以下、車両用制御装置の一実施形態を説明する。図1に示すように、車両用制御装置(ECU)1は、電源回路2、制御マイコン3、駆動マイコン4、ハイサイドドライバ5、及び、ローサイドドライバ6、を主として備え、その他、周辺回路7〜9として、抵抗7、ダイオード8、コンデンサ9を図示形態に接続して構成される。
電源回路2は、キースイッチ信号を入力し、当該キースイッチ信号がオフ(OFF)からオン(ON)になると図示しないバッテリ電圧から電源電圧VBを生成し、ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6、制御マイコン3、駆動マイコン4へ動作用の供給電源を出力する。キースイッチ信号は、車両起動スイッチであるイグニッションスイッチがオフ(OFF)、アクセサリ(ACC)、オン(ON)、スタート(START)に位置する場合、この状態を示す信号である。
制御マイコン3及び駆動マイコン4は、それぞれCPU、ROM、RAM等を備えており、互いにバス接続されている。制御マイコン3には、非遷移的実体的記録媒体としての内部メモリ3a(前述のROM、RAM等)が備えられており、この内部メモリ3aに記憶されたプログラムに基づいて動作する。
本実施形態に係る制御マイコン3は、後述する処理を実施することで、本発明に係る車両用異常判定装置、オンオフ制御部、電源制御部、取得部、及び、異常判定部としての機能を少なくとも備えるものである。また、内部メモリ3aは、後述するように各種ダイアグ情報DIAGを記憶することで、オフ遷移前記憶部、オフ状態記憶部として機能するものである。制御マイコン3もまた、外部からキースイッチ信号を入力し、キースイッチ信号がオンからオフになると、電源回路2へ電源電圧の出力停止指令可能になっている。
制御マイコン3は、車両の制御を実行指令する機能を備える。駆動マイコン4は、制御マイコン4から与えられる指令に応じてハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6を駆動させる。また制御マイコン3は、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6からバスを通じてダイアグ情報DIAGを取得可能になっている。
ハイサイドドライバ5は、周辺回路7、8を通じてハイサイド側ノードとなるハイサイド出力端子10に接続されている。周辺回路7、8は、電源電圧VBの電源入力ノード側にプルアップ抵抗7を接続すると共に、ハイサイド出力端子10とグランドノードとの間にダイオード8を接続して構成されている。プルアップ抵抗7は、例えば5.1kΩ程度の低抵抗値に設定されている。
ローサイドドライバ6は、周辺回路9を通じてローサイド側ノードとなるローサイド出力端子11に接続されている。また周辺回路9は、例えば出力端子とグランドとの間にコンデンサ9を備えて構成される。ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の間には、車両用制御装置1の外部に誘導性負荷12が接続されている。誘導性負荷12としては、スタータスイッチ13のリレー用のコイルを適用できる。
ハイサイドドライバ5が、ハイサイド出力端子10にバイアス電圧を印加すると共に、ローサイドドライバ6が、ローサイド出力端子11にバイアス電圧を印加することで、誘導性負荷12への通電をオン/オフする。
図2に示すように、ハイサイドドライバ5は、制御ロジック14、内部電源回路15、内部電源電圧検出部16、チャージポンプ回路17、電流検出部18、出力電圧検出部19、温度センサ20、ボディダイオード付きのMOSFETによるハイサイドスイッチ21、及び、ダイアグ情報取得部14a、を備える。ハイサイドスイッチ21は、例えばNチャネル型のMOSFET21により構成されている。ハイサイドスイッチ21を構成するMOSFET21のドレインは、電源電圧VBが供給されるハイサイド側電源線N1に接続されており、ソースはハイサイド出力端子10に接続されている。これにより、ハイサイドスイッチ21は、ハイサイド側電源線N1とハイサイド出力端子10とを通電オン/オフ切替えする。
内部電源回路15は、電源回路2の電源電圧VBの供給を受けて内部電源電圧を生成しハイサイドドライバ5の内部回路(例えば制御ロジック14等)に供給する。内部電源電圧検出部16は、内部電源電圧のハイサイドドライバ5内への供給電圧を検出し、この検出値を制御ロジック14に出力する。
電流検出部18は、ハイサイドスイッチ21に流れる電流を検出し、この検出値を制御ロジック14に出力し、制御ロジック14はこの検出値を予め定められた閾値と比較することで、過電流を生じたか否かを判定する。このためハイサイド側の過電流保護回路は、制御ロジック14及び電流検出部18を用いて構成される。
出力電圧検出部19は、ハイサイドスイッチ21を構成するMOSFETのソースから出力される出力電圧OUTを検出し、この検出値を制御ロジック14に出力する。温度センサ20は、ハイサイドドライバ5の温度を検出し、この検出値を制御ロジック14に出力する。
制御ロジック14は、駆動マイコン4から指令を入力し、内部電源電圧検出部16、電流検出部18、出力電圧検出部19、温度センサ20の各情報を入力し、チャージポンプ回路17にハイサイドスイッチ5のオン/オフ制御電圧を出力したり、ダイアグ情報取得部14aに前述の各情報を出力したりする。
チャージポンプ回路17は、制御ロジック14から与えられるオン/オフ制御電圧を昇圧しハイサイドスイッチ5を構成するMOSFETのゲートに印加する。するとハイサイドスイッチ5はオン/オフするようになり、ハイサイドスイッチ5のオン抵抗を通じたハイサイド出力端子10への通電をオン/オフできる。
ダイアグ情報取得部14aは、入力された各情報に基づいてダイアグ情報DIAGを生成し、生成されたダイアグ情報DIAGをシリアル通信により制御マイコン3に送信する。このダイアグ情報DIAGは、内部電源電圧検出部16、電流検出部18、出力電圧検出部19、温度センサ20の検出結果に基づいて算出される情報であり、特に出力電圧検出部19によるハイサイド出力端子10の電圧(必要に応じて、ハイサイド端子電圧と称す)に基づくダイアグ情報DIAGを出力する。
図3に示すように、ローサイドドライバ6は、過熱検出部22、過電流検出部23、ボディダイオード付きのNチャネル型MOSFETによるローサイドスイッチ24、抵抗25〜27、ツェナーダイオード28、各種ゲート回路(例えばANDゲート29〜30、否定入力付きANDゲート31〜32、NOTゲート39)、コンパレータ33〜34、電圧バッファ35、フィルタ36〜37、タイマ38、等を図示形態に備えて構成される。このローサイドドライバ6は、電源回路2から出力される電源電圧VBを入力して動作し、駆動マイコン4から与えられる駆動信号を入力信号INとして動作する。
ローサイド出力端子11及びグランド端子間には、抵抗25、26が直列接続されている。抵抗25、26はその抵抗値が例えば100kΩ程度の高抵抗に設定されている。電圧バッファ35は、これらの直列抵抗25、26に所定のバイアス電圧V0(例えば0.25×VB)を印加する。抵抗25、26の分圧電圧は、2つのコンパレータ33の反転入力端子に印加されている。コンパレータ33、34は、この抵抗25、26の分圧電圧をそれぞれ閾値電圧Vt1(例えば0.1785×VB)、Vt2(例えば0.0965×VB)と比較する。
閾値電圧Vt1はVt2よりも高く設定されている。コンパレータ33はこの比較結果を2つのANDゲート31、32に出力し、コンパレータ34は比較結果を2つのANDゲート31、32に出力する。ANDゲート31は、グランドショート検出用に設けられており、コンパレータ33、34の2入力と、入力信号INとを入力して所定の論理積演算を行い、「L」を正常レベル、「H」を異常レベルとして出力する。ANDゲート32は断線検出用に設けられており、コンパレータ33、34の2入力と入力信号INとを入力して所定の論理積演算を行い、「L」を正常レベル、「H」を異常レベルとして出力する。ANDゲート31の出力はグランドショートの正常/異常レベル、ANDゲート32の出力はオープンの正常/異常レベル、とされており、これらのレベルがダイアグ情報DIAGとして例えばシリアル信号により出力される。
また、ローサイド出力端子11とグランド端子との間には、ローサイドスイッチ24を構成するMOSFET24のドレインソース間が接続されている。これにより、ローサイドスイッチ24は、ローサイド側電源線N2とローサイド出力端子11とを通電オン/オフ切替えする。ローサイドスイッチ24を構成するMOSFET24のゲートとローサイド出力端子11との間には、保護用のツェナーダイオード28が順方向接続されると共に、MOSFET24のゲートソース間には保護用のプルダウン抵抗27が接続されている。
またMOSFET24のゲートにはANDゲート30の出力が接続されている。ANDゲート30の入力には、ANDゲート29の出力が接続されており、このANDゲート29の入力には過熱検出部22が接続されている。また、ANDゲート29の入力には過電流検出部23の出力がタイマ38を通じて接続されている。過熱検出部22は、ローサイドドライバ6の温度を検出し、この温度が所定温度以下となっているときには正常であると判定して「H」レベルを出力し、所定温度を超えたときに異常であると判定して「L」レベルを出力する。
過電流検出部23は、MOSFET24のソース電流を検出し、この検出電流が所定値以下となっているときには正常であると判定し正常レベル「H」を出力し、所定値を超えたときに異常であると判定し異常レベル「L」を出力する。このため、ANDゲート29は、過熱検出部22及び過電流検出部23が共に正常であると判定すれば正常レベル「H」をANDゲート30に出力すると共に、NOTゲート39を通じて過熱又は過電流(例えば電源ショート)に関するダイアグ情報DIAGとして正常レベル「L」を出力する。これにより、ローサイド側の過電流保護回路は、過電流検出部23、タイマ38、ANDゲート29及び30を用いて構成される。
ANDゲート30は駆動マイコン4から駆動信号を入力信号INとして入力し、この入力信号INが「H」であり、且つ、過熱検出部22、過電流検出部23が共に正常レベル「H」を出力していれば、MOSFET24のゲートに「H」レベルを印加する。これにより、過熱異常、過電流異常を生じていなければ、ローサイドドライバ6は、入力信号INのH/Lに応じてローサイドスイッチ24をオン/オフする。
逆に、ANDゲート30は、過熱検出部22又は過電流検出部23の何れかが異常であると判定すれば「L」レベルを出力するため、NOTゲート39を通じてダイアグ情報DIAGとして異常レベル「H」を出力する。
このとき、ANDゲート30には「L」が入力されるため、ローサイドスイッチ24の制御端子(ゲート)には「L」レベルが与えられることになり、これによりローサイドスイッチ24はオフする。したがって、過熱検出部22又は過電流検出部23が異常を検出したときには、ローサイドスイッチ24をオフすることができ、これにより通常駆動を停止できる。
ここで、異常の種類とこの異常を生じた場合における各ノードの電圧状態について説明する。この車両用制御装置1は、前述した過熱状態、過電流状態と共に、電源ショート(VBショートとも表記:所謂、天絡異常)、グランドショート(GNDショートとも表記)、オープン、の各異常を検出できるように構成されている。
電源ショートは、ハイサイド出力端子10又はローサイド出力端子11が、電源電圧VBの供給ノードであるハイサイド側電源線N1に電源ショート異常したことを示す。
グランドショートは、ハイサイド出力端子10又はローサイド出力端子11がグランド電圧が印加されるローサイド側電源線N2にグランド短絡異常したことを示す。ここで、グランド電圧は前記の電源電圧VBの基準電圧として記述している。またオープンは、誘導性負荷12がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11と図示しないケーブルなどにより接続されていない開放異常を示す。
図4は、ハイサイドドライバ5がハイサイドスイッチ21をオフ駆動すると共にローサイドドライバ6がローサイドスイッチ24をオフ駆動したときの各部の電圧状態を示しており、さらに異常の種類に応じた各部の電圧状態を示している。図中における「H端子」は、ハイサイド出力端子10を示し、「L端子」はローサイド出力端子11を示す。
ハイサイドスイッチ21がオフしローサイドスイッチ24がオフしていると、正常時には、ハイサイド出力端子10にはプルアップ抵抗7を通じて電源電圧VBが印加されると共に、ローサイド出力端子11にも誘導性負荷12を通じて電源電圧VBが印加されるようになり、両端子電圧は共に電源電圧VBが標準電圧となる。このため、誘導性負荷12に電流は流れない。
また、電源ショート(VBショート:所謂天絡)を生じている時には、異常個所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11のいずれにも拘わらず両出力端子10、11ともに電源電圧VBが標準的に検出される。また、オープン異常を生じている時には、誘導性負荷12の接続が、出力端子10又は11から離れることになるため、異常個所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11の何れにも拘わらず、ハイサイド出力端子10において電源電圧VBが標準的に検出される。
また、電圧バッファ35が所定のバイアス電圧V0(=0.25×VB)をローサイド出力端子11に出力し続けているため、ローサイド出力端子11においてはこの電圧V0(=0.25×VB)が標準的に検出される。また、グランドショート(GNDショート:所謂、地絡)時には、異常個所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11のいずれにも拘わらず両出力端子10、11ともにグランド電圧が標準的に検出される。
図5はハイサイドドライバ5がハイサイドスイッチ21をオンすると共にローサイドドライバ6がローサイドスイッチ24をオンしたときの各部の電圧状態を示しており、さらに異常の種類に応じた各部の電圧状態を示している。
ハイサイドスイッチ21がオンしローサイドスイッチ24がオンすると、正常時には、ハイサイド出力端子10には電源電圧VBが印加されると共に、ローサイド出力端子11にはグランド電圧GNDが印加される。このため、電源電圧VBが誘導性負荷12に印加され、電流が誘導性負荷12に流れる。
また、電源ショート(VBショート:所謂、天絡)を生じている時には、異常個所がハイサイド出力端子10の場合には、ハイサイド出力端子10には電源電圧VBが標準的に検出され、ローサイド出力端子11にはグランド電圧GNDが標準的に検出される。また、異常箇所がローサイド出力端子11の場合には、ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の何れにも電源電圧VBが標準的に検出される。
また、オープン異常時には、異常箇所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11の何れにも拘わらず、ハイサイド出力端子10では電源電圧VBが標準的に検出され、ローサイド出力端子11ではグランド電圧GNDが標準的に検出される。また、グランドショート(GNDショート:所謂、地絡)を生じている時には、異常箇所がハイサイド出力端子10の場合には、ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の何れもグランド電圧GNDが標準的に検出される。
また、異常箇所がローサイド出力端子11の場合にはハイサイド出力端子10には電源電圧VBが標準的に検出され、ローサイド出力端子11にはグランド電圧GNDが標準的に検出される。なおこの図4、図5には実質的な標準値を示しており、実際には素子誤差や温度特性に応じた様々な要因に基づく電圧変動誤差を生じる。このため、実質的には、この電圧変動誤差を考慮した電圧範囲で検出されることになる。
車両用制御装置1の制御マイコン3が、駆動マイコン4、ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6を通じて誘導性負荷12に通電制御しないときには、ローサイドスイッチ24をオフすると共にハイサイドスイッチ21をオフする。また、車両用制御装置1の制御マイコン3が、誘導性負荷12に通電制御するときには、ローサイドスイッチ24をオンすると共にハイサイドスイッチ21をオンする。このため、これらの図4、図5に示す状態を検出することができ、正常時の電圧状態と異なる場合には、これらの電圧状態の差に基づいて異常の種類を判別できる。
図4に示すように、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオフとなっているときには、正常時の電圧状態と区別可能な電圧状態となるハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11のオープン異常、グランドショート異常の判別を行うことができる。また図5に示すように、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオンとなっているときには、正常時の電圧状態と区別可能な電圧状態となるハイサイド出力端子10のグランドショート異常、及び、ローサイド出力端子11の電源ショート異常の判別を行うことができる。
しかしながら、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24を共にオン、共にオフし、図4、図5に示す電圧状態を検出したとしても、ハイサイド出力端子10の電源ショート異常を判別することはできない。これは、正常時における電圧状態と区別不能であるためである。また本実施形態に例示したように、誘導性負荷12がスタータスイッチ13のリレー用のコイルであることを考慮すると、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオンする条件を長期間満たさない場合もある。
すなわちスタータスイッチ13は、ユーザによりイグニッションキーがスタート(START)位置にあるときにオンするスイッチであり、イグニッションキーはたとえオフ(OFF)からオン(ON)状態にされたとしても、スタート(START)状態にならず、オン(ON)からオフ(OFF)に切替えられる場合もある。このような場合、スタータスイッチ13に通電するハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオン状態になることはなく、特にローサイド出力端子11の電源ショート異常の判定が長期間行わなくなることが想定される。
このような場合、図6及び図7に示す処理により異常の判別を行うことが望ましく、以下、この処理の流れについて説明する。図8は、ハイサイドスイッチをオフすると共にローサイドスイッチをオンした場合の図4、図5に対応したテーブルを示している。また、図9、図10には、イグニッションキースイッチが一連の処理の途中でスタート(START)に一旦切替えられた場合のハイサイド端子電圧、ローサイド端子電圧、及び、ハイサイドドライバ5の出力ダイアグ情報DIAGの一部を示している。
図9、図10のタイミングt0に示すように、イグニッションキーがオフ(OFF)において、キースイッチ信号はオフ(OFF)となり、この場合、制御マイコン3、ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6等には電源電圧VBが供給されていない。
図6に示すように、イグニッションキーがユーザ操作されることにより、キースイッチ信号がステップS1においてオフ(OFF)からオン(ON)になると、電源回路2は、このキースイッチ信号のオフ(OFF)からオン(ON)への変化を受付ける。すると電源回路2は、電源電圧VBを出力開始し、ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6、制御マイコン3、駆動マイコン4に出力する。これにより、ステップS2において、制御マイコン3に電源入力される。
制御マイコン3等に電源投入されると、制御マイコン3は、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6を通じてハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24をオフ制御する。これによりハイサイドスイッチ21がオフすると共にローサイドスイッチ24がオフする。このとき制御マイコン3は、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6からダイアグ情報DIAGをシリアル通信により取得し、内部のメモリ(例えば、RAMのワークエリア)に記憶する。図9、図10のタイミングt1〜t2に示すように、ハイサイドドライバ5から出力されるダイアグ情報DIAGが変化するが、制御マイコン3はこのダイアグ情報DIAGを内部メモリに記憶する。
そして制御マイコン3は、キースイッチ信号がオン(ON)からスタート(START)に変化したことを検出すると、制御マイコン3は、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6を通じてハイサイドスイッチ21をオン制御すると共にローサイドスイッチ24をオン制御することで、誘導性負荷12となるスタータスイッチ13のリレーコイルに通電オンする。
これにより、ステップS6においてハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオンに変化する。制御マイコン3は、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24を共にオンしたことを内部のメモリ(例えばRAMのワークエリア)に記憶させ、そしてステップS8においてハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24を共にオンしたときのダイアグ情報DIAGを取得し内部メモリに記憶させる。
このとき、図9、図10のタイミングt2〜t3に示すように、ハイサイドドライバ5から出力されるダイアグ情報DIAGが変化するが、制御マイコン3はこのダイアグ情報DIAGを内部メモリに記憶する。
その後、制御マイコン3は、ステップS4及びS8において取得、記憶したダイアグ情報DIAGを内部メモリから読出し、ステップS9においてダイアグ情報DIAGに基づいて異常判定を行う。そして制御マイコン3は、ステップS9において異常ありと判定したことを条件として、ステップS10においてフェイルセーフ処理を行う。
<ステップS9の異常判別処理>
ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6が、図4に対応したハイサイド端子電圧、ローサイド端子電圧、及びその他のセンサ情報(例えばハイサイドドライバ5の内部電源電圧、ハイサイドスイッチ21の電流検出値、温度センサの検出値)等を検出し、この検出結果に基づいてそれぞれダイアグ情報DIAGとして制御マイコン3に送信することで、制御マイコン3は、前述説明したように、ステップS9において、正常時の電圧状態と区別可能なハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11のオープン異常、グランドショート異常の判別をすることができる。
また制御マイコン3は、ステップS5において一回でもYESと判定すると、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6は図5に示す電圧状態を検出し、この電圧状態及びその他のセンサ情報等を検出し、この検出結果に基づいてそれぞれダイアグ情報DIAGとして制御マイコン3に送信する。すると制御マイコン3は、前述説明したように、ステップS9において、正常時の電圧状態と区別可能なハイサイド出力端子10のグランドショート異常及びローサイド出力端子11の電源ショート異常の判別をすることができる。
その後、キースイッチ信号がオン(ON)からオフ(OFF)に変化するまで、制御マイコン3、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6は、一定期間毎にステップS5〜S9の処理を繰り返す。このとき制御マイコン3は、ステップS9において異常ありと判定した場合には、軽微な異常であればフェイルセーフ処理して再度ステップS11に処理を戻す。なお制御マイコン3は、このステップS9において誘導性負荷12の駆動制御に重要な異常を生じたと判定した場合、この図6及び図7に示す処理を抜けて別の処理ルーチンに移行し、ステップS9等における異常判定処理を再度実施しないようにすることもある。
そして、イグニッションキースイッチがオン(ON)からオフ(OFF)に操作されると、制御マイコン3は、キースイッチ信号のオン(ON)からオフ(OFF)の変化を受付ける。図9、図10ではタイミングt4参照。その後、制御マイコン3は、ステップS12において内部タイマの計数を開始する。この内部タイマは、後述のステップS24における所定時間を計数するために用いられる。
例えば、この車両用制御装置1をディーゼルエンジンに適用した場合、高圧燃料をインジェクタ(図示せず)から噴射することで自己着火する。このような場合、キースイッチ信号がオフ(OFF)し噴射を停止した後においても燃焼は継続する。そのためキースイッチ信号がオフ(OFF)した後においては、吸入スロットルを閉鎖することで空気の流入を停止しポンピングロスを増加させることで燃焼を停止しエンジンを停止させるための時間を要する。このような場合、前述の所定時間に達するまでの間にこの処理を終了させることになる。このため内部タイマを用いて所定時間を計数する。
また、制御マイコン3は、ステップS23において車両制御の学習処理や記憶すべき項目の記憶処理を以下の処理と並行して処理するように開始する。この車両制御の学習処理としては、例えば排気ガス還流システム(EGR(Exhaust Gas Recirculation))における排気ガスのEGRバルブの開度を狙い値に制御するための学習処理を示す。近年の車両制御の複雑化に伴い、各種制御の学習処理や車両制御の規制に応じた様々な記憶すべき項目が増加している。これに伴い制御マイコン3は、このステップS13において前述の所定時間内に終了するように、学習精度の向上のための学習処理、記憶すべき項目の記憶処理を開始する。
その後、制御マイコン3は、ステップS14においてステップS7で記憶されたか否かを判定する。すなわち制御マイコン3は、キースイッチ信号がオン(ON)からオフ(OFF)に変化する前に、オン(ON)からスタート(START)に変化しているか否かを判定し、この判定結果に応じてハイサイドスイッチ21、ローサイドスイッチ24のオン/オフ条件を変更し、ダイアグ情報DIAGを取得、記憶する。
このとき、例えばキースイッチ信号が事前にオン(ON)からスタート(START)に変化していたときには、ステップS7においてハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオンしたことが記憶されているため、制御マイコン3は、ステップS14においてYESと判定し、ハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24を共にオンすることなく、ステップS15においてハイサイドスイッチ21をオフすると共にローサイドスイッチ24をオンし、ステップS16においてダイアグ情報DIAGを取得、内部メモリに記憶する。図9、図10のタイミングt5〜t6参照。
また、キースイッチ信号が事前にオン(ON)からスタート(START)に変化していないときには、制御マイコン3は、ステップS14においてNOと判定し、ステップS17においてハイサイドスイッチ21をオフとすると共にローサイドスイッチ24をオンして、ステップS18においてダイアグ情報DIAGを取得、内部メモリに記憶する。そして、制御マイコン3は、ステップS19においてローサイドスイッチ24及びハイサイドスイッチ21を共にオンし、ステップS20においてダイアグ情報DIAGを取得、内部メモリに記憶させる。図9、図10には図示せず。
これにより、ステップS7においてハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24が共にオンされていなかったとしても、この時点で当該スイッチ21及び24を共にオンした状態でダイアグ情報DIAGを取得、記憶できる。そして制御マイコン3は、ステップS21において内部メモリに記憶されたダイアグ情報DIAGに基づいて異常判定を行い、ステップS21で異常があると判定されたことを条件としてステップS22においてフェイルセーフ処理を行う。
<ステップS21の異常判定処理の説明>
制御マイコン3、ハイサイドドライバ5及びローサイドドライバ6は、前述のステップS15、S17において、ハイサイドスイッチ21をオフすると共にローサイドスイッチ24をオンしている。図8に示すように、ハイサイドスイッチ21がオフすると共にローサイドスイッチ24がオンしているときには、正常時には、ローサイド出力端子11にはグランド電圧GNDが印加され、このグランド電圧GNDがハイサイド出力端子10にも印加される(図9のタイミングt5〜t6も参照)。
また、電源ショート(VBショート:所謂天絡)を生じている時には、異常箇所がハイサイド出力端子10の場合には、ハイサイド出力端子10には電源電圧VBが標準的に検出され、ローサイド出力端子11にはグランド電圧GNDが標準的に検出される。また、異常箇所がローサイド出力端子11の場合には、ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11のいずれにも電源電圧VBが標準的に検出される。
また、オープン異常を生じている時には、異常箇所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11の何れにも拘わらず、ハイサイド出力端子10では電源電圧VBが標準的に検出され、ローサイド出力端子11ではグランド電圧GNDが標準的に検出される。また、グランドショート異常(GNDショート:所謂地絡)を生じている時には、異常箇所がハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11の何れにも拘わらず、ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の何れにもグランド電圧GNDが標準的に検出される。
ハイサイドドライバ5、ローサイドドライバ6が図8に対応したハイサイド端子電圧、ローサイド端子電圧、及び、その他のセンサ情報を検出し、この検出結果に基づいてそれぞれダイアグ情報DIAGとして制御マイコン3に送信する。
制御マイコン3は、ハイサイド出力端子10のハイサイド端子電圧、及び、ローサイド出力端子11のローサイド端子電圧に基づくダイアグ情報DIAGを参照し、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオフとされている状態から、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオンとされたとき、すなわち、図6、図7のステップS1〜S5→S8〜S14→S17、S18に示す一連の処理が行われたときに、誘導性負荷12のハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電圧が電源電圧VBから共に変化しないときには、誘導性負荷12のローサイド出力端子11が電源ショート異常を生じたと判別する。
これは、図8に示すように、ローサイド出力端子11が電源ショート(VBショート)を生じた場合におけるハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電圧が共に電源電圧VBとなるためである。すなわち、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオフとされている場合、制御マイコン3が、ステップS9においてダイアグ情報DIAGからハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電圧を取得しても図4に示すように正常状態とローサイド出力端子11の電源ショート状態とは区別できない。しかし、図7のステップS17においてハイサイドスイッチ21がオフしローサイドスイッチ24がオンすることで、ハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電圧が電源電圧VBから共に変化しなかったときには、ローサイド出力端子11が電源ショート異常を生じたと判別できる。
また、制御マイコン3は、ハイサイド出力端子10のハイサイド端子電圧及びローサイド出力端子11のローサイド端子電圧に基づくダイアグ情報DIAGを参照し、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオフとされている状態から、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオンとされたとき、すなわち、図6、図7のステップS1〜S5→S8〜S14→S17、S18に示す一連の処理が行われたときに、誘導性負荷12のハイサイド出力端子10の電圧が電源電圧VBから変化することなく、ローサイド出力端子11の電圧が電源電圧VBからグランド電圧GNDに変化したときには、ハイサイド出力端子10が電源ショート異常を生じたと判別する。
これは、図8に示すように、ハイサイド出力端子10が電源ショート(VBショート)を生じた場合には、ハイサイド出力端子10の電圧が電源電圧VBであると共に、ローサイド出力端子11の電圧がグランド電圧GNDであるためである。
すなわち、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオフとされている場合、制御マイコン3が、ステップS9においてダイアグ情報DIAGからハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電圧を取得しても、図4に示すように正常状態とハイサイド出力端子10の電源ショート状態とが区別できない。しかし、図7のステップS17において、ハイサイドスイッチ21がオフ、ローサイドスイッチ24がオンしたときに、ハイサイド出力端子10の電圧が電源電圧VBから変化することなく、ローサイド出力端子11の電圧が電源電圧VBからグランド電圧GNDに変化したときには、ハイサイド出力端子10が電源ショート異常を生じたと判別できる。
図9のタイミングt5〜t6に示すように、正常状態においてダイアグ情報DIAGは正常レベル「L」となっているものの、ハイサイド側の電源ショート異常状態においてダイアグ情報DIAGは異常レベル「H」となっている。これ以前のタイミングt0〜t5の間では、正常状態とハイサイド側の電源ショート異常状態とは区別不能であったものの、このタイミングt5〜t6において明確に区別することができる。これにより、正常状態であるかハイサイド側の電源ショート異常であるかを判別できる。図10のタイミングt2〜t3、t5〜t6に示すように、ローサイド側の電源ショート異常であるか否かも判別できる。
すなわち、制御マイコン3は、イグニッションキースイッチがスタートに切替えられても切替えられなくても、ステップS21において正常時の電圧状態と区別可能なハイサイド出力端子10及びローサイド出力端子11の電源ショート異常を区別して判別できる。
また制御マイコン3は、これらの図4、図5、図8に示す電圧状態及びその変化を組み合わせて異常判別することで、前述した全ての異常を区別することができ、さらにハイサイド出力端子10、ローサイド出力端子11の何れに異常を生じているかを判別できる。
その後、制御マイコン3は、ステップS23において並行して行っている学習処理及び記憶すべき項目の記憶処理が完了したか否かを判定し、ステップS24において所定時間を経過したか否かを判定する。タイマが計数する所定時間は、前述の学習処理、記憶処理等を開始して完了するまでの期間よりも大幅に長い時間に設定されており、車両用制御装置1の内部回路(例えば、学習対象の駆動回路、記憶処理回路)が、何らかの影響で処理動作を停止し、学習処理、記憶処理等が完了しない場合を想定した長さに設定されている。このため、車両用制御装置1内の内部回路が何らかの影響で処理を停止した場合、制御マイコン3が、所定時間の経過を検出することによりステップS23の処理の完了を待ち続けることなく判定処理を抜ける。ステップS23、S24のうち何れかの条件が成立すると、図9、図10のタイミングt7において電源回路2が出力停止する。すると車両用制御装置1の制御マイコン3、駆動マイコン4等は処理を停止する。このようにして異常判別処理を行うことができる。
以上説明したように本実施形態によれば、制御マイコン3は、キースイッチ信号をオンからオフに受け付けてから電源をオフ制御する前にハイサイドスイッチ21及びローサイドスイッチ24のオン/オフ状態に応じたハイサイド出力端子10のハイサイド端子電圧及びローサイド出力端子11のローサイド端子電圧に基づくダイアグ情報DIAGを取得し、このダイアグ情報DIAGに基づいて異常の有無を判定するようにした。これにより、キースイッチ信号がオンからオフになった後、所定時間経過する前に、異常を容易に発見できるようになる。すなわち、ハイサイドスイッチ21、ローサイドスイッチ24が共にオン又は共にオフしている通常動作時に発見し難い異常を容易に発見できるようになり、車両制御の信頼性を極力向上できるようになる。またキースイッチ信号をオンからオフに受け付けてから電源オフするまでの時間を有意義に活用できる。
また、制御マイコン3は、ハイサイドスイッチ21をオフ、ローサイドスイッチ24をオフした条件のダイアグ情報DIAGを取得し、このダイアグ情報DIAGに基づいて異常の有無を判定しているため、実質的な車両制御への影響をなくした状態で異常の有無を判別できる。
また、制御マイコン3は、キースイッチ信号がオンからオフに遷移する前にダイアグ情報DIAGを取得して内部メモリ3aに記憶しておき、オフに遷移した後に内部メモリ3aに記憶されていないダイアグ情報DIAGを取得し、これらの取得したダイアグ情報DIAGに基づいて異常の有無を判定している。本実施形態によれば、通常動作時にハイサイドスイッチ21、24が共にオン、共にオフしているときには、ハイサイドスイッチ21をオフ、ローサイドスイッチ24をオンしてダイアグ情報DIAGを取得しこのダイアグ情報DIAGに基づいて異常の有無を判定している。また、たとえ通常動作時にハイサイドスイッチ21、24が共にオンしない状態が長期間続いたとしても、共にオンした条件のダイアグ情報DIAGを取得し、このダイアグ情報DIAGに基づいて異常の有無を判定している。これにより、異常の有無を信頼性良く発見できる。
ハイサイドスイッチ21がオフとされローサイドスイッチ24がオフとされた状態から、ハイサイドスイッチ21をオフとしたままローサイドスイッチ24をオンとされた条件を満たしたときに、誘導性負荷12のハイサイド端子電圧及びローサイド端子電圧が共に電源電圧VB又はその検出誤差範囲から変化しないときには、ローサイド出力端子11がハイサイド側電源線N1に電源ショート異常したと判別しているため、ローサイド出力端子11がハイサイド側電源線N1に電源ショートしたものであると判別できる。
また、ハイサイドスイッチ21がオフとされローサイドスイッチ24がオフとされた状態から、ハイサイドスイッチ21をオフとしたままローサイドスイッチ24をオンとされた条件を満たしたときに、誘導性負荷12のハイサイド端子電圧がハイサイド側電源線N1に印加される電源電圧VB又はその検出誤差範囲から変化することなく、誘導性負荷12のローサイド端子電圧がハイサイド側電源線N1に印加される電源電圧VBの側からローサイド側電源線N2に印加されるグランド電圧GNDの側へ変化したときには、ハイサイド出力端子10がハイサイド側電源線N1へ電源ショート異常したものであると判別する。これにより、ハイサイド出力端子10がハイサイド側電源線N1へ電源ショート異常したものであると判別できる。
制御ロジック14、電流検出器18を用いたハイサイド過電流保護回路を設けることで、ハイサイドスイッチ21の過電流保護を図っている。このためハイサイドスイッチ21の故障を防ぐことができる。
過電流検出部23、タイマ38、ANDゲート29、30を用いたローサイド過電流保護回路を設けることで、ローサイドスイッチ24の過電流保護を図っている。このためローサイドスイッチ24の故障を防ぐことができる。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
前述実施形態に示した図4、図5、図8には実質的に検出される標準値(電源電圧VB、グランド電圧GND)を示しており、実際には素子特性やその誤差や温度特性に応じた様々な要因に基づく電圧変動誤差を生じる。このため実質的には、この電圧変動誤差を加味した電圧範囲で検出されることになるため、この電圧範囲に応じて検出範囲を規定することが望ましい。
誘導性負荷12としては、スタータスイッチのリレー用のコイルを適用した形態を示しているが、これに限定されるものではなく、様々な種類の誘導性負荷を適用できる。
前述実施形態で説明した図1〜図3に示す回路構成は一例であり、この回路構成に限られるものではない。このため、ハイサイド側ノードとしては前述実施形態に示したようにハイサイド出力端子10のノードを適用しても良いが、その他、このハイサイド出力端子10に生じる電圧/電流に応じて変化する電圧/電流を出力するノードを適用することもできる。ローサイド側ノードについても前述実施形態に示したようにローサイド出力端子11のノードであっても良いが、その他、このローサイド出力端子11に生じる電圧/電流に応じて変化する電圧/電流を出力するノードを適用することもできる。
例えば、前述の各実施形態の構成は概念的なものであり、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、前述の実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、前述の2以上の実施形態の構成の一部又は全部を必要に応じて互いに組み合わせて付加しても置換しても良い。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として前述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。