JP2017214988A - ボールねじ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リードが大きくても、ナットの剛性を低下させることなく循環こまを用いた循環方式を適用することができるボールねじ装置を提供すること。【解決手段】ボールねじ装置1において、ボールを循環させるための循環構造は、ナット7の内径側部分に設けられた直線溝16の部分16aと、ナット7に装着された第1循環こま28aの内周面に形成され、直線溝16の部分16aの一端と軌道路の一端とを接続する循環用転動溝31aと、ナット7に装着された第2循環こま28bの内周面に形成され、直線溝16の部分16aの他端と軌道路の他端とを接続する循環用転動溝31bとからなる。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば重量物移動用装置や加工用機械、精密位置決め装置などの機械要素として用いられるボールねじ装置に関する。
回転運動を直線運動に変換する機構として、ボールねじ装置が知られている。図8は、従来のボールねじ装置の構成を示す断面図である。
ボールねじ装置101は、直線状のねじ軸102と、円筒状のナット103とを備えている。ねじ軸102の外周面には、螺旋状のボール転動溝104が形成されている。ナット103の内周面には、ねじ軸102のボール転動溝104と対向する螺旋状のボール転動溝105が形成されている。ナット103は、両ボール転動溝104、105によって形成されるボール軌道路に転動可能に介装された多数のボール106を介してねじ軸102の外周側に嵌合され、ねじ軸102を回動させることによりねじ軸102の軸方向に移動させることができるようになっている。
ナット103には循環こま装着孔107が複数設けられている。循環こま装着孔107は、ナット103を外周面からねじ孔の内周面まで径方向に貫通して形成されている。循環こま装着孔107のそれぞれには、ボール106を循環させるための循環部品である循環こま108が嵌め込まれている。循環こま108は、組み付け状態において内径側の面に、ボール106が転動する略S字の循環用転動溝108aを備えている。両ボール転動溝104、105によって形成されたボール軌道路に介装された多数のボール106は、循環こま108の掬い上げ部によってねじ軸102のランド部102aを乗り越えて循環こま108の循環用転動溝108aに案内され、該循環用転動溝108aを介して隣接する軌道路に戻される。つまり、循環こま108の循環用転動溝108aは、ボールを循環させるための循環路を構成している。ボールねじ装置101は、このように循環こま108を用いてボール106を循環させている。
ボールを循環させるための循環路を備えた循環部品をナットに具備しているタイプのボールねじ装置を、こま式ボールねじ装置、あるいは内部循環式ボールねじ装置という。特許文献1には、このような循環こまを用いてボールを循環させるようにしたこま式ボールねじ装置が開示されている。
特開2004−36789号公報
図9は、従来のボールねじ装置101においてリードを大きくした場合のナット103の断面図であり、図9(a)は循環こま208が組み付けられた状態を示し、図9(b)は循環こま208が組み付けられていない状態を示している。
図9(a)に示すように、ボールねじ装置101のリードが大きくなると、ナット103の内周面において隣り合うボール転動溝105間の距離が長くなる。そのため、従来のこま式ボールねじ装置101においては、隣のボール転動溝105までボール106を導くために、循環こま208は距離の長い循環用転動溝208aを備えたものとする必要がある。つまり循環こま208は、循環用転動溝208aすなわち循環路が延在する方向に長い寸法を有する形状とする必要がある。
そうすると、ナット103には、図9(b)に示すように、循環こま208の形状に適合する長い形状の循環こま装着孔207を設ける必要がある。循環こま装着孔207は、外周面から内周面までナット103を径方向に貫通して形成されているので、このような長い形状の循環こま装着孔207を設けると、ナット103の剛性が低下するとともにナット103の機械的強度が低下してしまう。さらに、ナット103の剛性が不均一になるため、ナット103に荷重が掛かった際、ナット103の不均一な変形を引き起こしてしまう。そのため、ボール106の負荷分布に不均一が生じてしまう。すなわち、ナット103の不均一な変形によって一部のボール106に過大な負荷が掛かってしまう。その結果、ボールねじ装置101の寿命が低下してしまう虞がある。また、剛性が不均一であるため、熱処理時の残留応力によってナット103に異常な変形や亀裂が生じ易くなってしまう。
これらの理由により、リードが大きいボールねじ装置においては、循環こまを用いた循環方式を適用することは困難であった。なお、本明細書においてリードが大きい場合とは、リードがねじ軸の直径の3/4以上の場合をいう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、リードが大きくても、ナットの剛性を低下させることなく循環こまを用いた循環方式を適用することができるボールねじ装置を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明に係るボールねじ装置は、直線状に延在し外周面に螺旋状の溝が形成されたねじ軸と、前記螺旋状の溝に対向する螺旋状の溝を内周面に有し、該螺旋状の溝と前記ねじ軸の螺旋状の溝とで形成された軌道路に転動可能に配置された複数のボールを介して前記ねじ軸に嵌合する円筒状のナットと、前記複数のボールを循環させるために、前記軌道路の一端と他端とを連結する循環構造とを備えたボールねじ装置において、前記循環構造は、前記ナットの内径側部分に設けられたボール転動路と、前記ナットに装着された第1の循環こまの内周面に形成され、前記ボール転動路の一端と前記軌道路の一端とを接続するボール転動溝と、前記ナットに装着された第2の循環こまの内周面に形成され、前記ボール転動路の他端と前記軌道路の他端とを接続するボール転動溝とからなることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記第1の循環こまは、前記ナットを外周面から内周面まで貫通して形成された第1の貫通孔に装着され、前記第2の循環こまは、前記ナットを外周面から内周面まで貫通して形成された第2の貫通孔に装着されていることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記第1の循環こまのボール転動溝と前記第2の循環こまのボール転動溝とは、円弧状に形成されていることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記ボール転動路は、軸方向に延在する溝であることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記ボール転動路は、軸方向に延在する孔であることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記軸方向に延在する溝の断面形状は、U字形状であることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記軸方向に延在する溝の断面形状は、半円よりも長い円弧形状であることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記第1の循環こまのボール転動溝および前記第2の循環こまのボール転動溝は、前記ボール転動路と接続する側の開口が、U字形状であることを特徴とする。
また、好適には、本発明に係るボールねじ装置は、前記第1の循環こまのボール転動溝および前記第2の循環こまのボール転動溝は、前記ボール転動路と接続する側の開口が、半円よりも長い円弧形状であることを特徴とする。
本発明によれば、リードが大きくても、ナットの剛性を低下させることなく循環こまを用いた循環方式を適用することができるボールねじ装置を提供することができる。
図1は第1実施形態に係るボールねじ装置の要部の外観図である。 図2は第1実施形態に係るボールねじ装置のナットの外観図であり、図2(a)は外径側から見た状態を示し、図2(b)は軸方向(図2(a)の紙面右方側)から見た状態を示している。 図3は図2(b)の3−3線における矢視断面図であり、図3(a)は循環こまが組み付けられている状態を示し、図3(b)は循環こまが組み付けられていない状態を示している。 図4(a)は組み付け状態における第1実施形態に係る循環こまの内周面を示す外観図であり、図4(b)は比較のために示す従来の循環こまの内周面を示す外観図である。 図5は第2実施形態に係るボールねじ装置のナットを軸方向から見た外観図である。 図6(a)は第2実施形態に係るボールねじ装置の部分拡大断面図であり、図6(b)は比較のために示す第1実施形態に係るボールねじ装置の部分拡大断面図である。 図7は第2実施形態に係る循環こまの外観図であり、図7(a)は循環こまの内周面を示し、図7(b)は循環用転動溝の一方側の開口の形状を示す拡大図であり、図7(c)は循環用転動溝の他方側の開口の形状を示す拡大図である。 図8は従来のボールねじ装置の構成を示す断面図である。 図9は従来のボールねじ装置においてリードを大きく形成した場合のナットの断面図であり、図9(a)は循環こまが組み付けられた状態を示し、図9(b)は循環こまが組み付けてられていない状態を示している。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るボールねじ装置について図面を参照しつつ説明する。
まず、本明細書中におけるボールねじ装置の構成部材に係る方向について定義する。本明細書中においては、ボールねじ装置の構成部材に係る方向は、特に明記しない限り、ねじ軸およびナットに関する軸方向、径方向、周方向と同様とする。
図1は第1実施形態に係るボールねじ装置の要部の外観図である。
図2は第1実施形態に係るボールねじ装置のナットの外観図であり、図2(a)は外径側から見た状態を示し、図2(b)は軸方向(図2(a)の紙面右方側)から見た状態を
示している。
図3は図2(b)の3−3線における矢視断面図であり、図3(a)は循環こまが組み付けられている状態を示し、図3(b)は循環こまが組み付けられていない状態を示している。
本実施形態に係るボールねじ装置1は、直線状のねじ軸4と、転動体である鋼製のボール(図示省略)を介してねじ軸4に嵌合している円筒状のナット7とを備えている。ねじ軸4の外周面には、螺旋状のボール転動溝10が形成されている。ナット7の内周面には、ねじ軸4のボール転動溝10と径方向に対向する螺旋状のボール転動溝13が形成されている。対向する両ボール転動溝10、13によって、螺旋状のボール軌道路が形成されている。ナット7は、螺旋状のボール軌道路に転動可能に介装された多数のボールを介してねじ軸4の外周側に嵌合され、ねじ軸4を回動させることによりねじ軸4の軸方向に移動させることができるようになっている。なお、ボールねじ装置1のボールについては、従来のボールねじ装置に用いられるものと同様の構成であるので、本実施形態においては、図示および構成の詳細な説明は省略する。
図3(a)、図3(b)に示すように、ナット7のねじ孔の内周面に形成された螺旋状のボール転動溝13は、隣り合うボール転動溝13、13間の間隔が大きく形成されている。すなわち本実施形態に係るボールねじ装置1はリードが大きく形成されている。具体的には、本実施形態に係るボールねじ装置1のリードは、ねじ軸4の直径よりも小さいが、ねじ軸4の直径の3/4以上となっている。本実施形態においては、ボール転動溝13は1条が形成され、ナット7の軸方向一方端から、ナット7の内周面を約2.5回旋回するとナット7の他方端に至るように形成されている。
本実施形態に係るボールねじ装置1は、螺旋状の軌道路の所定の始点位置から所定の終点位置まで転動したボールを、ねじ軸4のランド部すなわちねじ軸のねじ山を乗り越えて、軌道路の元の所定の始点位置に戻すことによってボールを循環させている。軌道路の所定の始点位置から所定の終点位置までの長さは、軌道路が螺旋状にほぼ1回旋回する長さに対応している。次に、このようにボールを軌道路の元の位置に戻して循環させるための循環構造について説明する。
図2(b)、図3(a)、および図3(b)の各図に示すように、ナット7には、ねじ孔の内周面に、軸方向に延在する直線溝16が1つ形成されている。なお、以下の説明においては、図2(b)、図3(a)、および図3(b)の紙面右方側を軸方向一方側とし、紙面左方側を軸方向他方側とする。直線溝16はナット7を軸方向に貫通して形成されており、螺旋状のボール転動溝13と交差している。本実施形態においては、図3(b)に示すように、直線溝16とボール転動溝13とは、軸方向一方側から、第1交点19a、第2交点19bおよび第3交点19cの3箇所で交差している。第1交点19aから第2交点19bまでのボール転動溝13の長さ、および第2交点19bから第3交点19cまでのボール転動溝13の長さは、それぞれねじ孔の内周面を1回旋回する長さ、つまりボールねじ装置1の1リードに対応する長さとなっている。直線溝16の断面形状は、底部側の半円弧部22と、該半円弧部22の両端からねじ孔の内周面まで垂直に延在する一対の垂直部25、25とが組み合わされたU字形状に形成されている。一対の垂直部25、25に対応する部分の直線溝16の溝壁は平行である。
直線溝16は、底部の曲面の曲率半径が、ナット7とねじ軸4との間に介装されたボールの曲率半径よりも僅かに大きく形成され、一対の垂直部25、25に対応する部分の溝壁間の距離が、該ボールの直径よりも僅かに大きく形成されている。したがって直線溝16は、ボールが転動可能な形状に形成されている。
図3(a)に示すように、ナット7には、直線溝16に沿って、ボール転動溝13と直線溝16との各交点19a、19b、19cの近傍に、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって順に、第1循環こま28a、第2循環こま28b、第3循環こま28c、および第4循環こま28dが装着されている。これら4つの循環こま28a〜28dは同じ構成である。循環こま28a〜28dは、金属、樹脂、または焼結材の何れの材料で構成しても良い。
図4(a)は組み付け状態における第1循環こま28aの内周面を示す外観図である。なお、ここで第1循環こま28aの構成について説明するが、4つの循環こま28a〜28dは同じ構成であるので、他の循環こまの説明は省略する。
第1循環こま28aは、ナット7に組み付けた状態における内周面(以後、単に「第1の循環こま28aの内周面」という。他の循環こまについても同様とする。)は楕円形または角の丸い長方形に形成され、ボールの直径の寸法よりも大きな寸法の厚みを有している。第1循環こま28aの内周面は、長手方向すなわち長軸の寸法が短手方向すなわち短軸の寸法の1倍から2倍の大きさを有し、短軸の寸法(R)は、ボール37の直径(φd)の寸法よりも大きく形成されている。第1循環こま28aの内周面は、ナット7の内周面の曲率に応じた曲率で湾曲しており、組み付け状態においてナット7のねじ孔の内周面と適合する径方向位置に配置されている。
第1循環こま28aの内周面には、ボールが転動するための循環用転動溝31aが設けられている。循環用転動溝31aは、図3(a)に示すように、緩やかにカーブする、半円よりも短い円弧状に形成されている。循環用転動溝31aの両端は、第1循環こま28aの内周面の長軸を中心として同じ短手方向側の第1循環こま28aの部分に開口している。また、循環用転動溝31aは、断面の形状はU字状に形成されている。
第1循環こま28a、第2循環こま28b、第3循環こま28c、および第4循環こま28dは、それぞれ、図3(b)に示す、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって順にナット7に設けられた第1循環こま装着孔34a、第2循環こま装着孔34b、第3循環こま装着孔34c、および第4循環こま装着孔34dに装着されている。第1〜第4循環こま装着孔34a〜34dは、ナット7の外周面からねじ孔の内周面までナット7を径方向に貫通して設けられている。第1〜第4循環こま装着孔34a〜34dは、断面形状が第1〜第4循環こま28a〜28dの内周面の形状に適合する楕円形または角の丸い長方形に形成されている。
第1循環こま装着孔34aは、図3(b)に示すように、ボール転動溝13と直線溝16との第1交点19a近傍において、第1交点19aよりも軸方向他方側の位置で直線溝16を分断するとともに、第1交点19aよりも紙面下側の周方向位置でボール転動溝13を分断している。第1循環こま28aは、図3(a)に示すように、循環用転動溝31aの一方の開口が螺旋状の軌道路に接続し、他方の開口が直線軸16に接続するように第1循環こま装着孔34aに装着されている。循環用転動溝31aの一方の開口はU字形状に形成され、軌道路からボールを掬い上げることができる構造となっている。循環用転動溝31aの他方の開口は、直線溝16の断面形状に適合するU字形状に形成されている。
第2循環こま装着孔34bは、図3(b)に示すように、ボール転動溝13と直線溝16との第2交点19b近傍において、第2交点19bよりも軸方向一方側の位置で直線溝16を分断するとともに、第2交点19bよりも紙面上側の周方向位置でボール転動溝13を分断している。第2循環こま28bは、図3(a)に示すように、循環用転動溝31bの一方の開口が直線軸16に接続し、他方の開口が螺旋状の軌道路に接続するように第2循環こま装着孔34bに装着されている。循環用転動溝31bの一方の開口は、直線溝16の断面形状に適合するU字形状に形成されている。循環用転動溝31bの他方の開口
はU字状に形成され、軌道路からボールを掬い上げることができる構造となっている。
第3循環こま装着孔34cは、図3(b)に示すように、ボール転動溝13と直線溝16との第2交点19b近傍において、第2交点19bよりも軸方向他方側の位置で直線溝16を分断するとともに、第2交点19bよりも紙面下側の周方向位置でボール転動溝13を分断している。第3循環こま28cは、図3(a)に示すように、循環用転動溝31cの一方の開口が螺旋状の軌道路に接続し、他方の開口が直線軸16に接続するように第3循環こま装着孔34cに装着されている。循環用転動溝31cの一方の開口はU字形状に形成され、軌道路からボールを掬い上げることができる構造となっている。循環用転動溝31cの他方の開口は、直線溝16の断面形状に適合するU字形状に形成されている。
第4循環こま装着孔34dは、図3(b)に示すように、ボール転動溝13と直線溝16との第3交点19c近傍において、第3交点19cよりも軸方向一方側の位置で直線溝16を分断するとともに、第3交点19cよりも紙面上側の周方向位置でボール転動溝13を分断している。第4循環こま28dは、図3(a)に示すように、循環用転動溝31dの一方の開口が直線軸16に接続し、他方の開口が螺旋状の軌道路に接続するように第4循環こま装着孔34dに装着されている。循環用転動溝31dの一方の開口は、直線溝16の断面形状に適合するU字形状に形成されている。循環用転動溝31dの他方の開口はU字状に形成され、軌道路からボールを掬い上げることができる構造となっている。
次に、ボールねじ装置1におけるボールの無限循環回路について説明する。
第1循環こま28aと第2循環こま28bとは、これら第1循環こま28aと第2循環こま28bとの間の直線軸16の部分16aとともに、ボールを循環させるための循環構造を構成している。具体的には、第1循環こま28aの循環用転動溝31aは、一方の開口が螺旋状の軌道路に接続し、他方の開口が直線軸16の部分16aの一方端に接続している。第2循環こま28bの循環用転動溝31bは、一方の開口が直線軸16の部分16aの他方端に接続し、他方の開口が螺旋状の軌道路に接続している。したがって、第1循環こま28aの循環用転動溝31aと、第2循環こま28bの循環用転動溝31bと、第1循環こま28aと第2循環こま28bとの間の直線溝16の部分16aとが、ボールを循環させるための循環路を構成している。第1循環こま28aの循環用転動溝31aの一方の開口から第2循環こま28bの循環用転動溝31bの他方の開口までの軌道路の部分は、螺旋状にほぼ1旋回する長さである。
このように、第1循環こま28aの循環用転動溝31aと、第2循環こま28bの循環用転動溝31bと、第1循環こま28aと第2循環こま28bとの間の直線軸16の部分16aとによってボールを循環させるための循環路が構成され、該循環路と、第1循環こま28aと第2循環こま28bとの間の軌道路の部分とによって、ボールを無限に循環させるための無限循環回路が構成されている。
同様に、第3循環こま28cと第4循環こま28dとは、これら第3循環こま28cと第4循環こま28dとの間の直線軸16の部分16bとともに、ボールを循環させるための循環構造を構成している。具体的には、第3循環こま28cの循環用転動溝31cは、一方の開口が螺旋状の軌道路に接続し、他方の開口が直線軸16の部分16bの一方端に接続している。第4循環こま28dの循環用転動溝31dは、一方の開口が直線軸16の部分16bの他方端に接続し、他方の開口が螺旋状の軌道路に接続している。したがって、第3循環こま28cの循環用転動溝31cと、第4循環こま28dの循環用転動溝31dと、第3循環こま28cと第4循環こま28dとの間の直線溝16の部分16bとが、ボールを循環させるための循環路を構成している。第3循環こま28cの循環用転動溝31cの一方の開口から第4循環こま28dの循環用転動溝31dの他方の開口までの軌道路の部分は、螺旋状にほぼ1旋回する長さである。
このように、第3循環こま28cの循環用転動溝31cと、第4循環こま28dの循環用転動溝28dと、第3循環こま28cと第4循環こま28dとの間の直線軸16の部分16bとによってボールを循環させるための循環路が構成され、該循環路と、第3循環こま28cと第4循環こま28dとの間の軌道路の部分とによって、ボールを無限に循環させるための無限循環回路が構成されている。このように、本実施形態においては、隣り合う軌道路間の直線溝16の部分は、ボールを循環させるための循環路を構成するとともに、無限循環回路の部分を構成している。本実施形態においては、無限循環回路が2つ形成されている。
次に、無限循環回路を転動するボールの動きについて説明するが、2つの無限循環回路を転動するボールの動きはそれぞれ同様なので、第1循環こま28aと第2循環こま28bを用いた方の無限循環回路について説明し、他方の無限循環回路については説明を省略する。
図3(a)を参照して、ボール転動溝13すなわちねじ軸4(図1参照)を組み付けた状態における軌道路の、第2循環こま28bの循環用転動溝31bとの接続位置を軌道路の始点位置Sとし、ボールは始点位置Sから、ボール転動溝13すなわち軌道路を紙面上方に向かって転動する場合を想定する。
ねじ軸4の回動に伴い、始点位置Sから転動を開始したボールは、軌道路をほぼ1旋回転動し、第1循環こま28aの循環用転動溝31aと軌道路との接続位置に達する。軌道路の、第1循環こま28aの循環用転動溝31aとの接続位置を、軌道路の終点位置Eとする。軌道路の終点位置Eに達したボールは、第1循環こま28aのボール掬い上げ構造により軌道路から掬い上げられ、循環路へ案内される。つまりボールは、第1循環こま28aの循環用転動溝31aに案内される。第1循環こま28aの循環用転動溝31aを転動したボールは、第1循環こま28aの循環用転動溝31aから直線溝16の部分16aに入ってゆく。直線溝16の部分16aを転動したボールは、第2循環こま28bの循環用転動溝31bとの接続位置に達し、第2循環こま28bの循環用転動溝31bに入ってゆく。第2循環こま28bの循環用転動溝31bを転動したボールは、第2循環こま28bのボール掬い上げ構造によって軌道路に戻される。すなわちボールは軌道路の始点位置Sに戻される。ボールはこのように、循環路を介して無限循環回路を循環する。ねじ軸4が反対向きに回動すれば、ボールは上記とは逆の経路を辿って無限循環回路を循環する。
図4(b)は、図4(a)の第1実施形態に係る循環こま28aとの比較のために示す、従来の循環こまの内周面を示す外観図であり、本実施形態のボールねじ装置1のリードに適合するように構成した場合を示している。
本実施形態のようにリードが大きいボールねじ装置1においては、従来と同様に循環こまにボールを循環させるための循環路を構成しようとすると、図4(b)に示すように、循環こまの内周面に、循環路として長いS字状の循環用転動溝31eを設ける必要がある。そうすると、発明が解決しようとする課題の欄で述べたように、ナット7に大きな装着孔を設ける必要がある。
しかし、本実施形態によれば、ナット7に設けた直線溝16を、ボールを循環させるための循環路の一部としているため、各循環こま28a〜28dは、軌道路と直線溝16とを接続する長さの循環用転動溝31a〜31dを有していればよい。したがって1つの循環こまに形成する循環用転動溝の長さを短くできるので、循環こま自体を小さく構成することができる。本実施形態においては、各循環こま28a〜28dの長軸は図4(b)に示す従来のものと比較して約半分の大きさとなっている。また、本実施形態の各循環こま28a〜28dは、従来の循環こまの循環用転動溝31eのS字状の曲がり部に対応する
部分の循環用転動溝31a〜31dを有しており、このような循環用転動溝31a〜31dを形成できる内周面の大きさとしたため、内周面の大きさも必要最小限の大きさとなっている。したがって、本実施形態における2つの循環こまの内周面の合計面積は、従来の循環こま1つの内周面の面積よりも小さくなっている。その結果、ナット7に設ける循環こま装着孔の断面の総面積は、従来よりも小さくすることができる。また、本実施形態は小さな装着孔が分散して設けられている。したがって、本実施形態によれば、ナット7の剛性を低下させることがない。
以上より、本実施形態によれば、リードが大きいボールねじ装置1であってもナット7の剛性を低下させることなく、循環こま28a〜28dを用いた循環方式を用いることができる。循環こまを用いた循環方式はナットの外径寸法が小さい小型のボールねじ装置に適しているが、本実施形態によれば、ナットの外径寸法が小さく、且つリードが大きいボールねじ装置であっても循環こまを用いた循環方式を用いることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を用い、図1〜4を参照して説明する。
第2実施形態に係るボールねじ装置100は、ナット7に形成された直線溝の形態および循環こまの形態が、第1実施形態とは異なっている。他の構成は第1実施形態と同様である。
図5は第2実施形態に係るボールねじ装置100のナット7を軸方向から見た外観図である。
図5に示すように、本実施形態においては、ナット7の内周面に形成された直線溝116の断面形状が、半円よりも長い円弧状に形成されている。具体的には、本実施形態においては、直線溝116の断面形状は、円の円周の約3/4の長さの円弧状に形成されている。直線溝116の直径は、ボールの直径より僅かに大きく形成されている。本実施形態においては、ボールを戻すための循環路の一部として、このような形態の直線溝116が形成されている。
図6(a)は第2実施形態に係るボールねじ装置100の部分拡大断面図であり、図6(b)は比較のために示す第1実施形態に係るボールねじ装置1の部分拡大断面図である。
図6(b)に示すように、第1実施形態に係るボールねじ装置1においては、直線溝16の断面形状はU字形状なので、ボールねじ装置1の設置状態あるいは作動状態によっては、直線溝16を転動するボール37が回動しているねじ軸4に接触してしまうことが考えられる。直線溝16を転動するボール37が、例えば図6(b)中の矢印Aの方向に回動しているねじ軸4に接触すると、ボール37はねじ軸4から図6(b)中の矢印Bの方向の回転力を受けるため、直線溝16をスムーズに転動できなくなる虞がある。
そこで、本実施形態においては、直線溝116の断面形状を、図6(a)に示すように、半円よりも長い、円の円周の約3/4の長さの円弧状とした。直線溝116の断面形状をこのような形状にすることにより、直線溝116を転動するボール37は、直線溝116の縁部116aに接触することよってナット7の内径側への移動を規制される。したがって、直線溝116を転動するボール37は、直線溝116からナット7の内径側へ大きくはみ出ることはない。つまり、図6(a)に示すように、直線溝116を転動するボール37が、ナット7の内径側で回動しているねじ軸4に接触することを防止できる。これにより、ボール37はよりスムーズに直線溝116を転動することができる。
図7は第2実施形態に係る第1循環こま128aの外観図であり、図7(a)は第1循環こま128aの内周面を示し、図7(b)は循環用転動溝131aの一方側の開口の形状を示す拡大図であり、図7(c)は循環用転動溝131aの他方側の開口の形状を示す拡大図である。なお、図7各図は、第1循環こま128aの外観を示しているが、他の第2〜第4循環こま(図示省略)の構成も同様である。
図7(a)に示すように、第1循環こま128aの循環用転動溝131aは、第1実施形態と同様に、緩やかにカーブする、半円よりも短い円弧状に形成されている。循環用転動溝131aの両端は、第1循環こま128aの内周面の長軸を中心として同じ短手方向側の第1循環こま128aの部分に開口している。循環用転動溝131aの両端の開口のうちの一方、すなわち直線溝116と接続する側の開口は、図7(b)に示すように、直線溝116の断面形状に適合する円弧状に形成されている。この構成により、ボール37は第1循環こま128aの循環用転動溝131aから直線溝116へ、あるいは直線溝116から第1循環こま128aの循環用転動溝131aへとスムーズに転動することができる。また、第1循環こま128aの底部128abと直線溝116の断面形状に適合する円弧状とはR形状で繋がれている。さらに、循環用転動溝131aの両端の開口のうちの他方、すなわち螺旋状の軌道路と接続する側の開口は、図7(a)に示すように、断面U字状に形成されている。この形状により、軌道路を転動してきたボール37を掬い上げることができる。一方の開口と他方の開口との間の循環用転動溝131aの部分の断面形状は、一方の開口から他方の開口に向かうに従い、一方の開口の形状である円弧状から他方の開口の形状であるU字状に遷移している。また、循環用転動溝131aの両端の開口は円弧であってもよい。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、ボールをよりスムーズに転動させることができる。
なお、本発明は上述した各実施形態によって限定されるものではなく、その範囲内において適宜変更を加えることが可能である。例えば、上記各実施形態では、ボールを循環させるための循環路の一部として直線溝をナットの内周面に設けたが、直線溝に代えて、ナットの内径側部分に軸方向にナットを貫通する孔を設けても良い。このような構成としても、第1実施形態の効果を発揮するとともに、ボールをよりスムーズに転動させることができる。
1、100 ボールねじ装置
4、ねじ軸
7 ナット
10 (ねじ軸の)ボール転動溝
13 (ナットの)ボール転動溝
16、116 直線溝
16a、16b 直線溝の部分
19a 第1交点
19b 第2交点
19c 第3交点
22 半円弧部
25 垂直部
28a、128a 第1循環こま
28b 第2循環こま
28c 第3循環こま
28d 第4循環こま
31a〜31e 循環用転動溝
34a 第1循環こま装着孔
34b 第2循環こま装着孔
34c 第3循環こま装着孔
34d 第4循環こま装着孔












Claims (9)

  1. 直線状に延在し外周面に螺旋状の溝が形成されたねじ軸と、
    前記螺旋状の溝に対向する螺旋状の溝を内周面に有し、該螺旋状の溝と前記ねじ軸の螺旋状の溝とで形成された軌道路に転動可能に配置された複数のボールを介して前記ねじ軸に嵌合する円筒状のナットと、
    前記複数のボールを循環させるために、前記軌道路の一端と他端とを連結する循環構造とを備えたボールねじ装置において、
    前記循環構造は、前記ナットの内径側部分に設けられたボール転動路と、前記ナットに装着された第1の循環こまの内周面に形成され、前記ボール転動路の一端と前記軌道路の一端とを接続するボール転動溝と、前記ナットに装着された第2の循環こまの内周面に形成され、前記ボール転動路の他端と前記軌道路の他端とを接続するボール転動溝とからなり、
    前記第1循環こまの内周面は、長手方向すなわち長軸の寸法が短手方向すなわち短軸の寸法の1倍から3倍の大きさを有し、
    前記短軸の寸法は、ボールの直径の寸法よりも大きく形成されていることを特徴とするボールねじ装置。
  2. 前記第1の循環こまは、前記ナットを外周面から内周面まで貫通して形成された第1の貫通孔に装着され、前記第2の循環こまは、前記ナットを外周面から内周面まで貫通して形成された第2の貫通孔に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじ装置。
  3. 前記第1の循環こまのボール転動溝と前記第2の循環こまのボール転動溝とは、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のボールねじ装置。
  4. 前記ボール転動路は、軸方向に延在する溝であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のボールねじ装置。
  5. 前記ボール転動路は、軸方向に延在する孔であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のボールねじ装置。
  6. 前記軸方向に延在する溝の断面形状は、U字形状であることを特徴とする請求項4に記載のボールねじ装置。
  7. 前記軸方向に延在する溝の断面形状は、半円よりも長い円弧形状であることを特徴とする請求項4に記載のボールねじ装置。
  8. 前記第1の循環こまのボール転動溝および前記第2の循環こまのボール転動溝は、前記ボール転動路と接続する側の開口が、U字形状であることを特徴とする請求項6に記載のボールねじ装置。
  9. 前記第1の循環こまのボール転動溝および前記第2の循環こまのボール転動溝は、前記ボール転動路と接続する側の開口が、半円よりも長い円弧形状であることを特徴とする請求項7に記載のボールねじ装置。
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