JP2017212329A - キャリアライフタイム測定装置およびキャリアライフタイムの測定方法 - Google Patents

キャリアライフタイム測定装置およびキャリアライフタイムの測定方法 Download PDF

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Hiromichi Yoshikawa
博道 吉川
中山 明
Akira Nakayama
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Abstract

【課題】 半導体基板のバルクライフタイムと表面再結合速度と吸収係数とを得ることのできるキャリアライフタイム測定装置およびキャリアライフタイムの測定方法を提供する。【解決手段】 光源部10は、半導体基板12の表面12aおよび裏面12bへ位相の異なる2つの光13a、13bを照射し、検出部30は、光を検出し、照射光強度およびその時間変化およびフォトルミネッセンス光15の強度および時間変化をそれぞれ計測し、演算部50は、第1フォトルミネッセンス光15aの最大値(PLmax)および最小値(PLmin)およびその差(ΔPL)を求め、強度比(PL/PLmax)を導き、(1)拡散方程式、(2)境界条件、(3)フォトルミネッセンス光の検出強度を求める式との間で、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数α、を導く。【選択図】 図3

Description

本発明は、キャリアライフタイム測定装置およびキャリアライフタイムの測定方法に関する。
半導体基板に特定波長の光を照射して励起されたキャリアの実効ライフタイムを測定する方法として、μ−PCD(Microwave-Photo-Conductivity Decay)法、QSSPC(Quasi-Steady-State Photo-Conductance)法、あるいはPL(Photo Luminescence)法等が知られている。
ここで、実効ライフタイムは、バルクライフタイムτbと表面再結合速度Sより決まる
ものである。この二つを分離して測定することで、結晶成長プロセスとセル化プロセスの最適化の指標を得ることができる。バルクライフタイムτbと表面再結合速度Sとの分離評価については、例えば、2波長のレーザーを使用する例が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
この特許文献1に開示されたキャリアライフタイムの測定方法は、半導体基板に発生する光導電率を測定するものである。このように、キャリアライフタイムの測定に波長の異なるレーザーを用いる場合には、一般的に、実効ライフタイムτeffが光励起キャリア密度Δn依存性を持つため、実効ライフタイムτeffを同じ光励起キャリア密度で測定
する必要がある。
一方、半導体基板に光を照射したときに発生するフォトルミネッセンス光(以下、PL光と記す場合がある。)を利用する方法が新たに提案されている(例えば、非特許文献1を参照。)。この非特許文献1に開示された技術は、半導体基板の表裏面から発生するPL光を利用し、半導体基板の実効ライフタイムτeffおよび光吸収係数αを求める技術である。
特開2013−145868号公報
ジェイ エイ ゲゼック(J. A. Giesecke),エム シー シューベルト(M. C. Schubert),エフ シンドラー(F. Schindler), and ダブリュー ワールタ(W. Warta),ハーモニカリ モデュレーティド ルミネッセンスブリッジング ギャップス イン キャリア ライフタイムメトロジー アクロス ザ ピイブイ プロッセッシングチェイン(" Harmonically Modulated Luminescence: Bridging Gaps in Carrier Lifetime Metrology Across the PV Processing Chain"), アイイーイーイー ジェイ フォトボルタイクス(IEEE J. PHOTOVOLTAICS), VOL. 5, NO. 1, 2015
ところが、特許文献1に開示された方法は、光導電率を測定して光励起キャリア密度を算出しているため、具体的には、異なる波長のレーザーを照射して、両者の光導電率の値が同じになるように、光源であるレーザーの照射強度を実験的に調整することが必要となり、繁雑な作業となり、半導体基板のバルクライフタイムτbと表面再結合速度Sと光吸
収係数αとを容易に得ることが困難であった。
次に、非特許文献1に開示された測定方法は、PL光が半導体基板から脱出する際に半導体基板の光吸収係数の影響を受けてしまうという欠点がある。
また、この非特許文献1に開示された方法は、レーザーとしては、1つの波長を用いるものであるため、この方法の場合、測定によって求めた実効ライフタイムτeffからバルクライフタイムτbと表面再結合速度Sとを分離して求めることができないものであり、この場合も、半導体基板のバルクライフタイムτbと表面再結合速度Sと光吸収係数αとを容易に得ることができないものであった。
従って本発明は、半導体基板のバルクライフタイムτbと表面再結合速度Sと光吸収係数αとを得ることのできるキャリアライフタイム測定装置およびキャリアライフタイムの測定方法を提供することにある。
本発明のキャリアライフタイムの測定装置は、光源部と、
検出部と、
演算部とを備え、半導体基板中に発生するキャリアのライフタイムを求めるキャリアライフタイム測定装置であって、前記光源部は、前記半導体基板の表面へ照射され、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第1の光、前記表面とは反対側の裏面へ照射され、前記第1の光に対して、前記照射強度の位相が180°ずれた第2の光、ならびに、前記半導体基板の前記表面のみへ照射され、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第3の光、のそれぞれを発生し、前記検出部は、第1検出部および第2検出部を有し、前記第1検出部は、前記第1の光、前記第2の光および前記第3の光のそれぞれを検出し、これらの照射光強度およびその時間変化をそれぞれ計測し、前記第2検出部は、前記第1の光および前記第2の光を前記半導体基板の前記表面および前記裏面のそれぞれに照射したときに発生する第1フォトルミネッセンス光、および前記半導体基板の前記表面のみに前記第3の光を照射したときに発生する第2フォトルミネッセンス光をそれぞれ検出し、それらの強度および時間変化をそれぞれ計測し、前記第1フォトルミネッセンス光の最大値(PLmax)および最小値(PLmin)を求め、前記最大値と前記最小値との間の差(ΔPL)を求め、前記最大値および前記差から強度比(PL/PLmax)を導き、前記第1検出部から得られる前記第1の光および前記第2の光の照射光強度が最大となる第1の時間、および前記第2検出部から得られる前記第1フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第2の時間を求めるとともに、前記第1の時間と前記第2の時間との差である時間遅れPSを導き、かつ、前記第1検出部から得られる前記第3の光の照射光強度が最大となる第3の時間および前記第2検出部から得られる前記第2フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第4の時間を求めるとともに、前記第3の時間と前記第4の時間との差を実効ライフタイム(τeff)として導き、前記演算部は、(1)拡散方程式、(2)境界条件、(3)フォトルミネッセンス光(PL光)の検出強度を求める式における、拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αに、任意の数値を入れて計算し、前記第2検出部から得られるPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果と、前記計算の結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを導くものである。
本発明のキャリアライフの測定方法は、半導体基板の表面に、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第1の光を照射するとともに、前記表面とは反対側の裏面に、前記第1の光に対して、位相が180°ずれた第2の光を照射し、前記第1の光および前記第2の光の照射光強度およびその時間変化をそれぞれ測定する第1の工程、該第1の工程に基
づき、前記半導体基板の前記表面から発生する第1フォトルミネッセンス光を検出するとともに、該第1フォトルミネッセンス光の強度およびその時間変化を測定する第2の工程、前記第2の工程より、前記第1フォトルミネッセンス光の最大値(PLmax)および最小値(PLmin)を求め、前記最大値と前記最小値との間の差(ΔPL)を求め、前記最大値および前記差から、強度比(PL/PLmax)を求める第3の工程、前記第1の工程および前記第2の工程より、前記第1の光および前記第2の光の照射光強度が最大となる第1の時間を求めるとともに、前記第3の工程より前記第1フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第2の時間を求め、前記第1の時間と前記第2の時間との差である時間遅れPSを求める第4の工程、前記半導体基板の前記表面に、第3の光を照射し、該第3の光の照射光強度およびその時間変化を測定し、前記第3の光の照射光強度が最大となる第3の時間を求める第5の工程、該第5の工程に基づき、前記半導体基板の前記表面から発生する第2フォトルミネッセンス光を検出するとともに、該第2フォトルミネッセンス光の強度およびその時間変化を測定し、前記第2フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第4の時間を求める第6の工程、前記第5の工程および前記第6の工程より、前記半導体基板において光励起されたキャリアの実効ライフタイムτeffを求める第7の工程、(1)拡散方程式、(2)境界条件、(3)フォトルミネッセンス光の検出強度を求める式における、拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αに、任意の数値を入れて計算し、前記第3の工程におけるPL/PLmax、前記第4の工程における時間遅れPSおよび前記第7の工程における実効ライフタイムτeffの結果と、計算結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数α、を求める第8の工程、とを具備するものである。
本発明によれば、バルクライフタイムτbと表面再結合速度Sおよび吸収係数αを得ることができる。
第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置の構成を示す模式図である。 第2実施形態のキャリアライフタイム測定装置の構成を示す模式図である。 本実施形態のキャリアライフタイムの測定方法を示すフローチャートである。 半導体基板の表面および裏面に光を照射したときにフォトルミネッセンス光が発生する状態を示す模式図である。 光吸収係数αを考慮しないとき(α=0)の照射変調波L1による単位体積当たりの光励起キャリアの発生率G1と照射変調波L2による光励起キャリアの発生率G2の時間依存性、ならびに光励起キャリアの発生率G1、G2から求められる光励起キャリア密度Δnの時間依存性を示したグラフである。 半導体基板に照射する光(照射変調波L1)の強度から光励起キャリアの発生率G1を変化させたときに得られる光励起キャリア密度Δnの変化を表したグラフである。 半導体基板に対して光吸収係数αを考慮し、照射する光(照射変調波L1)から光励起キャリアの発生率G1を変化させたときに得られる光励起キャリア密度Δnの変化を表すグラフである。 半導体基板の光吸収係数αを考慮した場合の光励起キャリアの発生率G1およびPL光の強度の変化を表すグラフである。 図8のピーク部分(P1)の拡大図である。 半導体基板の表面のみに光を照射したときにフォトルミネッセンス光が発生する状態を示す模式図である。 図10に示した光の照射方式における光励起キャリアの発生率G1およびPL光の強度IPLdetの変化を表したグラフである。 図11のピーク部分(P2)の拡大図である。 バルクライフタイムτbと時間遅れPSとの関係を示すグラフである。 バルクライフタイムτbと実効ライフタイムτeffとの関係を示すグラフである。 光吸収係数αとPL光の強度との関係を示すグラフである。
図1は、第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置の構成を示す模式図である。
第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置Aは、光源部10、検出部30、演算部50を備えている。ここで、図1では、説明の便宜上、検出部30内に測定対象である半導体基板(符号12)を置いた状態を示している。
光源部10は、図1に示すキャリアライフタイム測定装置Aの場合、第1の光源10aおよび第2の光源10bという2つの光源を有する。
光源部10を構成している第1の光源10aおよび第2の光源10bは、半導体基板12の表面12aおよび反対側の裏面12bに対し、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な光(以下、第1の光13a、第2の光13bという。)を照射する。
一方、第2の光源10bは、半導体基板12の表面12aとは反対側の裏面12bへ、第1の光13aに対して、照射強度の位相が180°ずれた光(以下、第2の光13bという。)を照射する。これら第1の光源10aおよび第2の光源10bは、半導体基板12の表面12aおよび裏面12bに同じ波長で第1の光13aおよび第2の光13bをそれぞれ照射する。ここで、同じ波長とは、波長差が20nm以下であることを言い、以下においても同じ波長という場合には、同様の波長差の範囲となる。
これら変調可能な光のことを照射変調波と言い、以下、第1の光13aを照射変調波L1、第2の光13bのことを照射変調波L2とする場合がある。
第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置Aでは、上記のように、第1の光源10aおよび第2の光源10bが半導体基板12の表面12aおよび裏面12bのそれぞれに、ほぼ同時に第1の光13a、第2の光13bを照射する場合の他、第1の光源10aのみを用いて、半導体基板12の表面12aだけに光(以下、第3の光13cという。)を照射するように各光源10a、10bを機能させる。
検出部30は、第1検出部30Aおよび第2検出部30Bを有する。図1では、第2検出部30Bは、半導体基板12の表面12a側に配置された点線枠の部分であり、この第2検出部30Bを除いた部分が第1検出部30Aである。
第1検出部30Aは、第1の光源10aおよび第2の光源10bから照射された光を検出し、計測する部分である。
第2検出部30Bは、半導体基板12から発生したフォトルミネッセンス光15を検出し、計測する部分である。
詳細には、第1検出部30Aは、第1の光源10aおよび第2の光源10bからそれぞれ発せられた第1の光13a、第2の光13bおよび第3の光13cを検出し、これらの光励起キャリアの発生率およびその時間変化、ならびにフォトルミネッセンス光とその時
間変化をそれぞれ計測する機能を有する。これにより実際の測定から、これら光励起キャリアの発生率および光励起キャリア密度Δnに由来する、強度比(PL/PLmax)、時間遅れPSおよび実効ライフタイムτeffを得ることができる。
このような特性を得るために、キャリアライフタイム測定装置Aは、以下のような構成となっているのが良い。
つまり、図1に示した第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置Aでは、2つの電力モニターダイオード30a、30bが、第1の光源10a側および第2の光源10b側にそれぞれ置かれている。
また、この検出部30Aには、第1の光源10aと半導体基板12の表面12aとの間にビームスプリッタ31aおよびミラー33aが配置されている。
また、第2の光源10bと半導体基板12の裏面12bとの間にはビームスプリッタ31bおよびミラー33bが配置されている。
第1の光源10aから照射された第1の光13aおよび第3の光13cは、半導体基板12の表面12aに照射されるが、一部は、第1の光源10a側に置かれたビームスプリッタ31aにより、電力モニターダイオード30aに取り込まれる。
一方、第2の光源10bから照射された第2の光13bは、半導体基板12の裏面12bに照射されると同時に、その一部は、第2の光源10b側でビームスプリッタ31bにより電力モニターダイオード30bに取り込まれる。
第2検出部30Bでは、半導体基板12の表面12a側から発生したフォトルミネッセンス光15は、光学フィルタ35を通過した後にフォトルミネッセンスダイオード37に検知される。第2検出部30Bは、フォトルミネッセンス光15の強度およびその時間変化を計測する機能を有する。
以下、フォトルミネッセンス光15については、第1の光13aおよび第2の光13bが半導体基板12の表面12aおよび裏面12bのそれぞれにほぼ同時照射されたときに発生するフォトルミネッセンス光15を第1フォトルミネッセンス光15aという場合がある。一方、第3の光13cが半導体基板12の表面12aのみに照射されたときに発生するフォトルミネッセンス光15を第2フォトルミネッセンス光15bとする場合がある。
演算部50は、基本的にコンピュータ60によって構成されており、詳細には、後述するように、下記に示す数1〜数4を用いたシミュレーションを行う部分である。
図2は、第2実施形態のキャリアライフタイム測定装置の構成を示す模式図である。図2に示すキャリアライフタイム測定装置Bは、上記したキャリアライフタイム測定装置Aとは異なり、第1の光源10aを一つ備えた構成であり、この一つの光源10aは、光の進行方向にビームスプリッタ31b、31cを備え、さらに、その光源10aは光の進行方向に位相回路39を備えた構成となっている。
この場合、第1の光源10aから照射された光13は、ビームスプリッタ31cによって2つの方向へ分けられる。一つは、そのまま、半導体基板12の裏面12bに照射される第2の光13bとなる。もう一方は、位相回路39によって180°位相をずらされた光(第1の光13a、第3の光13c)となって半導体基板12の表面12aに照射され
る。
第2実施形態のキャリアライフタイム測定装置Bからも第1実施形態のキャリアライフタイム測定装置Aと同様の精度で、ΔPL/PLma、時間遅れPSおよび実効ライフタイムτeffを求めることができる。
図3は、本実施形態のキャリアライフタイムの測定方法を示すフローチャートである。図3における符号は、M1:第1の工程、M2:第2の工程、M3:第3の工程、M4:第4の工程、M5:第5の工程、M6:第6の工程、M7:第7の工程、M8:第8の工程をそれぞれ示す。
第1の工程M1は、半導体基板12(この場合、表面12aおよび裏面12bの両面)に光(ここでは、第1の光13aおよび第2の光13bの少なくとも一方。)を照射し、その照射した光の挙動を測定する工程である。
第1の工程M1では、半導体基板12の表面12aに、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第1の光13aを照射すると同時に、その半導体基板12の表面12aとは反対側の裏面12bに、第1の光13aに対して、位相が180°ずれた第2の光13bを照射し、第1の光13aおよび第2の光13bに基づく照射光強度の時間変化(G1、G2)をそれぞれ測定する。ここで、第1の光13aおよび第2の光13bは、ともに、同じ波長を有する照射変調波である。
次に、第2の工程M2では、半導体基板12の表面12aおよび裏面12bにそれぞれ照射された第1の光13aおよび第2の光13bによって発生するフォトルミネッセンス光15(ここでは、第1フォトルミネッセンス光15aとなる。)の強度の時間変化(Δn1)を測定する。
次に、第3の工程M3および第4の工程M4は、半導体基板12から発生した第1フォトルミネッセンス光15aの挙動を測定する工程である。
第3の工程M3では、まず、第2の工程M2より発生した第1フォトルミネッセンス光15aの最大値(PLmax)および最小値(PLmin)を求め、次いで、最大値(PLmax)と最小値(PLmin)との間の差(ΔPL)を求める。さらに、最大値(PLmax)と差(ΔPL)とから、強度比(ΔPL/PLmax1)を求める。
次に、第4の工程M4は、第1の光源10aおよび第2n光源10bの少なくとも一方から照射された第1の光13aおよび第2の光13bの少なくとも一方の強度が最大となる時間と発生したフォトルミネッセンス光15aの強度が最大となる時間との差から、照射した第1の光13aおよび第2の光13bの少なくとも一方の光と発生したフォトルミネッセンス光15aとの間の時間遅れPSを求める工程である。
より具体的には、第4の工程M4では、まず、第1の工程M1および第2の工程M2より、第1の光13aおよび第2の光13bの少なくとも一方の照射光強度が最大となる第1の時間t1を求める。
一方で、第3の工程M3において求められた、第1フォトルミネッセンス光15aの強度が最大となる第2の時間t2を用いて、第1の時間t1と第2の時間t2との差(例えば、t1−t2)を時間遅れPS1として求める。第1の時間t1と第2の時間t2との差(t1−t2)は、図9に示している。
次に、第5の工程M5および第6の工程M6は、半導体基板12の表面12a側のみへ光(ここでは、第1の光13cとなる。)を照射し、その照射した第1の光13cおよび半導体基板12から発生したフォトルミネッセンス光(ここでは、第2フォトルミネッセンス光15bとなる。)を検出する工程である。
第5の工程M5では、半導体基板12の表面12a側だけに、第3の光13cを照射して、第3の光13cの照射光強度の時間変化(G3)を測定し、次いで、その第3の光13cの照射光強度が最大となる第3の時間t3を求める。
第6の工程M6では、第5の工程に基づき、半導体基板12の表面12aから発生する第2フォトルミネッセンス光15bを検出するとともに、その第2フォトルミネッセンス光15bの強度の時間変化(Δn2)を測定し、次いで、第2フォトルミネッセンス光15bの強度が最大となる第4の時間t4を求める。
そして、第7の工程M7では、第5の工程M5および第6の工程M6より求めた結果(第3の時間t3、第4の時間t4)から実効ライフタイムτeffを求める。第3の時間t3および第4の時間t4ならびにこれらの差については、図12に示している。
次に、図3に示した第8の工程M8について説明する。ここでは、上記第1〜7の工程M1〜M7によって得られたPL/PLmax、時間遅れPS[sec]および実効ライフタイムτeffから、半導体基板12のバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを数値計算により求める。この数値計算は図1および図2に示した演算部60が行う。
具体的には、演算部60において、下記に示す拡散方程式を示す式1、境界条件を示す式2、PL光の強度を示す式3および式4に対応するパラメータ(拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数α)に、それぞれ任意の数値を入れて計算する。この計算結果と第2検出部により得られたPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果とが一致するまで計算を繰り返す。
こうして、計算結果と第2検出部により得られたPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを容易に導くことができる。この場合、計算結果と第2検出部から得られた上記3つの結果とが一致したとは、それらの差がいずれも1%以内に入る場合とする。
次に、本実施形態のキャリアライフタイム測定装置A、Bおよびその測定方法からバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを計算機シミュレーションによって求める原理について詳細に説明する。以下、図5〜図15には、光励起キャリアについて種々のパラメータを考慮して得られた結果を示しているが、これらはデバイスシミュレータPC1Dを用いて得られたものである。
まず、上記した第1の工程M1から第4の工程M4に至る各工程からPL/PLmaxおよび時間遅れPS[sec]を求める方法について説明する。
図4は、半導体基板の表面および裏面に同じ波長を持つ光を照射したときにフォトルミネッセンス光が発生する状態を示す模式図である。
図4は、図1、2に示した光源部10から半導体基板12に光が照射され、発生したフ
ォトルミネッセンス光15を検出する検出部20の機能を説明している。以下、第1の光源10aから照射された第1の光13aのことを照射変調波L1とし、第2の光源10bから照射された第2の光13bのことを照射変調波L2として説明する。この場合も同じ波長とは、波長差が20nm以下であることを言う。また、照射変調波L1および照射変調波L2の照射によって半導体基板12から発生するフォトルミネッセンス光15のことをPL光15と略すことがある。なお、図4には、半導体基板12としてシリコン基板を用いた状態を示しているが、シリコン以外、主成分の異なる半導体基板12に対しても同様の結果が得られることは言うまでもない。
まず、図4に示しているように、半導体基板12の表面12aおよび裏面12bのそれぞれに、照射変調波L1および照射変調波L2を入射する。このとき半導体基板12の表面12a側から発生するPL光15を検出する。このような方法によって検出されるPL光15は、半導体基板12の光吸収率α、半導体基板12内におけるキャリアの発生位置から半導体基板12の表面(この場合、表面12a)までの距離(ほぼ厚みに相当)とが考慮されたものとなっている。
すなわち、本実施形態のキャリアライフタイムの測定方法は、半導体基板12の表面12a側から発生して検出されるPL光15aと、半導体基板12の裏面12b付近に発生し、その半導体基板12の中を表面12aまで移動してきて表面12a側から検出されるPL光15bとを検出するものである。このため、これら2つの照射変調波L1および照射変調波L2からそれぞれ得られる光励起キャリアは時間変化の挙動の異なったものとなって現れる。
図5は、光吸収係数αを考慮しないとき(α=0)の照射変調波L1による単位体積当たりの光励起キャリアの発生率G1と照射変調波L2による光励起キャリアの発生率G2の時間依存性、ならびに、光励起キャリアの発生率G1、G2から求められる光励起キャリア密度Δnの時間依存性を示したグラフである。なお、図5では、光励起キャリアの発生率G1、G2は、単位体積当たりの光励起キャリアの発生量に対応するため、光励起キャリアの密度として表している。横軸の規格化時間とは、光励起キャリアの発生率G1、G2が正弦関数および余弦関数の変化として1周期するときの時間を規格化したものである。
図5に示すグラフは、光励起キャリア密度Δnを含め、下記に示す式(1)からデバイスシミュレータPC1Dを使用して求めたものである。また、これらG1[1/cm・sec]、G2[1/cm・sec]およびΔn[1/cm]のグラフは、シミュレーションの際に得られた最大値を基準に規格化したものである。なお、図5に示すシミュレーションは、光吸収係数αをゼロ(α=0[1/cm])、照射する光の波長を808nmに設定して計算したものである。
図5からわかるように、照射変調波L1[W/cm]を正弦関数(sin関数)で表わすようにすると、照射変調波L2[W/cm]は余弦関数(cos関数)として表現されるものとなる。このため、半導体基板12における光励起キャリアの発生率G1、G2を加算した発生率は、時間に依存せず一定となるため、光励起キャリア密度Δn[1/cm]も一定となる。ここで、Δnは次式(1A)により与えられる。ただし、下記に
示す式(1A)におけるWは基板厚みである。
図5は、光励起キャリアの発生率G1、G2の時間依存性を示したものであるが、光吸収係数α=0のときの半導体基板12内での光励起キャリア密度Δnの変化を示したのが図6のグラフである。
図6は、半導体基板に照射する光(照射変調波L1)の強度から光励起キャリアの発生率G1を変化させたときに得られる光励起キャリア密度Δnの変化を表したグラフである。図6のグラフは、横軸が半導体基板12の厚み、縦軸は、光励起キャリアの発生率G1、G2から導かれる光励起キャリア密度Δnの厚み方向の変化である。図6では、光励起キャリアの発生率G1をG1/G1maxとして規格化した状態として表している。図6に示した光励起キャリア密度Δnのグラフは、G1/G1maxが0、0.5および1の場合である。
図6のグラフにおいて、半導体基板12の厚みz=0[μm]は、半導体基板12の表面12aの位置を表している。一方、基板厚みz=180[μm]は、半導体基板12の裏面12bの位置を表している。
図6からは、光励起キャリアの発生率G1(G1/G1max)が時間的に変化した際には、半導体基板12の厚み方向の各位置で、光励起キャリア密度Δnの変化が起こっていることがわかる。この場合、光励起キャリアの発生率G1を規格化したG1/G1maxが1のときには、光励起キャリア密度Δnは半導体基板12の表面12a側で最大となるが、裏面12b側では最低となる。一方、G1/G1maxが0のときには、光励起キャリア密度Δnは、半導体基板12の裏面12b側で最大となり、表面12a側で最低となる。G1/G1maxが0.5のときには、光励起キャリア密度Δnは、半導体基板12の表面12aから裏面12bまで、G1/G1maxが0の場合と1の場合の光励起キャリア密度Δnの中間値を取るようになる。
つまり、照射変調波L1によって発生する光励起キャリアの発生率G1の強度が時間的に変化すると、これに伴って、半導体基板12の表面12aから裏面12bに至る各位置において、光励起キャリア密度Δnが変化する。
次に、図7は、半導体基板に対して光吸収係数αを考慮し、照射する光(照射変調波L1)から光励起キャリアの発生率G1を変化させたときに得られる光励起キャリア密度Δnの変化を表すグラフである。グラフの横軸は、図6と同様、半導体基板12の厚みである。縦軸IPL(z)×exp(−α・z)は、PL光15の強度が半導体基板12の光吸収係数αおよび厚みzに依存することを表している。図7に示す結果は、半導体基板12の表面12a側(基板厚みz=0)にPL光15の検知器を配置した状態を想定したものである。
図7も図6と同様、光励起キャリアの発生率G1が時間的に変化した際には、半導体基板12の厚み方向の各位置において、PL光15の強度の変化が起こっていることを示している。この場合、図7では、半導体基板12の光吸収係数αおよびPL光15の検知器を半導体基板12の表面12a側(基板厚みz=0)に配置した影響を受けて、PL光15の強度は、総じて、半導体基板12の表面12a側(基板厚みz=0)に比べて、半導体基板12の裏面12b側(基板厚みz=180)で低くなっている。
これは、PL光15を半導体基板12の一方側のみ(この場合、表面12a側)で検出する条件では、半導体基板12の厚みに依存して、光吸収係数αの影響が大きくなることを表している。
図8は、半導体基板12の光吸収係数α(α=40)を考慮した場合の光励起キャリアの発生率G1およびPL光の強度の変化を表すグラフである。ここで、PL光の強度IPLdetは、光励起キャリア密度Δnが半導体基板12の厚みzとその時間変化tに依存する光吸収係数αを考慮した、下記に示す式3および式4により得られるものである。
図8に示しているように、この場合も光励起キャリアの発生率G1、G2は、図5に示した結果と同じような変化を示している。ところが、PL光15の強度を規格化させて表したIPLdetの変化に高低差(図8においてΔPL/PLmaxとして表した部分)が生じている。このIPLdetの高低差は半導体基板12の光吸収係数αに影響された結果として表れたものである。
図9は、図8のピーク部分(P1部)の拡大図である。図9は、光励起キャリアの発生率G1およびPL光15の強度IPLdetを規格化した状態として示したものである。この場合、光励起キャリアの発生率G1のピーク位置とPL光の強度IPLdetのピーク位置とがずれている。これはPL光15の強度IPLdetが最大に達する時間が光励起キャリアの発生率G1が最大となる時間よりも遅れてくることを表している。図9では、その差を時間遅れPS[sec]として表している。
このように、PL光15の強度IPLdetに半導体基板12の光吸収係数αが加味された場合には、PL光の強度IPLdetの高低差(PL/PLmax)とともに、PL光15の強度IPLdetが最大となる時間が光励起キャリアの発生率G1が最大となる時間よりも遅れるという状態が発生する。PL/PLmaxおよび時間遅れPS[sec]は、半導体基板12の光吸収係数αによって変化するものとなっている。
次に、上記した第5の工程M5から第7の工程M7から実効ライフタイムτeffを求め
る方法について説明する。この場合、上記した第1の工程M1から第4の工程M4の場合とは異なり、実効ライフタイムτeffは、照射変調波L1を半導体基板12の表面12a側のみに照射して得られる光励起キャリアおよびPL光の強度から得られる。
図10は、半導体基板の表面のみに光を照射したときにフォトルミネッセンス光が発生する状態を示す模式図である。ここでは、第1の光源10aから照射された第3の光13cのことを照射変調波L3として表している。
図11は、図10に示した光の照射方式において、半導体基板12の光吸収係数αを考慮した場合の光励起キャリアの発生率G1およびPL光の強度IPLdetの変化を表すグラフである。図12は、図11のピーク部分(P2)の拡大図である。この場合も、図8に対応するように、半導体基板の光吸収係数α(例えば、α=40)を考慮した状態となっている。
図11および図12からわかるように、半導体基板12の表面12aのみに光を照射した場合においても光励起キャリアの発生率G1のピーク位置とPL光の強度IPLdetのピーク位置とがずれている。つまり、この場合も、PL光の強度IPLdetが最大に達する時間が光励起キャリアの発生率G1が最大となる時間よりも遅れている。図12に示した時間差(t3−t4)が実効ライフタイムτeffとなる。
このように、半導体基板12の表面12aのみに光を照射して得られるPL光15からは、光励起キャリアの発生率G1が最大となる時間とPL光の強度IPLdetが最大に達する時間との差を実効ライフタイムτeffとして求めることができる。
次に、上記工程により得られたPL/PLmax、時間遅れPS[sec]および実効
ライフタイムτeffから、半導体基板12のバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを数値計算により求める。
この場合、下記に示す拡散方程式を示す式1、境界条件を示す式2、PL光の強度を示す式3および式4に対応するパラメータ(拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数α)に、それぞれ任意の数値を入れて計算する。
次に、この計算結果と第2検出部により得られたPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果とが一致するまで計算を繰り返す。
こうして、計算結果と第2検出部により得られたPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを導く。これにより、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび光吸収係数αを決定することができる。この場合も、計算結果と第2検
出部から得られた上記3つの結果とが一致したとは、それらの差がいずれも1%以内に入る場合とする。
なお、拡散方程式を表す式1は、
である。この場合、Dは半導体基板12の光励起キャリアの拡散係数[cm/sec]である。
半導体基板12の表面12a(z=0)および裏面12b(z=d)における境界条件を表す式2は、
である。
PL光の強度IPL/det(t)は、
である。これは、微分方程式を数値解析的に解いて得られた光励起キャリア密度Δn(z, t)に対して、検知器に届くPL光15に光吸収係数αを考慮したものとなっている。但し
、式3中のIPL(z/t)は、次の式4で表される。ここで、Cは装置定数、Nはド
ーピング濃度[1/cm]である。
以下、具体例を示す。半導体基板12としてシリコン基板を用い、波長808(nm)の光を照射した場合に、実効ライフタイムτeff=1.5[μsec]、時間遅れPS=
0.41[μsec]およびΔPL/PLmax=0.82が得られると仮定し、これら
の値に対して、上記した方法により計算機によるシミュレーションを適用した。その結果、半導体基板12の光吸収係数α=40[1/cm]、バルクライフタイムτb=10[
μsec]、表面再結合速度S=104[cm/sec]の計算結果が得られた。
以下、第8の工程M8に基づいて行った計算機シミュレーションから得られた各パラメータの結果の一例を示す。
図13は、バルクライフタイムτbと時間遅れPSとの関係を示すグラフである。図13は、表面再結合速度Sが10[cm/sec]および10[cm/sec]の場合である。図13では、表面再結合速度Sが10[cm/sec]の条件において、時間遅れが0.42[μs]のとき、バルクライフタイムτbが10[μs]となるが、表面再結合速度Sが10[cm/sec]の条件においては、バルクライフタイムτbが10[μs]となるのは、時間遅れが0.25[μs]まで低下したときである。
図14は、バルクライフタイムτbと実効ライフタイムτeffとの関係を示すグラフである。図14の場合も、表面再結合速度Sは10[cm/sec]および10[cm/sec]である。図14では、表面再結合速度Sが10[cm/sec]の条件において、実効ライフタイムτeffが1.5[μs]のときに、バルクライフタイムτbが10[μs]となっているが、表面再結合速度Sが10[cm/sec]の条件においては、バルクライフタイムτbが10[μs]となるのは、実効ライフタイムτeffが
0.96[μs]と低下したときである。
図15は、光吸収係数αとPL光の強度との関係を示すグラフである。この場合、PL光15の強度は最大値で規格化したPL/PLmax値を用いている。図15も、表面再結合速度Sは10[cm/sec]および10[cm/sec]である。また、バルクライフタイムτbを1[μs]および10[μs]の2点で変化させている。図15では、表面再結合速度Sが10[cm/sec]、バルクライフタイムτbが10[μs]の条件において、規格化したPL/PLmaxが0.82のとき、光吸収係数αは40[1/cm]となる。
これに対し、表面再結合速度Sが10[cm/sec]かつバルクライフタイムτbが1[μs]の条件、表面再結合速度Sが10[cm/sec]かつバルクライフタイムτbが1[μs]の条件および表面再結合速度Sが10[cm/sec]かつバルクライフタイムτbが10[μs]の条件では、いずれも規格化したPL/PLmaxが0.82のときに、光吸収係数αが40[1/cm]となっていない。
このように、本実施形態のキャリアライフタイムの測定装置および測定方法によれば、PL/PLmax、時間遅れPS[sec]および実効ライフタイムτeffから、半導体基板12のバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを相互に収束
した値として導くことができる。
10:光源部
10a:第1の光源
10b:第2の光源
12:半導体基板
12a:表面
12b:裏面
13a:第1の光
13b:第2の光
15:フォトルミネッセンス光(PL光)
15a:第1フォトルミネッセンス光
15b:第2フォトルミネッセンス光
30:検出部
30A:第1検出部
30B:第2検出部
30a、30b:電力モニターダイオード
31a、31b:ビームスプリッタ
33a、33b:ミラー
35:光学フィルタ
37:フォトルミネッセンスダイオード
39:位相回路
50:演算部
60:コンピュータ
L1、L2:照射変調波

Claims (7)

  1. 光源部と、
    検出部と、
    演算部とを備え、半導体基板中に発生するキャリアのライフタイムを求めるキャリアライフタイム測定装置であって、
    前記光源部は、前記半導体基板の表面へ照射され、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第1の光、前記表面とは反対側の裏面へ照射され、前記第1の光に対して、前記照射強度の位相が180°ずれた第2の光、ならびに、前記半導体基板の前記表面のみへ照射され、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第3の光、のそれぞれを発生し、前記検出部は、第1検出部および第2検出部を有し、
    前記第1検出部は、前記第1の光、前記第2の光および前記第3の光のそれぞれを検出し、これらの照射光強度およびその時間変化をそれぞれ計測し、
    前記第2検出部は、前記第1の光および前記第2の光を前記半導体基板の前記表面および前記裏面のそれぞれに照射したときに発生する第1フォトルミネッセンス光、および前記半導体基板の前記表面のみに前記第3の光を照射したときに発生する第2フォトルミネッセンス光をそれぞれ検出し、それらの強度および時間変化をそれぞれ計測し、前記第1フォトルミネッセンス光の最大値(PLmax)および最小値(PLmin)を求め、前記最大値と前記最小値との間の差(ΔPL)を求め、前記最大値および前記差から強度比(PL/PLmax)を導き、
    前記第1検出部から得られる前記第1の光および前記第2の光の照射光強度が最大となる第1の時間、および前記第2検出部から得られる前記第1フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第2の時間を求めるとともに、前記第1の時間と前記第2の時間との差である時間遅れPSを導き、
    かつ、前記第1検出部から得られる前記第3の光の照射光強度が最大となる第3の時間および前記第2検出部から得られる前記第2フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第4の時間を求めるとともに、前記第3の時間と前記第4の時間との差を実効ライフタイム(τeff)として導き、
    前記演算部は、(1)拡散方程式、(2)境界条件、(3)フォトルミネッセンス光(PL光)の検出強度を求める式における、拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αに、任意の数値を入れて計算し、
    前記第2検出部から得られるPL/PLmax、時間遅れPSおよび実効ライフタイム(τeff)の結果と、前記計算の結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αを導くものであることを特徴とするキャリアライフタイム測定装置。
  2. 前記光源部は、前記第1の光および前記第3の光を発生させる第1の光源と、前記第2の光を発生させる第2の光源とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のキャリアライフタイム測定装置。
  3. 第1の光、前記第2の光および前記第3の光は、同じ波長を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリアライフタイム測定装置。
  4. 前記光源部は、光源を一つ備えていることを特徴とする請求項1に記載のキャリアライフタイム測定装置。
  5. 前記光源部は、光の進行方向にビームスプリッタを備えていることを特徴とする請求項4に記載のキャリアライフタイム測定装置。
  6. 前記光源部は、光の進行方向に位相回路を備えていることを特徴とする請求項3に記載
    のキャリアライフタイム測定装置。
  7. 半導体基板の表面に、照射強度がゼロからピークを持つ変調可能な第1の光を照射するとともに、前記表面とは反対側の裏面に、前記第1の光に対して、位相が180°ずれた第2の光を照射し、前記第1の光および前記第2の光の照射光強度およびその時間変化をそれぞれ測定する第1の工程、
    該第1の工程に基づき、前記半導体基板の前記表面から発生する第1フォトルミネッセンス光を検出するとともに、該第1フォトルミネッセンス光の強度およびその時間変化を測定する第2の工程、
    前記第2の工程より、前記第1フォトルミネッセンス光の最大値(PLmax)および最小値(PLmin)を求め、前記最大値と前記最小値との間の差(ΔPL)を求め、前記最大値および前記差から、強度比(PL/PLmax)を求める第3の工程、
    前記第1の工程および前記第2の工程より、前記第1の光および前記第2の光の照射光強度が最大となる第1の時間を求めるとともに、前記第3の工程より前記第1フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第2の時間を求め、前記第1の時間と前記第2の時間との差である時間遅れPSを求める第4の工程、
    前記半導体基板の前記表面に、第3の光を照射し、該第3の光の照射光強度およびその時間変化を測定し、前記第3の光の照射光強度が最大となる第3の時間を求める第5の工程、
    該第5の工程に基づき、前記半導体基板の前記表面から発生する第2フォトルミネッセンス光を検出するとともに、該第2フォトルミネッセンス光の強度およびその時間変化を測定し、前記第2フォトルミネッセンス光の強度が最大となる第4の時間を求める第6の工程、
    前記第5の工程および前記第6の工程より、前記半導体基板において光励起されたキャリアの実効ライフタイムτeffを求める第7の工程、
    (1)拡散方程式、(2)境界条件、(3)フォトルミネッセンス光の検出強度を求める式における、拡散係数D、拡散係数G(z,t)、バルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数αに、任意の数値を入れて計算し、
    前記第3の工程におけるPL/PLmax、前記第4の工程における時間遅れPSおよび前記第7の工程における実効ライフタイムτeffの結果と、計算結果とが一致したときのバルクライフタイムτb、表面再結合速度Sおよび吸収係数α、を求める第8の工程、とを具備することを特徴とするキャリアライフタイムの測定方法。
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