JP2016043903A - 障害物回避システム - Google Patents

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尊善 西野
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健二 今本
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健太郎 牧
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Toshiharu Sugawara
俊晴 菅原
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武典 和嶋
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Abstract

【課題】軌道上の障害物をセンサにより検知して車両に障害物の情報を伝送することで車両と障害物の衝突を防止する障害物回避システムにおいて、高速走行車両に対しても障害物を検知するセンサ自体の故障を低コストで確実に検知する。
【解決手段】障害物検知用として軌道102に沿って一定間隔毎に設置されたセンサ101は軌道102上の走行車両201を自らの障害物検知可能範囲より広い範囲で検知可能であることから、センサ101により軌道102上を走行する車両201を検知し、検知したセンサ101の検知結果と複数の近接センサ101の検知結果とが一致するか否かを比較することによってセンサ101自体の故障を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の走行を妨げる障害物を回避する障害物回避システムに関する。
鉄道や道路などの交通路における障害物の検知は、重大事故である衝突事故を防止する観点で重要である。特に、無人運転車両においては、運転手の代わりに障害物を検知して衝突を回避するシステムが不可欠である。公知の障害物回避システムは、センサで障害物を検知し、その情報を基に車両と障害物の衝突を防止するように制御する。このため、障害物検知用のセンサ自体が故障すると、障害物回避システムは障害物を検知できず、衝突を防止する制御も機能しなくなることから、障害物検知用のセンサの故障を見落としなく検知することが重要不可欠である。
このため、従来から特許文献1または2のように、障害物回避システムにセンサの故障検出を行う機能を追加することで、衝突事故の防止が図られている。
特許文献1には、車両に障害物検知センサを複数装備し(車上センサ方式)、各センサの検知範囲を重複するように設置することで、センサの出力が不一致であるときにいずれかのセンサが故障であると判断する方法、また、前記センサが走行経路のあらかじめ決められた所定位置に設置された物体を検知するか否かによってセンサの故障を判断する方法が記載されている。
また、特許文献2には、踏切脇に設置したセンサ(地上センサ方式)で踏切内の障害物を検知し、センサの検知範囲内のあらかじめ決められた所定位置に設置されたリフレクタなどの標的物体を検知するか否かによってセンサの故障を判断する方法が記載されている。この方法では、地上にセンサを配置し、その検知結果を列車に通信を介して伝達するため、列車から遠方にある障害物も検知することが可能である。
これらの方式で用いる障害物検知用のセンサとしては、走査型レーザレーダ、走査型ミリ波レーダおよびステレオカメラなどが公知である。センサは、物体との距離と物体の大きさを検知して出力することができる。これらのセンサは、検知対象の物体の反射率や大きさによって、検知できる物体までの距離が異なる。例えば、歩行者を検知できる距離は40〜50[m]程であり、車両を検知できる距離は100〜200[m]程である。
特開2000−321350号公報 特開2010−095193号公報
しかし、特許文献1のような車上センサ方式の障害物回避システムには、車両の輸送効率が低下する問題がある。障害物との衝突回避が求められる障害物回避システムでは、障害物を検知してから、障害物の手前までに車両を停止させる必要がある。車両を停止させるために必要な距離である停止距離は、車両の走行速度が高いほど長くなる。車上センサ方式の場合、障害物を検知可能な距離は、車上センサが障害物を検知可能な範囲によって決定される。現在利用されているセンサでは、歩行者を検知できる距離は40〜50[m]程である。そのため、車上センサ方式の障害物回避システムを用いて歩行者との衝突を回避するためには、車両は40[m]で停止できる速度で走行しなければならない制約がある。一般的に、鉄道車両の減速度は3.5[km/h/s]程であるため、40[m]の距離で停止するためには、車両の走行速度は30[km/h]程に制限されてしまう。このため、車両の輸送効率は低下する。
特許文献2では、地上センサ方式に用いる障害物検知用センサ自体の故障を検知するために、新たにリフレクタなどの標的物体を設置しなければならず、またセンサもリフレクタも固定されているため、常にリフレクタを検知している信号を出すような固定出力故障を検知できない問題がある。
地上にセンサを設置した場合にも、特許文献1のように、複数のセンサを検知範囲が重複するように設置して、その出力が一致しない場合にセンサの故障を検知する方法を用いることが可能である。しかし、地上センサ方式では車上センサ方式よりも多数のセンサを用いるため、センサの多重化によってコストの増大を招くという問題がある。
本発明の目的は、高速走行車両においても、固定出力故障を含む障害物検知用センサの故障を低コストで確実に検知する機能を提供することである。
上記課題を解決するために、障害物回避システムは、軌道に沿って一定間隔毎に設置し軌道上の障害物の有無を検知するセンサ群と、センサ群の検知信号に基づいて軌道を走行する車両を制御する該車両上の車両制御装置とを備え、センサ群中の各センサは、障害物を検知可能な距離でかつ一定間隔に相当する第1の検知可能範囲および車両程度の大きさの物体を検知可能な距離でかつ第1の検知可能範囲より広い第2の検知可能範囲を有し、センサ群中の少なくとも2つ以上のセンサが検知する物体の位置を比較する判定手段を地上側装置または車両制御装置を含む車両側装置に設け、センサ群中の任意のセンサが、第1の検知可能範囲の範囲外でかつ第2の検知可能範囲内に存在する物体を検知した位置を第1の検知物体位置とし、任意のセンサに隣接または近接するセンサ群中の1つ以上のセンサが、第2の検知可能範囲内に存在する物体を任意のセンサによる検知と同じタイミングで検知した位置の少なくとも1つを第2の検知物体位置とし、判定手段は、第1の検知物体位置と第2の検知物体位置が不一致である場合に、少なくとも一方のセンサが故障であると判断し、その判断結果を車両制御装置に通知することを特徴とする。
本発明によれば、地上に設置した障害物検知用センサの障害物検知担当範囲が多重配置とならない構成とし、また、移動体車両を検知対象とすることにより、高速走行車両においても、固定出力故障を含む障害物検知用センサの故障を低コストで確実に検知する故障検知方法を提供する。
図1は、実施例1に係る障害物回避システムの構成図である。 図2は、センサ管理情報のデータフォーマットである。 図3は、センサ検知結果のデータフォーマットである。 図4は、障害物位置のデータフォーマットである。 図5は、軌道上の位置の表し方を示した図である。 図6は、センサの検知結果と検知物体の距離および位置との対応表である。 図7は、センサ、軌道および車両との配置関係を図上から見下ろした図である。 図8は、障害物検知可能距離、車両検知可能距離およびセンサ設置間隔の関係を示した図である。 図9は、センサ配置に対して、車両が停止・走行開始時の状態および走行中の2つの状態を示した例である。 図10は、地上信号装置によって保持される障害物位置のデータを示した例である。 図11は、実施例1に係るセンサの故障検知処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、選択センサと対応する2つの近接センサによる車両検知結果を示した例である。 図13は、実施例2に係る障害物回避システムの構成図である。 図14は、車両在線位置のデータフォーマットである。 図15は、実施例2に係る車両検知の例を示した図である。 図16は、実施例2に係るセンサの故障検知処理の流れを示すフローチャートである。 図17は、車両位置が変化した3つの状況におけるセンサ検知結果を示した例である。
以下、本発明の実施形態として、図面を用いながら実施例1および2について順に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る障害物回避システムの構成図である。実施例1に係る障害物回避システムは、センサ101、軌道102、地上通信装置103、前記センサ101と前記地上通信装置103を結ぶ第1通信線104、地上信号装置105、前記地上通信装置103と前記地上信号装置105を結ぶ第2通信線106、地上信号装置内にあるセンサ故障判定器107および車両201から構成され、車両201は内部に、車上通信装置211、速度検出装置212および車両制御装置213を搭載する。
また、実施例1の障害物回避システムは、図2に示すセンサ管理情報301、図3に示すセンサ検知結果302および図4に示す障害物位置303をデータとして利用する。
次に、図1に示す実施例1の障害物回避システムの各構成要素の機能について説明する。ただし、本発明が目的とする障害物回避システムのセンサ故障検知に必要な機能に限定して説明し、それ以外の機能については必要な事項を除いて特に説明しない。
軌道102は、例えば鉄レールであり、車両201の車輪がその上を転がり、車両201の進路を誘導する案内路である。
車両201は、軌道102上を予め定められた運行計画(ダイヤ)に従って走行し、旅客または貨物の少なくとも一方を輸送する役割を担う。また、センサ101に検知されやすいように、車両201の外面に反射率が高いリフレクタを取り付けてもよい。
センサ101は、例えばミリ波レーダ等を用いた公知のセンサであり、複数のセンサから構成され、それらを地上設備として軌道102に沿って一定間隔毎に軌道102付近に設置する。センサ101は、センサ検知結果302(図3)を定期的に出力し、地上通信装置103を介して地上信号装置105に送信する。
ここで、障害物とは、車両201の走行を妨げる物体であり、例えば、軌道102内に進入した歩行者401(図1)や動物、落下物および他の車両(自動車などの他種の車両だけではなく、同じ軌道102を走行する別の車両201も含む)などのことをいう。
地上通信装置103は、センサ101、地上信号装置105および車上通信装置211それぞれの間の通信を仲介する。
第1通信線104は、所定区間の複数のセンサ101と地上通信装置103を接続する通信線であり、有線または無線のどちらを利用してもよい。
地上信号装置105は、演算部、制御部、記憶部および入出力部(図示せず)を有するコンピュータを備える。このコンピュータにより地上信号装置105は、地上通信装置103を介して得られたセンサ101の検知結果301と予め保持しているセンサ管理情報301を利用して、障害物が存在する軌道102上の位置を算出し、障害物位置303を作成して、地上通信装置103を介して車上通信装置211に送信する。また、地上信号装置105は、センサ101の故障検知を行うセンサ故障判定器107を有する。このセンサ故障判定器107によりセンサの故障が検知された場合に、地上信号装置105は、センサ管理情報301の状態を故障に変更し、故障したセンサの障害物検知担当区間を故障区間として、地上通信装置103および車上通信装置211を介して車上制御装置213に送信する。また、地上信号装置105は、車両位置の記録と管理、信号機の制御など信号装置として必要な機能も備えている。
第2通信線106は、複数の地上通信装置103と地上信号装置105を接続する通信線であり、有線または無線のどちらを利用してもよい。
センサ故障判定器107は、複数のセンサ検知結果302を基に地上信号装置105が作成した障害物位置301を入力として、センサの故障の有無を判定し、判定結果をセンサ管理情報301の動作状態に書き出す。センサ故障判定器107は、演算部、制御部、記憶部および入出力部を有するコンピュータで構成するか、あるいは、地上信号装置105として機能するコンピュータ上で動作するソフトウェアとして構成してもよい。
車上通信装置211は、地上通信装置103と車両制御装置213の間の通信を仲介する。
速度検出装置212は、車両201の走行速度を検出して車両制御装置213に送信する。
車両制御装置213は、地上信号装置105から車上通信装置211を介して受信した障害物検知結果およびセンサの故障検知結果、また、運行計画(ダイヤ)および車両性能(加速度・減速度)にしたがって、車両201の走行パタン(制限速度)を決定し、この走行パタンに合わせた走行を行うように車両201を制御する。
次に、データの説明に先立って、軌道上の位置について説明する。
図5は、軌道上での位置の表し方を示した図である。軌道上の位置は、軌道102の一端を軌道基準点111とした距離程で表す。例えば、センサ101aは、距離程40[m]の地点に設置されていると表す。ただし、位置の表し方については距離程に限定するものではなく、例えば、軌道102の一端を基準点111とした二次元あるいは三次元の座標で表してもよい。
センサ101に関する各データとしては、センサ管理情報301、センサ検知結果302およびセンサ101によって検知された障害物位置303がある。
図2は、センサ管理情報301のデータフォーマットである。センサ管理情報301は、センサ101毎に、そのセンサID、設置位置(距離程で表す)、障害物検知担当区間(距離程で表す)、車両検知可能距離および動作状態を記録したデータで構成される。センサID、設置位置、障害物検知担当区間および車両検知可能距離は、センサ101を設置するときに設定し、地上信号装置105が保持する。動作状態は、初期値として「未確定」を設定し、センサ故障判定器107がセンサ101の動作状態を判断する度に、「正常」あるいは「故障」のいずれかを記録する。
図3は、センサ検知結果302のデータフォーマットである。センサ検知結果302は、センサ101毎に、そのセンサID、障害物を検知しているか否かを表す検知有無およびセンサ101と障害物の距離を表す検知物体距離を記録したデータで構成される。センサ101は、一定時間ごとにセンサ検知結果302を出力する。
図4は、障害物位置303のデータフォーマットである。障害物位置303は、センサ101毎に、そのセンサID、障害物を検知しているか否かを表す検知有無および障害物の軌道102上での位置を示す検知物体位置(距離程で表す)を記録したデータで構成される。検知物体位置は、地上信号装置105において、センサ管理情報301が有するセンサの設置位置と、センサ検知結果302が有する検知物体距離を用いて算出することができる。例えば、図6は、図5において車両201が距離程30[m]の地点に存在する時の、各センサ101のID、設置位置、車両検知可能距離、検知有無、検知物体距離および検知物体位置を示した対応表801である。
障害物検知可能範囲501は、障害物回避システムが検知対象とする障害物に対してセンサ101が検知可能な範囲である。その範囲は、センサの製品仕様と軌道の形状によって定まる。障害物検知可能範囲501を基にして、センサ101の設置間隔および障害物検知担当区間を定める。
車両検知可能範囲502は、車両に対してセンサが検知可能な範囲である。その範囲は、センサの製品仕様と軌道の形状によって定まる。車両検知可能範囲502を用いて、車両が各センサから検知可能な距離を車両検知可能距離として定めることができる。車両検知可能距離は、センサ設置時に地上信号装置107が保持するセンサ管理情報301に設定する。ただし、センサ101は、この車両検知可能範囲502内における車両のみを検知するものではなく、車両程度の大きさの物体であれば(反射率等の違いによる検知感度の差はあるかもしれないが)検知することになる。勿論、車両程度の大きさの物体がたとえ車両でなかったとしても、以下で説明するセンサ故障の検知に格別差支えが生じるものではない。また、車両であるか否かの判断は、センサ故障の検知とは別の判断ロジックに基づくことになる(これについても以下で説明する)。
本発明の実施例1は、上記で説明した障害物回避システムを構成するセンサの故障検知を行う方法である。まず、本発明の実施例1が想定するセンサの設置について、図7を用いて説明する。図7は、センサ101を設置した軌道102およびその上を走行する車両201を頭上から見下ろした図である。軌道102は1つ以上設置される。センサ101は、軌道102に沿って一定間隔毎に設置される。設置に際しては、センサ101が歩行者などの障害物を検知できる障害物検知可能範囲501以下の距離をセンサ設置間隔503として、車両201が走行するすべての範囲を検知可能となるように設置する。理想的には、各センサ101の障害物検知可能範囲501と、他のセンサ101の障害物検知可能範囲501とが重複しないように各センサ101を設置する。これにより、必要最低限の個数のセンサ101で、車両201が走行するすべての範囲の障害物を検知することができる。この点は、障害物検知範囲501を多重化してセンサの故障検知を行う従来の方法と比べて、少ないセンサ数で故障検知機能を実現でき、低コスト化を図る上で有利である。
センサ101による障害物の検知方法について、先ずは図1を用いて説明する。図1には、障害物回避システムが歩行者401を検知対象とする例を示す。各センサ101は、歩行者401を検知可能な範囲を障害物検知可能範囲501としている。上記で説明したように、センサ101が理想的に配置された場合には、歩行者401が進入した時にある1つのセンサ101によって歩行者401が検知される。検知された歩行者401の検知情報は、地上通信装置103、地上信号装置105および車上通信装置211を介して車両制御装置213に伝送される。これにより、車両制御装置213は、歩行者401を認識して車両201と歩行者401の衝突を回避する制御を行う。
実施例1に係る障害物回避システムでは、それを構成するセンサ101が、検知対象とする物体の反射率と大きさによってその物体に対する検知可能な範囲が異なる性質を用いて、障害物検知のためにセンサ配置の変更を加えることなしに、センサ101の故障検知を行う機能を付加する。
ここにおいて、センサ101は、障害物を検知するために設置したものであるが、当然のことながら車両の方も検知する。ところが、歩行者と車両では両者の大きさも反射率も異なることから、センサ101が検知可能な範囲が異なる。すなわち、センサ101が車両201を検知できる範囲は、センサ101が歩行者401を検知できる範囲よりも数倍大きい。本発明は、この点に着目したものである。
図8は、センサ101による障害物検知可能範囲501、車両検知可能範囲502およびセンサ設置間隔503の関係を示す図である。上記のとおり、障害物検知可能範囲501よりも車両検知可能範囲502の方が数倍大きい。センサ101は、障害物検知可能範囲501以下の間隔で設置されているため、車両201は常に複数のセンサ101により検知されることになる。そのため、隣接または近接する複数のセンサ101が同一の車両201を検知した時に、検知した車両位置(距離程)が一致するか否かを比較することによってセンサ101が正常に動作しているかを判断することができる。ただし、センサ101の検知距離の測定誤差、距離程を算出する際の算術誤差などの誤差を考慮し、隣接または近接する複数のセンサが検知した車両位置に差があっても、その差が前記誤差の許容範囲内であれば一致したものとみなす。
続いて、図9および図10により隣接または近接するセンサ101が車両201を検知した場合の検知結果について説明する。図9は、障害物検知可能範囲501が50[m]、車両検知可能範囲502が200[m]およびセンサ設置間隔503が40[m]である場合のセンサ101の配置を例示する図である。各センサ101a〜101gは、各センサが検知を行う方向からセンサ設置間隔503の範囲内の障害物検知を担当する。車両検知可能範囲502はセンサ設置間隔503の5倍であるため、通常時においては5つのセンサ101が同時に同一の車両201を検知することが可能である。
図9では、更に、(a)として停止・走行開始時の状態および(b)として走行中(停止状態から40[m]走行した後)の2つの状態を例示する。車両201がセンサ101の200[m]以内に接近した時に、センサ101は車両201を物体として検知し、センサ検知結果302を地上信号装置105に送信する。センサ検知結果302は障害物位置303に変換される。
図10は、図9の(a)および(b)それぞれについて、障害物位置303として地上信号装置105によって保持されるデータを示した例である。
(a)停止・走行開始時の状態は、車両201が距離程30[m]の地点に存在している場合の状況である。このとき、センサ101a〜101eの5つのセンサと車両201間の距離は200[m]以下となり、この5つのセンサは車両201を物体として検知する。
(b)走行中の状態は、車両が40[m]走行し、距離程70[m]の地点に存在している場合の状況である。このとき、センサ101b〜101fの5つのセンサと車両201間の距離は200[m]以下となり、この5つのセンサは車両を物体として検知する。このように、車両201を検知するセンサ101は、車両210の走行に合わせてその進行方向に順次遷移していくことになる。
同一の車両を複数のセンサで同時に検知することおよび車両を検知するセンサが車両走行に合わせてその進行方向に順次遷移することを利用して、以下に説明する処理の流れによってセンサの故障を検知する。
図11は、実施例1に係るセンサの故障検知処理の流れを示すフローチャートである。地上信号装置105は、このフローチャートに従った処理を一定時間を周期として実行する。
ステップS101で、地上信号装置105は、全センサ101のセンサ検知結果302(図3)を取得し、障害物位置303(図4)を作成し、その情報を保持する。
以下に示す処理については、各センサ101に対して行うことになる。
ステップS102で、地上信号装置105は、この実行周期内で故障検知を行っていないセンサ101を1つ選択し、選択センサとする。
ステップS103で、地上信号装置105は、選択センサに隣接する2つのセンサ101を近接センサとして選択して、選択した3つのセンサ(選択センサおよび隣接する2つの近接センサ)が同一位置に物体を検知しているかを、センサ故障判定器107を用いて3つの各センサが検知した障害物位置303の検知物体位置を比較することにより判定する。ただし、選択センサが軌道102の端に設置されたセンサ(例えば、図12の選択センサが101a)である場合には、一方側に隣接するセンサが存在しなので、他方側に隣接する2つのセンサを近接センサとして選択する。
3つのセンサが同一位置に物体を検知している場合には(Y)、検知物体が車両であると判断できることから、ステップS104で、地上信号装置105は、選択センサは正常と判断する。
他方、3つのセンサが同一位置に物体を検知していない場合には(N)、ステップS105で、地上信号装置105は、2つの近接センサが同一位置に物体を検知しているかを、センサ故障判定器107を用いて2つの近接センサが検知した障害物位置303の検知物体位置を比較することにより判定する。
2つの近接センサが同一位置に物体を検知している場合には(Y)、検知物体が車両であると判断できることから、ステップS106で、地上信号装置105は、選択センサは故障と判断する。
ステップS104およびステップS106の判断結果を受けて、ステップS107で、地上信号装置105は、選択センサに関するセンサ管理情報301の動作状態を更新する。
ステップS108で、地上信号装置105は、この実行周期において、全センサ101について故障検知を行ったか否かを判定する。全センサ101について故障検知を行っていない場合には(N)、地上信号装置105は、故障検知を行っていないセンサ101を再び選択するために、ステップS102に戻る。他方、全センサ101について故障検知を行った場合には(Y)、地上信号装置105は、この実行周期の処理を完了する。
次に、実施例1に係るセンサの故障検知処理による具体例を示す。図12は、選択センサと対応する2つの近接センサによる車両検知結果802を示した例である。選択センサとしては、図9で説明した障害物回避システムにおけるセンサ(101a〜101f)を使用した。2つの近接センサの選択は、先のステップS103の処理が対応する。
センサ101aが選択センサである時(図12の1行目)、センサ101bとセンサ101cが近接センサとなる。この時、センサ101a、センサ101bおよびセンサ101cは全て同一の位置に物体を検知しているため、センサ101aは正常であると判断する(図11のステップS104に相当)。
センサ101bが選択センサである時(図12の2行目)、センサ101aとセンサ101cが近接センサとなる。この時、センサ101b、センサ101aおよびセンサ101cは全て同一の位置に物体を検知しているため、センサ101bは正常であると判断する(図11のステップS104に相当)。
センサ101cが選択センサである時(図12の3行目)、センサ101bとセンサ101dが近接センサとなる。この時、センサ101c、センサ101bおよびセンサ101dの検知結果の内、センサ101dが異なる検知結果を示しているため、センサ101cの状態については、この実行周期では判定・更新を行わない。
センサ101dが選択センサである時(図12の4行目)、センサ101cとセンサ101eが近接センサとなる。この時、近接センサであるセンサ101cとセンサ101eの検知結果は等しい(同一の位置に物体を検知している)が、センサ101dは異なる検知結果を示している(異なる位置に物体を検知している)ため、センサ101dは故障であると判断する(図11のステップS105およびステップS106に相当)。
センサ101eが選択センサである時(図12の5行目)、センサ101dとセンサ101fが近接センサとなる。この時、センサ101e、センサ101dおよびセンサ101fはそれぞれ異なる検知結果を示しているため、センサ101eの状態についてはこの実行周期では判定・更新を行わない。
センサ101fが選択センサである時(図12の6行目)、センサ101eとセンサ101hが近接センサとなる。この時、センサ101f、センサ101eおよびセンサ101hはそれぞれ異なる検知結果を示しているため、センサ101fの状態についてはこの実行周期では判定・更新を行わない。
上記のように、地上信号装置105は、図11に示すセンサの故障検知処理を周期的に実行することにより、全センサのセンサ検知結果302を取得する。また、障害物位置303を作成する実行周期に合わせて処理することで、定期的にセンサの故障検知を行うことができる。
実施例1の特徴は、障害物検知用として軌道102に沿って一定間隔毎に設置されたセンサ101は、軌道102上の走行車両201を自らの障害物検知可能範囲501より広い範囲で検知可能である。そこで、実施例1では、センサ101により軌道102上を走行する車両201を検知し、検知したセンサの検知結果と複数の近接センサの検知結果とが一致するか否かを比較することによって、センサ101の故障を検知する。なお、センサ101の検知結果の比較方法については上記の方法のみに限定されるものではない。
また、実施例1では、センサ故障判定器107を地上信号装置105内に設置するが、これに限定されるものではない。例えば、車両201上の車上信号装置211または車両制御装置213等にセンサ故障判定器107を搭載して車両201上で各センサの検知結果を比較してセンサの故障検知を行ってもよい。なお、故障検知結果に基づく車両制御については、本発明の対象範囲外であるので、ここでは触れない。
このように、実施例1は、走行する車両を検知対象としてその検知結果からセンサの故障検知をすることから、地上側にリフレクタを設置してこのリフレクタを正しく認識するかでセンサ故障を行う従来の方法と比べて、常に同じ出力をする固定出力故障も検知することができる。
以上では、選択センサと対応する2つの近接センサにより、故障したセンサを検知し特定する方法を提示したが、選択センサと対応する1つの近接センサにより、故障したセンサの特定はできないまでも、少なくとも一方のセンサが故障であるとの検知(センサの故障発生の検知)は可能である。すなわち、選択センサと対応する1つの近接センサのそれぞれの検知結果が相違すれば、少なくとも一方のセンサが故障であると判断できることから、それを以て車両の運行を速やかに停止させるなどの措置を講じるようにする。そうすれば、最小限の車両の安全運行は担保されるという効果を奏することができる。したがって、3つのセンサ(選択センサと対応する2つの近接センサ)の検知結果の比較ができない事態が発生したとしても、最低限上記のように2つのセンサの検知結果の比較が可能であれば、実施例1に係る障害物回避システムを使用する車両運行においても運行の安全を確保することができる。
図1のように、センサ101による検知方向が車両201の進行方向と正対する方向に向けてセンサ101を設置することにより、車両201が各センサ101の障害物検知担当区間に進入する前に、車両201の接近によるセンサ101の検知結果に基づきセンサ101の故障検知が行われる。そして、センサ101が故障であると判断された場合には、地上信号装置105からの判断結果を受け取った車両制御装置213によって、車両201をセンサ101が故障している区間よりも手前で停車させることができるため、故障回復時も含め安全な走行制御を実行することができる。
また、センサ101が全方向について検知可能なデバイスである場合には、いずれの方向から進入する車両201に対しても、車両201が各センサ101の障害物検知担当区間に進入する前に、これらセンサ101の故障検知を行うことができる。
更に、実施例1により派生的に得られる機能として、図10で示したように、複数の近接センサが同一の位置に物体を検知する時には、この検知物体が車両であると判断することができるため、検知した位置を車両の位置情報として利用することができる。また、必要に応じて、別の検出手段により得た車両の位置情報との比較を通じてその位置情報の補正データとして利用することもできる。この機能は、地上信号装置、車上信号装置および車上制御装置のいずれかにより奏することができる。
本発明に係る実施例2は、実施例1と同様にセンサの故障検知を行う方法であるが、実施例1との相違点は、センサの故障検知のために各センサの検知結果に加えて車両制御装置から得られる車両在線位置を用いる点にある。
図13は、本発明の実施例2に係る障害物回避システムの構成図である。実施例2の構成も、図1の実施例1に係る障害物回避システムの構成を基本にしているので、実施例1と同じ構成要素については、同じ符号を付与してそのまま使用している。相違点は、新たに、位置情報伝送装置108を追加して点である。
また、実施例2の障害物回避システムが利用するデータについては、実施例1で利用するセンサ管理情報301(図2)、センサ検知結果302(図3)および障害物位置303(図4)以外に、新たに、図14に示す車両在線位置304を利用する。
図13に示す実施例2の構成要素の機能については、実施例1で説明した構成要素の機能に追加する形で説明を加え、実施例1と同じ機能を果たす構成要素については説明を省略する。
位置情報伝送装置108は、公知の、バリス(Balise;地上−車上間の情報伝送を行う装置を指す用語)およびトランスポンダ(Transponder)と呼ばれる装置であり、軌道102に沿ってセンサ101とは別に一定間隔で設置される。この位置情報伝送装置108は、自身の設置位置を距離程として保持し、車両201が通過する時に車上通信装置211を介して自身の設置位置を車両制御装置213に伝送する。
車両制御装置213は、実施例1で説明した車両制御に加えて、車両速度検出部212が検知した速度を積分して車両の走行距離を算出し、それを基に軌道102上における車両201の位置(距離程)を算出する。また、この算出した車両位置を、位置情報伝送装置108から受信した位置情報を基に補正する。そして、車両制御装置213は、この補正後の車両位置を車両在線位置304として一定時間ごとに出力し、車上通信装置211および地上通信装置103を介して地上信号装置105に送信する。
地上信号装置105は、各車両201が備える車両制御装置213から車両在線位置304を一定時間ごとに受信して、各車両201の車両在線位置304を保持する。そして、地上信号装置105は、この車両在線位置304を基に信号の制御を行う。対象としては、例えば、公知のCBTC(Communication Based Train Control)などの信号装置を想定する。
また、実施例2の障害物回避システムで用いるデータの内、実施例1で既に説明した、センサ管理情報301、センサ検知結果302および障害物位置303以外の車両在線位置304について説明する。
図14は、車両在線位置304のデータフォーマットである。車両在線位置304は、車両ごとに、そのID、車両の進行方向および車両の在線位置(距離程で表す)を記録したデータである。車両201の進行方向および在線位置は、この車両IDを付した車両が備える車両制御装置213によって算出される。車両在線位置304における在線位置は、車両201の進行方向における先端部分の位置を表す。
次に、車両在線位置304を利用したセンサの故障検知方法について、図15を用いて説明する。図15は、実施例2に係る車両検知の例を示した図である。
車両201がセンサ101aの車両検知可能範囲502に進入した時に、センサ101aは車両201を物体として検知する。センサ101aの検知結果は、地上信号装置105が障害物位置303として保持する。
また、地上信号装置105は、上記のとおり、軌道上の各車両の車両在線位置304を保持すると共に、各センサ101の設置位置をセンサ管理情報301が有するデータとして保持している。
実施例2では、車両在線位置304から得られた車両位置と同一の位置にセンサ101が車両に相当する物体を検知しているか否かを、車両在線位置304と障害物位置303を比較することによって判断する。そして、その判断結果を用いてセンサ101の故障を検知する。ただし、センサ101の検知距離の測定誤差、速度検出装置の測定誤差、距離程を算出する際の算術誤差などの各誤差を考慮し、車両在線位置304から得られた車両位置と障害物位置303とに差があっても、その差が前記誤差の許容範囲内であれば同一の位置と見なす。
図16は、実施例2によるセンサの故障検知処理の流れを示すフローチャートである。地上信号装置105は、このフローチャートに従った処理を一定時間を周期として実行する。
ステップS201で、地上信号装置105は、各車両制御装置213から車両在線位置304を取得する。
ステップS202で、地上信号装置105は、全センサ101のセンサ検知結果302を取得し、障害物位置303を作成し、その情報を保持する。
以下に示す処理については、各センサ101に対して行うことになる。
ステップS203で、地上信号装置105は、この実行周期で故障検知を行っていないセンサ101を1つ選択し、選択センサとする。
ステップS204で、地上信号装置105は、センサ管理情報301の設置位置および障害物検知担当区間から選択センサの設置位置と設置方向を特定する。ここで、車両在線位置304から得られる車両位置のうち、選択センサの設置方向にあってかつ選択センサの設置位置に最も近い車両201の車両位置を、比較対象の近接車両位置601とする。地上信号装置105は、センサ故障判定器107を用いて、この近接車両位置601と同一の位置に選択センサが物体を検知しているか否かを、近接車両位置601と選択センサの障害物位置303の検知物体位置とを比較することにより判定する。
選択センサが近接車両位置601と同一の位置に物体を検知している(近接車両位置601と障害物位置303の検知物体位置が一致する)場合には(Y)、ステップS205で、地上信号装置105は、選択センサは正常と判断する。
選択センサが近接車両位置601と同一の位置に物体を検知していない(近接車両位置601と障害物位置303の検知物体位置が一致しない)場合には(N)、ステップS206で、地上信号装置105は、選択センサの設置位置と前記車両201の在線位置との距離を算出し、算出した距離とセンサ管理情報301に記録された選択センサの車両検知可能距離とを比較する。
前記距離が車両検知可能範囲502以下である場合には(Y)、ステップS207で、地上信号装置105は、センサ故障判定器107を用いて、選択センサは故障と判断する。
前記距離が車両検知可能範囲502よりも大きい場合には(N)、ステップS208で、地上信号装置105は、センサ故障判定器107を用いて、選択センサは故障とまで断定できず未確定状態と判断する。
ステップS205およびステップS207の判断結果を受けて、ステップS209で、地上信号装置105は、選択センサに関するセンサ管理情報301の動作状態を更新する。
ステップS210で、地上信号装置105は、この実行周期において、全センサ101について故障検知を行ったか否かを判定する。全センサ101について故障検知を行っていない場合には(N)、地上信号装置105は、故障検知を行っていないセンサ101を再び選択するために、ステップS203に戻る。他方、全センサ101について故障検知を行った場合には(Y)、地上信号装置105は、この実行周期の処理を完了する。
次に、実施例2に係るセンサの故障検知処理による具体例を示す。図17は、車両位置が変化した3つの状況(状況1〜状況3)におけるセンサ検知結果を示した例である。データ941〜943は、各状況下での車両IDおよび近接車両位置601を表す。この例では、全センサの近接車両位置601は同一の車両位置である。データ951〜953は、各状況下でのセンサ101の設置位置と物体検知結果を表す(センサ管理情報301および障害物位置303から必要な情報のみを抜粋)。データ961〜963は、上記のセンサの故障検知処理によって判断された各センサ101の状態を表す。なお、この例では、全てのセンサ101の車両検知可能距離は200[m]である。
まず、状況1における判断結果について説明する。データ951より、センサ101aおよびセンサ101bは、データ941が示す近接車両位置601と同一の位置に車両に相当する物体を検知していることから、センサ101aおよびセンサ101bは正常と判断される(図16のステップS205に相当)。一方、センサ101cおよびセンサ101dは、データ941の近接車両位置601と同一の位置に車両に相当する物体を検知できない。これは、センサ101cおよびセンサ101dの設置位置と近接車両位置601との距離が車両検知可能距離より大きいためであるから、センサ101cおよびセンサ101dについては判断を行わない。そのため、センサ101cおよびセンサ101dの動作状態は、初期値である未確定状態を維持する(図16のステップS208に相当)。このように、状況1では、センサ101a〜センサ101dの動作状態の判断結果はデータ961のとおりで、地上信号装置105は、この結果を車両制御装置213に送信する。ただし、センサの動作状態が未確定状態であるセンサ101cおよびセンサ101dについては、その障害物検知担当区間を故障区間とみなして車両制御装置213に送信してもよい。これによって、より安全側に車両を制御することになる。
次に、状況2における判断結果について説明する。データ952より、センサ101a〜センサ101cは、データ942が示す近接車両位置601と同一の位置に車両に相当する物体を検知していることから、センサ101a〜センサ101cは正常と判断される(図16のステップS205に相当)。一方、センサ101dは、データ942が示す近接車両位置601と同一の位置に車両に相当する物体を検知できない。これは、センサ101dの設置位置と近接車両位置601との距離が車両検知可能距離より大きいためであるから、センサ101dについては判断を行わない。そのため、センサ101dの動作状態は、初期値である未確定状態を維持する(図16のステップS208に相当)。このように、状況2では、センサ101a〜センサ101dの動作状態の判断結果はデータ962のとおりで、地上信号装置105は、この結果を車両制御装置213に送信する。ただし、センサの動作状態が未確定状態であるセンサ101dについては、その障害物検知担当区間を故障区間とみなして車両制御装置213に送信してもよい。これによって、より安全側に車両を制御することになる。
最後に、状況3における判断結果について説明する。データ953より、センサ101a〜101cは、データ943が示す近接車両位置601と同一の位置に車両に相当する物体を検知していることから、センサ101a〜センサ101cは正常と判断する(図16のS205に相当)。一方、センサ101dは、データ943の近接車両位置601と同位置に車両に相当する物体を検知していない。また、センサ101dの設置位置と近接車両位置601との距離が車両検知可能距離以下である。したがって、センサ101dは故障と判断される(図16のステップS207に相当)。このように、状況3では、センサ101a〜センサ101dの動作状態の判断結果はデータ963のとおりで、地上信号装置105は、この結果を車両制御装置213に送信する。
以上に説明したように、実施例2は、車両制御装置213が算出した車両201の在線位置から得られた第1の車両位置と、センサ101が車両201を物体として検知した結果得られた第2の車両位置とを比較することによって、センサ101の故障検知を行うことが特徴である。なお、この第1と第2の車両位置を比較する方法については上記の方法に限定されず、他の比較方法を用いてもよい。
また、実施例1と同様に、センサ101の故障検知を行うセンサ故障判定器107は、地上信号装置105内に設置されることに限定されず、例えば、車両201上の車上信号装置211または車両制御装置213等にセンサ故障判定器107を搭載して、車両上で各センサの検知結果を比較して故障検知を行うようにしてもよい。
このように、実施例2は、実施例1と同様に、センサ方式の障害物回避システムとして、軌道102に沿って障害物を漏れなく検知できるように、障害物検知可能範囲502を間隔としてセンサ101を配置する。それにより、障害物検知に必要なセンサ数のみでセンサの故障検知機能を付加することができ、この故障検知のために新たなセンサを設ける必要はない。
次に、実施例2により得られる効果および実施例2に派生的に付加し得る機能について説明する。
まず、得られる効果として、地上信号装置が保持する車両在線位置を用いることにより、故障検知対象のセンサから見て車両から遠方に位置するセンサがこの車両を検知することを待つ必要がなく、故障検知対象のセンサと車両間の距離がより大きい段階で、対象となるセンサの故障検知を行うことができる。これにより、センサの故障時でも車両はその故障区間までにより余裕を持って減速することができるか、あるいは、より速い速度で走行する車両であってもその故障区間までに停車させることができる。
また、実施例1による複数センサの検知結果を比較する方法に加えて、実施例2による地上信号装置が保持する車両在線位置をセンサの検知結果と比較する方法も実施することによって、複数の手段から得た車両位置と故障検知対象のセンサから得た車両位置を比較することができ、より確実にセンサの故障検知を行うことができる。
そしてまた、複数のセンサが同一の車両を検知対象として異なる検知結果を出力する場合であっても、地上信号装置が保持する車両在線位置を利用することにより、正しい出力をしているセンサと誤った出力をしているセンサの判別を容易にすることができる。
派生的に付加し得る機能として、複数のセンサで同一の車両を検知しその車両位置を出力する場合、センサは正しい車両位置を検知していると判断できるので、地上信号装置が保持する車両在線位置と比較することにより地上信号装置が保持する車両在線位置が正しいかどうか判定することができる。これにより、車両制御装置および地上信号装置の故障検知を行うことが可能となる。
また、センサが物体を検知し、地上信号装置が前記センサの検知結果から障害物位置303の検知物体位置を算出した時、地上信号装置は自ら保持する車両在線位置304を基にこの検知物体位置に車両が存在するか確認する。これにより、センサが検知した物体が車両であるか否かを判断することもできる。
そしてまた、トランスポンダやバリスなどの位置情報伝送装置の代わりに、センサの車両検知結果を用いて車両制御装置が算出する車両位置を補正することができる。例えば、上記のように、地上信号装置が自ら保持する車両在線位置を基にセンサが検知した物体が車両であると判断できる場合、また、図6のように複数の近接センサが同一の検知物体位置を示す時、その検知物体は車両であると判断できる場合である。それらの場合には、検知物体位置から最も近い車両の車両制御装置に対して、この検知物体位置のデータを伝達し、それを基に車両制御装置は自らが算出した車両位置を補正することができる。
101(101a〜101g) … センサ
102 … 軌道
103 … 地上通信装置
104 … 第1通信線
105 … 地上信号装置
106 … 第2通信線
107 … センサ故障判定器
108 … 位置情報伝送装置
111 … 軌道基準点
201 … 車両
211 … 車上通信装置
212 … 速度検出装置
213 … 車両制御装置
301 … センサ管理情報
302 … センサ検知結果
303 … 障害物位置
304 … 車両在線位置
401 … 歩行者(障害物)
501 … 障害物検知可能範囲
502 … 車両検知可能範囲
503 … センサ設置間隔

Claims (9)

  1. 軌道に沿って一定間隔毎に設置し軌道上の障害物の有無を検知するセンサ群と、
    前記センサ群の検知信号に基づいて前記軌道を走行する車両を制御する該車両上の車両制御装置と
    を備える障害物回避システムであって、
    前記センサ群中の各センサは、上記障害物を検知可能な距離でかつ前記一定間隔に相当する第1の検知可能範囲および上記車両程度の大きさの物体を検知可能な距離でかつ前記第1の検知可能範囲より広い第2の検知可能範囲を有し、
    前記センサ群中の少なくとも2つ以上のセンサが検知する物体の位置を比較する判定手段を地上側装置または前記車両制御装置を含む車両側装置に設け、
    前記センサ群中の任意のセンサが、前記第1の検知可能範囲の範囲外でかつ前記第2の検知可能範囲内に存在する物体を検知した位置を第1の検知物体位置とし、
    前記任意のセンサに隣接または近接する前記センサ群中の1つ以上のセンサが、前記第2の検知可能範囲内に存在する前記物体を前記任意のセンサによる前記検知と同じタイミングで検知した位置の少なくとも1つを第2の検知物体位置とし、
    前記判定手段は、前記第1の検知物体位置と前記第2の検知物体位置が不一致である場合に、少なくとも一方の前記センサが故障であると判断し、当該判断結果を前記車両制御装置に通知する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  2. 請求項1に記載の障害物回避システムであって、
    前記任意のセンサに隣接または近接する前記センサ群中の2つのセンサが、前記第2の検知可能範囲内に存在する前記物体を前記任意のセンサによる前記検知と同じタイミングで検知した位置を前記第2の検知物体位置および第3の検知物体位置とし、
    前記判定手段は、前記第1から前記第3の3つの検知物体位置が一致する場合には少なくとも前記任意のセンサは正常であると判断し、前記第2および前記第3の2つの検知物体位置が一致し前記第1の検知物体位置が該一致する2つの検知物体位置と不一致である場合には前記任意のセンサは故障であると判断する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  3. 請求項2に記載の障害物回避システムであって、
    前記判定手段は、前記第1から前記第3の3つの検知物体位置の内で少なくとも2つ以上の検知物体位置が一致する場合には前記物体は車両であって、当該一致した検知物体位置は車両位置であると判断する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  4. 軌道に沿って一定間隔毎に設置し軌道上の障害物の有無を検知するセンサ群と、
    前記センサ群の検知信号に基づいて前記軌道を走行する車両を制御する該車両上の車両制御装置と
    を備える障害物回避システムであって、
    前記センサ群中の各センサは、上記障害物を検知可能な距離でかつ前記一定間隔に相当する第1の検知可能範囲および上記車両程度の大きさの物体を検知可能な距離でかつ前記第1の検知可能範囲より広い第2の検知可能範囲を有し、
    前記車両制御装置は前記車両の在線位置を算出する機能を有し、
    前記センサ群中の任意のセンサが検知した物体の位置と前記車両の在線位置とを比較する判定手段を地上側装置または前記車両制御装置を含む車両側装置に設け、
    前記任意のセンサが物体を検知した位置を検知物体位置とし、
    前記判定手段は、前記検知物体位置と当該検知物体位置に最も近い前記車両の在線位置が不一致である場合には前記センサが故障または故障とみなす判断をし、当該判断結果を前記車両制御装置に通知する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  5. 請求項4に記載の障害物回避システムであって、
    前記判定手段は、前記検知物体位置と当該検知物体位置に最も近い前記車両の在線位置が一致する場合には前記任意のセンサは正常であると判断し、前記検知物体位置と当該検知物体位置に最も近い前記車両の在線位置が不一致でかつ両方の位置間の距離が第2の検知可能範囲以下の場合には前記任意のセンサは故障であると判断する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  6. 請求項5に記載の障害物回避システムであって、
    前記判定手段は、前記検知物体位置と当該検知物体位置に最も近い前記車両の在線位置が一致する場合には前記検知した物体は車両であると判断する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  7. 請求項6に記載の障害物回避システムであって、
    前記車両制御装置は、自らが算出した前記車両の在線位置を、前記判定手段が前記検知した物体は車両であると判断した場合の前記検知物体位置を基に補正する
    ことを特徴する障害物回避システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の障害物回避システムであって、
    前記センサ群はミリ波レーダに代表される指向性を有するセンサで構成され、当該センサの検知方向を前記車両の進行方向と正対する方向に向けて前記センサ群を設置する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の障害物回避システムであって、
    前記軌道を走行する車両の外面に、前記センサが遠方から検知可能であるリフレクタを設置する
    ことを特徴とする障害物回避システム。
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