JP2017214041A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
車両運行における安全性及び稼働率の双方を考慮した車両制御を可能にする車両制御システムを提供する。
【解決手段】
車両制御システム1は、軌道100を走行する車両10に設置されて軌道100の所定地点(区間X1)における障害物の有無を検知する監視動作を行う車載センサ102と、車両10以外の所定の場所に設置されて所定地点(区間X1)における障害物の有無を検知する監視動作を行う地上センサ30と、地上センサ30による監視動作の監視結果を収集して記憶する監視情報サーバ20と、それぞれのセンサによる監視結果に基づいて車両10の目標速度を決定する速度決定部103と、速度決定部103によって決定された目標速度に基づいて車両10の走行速度を制御する車両制御装置104と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御システムに関し、軌道上を走行する車両を制御する車両制御システムに適用して好適なものである。
従来、軌道上の障害物を検知するセンサを設け、センサが障害物を検知した場合には警報等を通報することによって、軌道上を走行する車両の安全性を確保しようとする通報システムが知られている。
例えば特許文献1には、緊急時に運転士とともに乗客にも緊急情報を提供する列車自動通報システムが開示されている。特許文献1の列車自動通報システムは、軌道内または起動沿いに設けられた監視カメラによって撮影された映像に基づいて障害物検知装置が障害物を検知し、障害物検知装置から検知結果を受信した緊急情報自動通報装置が緊急度をランク分けし、ランクに応じた緊急情報を運転士及び乗客に通報するように構成されている。
また特許文献2では、特許文献1の列車自動通報システムには「地上に敷設されたセンサが故障した場合の安全性および運行稼働率の向上について考慮されていない」という課題があるとして、当該課題を解決し、地上に敷設されたセンサが故障した場合に従来よりも列車の安全性および運行稼働率を向上させ得る車両制御システムが開示されている。
特開2009−202635号公報 特開2016−046998号公報
しかし、特許文献2に開示された車両制御システムでは、軌道上のある地点で、地上に敷設されたセンサと車両に搭載されたセンサのどちらもが故障などの理由によって障害物を検知できなくなった場合などに、車両運行の安全性を優先すると、実際には障害物が存在しない場合であっても車両を停止させる事態が生じるため、車両運行の稼働率が著しく低下してしまうおそれがあった。また、逆に車両運行の稼働率を優先すると、障害物の有無が不明であることから車両運行の安全性が低下するおそれがあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、軌道上の障害物の有無を十分に検知できなくなった場合でも、車両運行における安全性及び稼働率の双方を考慮した車両制御を可能にする車両制御システムを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため、本発明においては、第1の軌道を走行する第1の車両の運行を制御する車両制御システムが提供される。この車両制御システムは、第1の車両に設置されて第1の軌道の所定地点が検知範囲内に収まったときに当該所定地点における障害物の有無を検知する監視動作を実行可能な第1のセンサと、第1の車両以外の所定の場所に設置されて所定のタイミングで所定地点における障害物の有無を検知する監視動作を実行可能な1以上の第2のセンサと、第2のセンサによる監視動作の監視結果を収集して記憶する監視結果収集部と、監視結果収集部に記憶された監視結果または第1のセンサによる監視動作の監視結果に基づいて第1の車両の目標速度を決定する速度決定部と、速度決定部によって決定された目標速度に基づいて第1の車両の走行速度を制御する速度制御部と、を備え、さらに速度決定部は、第1または第2のセンサによる監視動作が最後に行われてからの経過時間と第1または第2のセンサによる監視動作による障害物の有無の検知結果とに基づいて、複数段階に規定されたリスクレートのうちから所定地点において障害物が存在することの危険度合いを評価して1のリスクレートを決定するリスク評価部と、リスク評価部によって決定されたリスクレートに応じて、速度制御部に指令する目標速度を決定する速度指令演算部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、車両運行における安全性及び稼働率の双方を考慮した車両制御を可能にする車両制御システムを提供できる。
第1の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。 図1に示した車両制御システムの主要な機能構成例を示すブロック図である。 リスクレートの決定に関する処理例を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図(その1)である。 第1の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図(その2)である。 第2の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図である。 第3の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。
以下図面について、本発明の実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)車両制御システム1の構成
図1は、第1の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。第1の実施の形態に係る車両制御システム1では、図1に示すように、車両10が軌道100上を予め決まった運転計画に従って走行することで輸送を実現する鉄道輸送システムへの適用を想定して説明する。
まず、図1を参照しながら、車両制御システム1の各構成について説明する。
図1に示す車両10は、軌道100上を走行する車両である。図1の場合、車両10は左から右の方向を進行方向として、軌道100の区間X1に進入しようとしている。車両10は、外部との通信を行う通信部101、所定の範囲内で障害物の有無を検知することができる車載センサ102、車両10の目標速度(詳細は後述する)を決定するための速度決定部103、及び目標速度に基づいて車両10の走行速度を制御する車両制御装置104を備えている。なお、区間X1は、本実施の形態において障害物の有無を検知する対象となる「所定地点(所定範囲)」の一例である。
通信部101は、無線通信によって車両10の外部(図1の場合は監視情報サーバ20の通信部201)との間でデータや信号を通信可能であり、一般的な無線通信の通信インタフェースによって実現することができる。
車載センサ102は、所定の監視範囲における障害物の有無を検知(または監視)可能なセンサであって、一般的な障害物センサを利用することができる。より具体的には、図1に示す車載センサ102は、軌道100上を走行する車両10が区間X1に接近して区間X1が監視範囲に収まったときに、区間X1における障害物の有無を検知する。車載センサ102による検知の結果は監視結果として速度決定部103に入力される。
なお、車載センサ102から速度決定部103に向けて有用な監視結果を出力可能なタイミングは、車両10が区間X1に十分に近づいて区間X1を車載センサ102の検知距離に収め、区間X1における障害物の有無の監視動作が実行できたとき以降である。したがって、それ以前のタイミングで車載センサ102から速度決定部103に監視結果が送られたとしても、当該監視結果の内容は障害物の有無も監視時刻も「未決」とされる。
速度決定部103は、車両制御システム1が備える各センサ(車載センサ102,地上センサ30)による所定地点(例えば区間X1)における障害物の検知結果(監視情報,監視結果)を収集し、当該収集した情報に基づいて、車両10が当該所定地点を走行する際の目標速度を決定することができる。また、速度決定部103は、監視情報サーバ20に対して、監視情報サーバ20に蓄積された監視情報を提供するように要求する機能も有している(監視情報要求)。このような速度決定部103は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を備えて構成される計算機装置によって実現することができる。速度決定部103の特徴的な機能構成の詳細は、図2を参照しながら後述する。
車両制御装置104は、車両10の走行速度を制御する制御装置であって、例えば一般的に鉄道車両等で用いられている車両制御装置を利用することができる。車両制御装置104は、車両10の走行速度を任意の速度に変更したり、車両10の走行速度の上限速度を設定したり、走行中の車両10を停止させたりすることができるが、特に本実施の形態では、速度決定部103で決定された目標速度が速度指令として入力された場合に、速度指令で指示された目標速度を超えないように車両10の走行速度を制御(主に減速制御)する。
図1に示す監視情報サーバ20は、車両制御システム1の管理者等が保有するコンピュータであって、外部との通信を行う通信部201、監視情報サーバ20における全般的な制御を司る監視情報管理部202、及び監視情報管理部202の制御によって生成される監視情報を記憶する監視情報記憶部203を備えている。監視情報サーバ20は、例えば車両管制室や軌道100が通過する駅舎等に設置される。監視情報管理部202による制御の詳細は後述するが、簡単にまとめると、監視情報サーバ20は、地上センサ30からの監視結果を受信し、受信した監視結果に基づく監視情報を生成して記憶するとともに、車両10からの監視情報の提供要求(監視情報要求)に応じて車両10に監視情報を送信する機能を有する。
通信部201は、無線通信や有線通信等によって監視情報サーバ20の外部(図1の場合は車両10の通信部101や地上センサ30)との間でデータや信号を通信可能であり、一般的な通信インタフェースによって実現することができる。
監視情報管理部202は、通信部201を介して軌道100上の障害物の有無を監視するセンサ(図1の場合は地上センサ30)からの監視結果を受け取り、監視情報として監視情報記憶部203に記憶・蓄積させるとともに、通信部201を介して車両10から監視情報要求を受け取った場合には、監視情報記憶部203に記憶されている監視情報を通信部201を介して車両10に送信する。監視情報記憶部203に記憶される監視情報には、障害物の有無を示す情報の他、監視を行った監視時刻を示す情報が含まれる(後述の図3の監視情報サーバ20内を参照)。
なお、監視情報サーバから車両10に送信される監視情報は、監視情報記憶部203に記憶されている全ての監視情報である必要はなく、例えば区間X1に関する監視情報のみを送信するようにしてもよい。このように必要な監視情報だけを送信することによって、車両10の速度決定部103が目標速度を決定する処理に要する時間を短縮する効果が期待できる。
また、さらなる処理負荷の軽減の観点から、監視情報サーバ20は、以前の監視情報要求の際に車両10に送信した監視情報がある場合には、当該監視情報を再送することはせず、監視情報記憶部203に記憶されている監視情報のうち未処理(未送信)の監視情報だけを車両10に送信するようにしてもよい。またさらに、監視情報サーバ20は、複数のセンサからの監視結果を監視情報として記憶するような構成(不図示であるが、地上センサ30が複数設置されるような構成の場合が想定される)において、未処理(未送信)の監視情報が複数のセンサで存在する場合には、監視した時刻が新しい方の監視結果だけを使って監視情報を送信するようにしてもよい。
監視情報サーバから車両10に送信される監視情報に関する上記のバリエーションは、本発明の他の実施の形態(第2,第3の実施の形態)にも適用することができる。
監視情報記憶部203は、監視情報管理部202の制御に従って監視情報を記憶する記憶媒体である。監視情報記憶部203は、新たに監視情報の記憶が指示された場合、当該監視情報を過去に記憶した監視情報に追加する態様で監視情報を更新する。監視情報記憶部203に記憶される監視情報については、後述の図3の監視情報サーバ20内にその一例が示されている。
図1に示す地上センサ30は、軌道100の所定地点(所定範囲と考えてもよく、例えば区間X1)の障害物の有無を検知できる場所に配置される固定センサであって、当該所定地点における障害物の有無を継続的に検知(または常時検知)する監視動作を行い、その監視動作の結果を監視結果として監視情報サーバ20に出力(送信)する機能を有する。地上センサ30から監視情報サーバ20に出力される監視情報には、障害物の有無を示す検知結果の他、当該検知を行った監視時刻が含まれる。
なお、地上センサ30による監視結果の出力は、例えば、区間X1における障害物の有無を常時検知する監視動作を行い、複数回の監視動作の結果をまとめて定期的に監視結果として監視情報サーバ20に出力するものであってもよいし、また例えば、定期的に区間X1における障害物の有無を検知する監視動作を行い、当該監視動作のたびに監視結果を監視情報サーバ20に出力するものであってもよい。
以上が車両制御システム1の各構成についての説明であるが、本実施の形態において、各センサ(地上センサ30,車載センサ102)がそれぞれ監視する障害物の種類は特に制限されない。具体的に監視対象となり得る障害物としては、例えば、落石や土砂崩れ、または踏切への侵入物などが挙げられるが、これらの障害物は、監視対象の地点(区間X1)における環境的特徴によって障害物となる発生頻度が異なるものである。したがって、車両制御システム1の各センサは、監視対象の地点(区間X1)の環境的特徴に応じて最も懸念される障害物の有無を検知するために適した検知ロジックを備えるようにすることが好ましい。
また、車両制御システム1では、各センサが異なる検知ロジックや検知機構を有することによって、主な検知対象とする障害物の種類を分散させるようにしてもよい。例えば、視野角の広い光学式センサを用いるようにすれば、区間X1だけでなく他の地点までも監視対象とすることができる。また、地上に固定される地上センサ30とは違い、車両10に設置される車載センサ102の場合、車載センサ102で区間X1に障害物が有ることを検知した場合に、車両10と障害物までに十分な距離が確保され、その距離を使って障害物の手前までに車両10を十分に減速できることが求められることから、車載センサ102が有する検知範囲(検知距離)の性能は、上記した「十分な距離」を確保可能な程度に長いことが好ましい。このようにセンサによって主な検知対象を分散させると、監視対象の地点(区間X1)における多様な危険状況を検知することに期待できる。このようなバリエーションは、後述する他の実施の形態にも同様に適用可能である。
(1−2)機能構成
次に、車両制御システム1の主要部における機能構成について図2を参照しながら説明する。図2は、図1に示した車両制御システムの主要な機能構成例を示すブロック図である。図2では、図1に示した車両制御システム1において入出力される情報が記載されており、特に速度決定部103の詳細な構成が追記されている。
図2に示すように、速度決定部103は、車両10の位置情報を取得する位置検出部105、監視情報サーバ20に監視情報の提示を要求する監視情報要求部106、所定地点(例えば区間X1)に関する車両10のリスクレートを決定するリスク評価部107、及びリスクレートに基づいて車両10の目標速度(速度指令値)を決定する速度指令演算部108を備えている。以下に各部の特徴を説明する。
位置検出部105は、車両10の位置を検出する機能を有し、当該検出によって得られる位置情報を監視情報要求部106に出力する。具体的には、位置検出部105は、例えば鉄道車両が一般的に備えるような、車輪の回転数を計数して基準位置(駅や駅間の軌道上に設置されたビーコンの位置など)からの相対位置を算出することによって車両10の相対位置を検出(算出)するようにしてもよいし、GPS(Global Positioning System)のような衛星測位システムを用いて車両10の絶対位置を検出(算出)するようにしてもよい。
監視情報要求部106は、位置検出部105から車両10の位置情報を受け取り、例えば車両10が区間X1から所定の距離に接近した場合等に、通信部101を介して監視情報要求を監視情報サーバ20に通知するように指示する。監視情報サーバ20では、監視情報要求を受け取ると、監視情報管理部202が監視情報記憶部203に記憶している監視情報を車両10に送信し、当該送信された監視情報は通信部101を介してリスク評価部107に入力される。
リスク評価部107は、監視情報サーバ20からの監視情報及び車載センサ102からの監視結果を入力として、監視対象の所定地点(区間X1)に関する車両10のリスクレートを決定する。ここで、「区間X1に関する車両10のリスクレート」とは、区間X1に障害物があることによって車両10の通行が支障される危険性の度合いを示すものである。区間X1にリスクレートが高いほど、区間X1に障害物があって車両10の通行に支障を与える可能性が高い。リスクレートの決定の詳細は(3)で後述する。そして、リスク評価部107が決定したリスクレートは速度指令演算部108に出力される。
速度指令演算部108は、リスク評価部107で決定されたリスクレートに基づいて、当該リスクレートに対応する目標速度を決定する。ここで、目標速度とは、車両10に許容する走行速度の上限目標を意味し、具体的には例えば、後述の図3で速度指令演算部108内に示された速度指令値に相当する。そして、速度指令演算部108は、車両10の走行速度が目標速度を超えないようにするよう、車両制御装置104に速度指令を出力する。
このように、車両制御システム1では、速度決定部103が、監視対象の所定地点(区間X1)に対して行われた各センサ(地上センサ30,車載センサ102)の監視動作の結果(監視結果,監視情報)に基づいて、監視対象の所定地点において障害物が有る危険性をリスクレートとして決定し、当該リスクレートに応じた目標速度を決定して速度指令を出すことによって、区間X1に障害物があることによって通行が支障される危険度を鑑みながら車両10の走行速度を制御できるようになる。
(1−3)リスクレートと目標速度
図3は、リスクレートの決定に関する処理例を説明するための図である。前述したように、本実施の形態においてリスクレートとは、区間X1に障害物があって車両10の通行が支障される危険性の度合いを示すものである。以下では、図3を参照しながら、リスクレートの決定やその後の目標速度の決定等を行う処理の一例について説明する。
まず、図3に示すように、リスク評価部107は、監視情報サーバ20及び車載センサ102からそれぞれ監視情報及び監視結果を受け取り、受け取った監視情報及び監視結果に基づいて、障害物検知情報及び経過時間情報を生成する監視情報演算処理111を行う。
監視情報演算処理111では、監視情報に含まれる障害物有無のデータと監視結果に含まれる障害物有無のデータとを参照し、監視情報または監視結果の何れか一方にでも障害物が有ると示された場合には障害物「有」という障害物検知情報が得られ、監視情報及び監視結果の何れにも障害物が無いと示された場合には障害物「無」という障害物検知情報が得られる。この障害物検知情報を用いて、第1のリスクレート算出処理112が行われる。
また、監視情報演算処理111では、監視情報に含まれる監視時刻のデータと監視結果に含まれる監視時刻のデータとを参照し、両監視時刻のうちの新しい方の時刻と現在時刻との差分(すなわち、車両制御システム1におけるセンサ(地上センサ30,車載センサ102)が最後に監視動作を行ってからの「経過時間」)を計算することによって、経過時間情報が得られる。この経過時間情報を用いて、第2のリスクレート算出処理113が行われる。
なお、車載センサ102からの監視結果は、前述したように区間X1に対する監視動作が行われたときに定まるものであるから、例えば区間X1が車載センサ102の監視範囲内に入るまでは、監視結果は「未決」とされる。そして、このような「未決」の監視結果については、リスク評価部107による処理結果に寄与しない。すなわち、車載センサ102からの監視結果が「未決」のときは、障害物検知情報及び経過時間情報は監視情報サーバ20からの監視情報によってのみ決定される。
第1のリスクレート算出処理112では、障害物の有無に基づいて第1のリスクレートの算出が行われる。具体的には例えば、監視情報演算処理111を経て得られた障害物検知情報が障害物「有」であった場合には比較的高いリスクレート「S」を第1のリスクレートとして算出し、監視情報演算処理111を経て得られた障害物検知情報が障害物「無」であった場合にはリスクレート「S」よりも低いリスクレートであるリスクレート「L」を第1のリスクレートとして算出する。
一方、第2のリスクレート算出処理113では、経過時間に基づいて第2のリスクレートの算出が行われる。第2のリスクレート算出処理113では、監視情報演算処理111を経て得られた経過時間情報で示される経過時間が長いほど、高いリスクレートが第2のリスクレートとして算出される。具体的には例えば、経過時間情報の経過時間が1分以下の場合はリスクレート「L」を第2のリスクレートとし、経過時間情報の経過時間が1分より長く2分以下の場合はリスクレート「M」を第2のリスクレートとし、経過時間情報の経過時間が2分より長く3分以下の場合はリスクレート「H」を第2のリスクレートとし、経過時間情報の経過時間が3分より長い場合はリスクレート「S」を第2のリスクレートとする。
そして、第1のリスクレート算出処理112で算出された第1のリスクレートと第2のリスクレート算出処理113で算出された第2のリスクレートとに基づいてリスクレート決定処理114が行われることによって、最終的なリスクレートが決定される。具体的には、第1のリスクレート(図3の場合、SまたはL)と第2のリスクレート(図3の場合、S,H,M,Lの何れか)とのうち、「OR」の論理演算を行って何れか高いほうのリスクレートを選ぶことによって、入力されたリスクレートのうち危険度合いの高い方のリスクレートを最終的なリスクレートとして採用(決定)する。例えば、一方のリスクレートが「L」で他方のリスクレートが「M」である場合は、危険度合いの高いリスクレート「M」が採用される。
このようにリスクレート決定処理114では、障害物の有無に関する危険度がそれぞれのリスクレート(第1,第2のリスクレート)で算出されたうちから、OR論理演算によってより危険度合いの高いリスクレートを選択することにより、安全性を重視したリスクレートを決定することができる。
次いで、リスクレート決定処理114で得られたリスクレートは、リスク評価部107によって決定されたリスクレートとして速度指令演算部108に出力され、速度指令演算部108は、入力されたリスクレートに応じて目標速度(速度指令値)を決定する。
図3には、速度指令演算部108内に、リスクレートに応じた目標速度(速度指令値)の具体例がテーブルで示されている。このテーブルによれば、リスクレート決定処理114が行われると、リスクレートが「L」のときは「通過(最高時速40km)」、リスクレートが「M」のときは「強めブレーキ停止可能速度(最高時速30km)」、リスクレートが「H」のときは「弱めブレーキ停止可能速度(最高時速20km)」、リスクレートが「S」のときは「停止(時速0km)」が、それぞれ速度指令値(目標速度)として決定される。なお、速度指令値「停止」は、対象の所定地点(区間X1)の手前で車両10を停止させることを意味する。また、各リスクレートに対応付けられる具体的な目標速度の速度値は一例に過ぎず、車両10のブレーキ性能や軌道100が敷設されている路線で許容された最高走行速度等に応じて、適切な速度値が設定されることが好ましい。
そして、リスクレート決定処理114で決定された目標速度が速度指令として車両制御装置104に出力されることにより(図2参照)、車両制御装置104が当該目標速度を超えないように車両10の走行速度を制御する。
以上が、リスクレート及び目標速度の決定に関する詳細な説明である。上記説明では、リスクレートを低い方からL,H,M,Sの順に最大4段階で規定して説明したが、本実施の形態に係る車両制御システム1におけるリスクレートの規定はこれに限定されるものではない。
例えば監視対象の所定地点(例えば区間X1)において障害物が「有」か「無」かの2段階でリスクレートを規定するようにしてもよい。このような場合、3段階以上のリスクレートを規定する場合に比べて処理負荷が少ないという利点がある。
また例えば、3段階以上のリスクレートを規定する場合には、規定する段階数が多いほど処理は相対的に複雑になるが、例えば障害物が車両10の通行を支障する危険性に、その支障の確率や支障されたときの被害度などの尺度を盛り込むことができるため、それらの詳細な尺度を勘案したきめ細かいリスクレートの決定(リスクレーティング)が可能になるという利点がある。後の図3等ではリスクレートに応じて車両10の走行速度を制御する処理について説明するが、細分化されたリスクレートが用いられるほど、車両10の走行速度を詳細に制御することができ、輸送の安全性及び速達性をよく両立することに期待できる。
また、図3に示した目標速度(速度指令値)の具体例において、リスクレート「M」の「強めブレーキ停止可能速度」とリスクレート「H」の「弱めブレーキ停止可能速度」のように複数段階の停止可能速度を設けたのは、車両10の乗客の乗り心地や安全を考慮したためである。詳しく説明すると、リスクレート「M」が決定される状況よりもリスクレート「H」が決定される状況のほうが、車両10が監視対象の所定地点(区間X1)に差し掛かった際に障害物が発見される可能性が高い。実際に障害物が発見される(例えば車載センサ102によって障害物「有」が検知される)と、リスクレートは「S」に格上げされて、車両10に対する速度指令値は「停止(時速0km)」となる。このような場合、車載センサ102の検知距離の間を車両10が走行するまでの間に車両10の走行速度を時速0kmにまで減速させる必要が生じる(すなわち、検知距離より短い制動距離となるようにブレーキをかける必要が生じる)ことから、リスクレートが格上げされる前の速度指令値が高速であるほど急なブレーキが必要となり、乗客の乗り心地の低下や、転倒などによる安全性の低下につながるおそれがある。そこで、このような事象(将来の車両停止)への備えとして、車両停止の速度指令が出される可能性が比較的高い場合には、事前に車両10の走行速度を低め(すなわち、弱めブレーキ停止可能速度)に制御するようにしている。
(1−4)車両制御システム1の作動例
以上、本実施の形態に係る車両制御システム1の構成及びその特徴的な処理等について説明してきたが、以下ではこのような車両制御システム1による作動例を示し、その効果を説明する。
(1−4−1)作動例(その1)
図4は、第1の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図(その1)である。図4では、地上センサ30及び車載センサ102の監視動作が正常に機能している場合に、車両10が軌道100上を区間X1の方向に走行しているときの車両制御システム1においてどのような速度指令、リスクレート、経過時間、及び検知結果が示されるかを時間経過に沿って示している。
図4において、速度指令(0km/h,20km/h,30km/h,40km/h)は、速度指令演算部108から車両制御装置104に入力される速度指令を示しており、その具体的な値は図3に例示した速度指令値に対応している。また、図4のリスクレート(S,H,M,L)は、リスク評価部107から速度指令演算部108に入力されるリスクレートを示しており、その具体的な値は図3に例示したリスクレートの値に対応している。また、図4の経過時間(3分,2分,1分,0分)は、区間X1に対して最後に監視動作が行われてからの経過時間を示しており、その具体的な値は図3に例示した第2のリスクレートの基準となる経過時間に対応している。また、図4の障害物検知A,障害物検知Bは、それぞれ車載センサ102,地上センサ30による区間X1に対する障害物の有無の監視結果を示している。具体的には、「有」は障害物が検知されたことを意味し、「無」は障害物が検知されなかったことを意味し、「未」は障害物の検知が未だ行われていないことを意味する。なお、図4において障害物検知A,B上の点から経過時間に対して引かれた矢印は、当該「点」において障害物の有無を検知する監視動作が行われ、当該監視動作が行われたことによって経過時間が「0分」にリセットされることを示している。
このように、図4ではそれぞれの情報量(障害物検知、経過時間、リスクレート、速度指令)が連動して変化するさまが示されており、連動関係を示すために矢印が用いられている。実際には処理時間や伝送時間などが生じるため、これらの連動による情報量の変化は同時刻に発生するものではないが、説明の便宜上、連動する変化は同一の時刻で示されている。そして、上述した図4の表示方法は、後述する図5,図7でも同様であり、以後は重複する説明を省略する。
図4によれば、地上センサ30による障害物検知Bは、定期的に1分間隔で区間X1における障害物の有無を確認している。そして、障害物検知Bによる監視結果は、時刻t11の確認時まではすべて「無」となり、時刻t13の確認時に「有」となっている。
一方、車載センサ102による障害物検知Aによる障害物の有無の確認は、時刻t12で初めて行われており、それまでの間は区間X1が車載センサ102の監視範囲に入っていないために「未」(未決)として扱われる。そして、障害物検知Aによる監視結果は、時刻t12では「無」であるが、その次の確認タイミングである時刻t14では「有」となっている。
このような障害物検知の監視結果が得られる場合の車両制御システム1の動作について時系列で説明すると、まず時刻t11までは、障害物検知Bによる監視結果「無」に基づいて、経過時間が1分経過すると0分にリセットされる状況が繰り返され、このときリスクレートは最も危険度合いが低い「L」が決定されるので、速度指令における目標速度は40km/h(通過)となり、経過時間の増大を理由にリスクレートが格上げされることはない。その後、時刻t12では障害物検知Aによる監視結果も得られるが、このときの監視結果も「無」であることから、リスクレート及び目標速度に変更はない。
その後、時刻t13において、地上センサ30が区間X1に障害物が有ることを検知したことにより、障害物検知Bによる監視結果「有」が得られる。このとき、監視結果が得られたことによって経過時間は0分にリセットされる一方、障害物「有」という監視結果に基づいてリスクレートは最も危険度合いが高い「S」が決定され、速度指令における目標速度は0km/h(停止)となる。
なお、図4の場合、障害物検知Bの監視結果が得られた時刻t13からほどなくして、時刻t14のタイミングで車載センサ102による障害物検知Aでも障害物「有」の監視結果が得られるが、時刻t13の時点では、地上センサ30による障害物検知Bの監視結果だけが「有」となる。このように障害物検知の監視結果が異なるような場合であっても、車両制御システム1は、前述したOR論理演算によって危険度合いが高い方のリスクレートを決定するようにすることから、地上センサ30による監視結果に基づいていち早く車両10を停止させる速度指令を出して安全性を確保することができる。
(1−4−2)作動例(その2)
図5は、第1の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図(その2)である。図5では、故障などの理由で地上センサ30の監視動作が途中から正常に機能しなくなって車載センサ102の監視動作しか得られなくなった場合に、車両10が軌道100上を区間X1の方向に走行しているときの車両制御システム1においてどのような速度指令、リスクレート、経過時間、及び検知結果が示されるかを時間経過に沿って示している。
図5によれば、時刻t21までは、図4の時刻t11までの場合と同様に、障害物検知Bによる監視結果「無」だけが1分周期で得られており、障害物検知Aによる監視結果は「未」(未決)のままである。車載センサ102は、後の時刻t24のタイミングで初めて区間X1における障害物の有無を確認できるとし、時刻t24で初めて障害物検知Aによる監視結果が得られる。
このような状況で時刻t22に地上センサ30が故障したとすると、その後は障害物検知Bによる監視結果が得られなくなる。このとき、前述したように障害物検知Aによる監視結果も時刻t23までは得られないことから、時刻t21〜t24までの間、一切の監視結果が得られないことで、経過時間が増大していく。図5には、経過時間の増大とともに、リスクレートは「L」から「M」、「H」、「S」へと、高い危険度合いを示すものに格上げされる。そして、リスクレートの格上げに伴って、より低速な目標速度が速度指令で指示されるようになる。時刻t23では、ついに最高の危険度合いを示すリスクレート「S」が決定されたことに伴って、速度指令は目標速度を0km/h(停止)とする。
つまり、図5の時刻t23では、地上センサ30または車載センサ102によって区間X1において障害物が有ることが実際に検知されていなくても、最後に障害物の有無を確認してからの経過時間が増大したことに基づいて、車両10を停止するように制御する。このような車両制御は、区間X1における障害物の有無を確認できていない時間(経過時間)が増大した場合には当該区間X1に障害物が有るかもしれない危険性(リスク)が高まるという観点から予防的に車両10を減速又は停止させるものであり、このような車両制御を行うことによって、実際に区間X1に進入してしまう前に車両10の安全を確保することができる。
そして図5の場合、時刻t23において速度指令の目標速度が0km/h(停止)とされることで車両10は区間X1に到達する前に停止されることになるが、その後の時刻t24において車載センサ102による障害物検知Aによって障害物「無」の監視結果が得られることで、経過時間が0分にリセットされるとともに、最も低い危険度合いを示すリスクレート「L」が決定される。そしてリスクレート「L」が決定されたことによって、区間X1に障害物が有るかもしれないという危険な状況が回避されたと判断されることから、速度指令の目標速度は40km/h(通過)に戻され、車両10は区間X1を通過することができるようになる。
このように時刻t24における車両制御が行われることで、車両制御システム1は、区間X1における危険性の増大に基づいて車両10を一旦停止するように制御したとしても、その後にセンサによって区間X1に障害物が存在しないことが確認されると、作業員等による区間X1の現地確認を必要とすることなく、車両10に対する当該制御を解除して通常の走行制御に復帰させることができる。そして、このように作業員等による確認を必ずしも必要とすることなく車両10の停止から復帰までの車両制御が可能なことは、特に車両10が無人運転車両であるときに高い有効性を発揮する。
なお、図5の時刻t23で速度指令の目標速度が0km/h(停止)とされた後、時刻t24において障害物検知Aによって障害物「有」の監視結果が得られた場合には、車両10に対する停止の速度指令は解除されず、車両10は停止される。そして、作業員や運転士等によって障害物の除去が行われた後に、車両10の走行が再開されることとなる。
また、図4や図5の動作例では、車載センサ102による障害物検知Aの監視動作が行われるタイミングと、地上センサ30による障害物検知Bの監視動作が行われるタイミングとが異なるように示されている。車両制御システム1では、例えば地上センサ30による監視動作が1分間隔で毎分の「00秒」に行われるように予め設定されているとすると、車載センサ102による監視動作を「30秒」に行われるように設定することで、監視動作の実行タイミングのずれを実現することができる。このように複数のセンサによる障害物検知の監視動作の実行タイミングをずらすことにより、複数のセンサが正常に作動しているときには頻繁に監視動作が実行されることになるので、区間X1に障害物が有った場合に早期に発見することができる。また、監視動作の実行タイミングをずらすことで、監視動作が行われる間隔を短縮できるため、経過時間がリセットされる機会が増加し、区間X1で障害物が検知されないときにリスクレートが不必要に格上げされない(すなわち、リスクレートの格上げに伴う目標速度の減速によって不必要な速度制限が行われない)ようにする効果にも期待できる。このような監視動作のタイミングのずらしは、後述する第2,第3の実施の形態でも採用することができる。
(1−5)効果
以上、本実施の形態に係る車両制御システム1によれば、軌道100上を走行する車両10が同軌道上の所定地点(区間X1)に侵入した障害物によって安全な通行が支障されることに対して、車両10に搭載される車載センサ102及び区間X1を常時監視可能な地上センサ30によって区間X1における障害物の有無を監視した情報に基づいて、当該区間X1において障害物が有ることの危険度合い(リスクレート)を決定し、当該決定されたリスクレートに基づいて速度指令の目標速度を決めて車両10の走行速度を制御することにより、区間X1に侵入した障害物によって車両10の安全な通行が支障されることを抑制・防止することができる。
また、本実施の形態に係る車両制御システム1では、車両10の走行速度をどのような目標速度に制御すれば安全に区間X1を通行できるか(あるいは区間X1に到達する前に停止できるか)について、当該区間X1における障害物の有無が最後に監視されてからの経過時間に基づいて決定することができる。具体的には、経過時間が長いほど、新たに侵入する障害物によって支障されるリスクが高いという観点により、区間X1に障害物が有った場合には、乗客の安全を考慮しながら有人運転時に運転士(無人運転車両の場合は自動車両制御システム)が障害物の手前で車両を十分に減速することが容易になるよう、目標速度をより低速に設定して、車両の加減速を制御することができる。
また、本実施の形態に係る車両制御システム1では、上記リスクレートが高いときに単に車両10を停止させる制御を行うだけでは、所定地点(区間X1)に障害物が無かった場合に車両10の運行稼働率が低下してしまうことを鑑みて、複数段階の目標速度に対応する複数段階のリスクレートを用意してそのうちの1つのリスクレートに決定することによって、リスクレートが高いほど目標速度を低速に設定する一方で、リスクレートが比較的低い場合には目標速度の減速加減を弱めることができる。この結果、本実施の形態に係る車両制御システム1によれば、所定地点に障害物が有ることによって車両10の通行に支障が出ることに対して、車両10の安全性と運行稼働率とを両立させながら、予防的に対処した車両制御を実現することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)車両制御システム2の構成
図6は、第2の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。第2の実施の形態に係る車両制御システム2は、第1の実施の形態に係る車両制御システム1と比較した場合に、地上センサ30及び車両10の車載センサ102だけでなく、車両10の軌道100とは別の軌道200を走行する車両40に備えられた車載センサ402によっても、所定地点(区間X1)における障害物の有無の監視が行われることを特徴としている。そして図6にも示すように、車両制御システム2の構成は、車両40に関連する以外は第1の実施の形態に係る車両制御システム1とほぼ同様であり、簡略のためこれらの説明は省略する。
図6に示したように、車両40は、軌道200上を車両10と対抗する方向に走行する車両であって、車両10とは逆の方向から区間X1の方に接近してくる。軌道200と軌道100との関係は、鉄道輸送で一般的に実用化されている複線の設定と捉えることができる。
車両40は、外部との通信を行う通信部401、所定の範囲内で障害物の有無を検知することができる車載センサ402、及び車両40の位置を把握することができる位置特定部403を備えている。ここで、区間X1は、障害物の有無を検知する対象となる「所定地点(所定範囲)」の一具体例であって、第1の実施の形態における区間X1と同一のもとの考えて良い。
通信部401は、無線通信によって車両40の外部(図6の場合は監視情報サーバ20の通信部201)との間でデータや信号を通信可能であり、一般的な無線通信の通信インタフェースによって実現することができる。
車載センサ402は、車両10の車載センサ102と同様に、所定の監視範囲における障害物の有無を検知(または監視)可能なセンサであって、一般的な障害物センサを利用することができる。より具体的には、図6に示す車載センサ402は、軌道200上を走行する車両40が軌道100上の区間X1を監視範囲に収めたときに、区間X1における障害物の有無を検知する。
車載センサ402による検知の結果は、監視結果として監視情報サーバ20に送信される。この監視結果には、障害物の有無を示す検知結果と当該検知を行った監視時刻とが含まれる。なお、車載センサ402から監視情報サーバ20に監視結果が送信されるタイミングは、区間X1の監視結果が監視情報サーバ20に確実に伝えられるものであればよい。具体的には例えば、車両40が区間X1を通過するために要する時間よりも短い周期で周期的に監視結果を送信するようにしてもよいし、あるいは車両40が区間X1を通過するタイミングに合わせて監視結果を送信するようにしてもよい。このようなタイミングで監視結果を送信することによって、車載センサ402による区間X1に対する監視結果が監視情報サーバ20に確実に提供される。
また、車載センサ402の検知ロジックや検知機構は特定のものに限定されず、第1の実施の形態で車両制御システム1の各センサについて前述したのと同様に、区間X1の環境的特徴に配慮しながら、車両40が区間X1に接近したときに区間X1における障害物の有無を検知することに適したものであればよい。特に、車載センサ402の場合、監視対象とする区間X1は自身が走行する軌道200とは別の軌道100上にあることから、長い検知距離や広い検知角度を監視性能として有することが好ましい。そこで、具体的には例えば、視野角の広い光学式センサを用いることが考えられる。
位置特定部403は、車両40の位置を検出する機能を有し、具体的には例えば、鉄道車両が一般的に備えるような、車輪の回転数を計数して基準位置(駅や駅間の軌道上に設置されたビーコンの位置など)からの相対位置を算出することによって車両40の相対位置を検出する装置や、GPSのような衛星測位システムを用いて車両40の絶対位置を検出する装置で実現することができる。位置特定部403が車両40の位置を把握することによって、車両40の車載センサ402がその監視範囲に区間X1を収めたか否かを判断でき、監視範囲に収めたときに区間X1における障害物の有無を確認することができる。
そして、車両40の車載センサ402による監視結果を受信する監視情報サーバ20では、地上センサ30による監視結果に対する処理と同様に、車載センサ402による監視結果が監視情報として記憶・蓄積される。より詳細には、監視情報管理部202が、監視情報として監視情報記憶部203に記憶・蓄積させるとともに、通信部201を介して車両10から監視情報要求を受け取った場合には、監視情報記憶部203に記憶されている監視情報を通信部201を介して車両10に送信する。
なお、車両10における処理は、第1の実施の形態の車両制御システム1における処理とほぼ同様なので詳細な説明は省略する。違いとしては、監視情報サーバ20から受け取る監視情報のなかに車載センサ402による監視結果も含まれることから、3個のセンサ(車載センサ102,地上センサ30,車載センサ402)による監視結果に基づいてリスクレートの決定処理や目標速度の決定処理が行われる。
このように、第2の実施の形態に係る車両制御システム2によれば、第1の実施の形態よりも多くのセンサから監視結果を得て、これらの監視結果に基づいて車両10の走行制御を行うことができるため、第1の実施の形態の車両制御システム1によって得られる効果に加えて、車両10の安全性及び運行稼働率をより高く確保する効果に期待できる。
(2−2)車両制御システム2の作動例
本実施の形態に係る車両制御システム2による作動例を示し、その効果を説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る車両制御システムによる作動例を説明するための図である。図7に示す障害物検知A,障害物検知Bは、図4,図5に示した障害物検知A,障害物検知Bと同じく、車載センサ102による監視結果及び地上センサ30による監視結果であり、図7で新たに示された障害物検知Cは、車載センサ402による監視結果である。
図7において、地上センサ30による障害物検知Bは、時刻t32までは定期的に1分間隔で区間X1に対する障害物「無」の監視結果を出力するが、時刻t33のタイミングで地上センサ30に故障が発生して以後の監視結果が出力されなくなっている。また、車載センサ102による障害物検知Aは、区間X1に対して監視動作を行うことなく(「未」(未決)の監視結果のまま)、時刻t31で車載センサ102に故障が発生して以後の監視結果が出力されなくなっている。一方、車載センサ402による障害物検知Cは、障害物検知A,障害物検知Bの監視結果がともに出力されなくなった時刻t33の時点では、区間X1が車載センサ402の監視範囲に収められていないために「未」(未決)の状態であるが、その後、時刻t34のタイミングにおいて、車載センサ402の監視範囲に収まった区間X1に対して監視動作が行われて障害物「無」の監視結果が出力される。
上記のように各センサによる障害物検知が行われるときに、車両制御システム2においてどのような速度指令、リスクレート、経過時間、及び検知結果が示されるかを時間経過に沿って説明する。
まず、前述の通り時刻t31で車載センサ102が故障してしまうが、それ以前から障害物検知Aの監視結果は「未」であることから、図7の場合、障害物検知Aの監視結果は経過時間やリスクレート等に影響を与えることがない。
そして、時刻t32までは、地上センサ30による障害物検知Bの監視結果に基づいて、1分ごとに経過時間が0分にリセットされるため、リスクレートは最も低い「L」のまま維持され、速度指令の目標速度も40km/h(通過)が維持される。これは図4の開始から時刻t11までの状況や図5の開始から時刻t21までの状況と同様である。なお、障害物検知Cからは監視結果が出力されていないため「未」となり、リスクレート等に影響を与えない。
次に、時刻t33において地上センサ30が故障してしまうと、以後は何れの障害物検知からも障害物の有無に関する監視結果が出力されない期間が時刻t34まで続くため、徐々に経過時間が増大していく。そして、経過時間が1分を超えると、リスクレートが「M」に格上げされて速度指令の目標速度は30km/h(強めブレーキ停止可能速度)に減速され、さらに1分が経過して経過時間が2分を超えると、リスクレートが「H」に格上げされて速度指令の目標速度は20km/h(弱めブレーキ停止可能速度)に減速される。
上記のように、時刻t32から時刻t34までの間は、監視結果を出力し得る2つのセンサ(車載センサ102,地上センサ30)がともに故障してしまったことで、障害物検知の監視結果が得られずに経過時間が増大する一方となるが、この間、実際に区間X1における障害物の有無が確認できなくても、経過時間の増大に伴って障害物が存在する危険性が高まっているという判断のもと、リスクレートを格上げして速度指令の目標速度を減速していくことが可能となる。車両制御システム2では、このような目標速度の減速を可能にすることで、仮に区間X1に障害物が有ることが目視できたような場合には、弱めのブレーキ制動を行うだけで、乗客が転倒等しないように安全性を確保しながら区間X1の手前で車両10を停止させることができる。
しかし、このような障害物検知の監視結果が得られない状況が続くと、最終的には、図5の時刻t23で説明したのと同様に、最も危険度合いが高いリスクレート「S」が決定されてしまい、速度指令の目標速度を0km/h(停止)として、車両10を停止させることになってしまう。そして、障害物検知の監視結果が得られない以上は、運転士等の判断によってしか、車両10による運行・輸送を継続することができない。また仮に車両10が無人運転車両である場合には、作業員が対象地点の区間X1まで赴いて安全を確認した後、所定の安全手順を経て運転を再開することが必要となるため、運転再開のためにより多くの時間を要することになり、車両10の運行稼働率が大幅に低下してしまうおそれもある。
そこで、車両制御システム2では、このような状況を打開し得る障害物検知として車載センサ402による障害物検知Cが用意されている。すなわち、車載センサ102,地上センサ30がともに故障してしまったとしても、車両10の対向方向から走行してきた車両40が区間X1に接近し、車載センサ402によって区間X1における障害物の有無が確認されることによって、経過時間の増大をリセットし、区間X1における障害物の有無に関するリスクレートを再計算することができる。
具体的には、図7の時刻t34のタイミングにおいて、障害物検知Cによって障害物「無」の監視結果が得られることで、経過時間は0分にリセットされ、さらに、障害物も「無」であると確認されたことから、リスクレートは最も危険度合いが低い「L」に格下げされる。その結果、速度指令の目標速度も40km/h(通過)に復帰されることから、運転士や作業員等による上記の安全手順を経なくても、車両10の走行速度を復帰させて、安全に区間X1を通過させることができる。
以上のように、図7に示したような動作制御が行われることによって、車両制御システム2では、複数のセンサ(車載センサ102,地上センサ30)の故障等によって対象地点(区間X1)における障害物の有無の監視結果が得られない期間が続いた場合には経過時間の増大に伴ってリスクレートを格上げして速度指令の目標速度を減速させることによって、車両10が区間X1に進入する前に、危険度合いに応じて車両10の走行速度を制御することができ、乗客の安全を確保しながら障害物への対応を可能にすることができる。
さらに、車両制御システム2では、上記のように複数のセンサが故障した場合であっても、他の車両40に搭載されたセンサ(車載センサ402)によっても対象地点における障害物の有無の監視結果が得られるようにすることで、経過時間の増大に伴って車両10の目標速度が減速された後でも、新たに得られた監視結果によって障害物が無いことが確認されると、運転士や作業員等による現地確認を必要とすることなく、車両10を通常走行に戻すことが可能なため、車両10の安全性を考慮した走行制御を行うとともに、車両10の運行稼働率も確保することができる。
そして、このような車両制御システム2は、車両10が無人運転車両であるときに、より効果を発揮する。従来の車両制御システムでは、無人運転車両の場合、安全確認をセンサ等に頼るしかないため、例えば駅の中間でセンサが故障して区間X1における障害物の有無が確認できなくなったときには、作業員が現場に赴いて復旧手順を行うしかなく、現場に向かうまでの時間が掛かる点や軌道上で作業をすることによる二次被害のリスクがある点が問題となってしまう。しかし、車両制御システム2では、近隣の軌道を走行する車両(例えば本例の軌道200を走行する車両40)によって区間X1における障害物の有無の確認が可能になることから、安全性を確認したうえで車両10を無人運転のまま自走させて次の駅に到着させることができる。つまり、作業員の復旧手順の実施による時間消費や二次被害のリスクを低減・回避でき、無人運転車両であっても車両10の安全性及び運行稼働率をともに確保することができるものである。
なお、上記の説明では、車両40は車両10と対向する方向に走行するとしたが、本実施の形態に係る車両制御システム2において車両40の走行方向はこれに限定されるものではない。例えば、鉄道の複々線で一般的に見られるように、車両40が車両10の軌道100と隣り合う軌道200上を車両10と同じ方向に併走するような場合にも適用することができる。
さらに、上記の説明では、車両10以外に車載センサを搭載する車両は車両40だけであったが、本実施の形態に係る車両制御システム2では、さらに多くの車両のそれぞれに車載センサ402と同様のセンサを備えるようにしてもよい。具体的には例えば、軌道100の両側に2本の軌道が敷設されているような場合に、それぞれの軌道上を走行する車両に上記の車載センサを搭載して区間X1における障害物の有無を確認できるようにすることで、より多くの監視結果を監視情報サーバ20に集めて、信頼性の高い車両10の走行制御を可能にすることができる。
(3)第3の実施の形態
図8は、第3の実施の形態に係る車両制御システムの構成例を説明するための図である。第3の実施の形態に係る車両制御システム3は、第1の実施の形態に係る車両制御システム1と比較した場合に、車両10に先行して同じ軌道100上を走行する車両50と、車両50の位置を追跡可能な車両追跡装置60とをさらに備える点が異なっている。図8に示すように、車両制御システム3の構成は、車両50及び車両追跡装置60以外は第1の実施の形態に係る車両制御システム1とほぼ同様であり、簡略のためこれらの説明は省略する。第3の実施の形態に係る車両制御システム3では、車両50による所定地点(区間X1)の走行結果に基づいて、所定地点における障害物の有無の監視動作が行われたと見なすことを特徴とする。
図8に示したように、車両50は、車両10と同じ軌道100上を走行する車両であって、車両10よりも先に区間X1を通過している。車両50は、外部との通信を行う通信部501、及び車両50の位置情報を取得する位置検出部502を備えている。
通信部501は、無線通信によって車両50の外部(図8の場合は車両追跡装置60)に対してデータや信号を通信可能であり、一般的な無線通信の通信インタフェースによって実現することができる。
位置検出部502は、車両50の位置を検出する機能を有し、当該検出によって得られた位置情報を、通信部501を介して車両追跡装置60に周期的に送信する。詳細は省略するが、位置検出部502は、第1の実施の形態で前述した位置検出部105と同様の構成によって実現することができる。
車両追跡装置60は、車両50から送信される位置情報を用いて車両50の位置を追跡可能な装置である。車両追跡装置60が有する車両50の位置を追跡する機能は、鉄道輸送システムで運行管理等の目的で一般的に用いられている機能であり、車両50の位置検出部502から周期的に送信される位置情報に基づいてその位置を把握することができる。なお、車両追跡装置60の設置場所は特に限定されず、例えば、車両管制室に設置されてもよいし、監視情報サーバ20の内部に備えられる構成としてもよい。
車両追跡装置60は、車両50の位置を追跡することによって車両50が区間X1を通過した時刻を把握し、車両50による区間X1の走行結果によって区間X1における障害物の有無の監視動作が行われたと見なし、当該監視動作の監視結果(車両50による区間X1の監視結果)を監視情報サーバ20に送信する。具体的には、車両50が区間X1を安全に通過した場合には、通過した時刻(監視時刻)に区間X1に障害物が無かったということを意味するので、当該監視時刻に障害物が「無」とする監視結果が送信される。一方、車両50が区間X1を安全に通過できなかった場合には、区間X1に到達した時間を監視時刻として、当該監視時刻に障害物が「有」とする監視結果が送信される。
そして、監視情報サーバ20では、監視情報管理部202が、地上センサ30から送られてくる地上センサ30による区間X1の監視結果に対する処理と同様に、車両追跡装置60から送られてきた車両50による区間X1の監視結果を監視情報として監視情報記憶部203に記憶・蓄積させる。
監視情報サーバ20が、地上センサ30による区間X1の監視結果と車両50による区間X1の監視結果とを監視情報として記憶・蓄積することによって、車両10から監視情報要求を受けた場合にはこれらの監視情報が車両10に送信される。そして車両10では、これらの監視情報と車載センサ102による監視結果とを用いて第1の実施の形態で説明したのと同様の処理が行われる。その結果、速度決定部103が、車載センサ102、地上センサ30及び車両50による区間X1の監視結果に基づいて速度指令の目標速度を決定することができ、車両制御装置104が当該決定された目標速度で車両10の走行速度を制御する。
以上に説明してきたように、本実施の形態に係る車両制御システム3は、同じ軌道100上で車両10に先行する車両50が所定地点(区間X1)を安全に通過できた場合には、その通過実績が区間X1に障害物が無いことを意味するという考えのもとで、センサによる区間X1の障害物の確認と同等の監視結果として扱う。したがって、車両制御システム3では、このような監視結果(車両50による監視結果)の分だけ第1の実施の形態の車両制御システム1よりも多くの監視結果が収集されることから、第1の実施の形態の車両制御システム1によって得られる効果に加えて、より安全性を確保しながら車両10の運行を制御することに期待できる。
また、別の観点で言えば、本実施の形態に係る車両制御システム3は、第2の実施の形態に係る車両制御システム2において別の軌道200上を走行する車両40から区間X1の監視結果を得られるようにしていた代わりに、先行する車両50の通過結果によって区間X1の監視結果を得られるようにしたものとも言える。したがって、本実施の形態に係る車両制御システム3によれば、第2の実施の形態に係る車両制御システム2と同様の効果を得ることができる。
具体的には例えば、第2の実施の形態で図7に例示したように、車両10の車載センサ102と地上センサ30の両方に故障が発生して障害物検知の監視結果が得られないような状況であったとしても、車両制御システム3では、先行した車両50から通過結果に基づいて区間X1の監視結果が得られた場合には、当該監視結果に基づいて、経過時間、リスクレート、及び速度指令の目標速度を決定することができるため、区間X1に障害物がある危険性を考慮した車両10の運行制御を行うことができる。
さらに、本実施の形態に係る車両制御システム3による固有の効果としては、鉄道輸送システムで運行管理等の目的で一般的に用いられている機能を有した車両追跡装置60及び位置検出部502を利用することができるため、第2の実施の形態の車載センサ402のように車両制御の対象となる車両10以外の車両に新たにセンサを設置することなく、所定地点における障害物の有無に関する監視結果を取得することができることが挙げられる。
ところで、本実施の形態に係る車両制御システム3は、先行した車両50による安全な通過実績を区間X1の監視結果として利用可能にすることができるが、実際の鉄道輸送を想定したとき、先行する車両50と後続する車両10との運行間隔にはある程度の長さが求められてしまうことから、車両50による監視結果だけに基づいて車両10の目標速度が決定されるような場合には、経過時間が増大しすぎてしまう可能性がある。そして経過時間が増大しすぎると、リスクレートの大幅な格上げが避けられず、結果として車両10の走行速度(目標速度)が大幅に抑制されてしまう可能性が高くなってしまう。
経過時間の増大について具体的には、鉄道輸送では一般的に、同じ軌道100上を走行する車両10と車両50との間は保安の観点から所定程度以上の車両間距離を維持することが求められるため、少なくとも当該車両間距離に応じた運行間隔が生じることとなり、その運行間隔によって経過時間が増大することが予想される。また、そもそもの輸送計画において先行する車両50と後続する車両10の運行間隔は数分から数十分とされることが一般的であることから、経過時間も数分から数十分という長時間になってしまうことが予想される。
そこで、車両制御システム3では、このような想定課題に対応すべく拡張した実施の形態として、車両50の代わりに、仮に車両10と接触しても車両10の通行に支障を与えないような小型軽量の模型車両(例えば、鉄道輸送の現場で「露払い列車」と呼ばれる車両に相当)や、軌道100に沿って飛行する小型無人偵察機(例えば、ドローン)といった移動体を用いるようにしてもよい。
そして、車両50の代わりに上記移動体を用いる場合には、当該移動体に通信部501及び位置検出部502に相当する部品を備えるようにする。またさらに、上記移動体に周囲の状況をより良く確認するためのセンサを搭載し、その確認結果を車両追跡装置60または監視情報サーバ20に送信するようにすれば、区間X1を含む軌道100上における障害物を見逃すことなく検知することができるので、障害物の有無の監視動作に対する信頼性を向上させることができ、車両10の安全な走行制御に寄与することができる。
このように拡張された第3の実施の形態に係る車両制御システム3においても、車両50の代用とされる移動体が区間X1またはその上空を通過することによって、土砂崩れや踏切に取り残された車両のような障害物の有無を確認することができるため、区間X1に対する監視結果を得ることができる。具体的には例えば、模型車両や小型無人偵察機が区間X1を通過できなかった場合は、車両追跡装置60は当該移動体の位置が区間X1の周辺から動かなくなることを認識する。このような場合、車両追跡装置60は区間X1に障害物が有るという結果とその監視時刻を監視情報サーバ20に送信することで、当該移動体による区間X1に対する監視結果を出力することができる。
このように、車両制御システム3は、車両50を上記移動体で代用することによって、車両50と同様の機能を果たすことができるとともに、保安上必要とされる車両間距離を気にすることなく、例えば車両10から近い前方を先行させることができるため、実際の鉄道輸送を想定したときについて上記したような経過時間の増大という課題を解消することができる。
(4)他の実施の形態
なお、上述の第1〜第3の実施の形態による車両制御システム1〜3では、障害物の有無を確認する監視対象の地点を1つの区間X1に限定して説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、監視対象の区間を複数設けるようにしてもよい。このような場合、監視情報サーバ20が、監視対象の区間ごとに障害物の有無を確認した結果とその監視時刻とを監視情報として記憶・蓄積する。そして、速度決定部103の監視情報要求部106が、車両10が差し掛かろうとする区間の監視情報を監視情報要求によって監視情報サーバ20に要求するようにすれば、上述の各実施の形態で区間X1に適用したのと同様のことが、複数の区間のそれぞれに適用することができ、当該複数の区間における障害物の有無の危険度合いに基づいて車両10の速度制御を実現することができる。
なお、このように複数の区間を監視対象とする場合に、複数の区間のそれぞれに専用の地上センサ30を設けるようにするとき、複数の地上センサ30が軌道100に沿って敷設されることになる。このとき、地上センサ30の個数が増えたことによって地上センサ30の何れかが故障してしまう可能性は増加する。しかし、第1〜第3の実施の形態で説明したように、本発明は、センサが故障する等して監視対象の区間に対する監視結果のいくつかが得られないような状況になったとしても、他に得られた監視結果によって危険度合い(リスクレート)の決定を補助し、十分に車両10の安全を考慮した速度制御を実現することができることから、上述のように複数の地上センサ30のうちの一部が故障し得る状況ではかえって本発明による効果が発揮される場面が増えると期待される。
また、上述の第1〜第3の実施の形態による車両制御システム1〜3では、速度決定部103は車両10に搭載されるとして説明したが(図1,図6,図8参照)、本発明はこれに限らず、例えば監視情報サーバ20と同様に地上の所定の設備に配置されるようにしてもよい。また、車両10の車載センサ102による監視結果は、速度決定部103に直接入力されるように説明したが(図2参照)、本発明はこれに限らず、車載センサ102による監視結果も監視情報サーバ20に送信されて監視情報記憶部203に記憶・蓄積されるようにしてもよい。このような場合、監視情報サーバ20に全ての監視結果が収集されるため、リスクレートの決定処理や目標速度の決定処理を監視情報サーバ20内で実行するように構成することも有効となる。
また、上述の第1〜第3の実施の形態では、車両10が軌道100上を予め決まった運転計画に従って走行する鉄道輸送システムに適用して説明を行ったが、本発明の適用範囲は鉄道輸送システムに限るものではなく、車両が予め定められた経路を走行し、かつ、その経路に進入した障害物との接触によって当該車両の走行が懸念されるような環境であれば、例えば自動車や工場内の搬送機器による輸送システムにも適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実施上は殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1,2,3 車両制御システム
10,40,50 車両
60 車両追跡装置
20 監視情報サーバ
30 地上センサ
100,200 軌道
101,401,501 通信部
102,402 車載センサ
103 速度決定部
104 車両制御装置
105 位置検出部
106 監視情報要求部
107 リスク評価部
108 速度指令演算部
111 監視情報演算処理
112 第1のリスクレート算出処理
113 第2のリスクレート算出処理
114 リスクレート決定処理
201 通信部
202 監視情報管理部
203 監視情報記憶部
403 位置特定部
502 位置検出部

Claims (10)

  1. 第1の軌道を走行する第1の車両の運行を制御する車両制御システムであって、
    前記第1の車両に設置されて前記第1の軌道の所定地点が検知範囲内に収まったときに当該所定地点における障害物の有無を検知する監視動作を実行可能な第1のセンサと、
    前記第1の車両以外の所定の場所に設置されて所定のタイミングで前記所定地点における障害物の有無を検知する監視動作を実行可能な1以上の第2のセンサと、
    前記第2のセンサによる監視動作の監視結果を収集して記憶する監視結果収集部と、
    前記監視結果収集部に記憶された監視結果または前記第1のセンサによる監視動作の監視結果に基づいて前記第1の車両の目標速度を決定する速度決定部と、
    前記速度決定部によって決定された目標速度に基づいて前記第1の車両の走行速度を制御する速度制御部と、
    を備え、
    前記速度決定部は、
    前記第1または前記第2のセンサによる監視動作が最後に行われてからの経過時間と前記第1または前記第2のセンサによる監視動作による障害物の有無の検知結果とに基づいて、複数段階に規定されたリスクレートのうちから前記所定地点において障害物が存在することの危険度合いを評価して1のリスクレートを決定するリスク評価部と、
    前記リスク評価部によって決定されたリスクレートに応じて、前記速度制御部に指令する前記目標速度を決定する速度指令演算部と、を有する
    ことを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記速度決定部は、前記監視結果収集部または前記第1のセンサから新たな前記監視結果が得られるごとに、当該新たな監視結果に基づいて前記リスク評価部によるリスクレートの決定および前記速度指令演算部による目標速度の決定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記リスク評価部は、
    前記第1または前記第2のセンサによる監視動作による障害物の有無の検知結果に基づいて第1のリスクレートを算出し、
    前記第1または前記第2のセンサによる監視動作が最後に行われてからの経過時間に基づいて第2のリスクレートを算出し、
    前記算出された前記第1及び前記第2のリスクレートのうち、高い危険度合いを示すほうのリスクレートを最終的なリスクレートに決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  4. 前記第1または前記第2のセンサによる前記監視結果において障害物が有ると検知された場合には、前記速度決定部は前記目標速度を「0」に決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  5. 前記経過時間が長くなるほど、前記リスク評価部は高い危険度合いを示すリスクレートを決定し、前記速度指令演算部はより低速な目標速度を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  6. 前記第2のセンサの少なくとも1つは、前記所定地点の障害物の有無を常時検知できる場所に設置されて前記監視動作を任意のタイミングで繰り返し実行可能な固定センサである
    ことを特徴とする請求項1記載の車両制御システム。
  7. 前記第1および前記第2のセンサの少なくとも何れかのセンサによる前記所定地点に対する前記監視動作が、他のセンサによる前記監視動作とは異なるタイミングで実行可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  8. 前記第2のセンサの少なくとも1つが、前記第1の軌道とは別の第2の軌道を走行する第2の車両に設置され、
    当該第2のセンサは、前記第1の軌道の所定地点が検知範囲内に収まったときに当該所定地点における障害物の有無を検知する監視動作を実行可能であり、
    当該第2のセンサによる監視動作の監視結果が前記監視結果収集部に入力される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  9. 前記第1の軌道を前記第1の車両に先行して移動する移動体と、
    前記移動体の位置を追跡する車両追跡部と、
    をさらに備え、
    前記車両追跡部は、前記第1の軌道を移動する前記移動体の位置を追跡することによって前記移動体が前記所定地点を安全に通過するか否かを監視し、安全に通過できた場合には当該所定地点に障害物が無い旨の監視結果を前記監視結果収集部に出力し、安全に通過できなかった場合には当該所定地点に障害物が有る旨の監視結果を前記監視結果収集部に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  10. 前記移動体は、前記第1の軌道を走行する模型車両または前記第1の軌道に沿って飛行する無人偵察機である
    ことを特徴とする請求項9に記載の車両制御システム。
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