は、ロアレールの両側壁の間に配置されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、アッパレールの移動規制構造を有する車両用シートスライド装置に関する。
車両用シートスライド装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の車両用シートスライド装置は、車両フロアに固定されるロアレールと、ロアレールに対して摺動するアッパレールと、アッパレールの移動を規制する規制装置(特許文献1では、「スライド量規制機構」と呼ばれている。)とを備える。規制装置は、シートバックが前側に倒されてかつシートがアンロック状態(すなわちスライド可能状態)であるとき、シートが所定位置よりも後方に移動することを規制する。
特開2010−254218号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、規制装置は、車幅方向においてロアレール及びアッパレールの横側に配置されている。一方、車両によっては、車両フロアにおいて車幅方向の外縁に沿ってロアレールを設置し、ロアレールの横にスペースがない場合がある。このような場所には、ロアレール及びアッパレールの横側に規制装置が配置されている従来の車両用シートスライド装置を設置することができない。すなわち、従来の車両用シートスライド装置は、車幅方向において配置スペースを要する。
(1)上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、車両フロアに固定されるロアレールと、前記ロアレールに摺動可能に配置されるアッパレールと、前記アッパレールに設けられてシートのシートバックが前倒しにされるとき前記アッパレールの後方への移動を規制する規制部材と、前記ロアレールの底壁から突出する突起と、前記ロアレール内に進入した異物が前記突起を回避して移動するように前記異物を案内するガイドと、前記ガイドに設けられて前記規制部材が当接する当接部とを備え、前記ガイド及び前記規制部材は、前記ロアレールの両側壁の間に配置される。
この構成によれば、シートバックが前倒しされるときにアッパレールの移動を規制するための構成部品が、ロアレールの両側壁の間に配置されているため、これらの構成部品のいずれかがロアレールの外側に配置される従来構造のものに比べて、車両フロアにおける配置スペースが小さい。
(2)上記車両用シートスライド装置において、前記ガイドは、後方に向かって前記ロアレールの底壁から立ち上がるように構成されて前記突起を越えるように前記異物を案内する傾斜部を有し、前記傾斜部には、溝または孔が設けられ、前記当接部は、溝または孔に構成される。
この構成によれば、ガイドの傾斜部から突出するような当接部を設けるのではなく、ガイドの傾斜部に溝または孔に当接部が構成されているため、ガイドに案内される異物の移動が妨げられるようなことは生じ難くなる。
(3)上記車両用シートスライド装置において、前記ロアレールには、前記突起として、前記アッパレールの後方移動を規制するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記ロアレールの幅方向において前記ガイドの両側壁の外側に配置され、前記アッパレールは、前記ロアレールの前記ストッパに当接する当接部を有し、前記アッパレールの前記当接部は、前記ロアレールの幅方向において前記ガイドの両側壁の外側に配置されている。この構成によれば、異物がストッパに衝突することが抑制され、また、ロアレールのストッパとアッパレールの当接部とが当接する位置でアッパレールの後方移動を規制することができる。
(4)上記車両用シートスライド装置において、前記ロアレールと前記アッパレールとを係合させるロック状態と前記ロアレールに対する前記アッパレールの移動を許容するアンロック状態とを有するロック機構を更に備える。この構成によれば、ロック機構によりアッパレールがロアレールに対して移動不能に係合される。
(5)上記車両用シートスライド装置において、前記規制部材は、前記ガイドの前記当接部に当接し得る当接位置と、前記ガイドの前記当接部に当接し得ない退避位置とに配置され得るものとして構成され、前記アッパレールに載置されるシートのシートバックが前倒しされることに基づいて前記ロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に移行させ、かつ、前記規制部材を前記退避位置から前記当接位置に移動させる操作機構を更に備える。この構成によれば、シートバックが前倒しされることで、ロアレールに対してアッパレールが移動可能となり、かつ所定位置よりも後方へのアッパレールの移動が規制されるようになる。
(6)上記車両用シートスライド装置において、前記規制部材が前記ガイドの前記当接部に当接するとき前記規制部材に作用する力の方向と同じ方向に、前記規制部材が付勢され、前記規制部材は、前記当接位置において付勢方向には回転が規制され、前記付勢方向と反対方向には回転が許容される。
この構成によれば、アッパレールが後方へ移動して規制部材がガイドの当接部に当接するときは、規制部材の回転が規制されるためアッパレールが後方への移動が規制される。一方、アッパレールの規制部材がガイドの後方にあるとき、アッパレールが前方に移動するとき、規制部材がガイドに当接するが、規制部材に加わる力の方向は、規制部材が当接部に当接するときの力の方向とは反対方向(すなわち付勢方向と反対方向)になる。上記構成では、この方向には規制部材の回転は規制されないため、アッパレールが前方に移動するときは、規制部材がガイドに当接することに基づいてアッパレールの移動が規制されない。このため、アッパレールを前方に移動させることが容易になる。
上記車両用シートスライド装置は、従来の車両用シートスライド装置に比べて、車幅方向における配置スペースが狭い。
車両用シートスライド装置の側面図。 前後方向に垂直な面でのレールの断面図。 図2のA−A線に沿うレールの断面図。 ロアレールの平面図。 ロアレールの底面図。 レールの側面図。 ガイドの当接部に規制部材が当接しているときの様子を示す斜視図。 アッパレール及びロアレールの正面図。 操作機構の分解斜視図。 車両用シートスライド装置の動作を示す模式図。 車両用シートスライド装置の動作を示す模式図。 車両用シートスライド装置の動作を示す模式図。 車両用シートスライド装置の動作を示す模式図。 車両用シートスライド装置の動作を示す模式図。 規制部材の動作を示す模式図。
図1〜図15を参照して車両用シートスライド装置について説明する。
車両用シートスライド装置について、車両フロアに設置した状態において車両の前後方向に沿う方向を「前後方向DY」といい、車両の幅方向に沿う方向を「幅方向DX」という。なお、車両用シートスライド装置の前後方向DYは、車両用シートスライド装置内のロアレール及びアッパレールの「長手方向」と一致する。
車両の最前列のシート1(運転席または助手席)に取り付けられる車両用シートスライド装置10を例に挙げて、車両用シートスライド装置10について説明する。この車両用シートスライド装置10に搭載されるシート1は、車両前後方向に移動可能であり、第1ストッパ26により後方の所定位置で後方への移動が規制され、第2ストッパ27により前方の所定位置で前方への移動が規制される。また、シートバック2が前倒しされてシート1が移動可能な状態にあるとき、第1ストッパ26と第2ストッパ27との間の所定位置で後方への移動が規制される。なお、シートバック2を前倒しにしてシート1を移動可能な状態にするシート操作は、シート1の後方のシートに人が乗り込むとき(所謂「ウォークイン」)であり、そのシート1の後方空間を広げるために行われる。
図1を参照して、車両用シートスライド装置10の構成について説明する。
車両用シートスライド装置10は、車両フロアに対してシート1を車両前後方向に移動させる。シート1は、背もたれとしてのシートバック2と、座部としてのシートクッション3とを備える。シートバック2は、シートクッション3に対して回転可能であり、リクライナ4を介してシートクッション3に対して任意の角度で固定される。
車両用シートスライド装置10は、シート1を載せる一対のレール11,11と、レール11のアッパレール30の移動を規制する規制部材50と、ロック機構60と、規制部材50及びロック機構60を操作する操作機構70と、を備える。
一対のレール11,11は幅方向DXに所定距離を隔てて並列される。レール11,11それぞれは、その長手方向が車両の前後方向に沿うように車両フロアに配置される。レール11は、ロアレール20とアッパレール30とを備える。ロアレール20は車両フロアに固定される。アッパレール30は、転動部材を介してロアレール20に対して摺動する。
以下、2個のレール11,11のうちの左側(車両用シートスライド装置10を後ろからみて左側)のレール11について説明する。
図2に示されるように、ロアレール20は、底壁21と、底壁21の幅方向DX両端それぞれから上方に延びる側壁22と、側壁22の上端部から内側に延びる横壁23と、横壁23の内側端部から下方に延びる内壁24とを備える。ロアレール20には、後述のロック部材61の係合爪63aが挿通する複数の挿通部25が設けられている。複数の挿通部25は、ロアレール20の長手方向に沿って等間隔で配列されている。例えば、挿通部25は、横壁23と内壁24とに亘る貫通孔として構成される。
ロアレール20の底壁21の後部には、後述のガイド40を取り付けるための第1孔21aと、第2孔21bとが設けられている(図5参照)。また、ロアレール20においてガイド40の配置箇所には、アッパレール30の後方への移動を制限する一対の第1ストッパ26が設けられている。一対の第1ストッパ26は、ロアレール20の幅方向DXにおいてガイド40の両側壁43,43の外側に配置される(図4参照)。第1ストッパ26は、例えば、底壁21にある折曲り形状の孔21eの周辺部をプレス加工することにより構成される。第1ストッパ26には、アッパレール30の当接部36の後端が当接する。アッパレール30が後方に移動して、その当接部36の後端が第1ストッパ26に当接するとアッパレール30の後方移動が止まる。
ロアレール20の前部には、アッパレール30の前方への移動を制限する第2ストッパ27が設けられている(図1参照)。第2ストッパ27には、アッパレール30の当接部36の前端が当接する。アッパレール30が前方に移動して、その当接部36の前端が第2ストッパ27に当接するとアッパレール30の前方移動が止まる。
図2に示されるように、アッパレール30は、上壁31と、上壁31の幅方向DX両端それぞれから下方(ロアレール20の底壁21に向かう方向)に延びる縦壁32と、縦壁32の下端部から外方に延びて更に上方に屈曲する外壁33とを備える。アッパレール30の縦壁32は、ロアレール20の内壁24よりも幅方向DX内側に配置される。アッパレール30の外壁33は、ロアレール20の内壁24と側壁22との間に配置される。アッパレール30の外壁33とロアレール20の側壁22との間には転動部材が転動可能状態で配置される。アッパレール30の縦壁32には、後述のロック部材61の係合爪63aが挿通する幾つか(例えば、3個)の開口部35が設けられている。複数の開口部35は、アッパレール30の長手方向に沿って等間隔で配列されている。アッパレール30の外壁33には、後述のロック部材61の係合爪63aが挿通する挿通部34が設けられている。挿通部34は、開口部35に対向するところに配置される。
図2及び図3を参照して、ロック機構60について説明する。
ロック機構60は、アッパレール30とロアレール20とを係合させる。ロック機構60は、アッパレール30とロアレール20とに係合するロック部材61を有する。
ロック部材61は、アーム62と、アーム62の一端に配置されるロック部63と、アーム62の他端に配置される押圧部64とを有する。ロック部材61のアーム62は、アッパレール30とロアレール20との間の空間Sに配置される。
ロック部63は、アッパレール30とロアレール20とに係合し得る係合爪63aを有する。係合爪63aは、アーム62の長手方向に対して交差する方向(例えば直交方向)に延びる。係合爪63aは、幅方向DXにおいて少なくとも一方側に延びる。本実施形態では、複数の係合爪63aが、ロック部63の幅方向DX両側それぞれから延びている。係合爪63aは、アッパレール30の開口部35に挿通する。また、係合爪63aは、ロアレール20の挿通部25及びアッパレール30の挿通部34に挿通し得る。
ロック部材61の押圧部64は、操作機構70のロックレバー80(後述参照)により押圧され得る。
ロック部材61は、幅方向DXに沿う回転軸に介して回転可能にアッパレール30に取り付けられている。ロック部材61の回転軸は、アーム62においてロック部63と押圧部64との間に設けられる。操作機構70のロックレバー80により押圧部64が押されると、ロック部材61が回転する。ロック部63は、ロック部材61の回転によりロック位置(図2の実線の位置、及び図12参照)と、アンロック位置(図2の二点鎖線の位置、及び図13参照)との間で移動する。ロック位置は、ロック部63の係合爪63aがロアレール20の挿通部25及びアッパレール30の挿通部34に挿通しているときのロック部63の位置である。ロック部63がロック位置にあるとき、係合爪63aがアッパレール30及びロアレール20に係合するため、アッパレール30がロアレール20に対して移動不能に係合される。アンロック位置は、ロック部63の係合爪63aがロアレール20の挿通部25に挿通していないときのロック部63の位置である。ロック部63がアンロック位置にあるとき、係合爪63aがロアレール20に係合しないため、アッパレール30がロアレール20に対して移動可能になる。ロック部材61は、ロック部63がロック位置に位置するように付勢されている。このため、ロック部材61の押圧部64がロックレバー80により押圧されていないときは、ロック部63はロック位置に位置する。なお、ロック部63がロック位置にあるロック機構60の状態を「ロック機構60のロック状態」といい、ロック部63がアンロック位置にあるロック機構60の状態を「ロック機構60のアンロック状態」という。また、ロック部63がロック位置からアンロック位置に移動することによりロアレール20に対してアッパレール30が移動可能になることを「レール11のロックが解除される」という。
図4〜図8を参照して、ロアレール20に取り付けられるガイド40について説明する。図4は、ロアレール20の平面図であり、図5は、ロアレール20の底面図であり、図6は、レール11の側面図である。図6には、レール11内に進入した異物200がガイド40に乗り上げている状態が示されている。
ロアレール20には、ロアレール20に進入した異物200をロアレール20の外に円滑に排出するためのガイド40が設けられる。異物200とは、ロアレール20内に当初存在しないものであって、ロアレール20の対向する一対の内壁24の間の空間に入り得るものである。例えば、異物200としてライター(煙草用点火器)等が挙げられる。このような異物200がロアレール20内に存在すると、アッパレール30の移動の妨げになる。
これは次の理由による。ロアレール20内には、底壁21から突出する突起21dが存在する。突起21dとして、例えば、上述の第1ストッパ26、第2ストッパ27、及び、ロアレール20を車両フロアに固定するための締結部材の頭部等が挙げられる。第1ストッパ26、第2ストッパ27及び締結部材の頭部は、アッパレール30の移動の妨げにならないように、アッパレール30の底壁21が当たらないように構成されている。しかし、異物200がロアレール20内に存在すると、異物200が、上記突起21d(例えば、第1ストッパ26等)とアッパレール30の後端面37との間に挟まることがある。このように異物200がロアレール20の突起21dとアッパレール30の後端面37との間に挟まると、アッパレール30の後方への移動が阻害される。従って、このような異物200は、アッパレール30の移動によって排除されることが好ましい。このような理由により、上述のガイド40が設けられている。
ガイド40の一例として、第1ストッパ26の付近に配置されるものについて説明する。ガイド40は、異物200が第1ストッパ26を回避して移動し得るように案内する。ガイド40は、ロアレール20の両側壁22,22の間に配置される。具体的には、ガイド40は、ロアレール20とアッパレール30とにより構成される空間S内に配置され、第1ストッパ26付近の底壁21に取り付けられる。ガイド40は、ロアレール20において第1ストッパ26よりも前方に配置される傾斜部41と、傾斜部41から延びる平坦部42と、側壁43とを備える。側壁43には、幅方向DXに窪む凹部48が設けられている。凹部48は、側壁43と第1ストッパ26とが接触しないようにするために設けられている。
図6に示されるように、傾斜部41は、後方に向かって底壁21から立ち上がるように傾斜する。傾斜部41において前側の高さは、異物200の乗り上げが許容される程度の高さに構成される。傾斜部41において第1ストッパ26側の高さ(底壁21からの高さ)は、第1ストッパ26の高さと同じか、また第1ストッパ26よりも高い。
平坦部42は、傾斜部41の後側端縁から第1ストッパ26に向かって延びる。平坦部42の端部は、第1ストッパ26よりも後方に位置する。平坦部42の高さは、第1ストッパ26の高さと同じか、または第1ストッパ26よりも高い。
側壁43は、平坦部42における幅方向DXの端縁からロアレール20の底壁21に向かって延びる。
また、ガイド40には、ロアレール20の底壁21に係合する爪を有することが好ましい。例えば、第1爪44は、傾斜部41に設けられ、ロアレール20の底壁21の第1孔21a(図5参照)に挿通するように構成される。第2爪45は、側壁43の延長部として構成され、ロアレール20の底壁21の第2孔21b(図5参照)に挿通し、第2孔21bの幅方向端縁21cに当接するように構成される。第1爪44は、ロアレール20において長手方向におけるガイド40の位置を規定する。第2爪45は、ロアレール20において幅方向DXにおけるガイド40の位置を規定する。
このようなガイド40は、次のように、異物200が第1ストッパ26を回避して移動するように異物200を案内する。すなわち、アッパレール30の後端面37が異物200に接触すると、アッパレール30の移動に伴って異物200が移動する。異物200が、ガイド40まで運ばれると、異物200はガイド40の傾斜部41に乗り上がり、第1ストッパ26を越えて、ロアレール20の端部まで運ばれる。このようにして、異物200は、第1ストッパ26に接触せずに、第1ストッパ26の後方に運ばれ、ロアレール20の外に排出される。
図7に示されるように、ガイド40には、当接部47が設けられている。
当接部47は、アッパレール30に設けられる規制部材50が係合し得るように構成される。当接部47に規制部材50が当接することによりアッパレール30の移動が規制される(後述参照)。ガイド40の傾斜部41には、規制部材50が挿通する孔46が設けれ、孔46の一部にこの当接部47が構成される。なお、当接部47は、孔46に代えて傾斜部41に設けられる溝(またはスリット)に構成されてもよい。
この孔46は、ロアレール20の長手方向に沿うように延びる。本実施形態では、当接部47は、ガイド40の傾斜部41を貫通する孔46の一部に構成されている。当接部47が、傾斜部41から突出する突出部として構成されるのではなく、孔46の一部に構成される理由は、異物200が傾斜部41に乗り上ったときに異物200が傾斜部41に沿って円滑に移動させるためである。
図8は、レール11を図1の矢印Aの方向からみたレール11の正面図である。
図8に示されるように、ガイド40は、アッパレール30の2つの当接部36の間に配置される。逆に言うと、アッパレール30の当接部36は、幅方向DXにおいてガイド40の両側壁43,43の外側に配置される。また、ガイド40は、ロアレール20の一対の第1ストッパ26の間に配置される。逆に言うと、ロアレール20の一対の第1ストッパ26は、幅方向DXにおいてガイド40の両側壁43,43の外側に配置される(図4参照)。アッパレール30がロアレール20に対して後方に移動すると一対の当接部36は、ガイド40の両外側を通り、第1ストッパ26に当接する。
図7、図12及び図14を参照して、規制部材50について説明する。
規制部材50は、ロアレール20の両側壁22,22の間に配置される。また、規制部材50は、シートバック2が起立しているとき、ロアレール20のガイド40の当接部47に当接し得ない位置(以下、「退避位置」)に配置される(図12参照)。
規制部材50は、シートバック2が前倒れすることに基づいて、ロアレール20のガイド40の当接部47に当接し得る位置(以下、「当接位置」)に配置される(図14参照)。
図7に示されるように、規制部材50は、アーム51と、アーム51の一端に設けられている第1端部52と、アーム51の他端に設けられてガイド40の当接部47に当接する第2端部53とを有する。第1端部52には、操作機構70の規制レバー110の端縁が係合する係合部54が設けられている。規制部材50は、幅方向DXに沿う回転軸55(図12参照)を介して回転可能にアッパレール30に取り付けられている。この回転軸55は、アーム51において第1端部52と第2端部53との間に設けられる。そして、規制部材50は、その回転により、第2端部53がガイド40の当接部47に当接し得ない位置(すなわち退避位置)と、第2端部53がガイド40の当接部47に当接し得る位置(すなわち当接位置)とに配置される。なお、規制部材50が退避位置にあるときの第2端部53は、ガイド40の平坦部42よりも高い位置にある(図12参照)。
規制部材50は、付勢部材(例えば捻りばね)により、退避位置から当接位置に向かう方向に付勢されている。この付勢方向は、規制部材50の第2端部53がガイド40の当接部47に当接することで、規制部材50に作用する力の方向と一致する。そして、規制部材50の付勢方向への回転は、規制部材50が当接位置に位置するとき止まるように、ストッパで規制部材50が回転規制されている。すなわち、規制部材50が当接位置にあるとき、規制部材50は付勢方向には回転不能であり、付勢方向とは反対方向には回転可能である。
規制部材50の係合部54には、後述の規制レバー110の端縁が当接し得る。規制部材50の係合部54に規制レバー110の端縁が当接すると、規制部材50は、付勢方向とは反対方向に回転し、当接位置から退避位置に移動する。
図9を参照して、操作機構70について説明する。
操作機構70は、ロック機構60を動作させるロックレバー80と、ロックレバー80と規制部材50とを共に動作させるリンク機構100(図12参照)と、ロックレバー80を動作させるハンドル120と、シートバック2の動作に基づいてリンク機構100を動作させる作動機構90とを備える。
ロックレバー80とリンクレバー101(後述参照)とは、ホルダー71を介してアッパレール30に回転可能に支持される。ロックレバー80とリンクレバー101とは、例えば、同じ回転軸87で支持される。
ロックレバー80は、回転軸87が挿通する支持部81と、支持部81から延びる第1アーム82と、第1アーム82とは異なる方向に延びる第2アーム84とを有する。第1アーム82の端部には、ロック部材61の押圧部64を押す当接部83が設けられている。第2アーム84は、第1アーム82の上側に配置される。第2アーム84の上側は、ハンドル120の端部123により押される第1押圧部85と、リンクレバー101に押される第2押圧部86とを有する。
ロックレバー80は、ばねにより付勢されており、第2アーム84の第1押圧部85及び第2押圧部86のいずれにも押圧力が加えられていないとき、第1アーム82の当接部83がロック部材61の押圧部64から離れる位置(以下、「非押圧位置」という。)に配置される(図12参照)。ロックレバー80は、第2アーム84の第1押圧部85及び第2押圧部86のいずれか一方(またはその両方)に押圧力が加えられるとき、第1アーム82の当接部83がロック部材61の押圧部64を押圧する位置(以下、「押圧位置」という。)に配置される(図13参照)。ロックレバー80が押圧位置に配置されると、ロック部材61のロック部63がアンロック位置に配置される。
図9を参照して、作動機構90について説明する。作動機構90は、シートバック2が回転して前倒しにされることに基づいて、リンク機構100を動作させる。作動機構90は、回転部材91と、この回転部材91とリンク機構100のリンクレバー101とを連動させる連動部材95とを備える。
回転部材91は、回転可能にシートクッション3に取り付けられる。なお、実施形態では、回転部材91は、リクライナ4の内部に配置され、リクライナ4におけるシートクッション3側のケース4aに対して回転可能に取り付けられている。リクライナ4におけるシートバック2側のケースの図示は図9において省略されている。
回転部材91は、シートバック2の回転軸を中心として回転するリング形状の本体部92と、本体部92から延びる第1突起93と、本体部92から延びて第1突起93とは異なる方向に延びる第2突起94とを有する。第1突起93は、シートバック2のフレーム2aに設けられる突起2bにより押圧される。第2突起94には、連動部材95の第1端部95aが取り付けられる。連動部材95の第2端部95bは、リンク機構100のリンクレバー101に取り付けられる。
回転部材91は、付勢部材により、シートバック2が前倒しに回転する方向とは反対方向に付勢されている。そして、回転部材91は、第1突起93に力が加えられていないとき、初期位置(図10参照)に配置される。初期位置において回転部材91は次に示す位置に配置される。すなわち、シートバック2とシートクッション3との間のなす角度が所定角度になるまでシートバック2が前倒しされたときシートバック2の突起2bが回転部材91の第1突起93に当接するように、回転部材91が配置される。従って、シートバック2が起立状態(シートバック2とシートクッション3との間のなす角度が所定角度よりも大きい状態)にあるとき、回転部材91は初期位置に維持され、シートバック2が前倒しにされると、回転部材91が回転する。
シートバック2の前倒しに基づいてシートバック2の突起2bが回転部材91の第1突起93に当接することにより回転部材91が回転すると、回転部材91の第2突起94に係合する連動部材95が引かれて、リンク機構100のリンクレバー101が回転する。
図12〜図14を参照してリンク機構100を説明する。リンク機構100は、リンクレバー101と、規制レバー110と、リンクレバー101と規制レバー110とを連動させる連動部材115とを備える。
リンクレバー101は、回転軸87が挿通する支持部102と、支持部102から延びる第1アーム103と、第1アーム103とは異なる方向に延びる第2アーム105とを有する。
第2アーム105は、第1アーム103の延長方向とは反対方向に延びる。第2アーム105には、ロックレバー80の第2押圧部86を押す当接部108が設けられている。また、第2アーム105において当接部108よりも支持部102から遠いところには、第1係合孔106と、第2係合孔107とが設けられている。第1係合孔106は、作動機構90の連動部材95の第2端部95bが係合する。第2係合孔107は、リンク機構100の連動部材115の第1端部115aが係合する。連動部材115の第2端部115bは規制レバー110に取り付けられる。
規制レバー110は、規制部材50を退避位置に移動させる。規制レバー110の第1端部110aは、連動部材115の第2端部115bに係合する。規制レバー110の第2端部110bは、上述の回転軸55に係合する。連動部材115の動作に基づいて規制レバー110は、第1位置と第2位置との間で回転する。第1位置は、規制部材50を退避位置に配置させる位置であり、第2位置は、規制部材50を当接位置に配置させる位置である。規制レバー110が第1位置に配置されると、規制レバー110の端縁が規制部材50の係合部54を押すため、規制部材50が退避位置に移動する。規制レバー110が第2位置に配置されると、規制レバー110の端縁が規制部材50の係合部54から離間するため、規制部材50に加えられている付勢力に基づいて規制部材50は当接位置に移動する。
図12〜図15を参照して、リンク機構100の動作を説明する。
リンクレバー101は、作動機構90の動作に連動する。作動機構90の回転部材91が初期位置にあるとき(図10参照)、リンクレバー101は初期位置に位置する(図12参照)。シートバック2の前倒しにより作動機構90の回転部材91が回転すると(図11参照)、リンクレバー101が動作する(図14参照)。
図12に示されるように、リンクレバー101が初期位置にあるときは、リンクレバー101の当接部108はロックレバー80の第2押圧部86から離間する。このとき、ロック部材61のロック部63はロック位置にあるため、レール11はロックされた状態で維持される。また、連動部材115によりリンクレバー101に連結されている規制レバー110は、第1位置に位置して規制部材50の係合部54に係合する。このため、規制部材50は退避位置に配置される。
図14に示されるように、作動機構90の回転部材91が回転し、連動部材95を介してリンクレバー101が回転すると、ロック機構60及び規制部材50が、次のように動作する。リンクレバー101の回転により、リンクレバー101の当接部108がロックレバー80の第2押圧部86を押す。ロックレバー80の第2押圧部86が押されると、ロックレバー80の当接部83がロック部材61の押圧部64を押すため、ロック部材61のロック部63がアンロック位置に配置される。これによりレール11のロックが解除される。また、リンクレバー101の回転により、連動部材115が押される。そうすると、連動部材115が規制レバー110を回転させるため、規制レバー110の端縁と規制部材50の係合部54との係合が解除され、規制部材50が付勢方向に回転して退避位置から当接位置に移動する。このようにして、アッパレール30がロアレール20に対して移動可能となり、かつ規制部材50とガイド40との当接する位置でアッパレール30の後方移動が規制されるようになる。
次に、操作機構70のハンドル120について説明する。
図1に示されるように、ハンドル120は、手で把持され得る把持部121と、把持部121からシートクッション3の下方に延びる一対のアーム122とを備える。一対のアーム122は、幅方向DXに沿う軸に回転可能に支持されている。ハンドル120の把持部121が上下方向に移動することにより、アーム122の端部123は、把持部121と反対方向に移動する。アーム122の端部123は、ロックレバー80の第1押圧部85に当接可能な位置に配置されており、ハンドル120の把持部121が初期位置(図12参照)から上方に移動すると、図13に示されるように、アーム122の端部123が下方に移動してロックレバー80の第1押圧部85を押す。ロックレバー80の第1押圧部85が押されると、ロックレバー80が押圧位置に配置されて、ロック部材61のロック部63がアンロック位置に移動するため、レール11のロックが解除される。なお、このときロックレバー80は、リンクレバー101と独立して回転し、リンクレバー101は回転しないため、リンク機構100は動作せず、規制部材50は退避位置に配置された状態のまま維持されている。一方、ハンドル120の把持部121が初期位置に配置されると(図12参照)、アーム122の端部123は第1押圧部85を押圧しないようになるため、ロック部材61に加わる付勢力によりロック部材61のロック部63がロック位置に戻る。
図12及び図13を参照して、ハンドル120の操作に基づく車両用シートスライド装置10の動作を説明する。
シートバック2が起立状態にありかつハンドル120の把持部121が初期位置にあるとき、ハンドル120のアーム122の端部123はロックレバー80の第1押圧部85を押圧しないため、ロックレバー80の当接部83がロック部材61の押圧部64から離間する。このとき、ロック部材61のロック部63はロック位置に配置されるため、レール11はロックされる。
ハンドル120の把持部121が初期位置から上方に持ち上げられると、ハンドル120のアーム122の端部123がロックレバー80の第1押圧部85を押す。ロックレバー80の第1押圧部85が押されることにより、ロックレバー80が回転し、ロックレバー80の当接部83がロック部材61の押圧部64を押す。このとき、ロック部材61のロック部63がアンロック位置に移動するため、レール11のロックが解除される。
レール11のロックが解除されていると、アッパレール30はロアレール20に対して移動可能になる。このとき、アッパレール30は前方の所定位置と後方の所定位置との間で移動可能になる。ロアレール20の第1ストッパ26にアッパレール30の当接部36が当接する位置でアッパレール30の前方移動が規制され、ロアレール20の第2ストッパ27にアッパレール30の当接部36が当接する位置でアッパレール30の後方移動が規制される。
図14及び図15を参照して、シートバック2が前倒しされた状態でシート1を移動するときの車両用シートスライド装置10の動作を説明する。
シートバック2が起立状態から前倒しされると、作動機構90を介してリンク機構100が動作し、ロック機構60が動作してレール11のロックが解除されるとともに、規制部材50が当接位置に移動する。以下具体的にこれを説明する。
図14に示されるように、シートバック2が前倒しされてシートバック2とシートクッション3との間のなす角度が所定角度よりも小さくなると、シートバック2の突起2bが作動機構90の回転部材91の第1突起93を押すため、回転部材91が回転して連動部材95が引かれ、これによりリンクレバー101が初期位置から所定方向に回転する。そうすると、リンクレバー101の当接部108がロックレバー80の第2押圧部86を押すとともに、リンクレバー101に係合する連動部材115が移動して規制レバー110を動作させる。ロックレバー80の第2押圧部86が押されることにより、ロックレバー80が回転し、ロックレバー80の当接部83がロック部材61の押圧部64を押す。このとき、ロック部材61のロック部63がアンロック位置に移動するため、レール11のロックが解除される。
一方、連動部材115の移動により規制レバー110は第1位置から第2位置に回転するため、これに伴って規制部材50が当接位置に移動する。規制部材50が当接位置にあると、規制部材50は、ガイド40の当接部47に当接し得るようになるため、アッパレール30の移動が規制され得る。
図15に示されるように、規制部材50がガイド40よりも後方に位置するときにアッパレール30が前方に移動すると、規制部材50の第2端部53がガイド40の後部に当接する。そうすると、規制部材50が規制レバー110に対して回転し、規制部材50の第2端部53がガイド40の平坦部42に乗り上げるようになる。このため、規制部材50によりアッパレール30の移動が規制されず、アッパレール30は前方に移動する。
規制部材50がガイド40よりも前方に位置するときにアッパレール30が後方に移動すると、規制部材50の第2端部53がガイド40の当接部47に当接する。規制部材50は当接位置に配置されている。この当接位置では、このような当接により規制部材50に加わる力の方向への回転が規制されているため、規制部材50とガイド40の当接部47との当接可能な状態が維持される。このようにして、アッパレール30の後方移動が規制される。すなわち、シートバック2が前倒しにされるとアッパレール30が前後方向DYに自由に移動し得るが、前後方向DYにおける所定位置から後方へのアッパレール30の移動が規制される。これにより、ウォークインの際、シートバック2が前倒しにされてシート1が前後方向DYに自由に移動し得るようになるときでも、アッパレール30は、規制部材50とガイド40の当接部47とが当接し得る状態になっているため、シート1が前後方向DYの所定位置よりも後方に移動することが規制される。アッパレール30の後方移動が規制されていなければ、ウォークイン時に移動させるシート1の後側のシートに乗員が着座していた場合において、シート1の後方移動により乗員の足にそのシート1の後部が当たるおそれがあるが、上記構成ではアッパレール30の後方移動が所定位置で規制されるため、このような事態の発生が抑制される。なお、アッパレール30の規制部材50とガイド40の当接部47とが当接するときのシート1の位置を、乗員が着座するときの通常着座位置としてもよい。通常着座位置とは、標準的な体型の乗員が着座時に設定するシート位置である。このような設定によれば、アッパレール30の規制部材50とガイド40の当接部47とが当接するときにシートバック2を起立させると(以下、「規制位置での起立操作」という。)、シート1が通常着座位置に配置されて、レール11がロックされる。すなわち、この構成によれば、シート1について規制位置での起立操作を行った後、着座時にシート1の位置を再調整することなくまたはそのシート1を大幅に動かせることなく、シート1を通常着座位置に設定することができるため、乗員の手間を軽減できる。
次に、車両用シートスライド装置10の作用及び効果について説明する。
(1)車両用シートスライド装置10のガイド40及び規制部材50は、ロアレール20の両側壁22,22の間に配置される。すなわち、シートバック2が前倒しされるときにアッパレール30の移動を規制するための構成部品がロアレール20の両側壁22,22の間に配置されているため、これらの構成部品がレール11の外側に配置される従来構造のものに比べて、車両フロアにおける配置スペースが小さい。このため、車両フロアにおいてレール11が配置され得る範囲が広がる。また、これによって、車両用シートスライド装置10を、車両フロアの外縁に沿って設置することが可能になる。
(2)ガイド40は、後方に向かってロアレール20の底壁21から立ち上がるように傾斜する傾斜部41を有する。この傾斜部41は、第1ストッパ26を越えるように異物200を案内する。そして、傾斜部41には、孔46が設けられ、規制部材50が当接する当接部47は、孔46に構成される。この構成によれば、ガイド40の傾斜部41から突出するような当接部47を設けるのではなく、ガイド40の傾斜部41に孔46(または溝)に当接部47が構成されているため、ガイド40に案内される異物200の移動が妨げられるようなことは生じ難くなる。
(3)ロアレール20には、アッパレール30の後方移動を規制する一対の第1ストッパ26は、ロアレール20の幅方向DXにおいてガイド40の両側壁43,43の外側に配置される。アッパレール30の当接部36は、ロアレール20の幅方向DXにおいてガイド40の両側壁43,43の外側に配置されている。この構成によれば、異物200が第1ストッパ26に衝突することが抑制され、また、ロアレール20の第1ストッパ26とアッパレール30の当接部36とが当接する位置でアッパレールの後方移動を規制することができる。
(4)車両用シートスライド装置10はロック機構60を備える。この構成によれば、ロック機構60により、アッパレール30がロアレール20に対して移動不能に係合される。
(5)操作機構70は、アッパレール30に載置されるシート1のシートバック2が前倒しされることに基づいてロック機構60をロック状態からアンロック状態に移行させ、かつ、規制部材50を退避位置から当接位置に移動させる。この構成によれば、シートバック2が前倒しされることで、ロアレール20に対してアッパレール30が移動可能となり、かつ所定位置よりも後方へのアッパレール30の移動が規制されるようになる。
(6)規制部材50の回転は次のように制限される。規制部材50がガイド40の当接部47に当接するとき規制部材50に作用する力の方向と同じ方向に、規制部材50が付勢される。規制部材50は、当接位置において、付勢方向には回転が規制され、付勢方向と反対方向には回転が許容される。
この構成によれば、規制部材50が当接位置に配置されて、アッパレール30が後方へ移動して規制部材50がガイド40の当接部47に当接するときは、規制部材50の回転が制限されるためアッパレール30が後方への移動が規制される。一方、規制部材50が当接位置に配置されて、アッパレール30の規制部材50がガイド40の後方にあるときは、アッパレール30が前方に移動すると、規制部材50がガイド40に当接するが、規制部材50に加わる力の方向は、規制部材50が当接部47に当接するときの力の方向とは反対方向になる。この方向には規制部材50の回転が規制されないため、アッパレール30が前方に移動するときは、規制部材50がガイド40に当接することに基づいてアッパレール30の移動が規制されない。このため、アッパレール30を前方に移動させることが容易になる。
<その他の実施形態>
・実施形態に示される規制部材50は、一対のレール11のいずれにも配置されることが好ましいが、いずれか一方のレール11だけに設けられ得る。また、少なくとも、規制部材50が設けられるレール11にはガイド40が設けられるが、規制部材50が設けられないレール11にもガイド40を設けることが好ましい。
・実施形態において、ロック機構60の構造は、実施形態の例に限定されない。ロック機構60は、アッパレール30とロアレール20とを係合させる機構であればよい。例えば、実施形態では、係合爪63aを有するロック部63は、上下方向に移動するものであるが、係合爪63aがロアレール20に対して幅方向DXに移動するようにロック部63が構成され得る。
・実施形態では、最前列のシート1の車両用シートスライド装置10を例に本技術を説明したが、この技術は、車両前後方向に3列以上のシートがある場合には、中間のシート1を搭載する車両用シートスライド装置10にも適用され得る。すなわち、所謂ウォークインのために前に移動させられるシート1を搭載する車両用シートスライド装置10に本技術が適用され得る。
1…シート、2…シートバック、2a…フレーム、2b…突起、3…シートクッション、4…リクライナ、4a…ケース、10…車両用シートスライド装置、11…レール、20…ロアレール、21…底壁、21a…第1孔、21b…第2孔、21c…幅方向端縁、21d…突起、21e…孔、22…側壁、23…横壁、24…内壁、25…挿通部、26…第1ストッパ、27…第2ストッパ、30…アッパレール、31…上壁、32…縦壁、33…外壁、34…挿通部、35…開口部、36…当接部、37…後端面、40…ガイド、41…傾斜部、42…平坦部、43…側壁、44…第1爪、45…第2爪、46…孔、47…当接部、48…凹部、50…規制部材、51…アーム、52…第1端部、53…第2端部、54…係合部、55…回転軸、60…ロック機構、61…ロック部材、62…アーム、63…ロック部、63a…係合爪、64…押圧部、70…操作機構、71…ホルダー、80…ロックレバー、81…支持部、82…第1アーム、83…当接部、84…第2アーム、85…第1押圧部、86…第2押圧部、87…回転軸、90…作動機構、91…回転部材、92…本体部、93…第1突起、94…第2突起、95…連動部材、95a…第1端部、95b…第2端部、100…リンク機構、101…リンクレバー、102…支持部、103…第1アーム、105…第2アーム、106…第1係合孔、107…第2係合孔、108…当接部、110…規制レバー、110a…第1端部、110b…第2端部、115…連動部材、115a…第1端部、115b…第2端部、120…ハンドル、121…把持部、122…アーム、123…端部、200…異物、DY…前後方向、DX…幅方向、S…空間。

Claims (6)

  1. 車両フロアに固定されるロアレールと、
    前記ロアレールに摺動可能に配置されるアッパレールと、
    前記アッパレールに設けられてシートのシートバックが前倒しにされるとき前記アッパレールの後方への移動を規制する規制部材と、
    前記ロアレールの底壁から突出する突起と、
    前記ロアレール内に進入した異物が前記突起を回避して移動するように前記異物を案内するガイドと、
    前記ガイドに設けられて前記規制部材が当接する当接部とを備え、
    前記ガイド及び前記規制部材は、前記ロアレールの両側壁の間に配置される
    車両用シートスライド装置。
  2. 前記ガイドは、後方に向かって前記ロアレールの底壁から立ち上がるように構成されて前記突起を越えるように前記異物を案内する傾斜部を有し、
    前記傾斜部には、溝または孔が設けられ、前記当接部は、溝または孔に構成される
    請求項1に記載の車両用シートスライド装置。
  3. 前記ロアレールには、前記突起として、前記アッパレールの後方移動を規制するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記ロアレールの幅方向において前記ガイドの両側壁の外側に配置され、
    前記アッパレールは、前記ロアレールの前記ストッパに当接する当接部を有し、前記アッパレールの前記当接部は、前記ロアレールの幅方向において前記ガイドの両側壁の外側に配置されている
    請求項1または請求項2に記載の車両用シートスライド装置。
  4. 前記ロアレールと前記アッパレールとを係合させるロック状態と前記ロアレールに対する前記アッパレールの移動を許容するアンロック状態とを有するロック機構を更に備える
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用シートスライド装置。
  5. 前記規制部材は、前記ガイドの前記当接部に当接し得る当接位置と、前記ガイドの前記当接部に当接し得ない退避位置とに配置され得るものとして構成され、
    前記アッパレールに載置されるシートのシートバックが前倒しされることに基づいて前記ロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に移行させ、かつ、前記規制部材を前記退避位置から前記当接位置に移動させる操作機構を更に備える
    請求項4に記載の車両用シートスライド装置。
  6. 前記規制部材が前記ガイドの前記当接部に当接するとき前記規制部材に作用する力の方向と同じ方向に、前記規制部材が付勢され、
    前記規制部材は、前記当接位置において付勢方向には回転が規制され、前記付勢方向と反対方向には回転が許容される
    請求項5に記載の車両用シートスライド装置。
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