JP2017215496A - 光源光学系およびこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

光源光学系およびこれを用いた画像表示装置 Download PDF

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大輔 小川
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裕 山口
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Minoru Okoba
稔 大古場
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Teruya Kusuda
輝也 楠田
健人 川澄
Taketo Kawasumi
健人 川澄
阿部 雅之
Masayuki Abe
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Abstract

【課題】 本発明は、蛍光体の大きな変形や、蛍光体表面の亀裂の発生を防ぐことによって、蛍光体の寿命を長くすることが可能な光源光学系及び画像表示装置の提供を目的としている。
【解決手段】 光源からの光束を波長変換素子に導く光源光学系であって、前記光源光学系が前記光源からの光束を用いて前記波長変換素子に形成する光強度分布が、最も高い光強度の60%以上100%以下の領域の面積が、10%以上100%以下の領域の面積の80%以下の面積となるような分布である、ことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光源光学系およびこれを用いた画像表示装置に関する。
近年、高出力レーザーダイオード(以後、LD)から発する光束を励起光として蛍光体の一部の領域に照射し、波長変換された蛍光光を光源光として用いるプロジェクターが開発されている(特許文献1、2)。
このようなプロジェクターでは、LDの個数を増やすなどの方法で励起光の輝度を高めることにより、投射画像の明るさを向上させることが可能である。
特開2012−047996号公報 特開2016−071128号公報
しかしながら、投射画像の明るさを上げるために蛍光体への入射光の強度を高めると、蛍光体面上の一部の領域にのみ形成される光源スポットの光密度が高くなる。この光密度の差によって生じる蛍光体の温度分布によって、蛍光体が変形したり、蛍光体表面に亀裂が入ったりし、蛍光体の波長変換効率が低下してしまう可能性がある。
そこで、本願発明は、蛍光体の大きな変形や、蛍光体表面の亀裂の発生を防いで、蛍光体を長寿命化させることが可能な光源光学系及び画像表示装置の提供を目的としている。
本願発明の光源光学系は、上記課題を解決するために、光源からの光束を波長変換素子に導く光源光学系であって、前記光源光学系が前記光源からの光束を用いて前記波長変換素子(上)に形成する光強度分布が、最も高い光強度の60%以上100%以下の領域の面積が、10%以上100%以下の領域の面積の80%以下の面積となるような分布である、ことを特徴としている。
本発明によれば、蛍光体を長寿命化させることが可能な光源光学系及び画像表示装置を提供することができる。
本発明の第1実施例で示す光源装置の構成説明図 ダイクロイックミラーの構成説明図 レンズアレイによるレーザー光束の均一化を示す図 光束径の定義を示す図 本発明の第1実施例で用いるレンズアレイと光源像の関係説明図 アフォーカル系を通ることによる角度ばらつきの変化を示す図 励起光路と蛍光光路のFナンバーの関係を示す図 蛍光体上の輝度分布を示す図 本発明の第2実施例で示す光源装置の構成説明図 本発明の各実施例で示す光源装置を搭載可能なプロジェクターの構成説明図
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、本発明は後述の実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施例〕
(光源光学系および光源装置について)
図1は、本発明の第1実施例としての光源装置の構成を示す構成図である。図1に記載した軸(方向)の定義について説明する。まず、X軸方向は、後述の集光レンズユニット8の光軸と平行な方向である。次にY軸方向は、X軸方向と垂直で、且つ励起光源と蛍光体(2次光源、蛍光光源)との間に配置された後述のダイクロイックミラー7の法線とも垂直な方向(軸)である。最後に、Z軸方向はX軸方向およびY軸方向の両者に対して垂直な方向(軸)である。つまり、図1は、図面内に図示されている座標軸にあるようにXZ断面の図になっている。
本実施例で示す光源装置は、光源(レーザーダイオード)1と、光源1から出射した各々の光束を平行光束(略平行光束)に変換するコリメータレンズ2と、入射光の波長を変換する蛍光体9と、光源光学系とを備えている。
ここで、蛍光体9は、蛍光体の結晶、或いは蛍光材料(小さな蛍光体、粉末状の蛍光体)を低融点ガラス等の無機バインダに混ぜたものである。この蛍光体9は、光源からの光束によって形成される光スポット(蛍光体上での光強度の最大値の10%以上の領域を光スポットと称する)よりも大きい(後述する集光光学系の光軸と垂直な面内における面積が広い)。この蛍光体9の面積(集光光学系の光軸と垂直な平面内における面積)は、光スポットの面積の5倍以上120倍以下(好ましくは9倍以上70倍以下)であることが望ましい。このような場合、光スポットは、当然蛍光体9内に形成される。図1においては、蛍光体9と後述する第1のレンズ面アレイ61とが共役であるように見えるが、実際には図3(b)に示すように、蛍光体9は第1のレンズ面アレイ61と共役な位置から若干ずれている。このように、共役な関係を若干崩す(蛍光体と第1のレンズ面アレイとを共役な関係にしない)ことにより、蛍光体上における光強度分布(の端部)を急峻な形にせず(光スポットの輝度をステップ状にせず)内部応力を低減することができる。これは、後述する図7、9、10においても同様である。
尚、本実施例における蛍光体と光スポットとは、図1で記載している通り相対的に移動することは無い。但し、この両者を所定の方向、或いは所定の面内で相対的に移動させても構わない。例えば、この蛍光体と光スポットとを、所定の周期(0.01Hz以上1Hz以下、より好ましくは0.01Hz以上0.1Hz以下)で周期的に移動(相対移動)させても構わない。或いは、ある一定時間ごとに移動させても良い。但し、その移動距離(往復運動の場合はその振幅、回転運動の場合はその直径)は、移動距離が最も長い方向(直線方向)において、その方向における光スポットの長さの10倍以下(好ましくは5倍以下、更には3倍以下)であることが望ましい。光スポットの長さは、集光光学系の光軸と垂直な平面内における光スポットの長さの最大値、としても良い。
ここでいう光源光学系は、複数のレーザーダイオード或いはその複数のレーザーダイオードからの光を平行光束に変換する複数のコリメータレンズからの複数の光束を蛍光体に導く機能を持つ光学系である。具体的には、この光源光学系は、マイクロレンズアレイ(フライアイレンズ)63、ダイクロイックミラー7(導光素子)、集光レンズユニット8(集光光学系)と、レーザーダイオードLDからの光束を受光する導光光学系を有する。LDからの光束は、LD側から順に、導光光学系、マイクロレンズアレイ、ダイクロイックミラー、集光レンズユニットを介して蛍光体に導かれる。
ここで、導光光学系とは、互いに異なる曲率半径及び互いに異なる頂点座標(中心座標)を有する複数種の放物面を含む複数のミラーからなる放物ミラーアレイ(楕円ミラーアレイ、又は曲面ミラーアレイ)3と、平面ミラー4と、凹レンズ5のことをいう。LDからの光束は、LD側から順に、放物ミラーアレイ、平面ミラー、凹レンズを介して、マイクロレンズアレイに導かれる。
(光源1から照明光学系までの光路)
光源1は青色光を発するLD(レーザーダイオード)である。光源1から射出された光束は発散光束であり、光源1からの光束の進行方向(進行させたい方向)には光源1と同数のコリメータレンズ2が設けられている。コリメータレンズ2は光源1からの発散光束を平行光束にする正レンズである。
コリメータレンズ2を射出した後の複数の光束はZ軸方向に向けて進行したのち放物ミラーアレイ3によって互いの距離を縮めながら平面ミラー4へ向かう。平面ミラー4によって反射された光束は凹レンズ5に入射する。凹レンズ5は、その焦点位置を放物ミラーアレイ3の焦点と共有しているため、凹レンズ5は平行光束として光束を射出する。
凹レンズ5を出射した平行光束は、マイクロレンズアレイ63の面のうち凹レンズ5側の面である第1のレンズ面アレイ61に入射し、複数の光束(部分光束、分割光束)に分割されて第2のレンズ面アレイ62に入射する。つまり、第2のレンズ面アレイ62は第1のレンズ面アレイ61からの光束を受光する位置に設けられている。この実施例においては、第1のレンズ面アレイと第2のレンズ面アレイとは同一のレンズアレイの両端のレンズ面であるが、別々のレンズアレイ(別体のレンズアレイ)が持つレンズ面であっても構わない。
第2のレンズ面アレイ62を出射した分割光束(青色光)は、青色光を反射し黄色光(赤色光及び緑色光)を透過するダイクロイックミラー7により反射されて集光レンズユニット8に向かう。このダイクロイックミラー(の表面)は、光源1からの青色光(励起光)は反射し、後述の蛍光光の波長は透過する特性の誘電体多層膜(ダイクロイック膜)がコーティングされている。また、このダイクロイックミラー7は第2のレンズ面アレイ62からの光束を反射する必要最小限の大きさになっている。具体的には、このダイクロイックミラー7は、第2のレンズ面アレイから出射する光束の80%以上(望ましくは95%以上、更に望ましくは99%以上)が入射する大きさを備えている。
このダイクロイックミラー7の詳細な構成について図2を用いて説明する。ダイクロイックミラー7は図2(a)に示す構成を採っている。具体的には、このダイクロイックミラー7は、光源1からの励起光を含む青色光を反射し、発光素子(蛍光体)から出射する緑色光および赤色光を含む蛍光光(黄色光)を透過させるダイクロイック面(導光面)71を備えている。このダイクロイック面71のy軸方向の両側(左右)には、波長に依らずに光(可視光)を透過させる透過面72が設けられている。
なお、ダイクロイックミラー7は図2(a)に示す構成に限定されず、例えば図2(b)に示すように、ダイクロイック面71の周囲に透過面72が設けられている構成などであってもよい。さらに、ダイクロイック面71の少なくとも一辺が透過面72のある一辺と重なっている構成であってもよく、透過面72は透明な基板上の面であっても、反射防止コーティングが施された面であってもよい。
また、ダイクロイック面71の法線が、ダイクロイック面71の法線と平行で集光レンズユニット8の光軸を含む断面に含まれない場合、この断面にダイクロイック面71を垂直に投影した面で後述の幅Dを定義すればよい。
ダイクロイックミラー7で反射された分割光束は正のパワーを有する集光レンズユニット8によって蛍光体9上に集光および重畳される。その結果、蛍光体9上に光源スポットが形成される。蛍光体9上に形成される光源スポットは、第1のレンズ面アレイ61の各レンズセル(レンズ面)と共役であるため、矩形で均一な分布になっている。
(蛍光体9上の輝度分布について)
ここで、図3を用いて蛍光体9上の輝度分布、温度分布について説明する。
まず、本実施例において、光源からの光束を波長変換素子(蛍光体)に導く光源光学系は、光源からの光束を用いて波長変換素子上に形成する光強度分布が、以下のような条件を満足している。波長変換素子上で最も輝度が高い位置における輝度を100%とするとき、この最も高い光強度の60%以上100%以下の輝度の領域の面積の、10%以上100%以下の輝度の領域の面積に対する割合が80%以下となるような分布である。更に望ましくは、この割合は、30%以上(更に好ましくは50%以上)であることが望ましい。また、この割合は70%以下(更に好ましくは65%以下)であると尚良い。
尚、ここで、この最も高い光強度の60%以上100%以下の輝度の領域とは、勿論、輝度が最も高い光強度の60%以上100%以下となる領域の面積である。但し、光強度が60%(又はそれ以上)となる領域で囲われた領域(できれば最も高い光強度の45%以上の光強度で照明されている領域)も、60%以上100%以下となる領域、とみなしても構わない。
上述のような輝度分布を蛍光体上に形成することにより、蛍光体の温度分布が(照明領域内と照明領域外との境界部分で)急峻になり過ぎず、蛍光体内に大きな応力を発生させずに済む、という効果が得られる。また、発生する応力を小さく抑制することによって、蛍光体の長寿命化を図ることができる。
ここで、図8を用いて、蛍光体(波長変換素子)9上の輝度分布の具体例について記載する。
図8(a)〜(f)に、蛍光体上における輝度分布(照度分布)を示す。この輝度分布は、集光光学系の光軸、或いはその近傍の軸を通る断面内での輝度分布であり、この輝度分布を前述の軸を中心に回転させることで、蛍光体上の輝度分布(二次元的な輝度分布)を表現することができる。図8(a)〜(f)の輝度分布は、蛍光体上の最高輝度に対する60−100%の輝度の領域の面積が、10−100%の輝度の領域の面積の、(a)61%、(b)57%(77%)、(c)39%、(d)77%、(e)65%、(f)52%となっている。この図8(b)の「57%(77%)」という記載のうち57%という数値は、最高輝度の60−100%の輝度となっている領域の面積の、10−100%の輝度の領域の面積に対する割合を示している。また、77%という数値は、60−100%の輝度の領域で囲まれた領域(60−100%の輝度の領域も含む)の面積の、10−100%の輝度の領域の面積に対する割合を示している。
(前述の輝度分布を形成する具体的な方法)
次に、具体的な輝度分布の形成方法について説明する。本実施例の光源光学系は、光源からの光束を複数の部分光束に分割する複数の第1のレンズ面アレイと、この複数の部分光束を波長変換素子(蛍光体)に導く、正のパワーを有する集光光学系と、を備えている。ここで、第1のレンズ面アレイと波長変換素子(蛍光体)とは共役ではなく、第1のレンズ面アレイの結像位置と波長変換素子の位置とを互いにずらしている。ここでは、第1のレンズ面アレイの結像位置と波長変換素子の位置とのずれ量(集光光学系の光軸方向)は、第1のレンズ面アレイの1つのレンズ面の焦点距離の1%以上(好ましくは5%以上、更に望ましくは10%以上)であると良い。
また、第1のレンズ面アレイと集光光学系との後に、複数の第1のレンズ面に対応する複数の第2のレンズ面を有する第2のレンズ面アレイを備えており、この第2のレンズ面アレイと集光光学系とで、第1のレンズ面の像を形成している。前述の第1のレンズ面アレイの結像位置と波長変換素子の位置とのずれ量(集光光学系の光軸方向)は、第2のレンズ面アレイの1つのレンズ面と集光光学系との合成焦点距離の1%以上(好ましくは5%以上、更には10%以上)であると良い。また、このずれ量は、第2のレンズ面アレイの1つのレンズ面と集光光学系との合成焦点距離の30%以下(好ましくは20%以下)であることが望ましい。
尚、上述の、第1のレンズ面アレイのボケた像を波長変換素子上に形成する方法とは異なる方法でも構わない。その変形例の1つとしては、LD1つ1つに対応する第1のレンズ面及び第2のレンズ面を有する第1、2のレンズ面アレイを設け、LD1つ1つで発生する輝度分布(ほぼガウス分布)をそのまま波長変換素子上で重ねても構わない。また、このような構成を採りつつ、更に前述のように第1のレンズ面のボケた像を波長変換素子上に形成しても良い。上述の変形例は、LD1つ1つに対して、1つの第1のレンズ面及び1つの第2のレンズ面を配置する例であるが、LD1つ1つに対して、複数個(整数)の第1、2のレンズ面を配置しても構わない。
図3を用いて、前述の第1のレンズ面アレイのボケた像を波長変換素子上に形成する例の説明を行う。
まず、図1と図3(a)及び(b)の対応関係について説明する。図1の第1のレンズ面アレイ61、第2のレンズ面アレイ62、集光レンズユニット8、蛍光体9は、図3の61’、62’、8’、9’にそれぞれ対応している。
蛍光体9’は第2のレンズ面アレイ62’と集光レンズユニット8’によって第1のレンズアレイ61’の各レンズセルと略共役の位置に配置されており、第1のレンズ面アレイ61’と蛍光体9’面は結像関係にある。したがって、蛍光体9’上には第1のレンズ面アレイ61’の各レンズセル上に形成されている光分布に対応した光源像が形成される。また、その像の大きさはレンズセルのピッチ(レンズセルの幅)と結像系の倍率によって決まる。さらに、各レンズセル上に形成されている光源像は集光レンズユニット8‘を介して蛍光体9’上で重畳するように配置されている。この図3(a)は、第1のレンズ面アレイと波長変換素子とが共役の場合である。この図3(a)の場合は波長変換素子をケーラー照明することになるため、波長変換素子上の所定の領域内(有効領域、有効照明領域)を略均一な照度(輝度)で照明することができる。この図3(a)の場合においては、図3左側に示すように第1のレンズ面アレイ61’に入射する光束が不均一な輝度分布を持っていたとしても、上記理由から各レンズセル上に形成される光分布はレンズセル数だけ平均化される。このため、図3右側に示すように蛍光体9’面上では均一な分布の光源像を形成することができる。
但し、本実施例においてはこの図3(a)の構成とは異なる構成を採っている。すなわち、図3(b)に示すように、第1のレンズ面アレイと波長変換素子とを共役な関係から敢えてずらしている。この構成を採ることによって、(最も輝度が高い領域から)外側に向かうに連れて輝度が下がるような分布を形成し、波長変換素子の温度分布を、図3(a)の場合と比較してなだらかな分布にしている。このように温度分布をなだらかにすることで、波長変換素子の内部応力を図3(a)の場合と比較して小さくすることができるため、波長変換素子の変形量を低減したり、亀裂の発生を防止したりすることが可能となる。
この第1のレンズ面アレイの結像位置(共役な位置)と波長変換素子の位置とのずらし方(ずらし量)を、前述のような値とすることによって、輝度分布内の輝度の下がり方を設定することができる。この輝度分布の下がり方(外側に向かうに連れて輝度が下がる際の下がり方、或いは下がり量)の最も好ましい形は、蛍光体の材質、面積、厚み等によって異なるが、前述の範囲内であれば本実施例の効果を得ることは可能である。
(小型化を実現する構成)
蛍光体9に入射した光源1からの青色光は、赤色光および緑色光のスペクトルを主とする蛍光光(変換光)に変換される。蛍光体9は、高反射率のアルミ基板上に蛍光体層を塗布して形成されており、青色光から蛍光変換された蛍光光はアルミ基板で集光レンズユニット8へ向かって反射される。また、一部の青色光は蛍光変換されることなく同じ波長のままアルミ基板で反射される。
こうして赤色光および緑色光を含む蛍光光と非変換の青色光で構成される白色光束が蛍光体9から射出され、集光レンズユニット8によって集光および平行光化され不図示の照明光学系に向かう。
このとき、集光レンズユニット8からの白色光束の光束径に対して、ダイクロイックミラー7の幅、より詳細にはダイクロイック面71の幅が充分に大きい場合を考える。この場合、ダイクロイック面71を通る白色光束のうち青色光はダイクロイック面71で反射されて光源1側に戻ってしまい、照明光学系へ向かうことができない。
つまり、ダイクロイック面71の幅が大きいほど青色光を減損することになってしまう。このような青色光の減損に対する解決手段として特許文献1に記載のように、励起光を発する光源1とは別に青色光源を備えた構成が考えられるが、この構成では装置全体が大型化してしまう。そこで、本実施例においては減損される青色光を極力減じるために、ダイクロイックミラー7の面積をできるだけ小さくすることを考えた。
具体的には、本実施例においてはダイクロイック面71の幅Dと集光レンズユニット8の幅Dを次の条件を満たすように設定している。すなわち、ダイクロイックミラー7の法線と平行で集光レンズユニット8の光軸を含む断面(XZ断面)での集光レンズユニット8の光軸と直交する方向(Z軸方向)において、ダイクロイック面71の幅Dは集光レンズユニット8の幅Dよりも狭い。
このような構成では、集光レンズユニット8からの白色光束のうちダイクロイック面71を通る光束に含まれる青色光は光源1側に戻ってしまうが、ダイクロイックミラー7を通らない光束はそのまま照明光学系に導かれる。つまり、励起光用の光源とは別に青色光源とその周辺の光学系を設けなくても白色光束を照明光学系に導くことが可能となり、小型な光源光学系を実現することができる。
なお、ダイクロイックミラー7が図2(a)に示した構成である場合には、ダイクロイックミラー7のZ軸方向の幅をDと定義すればよい。一方、図2(b)に示した構成のように、XZ断面にダイクロイック面71以外にも透過面72が存在する場合には、ダイクロイック面71のZ軸方向の幅をDとしてもよい。
(光束径の定義)
幅Ddを幅Dcよりも狭くすることは、光束径を用いてマイクロレンズアレイ63から射出する励起光の光束径DLDを集光レンズユニット8からの白色光束の光束径Dphosよりも小さくすることと言い換えることができる。ここでいう光束径の定義について図4を用いて説明する。
図4(a)は第2のレンズ面アレイ62上に形成される励起光の光源像の輝度断面図を示している。前述のとおり、第2のレンズアレイ62面上には第1のレンズアレイ61面で分割された光束が集光され、集光点ではLDの発光点の像が形成される。
したがって、図4(a)に示す輝度断面図は、第1のレンズ面アレイ61のレンズセルピッチに対応した数の輝度ピークが並んだ離散的な分布となっている。この場合、マイクロレンズアレイ63からの励起光の光束径DLDは、輝度断面の包絡線Eにおける半値半幅、すなわち最大輝度Iの1/2の輝度が得られる幅とする。
一方、図4(b)には集光レンズユニット8からの白色光束の光分布の輝度断面図を示す。蛍光体9からの蛍光光は全方位に発光する一方、蛍光体9の表面から面発光をするので完全拡散面光源ととらえることもできる。したがって、蛍光光束の輝度断面は光軸近傍で一番輝度が強く、集光レンズユニット8による蛍光光の取り込み角度の余弦に対応して光軸から離れるに従って輝度が弱くなっているが、集光レンズの有効径で決まる取り込み角の限界点で輝度が0になっている。この場合、蛍光光の光束径つまり集光レンズユニット8からの白色光束の光束径Dphosは輝度が0になる位置の幅とする。
以上より、本実施例の構成によって蛍光体の光変換効率の低下を抑制しながら光源装置の小型化を達成することができる。
(励起光の光束径を小さくすることによる課題)
ここで、前述のダイクロイックミラー7が大きいことによる青色光の減損を抑制するために、ダイクロイックミラー7の面積を更に小さくすることを考える。ダイクロイックミラーの面積を更に小さくする場合には第2のレンズ面アレイ62から射出される励起光の光束径を更に小さくする必要がある。しかしながら、励起光の光束径を小さくすると次のような課題が生じる。以下、図5および図6を用いてその課題について説明する。
図5は本実施例における第1および第2のレンズ面アレイ61、62を拡大して図示したものである。図5(a)のように第1のレンズ面アレイ61によって分割された平行光束(部分光束、分割光束)は、第1のレンズ面アレイ61の各レンズセルによってそれぞれ対応した第2のレンズ面アレイ62の各レンズセルに集光する。この結果、第2のレンズ面アレイ62の各レンズセルには、光源1の光源像が形成される。
仮に、この光源像の大きさがレンズセルのピッチよりも大きくなると、対応したレンズセルに対して隣接したレンズセルに光束の一部が入射してしまう。このような成分は蛍光体9上で所定の光源スポットの位置に対して隣接した位置に結像されてしまい、後段に配置される照明光学系中の光学素子でけられてしまって有効に利用されない光、つまり損失となる。その結果、光利用効率を落とすことになる。
一方、図5(b)には前述のようにダイクロイックミラー7の面積を小さくするために、励起光の光束径をより小さくした場合を示す。図5(b)では第2のレンズ面アレイ62の各レンズセルに形成される光源像がレンズセルの大きさを超えてしまい、上記のような対応するレンズセルに対して隣接したレンズセルに光束が入射することによって光利用効率がより低下してしまう。これは第1のレンズ面アレイ61に入射する励起光の光束径を小さくすることで、励起光束の平行光束としての角度ばらつきが大きくなっているためである。
(励起光の光束径の角度ばらつき)
図6を用いてその原理を説明する。図6は光源1から凹レンズ5までの各光学素子の光学的関係を簡略化して示した図である。1’は光源1、2’および3’は正のパワーを持つ素子でそれぞれコリメータレンズ2と放物ミラーアレイ3の各ミラーに対応している。5’は負のパワーを持つ素子で凹レンズ5を示している。
前述のように放物ミラーアレイ3と凹レンズ5はその焦点を共有しており、所謂アフォーカル系を形成している。従って、両者に対応する素子3’と5’もアフォーカル系Aを形成する。光源1’を射出した光はコリメータレンズ2’によって平行光化され、アフォーカル系Aに入射し、所定の倍率で光束が圧縮される。
このとき、光源1’の発光点が無限に小さければコリメートレンズ2’によって完全な平行光になるが、LDの発光点は有限の大きさを持っているので、その大きさに対応した角度ばらつきθを有する平行光束となる。なお、角度ばらつきθはコリメータレンズ2’の焦点距離fcoliと発光点の大きさLを用いてθ=atan(L/fcoli)で表わされる。
このようにアフォーカル系Aに入射する平行光束は発光点の有限の大きさに対応した角度ばらつきθを有するが、平行光がアフォーカル系Aに入射して光束径が変化する際に角度ばらつきがθへ変化する。今、アフォーカル系Aの入射前後の平行光束の径をそれぞれ、D、Dとすると、角倍率の関係より以下の式が成り立つ。
ここでγは角倍率である。前述の第1のレンズ面アレイ61に入射する励起光の光束径をより小さくすることは、アフォーカル系Aから射出する光束径Dをより小さくすることに等しい。光束径D2を小さくすると角倍率γが大きくなり、これにしたがい左辺の項の数値が大きくなるのでθが大きくなる。
したがって、アフォーカル系から出射する光束の径を小さくすると角度バラツキθ2が大きくなり、その後段では第1のレンズ面アレイ61へ入射する平行光束の角度ばらつきθも大きくなる。すると、図5(b)に示したように第2のレンズ面アレイ62上の光源像の大きさが大きくなる。つまり、青色光の減損を抑制する目的でダイクロイックミラー7の面積を小さくして励起光の光束径を小さくしすぎると、第2のレンズ面アレイ62に形成される光源像の大きさがレンズセルのピッチよりも大きくなって光利用効率が低下するため好ましくない。
ここで、蛍光体9上に形成される光源スポットを小さくする場合を考える。これは、蛍光体9と結像関係にある第1のレンズ面アレイ61のレンズセルのピッチを小さくすることを意味する。第1のレンズ面アレイ61のレンズセルのピッチを小さくするのに合わせて第2のレンズ面アレイ62のレンズセルのピッチも小さくすると、レンズセルの大きさに対する光源像の大きさが相対的に大きくなる。その結果、上記と同様に光利用効率が低下してしまうため好ましくない。
(より好ましい形態)
このような損失を抑制しつつ本実施例の構成をとるためには、励起光路の光束径と蛍光体9上の光源スポットの大きさが下記の条件であることが望ましい。なお、下記の説明では集光レンズユニット8の焦点距離fを光束径で除した値をFナンバーとし、光束径をFナンバーで代用して説明しているが、その理由は次のとおりである。
本実施例における集光レンズユニット8の焦点距離はf=15mmであるが、集光レンズユニット8の焦点距離は設計自由度がある。このため、照明光学系中の各光学素子の有効径が大きい場合はその分焦点距離を比例倍して、取り込み角度を維持したまま蛍光光の光束径を大きくしてもよい。この場合、集光レンズの焦点距離に比例して励起光の光束径も変化してしまうが、各光束径を集光レンズの焦点距離で除することにより、光束径を一般化できるので計算上都合が良い。
本実施例における集光レンズユニット8からの白色光束の光束径をDphos=30mmとすると、f=15mmであるためにFナンバーは、
である。一方、マイクロレンズアレイ63からの励起光の光束径をDLD=15mmするとFナンバーは、
である。
つまり、本実施例においては、図7(a)に示すように蛍光光が集光レンズユニット8によって集光される光路である蛍光光路のFナンバーに対して、励起光が蛍光体9に集光される光路である励起光路のFナンバーは大きい。
仮に、蛍光光路のFナンバーと励起光路のFナンバーがほぼ等しい場合を考える。この場合は図7(b)に示すように、集光レンズユニット8からの非変換光の全てあるいはほとんどがダイクロイックミラー7によって反射されて照明光学系に導かれずに損失が増大するため好ましくない。したがって、図7(a)に示す関係であることが好ましい。
より好ましくは、条件式(2)で定義される蛍光光路のFナンバーをFphosとし、条件式(3)で定義される蛍光光路のFナンバーをFLDとするとき、光源光学系は、
を満足するとよい。
条件式(4)の下限値を逸脱することは励起光路のFナンバーFLDを大きくする、つまり励起光の光束径DLDを小さくすることを意味する。励起光の光束径DLDを小さくしすぎると、前述の通り第2のレンズ面アレイ62に形成される光源像の大きさがレンズセルのピッチよりも大きくなって光利用効率が低下するため好ましくない。
一方、条件式(4)の上限値を逸脱することは、蛍光光路のFナンバーFphosと励起光路のFナンバーFLDが近くなること意味し、この場合は図7(b)に示したように損失が増大するために好ましくない。
ここで、条件式(4)の下限値が0.43であると尚好ましい。また、条件式(4)の上限値が0.55であると尚好ましい。
また、本実施例においては8個のLDをユニット化したものを計4ユニット、つまり計32個のLDを光源として用いており、蛍光体9上に形成される光源スポットは1辺約1.0〜1.5mmの略正方形形状である。これは、前述の通り蛍光体9上の光源スポットの光密度が高くなると、輝度飽和現象によって光変換効率が下がる、あるいは蛍光体9がより早く劣化してしまうためである。
仮に蛍光体9上の光源像を小さくする、つまりレンズアレイのピッチをさらに小さくすると、レンズセルに形成される光源像の大きさは変わらずに、対応するレンズセルの外形が相対的に小さくなるので前述の光利用効率の低下が生じるために好ましくない。
上記の関係を考慮して励起光路のFナンバーをFLD、光源スポットの1辺の長さをdphosとすると、光源光学系は下記の条件式を満足することが好ましい。
上記の条件式(5)は、本実施例のように励起光路のFナンバーFLDが1.0の場合には光源スポットの面積が1.0mmよりも大きい方が好ましいことを意味している。これは、前述の通り蛍光体9上の光源スポットの光密度の増大によって光変換効率の低下といった問題が生じるためである。
さらに条件式(5)は、光源スポットの面積が1.0mmよりも大きい場合には、励起光路のFナンバーFLDを大きくする、つまり励起光の光束径DLDを小さくすることを意味する。これにより、ダイクロイックミラー7の面積を小さくして集光レンズユニット8からの非変換光をより多く照明光学系に導くことが可能となる。
ここで、条件式(5)の下限値は1.5mmとする(或いは0.6mmに緩和しても構わない)ことが望ましく、また上限値を50.0mm(20.0mm)とすることが望ましい。
ただし、励起光の光束径DLDを小さくしすぎる、つまり励起光路のFナンバーFLDを大きくしすぎると、条件式(5)の下限値を逸脱してしまう。励起光の光束径DLDを小さくしすぎると前述の通り第2のレンズ面アレイ62に形成される光源像の大きさがレンズセルのピッチよりも大きくなって光利用効率が低下するため好ましくない。
ただし、光源スポットの面積が大きすぎると点光源としての性能が低下してしまう。さらに励起光路のFナンバーFLDが小さすぎる、つまり励起光の光束径DLDが大きすぎるとダイクロイックミラー7が大型化してしまい、集光レンズユニット8からの非変換光を照明光学系に導くことが困難になってしまう。このため、光源光学系は、
を満足するとより好ましい。
(条件式の変形)
ここで条件式(5)の右辺をさらに単純化させる。光源スポットの面積はレンズセルのセルピッチdLA、レンズセルの焦点距離fLA及び集光レンズユニット8の焦点距離f-を用いて表わすことができ、条件式(5)の右辺は下記のように変換できる。
ここで、式(6)の右辺の励起光の光束径DLD、レンズセルのピッチdLAの二乗の項を式(7)のように励起光束の断面積SLD、レンズセルの面積SLAとして置き換える。
さらに、励起光束の断面積SLAはレンズセルの総セル数Nとレンズセルの面積SLAを用いて式(8)のように書き直すことができる。
最終的に条件式(5)を下記の条件式(9)に示すようにレンズセルのパラメータのみに単純化できる。
本実施例では、条件式(5)あるいは(9)を満たすことで光源スポットの大きさと励起光のFナンバーFLD、つまり励起光の光束径DLDとを適切な関係に設定している。これにより、蛍光体9上の光源スポットの光密度による影響を抑制しつつ、ダイクロイックミラー7の大型化を抑制することで、集光レンズユニット8からの非変換光をより多く照明光学系に導くことが可能となる。さらに、励起光の光束径DLDを小さくしすぎることによって第2レンズ面アレイ63上の光源像が大きくなって光利用効率が低下することを抑制することが可能となる。
もちろん、前述の条件式(5)と同様に光源光学系は、
を満足するとより好ましい。
(LDの個数が少ない場合)
前述の通り本実施例では計32個のLDを用いているが、もちろんLDはもっと少なくても良い。8個のLDをユニット化したものを1ユニットのみ、つまりLDを計8個用いる場合には、式(7)および(8)中のSLDの項を1/4に減じることができるので条件式(9)の下限値を以下のように緩和できる。
つまり、LDの個数をより多くして明るくする場合は式(9)を満たすことが望ましいが、LDの個数が少ない場合には少なくとも式(10)を満たせばよい。これによってレンズセルの大きさに対して光源像が大きくなることによる損失の発生を抑制しつつ、波長変換素子の光変換効率の低下を抑制することが可能であるとともに、より小型な光源光学系を実現することが可能となる。
さらに、前述の条件式(5a)と同様に光源スポットが大きくなることによる影響を抑制するために、
を満足すると好ましく、さらに、
を満足するとより好ましい。もちろん、条件式(5a)と同様に、条件式(10)の上限値を4.0としてもよい。
なお、本発明の数値実施例は下記の通りである。
〔第2実施例〕
図8は本発明の第2実施例としての光源装置の構成を示す図である。前述の第1実施例と本実施例との違いは、ダイクロイックミラー7の構成と、ダイクロイックミラー7に対する集光レンズユニット8および蛍光体9の位置関係である。
前述の第1実施例におけるダイクロイックミラー7は、光源1からの励起光を反射して蛍光体9からの蛍光光を透過させる特性のダイクロイック面71と、波長によらずに光を透過させる透過面72とを備えた構成だった。
一方、本実施例におけるダイクロイックミラー7は、光源1からの励起光を透過させて蛍光体9からの蛍光光を反射する特性のダイクロイック面73と、波長によらずに光を反射する反射面74を備えた構成である。このような構成のダイクロイックミラー7を用いる場合には、光源1からの光束を進む方向にダイクロイックミラー7、集光レンズユニット8、蛍光体9が並んでいる必要がある。
このような構成であっても、励起光用の光源とは別に青色光を設けなくても白色光束を照明光学系に導くことが可能となり、小型な光源光学系を実現することができる。さらに、マイクロレンズアレイ63によって蛍光体9の光変換効率の低下を抑制することができる。
〔第3実施例〕
図9は第1実施例で示した光源光学系および光源装置を搭載したプロジェクター(投射型表示装置)の構成を示す図である。
100は第1実施例で示した光源装置である。もちろん、第2実施例で示した光源装置を図9中の光源装置100として用いても良い。
200は光源装置100からの光束を用いて後述の液晶パネル20(光変調素子)を照明する照明光学系である。照明光学系200は、第3のフライアイレンズ13a、第4のフライアイレンズ13b、偏光変換素子14、コンデンサーレンズ15を備えている。
光源装置100からの光束は第3のフライアイレンズ13aによって複数の光束に分割して第4のフライアイレンズ13bと偏光変換素子14との間に光源像を形成する。偏光変換素子14は入射した光束の偏光方向を所定の方向に揃えるように構成されており、偏光変換素子14からの光束はコンデンサーレンズ15によって色分離合成部300に導かれる。
色分離合成部300は、偏光板16、ダイクロイックミラー17、波長選択性位相差板18、赤色用液晶パネル20r、緑色用液晶パネル20g、青色用液晶パネル20bを備えている。このように、本実施例においては、液晶パネル(光変調素子)を複数備えている場合を示しているが、液晶パネルを1つとし、色分離合成部が無い構成(時分割で各色を表示する構成)であっても構わない。尚、この実施例においては各液晶パネル20r、20g、20bをまとめて液晶パネル20とする。さらに、赤色用λ/4板19r、緑色用λ/4板19g、青色用λ/4板19b、第1の偏光ビームスプリッター21a、第2の偏光ビームスプリッター21b、合成プリズム22を備えている。赤色用λ/4板19r、緑色用λ/4板19g、青色用λ/4板19bをまとめてλ/4板19とする。また、色分離合成部300のうち液晶パネル20を除く部分を色分離合成系とする。
偏光板16は偏光変換素子14によって整えられた偏光方向の光のみを透過する偏光板であり、ダイクロイックミラー17によって偏光板16からの光のうち青色光および赤色光は第2の偏光ビームスプリッター21bの方向に導かれる。一方、緑色光は第1の偏光ビームスプリッター21aの方向に導かれる。
第1の偏光ビームスプリッター21aおよび第2の偏光ビームスプリッター21bは偏光方向に応じてダイクロイックミラー17からの光を液晶パネル20に導くとともに、液晶パネル20からの光を合成プリズム22へ導くように構成されている。また、λ/4板19は、液晶パネル20での反射による往復においてλ/2の位相差を与えることで、検光効果を高める作用を有する。
合成プリズム22は、第2の偏光ビームスプリッター21aからの青色光および赤色光と、第2の偏光ビームスプリッター21bからの緑色光を合成して投射光学系23へ導く。
このような構成により、図8に示すプロジェクターはカラー画像をスクリーン等の被投射面に投射することが可能となる。
なお、光源装置100、照明光学系200、色分離合成部300、投射光学系23の互いの位置関係は図8に示す関係でなくてもよい。具体的には、図8においては集光レンズユニット8の光軸、コンデンサーレンズ15の光軸、液晶パネル20の面法線、投射レンズ23の光軸の全てが同一の面内に存在している。しかしながら、必ずしも各軸は同一の面内に存在している必要はなく、ミラーなどを用いて軸によって存在する面が異なるように適宜変更してもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(他の実施形態)
前述の各実施例においては、マイクロレンズアレイ63の凹レンズ5側の面が第1のレンズ面アレイ61であり、ダイクロイックミラー7側の面が第2のレンズ面アレイ62である構成を例示した。このような構成は、両レンズ面アレイの相対的なズレを抑制することができるために好ましい。
しかしながら、本発明は上記の構成に限定されず、マイクロレンズアレイ63の代わりに、凹レンズ5側から順に第1のレンズ面アレイ61を備える第1のフライアイレンズと、第2のレンズ面アレイ62を備える第2のフライアイレンズを設けても良い。この場合は硝子成型時の体積を減じることができるので、成型時間を短縮できる。
また、前述の各実施例においては詳細に述べていないが、光源1とコリメータレンズ2は別々の保持部材に保持されていても、同一の保持部材に保持されていてもよい。例えば、8個の光源1と8枚のコリメータレンズ2が一体となったLDバンクを用いても良い。
また、前述の各実施例で示した平面ミラー4の代わりにプリズムを用いて放物面ミラーアレイ3からの光束を凹レンズ5に導いても良い。
また、前述の各実施例では第1のレンズ面アレイ61によって第2のレンズ面アレイ62上に光源像が形成される構成を例示したが、光源像が第2のレンズ面アレイ62の近傍に形成されればよい。言い換えれば、光源像は第2のレンズ面アレイ62と蛍光体9との間あるいは、第2のレンズ面アレイ62とダイクロイックミラー7との間に形成されればよい。
また、前述の各実施例においては高反射率のアルミ基板上に蛍光体層を塗布した蛍光体9の構成を例示したが、より具体的には円形のアルミ基板上に周方向に連続して蛍光体層を塗布したホイールをモーターによって回転させる構成であってもよい。このような構成によって蛍光体層上の光源1からのレーザー光が集光する位置が変わり、蛍光体層の劣化を抑制することが可能となる。
また、前述の各実施例では、導光面としてダイクロイック面71を設けた構成を例示したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。複数の光源1からの光束を所定の偏光方向に揃え、ダイクロイック面71の代わりに導光面として偏光分離面を設けた構成等であってもよい。蛍光体9からの光束は偏光方向が乱れた状態で出射するため、偏光分離面では光源1からの光束と波長が同じ光束も照明光学系に導くことが可能となる。
1 光源
8 集光レンズユニット(集光光学系)
9 蛍光体(波長変換素子)
61 第1のレンズ面アレイ
62 第2のレンズ面アレイ
71 ダイクロイック面(導光面)

Claims (12)

  1. 光源からの光束を波長変換素子に導く光源光学系であって、
    前記光源光学系が前記光源からの光束を用いて前記波長変換素子に形成する光強度分布が、最も高い光強度の60%以上100%以下の領域の面積が、10%以上100%以下の領域の面積の80%以下の面積となるような分布である、
    ことを特徴とする光源光学系。
  2. 光源からの光束を波長変換素子に導く光源光学系であって、
    複数の第1のレンズ面を含み、前記光源からの光束を複数の部分光束に分割する第1のレンズ面アレイと、
    前記複数の部分光束を前記波長変換素子に導く、正のパワーを有する集光光学系と、
    を備え、
    前記第1のレンズ面アレイの像の位置は、前記波長変換素子からずれている、
    ことを特徴とする光源光学系。
  3. 前記第1のレンズ面アレイと前記集光光学系との間に配置され、前記複数の第1のレンズ面に対応する複数の第2のレンズ面を有する第2のレンズ面アレイを備え、
    前記第2のレンズ面アレイ及び前記集光光学系による、前記第1のレンズ面の像の位置が、前記波長変換素子からずれている、ことを特徴とする請求項2に記載の光源光学系。
  4. 前記第1のレンズ面の像の位置と前記波長変換素子の位置との差は、前記集光光学系の焦点距離の1%以上である、ことを特徴とする請求項3に記載の光源光学系。
  5. 前記第2のレンズ面アレイからの光束を、前記集光光学系を介して前記波長変換素子に導く導光面と、を備え、
    前記導光面の法線と平行で前記集光光学系の光軸を含む断面での前記集光光学系の光軸と直交する方向において、前記導光面の幅は前記集光光学系の幅よりも狭い、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の光源光学系。
  6. 前記集光光学系の焦点距離を前記集光光学系から前記導光面に導かれる光束の光束径で除した値を蛍光光路のFナンバーとし、前記集光光学系の焦点距離を前記第2のレンズ面アレイから前記導光面に導かれる光束の光束径で除した値を励起光路のFナンバーとするとき、
    前記励起光路のFナンバーは前記蛍光光路のFナンバーよりも大きい、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光源光学系。
  7. 前記蛍光光路のFナンバーをFphosとし、前記励起光路のFナンバーをFLDとするとき、

    を満足することを特徴とする請求項6に記載の光源光学系。
  8. 前記第2のレンズ面の数をNとし、前記第2のレンズ面の焦点距離をfLAとし、前記第2のレンズ面の面積をSLAとするとき、

    を満足することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光源光学系。
  9. 前記導光面と、前記波長変換素子からの光束を波長に依らずに透過させる透過面とを有する導光素子をさらに備え、
    前記導光面は、前記光源からの光束を反射して前記波長変換素子に導くとともに、前記波長変換素子からの光束のうち前記光源からの光束とは波長が異なる光束を前記光源とは異なる方向に透過させるダイクロイック面である、
    ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光源光学系。
  10. 前記導光面と、前記波長変換素子からの光束を波長に依らずに反射する反射面とを有する導光素子をさらに備え、
    前記導光面は、前記光源からの光束を透過させて前記波長変換素子に導くとともに、前記波長変換素子からの光束のうち前記光源からの光束とは波長が異なる光束を反射して前記光源とは異なる方向に導くダイクロイック面である、
    ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光源光学系。
  11. 光源と、
    前記光源からの光束の進行方向に設けられた正レンズと、
    波長変換素子と、
    前記正レンズから出射した光束を前記波長変換素子に導く、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光源光学系と、
    光変調素子と、
    前記波長変換素子から出射した光束を用いて前記光変調素子を照明する照明光学系と、
    を備える、ことを特徴とする投射型表示装置。
  12. 前記光変調素子を複数備えており、
    更に、前記照明光学系からの光束を波長に応じて分割した上で前記複数の光変調素子に導くとともに、前記複数の光変調素子からの光束を合成する色分離合成系と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の投射型表示装置。
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