JP2017217842A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被印刷基板の帯電を抑制すると共に、印刷品質を向上させること。【解決手段】供給部21は、基板入替室20の上方から基板入替室20内に第1の湿度の空気を供給する。排気口27は、基板入替室20の下方から基板入替室20内の空気を排気する。供給部31は、印刷室30の上方から印刷室30内に第2の湿度の空気を供給する。排気口37は、印刷室30の下方から印刷室30内の空気を排気する。第1の湿度および第2の湿度は、供給部21および供給部31によってそれぞれ独立に制御される。【選択図】図1
Description
本発明の種々の側面及び実施形態は、印刷装置に関する。
従来、電子デバイスの配線や絶縁膜を基板上に形成する手法として、反転印刷法が知られている(例えば、特許文献1参照)。反転印刷法を用いた印刷装置では、被印刷基板に印刷されるべき印刷パターンの反転パターンが形成された印刷版を用いて、転写ローラの表面にインクの印刷パターンが形成される。そして、転写ローラを回転させながら被印刷基板上に押し当てることにより、転写ローラの表面に形成された印刷パターンが被印刷基板に印刷される。
また、グラビア印刷機等において、基材の帯電量を計測し、基材の帯電量が所定値を上回った場合に、印刷室を加湿することにより、基材の帯電を抑制する加湿制御システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、オフセット枚葉印刷機やオフセット輪転印刷機において、印刷ユニットにおける各ローラでのインキの水分量を調整することにより、印刷品質の向上を図る技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、反転印刷機では、被印刷基板が反転印刷機内の保持台上に保持される。そして、被印刷基板の表面に所定の印刷パターンが印刷された後、印刷後の被印刷基板が保持台から取り外される。被印刷基板は、保持台から取り外される際に剥離帯電する。これを抑制するために、反転印刷機内の湿度を上昇させると、転写ローラの表面に塗布されたインクの乾燥速度が遅くなる。そのため、インクの流動性が設計値よりも高い状態のまま、転写ローラの表面に形成された印刷パターンが被印刷基板上に印刷されてしまう。これにより、印刷品質が低下する。
開示する印刷装置は、1つの実施態様において、基板保持台と、基板入替室と、第1の供給部と、第1の排気口と、印刷室と、ローラ胴と、第2の供給部と、第2の排気口とを備える。基板保持台は、被印刷基板を移動可能に保持する。基板入替室は、印刷前の被印刷基板を基板保持台上に保持させ、印刷後の被印刷基板を基板保持台から取り出すための空間である。第1の供給部は、基板入替室の上方から基板入替室内に第1の湿度の空気を供給する。第1の排気口は、基板入替室の下方から基板入替室内の空気を排気する。印刷室は、基板保持台の移動方向に沿って基板入替室に隣接し、被印刷基板への印刷が行われる空間である。ローラ胴は、印刷室内に設けられ、インクにより表面に形成された印刷パターンを被印刷基板に印刷する。第2の供給部は、印刷室の上方から印刷室内に第2の湿度の空気を供給する。第2の排気口は、印刷室の下方から印刷室内の空気を排気する。第1の湿度および第2の湿度は、第1の供給部および第2の供給部によってそれぞれ独立に制御される。
開示する印刷装置の1つの態様によれば、被印刷基板の帯電を抑制すると共に、印刷品質を向上させることができる。
開示する印刷装置は、一つの実施形態において、基板保持台と、基板入替室と、第1の供給部と、第1の排気口と、印刷室と、ローラ胴と、第2の供給部と、第2の排気口とを備える。基板保持台は、被印刷基板を移動可能に保持する。基板入替室は、印刷前の被印刷基板を基板保持台上に保持させ、印刷後の被印刷基板を基板保持台から取り出すための空間である。第1の供給部は、基板入替室の上方から基板入替室内に第1の湿度の空気を供給する。第1の排気口は、基板入替室の下方から基板入替室内の空気を排気する。印刷室は、基板保持台の移動方向に沿って基板入替室に隣接し、被印刷基板への印刷が行われる空間である。ローラ胴は、印刷室内に設けられ、インクにより表面に形成された印刷パターンを被印刷基板に印刷する。第2の供給部は、印刷室の上方から印刷室内に第2の湿度の空気を供給する。第2の排気口は、印刷室の下方から印刷室内の空気を排気する。第1の湿度および第2の湿度は、第1の供給部および第2の供給部によってそれぞれ独立に制御される。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、第1の湿度は、第2の湿度よりも高くてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、基板入替室および印刷室にそれぞれ供給される空気の温度は、第1の供給部および第2の供給部によってそれぞれ独立に制御されてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、基板入替室と印刷室とは、基板保持台上の被印刷基板が、基板入替室と印刷室との間を移動するための第1の隙間により連通しており、第1の排気口は、第1の排気口の開口の上端の位置が、第1の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、第1の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、基板入替室内に設けられてもよく、第2の排気口は、第2の排気口の開口の上端の位置が、第1の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、第1の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、印刷室内に設けられてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、第1の隙間には、基板入替室と印刷室との間を基板保持台上の被印刷基板が移動していない期間において、第1の隙間を介する空気の流通を抑制する第1の抑制機構が設けられてもよい。
また、開示する印刷装置は、一つの実施形態において、基板入替室内の圧力が、印刷室内の圧力よりも高くなるように、第1の供給部による基板入替室内への空気の供給量と、第1の排気口を介して基板入替室内から排気される空気の排気量と、第2の供給部による印刷室内への空気の供給量と、第2の排気口を介して印刷室内から排気される空気の排気量とを制御する第1の制御部を備えてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、基板保持台の内部には、基板保持台上の被印刷基板の温度を制御する第1の温度制御部が設けられていてもよい。
また、開示する印刷装置は、一つの実施形態において、印刷版保持台と、印刷版入替室と、第3の供給部と、第3の排気口とを備えてもよい。印刷版保持台は、表面にインクが塗布されたローラ胴に印刷パターンを形成するための印刷版を移動可能に保持する。印刷版入替室は、印刷版保持台の移動方向に沿って印刷室に隣接する印刷版入替室であって、ローラ胴に印刷パターンを形成する前の印刷版を印刷版保持台上に保持させ、ローラ胴に印刷パターンを形成した後の印刷版を印刷版保持台から取り出すための空間である。第3の供給部は、印刷版入替室の上方から印刷版入替室内に第3の湿度の空気を供給する。第3の排気口は、印刷版入替室の下方から印刷版入替室内の空気を排気する。第3の湿度は、第3の供給部によって、第1の湿度および第2の湿度とは独立に制御される。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、第3の湿度は、第2の湿度よりも高くてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、印刷版入替室に供給される空気の温度は、第3の供給部によって、基板入替室内の空気の温度および印刷室内の空気の温度とは独立に制御されてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、印刷版入替室と印刷室とは、印刷版保持台上の印刷版が、印刷版入替室と印刷室との間を移動するための第2の隙間により連通しており、第2の排気口は、第2の排気口の開口の上端の位置が、第2の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、第2の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、印刷室内に設けられてもよく、第3の排気口は、第3の排気口の開口の上端の位置が、第2の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、第2の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、印刷版入替室内に設けられてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、第2の隙間には、印刷版入替室と印刷室との間を印刷版保持台上の印刷版が移動していない期間において、第2の隙間を介する空気の流通を抑制する第2の抑制機構が設けられていてもよい。
また、開示する印刷装置は、一つの実施形態において、印刷版入替室内の圧力が、印刷室内の圧力よりも高くなるように、第3の供給部による印刷版入替室内への空気の供給量と、第3の排気口を介して印刷版入替室内から排気される空気の排気量と、第2の供給部による印刷室内への空気の供給量と、第2の排気口を介して印刷室内から排気される空気の排気量とを制御する第2の制御部を備えてもよい。
また、開示する印刷装置の一つの実施形態において、印刷版保持台の内部には、印刷版保持台上の印刷版の温度を制御する第2の温度制御部が設けられていてもよい。
以下に、開示する印刷装置の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により、開示する印刷装置が限定されるものではない。
図1は、印刷装置10の一例を示す断面図である。図2は、図1に示した印刷装置10のA−A断面の一例を示す図である。図3は、図2に示した印刷装置10のB−B断面の一例を示す図である。本実施形態における印刷装置10は、インクによりローラ胴35の表面に所定の印刷パターンを形成する。そして、印刷装置10は、定盤13上に保持されている被印刷基板14とローラ胴35とを同期させて等速移動させながら、ローラ胴35を被印刷基板14に押し当てることにより、ローラ胴35の表面に形成された印刷パターンを被印刷基板14の表面に印刷する。本実施形態において、印刷パターンの形成に用いられるインクは、例えば金属ナノ粒子インクである。
印刷装置10は、例えば図1に示すように、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40を備える。基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の下方には、ガイドレール12が設けられており、定盤13および定盤15は、ガイドレール12上をガイドレール12に沿って移動することができる。定盤13は、被印刷基板14を保持する。定盤15は、印刷版16を保持する。定盤13および定盤15は、例えば真空チャックや機械式固定法等の方法により、被印刷基板14および印刷版16をそれぞれ保持する。定盤13は、基板保持台の一例であり、定盤15は、印刷版保持台の一例である。
基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40は、ガイドレール12の延伸方向、即ち、定盤13および定盤15の移動方向に沿って、この順番で隣接して配置されている。基板入替室20は、印刷前の被印刷基板14を定盤13上に保持させ、印刷後の被印刷基板14を定盤13から取り出すための空間である。印刷室30は、定盤13上に保持された被印刷基板14に、所定の印刷パターンを印刷するための空間である。印刷版入替室40は、印刷室30内のローラ胴35に印刷パターンを形成する前の印刷版16を定盤15上に保持させ、ローラ胴35に印刷パターンを形成した後の印刷版16を定盤15から取り出すための空間である。基板入替室20と印刷室30とは、隔壁38によって仕切られており、印刷室30と印刷版入替室40とは、隔壁39によって仕切られている。基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40をそれぞれ画成する外枠、隔壁38、および隔壁39は、例えば、帯電防止を施したアクリル樹脂やポリカーボネート等の透明な材料により形成される。
基板入替室20と印刷室30との間を仕切る隔壁38の下方には、定盤13および被印刷基板14が、基板入替室20と印刷室30との間を移動するための隙間17が設けられている。基板入替室20と印刷室30とは、隙間17を介して連通している。また、印刷室30と印刷版入替室40との間を仕切る隔壁39の下方には、定盤15および印刷版16が、印刷室30と印刷版入替室40との間を移動するための隙間18が設けられている。印刷室30と印刷版入替室40とは、隙間18を介して連通している。隙間17は、第1の隙間の一例であり、隙間18は、第2の隙間の一例である。
供給部21は、制御部11からの制御信号に応じて、基板入替室20内に供給される空気の温度および湿度を制御する。そして、供給部21は、温度および湿度が制御された空気を、バルブ22を介して基板入替室20内へ供給する。バルブ22は、供給部21から基板入替室20内に供給される空気を、制御部11からの制御信号に応じた送風量に調整する。エアフィルタ23は、バルブ22を介して供給部21から供給された空気に含まれるパーティクルを除去する。エアフィルタ23によってパーティクルが除去された空気は、基板入替室20の上方から基板入替室20内に供給される。
基板入替室20の下方には、例えば図1〜図3に示すように、複数の排気口27が設けられている。それぞれの排気口27には、排気装置19が接続されており、基板入替室20内の空気は、排気装置19によってそれぞれの排気口27を介して排気される。なお、本実施形態の印刷装置10では、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40に対して排気装置19が1つ設けられているが、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40のそれぞれに対して、排気装置19が1つずつ設けられていてもよい。あるいは、工場用のダクト排気を用いて、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内のそれぞれの空気を排気してもよい。また、本実施形態の印刷装置10では、排気装置19が、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の空気を吸引して排気するが、他の形態として、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の圧力を大気圧よりも高く設定することにより、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の空気が自然排気されるようにしてもよい。これにより、印刷装置10の外部からの空気の混入が防止される。この場合、排気装置19は、自然排気による排気量を調整するバルブとして機能する。
基板入替室20内では、エアフィルタ23を介して基板入替室20の上方から所定の温度および湿度の空気が供給され、基板入替室20内に供給された空気は、基板入替室20の下方に設けられたそれぞれの排気口27を介して排気される。これにより、基板入替室20内では、上方から下方への空気の流れが発生し、基板入替室20内で発生したパーティクル等は、基板入替室20内に漂うことなく、それぞれの排気口27を介して速やかに排出される。本実施形態において、それぞれの排気口27は、排気口27の開口の上端の位置が、例えば図3に示すように、基板入替室20と印刷室30との間を仕切る隔壁38の下端38a(即ち、隙間17の上端)の位置よりも低くなるように基板入替室20内に設けられる。なお、それぞれの排気口27の開口の上端の位置は、隔壁38の下端38aと同じ高さの位置であってもよい。なお、排気口27は設置場所によっては、排気量に差が生じる場合がある。そのため、それぞれの排気口27の近辺にマニュアルダンパー等の調整機能を設けて各室内の排気バランスの調整が行われることが好ましい。
基板入替室20内には、センサ24が設けられている。センサ24は、基板入替室20内の温度、湿度、および圧力を測定し、測定結果を制御部11へ出力する。なお、センサ24は、基板入替室20内の圧力として、大気圧を基準にした差圧を測定してもよい。制御部11は、センサ24によって測定された基板入替室20内の温度および湿度に基づいて、基板入替室20内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部21へ出力する。これにより、制御部11は、基板入替室20内の温度および湿度を所定範囲の温度および湿度に制御する。シャッタ25は、印刷前の被印刷基板14がロボットアーム26によって定盤13上に載置される際に開かれる。また、シャッタ25は、印刷後の被印刷基板14がロボットアーム26によって定盤13から取り出される際に開かれる。
供給部31は、制御部11からの制御信号に応じて、印刷室30内へ供給される空気の温度および湿度を制御する。そして、供給部31は、温度および湿度が制御された空気を、バルブ32を介して印刷室30内へ供給する。バルブ32は、供給部31から印刷室30内に供給される空気を、制御部11からの制御信号に応じた送風量に調整する。エアフィルタ33は、バルブ32を介して供給部31から供給された空気に含まれるパーティクルを除去する。エアフィルタ33によってパーティクルが除去された空気は、印刷室30の上方から印刷室30内に供給される。
印刷室30の下方には、例えば図1〜図3に示すように、複数の排気口37が設けられている。それぞれの排気口37には、排気装置19が接続されており、印刷室30内の空気は、排気装置19によってそれぞれの排気口37を介して排気される。印刷室30内では、エアフィルタ33を介して印刷室30の上方から所定の温度および湿度の空気が供給され、印刷室30内に供給された空気は、印刷室30の下方に設けられたそれぞれの排気口37を介して排気される。印刷室30内においても、上方から下方への空気の流れが発生し、印刷室30内で発生したパーティクル等は、印刷室30内に漂うことなく、それぞれの排気口37を介して速やかに排出される。本実施形態において、それぞれの排気口37は、排気口37の開口の上端の位置が、例えば図3に示すように、基板入替室20と印刷室30との間を仕切る隔壁38の下端38a(即ち、隙間17の上端)の位置、および、印刷室30と印刷版入替室40との間を仕切る隔壁39の下端39a(即ち、隙間18の上端)の位置よりも低い位置となるように、印刷室30内に設けられる。なお、それぞれの排気口37の開口の上端の位置は、隔壁38および隔壁39の下端と同じ高さの位置であってもよい。このように、排気口37の開口の上端の位置が、隔壁38および隔壁39の下端の高さと同じかそれよりも低い位置となるように、それぞれの排気口37が印刷室30内に設けられることにより、基板入替室20および印刷版入替室40から印刷室30内に空気が流入しても、印刷室30内において上方から下方への空気の流れが維持される。なお、排気口37の近辺には、排気の偏りを抑制するために、マニュアルダンパー等の調整機能が設けられてもよい。
印刷室30内には、センサ34が設けられている。センサ34は、印刷室30内の温度、湿度、および圧力を測定し、測定結果を制御部11へ出力する。なお、センサ34は、印刷室30内の圧力として、大気圧を基準にした差圧を測定してもよい。制御部11は、センサ34によって測定された印刷室30内の温度および湿度に基づいて、印刷室30内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部31へ出力する。これにより、制御部11は、印刷室30内の温度および湿度を所定範囲の温度および湿度に制御する。
また、印刷室30内には、ローラ胴35およびインクコータ36が設けられている。印刷室30内では、例えば図4に示すような手順により、被印刷基板14に印刷パターンが印刷される。図4は、印刷動作の一例を説明する図である。まず、制御部11は、図示しない高さ調整機構を制御して、ローラ胴35を初期位置に移動させる。そして、制御部11は、図示しない移動機構を制御して、インクコータ36のノズルの先端とローラ胴35の表面との距離が所定の距離になるまで、インクコータ36をローラ胴35に近づける。ローラ胴35の表面には、シリコーン等で形成された撥水性のブランケット350が巻き回されている。そして、制御部11は、ローラ胴35を、回転中心軸RCを中心として回転させつつ、インクコータ36からブランケット350上にインクを供給し、ローラ胴35の必要面積領域に一定膜厚のインク膜を形成する(図4の(A)参照)。制御部11は、インク膜の形成が完了すると、高さ調整機構を制御してローラ胴35を所定の位置まで戻す。そして、制御部11は、ローラ胴35を回転させ、所定の回転位置で高さ調整機構を動作させてローラ胴35を下降させる。
次に、制御部11は、印刷版16を保持する定盤15を制御して、ガイドレール12に沿って印刷版入替室40から印刷室30内へ移動させ、印刷版16をローラ胴35の下方の位置まで移動させる。そして、制御部11は、ローラ胴35を定盤15と連動させて動かす。制御部11は、ローラ胴35の外周速度を、定盤15の移動速度と一致させる。このため、定盤15は、ほぼ線状に接触する領域で凸版の凸領域表面でローラ胴3に塗布されたインク膜から接触したインクをはぎ取るように進んでいく。この結果、ローラ胴35の撥水性のブランケット350の表面には図4(B)に示すような凸版の反転パターンが残ることになる。
次に、制御部11は、高さ調整機構によりローラ胴35を上昇させた後、ローラ胴35を所定の位置まで回転させる。そして、制御部11は、再び高さ調整機構によりローラ胴35を下降させて、ローラ胴35と定盤13とを連動させて動かす(図4(C)参照)。この動作により、ローラ胴35上に形成されたインクの反転パターンが、被印刷基板14上に受理または転写される。
供給部41は、制御部11からの制御信号に応じて、印刷版入替室40内へ供給される空気の温度および湿度を制御する。そして、供給部41は、温度および湿度が制御された空気を、バルブ42を介して印刷版入替室40内へ供給する。バルブ42は、供給部41から印刷版入替室40内に供給される空気を、制御部11からの制御信号に応じた送風量に調整する。エアフィルタ43は、バルブ42を介して供給部41から供給された空気に含まれるパーティクルを除去する。エアフィルタ43によってパーティクルが除去された空気は、印刷版入替室40の上方から印刷版入替室40内に供給される。
印刷版入替室40の下方には、例えば図1〜図3に示すように、複数の排気口47が設けられている。それぞれの排気口47には、排気装置19が接続されており、印刷版入替室40内の空気は、排気装置19によってそれぞれの排気口47を介して排気される。これにより、印刷版入替室40内においても、上方から下方への空気の流れが発生し、印刷版入替室40内で発生したパーティクル等は、印刷版入替室40内に漂うことなく、それぞれの排気口47を介して速やかに排出される。本実施形態において、それぞれの排気口47は、排気口47の開口の上端の位置が、例えば図3に示すように、印刷室30と印刷版入替室40との間を仕切る隔壁39の下端39a(即ち、隙間18の上端)の位置よりも低くなるように印刷版入替室40内に設けられる。なお、それぞれの排気口47の開口の上端の位置は、隔壁39の下端39aと同じ高さの位置であってもよい。なお、排気口47の近辺には、排気の偏りを抑制するために、マニュアルダンパー等の調整機能が設けられてもよい。てもよい。
印刷版入替室40内には、センサ44が設けられている。センサ44は、印刷版入替室40内の温度、湿度、および圧力を測定し、測定結果を制御部11へ出力する。なお、センサ44は、印刷版入替室40内の圧力として、大気圧を基準にした差圧を測定してもよい。制御部11は、センサ44によって測定された印刷版入替室40内の温度および湿度に基づいて、印刷版入替室40内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部41へ出力する。これにより、制御部11は、印刷版入替室40内の温度および湿度を所定範囲の温度および湿度に制御する。シャッタ45は、ローラ胴35に印刷パターンを形成する前の印刷版16がロボットアーム46によって定盤15上に載置される際に開かれる。また、シャッタ45は、ローラ胴35に印刷パターンを形成した後の印刷版16がロボットアーム46によって定盤15から取り出される際に開かれる。本実施形態において、印刷版16は、ローラ胴35に印刷パターンを形成する度に、洗浄のために定盤15から取り出される。なお、他の形態として、印刷版16は、ローラ胴35に印刷パターンを形成する処理が何回か実行された後に、洗浄のために定盤15から取り出されてもよい。
制御部11は、センサ24、センサ34、およびセンサ44からの測定値に基づいて、供給部21、供給部31、および供給部41をそれぞれ制御することにより、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の環境(例えば温度、湿度、および圧力)をそれぞれ独立に制御する。制御部11は、第1の制御部および第2の制御部の一例である。例えば、制御部11は、基板入替室20内が第1の湿度となるように供給部21を制御し、印刷室30内が第2の湿度となるように供給部31を制御し、印刷版入替室40内が第3の湿度となるように供給部41を制御する。本実施例において、制御部11は、第1の湿度および第3の湿度が、第2の湿度よりも高くなるように、供給部21、供給部31、および供給部41をそれぞれ制御する。
具体的には、制御部11は、基板入替室20および印刷版入替室40内の湿度を、例えば60〜70%の範囲内の湿度に制御し、印刷室30内の湿度を、例えば30〜40%の範囲内の湿度に制御する。これにより、制御部11は、基板入替室20および印刷版入替室40内において、静電気の発生を抑制することができると共に、印刷室30内において、ブランケット350の表面のインク膜の乾燥を促進することができる。なお、印刷室30内の湿度は、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成される際、および、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写される際のそれぞれの時点において、インクが最適な粘度となる湿度に設定されていれば、上記の湿度の範囲に限られない。また、印刷室30内の湿度は、使用されるインクの種類やローラ胴35の回転速度等に応じて異なる湿度に設定されてもよい。また、第1の湿度と第3の湿度とは、同じ湿度であってもよく、異なる湿度であってもよい。なお、本明細書において、湿度とは相対湿度を表している。
また、制御部11は、基板入替室20および印刷版入替室40内の温度が室温となるように供給部21および供給部41を制御し、印刷室30内の温度が室温と同じか、室温よりも高くなるように供給部31を制御する。制御部11は、基板入替室20および印刷版入替室40内の温度を、例えば15〜25℃の範囲内の温度に制御し、印刷室30内の温度を、例えば20〜40℃の範囲内の温度に制御する。なお、印刷室30内の温度は、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成される際、および、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写される際のそれぞれの時点において、インクが最適な粘度となる温度に設定されていれば、上記の温度の範囲に限られない。また、印刷室30内の温度は、使用されるインクの種類やローラ胴35の回転速度等に応じて異なる温度に設定されてもよい。
また、制御部11は、センサ24、センサ34、およびセンサ44によって測定された各部屋の圧力に基づいて、バルブ22、バルブ32、バルブ42、および排気装置19をそれぞれ制御することにより、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の圧力をそれぞれ独立に制御する。例えば、制御部11は、基板入替室20および印刷版入替室40内の空気の圧力が、印刷室30内の空気の圧力よりも高くなるように、バルブ22、バルブ32、バルブ42、および排気装置19をそれぞれ制御する。即ち、制御部11は、基板入替室20内の空気の圧力が、印刷室30内の空気の圧力よりも高くなるように、バルブ22により基板入替室20内へ供給される空気の供給量と、排気装置19により排気口27を介して基板入替室20内から排気される空気の排気量と、バルブ32により印刷室30内へ供給される空気の供給量と、排気装置19により排気口37を介して印刷室30内から排気される空気の排気量とを制御する。また、一方で、制御部11は、印刷版入替室40内の空気の圧力が、印刷室30内の空気の圧力よりも高くなるように、バルブ42により印刷版入替室40内へ供給される空気の供給量と、排気装置19により排気口47を介して印刷版入替室40内から排気される空気の排気量と、バルブ32により印刷室30内へ供給される空気の供給量と、排気装置19により排気口37を介して印刷室30内から排気される空気の排気量とを制御する。例えば、ある印刷条件に適切な環境に整えるための印刷室30内における空気の供給量および排気量が決定され、決定された供給量および排気量となるように、基板入替室20内および印刷版入替室40内における空気の供給量と排気量とが調整されるように制御されればよい。
ここで、被印刷基板14に印刷される印刷パターンに用いられる金属ナノ粒子インクには、トルエン等のクリーンルームにおける汚染物質となる有機溶剤が含まれる場合がある。そのため、金属ナノ粒子インクを用いた印刷処理が行われる印刷室30内では、金属ナノ粒子インクの乾燥に伴い、有機溶剤が拡散する場合がある。印刷室30は、隙間17を介して基板入替室20と連通しており、隙間18を介して印刷版入替室40と連通している。また、基板入替室20のシャッタ25は、被印刷基板14の搬入および搬出の際に開放され、印刷版入替室40のシャッタ45は、印刷版16の搬入および搬出の際に開放される。そのため、印刷室30内の空気が基板入替室20および印刷版入替室40へ流れ込むと、シャッタ25およびシャッタ45が開放された際に、有機溶剤の成分が印刷装置10の外部へ流出することになる。
これに対し、本実施形態の印刷装置10では、基板入替室20および印刷版入替室40内の空気の圧力が、印刷室30内の空気の圧力よりも高くなるように制御される。これにより、基板入替室20内に供給された空気の一部が隙間17を介して印刷室30内に流れ込み、印刷版入替室40内に供給された空気の一部が隙間18を介して印刷室30内に流れ込む。そのため、印刷室30内の空気は、隙間17および隙間18を介して基板入替室20や印刷版入替室40へは流れ込まず、排気口37を介して排出される。これにより、印刷装置10の外部への有機溶剤の拡散を防止することができる。
なお、隙間17を介して基板入替室20から印刷室30内に流れ込んだ空気は、印刷室30内に漂うことなく、印刷室30の下方に設けられた排気口37から速やかに排出される。そのため、基板入替室20内に供給された空気の温度および湿度が、印刷室30内に供給された空気の温度および湿度とは異なる温度および湿度に制御されている場合であっても、隙間17を介して印刷室30内に流れ込んだ空気による印刷室30内の温度および湿度の変化はほとんど生じない。隙間18を介して印刷版入替室40から印刷室30内に流れ込んだ空気についても同様に、排気口37から速やかに排出されるため、隙間18を介して印刷室30内に流れ込んだ空気による印刷室30内の温度および湿度の変化もほとんど生じない。
以上、印刷装置10の一実施形態について説明した。本実施形態の印刷装置10によれば、被印刷基板14の搬入および搬出が行われる基板入替室20内の環境と、印刷が行われる印刷室30内の環境と、印刷版16の搬入および搬出が行われる印刷版入替室40内の環境とを、それぞれ独立に制御する。これにより、基板入替室20および印刷版入替室40内の湿度を高く設定し、印刷室30内の湿度を低く設定することが可能となる。これにより、被印刷基板14の搬入および搬出に伴う被印刷基板14の帯電、および、印刷版16の搬入および搬出に伴う印刷版16の帯電を抑制することができると共に、印刷時におけるインクの粘度を最適な状態に保つことができる。これにより、静電気による被印刷基板14および印刷版16の破損を防止することができると共に、印刷品質を向上させることができる。
(変形例)
なお、開示の技術は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
なお、開示の技術は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
(エアカーテンを用いた変形例)
例えば、上記した実施形態における印刷装置10では、基板入替室20と印刷室30とは隙間17を介して連通しており、隙間17を介する空気の流通を妨げる機構は設けられていない。同様に、上記した実施形態における印刷装置10では、印刷室30と印刷版入替室40とは隙間18を介して連通しており、隙間18を介する空気の流通を妨げる機構は設けられていない。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば図5に示すように、基板入替室20と印刷室30との間の隔壁38、および、印刷室30と印刷版入替室40との間の隔壁39に、空気の流通を妨げる機構(例えばエアカーテン)がそれぞれ設けられてもよい。図5は、エアカーテンの一例を説明する図である。
例えば、上記した実施形態における印刷装置10では、基板入替室20と印刷室30とは隙間17を介して連通しており、隙間17を介する空気の流通を妨げる機構は設けられていない。同様に、上記した実施形態における印刷装置10では、印刷室30と印刷版入替室40とは隙間18を介して連通しており、隙間18を介する空気の流通を妨げる機構は設けられていない。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば図5に示すように、基板入替室20と印刷室30との間の隔壁38、および、印刷室30と印刷版入替室40との間の隔壁39に、空気の流通を妨げる機構(例えばエアカーテン)がそれぞれ設けられてもよい。図5は、エアカーテンの一例を説明する図である。
噴射口29は、隔壁38の下端に設けられ、バルブ28を介して供給部21に接続されている。また、噴射口49は、隔壁39の下端に設けられ、バルブ48を介して供給部41に接続されている。噴射口29および噴射口49は、ローラ胴35の軸方向に並べて複数配置されている。バルブ28は、制御部11によって制御され、例えば図5(a)および(c)に示すように、定盤13上の被印刷基板14が基板入替室20と印刷室30との間を移動していない期間において、供給部21から供給された空気を噴射口29から噴射させる。これにより、隙間17には、噴射口29から噴射された空気により、いわゆるエアカーテンが形成される。また、バルブ28は、例えば図5(b)に示すように、定盤13上の被印刷基板14が基板入替室20と印刷室30との間を移動している期間において、供給部21から噴射口29への空気の供給を停止する。これにより、バルブ28および噴射口29は、定盤13上の被印刷基板14が基板入替室20と印刷室30との間を移動していない期間において、隙間17を介する空気の流通を抑制する。バルブ28および噴射口29は、第1の抑制機構の一例である。
また、バルブ48は、制御部11によって制御され、例えば図5(a)および(b)に示すように、定盤15上の印刷版16が印刷室30と印刷版入替室40との間を移動していない期間において、供給部41から供給された空気を噴射口49から噴射させる。これにより、隙間18には、噴射口49から噴射された空気により、いわゆるエアカーテンが形成される。これにより、バルブ48および噴射口49は、定盤15上の印刷版16が印刷室30と印刷版入替室40との間を移動していない期間において、隙間18を介する空気の流通を抑制する。バルブ48および噴射口49は、第2の抑制機構の一例である。
これにより、隙間17および隙間18を介する空気の流れがさらに抑制され、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の環境の安定性がさらに向上する。なお、バルブ28および噴射口29に代えて、隔壁38の下端には、定盤13上の被印刷基板14が基板入替室20と印刷室30との間を移動していない期間において閉じられ、定盤13上の被印刷基板14が基板入替室20と印刷室30との間を移動する期間において開放されるシャッタが設けられてもよい。同様に、バルブ48および噴射口49に代えて、隔壁39の下端には、定盤15上の印刷版16が印刷室30と印刷版入替室40との間を移動していない期間において閉じられ、定盤15上の印刷版16が印刷室30と印刷版入替室40との間を移動する期間において開放されるシャッタが設けられてもよい。これらエアカーテンやシャッタは、印刷前の被印刷基板14がロボットアーム26によって定盤13上に載置されるためにシャッタ25が開かれる際、印刷後の被印刷基板14がロボットアーム26によって定盤13から取り出されるためにシャッタ25が開かれる際、使用前の印刷版16がロボットアーム46によって定盤15上に載置されるためにシャッタ45が開かれる際、使用後の印刷版16がロボットアーム46によって定盤15から取り出されるためにシャッタ45が開かれる際に有効である。
(制御部を複数に分けた場合の変形例)
また、上記した実施形態の印刷装置10では、1つの制御部11が、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の環境をそれぞれ制御するが、開示の技術はこれに限られない。例えば図6に示すように、制御部11の機能を2つの制御部11−1および11−2により実現してもよい。図6は、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の環境を制御する制御部11の構成の他の例を示す図である。
また、上記した実施形態の印刷装置10では、1つの制御部11が、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40内の環境をそれぞれ制御するが、開示の技術はこれに限られない。例えば図6に示すように、制御部11の機能を2つの制御部11−1および11−2により実現してもよい。図6は、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の環境を制御する制御部11の構成の他の例を示す図である。
制御部11−1は、センサ24によって測定された基板入替室20内の温度および湿度に基づいて、基板入替室20内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部21へ出力する。また、制御部11−1は、センサ24によって測定された基板入替室20内の圧力に基づいて、基板入替室20内を所定の圧力にするための制御信号をバルブ22へ出力する。また、制御部11−1は、センサ44によって測定された印刷版入替室40内の温度および湿度に基づいて、印刷版入替室40内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部41へ出力する。また、制御部11−1は、センサ44によって測定された印刷版入替室40内の圧力に基づいて、印刷版入替室40内を所定の圧力にするための制御信号をバルブ42へ出力する。
制御部11−2は、センサ34によって測定された印刷室30内の温度および湿度に基づいて、印刷室30内の温度および湿度を所定範囲に保つための制御信号を生成し、生成した制御信号を供給部31へ出力する。また、制御部11−2は、センサ34によって測定された印刷室30内の圧力に基づいて、印刷室30内を所定の圧力にするための制御信号をバルブ32へ出力する。なお、排気装置19の排気量の制御、定盤13および定盤15の移動量の制御、ローラ胴35およびインクコータ36による印刷動作の制御等は、制御部11−1または制御部11−2のいずれかによって行われる。
また、図7に示すように、印刷装置10には、制御部11−1および制御部11−2を統括的に制御する制御部11−3がさらに設けられてもよい。図7は、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の環境を制御する制御部11の構成のさらなる他の例を示す図である。
図7の例では、制御部11−3が、制御部11−1および制御部11−2を制御し、制御部11−1が基板入替室20および印刷版入替室40内の環境を制御し、制御部11−2が印刷室30内の環境を制御する。また、排気装置19の排気量の制御、定盤13および定盤15の移動量の制御、ローラ胴35およびインクコータ36による印刷動作の制御等は、制御部11−3によって行われる。
(被印刷基板14および印刷版16の温度制御)
上記した実施形態の印刷装置10では、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成される際、および、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写される際のそれぞれの時点において、インクが最適な粘度となるように、印刷室30内に供給される空気の温度が調整される。本変形例では、さらに、被印刷基板14および印刷版16の温度も、インクが最適な粘度となる温度に制御する。例えば、定盤13の内部に被印刷基板14の温度を制御する第1の温度制御部が設けられ、定盤15の内部に印刷版16の温度を制御する第2の温度制御部が設けられる。第1の温度制御部および第2の温度制御部は、制御部11によって制御される。第1の温度制御部および第2の温度制御部は、例えばヒータやペルチェ素子等により実現される。
上記した実施形態の印刷装置10では、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成される際、および、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写される際のそれぞれの時点において、インクが最適な粘度となるように、印刷室30内に供給される空気の温度が調整される。本変形例では、さらに、被印刷基板14および印刷版16の温度も、インクが最適な粘度となる温度に制御する。例えば、定盤13の内部に被印刷基板14の温度を制御する第1の温度制御部が設けられ、定盤15の内部に印刷版16の温度を制御する第2の温度制御部が設けられる。第1の温度制御部および第2の温度制御部は、制御部11によって制御される。第1の温度制御部および第2の温度制御部は、例えばヒータやペルチェ素子等により実現される。
定盤15の内部に設けられた第2の温度制御部は、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成される際に、印刷版16の温度をインクが最適な粘度となる温度となるように制御する。これにより、インクが最適な粘度を保ったまま、印刷版16によってブランケット350の表面に印刷パターンが形成されるため、印刷パターンの品質を向上させることができる。また、定盤13の内部に設けられた第1の温度制御部は、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写される際に、被印刷基板14の温度をインクが最適な粘度となる温度となるように制御する。これにより、インクが最適な粘度を保ったまま、ブランケット350の表面に形成された印刷パターンが被印刷基板14に転写されるため、被印刷基板14上に印刷される印刷パターンの品質を向上させることができる。
(排気口)
上記した実施形態の印刷装置10では、基板入替室20内の側壁の下方に排気口27が設けられ、印刷室30内の側壁の下方に排気口37が設けられ、印刷版入替室40内の側壁の下方に排気口47が設けられるが、排気口の位置はこれに限られない。例えば、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40のそれぞれにおいて、側壁の下方に設けられた排気口に代えて、あるいは、側壁の下方に設けられた排気口に加えて、ガイドレール12の下方に排気口が設けられてもよい。ガイドレール12の下方に設けられた排気口により、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の上方からそれぞれ供給された空気がガイドレール12の間を通って下方に排気される。これにより、基板入替室20と印刷室30との間の空気の流通、および、印刷室30と印刷版入替室40との間の空気の流通をさらに抑制することができる。
上記した実施形態の印刷装置10では、基板入替室20内の側壁の下方に排気口27が設けられ、印刷室30内の側壁の下方に排気口37が設けられ、印刷版入替室40内の側壁の下方に排気口47が設けられるが、排気口の位置はこれに限られない。例えば、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40のそれぞれにおいて、側壁の下方に設けられた排気口に代えて、あるいは、側壁の下方に設けられた排気口に加えて、ガイドレール12の下方に排気口が設けられてもよい。ガイドレール12の下方に設けられた排気口により、基板入替室20、印刷室30、および印刷版入替室40の上方からそれぞれ供給された空気がガイドレール12の間を通って下方に排気される。これにより、基板入替室20と印刷室30との間の空気の流通、および、印刷室30と印刷版入替室40との間の空気の流通をさらに抑制することができる。
10 印刷装置
11 制御部
13 定盤
14 被印刷基板
15 定盤
16 印刷版
17 隙間
18 隙間
20 基板入替室
21 供給部
22 バルブ
24 センサ
27 排気口
30 印刷室
31 供給部
32 バルブ
34 センサ
35 ローラ胴
36 インクコータ
37 排気口
38 隔壁
39 隔壁
40 印刷版入替室
41 供給部
42 バルブ
44 センサ
47 排気口
11 制御部
13 定盤
14 被印刷基板
15 定盤
16 印刷版
17 隙間
18 隙間
20 基板入替室
21 供給部
22 バルブ
24 センサ
27 排気口
30 印刷室
31 供給部
32 バルブ
34 センサ
35 ローラ胴
36 インクコータ
37 排気口
38 隔壁
39 隔壁
40 印刷版入替室
41 供給部
42 バルブ
44 センサ
47 排気口
Claims (14)
- 被印刷基板を移動可能に保持する基板保持台と、
印刷前の前記被印刷基板を前記基板保持台上に保持させ、印刷後の前記被印刷基板を前記基板保持台から取り出すための空間である基板入替室と、
前記基板入替室の上方から前記基板入替室内に第1の湿度の空気を供給する第1の供給部と、
前記基板入替室の下方から前記基板入替室内の空気を排気する第1の排気口と、
前記基板保持台の移動方向に沿って前記基板入替室に隣接し、前記被印刷基板への印刷が行われる空間である印刷室と、
前記印刷室内に設けられ、インクにより表面に形成された印刷パターンを前記被印刷基板に印刷するローラ胴と、
前記印刷室の上方から前記印刷室内に第2の湿度の空気を供給する第2の供給部と、
前記印刷室の下方から前記印刷室内の空気を排気する第2の排気口と
を備え、
前記第1の湿度および前記第2の湿度は、前記第1の供給部および前記第2の供給部によってそれぞれ独立に制御されることを特徴とする印刷装置。 - 前記第1の湿度は、前記第2の湿度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記基板入替室および前記印刷室にそれぞれ供給される空気の温度は、前記第1の供給部および前記第2の供給部によってそれぞれ独立に制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
- 前記基板入替室と前記印刷室とは、前記基板保持台上の前記被印刷基板が、前記基板入替室と前記印刷室との間を移動するための第1の隙間により連通しており、
前記第1の排気口は、
前記第1の排気口の開口の上端の位置が、前記第1の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、前記第1の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、前記基板入替室内に設けられ、
前記第2の排気口は、
前記第2の排気口の開口の上端の位置が、前記第1の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、前記第1の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、前記印刷室内に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記第1の隙間には、前記基板入替室と前記印刷室との間を前記基板保持台上の前記被印刷基板が移動していない期間において、前記第1の隙間を介する空気の流通を抑制する第1の抑制機構が設けられることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
- 前記基板入替室内の圧力が、前記印刷室内の圧力よりも高くなるように、前記第1の供給部による前記基板入替室内への空気の供給量と、前記第1の排気口を介して前記基板入替室内から排気される空気の排気量と、前記第2の供給部による前記印刷室内への空気の供給量と、前記第2の排気口を介して前記印刷室内から排気される空気の排気量とを制御する第1の制御部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記基板保持台の内部には、前記基板保持台上の前記被印刷基板の温度を制御する第1の温度制御部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 表面にインクが塗布された前記ローラ胴に前記印刷パターンを形成するための印刷版を移動可能に保持する印刷版保持台と、
前記印刷版保持台の移動方向に沿って前記印刷室に隣接する印刷版入替室であって、前記ローラ胴に前記印刷パターンを形成する前の前記印刷版を前記印刷版保持台上に保持させ、前記ローラ胴に前記印刷パターンを形成した後の前記印刷版を前記印刷版保持台から取り出すための空間である印刷版入替室と、
前記印刷版入替室の上方から前記印刷版入替室内に第3の湿度の空気を供給する第3の供給部と、
前記印刷版入替室の下方から前記印刷版入替室内の空気を排気する第3の排気口と
を備え、
前記第3の湿度は、前記第3の供給部によって、前記第1の湿度および前記第2の湿度とは独立に制御されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記第3の湿度は、前記第2の湿度よりも高いことを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
- 前記印刷版入替室に供給される空気の温度は、前記第3の供給部によって、前記基板入替室内の空気の温度および前記印刷室内の空気の温度とは独立に制御されることを特徴とする請求項8または9に記載の印刷装置。
- 前記印刷版入替室と前記印刷室とは、前記印刷版保持台上の前記印刷版が、前記印刷版入替室と前記印刷室との間を移動するための第2の隙間により連通しており、
前記第2の排気口は、
前記第2の排気口の開口の上端の位置が、前記第2の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、前記第2の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、前記印刷室内に設けられ、
前記第3の排気口は、
前記第3の排気口の開口の上端の位置が、前記第2の隙間の上端の位置と同じ高さの位置、または、前記第2の隙間の上端の位置よりも低い位置となるように、前記印刷版入替室内に設けられることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記第2の隙間には、前記印刷版入替室と前記印刷室との間を前記印刷版保持台上の前記印刷版が移動していない期間において、前記第2の隙間を介する空気の流通を抑制する第2の抑制機構が設けられることを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
- 前記印刷版入替室内の圧力が、前記印刷室内の圧力よりも高くなるように、前記第3の供給部による前記印刷版入替室内への空気の供給量と、前記第3の排気口を介して前記印刷版入替室内から排気される空気の排気量と、前記第2の供給部による前記印刷室内への空気の供給量と、前記第2の排気口を介して前記印刷室内から排気される空気の排気量とを制御する第2の制御部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記印刷版保持台の内部には、前記印刷版保持台上の前記印刷版の温度を制御する第2の温度制御部が設けられていることを特徴とする請求項8から13のいずれか一項に記載の印刷装置。
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2016
- 2016-06-08 JP JP2016114477A patent/JP2017217842A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019176078A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2020-04-16 | 株式会社東芝 | 透明電極の製造方法および製造装置 |
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