JP2017217213A - 歩行連動通信装置、歩行連動装置、および歩行連動システム - Google Patents

歩行連動通信装置、歩行連動装置、および歩行連動システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの歩行または走行と連動したデータ処理を行う構成を備えた装置において、上記データ処理に要する消費電力を抑制する技術を提供する。【解決手段】歩行連動通信装置(10)は、ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部(120)と、データの送信を行う無線通信装置(13)と、感圧部(120)および無線通信装置(13)を制御する制御部(14)とを備え、制御部(14)は、感圧部(120)の出力が閾値以上になるか否か、または閾値以下になるか否かに応じて、無線通信装置(13)によるデータの送信のオンオフを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザの歩行と連動して通信を行う歩行連動通信装置と、ユーザの歩行または歩行状態と連動したデータ処理を行う歩行連動装置と、これらの装置を備えた履物および歩行連動システムとに関する。
これまで、人の歩行時または走行時の姿勢を測定するには、床反力計やモーションキャプチャシステムのような大掛かりな設備が必要であった。また、ポータブルな足底圧計測システムも存在するが、非常に高価かつ嵩張るため、日常的に足底圧を計測することは困難であった。
また、上記姿勢を測定するようには構成されていないが、靴の中敷きにセンサを組み込み、足底圧を計測し、計測した足底圧の情報をスマートフォンなどに送信し表示させるという先行技術が知られている。そのような先行技術として、例えば、下掲の特許文献1および特許文献2を挙げることができる。
特許文献1には、履物の中または履物の上に備えられたモジュール固定要素と、履物の使用に関連した物理的生理学的特性を検出するための電子モジュールとを備えた履物システムが開示されている。この履物システムでは、モジュール固定要素と電子モジュールとを係合させると電子モジュールが作動し、係合を外すと電子モジュールの作動が停止するので、電池寿命を延長できると、特許文献1には記載されている。
特許文献2には、履物製品と、履物製品と係合したデータ送信システムとを含む履物システムが開示されている。この履物システムでは、加速度計、圧電素子または磁気センサなどのセンサが、ユーザの特定の動作、あるいは特定の場所の通過などを検知した出力をトリガとして、データ送信システムを作動させるようになっている。
特表2008−546500号公報(2008年12月25日公表) 特表2009−534099号公報(2009年9月24日公表)
しかしながら、上述のような従来技術には、ユーザの歩行中または走行中に履物システムが何らかのデータを処理する際の消費電力を、ユーザの歩行中または走行中に抑える工夫が、開示も示唆もなされていない。
履物のソール部材または中敷などに、電子モジュールまたはデータ送信システムを設ける場合、ユーザの歩行などの妨げになったり、履き心地を阻害したりしないようにするため、内蔵する電池は軽量かつ小さい(薄い)ことが求められる。しかし、その結果として電池容量が小さくなるので、電力を長時間用いた動作を維持できないという解決すべき課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ユーザの歩行または走行と連動したデータ処理を行う構成を備えた装置において、上記データ処理に要する消費電力を抑制する技術を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る歩行連動通信装置は、ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部と、少なくともデータの送信を行う通信部と、上記感圧部および上記通信部を制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記感圧部の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値以上になるか否か、または閾値以下になるか否かに応じて、上記通信部による上記データの送信のオンオフを制御する。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る歩行連動装置は、ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部と、上記ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を、上記ユーザの歩行または走行と連動して出力するセンサと、上記感圧部および上記センサを制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記感圧部の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値以上、または閾値以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、上記センサによるセンシングを停止させる。
本発明の一態様によれば、ユーザの歩行または走行と連動したデータ処理を行う構成を備えた装置において、上記データ処理に要する消費電力を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る歩行連動システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 上記歩行連動通信システムの歩行連動通信装置の一例を示す平面図である。 (a)および(b)は上記歩行連動通信システムにおいて通信するタイミングを説明するグラフである。 上記歩行連動通信システムにおいて通信するタイミングを説明する図である。 上記歩行連動通信システムにおいて通信するタイミングを説明する図である。 上記歩行連動通信システムの変形例において通信するタイミングを説明する図である。 本発明の実施形態3に係る歩行連動通信システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 上記歩行連動通信システムの歩行連動通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 上記歩行連動通信システムの歩行連動通信装置の変形例における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態において同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る歩行連動通信システム100の概略構成を示す機能ブロック図である。図2は、歩行連動通信システム100の歩行連動通信装置10の一例を示す平面図である。
(歩行連動通信システムの構成)
歩行連動通信システム100(歩行連動システム)は、図1に示すように、歩行連動通信装置10と携帯型通信装置50とを備えている。歩行連動通信システム100をユーザに装着した一例を図4に示す。図4に示すように、歩行連動通信装置10は、ユーザの片足の履物または両足の履物に搭載され、携帯型通信装置50は、ユーザによって携帯される。歩行連動通信装置10の具体例は後述する。携帯型通信装置50は、通信機能、データ処理機能、表示または音声のようなデータ出力機能などを備えている。
(携帯型通信装置)
携帯型通信装置50は、歩行連動通信装置10の無線通信装置13と通信ネットワーク30を介して通信し、ユーザの歩行または走行(以下、単に歩行という)と連動して歩行連動通信装置10が送信したデータを受信する。また、携帯型通信装置50は、受信したデータを必要に応じて加工して出力する。具体的には、携帯型通信装置50は、図1に示すように、無線通信装置51と、演算装置52と、ストレージ装置53と、出力制御装置54と、出力装置55とを備えている。無線通信装置51は、少なくとも受信機能を備えていればよいが、送信機能を備えていてもよい。
歩行連動通信システム100では、歩行連動通信装置10が各種センサから取得したデータが、歩行連動通信装置10の無線通信装置13から無線通信装置51にそのまま送信されてもよい。この場合には、演算装置52が、取得したデータを加工処理し、ユーザの歩行状態を表す歩行状態データを生成する。あるいは、歩行連動通信装置10が歩行状態データを生成し、無線通信装置13から無線通信装置51に送信してもよい。
上記歩行状態データとは、例えば、足圧、歩行スピード、歩幅または地面に対する足の上がり高さなど、歩行状態を表すデータである。このような歩行状態データは、左右のバランスが適切な状態か、ひきずったような転びやすい歩き方か、足が適切に上がった良い歩き方か、などの判定に利用される。
また、演算装置52は、上記歩行状態データをストレージ装置53に蓄積してもよいし、無線通信装置51を介してサーバに送信し、サーバに蓄積してもよい。そして、上記歩行状態データをユーザの健康管理情報としてストレージ装置53またはサーバに蓄積し、出力制御装置54が歩行状態データを取得して、出力装置55に、数値、グラフ、アニメーションまたは音声などを出力させてもよい。
また、歩行連動通信装置10から送信されるデータについては、特に限定されない。例えば、送信されるデータは、心拍数、発汗量または血圧などのバイタルデータなどでもよい。この場合、歩行連動通信装置10は、ユーザに装着された心拍センサ、発汗センサ体温センサまたは血圧センサなどのバイタルセンサと無線接続または有線接続される。
携帯型通信装置50としては、例えば、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、または携帯電話機などを用いることができる。歩行連動通信装置10と携帯型通信装置50との通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信が用いられてよい。
(歩行連動通信装置)
歩行連動通信装置10は、感圧部120と、各種センサ112と、上記無線通信装置13(通信部)と、制御部14とを備えている。制御部14は、歩行連動通信装置10内の各種構成を統括的に制御するものであり、演算装置141と記憶装置142とを備えている。演算装置141は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって構成され、記憶装置142に格納された動作制御プログラムに従って動作する。
感圧部120は、踵圧力センサ110(以下、感圧センサ110と呼称する)と、圧力センサ111とを備えている。
感圧センサ110は、演算装置141によって常時オン状態に制御され、例えば踵部分の足圧を検知し、演算装置141に出力する。なお、感圧センサ110は、踵部分の足圧の大きさの変化を連続的または段階的に検知するセンサであってもよいし、踵部分が接地したか浮き上がったかの2状態を接点の離接などによって検知するセンサであってもよい。後者の場合、閾値は0になる。また、感圧センサ110を踵に対応する位置に設けることは、歩行中に通常は踵から着地するため、着地開始を検出するために好ましいが、さらに感圧センサ110をつま先に加えて設けてもよい。この場合、歩行中の足の浮上開始は、踵およびつま先の両方の感圧センサが信号を出力しなくなった時点として検知することができる。
圧力センサ111は、足底に対応した履物の領域において、感圧センサ110が設けられた踵部分以外の領域に設けられ、足圧の大きさを検知し、演算装置141に出力する。なお、圧力センサ111は、設置部分が感圧センサ110と被りさえしなければよいので、踵部分を避けて設ける必要はないが、足底に対応した履物の領域(ユーザの足裏に対応する領域)において、踵圧力センサ110とは接地のタイミングが異なる位置(例えば、つま先の領域)に設けることが好ましい。また、圧力センサ111は、演算装置141によって常時オン状態に制御されてもよい。
各種センサ112は、加速度センサ、歩行に伴う振動を検知する振動センサ(加速度センサ以外)または前述したバイタルセンサなどを含んでいてよい。加速度センサとしては、3次元加速度センサが好ましい。この場合、3次元加速度センサが出力する地面に平行な水平成分を用いて、演算装置141または演算装置52は、歩行速度および歩行距離などを求めることができる。また、3次元加速度センサが出力する地面に垂直な鉛直成分を用いて、演算装置141または演算装置52は、地面に対する足の上がり具合および足の昇降速度などを求めることができる。振動センサの出力は、歩数の算出に用いることができる。
演算装置141は、感圧センサ110、圧力センサ111、各種センサ112、および無線通信装置13を制御する。演算装置141は、感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値に対して第1閾値を設定し、感圧センサ110および圧力センサ111の出力を監視する。演算装置141は、上記出力の合計値が第1閾値を超えたか否かを判定する。演算装置141は、当該出力の合計値が第1閾値以上になるか否か、または第1閾値以下になるか否かに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。
また、演算装置141は、データの送信がオンまたはオフの状態において、感圧センサ110の出力に対して第2閾値を設定し、感圧センサ110の出力を監視する。演算装置141は、当該出力が第2閾値を超えたか否かを判定する。演算装置141は、当該出力が第2閾値以上になるか、または第2閾値以下になるかに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。演算装置141による無線通信装置13のデータ送信のオンオフ制御は、例えば以下のようになる。すなわち、演算装置141は、感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値が第1閾値以下になると、無線通信装置13によるデータの送信をオフし、感圧センサ110が第2閾値以上になると上記データの送信をオンする。このように制御する理由については、後述する。
上記歩行状態データおよび上記バイタルデータは、送信のオンオフによらず、一旦、記憶装置142に記憶され、送信のために読み出された後は、記憶装置142から消去される。この点は、他の実施形態においても同様である。
(歩行連動通信装置の具体例)
歩行連動通信装置10のより具体的な構成を図2に示す。図2に示すように、歩行連動通信装置10は、配線3、シート部4、本体部5、感圧センサ110、および圧力センサ111と、必要に応じて各種センサ112とを備えている。歩行連動通信装置10は、履物の中に装着され履物と一体となって用いられる。歩行連動通信装置10は、中敷のように履物に挿入するものであってもよく、履物自体に装着されていてもよい。
シート部4は、配線3、感圧センサ110、および圧力センサ111を備えている。シート部4は、履物の足底に適合する形状のシートである。なお、図2では、シート部4から引き出された配線3と感圧センサ110および各圧力センサ111とを接続する配線の図示と、各種センサ112の図示とを省略している。
本体部5は、無線通信装置13および制御部14を備えており、かつ水分の浸入を許さないシール構造を備えている。本体部5は電源を備えていてもよい。本体部5は、配線3に対して着脱可能に構成されていてもよい。
配線3は、本体部5と、感圧センサ110および各圧力センサ111とを電気的に接続する。なお、配線3は防水されたフレキシブル配線であることが、履物の変形に対応でき、耐久性を高める上で好ましい。
感圧センサ110および圧力センサ111については、既に説明したとおりであるが、足裏の全体領域内の任意の位置に対応するように1つの圧力センサ111を設けてもよいし、足裏の全体領域内の複数箇所に対応するように複数の圧力センサ111を設けてもよい。複数の圧力センサ111を設ける場合には、複数の圧力センサ111の少なくとも1つのセンサが感圧センサ110を兼ねることができる。また、感圧センサ110は複数あってもよい。
(制御部の動作の詳細)
演算装置141は、前述したように、感圧センサ110および圧力センサ111の出力を監視し、当該出力の合計値が、当該出力の合計値に対して設定した第1閾値以上になるか否か、または第1閾値以下になるか否かに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。
また、演算装置141は、前述したように、感圧センサ110の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した第2閾値以上になるか否か、または第2閾値以下になるか否かに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。
演算装置141で行われる制御について、図3および図4を参照し、下記に詳しく説明する。図3は、歩行連動通信システム100において通信するタイミングを説明するグラフであり、図3の(a)は第1閾値および第2閾値が異なる場合を示し、図3の(b)は第2閾値が第1閾値と同じ値の場合を示す。なお、図3のグラフは、両足のどちらか一方の足の履物に装着された歩行連動通信装置10が通信するタイミングを表している。図4は、歩行連動通信システム100において通信するタイミングを説明する図である。また、図3の(a)および図3の(b)の各グラフにおいて、実線は感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値を示し、一点鎖線は感圧センサ110により検出される圧力を示す。
また、圧力センサ111は通信動作がオフの期間においてセンシングを行っていてもよく、演算装置141により圧力センサ111がオフされていてもよい。通信動作がオフの期間に圧力センサ111がオフされている場合、通信動作がオンされると同時に演算装置141により圧力センサ111がオンされてもよい。上記のように、無線通信装置13のデータ送信のオンオフに合わせて、圧力センサ111をオンオフする場合は、図3の(a)に示すように、点P1またはP2から荷重値が閾値に増加するまで、感圧センサ110のみが足圧を検知し信号を出力する一方、圧力センサ111は足圧をまだ検知しないので、合計値のグラフと感圧センサ110のグラフとが一致する。
演算装置141は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第1閾値以下か否か、もしくは、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第1閾値を超えたか否かを判定する。なお、図3の(a)は、データの送信がオンの状態において、上記圧力の合計値が第1閾値以下か否かを演算装置141が判定する例を示している。
また、演算装置141は、データの送信が、オンまたはオフの状態において、感圧センサ110により検出される圧力が第2閾値以下か否か、もしくは、感圧センサ110により検出される圧力が第2閾値を超えたか否かを判定する。なお、図3の(a)は、データの送信がオフの状態において、感圧センサ110により検出される圧力が第2閾値を超えたか否かを演算装置141が判定する例を示している。
図3の(a)で示すように、感圧センサ110および圧力センサ111から出力された足圧の合計値が、第1閾値以下もしくは第1閾値より小さい場合、演算装置141は、ユーザの足が地面から浮き上がろうとしている状態、またはユーザの足が浮いている状態であると判断できる(図4で示す右足RF)。また、感圧センサ110から出力された足圧が、第2閾値より大きい、もしくは第2閾値以上の場合、演算装置141は、ユーザの足が、踵から接地し始め、充分な接地状態へ移行している状態であると判断できる(図4で示す左足LF)。つまり、図3の(a)に示す点P1は、足が地面に着地し始めるポイントであり、踵に設けられた感圧センサ110の出力が0から増加し始めるポイントである。また、点P2は、足が地面から完全に浮き上がり始めるポイントであり、踵は先に地面から浮いているために、感圧センサ110の出力は、点P2より前で既に0になっているが、圧力センサ111の出力が追いかけて0になるポイントである。演算装置141は、感圧センサ110の出力によって、ユーザの歩行時または走行時において、少なくとも、ユーザの足が接地しているか否かを検知することができる。
本実施形態では、図3の(a)に示すように、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値以下になる場合、つまりユーザの足が浮いているとみなせる場合に、演算装置141は無線通信装置13の通信動作をオフにする。また、無線通信装置13の通信動作をオフの状態において、感圧センサ110が出力した足圧が第2閾値を超える場合、つまりユーザの足が接地しているとみなせる場合に、演算装置141は無線通信装置13の通信動作をオンにする。
また、図3の(b)に示すように、第2閾値が第1閾値と同じ値の場合は、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値以下になる場合に、演算装置141により、圧力センサ111により検出されたデータが無線通信装置13の通信動作がオフになり、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値を超える場合に、無線通信装置13の通信動作がオンになってもよい。この場合には、通信がオフになる期間が、図3の(a)に示す例より長くなるので、省電力効果は高くなる。
その結果、無線通信装置13の通信動作を常時行うのではなく、間欠的に行うことになる。したがって、歩行連動通信装置10の消費電力を節約することができ、歩行連動通信装置10の動作時間を長くすることができる。また、無線通信装置13が携帯型通信装置50と通信する場合の通信トラフィックを節約することもできるし、携帯型通信装置50の消費電力を節約することもできる。さらに、通信が従量料金制の通信である場合には、通信料金を節約することもできる。
なお、通信動作がオフの期間において圧力センサ111がセンシングを行っている場合、無線通信装置13の通信動作がオフの期間に圧力センサ111により検出されたデータは破棄してもよい。
また、複数の感圧センサ110がある場合は、演算装置141は、各感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値と第1閾値との比較を行うことで無線通信装置13の通信動作のオンオフを制御してもよい。
また、演算装置141は、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値以下となる場合、無線通信装置13の通信動作をオンにし、感圧センサ110の出力の合計値が第2閾値を超える場合、無線通信装置13の通信動作をオフにしてもよい。歩行状態においては、一般的に、足の浮上時間の方が、足の接地時間より短い。そのため、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値以下になる場合に通信動作をオンとなるように制御することにより通信時間をより短くすることができ、上記の効果を高めることができる。
また、感圧センサ110が、前述したように、足圧がかかったか、かかっていないかを2値的に検出するセンサである場合、足圧がかかったか否かを示す信号が感圧センサ110から演算装置141に送信される。演算装置141は、例えば、感圧センサ110から足圧がかかったことを示す信号を受信している期間に、通信部の通信動作をオン(またはオフ)にし、感圧センサ110から足圧がかかったことを示す信号を受信していない期間に、通信部の通信動作をオフ(またはオン)にするものであってもよい。
本実施形態では、図3の(a)に通信のオフ期間を示すように、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値以下になる場合、つまりユーザの足が浮いているとみなせる場合に、演算装置141は無線通信装置13の通信動作をオフにする。また、無線通信装置13の通信動作をオフの状態において、感圧センサ110の出力が第2閾値を超える場合、つまりユーザの足が接地しているとみなせる場合に、演算装置141は無線通信装置13の通信動作をオンにする。
なお、感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値は、各圧力センサ111全ての出力を合計するものであってもよく、一部の圧力センサ111の出力を合計するものであってもよい。
また、本実施形態は、図1に示すように、感圧センサ110のみが感圧部として機能してもよく、演算装置141による無線通信装置13のデータ送信のオンオフ制御は以下のように行われてもよい。すなわち、演算装置141は、感圧センサ110の出力に対して閾値を設定し、感圧センサ110の出力を監視する。演算装置141は、上記出力が閾値を超えたか否かを判定する。演算装置141は、当該出力が閾値以上になるか、または第1閾値以下になるかに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。
〔実施形態2
本発明の実施形態2について、図1および図5を参照して説明する。本実施形態では、無線通信装置13の通信動作がオフの期間おいて、圧力センサ111により検出されたデータを歩行連動通信装置10が保持し、通信動作がオンになると通信動作がオフの期間に保持されたデータを含めたデータを携帯型通信装置50に送信する。これにより、歩行連動通信装置10は、無線通信装置13の通信を間欠的に制御しつつ、ユーザの歩行状態または走行状態の全てを反映した検出信号に対応したデータを、携帯型通信装置50に送信することができる。
なお、本実施形態では、演算装置141は、感圧センサ110および圧力センサ111が出力した足圧の合計値が第1閾値より小さくなる場合、無線通信装置13の通信動作をオフにし、感圧センサ110の出力が第2閾値以上になる場合、演算装置141は無線通信装置13の通信動作をオンにする。
(歩行連動通信装置)
記憶装置142は、無線通信装置13によるデータの送信をオフにする期間(以下、送信オフ期間という)では、当該送信オフ期間に圧力センサ111により検出されたデータをオフ時データとして保持する。なお、本実施形態では、圧力センサ111は送信オフ期間であってもセンシングを行う。
(制御部の詳細)
演算装置141の制御について、図5を参照し下記に詳しく説明する。図5は歩行連動通信システム100において通信するタイミングを説明する図である。図5の紙面右方向は時間の経過を表し、矢印はデータの送信を示す。なお、図5は、両足のどちらか一方の足の履物に装着された歩行連動通信装置10が通信するタイミングを表している。
図5に示すように、歩行連動通信装置10が装着された履物が接地を開始したときに、歩行連動通信装置10の動作が開始されたとする。この場合、まず、感圧センサ110から出力される足圧が第2閾値以上になる期間T11において、演算装置141は、無線通信装置13の通信動作をオンにする。これにより、演算装置141は、期間T11において圧力センサ111により検出されたデータが無線通信装置13から無線通信装置51に送信される。
また、感圧センサ110および圧力センサ111から出力される足圧の合計値が第1閾値より小さくなる期間T12において、演算装置141は、無線通信装置13の通信動作をオフする。さらに、演算装置141は、期間T12において圧力センサ111により逐次検出されたデータを、検出した時間と対応させてオフ時データとして記憶装置142に保存する。
期間T12の後に感圧センサ110の出力が第2閾値以上となる期間T13において、演算装置141は、無線通信装置13の通信動作をオンにする。演算装置141は、期間T12の後に感圧センサ110の出力が第2閾値以上となり、通信が再び開始されるとき(すなわち期間T13の開始時)に、記憶装置142に保存しておいたオフ時データを検出した時間と対応させて、まとめて無線通信装置13から無線通信装置51に送信させる。さらに、演算装置141は、期間T13において圧力センサ111により逐次検出されたデータが無線通信装置13から無線通信装置51に送信される。
なお、オフ時データを保持するか否かを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
〔実施形態2の変形例〕
本発明の実施形態2の変形例について、図6を参照して説明する。図6は、歩行連動通信システム100の変形例において通信するタイミングの説明する図である。図6の紙面右方向は時間の経過を表し、矢印はデータの送信を示す。本変形例では、実施形態2と比較し、無線通信装置13の通信動作のオンオフのタイミングを逆にしたものである。
本変形例では、図6に示すように、感圧センサ110から出力される足圧が第2閾値以上となる期間T21において、演算装置141は、無線通信装置13の通信動作をオフする。さらに、演算装置141は、期間T21において圧力センサ111により検出されたデータを、検出した時間と対応させてオフ時データとして記憶装置142に保存する。
期間T21の後に感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値が第1閾値より小さくなる期間T22において、検出判定部143は、無線通信装置13の通信動作をオンにする。演算装置141は、期間T21の後に感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値が第1閾値より小さくなり、通信が開始されるときに、記憶装置142に保存しておいたオフ時データを検出した時間と対応させて、まとめて無線通信装置13から無線通信装置51に送信させる。さらに、演算装置141は、期間T22において圧力センサ111により逐次検出されたデータを無線通信装置13から無線通信装置に送信させる。
期間T22の後に感圧センサ110の出力が再び第2閾値以上となる期間T23において、演算装置141は、無線通信装置13の通信動作を再びオフする。さらに、演算装置141は、期間T23において圧力センサ111により逐次検出されたデータを、検出した時間と対応させてオフ時データとして記憶装置142に保存する。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図7および図8を参照して説明する。図7は、本発明の実施形態3に係る歩行連動通信装置10Bの概略構成を示す機能ブロック図である。図7に示す歩行連動通信システム100Bは、図1に示す歩行連動通信システム100に比べて、歩行連動通信装置10に代えて、歩行連動通信装置10Bが設けられる点が異なり、その他の構成は同様である。
本実施形態では、感圧部120の圧力が第3閾値以下、もしくは第3閾値以上になる連続時間を計測し、当該時間に基づき圧力センサ111によるセンシングを制御する。これにより、歩行状態でも走行状態でもない検出不要状態において、圧力センサ111等によるセンシングを停止することにより、歩行連動通信装置10Bの消費電力を一層節減することができる。
(歩行連動通信装置)
歩行連動通信装置10Bは、図7に示すように、図1に示す歩行連動通信装置10に比べて、歩行連動装置20Bおよび無線通信装置13を分けて備えられている点、タイマ15を備えている点、および、制御部14に代えて、制御部14Bが設けられる点が異なり、その他の構成は同様である。
歩行連動装置20は、ユーザの歩行時の足圧を検知する感圧センサ110と、上記ユーザの歩行状態を反映した検出信号を上記ユーザの歩行と連動して出力する圧力センサ111と、上記感圧センサ110および上記圧力センサ111を制御する制御部14Bとを備え、上記制御部14Bは、上記感圧センサ110および圧力センサ111の出力を監視し、当該出力の合計値が、当該出力に対して設定した第3閾値以上、または第3閾値以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値以上となる場合、または超える場合に、上記圧力センサ111等によるセンシングを停止させる。
なお、感圧センサ110および圧力センサ111のいずれか一方の出力と第3閾値とを比較することによって、上記圧力センサ111等によるセンシングを停止させてもよい。
また、第3閾値は、前述した第1閾値と同じ値であってもよい。
(制御部の詳細)
制御部14Bは、図1に示す制御部14に比べて、演算装置141に代えて、演算装置141Bを備えている。さらに、演算装置141Bは、検出判定部143、検出時間判定部144、および復帰判定部145を備えている。
検出判定部143は、感圧センサ110および圧力センサ111の出力を監視し、当該出力の合計値が、当該出力に対して設定した第3閾値以上になるか、または第3閾値以下になるかに応じて、無線通信装置13によるデータの送信のオンオフを制御する。
具体例として、本実施形態では、圧力センサ111および各種センサ112(以降圧力センサ111等と称する)オンであり(圧力センサ111等がセンシングを行っており)、かつ無線通信装置13の通信動作がオンである状態において、検出判定部143は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下か否かを判断する。感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下の場合、検出判定部143は、無線通信装置13の通信動作をオンからオフに切り替える。
検出時間判定部144は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以下であるという検出判定部143の判定結果に基づいて、タイマ15に計時を開始させるとともに、感圧センサ110および圧力センサ111の出力の合計値の監視を開始する。そして、検出時間判定部144は、当該出力の合計値が、当該出力に対して設定した第3閾値以上、または第3閾値以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、圧力センサ111等によるセンシングを停止させる。
具体的には、本実施形態では、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超える場合、検出時間判定部144は、圧力センサ111等をオンからオフに切り替える、言い換えると、検出時間判定部144は、圧力センサ111等のセンシングを中断する。上記基準値は、例えば5分とすることができる。
感圧センサ110および圧力センサ111で検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超える状態は、ユーザが歩いておらず、座っているなどの休息状態であるとみなせると考えられる。感圧センサ110のセンシングを中断させないのは、歩き始めはまず始めに踵部が接地すると考えられ、歩行の開始にあわせて通信および圧力センサ111等のセンシングを復帰させるためである。なお、中断させない感圧センサ110の設置位置は踵部に限定されない。
また、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超えるとの検出は、両足どちらか一方において行われればよい。これにより、例えば、壁か何かにもたれて片足には殆ど体重をかけていない様な休息状態であっても圧力センサ111等のセンシングを中断することができる。
また、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値よりも短い場合、すなわち、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超える前に、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値よりも大きくなった場合、検出時間判定部144は、無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
復帰判定部145は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超えたという検出時間判定部144の判定結果に基づいて、感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以上か否かを判断する。感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以上の場合、復帰判定部145は、圧力センサ111等、および無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。言い換えると、感圧センサ110で検出される圧力が第4閾値以上である場合、復帰判定部145は、圧力センサ111等のセンシングおよび無線通信装置13の通信を再開する。
なお、第3閾値および第4閾値は、特に限定されず、同じ値であってもよく、第3閾値よりも第4閾値の方が小さい値であってもよい。また、第4閾値は、前述した第2閾値と同じ値であってもよい。
なお、圧力センサ111等がオンのときは、圧力センサ111等はセンシングを行いつつ、検出信号を無線通信装置13に出力する。
(制御処理)
図8は、歩行連動通信装置10Bの制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8で示すように、まず、圧力センサ111等がオンであり、かつ無線通信装置13の通信動作がオンである状態において、制御処理が開始される(S11)。
続いて、検出判定部143は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下か否かを判断する(S12)。感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下である場合(S12でYES)、検出判定部143は、無線通信装置13の通信動作をオンからオフに切り替える(S13)。
次に、検出時間判定部144は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下であるという検出判定部143の判定結果に基づいて、タイマ15に計時を開始させ、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超えるか否かを判定する(S14)。感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超える場合(S14でYES)、検出時間判定部144は、圧力センサ111等をオンからオフに切り替える(S15)。
その後、復帰判定部145は、感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以上か否かを判断する(S16)。感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以上の場合(S16でYES)、処理をS11に戻し、復帰判定部145は、圧力センサ111等、および無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
感圧センサ110により検出される圧力が第3閾値より大きい場合(S12でNO)、感圧センサ110により第3閾値以下の圧力が検出されるまで、検出判定部143は感圧センサ110の出力監視を継続する(S12)。
感圧センサ110により検出される圧力が第3閾値以下になる連続時間の長さが基準値よりも短い場合(S14でNO)、処理をS11に戻し、検出時間判定部144は、無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値よりも小さい場合(S16でNO)、感圧センサ110により第4閾値より大きい圧力が検出されるまで、復帰判定部145は、感圧センサ110の出力監視を継続する(S16)。
〔実施形態3の変形例〕
本発明の実施形態3の変形例について、図7および図9を参照して説明する。本変形例では、実施形態3と比較し、無線通信装置13の通信動作、圧力センサ111等のセンシングのオンオフのタイミングを逆にしたものである。
(制御部の詳細)
検出判定部143は、圧力センサ111等がオンであり、かつ無線通信装置13の通信動作がオンである状態において、感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以上か否かを判断する。感圧センサ110および圧力センサ111により検出される圧力の合計値が第3閾値以上の場合、検出判定部143は、圧力センサ111等のオン状態を維持し、無線通信装置13の通信動作をオンからオフに切り替える。
検出時間判定部144は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上であるという検出判定部143の判定結果に基づいて、タイマ15に計時を開始させるとともに、および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超えるか否かの判定を開始する。
感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超える場合、検出時間判定部144は、圧力センサ111等をオンからオフに切り替える。基準値は、例えば5分とすることができ、もっと短い時間に決めてもよい。歩行状態で10秒以上、所定以上の圧力となる状態が続くことはないと考えられることから、短時間(10秒程度)の基準値と長時間(5分程度)の基準値とをユーザで選択して設定できるようにしてもよい。
感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超える状態は、ユーザが歩いておらず、立ち止まっているとみなせると考えられる。感圧センサ110のセンシングを中断させないのは、歩行もしくは走行の開始にあわせて通信および圧力センサ111等のセンシングを復帰させるためである。
また、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値よりも短い場合、検出時間判定部144は、無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
復帰判定部145は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超えたという検出時間判定部144の判定結果に基づいて、感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以下か否かを判断する。感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以下の場合、復帰判定部145は、圧力センサ111等、および無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。言い換えると、感圧センサ110で検出される圧力が第4閾値以下である場合、圧力センサ111等のセンシングおよび無線通信装置13の通信を再開する。
(制御処理)
図9は、歩行連動通信装置10Bの変形例における制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9で示すように、まず、圧力センサ111等がオンであり、かつ無線通信装置13の通信動作がオンである状態において、制御処理が開始される(S21)。
続いて、検出判定部143は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上か否かを判断する(S22)。感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上である場合(S22でYES)、検出判定部143は、無線通信装置13の通信動作をオンからオフに切り替える(S23)。
次に、検出時間判定部144は、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上であるという検出判定部143の判定結果に基づいて、タイマ15に計時を開始させ、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超えるか否かを判定する(S24)。感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値を超える場合(S24でYES)、検出時間判定部144は、圧力センサ111等をオンからオフに切り替える(S25)。
その後、復帰判定部145は、感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以下か否かを判断する(S26)。感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値以下の場合(S26でYES)、処理をS21に戻し、復帰判定部145は、圧力センサ111等、および無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値より小さい場合(S22でNO)、感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が検出されるまで、検出判定部143は感圧センサ110の出力監視を継続する(S22)。
感圧センサ110および圧力センサ111により検出された圧力の合計値が第3閾値以上になる連続時間の長さが基準値よりも短い場合(S24でNO)、処理をS21に戻し、検出時間判定部144は、無線通信装置13の通信動作をオフからオンに切り替える。
感圧センサ110により検出される圧力が第4閾値よりも大きい場合(S26でNO)、感圧センサ110により第4閾値以下の圧力が検出されるまで、復帰判定部145は、感圧センサ110の出力監視を継続する(S26)。
これにより、ユーザが着座している状態、またはユーザが立ち止まっている状態など、歩行状態でも走行状態でもない検出不要状態では、センサによるセンシング、つまりセンサが検出信号を生成する動作を制御部が停止させることにより、歩行連動通信装置の消費電力を一層節減することができ、歩行連動通信装置の動作時間を一層長くすることができる。
なお、歩行連動装置20は、電子機器などに単体でも用いることができ、圧力センサ111等の検出信号を無線通信装置13に出力することに代えて記憶装置142に保存するものであってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
歩行連動通信装置10の制御部14(特に演算装置141)、および歩行連動装置20の制御部14B(特に演算装置141B内の検出判定部143、検出時間判定部144、復帰判定部145)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、歩行連動通信装置10および歩行連動装置20は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを、記憶装置142として備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る歩行連動通信装置(10)は、ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部(踵圧力センサ110、または、踵圧力センサ110および圧力センサ111;以下、踵圧力センサ110、圧力センサ111と表記する)と、少なくともデータの送信を行う通信部(無線通信装置13)と、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)および上記通信部(無線通信装置13)を制御する制御部(14)とを備え、上記制御部(14)は、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値(第1閾値)以上になるか、または閾値(第1閾値)以下になるかに応じて、上記通信部(無線通信装置13)による上記データの送信のオンオフを制御する。
上記の構成によれば、感圧部は、ユーザの歩行時または走行時において、少なくとも、ユーザの足が浮いているか接地しているかを検知することができる。制御部は、感圧部の出力が閾値以下になった場合、つまりユーザの足が浮いているとみなせる場合に、通信部の通信動作をオンにする、またはオフにする。あるいは、制御部は、感圧部の出力が閾値を超えた場合、つまりユーザの足が接地しているとみなせる場合に、通信部の通信動作をオンにする、またはオフにする。
これにより、ユーザの歩行時または走行時に、通信部は常時、通信動作を行うのではなく、間欠的に通信動作を行うことになる。したがって、歩行連動通信装置の消費電力を節約することができ、歩行連動通信装置の動作時間を長くすることができる。また、通信部が送信相手と通信する場合の通信トラフィックを節約することもできるし、送信相手の消費電力を節約することもできる。さらに、通信が従量料金制の通信である場合には、通信料金を節約することもできる。
本発明の態様2に係る歩行連動通信装置(10)では、上記態様1において、上記制御部(14)は、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)の出力が上記閾値(第1閾値)以下の場合に、上記通信部(無線通信装置13)による上記データの送信をオンに制御してもよい。
上記の構成によれば、歩行状態においては、一般的に、足の浮上時間の方が、足の接地時間より短い。制御部は、感圧部の出力が閾値以下の場合、すなわち足の浮上時間に送信をオンにし、足の接地時間に通信をオフにするので、通信時間を短くすることができる。よって、態様1の構成によって得られる効果をさらに高めることができる。
本発明の態様3に係る歩行連動通信装置(10)は、上記態様1または2において、上記ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を、上記ユーザの歩行または走行と連動して出力するセンサ(圧力センサ111)を備えており、上記センサ(圧力センサ111)は、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)を兼ねているか、あるいは、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)とは別の要素であり、上記通信部(無線通信装置13)は、上記検出信号に対応した上記データの送信を行ってもよい。
上記の構成によれば、センサは、ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を出力するので、通信部は、ユーザの歩行状態または走行状態を反映したデータを間欠的に送信することができる。
なお、センサは感圧部を兼ねてもよい。この場合には、センサとして、足圧の大きさを検知する足圧センサを採用することができる。また、足裏の全体領域内の任意の位置に対応するように1つのセンサを設けてもよいし、足裏の全体領域内の複数箇所に対応するように複数のセンサを設けてもよい。複数のセンサを設ける場合には、複数のセンサの少なくとも1つのセンサが感圧部を兼ねることができる。
また、センサは、感圧部とは別の要素であってもよい。この場合には、センサとして、歩行速度、足の昇降速度または足の上がり高さなどを求めるための信号を出力する加速度センサとか、歩行または走行に伴う振動を検知する振動センサ(加速度センサ以外)などを採用することができる。
本発明の態様4に係る歩行連動通信装置(10)では、上記態様1から3のいずれかにおいて、上記制御部(14)は、上記通信部(無線通信装置13)による上記データの送信をオフにする期間では、上記データをオフ時データとして保持しておき、上記通信部(無線通信装置13)による上記データの送信をオンにする期間では、保持しておいた上記オフ時データを含めて、上記データを送信するように、上記通信部(無線通信装置13)を制御してもよい。
上記の構成によれば、データの送信をオフにする期間では、通信部から送信されるデータを作成しないか、あるいはその検出を捨ててしまうことも可能である。しかし、オフ時データを保持しておけば、データの送信をオフにする期間のデータを通信部は送信することができる。
なお、オフ時データを保持するか否かを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
本発明の態様5に係る歩行連動通信装置(10B)では、上記態様3において、上記制御部(14B)は、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値(第3閾値)以上、または閾値(第3閾値)以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、上記センサ(圧力センサ111)によるセンシングを停止させてもよい。
上記の構成によれば、感圧部の出力が閾値以上、または閾値以下になる連続時間の長さが基準値を超える場合には、ユーザが立ち止まっている状態(閾値以上の場合)、あるいはユーザが着座している状態(閾値以下の場合)など、歩行状態でも走行状態でもない検出不要状態になっているとみなせる。
したがって、その検出不要状態では、センサによるセンシング、つまりセンサが検出信号を生成する動作を制御部が停止させることにより、歩行連動通信装置の消費電力を一層節減することができ、歩行連動通信装置の動作時間を一層長くすることができる。
なお、感圧部はユーザの両足に対応して設ける形態に限らず、片足のみに対応して設ける形態であってもよい。
本発明の態様6に係る歩行連動通信装置(10)では、上記態様1において、上記感圧部(踵圧力センサ110)に加えて、他の感圧部(圧力センサ111)をさらに備え、上記他の感圧部(圧力センサ111)は、上記ユーザの足裏に対応する領域において、上記感圧部(踵圧力センサ110)とは接地のタイミングが異なる位置に設けられ、上記制御部は、上記感圧部(踵圧力センサ110)および他の感圧部(圧力センサ111)の各出力の合計値を監視し、当該出力の合計値が当該出力の合計値に対して設定した閾値以上になるか否か、または閾値以下になるか否かに応じて、上記通信部による上記データの送信のオンオフを制御する。
上記の構成によれば、ユーザの足裏に対応する領域において、他の感圧部が感圧部とは接地のタイミングが異なる位置に設けられている。これにより、足の一部の接地状態のみでなく、足全体の接地状態により、ユーザの歩行状態を把握し、データの送信のオンオフを制御することができる。例えば、感圧部をつま先と踵に設置することで、つま先もしくは踵の二つの接地状態でユーザの歩行状態を把握し、データの送信のオンオフを制御することができる。
本発明の態様7に係る歩行連動装置(20)は、ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)と、上記ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を、上記ユーザの歩行または走行と連動して出力するセンサ(圧力センサ111)と、上記感圧部(踵圧力センサ110)および上記センサ(圧力センサ111)を制御する制御部(14B)とを備え、上記制御部(14B)は、上記感圧部(踵圧力センサ110、圧力センサ111)の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値(第3閾値)以上、または閾値(第3閾値)以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、上記センサ(圧力センサ111)によるセンシングを停止させる。
上記の構成によれば、態様5の構成による効果と同様に、歩行連動装置の消費電力を節減することができ、歩行連動装置の動作時間を長くすることができる。
本発明の態様8に係る履物は、上記態様1から5のいずれかに記載の歩行連動通信装置(10・10A)、または態様6に記載の歩行連動装置(20)を備えている。
上記の構成によれば、態様1から6の各構成による効果を奏する履物を提供することができる。
本発明の態様9に係る歩行連動システム(歩行連動通信システム100)は、上記態様1から5のいずれかに記載の歩行連動通信装置(10)と、上記歩行連動通信装置(10)の上記通信部(無線通信装置13)と通信し、少なくとも上記データを上記歩行連動通信装置(10)から受信する携帯型通信装置(50)とを含んでいる。
上記の構成によれば、ユーザが携帯型通信装置を携帯して歩行または走行する場合に、感圧部の出力に応じて間欠的に、歩行連動通信装置からデータを受信することができる。したがって、歩行連動通信装置および携帯型通信装置の消費電力を共に節約することができ、両装置の動作時間を長くする歩行連動システムを提供することができる。また、歩行連動通信装置と携帯型通信装置との間の通信トラフィックを節約することもできる。
本発明の各態様に係る歩行連動通信装置(10)の制御部、および歩行連動装置(20)の制御部は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記制御部(ソフトウェア要素)として動作させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
10・10B 歩行連動通信装置
20 歩行連動装置
13 無線通信装置(通信部)
14・14B 制御部
50 携帯型通信装置
100・100B 歩行連動通信システム(歩行連動システム)
110 踵圧力センサ(感圧部)
111 圧力センサ(他の感圧部)
120 感圧部

Claims (8)

  1. ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部と、
    少なくともデータの送信を行う通信部と、
    上記感圧部および上記通信部を制御する制御部とを備え、
    上記制御部は、上記感圧部の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値以上になるか否か、または閾値以下になるか否かに応じて、上記通信部による上記データの送信のオンオフを制御すること
    を特徴とする歩行連動通信装置。
  2. 上記制御部は、上記感圧部の出力が上記閾値以下の場合に、上記通信部による上記データの送信をオンに制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の歩行連動通信装置。
  3. 上記ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を、上記ユーザの歩行または走行と連動して出力するセンサを備えており、
    上記センサは、上記感圧部を兼ねているか、あるいは、上記感圧部とは別の要素であり、
    上記通信部は、上記検出信号に対応した上記データの送信を行うこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の歩行連動通信装置。
  4. 上記制御部は、
    上記通信部による上記データの送信をオフにする期間では、上記データをオフ時データとして保持しておき、
    上記通信部による上記データの送信をオンにする期間では、保持しておいた上記オフ時データを含めて、上記データを送信するように、上記通信部を制御すること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の歩行連動通信装置。
  5. 上記制御部は、上記感圧部の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値以上、または閾値以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、上記センサによるセンシングを停止させること
    を特徴とする請求項3に記載の歩行連動通信装置。
  6. 上記感圧部に加えて、他の感圧部をさらに備え、
    上記他の感圧部は、上記ユーザの足裏に対応する領域において、上記感圧部とは接地のタイミングが異なる位置に設けられ、
    上記制御部は、上記感圧部および他の感圧部の各出力の合計値を監視し、当該出力の合計値が当該出力の合計値に対して設定した閾値以上になるか否か、または閾値以下になるか否かに応じて、上記通信部による上記データの送信のオンオフを制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の歩行連動通信装置。
  7. ユーザの歩行時または走行時の足圧を検知する感圧部と、
    上記ユーザの歩行状態または走行状態を反映した検出信号を、上記ユーザの歩行または走行と連動して出力するセンサと、
    上記感圧部および上記センサを制御する制御部とを備え、
    上記制御部は、上記感圧部の出力を監視し、当該出力が、当該出力に対して設定した閾値以上、または閾値以下になる連続時間の長さと基準値とを比較し、上記連続時間の長さが上記基準値を超える場合に、上記センサによるセンシングを停止させること
    を特徴とする歩行連動装置。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の歩行連動通信装置と、上記歩行連動通信装置の上記通信部と通信し、少なくとも上記データを上記歩行連動通信装置から受信する携帯型通信装置とを含んでいること
    を特徴とする歩行連動システム。
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