JP2017215503A - 投写光学系および投写型画像表示装置 - Google Patents

投写光学系および投写型画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画角を大きくしたときに、レンズの枚数の増加を抑制しながら投写像面に歪が発生することを抑制できる投写光学系を提供すること。【解決手段】プロジェクター1に搭載可能な投写光学系3は、拡大側に位置するスクリーンS(拡大側結像面)と中間像30を共役にする第1レンズユニットLU1と、中間像30と縮小側に位置する縮小側結像面とを共役にする第2レンズユニットLU2と、からなり、第1レンズユニットLU1は、正のパワーを有し、第2レンズユニットLU2は、負のパワーを有し、第2レンズユニットLU2の最も中間像に近い第2レンズユニット中間像側第1レンズL13は、正のパワーを備え、第1レンズユニットLU1の焦点距離をfU1、第2レンズユニットLU2の焦点距離をfU2としたときに、以下の式を満たす。−0.3≦ fU1/fU2 < 0【選択図】図2

Description

本発明は、画像表示素子の画像を拡大して投影する投写型画像表示装置に組み込むのに適した投写光学系、および、投写光学系を備える投写型画像表示装置に関する。
プロジェクターなどの投写型画像表示装置に組み込むことが可能な光学系は特許文献1に記載されている。同文献の光学系は、投写型画像表示装置に組み込んだときに、画像表示素子の画像の中間像を光学系の内部で形成して、スクリーンに再結像させる。すなわち、同文献の光学系は、スクリーン(拡大側結像面)と中間像を共役にする第1レンズユニットと、中間像と縮小側結像面(画像表示素子の画像)とを共役にする第2レンズユニットとを備える。
特開2014−29392号公報
このような光学系では、投写型画像表示装置をスクリーンに近い位置に配置した場合でも画像表示素子の画像を拡大して投写できるように、画角を大きくすることが求められている。
しかし、光学系の画角を大きくすると、スクリーンに投写された投写像面に歪が発生しやすくなる。かかる問題に対しては、光学系を構成するレンズの枚数を増加させれば投写像面の歪みを抑制することが可能である。しかし、レンズの枚数が増加すると、レンズの全長や拡大側レンズのレンズ径が大きくなるとともに、光学系のコストが増大して、投写型画像表示装置の製造コストの増大を招く。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、画角を大きくしたときに、レンズの枚数の増加を抑制しながら投写像面に歪が発生することを抑制できる投写光学系を提供することにある。また、このような投写光学系を組み込んだ投写型画像表示装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の投写光学系は、拡大側に位置する拡大側結像面と中間像を共役にする第1レンズユニットと、前記中間像と縮小側に位置する縮小側結像面とを共役にする第2レンズユニットと、からなり、前記第1レンズユニットは、正のパワーを有し、前記第2レンズユニットは、負のパワーを有し、前記第2レンズユニットの最も前記中間像に近い第2レンズユニット中間像側第1レンズは、正のパワーを有し、前記第1レンズユニットの焦点距離をfU1、前記第2レンズユニットの焦点距離をfU2としたときに、以下の式を満たすことを特徴とする。
−0.3≦ fU1/fU2 < 0
本発明では、第2レンズユニットの最も第1レンズユニットの側に位置する第2レンズユニット中間像側第1レンズが正レンズなので、第2レンズユニット中間像側第1レンズの第1レンズユニットの側に中間像を形成しやすい。また、正レンズによって中間像を形成するので、第1レンズユニットで発生する歪曲収差を、第2レンズユニットで補正しやすい。さらに、本発明は条件式を満たすので、レンズ枚数の増加を抑制しながら、画角を大きくすることが容易である。また、本発明は条件式を満たすので、第2レンズユニットのレンズ系を小さくできる。すなわち、条件式の値が下限を超えると、第1レンズユニットの焦点距離が長くなり、画角を大きくすることが難しくなる。また、条件式の値が下限を超えると、第2レンズユニットと中間像との間の光線の光軸に対する傾きが大きくなり、像面湾曲の悪化を招くとともに、第2レンズユニットの最も中間像側のレンズ(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)の径が大きくなる。一方、条件式の値が上限を超えると、第2レンズユニットが正のパワーを有することとなり、中間像側から第1レンズユニットに入射する光線が略テレセントリックな光線あるいは光線径が広がる光線となる。これにより、第1レンズユニットの負荷が増えるので、収差を補正するために第1レンズユニットのレンズの枚数を増加させる必要がある。
本発明において、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと前記第1レンズユニットの最も前記中間像に近い第1レンズユニット中間像側レンズとの間を通過する軸外の光線の主光線は、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズから前記第1レンズユニット中間像側レンズに向かって光軸に接近するものとすることができる。このようにすれば、第1レンズユニットで発生する歪曲収差を、第2レンズユニットでより補正しやすい。
本発明において、前記中間像における軸外光の合焦位置は、軸外に向かって前記第2レンズユニット中間像側第1レンズに接近することが望ましい。このようにすれば、第1レンズユニットの側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットの側でより補正しやすい。
本発明において、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズは、屈折率が1.7よりも大きく、アッベ数が35よりも小さいことが望ましい。屈折率が1.7よりも大きければ、第2レンズユニット中間像側第1レンズの第1レンズユニットの側に中間像を形成しやすく、各種の収差の補正が容易となる。また、アッベ数が35よりも小さければ、色収差の補正が容易となる。
本発明において、前記第1レンズユニットの最も前記拡大側結像面の側に位置する第1レンズユニット拡大側レンズは、樹脂製であり、負のパワーを備える非球面レンズであることが望ましい。第1レンズユニット拡大側レンズを負のパワーを備える非球面レンズとすれば、その径を小さくすることができる。また、第1レンズユニット拡大側レンズを樹脂製とすれば、その加工が容易となる。また、製造コストを抑制できる。
本発明において、前記第1レンズユニットは、前記拡大側から前記中間像の側に向かって、第1レンズユニット拡大側レンズ、2枚以上の負のパワーを有するレンズを備える第1レンズ群、および、第2レンズ群を備え、前記拡大側結像面への投写サイズを変える場合には、前記第1レンズユニット拡大側レンズを固定した状態で、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群とを光軸方向に移動させてフォーカシングを行うことが望ましい。このようにすれば、投写サイズを変えたときに、フォーカシングを行うことが容易となる。
本発明において、前記第1レンズユニットの最も前記中間像に近い第1レンズユニット中間像側レンズ、および、前記第2レンズユニットにおいて前記第2レンズユニット中間像側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット中間像側第2レンズの少なくとも一方は、非球面レンズであることが望ましい。すなわち、第2レンズユニット中間像側第1レンズの両側に位置する2枚のレンズのうちの少なくとも一方は、非球面レンズであることが望ましい。これらのレンズの少なくとも一方を非球面レンズとすれば、像高の高い位置で像面湾曲を補正できる。従って、像面湾曲を良好に補正できる。
本発明において、前記第2レンズユニットは、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット中間像側第2レンズとの間に、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと前記第2レンズユニット中間像側第2レンズとの間の光路を折り曲げるミラーを備えるものとすることができる。このようにすれば、投写光学系を折り曲げることができるので、投写光学系をプロジェクターなどの投写型画像表示装置に組み込むことが容易となる。また、第2レンズユニット中間像側第1レンズと第2レンズユニット中間像側第2レンズとの間にミラーを配置すれば中間像をミラーから比較的離れた位置に形成することができるので、ミラーの表面にキズやゴミなどが存在する場合などに、これらが拡大側結像面に映り込むことを抑制できる。
本発明において、前記第2レンズユニットの最も前記縮小側結像面の側に位置する第2レンズユニット縮小側第1レンズおよび当該第2レンズユニット縮小側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット縮小側第2レンズは、それぞれ正のパワーを備え、前記第2レンズユニット縮小側第1レンズおよび第2レンズユニット縮小側第2レンズの少なくとも一方は、屈折率が1.75より大きく、2.00よりも小さく、かつ、アッベ数が20より大きく、45より小さいことが望ましい。このようにすれば、像面湾曲の補正および色収差の補正が容易となる。
ここで、本発明では、投写光学系の画角を120°以上の広角とした場合でも、レンズの枚数の増加を抑制しながら、収差の発生を抑制できる。
次に、本発明の投写型画像表示装置は、上記の投写光学系と、投写光学系と、前記縮小側結像面に画像を表示する画像表示素子と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、投写光学系において、画角を大きくしたときに、レンズ枚数の増加を抑制しながら像面に歪が発生することを抑制できる。従って、投写型画像表示装置は、画像表示素子が縮小側結像面に表示した画像を、大きな画角で、かつ、歪みの抑制された状態で、スクリーン(拡大側結像面)に投影することができる。また、投写光学系において、レンズの枚数の増加を抑制して、製造コストの増大を抑制できるので、投写型画像表示装置の製造コストの増大を抑制できる。
本発明の投写光学系を備える投写型画像表示装置の概略構成を示す図である。 実施例1の投写光学系の構成図である。 各レンズがポジション1にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション2にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション3にある場合の投写光学系の収差図である。 実施例1の投写光学系の光路を折り曲げた場合の構成図である。 実施例2の投写光学系の構成図である。 各レンズがポジション1にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション2にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション3にある場合の投写光学系の収差図である。 実施例3の投写光学系の構成図である。 各レンズがポジション1にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション2にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション3にある場合の投写光学系の収差図である。 実施例4の投写光学系の構成図である。 各レンズがポジション1にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション2にある場合の投写光学系の収差図である。 各レンズがポジション3にある場合の投写光学系の収差図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る投写光学系およびこれを備える投写型画像表示装置について詳細に説明する。
(投写型画像表示装置)
図1は本発明の投写光学系を備えるプロジェクターの概略構成図である。図1に示すように、プロジェクター(投写型画像表示装置)1は、スクリーンSに投写する画像光を生成する画像光生成光学系2と、画像光を拡大して投写する投写光学系3と、画像光生成光学系2の動作を制御する制御部4とを備える。
(画像光生成光学系および制御部)
画像光生成光学系2は、光源10、第1インテグレーターレンズ11、第2インテグレーターレンズ12、偏光変換素子13、重畳レンズ14を備える。光源10は、例えば、超高圧水銀ランプ、固体光源等で構成される。第1インテグレーターレンズ11および第2インテグレーターレンズ12は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子をそれぞれ有する。第1インテグレーターレンズ11は、光源10からの光束を複数に分割する。第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子は、光源10からの光束を第2インテグレーターレンズ12の各レンズ素子の近傍に集光させる。
偏光変換素子13は、第2インテグレーターレンズ12からの光を所定の直線偏光に変換させる。重畳レンズ14は、第1インテグレーターレンズ11の各レンズ素子の像を、第2インテグレーターレンズ12を介して、後述する液晶パネル18R、液晶パネル18G、および、液晶パネル18Bの表示領域上で重畳させる。
また、画像光生成光学系2は、第1ダイクロイックミラー15、反射ミラー16およびフィールドレンズ17R、および、液晶パネル18Rを備える。第1ダイクロイックミラー15は、重畳レンズ14から入射した光線の一部であるR光を反射させ、重畳レンズ14から入射した光線の一部であるG光およびB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー15で反射されたR光は、反射ミラー16およびフィールドレンズ17Rを経て、液晶パネル18Rへ入射する。液晶パネル18Rは画像表示素子である。液晶パネル18RはR光を画像信号に応じて変調することにより、赤色の画像を形成する。
さらに、画像光生成光学系2は、第2ダイクロイックミラー21、フィールドレンズ17G、および、液晶パネル18Gを備える。第2ダイクロイックミラー21は、第1ダイクロイックミラー15からの光線の一部であるG光を反射させ、第1ダイクロイックミラー15からの光線の一部であるB光を透過させる。第2ダイクロイックミラー21で反射されたG光は、フィールドレンズ17Gを経て、液晶パネル18Gへ入射する。液晶パネル18Gは画像表示素子である。液晶パネル18GはG光を画像信号に応じて変調することにより、緑色の画像を形成する。
また、画像光生成光学系2は、リレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25、およびフィールドレンズ17B、および、液晶パネル18Gを備える。第2ダイクロイックミラー21を透過したB光は、リレーレンズ22、反射ミラー23、リレーレンズ24、反射ミラー25、およびフィールドレンズ17Bを経て、液晶パネル18Bへ入射する。液晶パネル18Bは画像表示素子である。液晶パネル18BはB光を画像信号に応じて変調することにより、青色の画像を形成する。
液晶パネル18R、液晶パネル18G、および、液晶パネル18Bは、クロスダイクロイックプリズム19を3方向から囲んでいる。クロスダイクロイックプリズム19は、光合成用のプリズムであり、各液晶パネル18R、18G、18Bで変調された光を合成して画像光を生成する。
ここで、クロスダイクロイックプリズム19は投写光学系3の一部分を構成する。投写光学系3は、クロスダイクロイックプリズム19が合成した画像光(各液晶パネル18R、18G、18Bが形成した画像)をスクリーンSに拡大して投写する。
制御部4は、ビデオ信号等の外部画像信号が入力される画像処理部6と、画像処理部6から出力される画像信号に基づいて液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18Bを駆動する表示駆動部7とを備える。
画像処理部6は、外部の機器から入力された画像信号を各色の諧調等を含む画像信号に変換する。表示駆動部7は、画像処理部6から出力された各色の画像信号に基づいて液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18を動作させる。これにより、画像処理部6は、画像信号に対応した画像を液晶パネル18R、液晶パネル18Gおよび液晶パネル18Gに表示する。
(投写光学系)
次に、投写光学系3を説明する。以下では、プロジェクター1に搭載される投写光学系3の構成例として実施例1〜4を説明する。
(実施例1)
図2は実施例1の投写光学系の構成図(光線図)である。図2に示すように、本例の投写光学系3Aは、拡大側結像面であるスクリーンSと中間像30を共役にする第1レンズユニットLU1と、中間像30と縮小側結像面である液晶パネル18(18R、18G、18B)とを共役にする第2レンズユニットLU2とからなる。第1レンズユニットLU1は正のパワーを有する。第2レンズユニットLU2は負のパワーを有する。
第1レンズユニットLU1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、負のパワーを備える第1レンズユニット第1レンズL1(第1レンズユニット拡大側レンズ)、負のパワーを備える第1レンズ群LG1、および、正のパワーを備える第2レンズ群LG2を備える。第1レンズユニット第1レンズL1は樹脂製である。また、第1レンズユニット第1レンズL1は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。本例では、第1レンズユニット第1レンズL1はスクリーンSの側に凸のメニスカス形状を備える。
第1レンズ群LG1は、2枚以上のレンズから構成される。本例では、第1レンズ群LG1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4の3枚のレンズからなる。第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4は、いずれも負のパワーを備える。第2レンズ群LG2は2枚以上の正のパワーを備えるレンズから構成される。本例では、第2レンズ群LG2は正のパワーを備える第1レンズユニット第5レンズL5と正のパワーを備える第1レンズユニット第6レンズL6からなる。
また、第1レンズユニットLU1は、第2レンズ群LG2から中間像30の側に向かって第1レンズユニット第7レンズL7、第1レンズユニット第8レンズL8、第1レンズユニット第9レンズL9、第1レンズユニット第10レンズL10、第1レンズユニット第11レンズL11、第1レンズユニット第12レンズL12を備える。従って、第1レンズユニットLU1は12枚のレンズからなる。本例では、第1レンズユニット第8レンズL8は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。また、第1レンズユニット第12レンズL12(第1レンズユニット中間像側レンズ)は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。
第2レンズユニットLU2は、中間像30の側から液晶パネルの側に向かって、第2レンズユニット第1レンズL13、第2レンズユニット第2レンズL14、第2レンズユニット第3レンズL15、第2レンズユニット第4レンズL16、第2レンズユニット第5レンズL17、第2レンズユニット第6レンズL18、第2レンズユニット第7レンズL19、第2レンズユニット第8レンズL20、第2レンズユニット第9レンズL21を備える。すなわち、第2レンズユニットLU2は9枚のレンズからなる。第2レンズユニット第9レンズL21と液晶パネル18との間には、クロスダイクロイックプリズム19が配置されている。
第2レンズユニット第1レンズL13(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)は、正のパワーを有する。本例では、第2レンズユニット第1レンズL13は両面に凸形状を備える凸レンズである。第2レンズユニット第2レンズL14は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。液晶パネル18に最も近い第2レンズユニット第9レンズL21(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)と、その隣に位置する第2レンズユニット第8レンズL20(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)は、それぞれ、正のパワーを備える。
図2に示すように、投写光学系3Aでは、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線は、第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近する。中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。
投写光学系3AでスクリーンSへの投写サイズを変える場合には、第1レンズユニット第1レンズL1を固定した状態で、第1レンズ群LG1、第1レンズ群LG1のうち最も第2レンズ群LG2に近い第1レンズユニット第4レンズL4、および、第2レンズ群LG2を光軸L方向に移動させてフォーカシングを行う。
ここで、焦点距離を|f|、最大画角(半画角)をω、FナンバーをFNo、有効像円径をφとしたときに、実施例1の投写光学系3Aのデータは以下のとおりである。
|f|=7.5
ω=68°
FNo=1.95
φ=37
また、投写光学系3Aのレンズデータは以下のとおりである。レンズの列は、図2の各レンズに付された符号である。面番に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。dは軸上面間隔(mm)(レンズ厚又はレンズ間隔)である。ndは屈折率である。νdはアッベ数である。なお、軸上面間隔Aは、スクリーンSと第1レンズユニット第1レンズL1との間の距離である。軸上面間隔Bは、第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズ群LG1(第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズユニット第2レンズL2)との間の距離である。軸上面間隔Cは、第1レンズユニット第3レンズL3と第1レンズユニット第4レンズL4との間の距離である。軸上面間隔Dは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間の距離である。軸上面間隔Eは、第2レンズ群LG2と第1レンズユニット第7レンズL7との間の距離である。軸上面間隔Aは投写サイズにより変化し、軸上面間隔B、C、D、Eは投写サイズを変えた場合のフォーカシングにより変化する。
レンズ 面番 R d nd νd
S INFINITY A
L1 *1 −75.989 5.5 1.5094 56.6
*2 112.662 B
L2 3 60.275 3.8 1.83481 42.73
4 33.168 14.278
L3 5 68.899 3.2 1.804 46.58
6 23.577 C
L4 7 −27.497 3.2 1.83481 42.73
8 −148.796 D
L5 9 −86.903 14.15 1.8061 33.27
10 −40.744 0.2
L6 11 118.453 9.39 1.804 46.58
12 −187.435 E
L7 13 30.36 10.02 1.497 81.54
14 −126.045 0.509
L8 *15 116.851 2.5 1.8061 40.73
*16 26.764 3.065
L9 17 40.741 21.83 1.437 95.1
18 −26.136 0.528
L10 19 −29.159 2.87 1.90366 31.32
20 93.799 1.385
L11 21 70.804 12.93 1.437 95.1
22 −47.24 45
L12 *23 309.297 10.96 1.51633 64.06
*24 −58.426 84.359
L13 25 187.026 12.03 1.92286 20.88
26 −325.921 77.653
L14 *27 135.895 3.8 1.51633 64.06
*28 61.542 35.945
L15 29 −566.992 5.79 1.84666 23.78
30 −108.611 50.159
L16 31 48.2376 8.76 1.43875 94.93
32 −94.92 0.786
L17 33 82.104 4.24 1.497 81.54
34 −1661.363 2.376
L18 35 −108.16 1.7 1.80518 25.42
36 41.885 2.829
L19 37 279.108 3.65 1.497 81.54
38 −90.589 52.555
L20 39 −188.487 5.77 1.92286 20.82
40 −60.096 0.2
L21 41 47.639 4.67 1.62299 58.16
42 69.997 10
19 43 INFINITY 45
INFINITY 13.312
投写サイズを変えてフォーカシングを行った場合の軸上面間隔A、B、C、D、E、焦点距離|f|および半画角ωは以下のとおりである。なお、第1レンズユニット第1レンズとスクリーンSとの間の距離である軸上面間隔Aを900mmとしたときのフォーカシング後の各レンズの位置をポジション1とし、軸上面間隔Aを600mmとしたときの各レンズの位置をポジション2とし、軸上面間隔Aを6000mmとしたときの各レンズの位置をポジション3とする。
ポジション1 ポジション2 ポジション3
A 900 600 3000
B 10.131 10.502 9.612
C 30.753 30.906 30.521
D 6.799 6.792 6.81
E 46.498 45.981 47.238
焦点距離|f| 8.05 8.01 8.1
最大画角ω 68.6° 68.46° 68.9°
次に、各非球面の非球面データは以下の表1、表2のとおりである。表1は非球面とされた面番1、2の非球面形状を規定するための奇数次非球面式の各係数を示す。表2は非球面とされた面番15、16、23、34、27、28の非球面形状を規定するための偶数次非球面式の各係数を示す。
Figure 2017215503

Figure 2017215503
本例の投写光学系3Aによれば、第2レンズユニット第1レンズL13が正レンズなので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、正レンズによって中間像30を形成するので、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正しやすい。さらに、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線が第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近し、中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。これにより、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正することがより容易となる。
ここで、投写光学系3Aは、第1レンズユニットLU1の焦点距離をfU1、第2レンズユニットLU2の焦点距離をfU2としたときに、以下の条件式(1)を満たす。
−0.3 ≦ fU1/fU2 < 0・・(1)
すなわち、
fU1=16.9462
fU2=−248.79
であり、
fU1/fU2=−0.068
である。
投写光学系3Aは、条件式(1)を満たすので、レンズ枚数の増加を抑制しながら最大画角を120°以上(半画角ωを60°以上)の広角にすることが容易である。また、第2レンズユニットLU2のレンズ系を小さくできる。すなわち、条件式(1)の値が下限を超えると、第1レンズユニットLU1の焦点距離が長くなり、画角を広角にすることが容易ではなくなる。また、条件式(1)の値が下限を超えると、第2レンズユニットLU2と中間像30との間の光線の光軸Lに対する傾きが大きくなり、像面湾曲の悪化を招くとともに、第2レンズユニットLU2の最も中間像30の側のレンズ(第2レンズユニット第1レンズL13)の径が大きくなる。一方、条件式(1)の値が上限を超えると、第2レンズユニットLU2が正のパワーを有することとなり、中間像30の側から第1レンズユニットLU1に入射する光線が略テレセントリックな光線あるいは光線径が広がる光線となる。これにより、第1レンズユニットLU1の側の負荷が増えるので、収差を補正するために第1レンズユニットLU1のレンズの枚数を増加させる必要がある。さらに、本例の投写光学系3Aは、条件式(1)を満たすので、第1レンズユニット第1レンズL1が大きくなることを抑制できる。
また、投写光学系3Aは、第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率をnd13、アッベ数をνd13としたときに、
nd13=1.92286
νd13=20.88
であり、以下の条件式(2)、および、条件式(3)を満たす。
nd1 > 1.7 ・・(2)
νd1 < 35 ・・(3)
本例の投写光学系3Aでは、正のパワーを有する第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率が条件式(2)を満たす(屈折率が1.7よりも大きい)ので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、第2レンズユニット第1レンズL13のアッベ数が条件式(3)を満たす(アッベ数が35よりも小さい)ので、色収差を良好に補正できる。
さらに、投写光学系3Aは、第2レンズユニット第8レンズL20(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)の屈折率をnd20、アッベ数をνd20としたときに、
nd20=1.92286
νd20=20.82であり、
であり、以下の条件式(4)および条件式(5)を満たす。
1.75 < nd20 < 2.00 ・・(4)
20 < νd20 < 45 ・・(5)
すなわち、投写光学系3Aでは、第2レンズユニットLU2のうちの液晶パネルに近い2枚のレンズ(第2レンズユニット第8レンズL20および第2レンズユニット第9レンズL21)がそれぞれ正のパワーを備え、これら2枚のレンズのうちの少なくとも一方のレンズ(第2レンズユニット第8レンズL20)の屈折率が1.75より大きく、かつ、2.00よりも小さい。また、この条件式(4)を満たす第2レンズユニット第8レンズL20のアッベ数が20より大きく、かつ、45より小さい。従って、像面湾曲の補正および色収差の補正を良好に行うことができる。
また、投写光学系3Aでは、第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14は、いずれも非球面レンズである。これらのレンズが非球面レンズとされているので、像高の高い位置で像面湾曲を補正できる。従って、像面湾曲を良好に補正できる。
ここで、第1レンズユニット第12レンズL12の屈折率をnd12、アッベ数をνd12としたときに、
nd12=1.51633
νd12=64.06
であり、以下の条件式(6)、および、条件式(7)を満たす。
1.5 < nd12 >1.8・・(6)
35 <νd12 <85 ・・(7)
また、第2レンズユニット第2レンズL14の屈折率をnd14、アッベ数をνd14としたときに、
nd14=1.51633
νd14=64.06
であり、以下の条件式(6´)、および、条件式(7´)を満たす。
1.5 < nd14 >1.8・・(6´)
35 <νd14 <85 ・・(7´)
投写光学系3Aでは、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(6)、条件式(6´)を満たすので、像面湾曲を良好に補正できる。また、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(7)、条件式(7´)を満たすので、色収差を良好に補正できる。
図3は投写光学系3Aの各レンズがポジション1にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図4は投写光学系3Aの各レンズがポジション2にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図5は投写光学系3Aの各レンズがポジション3にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図3乃至図5に示すように、投写光学系3Aでは、球面収差、非点収差および歪曲収差が良好に補正されている。
また、投写光学系3Aでは、第1レンズユニット第1レンズL1は、樹脂製なので、その加工が容易となる。従って、投写光学系3Aの製造コストを抑制できる。よって、プロジェクター1の製造コストを抑制できる。また、第1レンズユニット第1レンズL1は非球面レンズなので、その径を小さくすることが容易である。
ここで、投写光学系3Aをプロジェクター1に組み込む際には、図6に示すように、第2レンズユニット第1レンズL13と、第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる。また、第1レンズユニット第6レンズL6と、第1レンズユニット第7レンズL7との間に第2ミラー32を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる。
投写光学系3Aに第1ミラー31および第2ミラー32を配置すれば、光軸Lを所望の方向に向けることができるので、投写光学系3Aをプロジェクター1に組み込むことが容易となる。また、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間、および、第1レンズユニット第6レンズL6と第1レンズユニット第7レンズL7との間は、軸上面間隔が広いので、これらの間にミラーを配置することが容易である。さらに、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置すれば、中間像30を第1ミラー31から比較的離れた位置に形成できる。これにより、第1ミラー31の表面にキズやゴミなどが存在する場合などに、これらがスクリーンS(拡大側結像面)に映り込むことを抑制できる。
(実施例2)
図7は実施例2の投写光学系の構成図(光線図)である。図7に示すように、本例の投写光学系3Bは、拡大側結像面であるスクリーンSと中間像30を共役にする第1レンズユニットLU1と、中間像30と縮小側結像面である液晶パネル18(18R、18G、18B)とを共役にする第2レンズユニットLU2とからなる。第1レンズユニットLU1は正のパワーを有する。第2レンズユニットLU2は負のパワーを有する。
第1レンズユニットLU1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、負のパワーを備える第1レンズユニット第1レンズL1(第1レンズユニット拡大側レンズ)、負のパワーを備える第1レンズ群LG1、および、正のパワーを備える第2レンズ群LG2を備える。第1レンズユニット第1レンズL1は樹脂製である。また、第1レンズユニット第1レンズL1は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。本例では、第1レンズユニット第1レンズL1はスクリーンSの側に凸のメニスカス形状を備える。
第1レンズ群LG1は、2枚以上のレンズから構成される。本例では、第1レンズ群LG1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4の3枚のレンズからなる。第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4は、いずれも負のパワーを備える。第2レンズ群LG2は2枚以上の正のパワーを備えるレンズから構成される。本例では、第2レンズ群LG2は正のパワーを備える第1レンズユニット第5レンズL5と正のパワーを備える第1レンズユニット第6レンズL6からなる。
また、第1レンズユニットLU1は、第2レンズ群LG2から中間像30の側に向かって第1レンズユニット第7レンズL7、第1レンズユニット第8レンズL8、第1レンズユニット第9レンズL9、第1レンズユニット第10レンズL10、第1レンズユニット第11レンズL11、第1レンズユニット第12レンズL12を備える。従って、第1レンズユニットLU1は12枚のレンズからなる。本例では、第2レンズ群LG2と第1レンズユニット第7レンズL7との間には絞りST1が配置されている。第1レンズユニット第8レンズL8は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。また、第1レンズユニット第12レンズL12(第1レンズユニット中間像側レンズ)は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。
第2レンズユニットLU2は、中間像30の側から液晶パネルの側に向かって、第2レンズユニット第1レンズL13、第2レンズユニット第2レンズL14、第2レンズユニット第3レンズL15、第2レンズユニット第4レンズL16、第2レンズユニット第5レンズL17、第2レンズユニット第6レンズL18、第2レンズユニット第7レンズL19を備える。すなわち、第2レンズユニットLU2は7枚のレンズからなる。第2レンズユニット第7レンズL19と液晶パネル18との間には、クロスダイクロイックプリズム19が配置されている。
第2レンズユニット第1レンズL13(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)は、正のパワーを有する。本例では、第2レンズユニット第1レンズL13は両面に凸形状を備える凸レンズである。第2レンズユニット第2レンズL14は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。液晶パネル18に最も近い第2レンズユニット第7レンズL19(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)と、その隣に位置する第2レンズユニット第6レンズL18(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)は、それぞれ、正のパワーを備える。
図7に示すように、投写光学系3Bでは、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線は、第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近する。中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。
投写光学系3BでスクリーンSへの投写サイズを変える場合には、第1レンズユニット第1レンズL1を固定した状態で、第1レンズ群LG1、第1レンズ群LG1のうち最も第2レンズ群LG2に近い第1レンズユニット第4レンズL4、および、第2レンズ群LG2を光軸L方向に移動させてフォーカシングを行う。
ここで、焦点距離を|f|、最大画角(半画角)をω、FナンバーをFNo、有効像円径をφとしたときに、実施例1の投写光学系3Bのデータは以下のとおりである。
|f|=7.73mm
ω=63.59°
FNo=1.85
φ=31mm
また、投写光学系3Bのレンズデータは以下のとおりである。レンズの列は、図7の各レンズに付された符号である。面番に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。dは軸上面間隔(mm)(レンズ厚又はレンズ間隔)である。ndは屈折率である。νdはアッベ数である。なお、軸上面間隔Aは、スクリーンSと第1レンズユニット第1レンズL1との間の距離である。軸上面間隔Bは、第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズ群LG1(第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズユニット第2レンズL2)との間の距離である。軸上面間隔Cは、第1レンズ群LG1における第1レンズユニット第3レンズL3と第1レンズユニット第4レンズL4との間の距離である。軸上面間隔Dは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間の距離である。軸上面間隔Eは、第2レンズ群LG2と絞りST1との間の距離である。軸上面間隔Aは投写サイズにより変化し、軸上面間隔B、C、D、Eは投写サイズを変えた場合のフォーカシングにより変化する。
レンズ 面番 R d nd νd
S INFINITY A
L1 *1 −87.355 5.486 1.5094 56.6
*2 104.27 B
L2 3 59.74 3.5 1.83481 42.73
4 28.143 15.617
L3 5 68.243 3.37 1.83481 42.73
6 25.161 C
L4 7 −29.135 3.2 1.83481 42.73
8 −233.337 D
L5 9 −102.244 11.88 1.85478 24.8
10 −46.086 1.424
L6 11 236.848 10.29 1.7725 49.6
12 −92.54 E
ST1 13 INFINITY 30
L7 14 28.521 10.24 1.497 81.54
15 −140.597 1.263
L8 *16 115.593 2.5 1.8061 40.73
*17 25.36 2.914
L9 18 34.448 24.52 1.437 95.1
19 −25.276 1.733
L10 20 −26.887 1.7 1.90366 31.32
21 75.059 0.692
L11 22 66.477 12.18 1.437 95.1
23 −34.266 43.047
L12 *24 241.546 9.66 1.58573 59.7
*25 −75.08 88.696
L13 26 223.305 7.64 1.92286 20.88
27 −233.194 79.495
L14 *28 48.85 3.8 1.51633 64.06
*29 33.713 44.916
L15 30 54.381 8.33 1.43875 94.93
31 −90.118 19.104
L16 32 90.4 6 1.43875 94.93
33 −70.269 0.542
L17 34 −61.383 1.7 1.72825 28.46
35 46.915 2.06
L18 36 97.503 4.32 1.8061 40.73
37 −166.039 52.767
L19 38 138.202 5.44 1.92286 20.88
39 −107.524 10
19 40 INFINITY 40 1.51633 64.14
41 INFINITY 11.276
投写サイズを変えてフォーカシングを行った場合の軸上面間隔A、B、C、D、E、焦点距離|f|および半画角ωは以下のとおりである。なお、第1レンズユニット第1レンズとスクリーンSとの間の距離である軸上面間隔Aを900mmとしたときのフォーカシング後の各レンズの位置をポジション1とし、軸上面間隔Aを600mmとしたときの各レンズの位置をポジション2とし、軸上面間隔Aを6000mmとしたときの各レンズの位置をポジション3とする。
ポジション1 ポジション2 ポジション3
A 900 600 3000
B 14.406 14.911 13.727
C 26.025 26.181 25.791
D 7.185 7.17 7.206
E 26.06 25.414 26.952
焦点距離|f| 7.73 7.69 7.79
最大画角ω 63.59 63.43 63.79
次に、各非球面の非球面データは以下の表3、表4のとおりである。表3は非球面とされた面番1、2の非球面形状を規定するための奇数次非球面式の各係数を示す。表4は非球面とされた面番16、17、24、25、28、29の非球面形状を規定するための偶数次非球面式の各係数を示す。
Figure 2017215503

Figure 2017215503
本例の投写光学系3Bによれば、第2レンズユニット第1レンズL13が正レンズなので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、正レンズによって中間像30を形成するので、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正しやすい。さらに、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線が第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近し、中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。これにより、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正することがより容易となる。
ここで、投写光学系3Bは、第1レンズユニットLU1の焦点距離をfU1、第2レンズユニットLU2の焦点距離をfU2としたときに、以下の条件式(1)を満たす。
−0.3 ≦ fU1/fU2 < 0・・(1)
すなわち、
fU1=15.066
fU2=−441.493
であり、
fU1/fU2=−0.034
である。
投写光学系3Bは、条件式(1)を満たすので、レンズ枚数の増加を抑制しながら最大画角を120°以上(半画角ωを60°以上)の広角にすることが容易である。また、第2レンズユニットLU2のレンズ系を小さくできる。すなわち、条件式(1)の値が下限を超えると、第1レンズユニットLU1の焦点距離が長くなり、画角を広角にすることが容易ではなくなる。また、条件式(1)の値が下限を超えると、第2レンズユニットLU2と中間像30との間の光線の光軸Lに対する傾きが大きくなり、像面湾曲の悪化を招くとともに、第2レンズユニットLU2の最も中間像30の側のレンズ(第2レンズユニット第1レンズL13)の径が大きくなる。一方、条件式(1)の値が上限を超えると、第2レンズユニットLU2が正のパワーを有することとなり、中間像30の側から第1レンズユニットLU1に入射する光線が略テレセントリックな光線あるいは光線径が広がる光線となる。これにより、第1レンズユニットLU1の側の負荷が増えるので、収差を補正するために第1レンズユニットLU1のレンズの枚数を増加させる必要がある。さらに、本例の投写光学系3Bは、条件式(1)を満たすので、第1レンズユニット第1レンズL1が大きくなることを抑制できる。
また、投写光学系3Bは、第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率をnd13、アッベ数をνd13としたときに、
nd13=1.92286
νd13=20.88
であり、以下の条件式(2)、および、条件式(3)を満たす。
nd1 > 1.7 ・・(2)
νd1 < 35 ・・(3)
本例の投写光学系3Bでは、正のパワーを有する第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率が条件式(2)を満たす(屈折率が1.7よりも大きい)ので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、第2レンズユニット第1レンズL13のアッベ数が条件式(3)を満たす(アッベ数が35よりも小さい)ので、色収差を良好に補正できる。
さらに、投写光学系3Bは、第2レンズユニット第6レンズL18(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)の屈折率をnd18、アッベ数をνd18としたときに、
nd18=1.8061
νd18=40.73
であり、以下の条件式(4)および条件式(5)を満たす。
1.75 < nd18 < 2.00 ・・(4)
20 < νd18 < 45 ・・(5)
また、投写光学系3Bは、第2レンズユニット第7レンズL19(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)の屈折率をnd19、アッベ数をνd19としたときに、
nd19=1.92286
νd19=20.88
であり、以下の条件式(4´)および条件式(5´)を満たす。
1.75 < nd19 < 2.00 ・・(4´)
20 < νd19 < 45 ・・(5´)
すなわち、投写光学系3Bでは、第2レンズユニットLU2のうちの液晶パネルに近い2枚のレンズ(第2レンズユニット第6レンズL18および第2レンズユニット第7レンズL19)がそれぞれ正のパワーを備え、これら2枚のレンズの屈折率がそれぞれ1.75より大きく、かつ、2.00よりも小さい。また、これら2枚のレンズのアッベ数がそれぞれ20より大きく、かつ、45より小さい。従って、像面湾曲の補正および色収差の補正を良好に行うことができる。
また、投写光学系3Bでは、第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14は、いずれも非球面レンズである。これらのレンズが非球面レンズとされているので、像高の高い位置で像面湾曲を補正できる。従って、像面湾曲を良好に補正できる。
ここで、第1レンズユニット第12レンズL12の屈折率をnd12、アッベ数をνd12としたときに、
nd12=1.58573
νd12=59.7
であり、以下の条件式(6)、および、条件式(7)を満たす。
1.5 < nd12 >1.8・・(6)
35 <νd12 <85 ・・(7)
また、第2レンズユニット第2レンズL14の屈折率をnd14、アッベ数をνd14としたときに、
nd14=1.51633
νd14=64.06
であり、以下の条件式(6´)、および、条件式(7´)を満たす。
1.5 < nd14 >1.8・・(6´)
35 <νd14 <85 ・・(7´)
投写光学系3Bでは、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(6)、条件式(6´)を満たすので、像面湾曲を良好に補正できる。また、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(7)、条件式(7´)を満たすので、色収差を良好に補正できる。
図8は投写光学系3Bの各レンズがポジション1にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図9は投写光学系3Bの各レンズがポジション2にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図10は投写光学系3Bの各レンズがポジション3にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図8乃至図10に示すように、投写光学系3Bでは、球面収差、非点収差および歪曲収差が良好に補正されている。
また、投写光学系3Bでは、第1レンズユニット第1レンズL1は、樹脂製なので、その加工が容易となる。従って、投写光学系3Bの製造コストを抑制できる。よって、プロジェクター1の製造コストを抑制できる。また、第1レンズユニット第1レンズL1は非球面レンズなので、その径を小さくすることが容易である。
ここで、投写光学系3Bをプロジェクター1に組み込む際には、投写光学系3Aと同様に、第2レンズユニット第1レンズL13と、第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる。また、第1レンズユニット第6レンズL6と、第1レンズユニット第7レンズL7との間に第2ミラー32を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる(図6参照)。
投写光学系3Bに第1ミラー31および第2ミラー32を配置すれば、光軸Lを所望の方向に向けることができるので、投写光学系3Bをプロジェクター1に組み込むことが容易となる。また、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間、および、第1レンズユニット第6レンズL6と第1レンズユニット第7レンズL7との間は、軸上面間隔が広いので、これらの間にミラーを配置することが容易である。さらに、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置すれば、中間像30を第1ミラー31から比較的離れた位置に形成できる。これにより、第1ミラー31の表面にキズやゴミなどが存在する場合などに、これらがスクリーンS(拡大側結像面)に映り込むことを抑制できる。
(実施例3)
図11は実施例3の投写光学系の構成図(光線図)である。図11に示すように、本例の投写光学系3Cは、拡大側結像面であるスクリーンSと中間像30を共役にする第1レンズユニットLU1と、中間像30と縮小側結像面である液晶パネル18(18R、18G、18B)とを共役にする第2レンズユニットLU2とからなる。第1レンズユニットLU1は正のパワーを有する。第2レンズユニットLU2は負のパワーを有する。
第1レンズユニットLU1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、負のパワーを備える第1レンズユニット第1レンズL1(第1レンズユニット拡大側レンズ)、負のパワーを備える第1レンズ群LG1、および、正のパワーを備える第2レンズ群LG2を備える。第1レンズユニット第1レンズL1は樹脂製である。また、第1レンズユニット第1レンズL1は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。本例では、第1レンズユニット第1レンズL1はスクリーンSの側に凸のメニスカス形状を備える。
第1レンズ群LG1は、2枚以上のレンズから構成される。本例では、第1レンズ群LG1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4の3枚のレンズからなる。第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4は、いずれも負のパワーを備える。第2レンズ群LG2は2枚以上の正のパワーを備えるレンズから構成される。本例では、第2レンズ群LG2は正のパワーを備える第1レンズユニット第5レンズL5と正のパワーを備える第1レンズユニット第6レンズL6からなる。
また、第1レンズユニットLU1は、第2レンズ群LG2から中間像30の側に向かって第1レンズユニット第7レンズL7、第1レンズユニット第8レンズL8、第1レンズユニット第9レンズL9、第1レンズユニット第10レンズL10、第1レンズユニット第11レンズL11、第1レンズユニット第12レンズL12を備える。従って、第1レンズユニットLU1は12枚のレンズからなる。本例では、第1レンズユニット第8レンズL8は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。また、第1レンズユニット第12レンズL12(第1レンズユニット中間像側レンズ)は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。
第2レンズユニットLU2は、中間像30の側から液晶パネルの側に向かって、第2レンズユニット第1レンズL13、第2レンズユニット第2レンズL14、第2レンズユニット第3レンズL15、第2レンズユニット第4レンズL16、第2レンズユニット第5レンズL17、第2レンズユニット第6レンズL18、第2レンズユニット第7レンズL19、第2レンズユニット第8レンズL20を備える。すなわち、第2レンズユニットLU2は8枚のレンズからなる。第2レンズユニット第8レンズL20と液晶パネル18との間には、クロスダイクロイックプリズム19が配置されている。
第2レンズユニット第1レンズL13(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)は、正のパワーを有する。本例では、第2レンズユニット第1レンズL13は両面に凸形状を備える凸レンズである。第2レンズユニット第2レンズL14は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。液晶パネル18に最も近い第2レンズユニット第8レンズL20(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)と、その隣に位置する第2レンズユニット第7レンズL19(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)は、それぞれ、正のパワーを備える。
図11に示すように、投写光学系3Cでは、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線は、第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近する。中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。
投写光学系3CでスクリーンSへの投写サイズを変える場合には、第1レンズユニット第1レンズL1を固定した状態で、第1レンズ群LG1、第1レンズ群LG1のうち最も第2レンズ群LG2に近い第1レンズユニット第4レンズL4、および、第2レンズ群LG2を光軸L方向に移動させてフォーカシングを行う。
ここで、焦点距離を|f|、最大画角(半画角)をω、FナンバーをFNo、有効像円径をφとしたときに、実施例1の投写光学系3Cのデータは以下のとおりである。
|f|=8.05mm
ω=68°
FNo=1.9
φ=40mm
また、投写光学系3Cのレンズデータは以下のとおりである。レンズの列は、図11の各レンズに付された符号である。面番に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。dは軸上面間隔(mm)(レンズ厚又はレンズ間隔)である。ndは屈折率である。νdはアッベ数である。なお、軸上面間隔Aは、スクリーンSと第1レンズユニット第1レンズL1との間の距離である。軸上面間隔Bは、第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズ群LG1(第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズユニット第2レンズL3)との間の距離である。軸上面間隔Cは、第1レンズ群LG1における第1レンズユニット第3レンズL3と第1レンズユニット第4レンズL4との間の距離である。軸上面間隔Dは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間の距離である。軸上面間隔Eは、第2レンズ群LG2と第1レンズユニット第7レンズL7との間の距離である。軸上面間隔Aは投写サイズにより変化し、軸上面間隔B、C、D、Eは投写サイズを変えた場合のフォーカシングにより変化する。
レンズ 面番 R d nd νd
S INFINITY A
L1 *1 −75.2755 5.3 1.5094 56.6
*2 116.611 B
L2 3 60.308 3.5 1.83481 42.73
4 29.748 15.933
L3 5 56.986 3.2 1.83481 42.73
6 23.377 C
L4 7 −28.023 3.2 1.83481 42.73
8 −274.34 D
L5 9 −120.439 14.27 1.8061 33.27
10 −43.472 0.2
L6 11 133.02 10.02 1.804 46.58
12 −132.613 E
L7 13 30.098 9.37 1.497 81.54
14 −133.237 0.757
L8 *15 113.136 2.47 1.8061 40.73
*16 25.392 4.393
L9 17 43.645 16.06 1.437 95.1
18 −24.715 0.2
L10 19 −27.4333 1.7 1.90366 31.32
20 110.97 0.2
L11 21 75.198 12.3 1.437 95.1
22 −38.205 53
L12 *23 390.257 11.07 1.58313 59.38
*24 −63.982 70.573
L13 25 115.399 9.66 1.92286 20.88
26 −2450.857 75
L14 *27 71.286 3.8 1.58313 59.38
*28 40.35 9.215
L15 29 821.032 4.49 1.85548 24.8
30 −116.494 52.433
L16 31 87.47 7.44 1.43875 94.93
32 −54.659 0.2
L17 33 90.47 4.46 1.43875 94.93
34 −157.905 1.344
L18 35 −72.58 1.7 1.71736 29.52
36 46.538 2.094
L19 37 120.995 3.98 1.59282 68.63
38 −118.57 41.642
L20 39 744.044 6.62 1.92286 20.88
40 −74.334 8
19 41 −1.00E+20 44.747 1.51633 64.14
42 −1.00E+20 7.829
投写サイズを変えてフォーカシングを行った場合の軸上面間隔A、B、C、D、E、焦点距離|f|および半画角ωは以下のとおりである。なお、第1レンズユニット第1レンズとスクリーンSとの間の距離である軸上面間隔Aを900mmとしたときのフォーカシング後の各レンズの位置をポジション1とし、軸上面間隔Aを600mmとしたときの各レンズの位置をポジション2とし、軸上面間隔Aを6000mmとしたときの各レンズの位置をポジション3とする。
ポジション1 ポジション2 ポジション3
A 900 600 3000
B 14.486 14.96 13.867
C 30.021 30.207 29.774
D 7.109 7.095 7.124
E 46 45.354 46.851
焦点距離|f| 8.05 8 8.121
最大画角ω 68° 67.8° 68.26°
次に、各非球面の非球面データは以下の表5、表6のとおりである。表5は非球面とされた面番1、2の非球面形状を規定するための奇数次非球面式の各係数を示す。表6は非球面とされた面番15、16、23、24、27、28の非球面形状を規定するための偶数次非球面式の各係数を示す。
Figure 2017215503

Figure 2017215503
本例の投写光学系3Cによれば、第2レンズユニット第1レンズL13が正レンズなので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、正レンズによって中間像30を形成するので、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正しやすい。さらに、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線が第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近し、中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。これにより、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正することがより容易となる。
ここで、投写光学系3Cは、第1レンズユニットLU1の焦点距離をfU1、第2レンズユニットLU2の焦点距離をfU2としたときに、以下の条件式(1)を満たす。
−0.3 ≦ fU1/fU2 < 0・・(1)
すなわち、
fU1=14.9869
fU2=−570.06
であり、
fU1/fU2=−0.026
である。
投写光学系3Cは、条件式(1)を満たすので、レンズ枚数の増加を抑制しながら最大画角を120°以上(半画角ωを60°以上)の広角にすることが容易である。また、第2レンズユニットLU2のレンズ系を小さくできる。すなわち、条件式(1)の値が下限を超えると、第1レンズユニットLU1の焦点距離が長くなり、画角を広角にすることが容易ではなくなる。また、条件式(1)の値が下限を超えると、第2レンズユニットLU2と中間像30との間の光線の光軸Lに対する傾きが大きくなり、像面湾曲の悪化を招くとともに、第2レンズユニットLU2の最も中間像30の側のレンズ(第2レンズユニット第1レンズL13)の径が大きくなる。一方、条件式(1)の値が上限を超えると、第2レンズユニットLU2が正のパワーを有することとなり、中間像30の側から第1レンズユニットLU1に入射する光線が略テレセントリックな光線あるいは光線径が広がる光線となる。これにより、第1レンズユニットLU1の側の負荷が増えるので、収差を補正するために第1レンズユニットLU1のレンズの枚数を増加させる必要がある。さらに、本例の投写光学系3Cは、条件式(1)を満たすので、第1レンズユニット第1レンズL1が大きくなることを抑制できる。
また、投写光学系3Cは、第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率をnd13、アッベ数をνd13としたときに、
nd13=1.92286
νd13=20.88
であり、以下の条件式(2)、および、条件式(3)を満たす。
nd1 > 1.7 ・・(2)
νd1 < 35 ・・(3)
本例の投写光学系3Cでは、正のパワーを有する第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率が条件式(2)を満たす(屈折率が1.7よりも大きい)ので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、第2レンズユニット第1レンズL13のアッベ数が条件式(3)を満たす(アッベ数が35よりも小さい)ので、色収差を良好に補正できる。
さらに、投写光学系3Cは、第2レンズユニット第8レンズL20(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)の屈折率をnd20、アッベ数をνd20としたときに、
nd20=1.92286
νd20=20.88
であり、以下の条件式(4)および条件式(5)を満たす。
1.75 < nd20 < 2.00 ・・(4)
20 < νd20 < 45 ・・(5)
すなわち、投写光学系3Cでは、第2レンズユニットLU2のうちの液晶パネルに近い2枚のレンズ(第2レンズユニット第7レンズL19および第2レンズユニット第8レンズL20)がそれぞれ正のパワーを備え、これら2枚のレンズのうちの少なくとも一方のレンズ(第2レンズユニット第8レンズL20)の屈折率が1.75より大きく、かつ、2.00よりも小さい。また、この条件式(4)を満たす第2レンズユニット第8レンズL20のアッベ数が20より大きく、かつ、45より小さい。従って、像面湾曲の補正および色収差の補正を良好に行うことができる。
また、投写光学系3Cでは、第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14は、いずれも非球面レンズである。これらのレンズが非球面レンズとされているので、像高の高い位置で像面湾曲を補正できる。従って、像面湾曲を良好に補正できる。
ここで、第1レンズユニット第12レンズL12の屈折率をnd12、アッベ数をνd12としたときに、
nd12=1.58313
νd12=59.38
であり、以下の条件式(6)、および、条件式(7)を満たす。
1.5 < nd12 >1.8・・(6)
35 <νd12 <85 ・・(7)
また、第2レンズユニット第2レンズL14の屈折率をnd14、アッベ数をνd14としたときに、
nd14=1.58313
νd14=59.38
であり、以下の条件式(6´)、および、条件式(7´)を満たす。
1.5 < nd14 >1.8・・(6´)
35 <νd14 <85 ・・(7´)
投写光学系3Cでは、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(6)、条件式(6´)を満たすので、像面湾曲を良好に補正できる。また、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(7)、条件式(7´)を満たすので、色収差を良好に補正できる。
図12は投写光学系3Cの各レンズがポジション1にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図13は投写光学系3Cの各レンズがポジション2にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図14は投写光学系3Cの各レンズがポジション3にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図12乃至図14に示すように、投写光学系3Cでは、球面収差、非点収差および歪曲収差が良好に補正されている。
また、投写光学系3Cでは、第1レンズユニット第1レンズL1は、樹脂製なので、その加工が容易となる。従って、投写光学系3Cの製造コストを抑制できる。よって、プロジェクター1の製造コストを抑制できる。また、第1レンズユニット第1レンズL1は非球面レンズなので、その径を小さくすることが容易である。
ここで、投写光学系3Cをプロジェクター1に組み込む際には、投写光学系3Aと同様に、第2レンズユニット第1レンズL13と、第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる。また、第1レンズユニット第6レンズL6と、第1レンズユニット第7レンズL7との間に第2ミラー32を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる(図6参照)。
投写光学系3Cに第1ミラー31および第2ミラー32を配置すれば、光軸Lを所望の方向に向けることができるので、投写光学系3Cをプロジェクター1に組み込むことが容易となる。また、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間、および、第1レンズユニット第6レンズL6と第1レンズユニット第7レンズL7との間は、軸上面間隔が広いので、これらの間にミラーを配置することが容易である。さらに、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置すれば、中間像30を第1ミラー31から比較的離れた位置に形成できる。これにより、第1ミラー31の表面にキズやゴミなどが存在する場合などに、これらがスクリーンS(拡大側結像面)に映り込むことを抑制できる。
(実施例4)
図15は実施例4の投写光学系の構成図(光線図)である。図15に示すように、本例の投写光学系3Dは、拡大側結像面であるスクリーンSと中間像30を共役にする第1レンズユニットLU1と、中間像30と縮小側結像面である液晶パネル18(18R、18G、18B)とを共役にする第2レンズユニットLU2とからなる。第1レンズユニットLU1は正のパワーを有する。第2レンズユニットLU2は負のパワーを有する。
第1レンズユニットLU1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、負のパワーを備える第1レンズユニット第1レンズL1(第1レンズユニット拡大側レンズ)、負のパワーを備える第1レンズ群LG1、および、正のパワーを備える第2レンズ群LG2を備える。第1レンズユニット第1レンズL1は樹脂製である。また、第1レンズユニット第1レンズL1は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。本例では、第1レンズユニット第1レンズL1はスクリーンSの側に凸のメニスカス形状を備える。
第1レンズ群LG1は、2枚以上のレンズから構成される。本例では、第1レンズ群LG1は、スクリーンSの側から中間像30の側に向かって、第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4の3枚のレンズからなる。第1レンズユニット第2レンズL2、第1レンズユニット第3レンズL3、および、第1レンズユニット第4レンズL4は、いずれも負のパワーを備える。第2レンズ群LG2は2枚以上の正のパワーを備えるレンズから構成される。本例では、第2レンズ群LG2は正のパワーを備える第1レンズユニット第5レンズL5と正のパワーを備える第1レンズユニット第6レンズL6からなる。
また、第1レンズユニットLU1は、第2レンズ群LG2から中間像30の側に向かって第1レンズユニット第7レンズL7、第1レンズユニット第8レンズL8、第1レンズユニット第9レンズL9、第1レンズユニット第10レンズL10、第1レンズユニット第11レンズL11、第1レンズユニット第12レンズL12を備える。従って、第1レンズユニットLU1は12枚のレンズからなる。第2レンズ群LG2と第1レンズユニット第7レンズL7との間には第1絞りST1が配置されている。第1レンズユニット第11レンズL11と第1レンズユニット第12レンズL12との間には第2絞りST2が配置されている。本例では、第1レンズユニット第12レンズL12(第1レンズユニット中間像側レンズ)は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。
第2レンズユニットLU2は、中間像30の側から液晶パネルの側に向かって、第2レンズユニット第1レンズL13、第2レンズユニット第2レンズL14、第2レンズユニット第3レンズL15、第2レンズユニット第4レンズL16、第2レンズユニット第5レンズL17、第2レンズユニット第6レンズL18、第2レンズユニット第7レンズL19を備える。すなわち、第2レンズユニットLU2は7枚のレンズからなる。第2レンズユニット第7レンズL19と液晶パネル18との間には、クロスダイクロイックプリズム19が配置されている。
第2レンズユニット第1レンズL13(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)は、正のパワーを有する。本例では、第2レンズユニット第1レンズL13は両面に凸形状を備える凸レンズである。第2レンズユニット第2レンズL14は両面に非球面形状を備える非球面レンズである。液晶パネル18に最も近い第2レンズユニット第7レンズL19(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)と、その隣に位置する第2レンズユニット第6レンズL18(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)は、それぞれ、正のパワーを備える。
図15に示すように、投写光学系3Dでは、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線は、第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近する。中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。
投写光学系3DでスクリーンSへの投写サイズを変える場合には、第1レンズユニット第1レンズL1を固定した状態で、第1レンズ群LG1、第1レンズ群LG1のうち最も第2レンズ群LG2に近い第1レンズユニット第4レンズL4、および、第2レンズ群LG2を光軸L方向に移動させてフォーカシングを行う。なお、本例では、フォーカシングに際して、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2との間の間隔は変化させず、第1レンズユニット第4レンズL4と第2レンズ群LG2とを光軸L方向に一緒に移動させる。
ここで、焦点距離を|f|、最大画角(半画角)をω、FナンバーをFNo、有効像円径をφとしたときに、実施例1の投写光学系3Dのデータは以下のとおりである。
|f|=7.5mm
ω=68°
FNo=1.95
φ=37mm
また、投写光学系3Dのレンズデータは以下のとおりである。レンズの列は、図1の各レンズに付された符号である。面番に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。dは軸上面間隔(mm)(レンズ厚又はレンズ間隔)である。ndは屈折率である。νdはアッベ数である。なお、軸上面間隔Aは、スクリーンSと第1レンズユニット第1レンズL1との間の距離である。軸上面間隔Bは、第1レンズユニット第1レンズL1と第1レンズ群LG1との間の距離である。軸上面間隔Cは、第1レンズ群LG1における第1レンズユニット第3レンズL3と第1レンズユニット第4レンズL4との間の距離である。軸上面間隔Dは、第2レンズ群LG2と絞りST1との間の距離である。軸上面間隔Aは投写サイズにより変化し、軸上面間隔B、C、Dは投写サイズを変えた場合のフォーカシングにより変化する。
レンズ 面番 R d nd νd
S INFINITY A
L1 *1 −89.161 5.5 1.5094 56.6
*2 109.733 B
L2 3 79.94 3.5 1.83481 42.73
4 25.736 12.019
L3 5 49.643 3.2 1.83481 42.73
6 26.264 C
L4 7 −27.526 3.2 1.83481 42.73
8 −126.895 7.182
L5 9 −78.505 10.72 1.85478 24.8
10 −40.792 0.2
L6 11 138.567 9.28 1.7725 49.6
12 −104.935 D
ST1 13 INFINITY 30.05
L7 14 38.262 9.22 1.497 81.54
15 −176.384 3.616
L8 16 74.085 1.83 1.80518 25.42
17 28.764 1.268
L9 18 30.423 13.95 1.437 95.1
L10 19 −30.869 1.4 1.90366 31.32
L11 20 44.674 23.146 1.437 95.1
21 −40.694 15.371
ST2 22 INFINITY 5.454
L12 *23 263.035 12 1.58573 59.7
*24 −62.45 78.11
L13 25 218.2 8.53 1.92286 20.88
26 −213.87 69.77
L14 *27 36.498 3.8 1.5094 56.6
*28 26.569 40.938
L15 29 49.75 8.28 1.43875 94.93
30 −77.05 8.806
L16 31 71.28 4.56 1.43875 94.93
32 −181.816 1.5
L17 33 −74.665 1.7 1.72825 28.46
34 47.805 1.892
L18 35 115.729 4.08 1.834 37.34
36 −111.922 54.808
L19 37 130.717 5.98 1.92286 20.88
38 −111.912 10
19 39 INFINITY 40 1.51633 64.14
40 INFINITY 8.793
投写サイズを変えてフォーカシングを行った場合の軸上面間隔A、B、C、D、焦点距離|f|および半画角ωは以下のとおりである。なお、第1レンズユニット第1レンズとスクリーンSとの間の距離である軸上面間隔Aを900mmとしたときのフォーカシング後の各レンズの位置をポジション1とし、軸上面間隔Aを600mmとしたときの各レンズの位置をポジション2とし、軸上面間隔Aを6000mmとしたときの各レンズの位置をポジション3とする。
ポジション1 ポジション2 ポジション3
A 900 600 3000
B 14.141 14.437 13.778
C 27.024 27.133 26.881
D 30.2 29.795 30.706
焦点距離|f| 7.5 7.47 7.54
最大画角ω 68° 67.8° 68.23°
次に、各非球面の非球面データは以下の表7、表8のとおりである。表7は非球面とされた面番1、2の非球面形状を規定するための奇数次非球面式の各係数を示す。表8は非球面とされた面番23、24、27、28の非球面形状を規定するための偶数次非球面式の各係数を示す。
Figure 2017215503

Figure 2017215503
本例の投写光学系3Dによれば、第2レンズユニット第1レンズL13が正レンズなので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、正レンズによって中間像30を形成するので、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正しやすい。さらに、中間像30を間に挟んだ両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12と第2レンズユニット第1レンズL13との間を通過する軸外の光線の主光線が第2レンズユニット第1レンズL13から第1レンズユニット第12レンズL12に向かって光軸Lに接近し、中間像30における軸外光の合焦位置Pは、軸外に向かって第2レンズユニット第1レンズL13に接近する。これにより、第1レンズユニットLU1の側で発生する歪曲収差を、第2レンズユニットLU2の側で補正することがより容易となる。
ここで、投写光学系3Dは、第1レンズユニットLU1の焦点距離をfU1、第2レンズユニットLU2の焦点距離をfU2としたときに、以下の条件式(1)を満たす。
−0.3 ≦ fU1/fU2 < 0・・(1)
すなわち、
fU1=14.07
fU2=−1250.44
であり、
fU1/fU2=−0.011
である。
投写光学系3Dは、条件式(1)を満たすので、レンズ枚数の増加を抑制しながら最大画角を120°以上(半画角ωを60°以上)の広角にすることが容易である。また、第2レンズユニットLU2のレンズ系を小さくできる。すなわち、条件式(1)の値が下限を超えると、第1レンズユニットLU1の焦点距離が長くなり、画角を広角にすることが容易ではなくなる。また、条件式(1)の値が下限を超えると、第2レンズユニットLU2と中間像30との間の光線の光軸Lに対する傾きが大きくなり、像面湾曲の悪化を招くとともに、第2レンズユニットLU2の最も中間像30の側のレンズ(第2レンズユニット第1レンズL13)の径が大きくなる。一方、条件式(1)の値が上限を超えると、第2レンズユニットLU2が正のパワーを有することとなり、中間像30の側から第1レンズユニットLU1に入射する光線が略テレセントリックな光線あるいは光線径が広がる光線となる。これにより、第1レンズユニットLU1の側の負荷が増えるので、収差を補正するために第1レンズユニットLU1のレンズの枚数を増加させる必要がある。さらに、本例の投写光学系3Dは、条件式(1)を満たすので、第1レンズユニット第1レンズL1が大きくなることを抑制できる。
また、投写光学系3Dは、第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率をnd13、アッベ数をνd13としたときに、
nd13=1.92286
νd13=20.88
であり、以下の条件式(2)、および、条件式(3)を満たす。
nd1 > 1.7 ・・(2)
νd1 < 35 ・・(3)
本例の投写光学系3Dでは、正のパワーを有する第2レンズユニット第1レンズL13の屈折率が条件式(2)を満たす(屈折率が1.7よりも大きい)ので、第2レンズユニット第1レンズL13の第1レンズユニットLU1の側に中間像30を形成しやすい。また、第2レンズユニット第1レンズL13のアッベ数が条件式(3)を満たす(アッベ数が35よりも小さい)ので、色収差を良好に補正できる。
さらに、投写光学系3Dは、第2レンズユニット第6レンズL18(第2レンズユニット縮小側第2レンズ)の屈折率をnd18、アッベ数をνd18としたときに、
nd18=1.834
νd18=37.34
であり、以下の条件式(4)および条件式(5)を満たす。
1.75 < nd18 < 2.00 ・・(4)
20 < νd18 < 45 ・・(5)
また、投写光学系3Bは、第2レンズユニット第7レンズL19(第2レンズユニット縮小側第1レンズ)の屈折率をnd19、アッベ数をνd19としたときに、
nd19=1.92286
νd19=20.88
であり、以下の条件式(4´)および条件式(5´)を満たす。
1.75 < nd19 < 2.00 ・・(4´)
20 < νd19 < 45 ・・(5´)
すなわち、投写光学系3Bでは、第2レンズユニットLU2のうちの液晶パネルに近い2枚のレンズ(第2レンズユニット第8レンズL18および第2レンズユニット第9レンズL19)がそれぞれ正のパワーを備え、これら2枚のレンズの屈折率がそれぞれ1.75より大きく、かつ、2.00よりも小さい。また、これら2枚のレンズのアッベ数がそれぞれ20より大きく、かつ、45より小さい。従って、像面湾曲の補正および色収差の補正を良好に行うことができる。
また、投写光学系3Dでは、第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14は、いずれも非球面レンズである。これらのレンズが非球面レンズとされているので、像高の高い位置で像面湾曲を補正できる。従って、像面湾曲を良好に補正できる。
ここで、第1レンズユニット第12レンズL12の屈折率をnd12、アッベ数をνd12としたときに、
nd12=1.58573
νd12=59.7
であり、以下の条件式(6)、および、条件式(7)を満たす。
1.5 < nd12 >1.8・・(6)
35 <νd12 <85 ・・(7)
また、第2レンズユニット第2レンズL14の屈折率をnd14、アッベ数をνd14としたときに、
nd14=1.5094
νd14=56.6
であり、以下の条件式(6´)、および、条件式(7´)を満たす。
1.5 < nd14 >1.8・・(6´)
35 <νd14 <85 ・・(7´)
投写光学系3Dでは、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(6)、条件式(6´)を満たすので、像面湾曲を良好に補正できる。また、中間像30を形成する第2レンズユニット第1レンズL13の両側に位置する第1レンズユニット第12レンズL12および第2レンズユニット第2レンズL14が、条件式(7)、条件式(7´)を満たすので、色収差を良好に補正できる。
図16は投写光学系3Dの各レンズがポジション1にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図17は投写光学系3Dの各レンズがポジション2にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図18は投写光学系3Dの各レンズがポジション3にある場合の収差図(球面収差、非点収差および歪曲収差)である。図16乃至図18に示すように、投写光学系3Dでは、球面収差、非点収差および歪曲収差が良好に補正されている。
また、投写光学系3Dでは、第1レンズユニット第1レンズL1は、樹脂製なので、その加工が容易となる。従って、投写光学系3Dの製造コストを抑制できる。よって、プロジェクター1の製造コストを抑制できる。また、第1レンズユニット第1レンズL1は非球面レンズなので、その径を小さくすることが容易である。
ここで、投写光学系3Dをプロジェクター1に組み込む際には、投写光学系3Aと同様に、第2レンズユニット第1レンズL13と、第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる。また、第1レンズユニット第6レンズL6と、第1レンズユニット第7レンズL7との間に第2ミラー32を配置して、これらの間の光路(光軸L)を折り曲げる(図6参照)。
投写光学系3Dに第1ミラー31および第2ミラー32を配置すれば、光軸Lを所望の方向に向けることができるので、投写光学系3Dをプロジェクター1に組み込むことが容易となる。また、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間、および、第1レンズユニット第6レンズL6と第1レンズユニット第7レンズL7との間は、軸上面間隔が広いので、これらの間にミラーを配置することが容易である。さらに、第2レンズユニット第1レンズL13と第2レンズユニット第2レンズL14との間に第1ミラー31を配置すれば、中間像30を第1ミラー31から比較的離れた位置に形成できる。これにより、第1ミラー31の表面にキズやゴミなどが存在する場合などに、これらがスクリーンS(拡大側結像面)に映り込むことを抑制できる。
1…プロジェクター(投写型画像表示装置)、2…画像光生成光学系、3・3A〜3D…投写光学系、4…制御部、6…画像処理部、7…表示駆動部、10…光源、11…第1インテグレーターレンズ、12…第2インテグレーターレンズ、13…偏光変換素子、14…重畳レンズ、15…ダイクロイックミラー、16…反射ミラー、17R・17G・17B…フィールドレンズ、18R・18G・18B…液晶パネル(縮小側像面)、19…クロスダイクロイックプリズム、21…ダイクロイックミラー、22…リレーレンズ、23…反射ミラー、24…リレーレンズ、25…反射ミラー、30…中間像、31…第1ミラー(ミラー)、32…第2ミラー、L…光軸、L1…第1レンズユニット第1レンズ(第1レンズユニット拡大側レンズ)、L2…第1レンズユニット第2レンズ、L3…第1レンズユニット第3レンズ、L4…第1レンズユニット第4レンズ、L5…第1レンズユニット第5レンズ、L6…第1レンズユニット第6レンズ、L7…第1レンズユニット第7レンズ、L8…第1レンズユニット第8レンズ、L9…第1レンズユニット第9レンズ、L10…第1レンズユニット第10レンズ、L11…第1レンズユニット第11レンズ、L12…第1レンズユニット第12レンズ(第1レンズユニット中間像側レンズ)、L13…第2レンズユニット第1レンズ(第2レンズユニット中間像側第1レンズ)、L14…第2レンズユニット第2レンズ(第2レンズユニット中間像側第2レンズ)、L15…第2レンズユニット第3レンズ、L16…第2レンズユニット第4レンズ、L17…第2レンズユニット第5レンズ、L18…第2レンズユニット第6レンズ、L19…第2レンズユニット第7レンズ、L20…第2レンズユニット第8レンズ、L21…第2レンズユニット第9レンズ、LG1…第1レンズ群、LG2…第2レンズ群、LU1…第1レンズユニット、LU2…第2レンズユニット、P…合焦位置、S…スクリーン(拡大側結像面)。

Claims (11)

  1. 拡大側に位置する拡大側結像面と中間像を共役にする第1レンズユニットと、前記中間像と縮小側に位置する縮小側結像面とを共役にする第2レンズユニットと、からなり、
    前記第1レンズユニットは、正のパワーを有し、
    前記第2レンズユニットは、負のパワーを有し、
    前記第2レンズユニットの最も前記中間像に近い第2レンズユニット中間像側第1レンズは、正のパワーを有し、
    前記第1レンズユニットの焦点距離をfU1、前記第2レンズユニットの焦点距離をfU2としたときに、以下の式を満たすことを特徴とする投写光学系。
    −0.3≦ fU1/fU2 < 0
  2. 請求項1において、
    前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと前記第1レンズユニットの最も前記中間像に近い第1レンズユニット中間像側レンズとの間を通過する軸外の光線の主光線は、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズから前記第1レンズユニット中間像側レンズに向かって光軸に接近することを特徴とする投写光学系。
  3. 請求項1において、
    前記中間像における軸外光の合焦位置は、軸外に向かって前記第2レンズユニット中間像側第1レンズに接近することを特徴とする投写光学系。
  4. 請求項1において、
    前記第2レンズユニット中間像側第1レンズは、屈折率が1.7よりも大きく、アッベ数が35よりも小さいことを特徴とする投写光学系。
  5. 請求項1において、
    前記第1レンズユニットの最も前記拡大側結像面の側に位置する第1レンズユニット拡大側レンズは、樹脂製であり、負のパワーを備える非球面レンズであることを特徴とする投写光学系。
  6. 請求項1または5において、
    前記第1レンズユニットは、前記拡大側から前記中間像の側に向かって、第1レンズユニット拡大側レンズ、2枚以上の負のパワーを有するレンズを備える第1レンズ群、および、第2レンズ群を備え、前記拡大側結像面への投写サイズを変える場合には、前記第1レンズユニット拡大側レンズを固定した状態で、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群とを光軸方向に移動させてフォーカシングを行うことを特徴とする投写光学系。
  7. 請求項1において、
    前記第1レンズユニットの最も前記中間像に近い第1レンズユニット中間像側レンズ、および、前記第2レンズユニットにおいて前記第2レンズユニット中間像側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット中間像側第2レンズの少なくとも一方は、非球面レンズであることを特徴とする投写光学系。
  8. 請求項1において、
    前記第2レンズユニットは、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット中間像側第2レンズとの間に、前記第2レンズユニット中間像側第1レンズと前記第2レンズユニット中間像側第2レンズとの間の光路を折り曲げるミラーを備えることを特徴とする投写光学系。
  9. 請求項1において、
    前記第2レンズユニットの最も前記縮小側結像面の側に位置する第2レンズユニット縮小側第1レンズおよび当該第2レンズユニット縮小側第1レンズの隣に位置する第2レンズユニット縮小側第2レンズは、それぞれ正のパワーを備え、
    前記第2レンズユニット縮小側第1レンズおよび第2レンズユニット縮小側第2レンズの少なくとも一方は、屈折率が1.75より大きく、2.00よりも小さく、かつ、アッベ数が20より大きく、45より小さいことを特徴とする投写光学系。
  10. 請求項1において、
    最大画角が120°以上であることを特徴とする投写光学系。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の投写光学系と、
    前記縮小側結像面に画像を表示する画像表示素子と、
    を備えることを特徴とする投写型画像表示装置。
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