JP2017209635A - 円形断面を有する流路で構成される流動分別型孔拡散膜分離用モジュール。 - Google Patents

円形断面を有する流路で構成される流動分別型孔拡散膜分離用モジュール。 Download PDF

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【課題】流動分別効果が最大限に利用できる孔拡散膜分離用モジュールを提供する。利用される膜は平膜の多孔膜である。【解決方法】被処理対象液の流路に沿って存在する孔拡散領域の壁面がすべて多孔性の平膜表面で構成され、かつ該膜の流路方向に垂直な該流路の断面の形状が円形であり、かつ該壁が円筒状に成型された平膜であり、かつ平膜の表面が該壁の表面を形成し、かつ該壁の外表面(すなわち該平膜の裏面)に密着して流路方向に延びる支持体を少なくとも1個ゆうすることを特徴とする孔拡散分離用モジュール。【選択図】図1

Description

本発明モジュールは流動分別効果を最大限に利用できる孔拡散膜分離用モジュールに関する。本発明中、孔拡散膜分離とは(1)膜を介しての物質輸送において、膜内部の孔を透過する媒体である水以外の物質の透過速度が拡散機構によって支配される、(2)媒体である水分子の膜透過が膜間差圧を駆動力としている、(3)膜間差圧が0.1気圧以下で、(4)膜を透過する物質の拡散の活性化エネルギーが5 kcal/mole以下である、の膜透過機構の特性を持つ拡散機構を利用した分離を意味する。流動分別型孔拡散膜分離とは上記の孔拡散膜分離において特に流動分別効果を強調した膜分離で、(5)膜表面での被処理液体のひずみ速度が10/秒以上で、(6)被処理液体の膜表面上の流れが層流である条件下での孔拡散膜分離を意味する。
さらに詳しくは、本発明の膜分離用モジュールでは、通常0.2気圧以下の低い膜間差圧が膜の全面に均等に負荷され、かつ膜処理対象液が層流で該膜表面に流れ、この流れによって生じる流動分別効果の反映である粒子(あるいは分子)の流れの中心に向かう運動を利用する。この運動により粒子をその大きさによる分別と濃縮、除去、隔離が膜の目詰まりなく実行できる。膜内部での物質の輸送機構は液媒体(水、油などの液体)についてはろ過機構で溶質の輸送は主として膜中の孔を満たしている媒体中の拡散機構である。
膜を利用した物質の精製技術の大部分は膜ろ過法による。膜ろ過では熱や化学薬品に対して不安定で変性しやすい物質を分離精製する方法として、固液分離に適する。タンパクや糖タンパクなどの生理活性物質を分離精製する方法として、超遠心分離、各種クロマトグラフィ、吸着、透析、沈殿・溶解法などがある。解析目的では少量の処理でよいが大量の処理が必要な場合には沈殿・溶解法以外はむつかしい。またほとんどがバッチ処理であり連続的なプロセスとして製造ラインに組み込むのがむつかしい。膜ろ過法では膜は目詰まりを起こし、安定したろ過性能を維持するのは難しく連続プロセスに組み込むこともむつかしい。
膜ろ過法が抱える問題点として目詰まりする現象がある。この現象は分離機構として篩機構を利用する限り不可避である。目詰まりを防止する膜分離法として従来より透析法が採用
されていた。該透析法では物質の膜への溶解とそれに引き続く膜の実体部での拡散(溶解・拡散機構と略称)が利用される。溶解・拡散機構では大量処理を連続的なプロセスで実用化された例はほとんどない。実用化されない最大の理由は分離速度がろ過の場合の1000分の1以下であることによる。溶解・拡散機構のこの欠点を解消した膜分離技術として新たに孔拡散法が提案された(特許文献1および非特許文献1)。
特許文献1および非特許文献1に紹介されている孔拡散は定常孔拡散法であり、媒体(水)と溶質とのいずれもが拡散機構で移動する特徴を持ち、目詰まりの問題は完全に解消され、分離速度は溶解・拡散機構のそれの1000倍となり分離速度の遅さも解消されている。しかし、いずれの溶質もそれらの濃度は低下し、濃縮はできない。 定常孔拡散では膜間差圧は事実上零であり、そのために定常孔拡散モジュールでは一次側の液体を流動させるためのポンプはモジュールの入口と出口との流速が同じにするための連動ポンプが利用される。利用する膜が中空糸膜である場合には、一次側の液体を中空糸内部に流動させるために常に入口側の圧力は出口側の圧力以上となり定常孔拡散を中空糸膜で実施することが難しい。すなわち中空糸膜ではその内径が0.5 mmの場合では糸長として7 cm以下でないと1次側の液体を流すための圧力によりろ過での輸送が支配的となり目詰まりの問題点が現れる。また定常孔拡散では膜を介して2次側の液体をあらかじめ供給しておかなくてはならない。2次側の液体の選択の自由度があるため物質の拡散速度が設定できることの利点はあるが、1次側の液体を処理する目的では、この自由度の存在は条件設定の煩わしさを伴う。
定常孔拡散の問題点を解消し、液体の処理を単純化した孔拡散法として流動分別型の孔拡散が検討され始めた。(特許文献2)1次側の液体を膜表面に平行にながしつつわずかに膜間差圧を負荷し、この膜間差圧に原因して膜の裏面側に生じる液体を2次側の液体として利用する技術である。この技術の特徴は1次側および2次側の液体の速度を制御することにより間接的に膜間差圧を0.1気圧になるように制御している点にある。この流動分別型の孔拡散用モジュールとして1次側の流路の確保とさらに2次側の液体の流れを制御する流路と膜間差圧に耐えるための平膜の支持体が確保されなくてはならない。
特許公開2006-055780 特許公開2015-100774 藤岡留美子、吉田雅子、吉村知珠、山村知子、真鍋征一、福岡女子大学人間環境学部紀要、29巻、13頁〜20頁、1998年。
流動分別効果が最大限に利用でき、かつ定常孔拡散の特徴を生かした流動分別型孔拡散モジュールを提供することが本発明の目的である。流動分別効果を最大限に利用するには、膜表面での一次側液体の流れのひずみ速度が大きくなければならない。たとえば10/秒以上である。ひずみ速度を大きくするためには従来の膜モジュールでは一時側液体の流れ速度を大きくし、一次側の入口と出口との静圧の差を大きくしなくてはならない。いずれも膜表面に負荷される圧力が大きくなり膜ろ過による物質輸送の寄与が大きくなり膜の目詰まりが大きくなる。
膜間差圧を膜全域にわたって均等に0.2気圧以下、望ましくは0.1気圧以下に維持しつつ所定のひずみ速度を与えることが可能なモジュールであることが必要である。膜への負荷圧力が局所的にも0.2気圧を超える可能性が否定できるモジュール形状が必要である。
孔拡散膜モジュールの処理速度を大きくかつ処理の際に局所的な発熱やひずみの発生等によるタンパク質などの生理活性が失われない工夫、特に1次側の流路の設計が必要である。一定の膜間差圧での処理速度の極大化は、有効膜面積を大きくすることにより原理上は可能であるが、モジュールとしての容積を極小化する工夫が必要でなる。モジュールの容積の極小化には膜を中空糸膜にすることが一般的な解決策であるが内径が2mm 以上の中空糸膜を製造することが難しくまた膜内部に負荷される圧力に耐える設計にすると膜は疎水性素材で作製され膜厚も100 μm以上となる。さらに1次側の流路において層流状態で該膜表面を流動可能な回路でなくてはならない。
本発明モジュールの最大の特徴は一次側の液体(被処理液体)の流路が円形断面である点にある。ただし、流路の断面形状は液体が流れている場合の形状であり、液体で満たされていない場合には必ずしも円形状である必要はない。円形断面を持つ流路の壁はすべて高分子の多孔性の平膜で構成される。平膜でも後述するように表裏面で孔構造が変化している場合には膜表面で構成される。一次側の流路とは、層流化準備域とそれに引き続く孔拡散領域とで構成され、被処理液体の流れる側の流路を意味する。流路の長さ(L)は100 mm以上で1500 mm以下で流路の内径(D)が2mm 以上で20 mm 以下である。L/Dが20 以上で500 以下であることが望ましい。Lが100 mm未満であれば層流化準備域が短すぎて孔拡散域を構成する平膜の入口部分より膜の目詰まりが進行する。また1500mmを超えると膜間差圧をすべての孔拡散域で0.05気圧以下に維持することが難しくなる。Dが2mm未満であれば中空糸膜の場合と同様な問題点(膜の入口部と出口部での膜間差圧の差が生じ入口部で膜ろ過が起こる、入口部の閉塞が起こる)が起こりやすくなる。L/Dは大きければ大きいほど望ましいが、膜間差圧の均等な維持と膜表面のひずみ速度を2 以上望ましくは20 ~200 /秒に維持するためには20 以上で500 以下がモジュールとして設計しやすい。
本発明のもう一つの特徴は、一次側の液体の円筒状の流路の壁部の一部に少なくとも一個の支持体が存在することである。すなわち、該壁部の外表面に密着して流路方向に延びる少なくとも1個の支持体が存在することである。該支持体の形状は短冊状あるいは針金状であり、その長手方向は流路方向に直線的にある。該支持体は孔拡散領域の該流路の全域にわたって壁部の外表面に密着している。該壁部の全面積に占める密着部の面積は1/10以下である。支持体の材質は疎水性高分子でありガラス転移温度が40℃以上の無定形高分子かあるいは融点が100℃以上の結晶性高分子である。支持体の形状が短冊状である場合には、厚さが0.5 mm 以上で4 mm以下、幅1 mm以上で8 mm以下である。この支持体の存在により、一次側流路に液体が充填された際に起こる重力の作用による流路の変形および膜の変形が完全に防止されまた流路内の圧力による流路の断面形状を円形化する変形作用を確実にすることができる。
本発明モジュールは流動分別型孔拡散膜分離用モジュールである。そのために一次側の流路を形成する壁部の平滑度が特に重要である。平滑度として壁面の1平方センチメートル当たりの凹凸の振幅の大きさの平均および凹凸の振幅の最大値を壁面の滑らかさと定義する。最大値を流路に沿って平均した値を平滑度と表現するとこの値が10 μm以下であることが望ましい。たとえ、乾燥状態から湿潤状態への膨潤率が2%以下でなければ、平滑度を10 μm以下に保つのは難しい。円筒状の壁をやや延伸状態にしてモジュールとして固定すれば膨潤率の制限は緩和できるが、平膜として親水性の高分子多孔膜であれば、あらかじめ平膜としての膨潤度を低下させる前処理が必要である。
本発明のモジュールに装填される平膜としては乾湿の膨潤度の小さな高分子多孔膜あるいは高分子繊維の不織布であり平膜の表面の平滑度が10 μm以下である。該平膜の平均孔径は10 nm以上で5 μm以下でかつ膜厚が250 μm以下で10 μm以上であり空孔率が50 %以上で水中でのバブルポイントが0.1 気圧以上でありセルロース系の高分子で作製されていることが望ましい。ただし、処理対象液が水溶液の場合にこの好適な条件が必要であるが他の疎水性溶液の場合には乾湿の膨潤度の条件は必要ない。
本発明で使用される孔拡散膜モジュールを構成する平膜状の多孔膜は物質の輸送特性を支配する最も重要な役割を持つ。そのため平膜としての特性はモジュールとしての使用目的に対応して下記の諸特性を持っていることが望ましい。
すなわち
(1)モジュールの使用目的が物質の濃縮目的か除去目的かによって最適な平均孔径を選定すべきである。
モジュールとしての処理速度は平膜の孔特性のみで決まるのではなく主として膜間差圧が支配する。除去目的の場合には該平均孔径への要求は除去すべき物質で定められる。たとえばウイルス除去では平均孔径は80 nm、細菌除去では600 nm、プリオン除去では35 nmなどである。除去目的では膜厚はやや厚めに設定する(例、75 μm)。ひずみ速度は50 /秒以上
(2)空孔率は60 %以上の大きで設計する。
孔拡散による物質輸送速度は空孔率に比例するので空孔率は大きければ大きいほど望ましい。膜ろ過と異なり膜に負荷する力学的な応力(膜間差圧)は小さいため空孔率への上限の設定の必要性は少ない。
(3)平膜の物理的な見掛けの膜厚は200 μm以下である。
平膜が2種以上の構造体で形成されている(すなわち複合体膜を形成している)場合には該見掛けの膜厚は物質輸送に支配的でない部分も厚さに寄与している。この部分を含めて平膜の物理的な見掛けの膜厚と定義する。孔拡散では濃度勾配が物質輸送で重要な駆動力となるため見掛けの膜厚は薄ければ薄いほど望ましい。また平膜の表面とは面内で定義される平均孔径(電子顕微鏡観察より評価される)の小さい側の表面を平膜の表面と定義する。複合体膜の場合には膜厚は表面の膜厚を意味する。
平膜を用いて本発明のモジュールを作製するには以下のような困難な点が内在している。すなわち、(1)平膜を壁面にして円形断面を持つ支持体を用いずに円形断面に変形する方法、
(2)流路内に液体が充填去れた際に発生する重力と力学的に釣り合う張力を分担する支持体と膜との接着方法が従来のモジュールでは付加できない。モジュール作製でのこの問題を以下のように解決した。まず平膜の幅を[(一次側の流路の直径)x (円周率) + 短冊状の支持体の幅x2]とし長さを流路長さに切りだす。切り出された平膜の両端面の裏面に2本の短冊状の支持体を密着させて接着する。該流路の棒に該平膜を巻き付け円形断面の形状を記憶させつつ2本の支持体を接着剤を用いて密着させることにより一本の短冊状の支持体が作製される。
本発明の製造方法で膜間差圧を0.05気圧以下に平膜のすべての点で維持されていれば媒体(通常、水)の輸送を除いて膜ろ過の寄与をほぼ零にすることができるので孔拡散膜モジュールを利用する場合には目詰まりの進行を無視することが可能となる。該膜間差圧は液体媒体を構成する分子(通常水)のみが膜の孔中を体積流で通過するのを実現するための最重要操作条件である。
円形断面の形状に平膜を成型することにより(イ)内壁表面の平滑度の制御が可能となる、(ロ)1次側流体の膜表面近傍での層流化が可能となる、(ハ)わずかな膜間差圧により湿潤時に円形断面が完成する。湿潤時での円形断面の完成により、平膜表面のすべてが処理対象液のひずみ速度が最大となる箇所に接し、流動分別効果が最大に現れる。本発明モジュールの円筒状の平膜の長手方向(流路方向)に密着して存在する支持体は、1次側液体の流路内充填に伴う重力の増加による膜の変形を防止する。液体(例、水溶液)に平膜が接した際に種汁可能まk性のある凹凸の発生を、わずかな膜間差圧と支持体で防止できる効果が確認された。この効果の発見は、膜表面を層流状態で被処理液体を流動させる作用を与える点で本発明のモジュールを設計する上で不可欠であった。
本発明モジュールは有効な平膜の面積当たりの体積および重量は極小化可能である。そのため本モジュールを組み込んだ装置の設置が容易である。本モジュールを組み込んだ膜濃縮装置、微粒子除去装置、高分子分画装置、など分離・精製工程に適用できる。特に分離・除去・濃縮の対象となる物質と媒体との密度差が小さい場合には、本発明モジュールの適用によって初めて分離・除去・濃縮が可能となる。具体的には水溶液中で分散しているエマルジョンなどに対しては本発明モジュールの有効性が顕著である。
第1図に本発明の孔拡散膜分離用モジュールの孔拡散域近傍の流路の一例と該流路の断面の拡大図を示す。図中のaで示される孔拡散分離膜の平均孔径を80 nm に設定する。孔拡散分離膜は極細糸で作製されたポリエステルの不織布(目付け15 g/平方メートル)上にミクロ相分離法で製膜された再生セルロース多孔膜を作製することにより膜厚100 μmの平膜として利用される。該平膜を25 mm幅で長さ60 cm に切り出す。厚さ0.5mmのポリカーボネート製のシートより幅3mm 長さ60 cmの短冊状の支持体(図1の4)2本を切り出す。
切り出された該平膜を直径5mm ポリ四弗化エチレン棒(長さ65 cm)に仮に巻き付ける。巻き付けた履歴を経た平膜の裏面の端部に沿ってウレタン系の接着剤(二液性)を用い2枚の支持体を幅16mm隔てて平行に接着させる。2枚の支持体を接着固定された平膜を、膜表面を内壁面になるように前述のポリ四弗化エチレン棒に巻き付け2枚の支持体を密着させその間をウレタン系の接着剤で
接着固定後、ポリ四弗化エチレン棒を抜き取ることにより図1の円形断面を持つ流路を構成する平膜が作製できる。図1の4には支持体であるポリカーボネート製の短冊状板で挟まれた2枚の平膜1、層流の流路となるbの内壁部は3の平膜aの表面、2は壁部の外壁となる平膜aの裏面でbの直径は5mmである。層流の流路bの長さは50cm流路の両端5は層流準備域となる。5の長さは5cmであり、この部分の円筒の素材としては、aの平膜を接着剤で固めるか、外径5mmの薄いガラス管あるいはプラスチック製のパイプを利用する。平膜を孔拡散で通過した処理水は円筒状の容器7内に集められる。該容器の内径は18 mmでポリカーボネート製である。処理水の取り出し口8を2箇所有する。容器7の両端6はシリコン系の充填剤で流路bを固定している。
第2図に本発明の流動分別型孔拡散膜分離用モジュールを2個(M1とM2)直列的に連結装填した孔拡散分離装置の概略図を示す。該2種のモジュールで使用される平膜の平均孔径は同一の場合、あるいは流路に沿って順次大きくする場合がある。膜間差圧は静水圧で与えられそれぞれh1およびh2である。静水圧は装置上での高さで制御され流路の断面積が均等であるため常に一定である。静水圧を与える駆動力は図中のポンプPである。膜を介して拡散してくる溶液はF1およびF2で回収される。一次側の液体の流速は図中のΔh1+Δh2によって制御される。流路を形成する平膜は平均孔径が80 nmの場合には膜厚は100 μmで空孔率は75 %でありあらかじめ水中でのバブルポイントが0.2気圧以上であることが確認されている。モジュールとしてのバブルポイントは0.1気圧以上でなくてはならない。
平均孔径80 nmのセルロース製不織布(厚さ80 μm)平膜を用いて直径5mmの円形断面の流路で長さ50 cm、支持体としてポリカーボネート製の短冊状(厚さ0.5 mm、幅3 mm)を図1のように接着固定した層流の流路部(孔内拡散域の長さ40 cm,層流準備域5cm)を作製し、これを外筒(ポリカーボネート製、直径18 mm)内に装填することにより流動分別型孔拡散膜分離用モジュールを作製した。該モジュールを図2の分離装置内に組み込む。ただし該モジュールは2種の連結ではなく1種のみであった。処理用の液体として牛の胸腺のDNA(SIGMA-ALDRICH社製、分子量約2000万)を10 mM Tris-HCl緩衝液に0.16 wt%で溶解した水溶液(15℃)を採用した。膜間差圧0.01気圧、膜面におけるひずみ速度100/秒、処理速度LMH=0.15であった。拡散処理による膜透過液中のDNA濃度は0.01wt%から徐々に増加し、最終的には0.02wt%となった。残液(濃縮液)中のDNAは最終的には0.8wt%に達していた。
膜を利用した分離、濃縮、除去、隔離の機能を要求される産業に利用できる。典型的には農業での濃縮、例えば肥料(液体)成分中での微粒子成分の濃縮による長期安定する飼糧の製造に利用できる。醗酵業での加熱滅菌に代替する微生物除去に適用し、新しい生製品の製造(例、生プラセンタの製造)に利用できる。大きさに基づく分離。分画用途に利用した、リサイクル分野(例、絶縁油のリサイクル、天ぷら油のリサイクル)に利用できる。天然資源の有効利用のための有害物の除去と分離(例、雪解け水より精製水の製造、地下水からのヒ素除去など)など一般産業分野での省資源化のための基本技術を提供できる。
円形断面の流路を持つ流動分別型孔拡散膜分離用モジュールの例。 下図は該流路の流れに垂直な断面から見た円筒状の回路の模式図。 本発明モジュールを直列的に組み込んだ分画用分離装置の典型例
a;孔拡散用分離膜(平膜)、b;1次側の流路であり層流状態で流れる流路、c;孔拡散膜分離技術で処理された処理水(清浄水、あるいは分画後の溶液)の出口、1;平膜の一部で構成される支持体の一部、2;平膜の裏面、円筒状筒の外壁部、3;平膜の表面、円筒状筒の内壁部、4;支持体の短冊状のプラスチック板、5;被処理液が流れる円筒状筒で層流準備域を担当、6;円筒状流路bを囲む外筒を装着するための包埋剤(シリコン製)、7;膜処理後の液を集める外筒部、8;外筒部に連結した処理後の液の取り出し口。F; ヘッダー、および濃縮用タンク装の外気への連絡口に装着した除菌フィルター、F1;一段目の処理によって回収される分画成分の回収容器、F2;二段目の処理によって回収される分画分の回収容器、Δh1;一段目の分画工程でのモジュールM1を流れる液体の流動の駆動力となる水位差、Δh2;二段目の分画工程でのモジュールM2を
流れる液体の流動の駆動力となる水位差、h1;モジュールM1の膜間差圧の平均値を与える水位、h2;モジュールM2の膜間差圧の平均値を与える水位、M1;1段目の分画工程で使用されるモジュール、水平面に対して約30度の角度で設置され1次側液体は下部より上部に向かって流動する、M2;2段目の分画工程で使用されるモジュール、P;濃縮用タンク内の被処理溶液をヘッダー1に輸送するためのポンプ。


Claims (4)

  1. 孔拡散膜分離モジュールにおいて、被処理対象液の流路に沿って存在する孔拡散領域の壁面がすべて平膜表面で構成されかつ該壁の流路方向に垂直な該流路の断面の形状が円形であり、かつ該壁が円筒状の平膜と、該壁の外表面に密着して流路方向に延びる少なくとも1個の支持体とで構成されることを特徴とする流動分別型孔拡散膜分離用モジュール。
  2. 請求項1において平膜は高分子多孔膜あるいは高分子繊維の不織布であり、該平膜の表面の平滑度が10μm以下であり、かつ支持体は長さが孔拡散領域の該流路の長さに相当し、支持体の形状が短冊状でその厚さが0.5 mm以上で4mm以下、幅1 mm以上8 mm以下の疎水性高分子で作製され、かつ該高分子のガラス転移温度が40 ℃以上の無定形高分子であるか
    あるいは融点が120℃以上の結晶性高分子であることを特徴とするモジュール。
  3. 請求項1あるいは2において、平膜はその平均孔径が10nm以上で5μm以下でかつ膜厚が250μm以下で10μm以上であり空孔率が50 %以上で水中でのバブルポイントが0.1気圧以上でありセルロース系の高分子で作製されたことを特徴とするモジュール。
  4. 請求項1あるいは2あるいは3において、被処理対象液の孔拡散領域の流路は、内径(D)が2 mm以上で10 mm以下で、流路長さ(L)が100 mm以上で1000 mm以下でかつL/Dが20以上で500以下であることを特徴とするモジュール。

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