JP2017217675A - レーザクラッド加工装置 - Google Patents

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内田 圭亮
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圭亮 内田
信吾 岩谷
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信吾 岩谷
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【課題】レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適切に判定することができるレーザクラッド加工装置を提供する。【解決手段】被加工部に粉末のクラッド用金属の供給を開始してから一定の待ち時間をおいてレーザを前記被加工部に照射するレーザクラッド加工装置1であって、レーザ照射を開始してから所定期間内における前記被加工部の放射温度を測定する放射温度計6と、予め調査した、粉待ち時間とレーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値との関係から決定される、前記被加工部の品質が良品となる当該放射温度の平均値における範囲を記憶する記憶部10と、前記放射温度計6によって測定された前記被加工部の放射温度の平均値を算出し当該平均値が前記範囲内であるときに前記被加工部における品質が良品であると判定する判定部8と、を備えるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザクラッド加工装置に関する。
被加工部に粉末のクラッド用金属を供給しながらレーザビームを照射してクラッド用金属を溶接肉盛りするレーザクラッド加工装置が知られている。このようなレーザクラッド加工装置において、レーザ出力と粉末のクラッド用金属の供給量(粉末供給量)とのバランスが不適正であると、ビードにクラックや剥離といった溶着不良が発生する場合がある。
特許文献1には、ビードの品質を判定するに際し、レーザ出力に対応するクラッド用金属の供給量のしきい値、およびクラッド用金属の供給量に対応するレーザ出力のしきい値のうちの少なくとも一方を予め設定し、加工中におけるレーザ出力およびクラッド用金属の供給量を検出し、これらの検出結果としきい値に基づいてビードの品質を判定する技術が開示されている。
特開2002−103068号公報
レーザ照射を開始した直後の非常に短い期間において、レーザ出力に対する粉末供給量のバランスが不安定になりやすい。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、レーザ出力を単位時間あたりの総エネルギ量、粉末供給量を単位時間あたりの総供給量、と、いずれも積分値として検出し、これらの検出結果としきい値に基づいてビードの品質を判定を行っているため、レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適正に判定できないという問題があった。
以上の背景に鑑み、本発明の目的は、レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適切に判定することができるレーザクラッド加工装置を提供することである。
本発明は、被加工部に粉末のクラッド用金属の供給を開始してから一定の待ち時間をおいてレーザを前記被加工部に照射するレーザクラッド加工装置であって、レーザ照射を開始してから所定期間内における前記被加工部の放射温度を測定する放射温度測定部と、予め調査した、粉待ち時間とレーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値との関係から決定される、前記被加工部の品質が良品となる当該放射温度の平均値における範囲を記憶する記憶部と、前記放射温度測定部によって測定された前記被加工部の放射温度の平均値を算出し当該平均値が前記範囲内であるときに前記被加工部における品質が良品であると判定する判定部と、を備えるものである。
本発明により、レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適切に判定することができる。
本実施の形態にかかるレーザクラッド加工装置の概略構成を示す図である。 クラッド加工開始からの時間と粉末供給量との関係およびクラッド加工開始からの時間とレーザ出力との関係について示す図である。 レーザ発振器がレーザ照射を開始した直後における、経過時間に対する放射温度計による放射温度の測定値の一例を示すグラフである。 粉待ち時間に対するレーザ発振器がレーザ照射を開始した直後の放射温度の平均値の一例を示すグラフである。 本実施の形態にかかるレーザクラッド加工装置において、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値に基づいて被加工部の品質の良否を判定する処理の流れを示すフローチャートである。 参考形態にかかるレーザクラッド加工装置の概略構成を示す図である。
[実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるレーザクラッド加工装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、レーザクラッド加工装置1は、レーザ発振器2と、レーザクラッドヘッド3と、ノズル4と、粉末供給部5と、放射温度計6と、制御部7と、判定部8と、判定結果出力部9と、記憶部10と、を備える。
レーザ発振器2は、レーザLを出力する。出力されたレーザLは、レーザクラッドヘッド3およびレーザクラッドヘッド3の先端に設けられたノズル4を通って、被加工部における加工点(溶融池)Pに照射される。レーザクラッドヘッド3は、レーザが所望の加工点に照射されるように、NC(numerical control)加工機やロボットなどにより駆動される。粉末供給部5は、粉末のクラッド用金属をノズル4を介して被加工部に供給する。具体的には、粉末供給部5は、キャリアガスに金属粉を混合させ、キャリアガスとともに金属粉をノズル4を介して被加工部に供給する。また、粉末供給部5は、センターガスをノズル4に供給する。センターガス及びキャリアガスは、例えば、窒素またはアルゴン等の不活性ガスである。金属粉は、例えば、銅粉末を含むものである。
放射温度測定部としての放射温度計6は、被加工部から放射される赤外線や可視光線の強度を測定して、被加工部の温度を測定する。被加工部の加工点Pにおける、レーザLと同軸方向からの放射光LBは、レーザクラッドヘッド3の内部に設けられたビームスプリッタ11により反射させて放射温度計6に導く。放射温度計6として、例えば、ルマセンス・テクノロジー社製IGA50−LOplus(放射率:0.5、検出波長:1.45〜1.8μm、測定範囲:φ1mm)を用いることができる。
制御部7は、粉末供給部5における粉末のクラッド用金属の供給及び停止、並びに、レーザ発振器2におけるレーザ照射及びレーザ照射停止を制御する。また、制御部7は、センターガス及びキャリアガスの流量、金属粉の供給量、レーザLの出力などについても制御する。さらに、制御部7は、粉末供給部5による粉末の供給の開始タイミングとレーザ発振器2によるレーザ照射の開始タイミングとに一定の時間差が生じるように制御する。
図2は、クラッド加工開始からの時間と粉末のクラッド用金属の供給量(粉末供給量)との関係およびクラッド加工開始からの時間とレーザ出力との関係について示す図である。図2に示すように、クラッド加工開始とともに粉末供給部5による粉末のクラッド用金属の供給が開始される。そして、粉末供給部5による粉末のクラッド用金属の供給が開始されてから所定の時間(粉待ち時間)が経過した後、レーザ発振器2によるレーザ照射を開始する。
本実施の形態では、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値に基づいて、被加工部における品質の良否を判定する。
図3は、レーザ照射を開始した直後における、経過時間に対する放射温度の測定値の一例を示すグラフである。なお、図中において、破線は粉待ち時間Twが相対的に短い場合(Tw(短))、一点鎖線は粉待ち時間Twが相対的に長い場合(Tw(長))、実線は粉待ち時間がTw(短)とTw(長)と間の長さである場合(Tw(中))を示す。放射温度の平均値を計算する“レーザ照射を開始した直後の所定期間”とは、レーザ照射を開始した直後の0.1〜0.2秒程度の非常に短い期間であり、図3に示す例では0.13秒である。
図4は、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値と粉待ち時間との関係について示すグラフである。ここで、1つの粉待ち時間について、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度を2回ずつ測定し、それぞれの平均値を算出してグラフにプロットした。なお、測定におけるレーザ出力などのレーザ条件は、実際のクラッド加工におけるレーザ照射を開始した直後の所定期間での設定としている。図4に示すように、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値と粉待ち時間との間には相関があることが分かった。また、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値が上限閾値TUおよび下限閾値TDの範囲(適正範囲W)を外れると、加工開始部分において品質が不良になることが分かった。
従って、クラッド加工において、レーザ照射開始直後の所定期間における放射温度を測定し、レーザ照射開始直後の所定期間における放射温度の平均値を算出して、算出した当該放射温度の平均値が適正範囲の範囲内にあるか否かによって被加工部の品質を判定することができる。判定結果は、図1に示す判定結果出力部9に出力する。図4に示す、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値と粉待ち時間との関係およびレーザ照射開始直後の所定期間における放射温度の平均値の適正範囲については、実際に製品に対してクラッド加工を行う前に予め調査しておく。そして、当該調査によって決定された適正範囲は、図1に示す記憶部10に予め記憶させておく。
なお、当該調査において、図4に示す例では、1つの粉待ち時間について、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度を2回ずつ測定しそれぞれの平均値を算出しているが、これに限るものではない。測定精度を高めるためにレーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度を2回以上測定しそれぞれの平均値を算出してもよい。
ここで、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値に基づいて被加工部の品質の良否を判定する処理の流れについて以下で説明する。
図5は、本実施の形態にかかるレーザクラッド加工装置1において、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値に基づいて被加工部の品質の良否を判定する処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明では図1についても適宜参照する。図5に示すように、まず、放射温度計6において、レーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の取り込みを行う(ステップS101)。次に、判定部8において、レーザ照射開始直後における放射温度の平均値を算出する(ステップS102)。
ステップS102に続いて、判定部8において、算出した放射温度の平均値が適正範囲内であるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103で、算出した放射温度の平均値が適正範囲内である場合(YESの場合)、判定部8において、判定部8において、被加工部の品質が良品である(問題なし)と判定し(ステップS104)、判定結果を出力して(ステップS106)処理を終了する。一方、ステップS103で、算出した放射温度の平均値が適正範囲内ではない場合(NOの場合)、判定部8において、被加工部の品質が不良品であり(問題あり)、設定条件の見直しが必要であると判定し(ステップS105)、判定結果出力部9において判定結果を出力して(ステップS106)処理を終了する。
このようにすることで、レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適切に判定することができる。
[参考形態]
以下、図面を参照して本発明に関連する参考形態について説明する。なお、実施の形態1と共通の部分には共通の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、レーザクラッド加工装置101は、判定部108、カメラ130、画像処理部131、などを備える。カメラ130は、レーザ照射を開始してから所定期間の経過後における加工点Pを撮影する。ここで、所定期間は、レーザ照射を開始した直後の0.1〜0.2秒程度の非常に短い期間である。画像処理部131は、カメラ130によって撮影された加工点Pの撮影画像を解析することにより、レーザ照射を開始した直後の所定期間に加工点Pに存在している粉末のクラッド用金属の量を検出する。判定部108は、レーザ照射を開始した直後の所定期間における、レーザ出力と粉末のクラッド用金属の供給量(粉末供給量)とのバランスが適正であるか否かを判定する。このようにすることによっても、レーザクラッド加工における、レーザ照射を開始した直後の被加工部の品質の良否を適切に判定することができる。しかしながら、カメラ130によって撮影された加工点Pの撮影画像から粉末供給量を精度良く検出するためには、カメラ130として非常に高精度なもの選択する必要があること、高精度のカメラを使用したとしても粉末供給量の検出精度は放射温度の測定精度ほどは高くないことなどから、判定精度やコストの面において、レーザクラッド加工装置101よりも上述した実施の形態にかかるレーザクラッド加工装置1の方が優れている。
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 レーザクラッド加工装置
2 レーザ発振器
3 レーザクラッドヘッド
4 ノズル
5 粉末供給部
6 放射温度計
7 制御部
8 判定部
9 判定結果出力部
10 記憶部

Claims (1)

  1. 被加工部に粉末のクラッド用金属の供給を開始してから所定の待ち時間をおいてレーザを前記被加工部に照射するレーザクラッド加工装置であって、
    レーザ照射を開始してから所定期間内における前記被加工部の放射温度を測定する放射温度測定部と、
    予め調査した、粉待ち時間とレーザ照射を開始した直後の所定期間における放射温度の平均値との関係から決定される、前記被加工部の品質が良品となる当該放射温度の平均値における範囲を記憶する記憶部と、
    前記放射温度測定部によって測定された前記被加工部の放射温度の平均値を算出し当該平均値が前記範囲内であるときに前記被加工部における品質が良品であると判定する判定部と、
    を備えるレーザクラッド加工装置。
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