JP2017212102A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い容量を有する非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】フルオロスルホニルイミド化合物と、スルホン化合物とを含む非水電解液と、波長532nmのアルゴンレーザーで励起させたときのラマンスペクトルの強度比R(1350cm-1のピーク強度/1580cm-1のピーク強度)が0.1≦R≦0.5である炭素材料を含む負極を構成材料とすることを特徴とする非水電解液二次電池である。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池といった非水電解液二次電池は、スマートフォンやパーソナルコンピューター用の電源、さらには自動車用電源として用いられている。これらの用途に使用される電池では、高出力化、高エネルギー密度化、サイクル特性やレート特性の改善といった各種特性の向上を目的として、様々な検討が重ねられている。
従来のリチウムイオン電池は、電解液の溶媒として、エチレンカーボネートのような環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネートが主に使用されてきた。このうち、エチレンカーボネートは黒鉛負極上で分解することにより、SEIと呼ばれる保護皮膜を形成し、負極へのLiイオンの脱挿入を可能にすることが知られており、炭素系負極を用いた一般のリチウムイオン電池においては必須の成分とされている。
ところで、スルホランは高誘電率でありかつ電気化学的にも安定で高い沸点を有していることから、非水電解液の溶媒として用いることにより、電池の性能向上に寄与することが期待される。しかしながらスルホランは炭素負極上で分解しやすく、主溶媒として用いると充放電時の容量が小さくなることが知られている。
例えば、特許文献1においては、炭素材料を活物質とする負極とリチウム金属複合酸化物を活物質とする正極とからなる非水電解液二次電池において、非水電解液の溶媒としてスルホランとエチルメチルカーボネートの混合溶媒を用いることにより、ジメチルカーボネートを使用するよりもサイクル特性が改善することが開示されている。しかしながらさらなるサイクル特性の改善の余地があった。また、エチルメチルカーボネートと併用することにより、スルホランが元来持っている電気化学的な安定性や高い沸点という特性を十分に発揮できていない。
また、特許文献2においては、非水溶媒全体に対して10〜70体積%の環状スルホン化合物及び不飽和結合を有するカーボネート、ハロゲン原子を有するカーボネート、モノフルオロリン酸塩およびジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有することを特徴とする非水系電解液が、高容量、高電流密度での特性を改善できることが開示されている。しかしながら、環状スルホン化合物:エチルメチルカーボネート=3:7の溶媒を用いており、スルホラン化合物の特性を十分に発揮できておらず、改善の余地があった。また、添加剤としてビニレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネートを用いていることから、低温特性の低下という問題もあった。
特開2000−12078号公報 特開2008−269980号公報
本発明は上記状況の下、高い容量を有する非水電解液二次電池を提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決し得た本発明は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物と、
Figure 2017212102

(一般式(1)中、M+はアルカリ金属イオンを表し、Xはフッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
下記一般式(2)で表されるスルホン化合物とを含む非水電解液と、
Figure 2017212102

(一般式(2)中、R1およびR2は、同一または異なって、1価または2価の飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、R1およびR2は結合して環を形成していてもよい。)
波長532nmのアルゴンレーザーで励起させたときのラマンスペクトルの強度比R(1350cm-1のピーク強度/1580cm-1のピーク強度)が0.1≦R≦0.5である炭素材料を含む負極を構成材料とすることを特徴とする非水電解液二次電池である。
上記非水電解液が、上記一般式(2)で表されるスルホン化合物を非水電解液の溶媒100質量%中、60質量%以上含むことが好ましい。
本発明の非水電解液二次電池には、比誘電率が30〜100である溶媒をさらに含んでいてもよい。
本発明では、フルオロスルホニルイミド化合物と、スルホン化合物とを含む非水電解液と、特定のR値を有する負極とを組み合わせたことで、容量が向上した非水電解液二次電池を提供することができた。
本発明の非水電解液二次電池は、上記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物(1)と、上記一般式(2)で表されるスルホン化合物とを含む非水電解液と、波長532nmのアルゴンレーザーで励起させたときのラマンスペクトルのR値(1350cm-1のピーク強度/1580cm-1のピーク強度)が0.1≦R≦0.5である炭素材料を含む負極を構成材料とするところに特徴を有する。一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物は、LiTFSI等のイミド化合物と比較して分子サイズが小さく、形成されるコンタクトイオンペアのサイズも小さくなると考えられる。また一般式(2)で表されるスルホン化合物は通常リチウムイオン電池に用いられるカーボネート系溶媒とは異なる配位状態をとると考えられる。このようにフルオロスルホニルイミド化合物とスルホン化合物とを含む非水電解液中では、リチウムイオンやナトリウムイオン(以下、リチウムイオンで代表することがある)は他のイミド化合物や溶媒の使用時とは異なる配位状態にあると考えられる。
一方、炭素系負極へのリチウムイオン挿入時には、リチウム塩に配位している溶媒やアニオンが脱離するが、通常の電解質塩を用いた場合は、炭素系負極へのリチウムイオンの挿入時に溶媒が脱離せず、共挿入が起こり、炭素系負極の破壊が生じると言われている。そのため、炭素系負極を用いる際には、エチレンカーボネート等のSEIを形成する溶媒を併用し、溶媒やアニオンの共挿入を抑制することによって、リチウムイオンの脱挿入を可能としている。本発明の非水電解液は、リチウムイオンが通常のイミド化合物や溶媒とは異なる配位状態にあるため、エチレンカーボネートを必要とすることなく、リチウムイオンを炭素系負極に対して良好に脱挿入でき、良好な容量およびサイクル特性を示すと考えられる。
このとき、炭素系負極を構成する炭素材料の強度比Rが後述する特定の範囲にあると、電池としての性能(特に容量)が向上することが、本発明者らにより見出された。以下、本発明の非水電解液二次電池について詳細に説明する。
1.非水電解液
本発明で用いる非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物と、下記一般式(2)で表されるスルホン化合物を含むところに特徴を有している。
1−1.フルオロスルホニルイミド化合物
本発明で用いる非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物(フルオロスルホニルイミド化合物(1)と称する場合がある。)を含む。
Figure 2017212102
(一般式(1)中、M+はアルカリ金属イオンを表し、Xはフッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
炭素数1〜6のフルオロアルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素で置換されたものである。フルオロアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、又はこれらの内2以上の構造を合わせ持ったものでもよいが、直鎖状、又は分岐状のフルオロアルキル基が好ましく、直鎖状のフルオロアルキル基がより好ましい。具体的なフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオロペンチル基、フルオロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、及び炭素数1〜3のフルオロアルキル基がXとして好ましい。
一般式(1)中、M+で表されるアルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンが好ましく、より好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオンであり、さらに好ましくはリチウムイオンである。
具体的なフルオロスルホニルイミド化合物(1)としては、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド等のフルオロスルホニルイミドのリチウム塩;ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ナトリウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ナトリウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ナトリウム(フルオロスルホニル)(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド等のフルオロスルホニルイミドのナトリウム塩;カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、カリウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、カリウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、カリウム(フルオロスルホニル)(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミド等のフルオロスルホニルイミドのカリウム塩;等が挙げられる。好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ナトリウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミドであり、より好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミドである。
本発明の非水電解液には1種のフルオロスルホニルイミド化合物(1)が単独で含まれていてもよく、また、2種以上のフルオロスルホニルイミド化合物(1)が含まれていてもよい。また、フルオロスルホニルイミド化合物(1)は、市販品を使用してもよいし、従来公知の方法により合成した物を用いてもよい。
1−2.他の電解質塩
本発明の非水電解液は、さらに、他の電解質塩を含んでいてもよい。他の電解質塩としては非水電解液二次電池の電解質塩として通常用いられるものを使用することができる。好ましい電解質塩はリチウム塩およびナトリウム塩である。
好適なリチウム塩の例は、LiPF6、LiPF3(CF2CF33、LiBF4、Li[C242B:LiBOB、Li(CF3SO22N:LiTFSI、Li(C25SO22N:LiBETI、LiC24BF2:LiDFOB、LiC24B(CN)2、LiC24B(CN)F、LiSCN、LiCF3SO3、LiAlF4、LiClO4、LiN(NO22、LiB1212-xx等が挙げられる。好ましいリチウム塩として、LiPF6、LiBF4、LiTFSI、LiBETI、LiBOB、LiDFOB等が挙げられる。さらに好ましくは、LiPF6、LiBF4、LiBOB、LiDFOBである。
好適なナトリウム塩としては、ナトリウムイオン二次電池の電解質塩として用いられるナトリウム塩を使用することができる。ナトリウム塩の具体例としては、NaPF6、NaPF3(CF2CF33、NaBF4、Na(CF3SO22N(NaTFSI)、Na(C25SO22N(NaBETI)等が挙げられる。好ましいナトリウム塩としては、NaPF6、NaBF4、NaTFSI等である。これらの他の電解質塩は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
1−3.フルオロスルホニルイミド化合物(1)の量
本発明の非水電解液では、フルオロスルホニルイミド化合物(1)の含有量が、フルオロスルホニルイミド化合物(1)と他の電解質塩との合計100mol%中、20mol%以上であることが好ましい。より好ましくは40mol%以上、さらに好ましくは60mol%以上、特に好ましくは80mol%以上である。フルオロスルホニルイミド化合物(1)を100mol%用いるのも好ましい形態の一つである。また、非水電解液中の電解質塩の濃度(フルオロスルホニルイミド化合物(1)と他の電解質塩との合計の濃度)は、0.6mol/L以上であるのが好ましく、より好ましくは0.8mol/L以上であり、さらに好ましくは1.0mol/L以上であり、6.0mol/L以下であるのが好ましく、より好ましくは5.0mol/L以下であり、さらに好ましくは3.0mol/L以下であり、最も好ましくは2.0mol/L以下である。非水電解液中の電解質塩の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が上昇してイオン伝導度が低下する虞がある。一方、濃度が低すぎると電池性能が劣る場合がある。
1−4.スルホン化合物
本発明の非水電解液には、下記一般式(2)で表されるスルホン化合物が含まれる(以下、スルホン化合物(2)と称する場合がある。)。このスルホン化合物(2)は、非水電解液の溶媒100質量%中、60質量%以上であることが好ましい。
Figure 2017212102
(一般式(2)中、R1およびR2は、同一または異なって、1価または2価の飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、R1およびR2は結合して環を形成していてもよい。)
一般式(2)において、R1とR2が1価の飽和脂肪族炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基である場合にはスルホン化合物(2)は鎖状のスルホン化合物であり、R1とR2が2価の飽和脂肪族炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基である場合にはスルホン化合物(2)は環状のスルホン化合物となる。1価の飽和脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜8であることが好ましい。R1、R2は、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。R1、R2が1価の芳香族炭化水素基の場合には、炭素数は6〜14であることが好ましい。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などを挙げることができる。また、R1、R2の水素の一部がハロゲン原子で置換されている場合は、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
鎖状のスルホン化合物(2)の具体例としては、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジブチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、メチルイソプロピルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジベンジルスルホン、ベンジルフェニルスルホン、ジキシリルスルホン、メチルフェニルスルホン、エチルフェニルスルホン、ベンジルメチルスルホン、ベンジルエチルスルホン、ジフルオロメチルフェニルスルホン、ジフルオロフェニルメチルスルホン、エチニル−p−トリルスルホン、4−フルオロフェニルメチルスルホン等が挙げられる。
一般式(2)においてR1とR2が互いに結合して環状構造を形成し、スルホン化合物(2)が環状スルホン化合物である場合は、環状構造は炭化水素基であることが好ましい。より好ましくは、炭素数3〜8のアルキレン基であることが好ましい。この場合の炭素数とは、R1とR2が互いに結合した環状構造の炭素数を意味する。より好ましくは、炭素数3〜6のアルキレン基であり、最も好ましくは炭素数4のアルキレン基、すなわちテトラメチレン基である。上記2価の飽和脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。上記ハロゲン原子のうち、最も好ましいハロゲン原子はフッ素原子である。アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、好ましくはフッ素原子で置換された炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜2がより好ましい。
環状スルホン化合物(2)の具体例としては、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−エチルスルホラン、3−エチルスルホラン、3−プロピルスルホラン、3−ブチルスルホラン、3−ペンチルスルホラン、3−イソプロピルスルホラン、3−イソブチルスルホラン、3−イソペンチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、2−フェニルスルホラン、3−フェニルスルホラン、ジベンゾスルホラン等のスルホラン化合物;3−スルホレン、3−メチルスルホレン等の二重結合を有する環状スルホン等が挙げられる。
上記スルホン化合物(2)の中でも、より好ましくは、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、メチルエチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホランであり、さらに好ましくは、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、スルホランである。上記スルホン化合物(2)は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、スルホランの比誘電率は43.3である。
上記スルホン化合物(2)は、本発明の非水電解液中の濃度が30質量%〜95質量%の範囲で用いるのが好ましい。より好ましくは35質量%〜92質量%、さらに好ましくは40質量%〜90質量%の範囲で用いるのが好ましい。スルホン化合物(2)の使用量が少なすぎるときには、電解液の粘度が上昇し十分なイオン伝導度が得られず、電池として十分な性能が得られない。一方、多量にスルホン化合物(2)を使用すると、電解液中の電解質塩濃度が低下し、十分な電池性能が得られない虞がある。
1−5.溶媒
本発明で用いる非水電解液は、スルホン化合物(2)を溶媒として用いているため、他の溶媒は不要であるが、従来公知のカーボネート系溶媒及びカーボネート系溶媒以外の非水系溶媒や、ポリマー及びポリマーゲル等の媒体等、電池に用いられる従来公知の溶媒も使用してもよい。
カーボネート系溶媒としては、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル(エチルメチルカーボネート)、炭酸ジエチル(ジエチルカーボネート)、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、2,3−ジメチル炭酸エチレン(炭酸2,3−ブタンジイル)、炭酸1,2−ブチレン及びエリスリタンカーボネート等の飽和環状炭酸エステル類;炭酸ビニレン、メチルビニレンカーボネート(MVC;4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、エチルビニレンカーボネート(EVC;4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、2−ビニル炭酸エチレン(4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)及びフェニルエチレンカーボネート(4−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)等の不飽和結合を有する環状炭酸エステル類;フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート及びトリフルオロプロピレンカーボネート等のフッ素含有環状炭酸エステル類が挙げられる。
また、その他の溶媒としては、比誘電率が大きく、電解質塩の溶解性が高く、沸点が60℃以上であり、且つ、電気化学的安定範囲が広い溶媒が好適である。より好ましくは、含有水分量が低い有機溶媒(非水系溶媒)である。このような有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、バレロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、N−メチルピロリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。
これらの溶媒の中でも、比誘電率が30〜100の範囲にあるものが特に好ましく、このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。
上記スルホン化合物(2)以外の溶媒は、スルホン化合物(2)とスルホン化合物(2)以外の溶媒の合計100質量%中、70質量%以下であることが好ましい。より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下であり、最も好ましくは40質量%以下である。また、体積比率で好ましい範囲を述べれば、上記スルホン化合物(2)以外の溶媒は、スルホン化合物(2)とスルホン化合物(2)以外の溶媒の合計100体積%中、70体積%以下であることが好ましい。より好ましくは60体積%以下であり、さらに好ましくは50体積%以下であり、最も好ましくは40体積%以下である。
ポリマーやポリマーゲルを用いる場合は次の方法を採用すればよい。すなわち、従来公知の方法で成膜したポリマーに、上述の非水系溶媒に電解質塩等を溶解させた溶液を滴下して、電解質塩並びに非水系溶媒を含浸、担持させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質塩とを溶融、混合した後、成膜し、ここに非水系溶媒を含浸させる方法;モノマー、電解液及び重合開始剤を混合した溶液を用いて電池を作製後、熱によりモノマー重合する方法、モノマー、電解液、光重合開始剤を混合した溶液を電極シート上に塗工し、UV硬化する方法(以上、ゲル電解質);予め電解質塩を非水系溶媒に溶解させた非水電解液とポリマーとを混合した後、これをキャスト法やコーティング法により成膜し、有機溶媒を揮発させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質塩とを溶融し、混合して成形する方法(真性ポリマー電解質);等が挙げられる。
上記方法に用いられるポリマーとしては、エポキシ化合物(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル等)の単独重合体又は共重合体であるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメタクリル系ポリマー、ポリアクリロニトリル(PAN)等のニトリル系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系ポリマー、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
1−6.その他の成分
本発明に係る非水電解液は、非水電解液二次電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロパ−1−エンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホレン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、トリメチレングリコール硫酸エステル等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩等のリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素化合物;等が挙げられる。これらの中でもビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート、1,3−プロパンスルトンを用いることが好ましい。さらに好ましくはビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等の不飽和結合を有する環状カーボネートである。
上記添加剤は、本発明で用いる非水電解液100質量%中0.1質量%以上、10質量%以下の範囲で用いるのが好ましい(より好ましくは0.2質量%以上、8質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上、5質量%以下)。添加剤の使用量が少なすぎるときには、添加剤に由来する効果が得られ難い場合があり、一方、多量に他の添加剤を使用しても、添加量に見合う効果は得られ難く、また、非水電解液の粘度が高くなり伝導率が低下する虞がある。
なお、非水電解液100質量%とは、フルオロスルホニルイミド化合物(1)とスルホン化合物(2)に加え、必要に応じ用いられる他の電解質塩、他の媒体、添加剤等、非水電解液に含まれる全ての成分の合計を意味する。
2.非水電解液二次電池
本発明の非水電解液二次電池とは、上記の本発明の非水電解液を備えたものである。
2−1.正極
本発明の非水電解液二次電池において、正極活物質としては、リチウムイオンやナトリウムイオンを吸蔵・放出可能であれば良く、従来公知のリチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池で使用される正極活物質を用いることができる。
リチウムイオン二次電池の活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、LiNi1-x-yCoxMny2やLiNi1-x-yCoxAly2(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される三元系酸化物などの遷移金属酸化物、LiAPO4(A=Fe、Mn、Ni、Co)などのオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のLi2MnO3と、電気化学的に活性な層状のLiMO2(M=Co、Niなどの遷移金属)との固溶体)、LiCoxMn1-x2(0≦x≦1)、LiNixMn1-x2(0≦x≦1)、Li2APO4F(A=Fe、Mn、Ni、Co)などのフッ化オリビン構造を有する化合物、硫黄などを用いることができる。これらを単独で使用してもよく、複数組み合わせて使用してもよい。
ナトリウムイオン二次電池の活物質としては、NaNiO2、NaCoO2、NaMnO2、NaVO2、NaFeO2、Na(NiXMn1-X)O2(0<X<1)、Na(FeXMn1-X)O2(0<X<1)、NaVPO4F、Na2FePO4F、Na32(PO43等が挙げられる。
正極は、導電助剤及び結着剤等を含む正極合剤が正極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
正極の製造方法は特に限定されないが、例えば、(i)分散用溶媒に正極合剤を溶解又は分散させた正極活物質組成物を正極集電体にドクターブレード法等で塗工したり、正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後、乾燥する方法;(ii)正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;(iii)液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。また、必要に応じて乾燥後の正極合剤層を加圧してもよい。これにより正極集電体との接着強度が増し、電極密度も高められる。
正極集電体の材料、導電助剤、結着剤、正極活物質組成物に用いられる溶媒(正極合剤を分散または溶解する溶媒)としては特に限定されず、従来公知の各材料を用いることができ、例えば、特開2014−13704号公報に記載の各材料を用いることができる。
正極活物質の使用量は、正極合剤100質量部に対して75質量部以上、99質量部以下とするのが好ましく、より好ましくは85質量部以上であり、さらに好ましくは90質量部以上であり、より好ましくは98質量部以下であり、さらに好ましくは97質量部以下である。
導電助剤を用いる場合の、正極合剤中の導電助剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい(より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%)。導電助剤が少なすぎると、導電性が極端に悪くなり、負荷特性及び放電容量が劣化する虞がある。一方、多すぎると正極合剤層のかさ密度が高くなり、結着剤の含有量をさらに増やす必要があるため好ましくない。
結着剤を用いる場合の、正極合剤中の結着剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して0.1質量%〜10質量%が好ましい(より好ましくは0.5質量%〜9質量%、さらに好ましくは1質量%〜8質量%)。結着剤が少なすぎると良好な密着性が得られず、正極活物質や導電助剤が集電体から脱離してしまう虞がある。一方、多すぎると内部抵抗の増加を招き電池特性に悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
導電助剤及び結着剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視等)、イオン伝導性等を考慮して適宜調整することができる。
2−2.負極
負極は、負極活物質、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
本発明では、スルホランが負極上で分解するのを抑制するために、負極活物質として、ラマン分光法により測定されたラマンスペクトルから得られる強度比Rが0.1以上、0.5以下の炭素材料(黒鉛)を用いる。ラマンスペクトルは波長532nmのアルゴンレーザーで励起させたラマン光で測定する。強度比Rはグラファイト構造に起因する1580cm-1のピーク強度IGとグラファイト構造の欠陥に起因する1350cm-1のピーク強度IDの比率(ID/IG)である。なおピークは、±10cm-1程度は、ずれたところに出ていても構わない。強度比Rが上記範囲にあれば、スルホランの分解を抑制し、電池の容量を高めることができる。なお、ラマンスペクトルの測定方法の詳細は後述する。
上記の範囲の強度比Rを持つ黒鉛としては、日本黒鉛社製のCGB10、CGB20、Timcal社製のSLP50、日立化成社製のSMG等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができるが、これらに限定されない。
黒鉛の平均粒径(D50)は、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下がより好ましく、8μm以上30μm以下がさらに好ましい。なお、平均粒径は、JIS M8511:2014に準拠し、レーザー回折/散乱法により測定することが好ましい。
また、黒鉛の比表面積は、0.5m2/g〜20m2/gが好ましく、1m2/g〜15m2/gがより好ましく、2m2/g〜10m2/gがさらに好ましい。なお、比表面積は、JIS M8511:2014に準拠し、BET法により測定することが好ましい。
タップ密度は、0.1g/cm3〜2g/cm3が好ましく、0.3g/cm3〜1.5g/cm3が好ましく、密度は、0.1g/cm3〜2g/cm3が好ましく、0.3g/cm3〜1.5g/cm3がより好ましく、0.5g/cm3〜1.2g/cm3がさらに好ましい。なお、タップ密度は、容器内に所定量の粉末を入れ、タッピング装置を用いて粉末の体積がそれ以上減少しないところまでタップし、粉末の質量をタップ後の粉末体積で除することにより測定する。
また、負極には、Si、SiO等のケイ素系負極が含まれていてもよい。
負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用することができる。また、負極の製造時に使用する導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒、負極集電体も、正極で用いられるものと同様のものが用いられ、例えば、特開2014−13704号公報に記載の各材料を用いることができる。
2−3.セパレーター
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用できる。具体的には、例えば、非水電解液を吸収・保持し得るポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターやセルロース系セパレーターなど)、不織布セパレーター、多孔質金属体等が挙げられる。
上記多孔性シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体、セルロース等が挙げられる。上記不織布セパレーターの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、アラミド、ガラス等が挙げられ、非水電解液層に要求される機械的強度等に応じて、上記例示の材質を単独で、又は、混合して用いることができる。
また、非水電解液の有機溶媒の代わりにポリマーやポリマーゲルを用いる(いわゆるポリマー電解質又はゲル電解質)場合には必ずしもセパレーターは必要ではないが、電解質の支持体として上記の多孔性シート、不織布セパレーターをポリマー電解質又はゲル電解質と併用することも可能である。これらセパレーターを併用することにより、ポリマー電解質又はゲル電解質の性能が向上し、電池の性能を向上させることができる。
2−4.電池外装材
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、非水電解液二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
本発明に係る非水電解液二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、非水電解液二次電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V〜数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
本発明の非水電解液二次電池の定格充電電圧は特に限定されないが、4.2V以上であるのが好ましい。本発明による効果は特に4.2Vを超える電圧で使用する場合に顕著となる。より好ましくは4.3V以上であり、さらに好ましくは4.35V以上である。定格充電電圧が高いほど、エネルギー密度を高めることはできるが、高すぎると安全性を確保し難い場合がある。したがって、定格充電電圧は5V以下であるのが好ましい。より好ましくは4.9V以下である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例で用いた測定方法は、以下のとおりである。
ラマンスペクトル測定
JASCO NR−3100(日本分光社製)を用いて、以下の条件にてラマンスペクトルを測定した。得られたラマンスペクトルについて、1580cm-1付近のピーク強度をIG、1350cm-1付近のピーク強度をIDとし、強度比R(R=ID/IG)を算出した。
レーザー波長
露光時間:10秒×5回
中心波数:1400cm-1
スリット:φ0.05mm
減光器:オープン
対物レンズ:20倍
データ間隔:1cm-1
スムージング処理:ベースライン補正(872cm-1〜1873cm-1の間で直線補正)
スムージング処理、単純平均移動(コンボリューション幅 5)
電解液1の調製
LiPF6(キシダ化学社製)を1.52gのエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(EC:EMC=3:7(体積比)キシダ化学社製)に溶解させ、1mol/LのLiPF6が含まれた電解液1を得た。
電解液2の調製
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI:日本触媒社製)2.805gに、35℃で溶解したスルホラン(キシダ化学社製)を加え、1.5mol/Lのスルホラン溶液(電解液2)を得た。
負極シートの作製
負極活物質及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:8の質量比で混合した負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)上に塗工し、乾燥して、負極シートを作製した。負極活物質としては以下の黒鉛を用いた。
実施例1:CGB10(日本黒鉛社製)
実施例2:SLP50(Timcal社製)
実施例3:SMG(日立化成社製)
比較例1:MAGE(日立化成社製)
(コインセル型リチウムイオン二次電池の作製)
負極シート、リチウム箔及び、ガラスフィルター(ワットマン社製 GF/F)を、それぞれ円形(負極φ12mm、リチウム箔φ14mm、ガラスフィルターφ16mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(アルミクラッドSUS304L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))を用いてコイン型リチウム電池を作製した。具体的には、ガスケットを装着した負極キャップ、ウェーブワッシャー、スペーサー、リチウム箔、セパレーターをこの順で重ねた後、電解液1または電解液2をガラスフィルターに含浸させた。次いで、負極シートを設置し、その上に正極ケースを重ね、カシメ機でかしめることによりコインセル型リチウムイオン二次電池のハーフセルを作製した。
(電池評価:フルセル評価)
充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を使用して、温度25℃の環境下、コインセル型リチウムイオン二次電池の放電容量測定を行った。充放電条件は、充電速度0.2Cでの2.0V定電流定電圧充電を行い、次いで放電速度0.2Cで電圧が0.05Vになるまで放電を行った。3サイクル目の放電容量を記した。
Figure 2017212102

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物と、
    Figure 2017212102

    (一般式(1)中、M+はアルカリ金属イオンを表し、Xはフッ素原子または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
    下記一般式(2)で表されるスルホン化合物とを含む非水電解液と、
    Figure 2017212102

    (一般式(2)中、R1およびR2は、同一または異なって、1価または2価の飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、R1およびR2は結合して環を形成していてもよい。)
    波長532nmのアルゴンレーザーで励起させたときのラマンスペクトルの強度比R(1350cm-1のピーク強度/1580cm-1のピーク強度)が0.1≦R≦0.5である炭素材料を含む負極を構成材料とすることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 上記非水電解液が、上記一般式(2)で表されるスルホン化合物を非水電解液の溶媒100質量%中、60質量%以上含む請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 比誘電率が30〜100である溶媒をさらに含む請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
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