JP2017209532A - 複数の並行ガイドワイヤを有する医療用ガイドワイヤシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の並行ガイドワイヤを有する好適な医療用ガイドワイヤシステムを提供すること。【解決手段】ガイドワイヤシステムは、ガイドワイヤ外被、少なくとも2つのガイドワイヤ、およびハンドルを含む。ガイドワイヤは、最初に、ガイドワイヤ外被内に拘束され、診断または他のカテーテル内に導入され、ガイドワイヤを患者の血管系内の標的領域に送達し得る。ハンドルは、ガイドワイヤ外被と同時に前進され得るように、ガイドワイヤを切り離し保定する。ガイドワイヤは、次いで、領域内に適切に設置するように、個々に切り離され、操作され得る。ガイドワイヤ外被および診断カテーテルを除去後、2つ以上のガイドワイヤは、介入カテーテルまたはシースの導入のために、追跡可能であるが可撓性の経路を提供する。【選択図】図14

Description

(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第61/556,181号(2011年11月5日出願、代理人事件番号42807−703.191)の利益を主張する。該出願の全体は、参照により本明細書に援用される。
(発明の分野)
本発明の技術分野は、医療用ガイドワイヤおよびアクセスシステムに関する。
医療用ガイドワイヤは、典型的には、診断、介入、および外科手術手技、ならびに同等物のために、身体内の着目面積にアクセスするために使用される。ガイドワイヤは、通常、最初に、体腔内の着目部位にアクセスし、次いで、診断および介入カテーテルならびにデバイスを部位に摺動させるレールとして使用される。種々のガイドワイヤサイズが、異なる解剖学的および手技状況のために生産されている。典型的には、ガイドワイヤは、軸方向押動性および回転トルクを向上させるために、剛性の近位区画と、蛇行性に対応するために、可撓性の遠位部分とを有する。ガイドワイヤは、典型的には、遠位端に柔軟な先端または他の軟性構造を有し、外傷を防止する。
非常に多くの解剖学的および手技状況が存在するため、直径、典型的には、0.010インチ〜0.038インチ、および長さ90cm〜300cm以上とともに、異なる研削部外形、コーティング、および放射線不透過性先端を伴う、多数のガイドワイヤ設計が、存在する。これらのパラメータは、当業者に公知である。
近年、手技の間、変更され、解剖学的および手技状況に適合するように調節することができる可変パラメータを伴う、ガイドワイヤを設計するために、いくつかの試みが行なわれている。より具体的には、ガイドワイヤは、ガイドワイヤのある区画において、可変レベルの剛性または可撓性を提供するように設計されている。これらの調節可能ガイドワイヤは、典型的には、同軸ガイドワイヤおよび管から構築され、ガイドワイヤは、管の内側を移動され、異なる可撓性を提供する。しかしながら、これらの調節可能ガイドワイヤは、内部ガイドワイヤと管との間の高摩擦ならびに調節が達成され得る程度によって制限される。
従来のガイドワイヤに関する特定の課題の1つは、大動脈弓から総頸動脈内への診断カテーテルの導入であって、この課題は、疾患によって悪化され得、一般的には、0.35インチガイドワイヤ等の非常に剛性/支持性のガイドワイヤを使用する。蛇行性によってワイヤ前進が制限され、および/または困難な生体構造内では、ワイヤによって診断カテーテルがその位置から変位されるであろうため、ガイドワイヤ留置は、通常、これらの状況では、達成されることができない。したがって、手技は、アクセス時の反復的試みによって、長期化する(患者を合併症のリスク増加に曝す)か、あるいは留置の失敗と介入ガイドまたはシースとの後続アクセスの欠如のため、進めることができないかのいずれかとなるであろう。
本困難点を克服するために、Cardaioli、他(2009)J.Endovasc.Ther.16:649−651(非特許文献1)、は、いくつかの0.035ワイヤを収容することができる、大きなガイドカテーテルを留置するために、大動脈弓から内頸動脈に、複数の0.035アクセスガイドワイヤを留置することを提案している。しかしながら、本アプローチは、より大きなイントロデューサーシースを留置することを要求し、全ての患者で行なうことができず、介入者は、概して、より大きなカテーテルのリスクのために、アクセスが保証されるまで、より小さなカテーテルを使用することを好む。
従来のガイドワイヤに関する別の課題的使用は、腸間膜病変、例えば、腫瘍、動脈瘤、アテローム性動脈硬化/閉塞等の介入治療である。例えば、非常に蛇行性の脾動脈内へのステントグラフト(概して、大きくかつ剛性のデバイス)の留置は、非常に困難であり得る。0.035インチガイドワイヤ等の剛性ガイドワイヤの使用は、動脈を直線化し、擬似狭窄の生成ならびに解剖学的目印および正常流動の両方の損失のため、ステントグラフトの留置を困難にし得る。
別の課題は、腹部大動脈動脈瘤内へのステントグラフトの留置を長期化させ得る、多数の別個の時間のかかるステップから生じる。具体的には、そのようなステントグラフトの対側脚の留置は、グラフト内位置を確認し、要求される血管造影距離査定のために、マーカーシステムを確立し、次いで、カテーテルの前進を可能にするための非常に剛性のガイドワイヤを設置し、対側ステントグラフトを硬化させるために、多くのステップおよび複数のガイドワイヤ交換を要求し得る。
従来のガイドワイヤに関するさらなる課題は、分岐が、急峻、石灰化、または困難な幾何学形状であるときの大動脈分岐を介した対側大腿動脈から腸骨および大腿動脈内へのアクセスガイドワイヤの留置である。
介入者および外科医に関する別の困難な課題は、腹部大動脈動脈瘤の治療のための分岐したステントグラフトの対側入口のアクセスである。これらの手技の際、多くの場合、対側入口内にガイドワイヤを留置し、2次元X線撮像を介して、適切に内側にあることを検証することが必要である。
介入者に関するさらに別の課題は、小型の5〜6フレンチの診断またはガイドカテーテルを介した0.035ガイドワイヤの留置の際、X線透視(X線)可視化のための造影剤を注入することができないことである。これらのカテーテルの小管腔は、ガイドワイヤのみ収容し、実質的に、遠位可視化のための造影剤の導入を制限する。
これらの理由から、ほぼいかなる解剖学的課題にも対応することができる、高度に調節可能であって、使用が容易かつ直感的である、低摩擦ガイドワイヤシステムを提供することとが望ましいであろう。特に、優れた追跡性および必要な支持を提供することができる一方、ガイドワイヤまたはガイドワイヤシステムの剛性を最小限にし、標的生体構造の直線化を制限する、ガイドワイヤおよびガイドワイヤシステムを提供することが望ましいであろう。さらに、ガイドワイヤおよびガイドワイヤシステムが、少なくとも、脾動脈瘤および腹部大動脈動脈瘤の両方を含む、動脈瘤ならびに他の場所内へのステントグラフトの留置のための頸動脈へのアクセスのためを含め、種々の生体構造おいて使用され得ることが望ましいであろう。さらに、ガイドワイヤおよびガイドワイヤシステムの展開が、所望の介入または他のカテーテルの導入に先立って、留置のために要求されるステップの数を減少させるように簡略化される場合、望ましいであろう。さらに、ガイドワイヤシステムが、困難な生体構造内へのワイヤの留置の際、標準的5〜6フレンチの診断またはガイドカテーテルを通して造影剤が注入されることを可能にする場合、望ましいであろう。これらの目的のうちの少なくともいくつかは、以下に説明される本発明によって充足されるであろう。
(背景技術の説明)
Cardaioli、他(2009)J.Endovasc.Ther.16:649−651(非特許文献1)は、前述の通りである。分岐したステント送達のための複数のガイドワイヤを管理するために使用される、ガイドワイヤ制御ステーションは、米国特許第7,645,273号(特許文献1)および米国特許出願第2006/0074484号に説明されている。可変剛性ガイドワイヤは、米国特許第7,402,141号(特許文献2)および米国特許出願第2010/0305475号に説明されている。
米国特許第7,645,273号明細書 米国特許第7,402,141号明細書
Cardaioli、他(2009)J.Endovasc.Ther.16:649−651
本発明による、医療用ガイドワイヤシステムは、ワイヤ展開のために個々に操作され、ワイヤ展開後、介入または療法カテーテルの留置のために、1つの組み合わせられたより大きなガイドワイヤとして利用されることができる、複数の並列の比較的に小さいガイドワイヤを備えている。「比較的に小さい」とは、個々のワイヤが、使用されることが意図される公称内径カテーテルより小さい口径であることを意味する。本発明のガイドワイヤシステムは、典型的には、患者の血管系内の標的領域内に設置された、事前に留置された診断または他のカテーテルあるいはシースを通して留置されるであろう。血管系内での使用によって例示されるが、本発明のシステムおよび方法はまた、尿路等の他の体腔内での使用も見出し得る。それぞれ、一般的には、0.031インチを下回る、一般的には、0.025インチを下回る、より一般的には、0.018インチを下回る、多くの場合、0.014インチ以下である、直径を有するであろう、複数の個々のガイドワイヤは、最初に、典型的には、導入される複数のガイドワイヤを囲繞および拘束する管状本体である、ガイドワイヤ外被を使用して、診断または他のカテーテルに導入される。ガイドワイヤ外被は、最初に、診断またはカテーテル内に導入され、複数のガイドワイヤが、次いで、診断カテーテルの遠位端の近傍の場所に到達するまで、外被を通して、かつ診断カテーテルを通して、前進される。次いで、複数のガイドワイヤの個々の1つは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の個々のガイドワイヤが全て、標的領域に設置されるまで、診断カテーテルを越えて、血管系内の標的領域まで前進され得る。複数のガイドワイヤが、適切に設置された後、外被および/または診断カテーテルは、ガイドワイヤを経由して除去され、複数のガイドワイヤを定位置に残し、組み合わせまたは組み立てられたガイドワイヤシステムとして使用するために利用可能であり得る。所望の介入カテーテル、シース、または他の介入ツールが、次いで、組み合わせられたガイドワイヤアセンブリを経由して前進され得、標的領域における後続治療、介入、または診断が、ガイドワイヤ、カテーテル、シース、および/またはツールを使用して行なわれ得る。複数の小径ガイドワイヤの使用は、より大きなガイドワイヤを用いて達成されるものに匹敵する追跡性および支持の両方を提供する一方、蛇行性の領域内において、はるかに低剛性構造を提示し、留置を促進することが分かっている。複数のガイドワイヤアセンブリは、多くの場合、また、ほとんど断面を占有しない一方、外被または診断カテーテル内では、外被および/または診断カテーテルを通した造影剤または他の媒体の導入に寄与する。
本発明の第1の具体的側面では、ガイドワイヤシステムは、ガイドワイヤ外被、少なくとも2つのガイドワイヤ、および随意に、ハンドルを備えている。ガイドワイヤ外被は、近位端、遠位端、およびコネクタハブをその近位端に有する。少なくとも2つのガイドワイヤが、ガイドワイヤ外被の管腔内に摺動可能に受け取られ、各ガイドワイヤは、ガイドワイヤ外被の長さの2倍の長さを有する。随意のハンドルは、各ガイドワイヤを取り外し可能に受け取り、ガイドワイヤ外被上のコネクタハブに切り離し可能に取り付く遠位コネクタを含み得る。
本発明の方法に関連して、以下により詳細に説明されるように、ガイドワイヤ外被上のコネクタハブは、ガイドワイヤ外被が、事前に留置されたカテーテル内に完全に挿入された後、事前に留置された診断または他のカテーテルの近位端に取り付けられ得る。ハンドルが、次いで、同時に、少なくとも2つのガイドワイヤをガイドワイヤ外被および診断カテーテル内に完全に前進させるために使用され得、ハンドル上の遠位コネクタは、次いで、外被上のコネクタハブに取り付けられ、したがって、個々のガイドワイヤが、ハンドルから除去され、他のガイドワイヤが、ハンドルに取り付けられ、ガイドワイヤ外被、診断カテーテル、および血管系に対して不動化されたままである間、操作されることを可能にし得る。そのような構造は、個々のガイドワイヤの留置および使用を非常に簡略化し、経験が少ない医師によってさえ、複数のガイドワイヤの留置を管理可能にする。
本発明のガイドワイヤシステムの特定の実施形態では、ガイドワイヤ外被の遠位領域は、バルーン等の外部構造から遊離している管状要素から成るであろう。遠位領域は、当然ながら、放射線不透過性マーカー等の他の統合特徴を含み得る。他の具体的実施形態では、ガイドワイヤ外被上の近位コネクタは、ルアーを備え、ハンドル上の遠位コネクタは、Touhy Borst弁を備えているであろう。取り外し可能リテーナが、典型的には、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ外被に対して固定されたままである一方、外被が、診断カテーテル内に前進されるように、各ガイドワイヤの遠位領域をガイドワイヤ外被上のコネクタハブに保持するために提供されるであろう。
本発明のガイドワイヤシステムのなおもさらなる具体的実施形態では、システムは、ガイドワイヤ外被管腔の近位端内に受け取られるガイドワイヤの遠位先端と併用するために組み立てられるであろう。取り外し可能リテーナもまた、定位置にあって、ガイドワイヤを保持し、ハンドルは、ガイドワイヤ外被が、診断または他のカテーテル内に留置され、コネクタハブが、カテーテル上のハブに取り付けられ、リテーナが除去され得るように、リテーナおよびコネクタハブの近位に位置付けられるであろう。ハンドルは、次いで、前進され、ガイドワイヤ外被管腔を通してガイドワイヤを導入し得る。そのような事前に組み立てられたガイドワイヤシステムは、箱、トレイ、袋、または同等物等の好適な医療デバイス容器内において、滅菌状態で維持され得る。
本発明のガイドワイヤシステムの個々のガイドワイヤは、通常、比較的に可撓性であって、典型的には、前述の直径範囲を有し、ある場合には、0.005インチ〜0.030インチであろう。しかしながら、通常、ガイドワイヤのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のガイドワイヤより剛性を有するであろう。例示的システムでは、単一システム内に、1つの比較的に剛性のガイドワイヤと、2つの比較的に可撓性のガイドワイヤが存在するであろうが、他のシステムは、少なくとも1つの比較的に可撓性のガイドワイヤと、2つの比較的に剛性のガイドワイヤとを備え得る。ガイドワイヤはさらに、各ガイドワイヤに取り付けられる、取り外し可能トルカを備え得る。システムはさらに、ガイドワイヤの近位端を受け取り、ハンドルから近位に延在し、管理を補助する、ガイドワイヤループを備え得る。なおもさらなる具体的実施形態では、ガイドワイヤシステムは、遠位直径範囲0.014インチ〜0.028インチを有する、少なくとも1つのより大きなガイドワイヤと、遠位直径範囲0.009インチ〜0.018インチを有する、少なくとも1つのより小さなガイドワイヤとを備えているであろう。そのようなシステムは、1つのより大きなガイドワイヤと、2つのより小さなガイドワイヤとから成り、付加的ガイドワイヤがなくてもよく、または1つのより小さなガイドワイヤと、2つのより大きなガイドワイヤとから成り、付加的ガイドワイヤがなくてもよい。他のシステムでは、全てのガイドワイヤは、同一の直径であってもよく、2つから5つの総ガイドワイヤが存在し得る。
本発明のガイドワイヤシステムのさらなる具体的実施形態では、システムは、1つのより大きな直径のガイドワイヤと、通常、事前に成形されている、ピグテール遠位端を有する、1つのより小さな直径のガイドワイヤとから成るであろう。これらの2つのガイドワイヤのうちの少なくとも1つはまた、通常、その遠位端またはその近傍に、放射線不透過性マーカーを有するであろう。そのようなガイドワイヤシステムは、特に、腹部大動脈動脈瘤内へのステントグラフトの留置を補助するために好適である。
本発明の第2の具体的側面では、患者の血管系または他の体腔を通してカテーテルを前進させるための方法が、提供される。ガイドワイヤ外被が、標的領域に到達するために、血管系内に事前に留置された、第1のカテーテルの管腔内に導入される。第1のガイドワイヤは、ガイドワイヤ外被から、第1のカテーテル管腔内およびそれを通して、標的領域に前進される。第2のガイドワイヤもまた、第1のガイドワイヤと並行して、ガイドワイヤ外被から、第1のカテーテル管腔内およびそれを通して、標的領域に前進される。随意に、第3、第4、第5、および付加的ガイドワイヤもまた、前進され得るが、通常、わずか4つのガイドワイヤが、合計で前進されるであろう。ガイドワイヤが前進および設置された後、第1のカテーテルおよび随意にガイドワイヤ外被は、除去され、ガイドワイヤを定位置に残す。外被は、随意に、ガイドワイヤを経由して、定位置に残され得るが、介入、療法、または他のカテーテルが、ガイドワイヤ/外被アセンブリを経由して前進されるとき、外被が定位置に残留することになる場合、最終的に、任意の近位ハブまたは他の構造を外被から除去するために必要となるであろう。第2のカテーテルは、次いで、並列ガイドワイヤ(および、随意に、外被)を経由して、標的領域に前進され得る。本発明のシステムと関連して前述のように、複数の並列ガイドワイヤの使用は、優れた支持および追跡性を提供する一方、ガイドワイヤ剛性を最小限にし、第2のカテーテルが前進されるにつれたガイドワイヤ変位のリスクを制限することができる。
具体的実施形態では、ガイドワイヤ外被の導入は、ガイドワイヤ外被の近位端を第1のカテーテルの近位端に接続するステップを含み得る。ガイドワイヤの遠位領域は、ガイドワイヤ外被の近位端に切り離し可能に取り付けられ、ガイドワイヤは、ガイドワイヤ外被が、第1のカテーテルの管腔内に導入された後、但し、個々のガイドワイヤを標的領域に前進させるのに先立って、ガイドワイヤの近位端外被から切り離され得る。
本明細書の方法のさらなる具体的側面では、各ガイドワイヤの中央区画は、ハンドルに切り離し可能に取り付けられてもよく、これは、順に、ハンドルをガイドワイヤ外被に対して前進させることによって、ガイドワイヤが、ガイドワイヤ外被を通して、同時に前進することを可能にする。ハンドルが切り離し可能に取り付けられる、ガイドワイヤの中央区画は、通常、ハンドルが完全に前進されると、ガイドワイヤの遠位端をガイドワイヤ外被の遠位端の近傍に位置付ける距離に、各ガイドワイヤの遠位端から近位に設置される。ハンドルが完全に前進された後、個々のガイドワイヤは、ハンドルから切り離され、切り離されたガイドワイヤは、他のガイドワイヤがハンドルに取り付けられたまま、操作される。
ハンドル上のTouhy Borst弁の使用は、ハンドルがガイドワイヤ外被に取り付けられると、ガイドワイヤ外被を通して、標的領域への造影剤の送達を可能にする。2つ以上の小ワイヤのアセンブリが、カテーテル管腔の内側に断面空間を生成するため、これらの空間が、造影剤流体の導入を可能にする。
なおもさらなる具体的実施形態では、第1のカテーテルは、大動脈弓から頸動脈に留置された診断カテーテルを備えている。第2のカテーテルは、ステントを頸動脈に送達し、頸動脈疾患を治療する。
なおもさらなる具体的実施形態では、第1のカテーテルは、脾動脈内に配置される診断カテーテルを備え、標的領域は、動脈瘤である。第2のカテーテルは、ステントグラフトを脾動脈内の動脈瘤に送達するために使用される。
本発明のなおもさらなる実施形態では、標的領域は、腹部大動脈内の動脈瘤に事前に留置されたステントグラフトに対側入口を備えている。第1のカテーテルの遠位端は、対側入口を通してではなく、その近傍に留置され得、第1のガイドワイヤは、入口を通して前進される。第1のカテーテルは、次いで、第1のガイドワイヤを経由して、入口を通して、ステントグラフト内に前進される。第1および第2のガイドワイヤは、ガイドワイヤ上に存在するマーカーが、ステントグラフト対側入口から、関連付けられた腸骨動脈まで可視となるように、外被から、ステントグラフトを通して前進される。第1のカテーテルおよびガイドワイヤ外被は、次いで、第1および第2のガイドワイヤを経由して、除去され得る。第2のカテーテルは、次いで、典型的には、対側ステントグラフトを主要ステントグラフト本体の対側入口に送達する。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ガイドワイヤシステムであって、
近位端、遠位端、およびコネクタハブをその近位端に有するガイドワイヤ外被と、
前記ガイドワイヤ外被の管腔内に摺動可能に受け取られる、少なくとも2つのガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤは、前記ガイドワイヤ外被の長さの2倍の長さを有する、ガイドワイヤと
を備えている、ガイドワイヤシステム。
(項目2)
各ガイドワイヤを取り外し可能に受け取るハンドルをさらに備え、前記ハンドルは、前記ガイドワイヤ外被上の前記コネクタハブに切り離し可能に取り付く遠位コネクタを有している、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目3)
ワイヤ収容体をさらに備え、前記ワイヤ収容体は、前記ガイドワイヤを取り外し可能に受け取るが、前記ガイドワイヤ外被上の前記ハブに取り付くように構成されていない、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目4)
前記ガイドワイヤ外被は、前記ハブ上の側面ポートを含み、前記側面ポートは、前記外被の管腔内への流体導入を提供するように構成されている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目5)
前記ハブは、Touhy Borstコネクタを備えている、項目4に記載のガイドワイヤシステム。
(項目6)
前記ガイドワイヤ外被の遠位領域は、外部構造から遊離している管状要素から成る、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目7)
前記ガイドワイヤ外被上の前記コネクタハブは、ルアーを備え、前記ハンドル上の前記遠位コネクタは、Touhy Borst弁を備えている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目8)
取り外し可能リテーナをさらに備え、前記取り外し可能リテーナは、各ガイドワイヤの遠位領域を前記ガイドワイヤ外被上の前記コネクタハブに保持する、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目9)
前記システムは、前記ガイドワイヤ外被管腔の近位端内に受け取られる、前記ガイドワイヤの遠位先端とともに組み立てられ、前記取り外し可能リテーナは、前記ワイヤを定位置に保持し、前記ハンドルは、前記ガイドワイヤ外被が、カテーテル内に留置され得るように、前記リテーナおよびコネクタハブから近位に離間され、前記コネクタハブは、前記カテーテル上のハブに取り付けられ、前記リテーナは、除去され、前記ハンドルは、前記ガイドワイヤ外被管腔を通して、前記ガイドワイヤを前進させるように前進される、項目8に記載のガイドワイヤシステム。
(項目10)
前記組み立てられたガイドワイヤ外被、ガイドワイヤ、およびハンドルを滅菌された状態で保持する容器をさらに備えている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目11)
少なくとも1つのガイドワイヤは、少なくとも1つの他のガイドワイヤより高い剛性を有する、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目12)
前記ガイドワイヤ外被の管腔内に摺動可能に受け取られている少なくとも3つのガイドワイヤを備えている、項目11に記載のガイドワイヤシステム。
(項目13)
各ガイドワイヤに取り外し可能に取り付けられているトルカをさらに備えている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目14)
前記ハンドルから近位に延在する前記ガイドワイヤの近位端を受け取るワイヤループをさらに備えている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目15)
0.014インチ〜0.028の範囲の遠位直径を有する少なくとも1つのより大きなガイドワイヤと、0.009インチ〜0.018インチの範囲の遠位直径を有する少なくとも1つのより小さなガイドワイヤとを備えている、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
(項目16)
1つのより大きな直径のガイドワイヤと、2つのより小さな直径のガイドワイヤとから成る、項目15に記載のガイドワイヤシステム。
(項目17)
1つのより大きな直径のガイドワイヤと、ピグテール遠位端を伴う1つのより小さな直径のガイドワイヤとから成る、項目15に記載のガイドワイヤシステム。
(項目18)
前記ガイドワイヤの少なくともいくつかは、その遠位端またはその近傍に放射線不透過性マーカーを有する、項目1に記載のガイドワイヤシステム。
図1は、管状ガイドワイヤ外被の内側にいくつかの並列ガイドワイヤを伴う、本発明の一実施例の縦断面図を示す。 図2は、管状ガイドワイヤ外被の内側に異なる幾何学形状のいくつかの並列ガイドワイヤを伴う、本発明の類似実施形態の断面図を示す。 図3は、異なる幾何学形状のいくつかの並列ガイドワイヤを伴う、本発明の別の実施形態の側面図を示す。 図4は、異なる幾何学形状のいくつかの並列ガイドワイヤを伴う、本発明の別の実施形態の側面図を示す。 図5は、管状ガイドワイヤ外被の内側に並列に2つのガイドワイヤを伴う、本発明の別の実施形態の側面図を示す。 図6は、管状ガイドワイヤ外被の内側に異なる幾何学形状の2つのガイドワイヤを伴う、本発明の別の実施形態の側面図を示す。 図7は、管状ガイドワイヤ外被の内側に異なる幾何学形状の複数のガイドワイヤを伴う、本発明の別の実施形態の側面図を示し、1つのガイドワイヤは、管状ガイドワイヤ外被の遠位端の遠位にある、拡大された幾何学形状を有する。 図8は、図6と同一の実施形態の側面図を示し、拡大された幾何学形状を伴う、1つのガイドワイヤは、管状ガイドワイヤ外被の遠位端内に引き込まれ、それによって、ガイドワイヤを外被の内側に可逆的に押し込めさせる。 図9は、本発明の一実施形態を示し、ガイドワイヤ外被は、ルアー嵌合を用いて、近位ガイドワイヤ管理ツールに取り外し可能に取り付けられ、ガイドワイヤは、近位ガイドワイヤ管理ツール内のグリップによって、取り外し可能に定位置に保持される。 図10は、図9に示されるものと類似の本発明の実施形態を示すが、並列ガイドワイヤの近位端上に留置されるピールアウェイイントロデューサーが追加され、ガイドワイヤをカテーテルの近位端に挿入する補助をする。 図11は、本発明の一使用の解剖学的実施例を示し、ガイドワイヤは、カテーテルを通して、ヒトの身体の血管系内に挿入され、続いて、頸動脈内に留置される。 図12は、典型的現在利用可能なタイプのアクセスガイドワイヤの実施例と、非常に角張った血管系等の困難な生体構造におけるようなガイドワイヤの使用の問題を示す。 図13は、図12に示されるものと類似する生体構造における本発明の実施例を示し、本発明の利点は、非常に角張った血管系等の困難な生体構造へのアクセスを達成することであることが分かる。 図14は、本発明の原理に従って構築された例示的ガイドワイヤ留置システムを図示する。 図15は、患者の血管系内の標的領域に事前に留置された診断カテーテルの近位端を伴う、図14のシステムのガイドワイヤ外被の遠位端間の接続を図示する。 図16は、図14のガイドワイヤ留置システム内の複数のガイドワイヤを管理するために使用される、ハンドルを図示する。 図17は、診断カテーテルに接続された図14のガイドワイヤ留置システムを図示し、第1のガイドワイヤは、診断カテーテルの遠位端から操作および前進される。 図18Aから18Eは、腹部大動脈動脈瘤を治療するためのステントグラフトシステムの使用において、対側ステントグラフト脚を前進させるための本発明のガイドワイヤ留置システムの使用を図示する。 図18Aから18Eは、腹部大動脈動脈瘤を治療するためのステントグラフトシステムの使用において、対側ステントグラフト脚を前進させるための本発明のガイドワイヤ留置システムの使用を図示する。 図18Aから18Eは、腹部大動脈動脈瘤を治療するためのステントグラフトシステムの使用において、対側ステントグラフト脚を前進させるための本発明のガイドワイヤ留置システムの使用を図示する。 図18Aから18Eは、腹部大動脈動脈瘤を治療するためのステントグラフトシステムの使用において、対側ステントグラフト脚を前進させるための本発明のガイドワイヤ留置システムの使用を図示する。 図18Aから18Eは、腹部大動脈動脈瘤を治療するためのステントグラフトシステムの使用において、対側ステントグラフト脚を前進させるための本発明のガイドワイヤ留置システムの使用を図示する。 図19Aおよび19Bは、ハンドルを伴わない、ガイドワイヤ外被を含む、本発明のガイドワイヤ留置システムを図示する。 図19Aおよび19Bは、ハンドルを伴わない、ガイドワイヤ外被を含む、本発明のガイドワイヤ留置システムを図示する。
本発明の目的は、大部分の解剖学的構造にアクセス可能であって、他のカテーテル、シース、および介入ツールを要求される部位にもたらすのを補助するための有能なレールを提供するであろう、調節可能であって、使用が容易なガイドワイヤシステムを提供することである。一実施形態では、類似幾何学形状の2つ以上の小ガイドワイヤが、図1に示されるように、管状外被の内側に、隣り合わせで提供される。これらのガイドワイヤは、当業者に公知の典型的方式において、近位部位から、相互に独立して操作される、または1つのアセンブリとして操作されることができる。並列状態における、そのような複数のガイドワイヤは、単一ガイドワイヤより優れた追跡性を提供するが、各ガイドワイヤが、個々に、前進されるにつれて、可撓性および困難な生体構造を操向する能力を維持する。さらに、ガイドワイヤは、任意の状況を満たすために、手技の間、カスタマイズされることができる、可撓性の遷移域を提供するために、交互または順次様式において、定位置に移動されることができる。さらに、各小ガイドワイヤは、単一の大ガイドワイヤと比較して、非常に可撓性であるため、各ガイドワイヤは、単一のより大きくかつ剛性のガイドワイヤと比較して、より容易に、困難な生体構造内に操作されることができるが、いくつかのより小さなガイドワイヤが、遠位生体構造内に留置されると、単一ガイドワイヤより有意に支持および追跡性を提供することができる。さらに、各小ガイドワイヤは、単一のより大きくかつ剛性のガイドワイヤより可撓性であるため、各ガイドワイヤは、操作される体腔に外傷性となる可能性が低い。さらに、いくつかの並列ガイドワイヤの各ガイドワイヤが、支持ガイドカテーテルまたは診断カテーテルあるいは同等物からの補助によって、体腔の遠位生体構造内にある間、操作されるとき、より小さなガイドワイヤは、より大きくかつ剛性のガイドワイヤを前進させるのと比較して、より小さなガイドワイヤを前進させる間、支持カテーテルを定位置から移動させる可能性が低いであろう。さらに、いくつかのガイドワイヤは、遠位生体構造内に留置されると、有意な量の表面積を有し、したがって、組み合わせられると、ガイドワイヤを同時に横断させるとき、より多くの支持をカテーテルに提供する、係留効果を有する。
多くの医療手技の開始時に使用される、最近の最先端の医療用ガイドワイヤは、直径約1.0mm、より具体的には、直径0.035インチ〜0.038インチである。加えて、心臓学および末梢介入ならびに同等物のために、介入デバイスを遷移させるために使用される、最新の最先端ガイドワイヤは、より小さく、例えば、直径0.018インチ〜0.014インチである。対照的に、本発明は、より大きな直径アクセスガイドワイヤに一致するために、薄い可撓性の管の内側に、複数のより小さなガイドワイヤを提供する。したがって、並列かつ複数のガイドワイヤシステムは、最初に、着目部位に、続いて、外側管が、介入デバイスを送達するために使用され得る、1つのより小さなガイドワイヤを残して除去されることができるため、もはや十分な支持のために要求されない、任意のガイドワイヤにアクセスするために使用されることができる。
システム内の任意の1つのガイドワイヤの性能に影響を及ぼす、いくつかのパラメータは、ガイドワイヤの長さの任意の点における、ガイドワイヤ、より具体的には、ガイドワイヤの近位区画の直径、すなわち、より大きな直径からより小さな直径へのテーパ部の設計、テーパ部の開始位置、テーパ部のより小さな端部における減少した直径の長さおよび直径、ガイドワイヤが作製される材料、ならびにガイドワイヤ上の潤滑剤およびその場所である。並列かつ複数のガイドワイヤのシステムの性能に影響を及ぼす、いくつかのパラメータは、各ガイドワイヤ間の接触面積、外被が使用される場合、ガイドワイヤを封入する管外被へのガイドワイヤの接触面積、ガイドワイヤ上で使用される潤滑剤およびそのような潤滑剤の場所、各ガイドワイヤに対するテーパ部等の特徴の位置、各ガイドワイヤに対する異なる可撓性域の位置、外被が使用される場合、相互および外被に対する各ガイドワイヤの隙間、および外被が使用される場合、外被の材料特徴である。したがって、システムは、異なる直径の2つ以上のガイドワイヤから作製され得、各ガイドワイヤはまた、異なる外形を同様に有し得ることが分かり得る。さらに、これらのガイドワイヤは、手技の開始時に、手技の開始のための封入外被管に対して最適位置において、システム内に提供されることができ、次いで、各ガイドワイヤは、任意の時点において、解剖学的要件および手技要件に応じて、システムの最適性能のために、軸方向に操作されることができる。したがって、2つまたは3つのガイドワイヤの並列ガイドワイヤのシステムさえ、単に、ガイドワイヤを相互に対して移動させることによって、迅速かつ容易に最適化され、多くの解剖学的課題を満たし得る、非常に大きな構成変動を提供することができることが明白であるはずである。
本発明の単純実施例は、遠位端に向かって可撓性の持続的増加を提供するために、テーパ部30、31、および32が、異なる相対軸方向位置にあるような様式において位置付けられる、図1に示されるガイドワイヤ10、11、および12等の従来の幾何学形状の2つまたは3つのガイドワイヤを含む。ガイドワイヤは、図1に示されるような特定の可撓性外形のための初期位置に提供されることができ、次いで、各ガイドワイヤは、近位端13、15、および15において操作され、可撓性特性を変化させることができる。本実施形態では、3つのガイドワイヤが存在し、そのうち2つ(10および11)は、類似直径であって、1つ(12)は、近位面積13、14、および15においてより大きい。典型的には、ガイドワイヤは、ステンレス鋼から構築され、ここでは、テーパ部30、31、および31に示される、それらに研削される外形を有し、ガイドワイヤが、より小さいおよび/またはより蛇行性の体腔に遭遇するであろう面積において、ガイドワイヤをより可撓性にする。さらに、研削部はまた、ガイドワイヤを低剛性にし、したがって、これらのより小さな体腔に対して低外傷性にする。各ガイドワイヤの端部には、ガイドワイヤ先端40、41、および42がある。これらの先端は、通常、ステンレス先端に溶接またははんだ付けされる、白金コイル等の軟性の放射線不透過性材料から作製される。先端の面積では、ガイドワイヤをさらにより可撓性および軟性にする、付加的研削部60、61、および62が存在し得る。多くの事例では、ガイドワイヤは、ガイドワイヤを全長に沿って一貫した直径にするために、研削部33、34、および35から得られるテーパ部ならびにより小さな直径にわたって、遠位の面積を膨化させるために、プラスチックまたはステンレスコイル等の付加的材料を有する。簡潔かつ明確にするために、これらの膨化幾何学形状は、本発明を説明する図面には、含まれていない。ガイドワイヤ自体は、典型的には、ステンレス鋼、ニチノール、および同等物から作製される。前述のガイドワイヤ幾何学形状および特性は、当業者によく理解されている。本発明のために使用されるガイドワイヤは、近位端において、わずか0.009インチ〜0.030インチ、より典型的には、0.013インチ〜0.022インチのいくつかの直径であり得る。ガイドワイヤの長さは、用途に応じて、90cm〜300cmであり得る。テーパ部は、長さ1cm〜30cmであり得、可変幾何学形状であり得る。これらのテーパ部は、通常、芯なし研削盤を使用して作製される。テーパ部の開始は、典型的には、遠位先端に対して10cm〜30cm近位からとなるであるであろうが、用途に応じて、より長いまたは短くあり得る。本発明の具体的例では、複数の並列ガイドワイヤは、カテーテル内への挿入の容易性、全般的取扱の容易性の目的のために、かつ最初に、使用の際、単一ガイドワイヤを模倣するために、管状外被18内に提供されることができる。理想的には、管外被は、並列ガイドワイヤが移動するための最大内部管腔を提供するために、非常に薄く、かつ精密な壁厚約0.001インチ〜0.004インチを有するであろう。本要件を満たす、例示的生体適合性材料の実施例は、ポリイミドまたはPET管類、および他の精密プラスチック、ならびにステンレス鋼またはニチノール等の金属管類である。管外被の外径は、典型的には、0.018インチ〜0.062インチ、より典型的には、0.030インチ〜0.040インチであろう。プロトタイプのために試験された管は、0.001インチ〜0.002インチ壁および0.033インチ〜0.038インチ直径であって、長さ50〜60cmを伴う、ポリイミド材料から作製された。
本発明のさらなる利点は、各ガイドワイヤが、管内のガイドワイヤ等の同軸ガイドワイヤシステムと比較して、相互に対して、非常に少ない接触面積を有することである。このように少ない接触面積は、各ガイドワイヤ間に、非常に摩擦が少ないことを意味する。図2では、複数のガイドワイヤが、管状外被19の内側に示される。任意のガイドワイヤと外被との間の接触面積50は、非常に少ない、また、任意の2つのガイドワイヤ間の接触面積52もまた、非常に少ない。これは、より大きなガイドワイヤおよび外被の嵌合が密接し、したがって、接触面積および結果として生じる摩擦をより多くする、管状外被の内側のより大きなガイドワイヤと対照的である。これは、特に、システムが、典型的には、血管生体構造内であろう、曲線内にあって、したがって、内側ガイドワイヤまたは複数のガイドワイヤの係合が、外側管状外被に対して押勢されるときに当てはまる。したがって、本発明の本実施形態の利点は、各ガイドワイヤが、半径方向および軸方向に容易に移動されることができ、したがって、各ガイドワイヤが、所望の場所まで操向および前進されることができることである。
複数のガイドワイヤと管外被との間の摩擦のさらなる低減は、当業者に一般的かつ公知である、PTFE、親水性コーティング、等の摩擦低減材料でガイドワイヤをコーティングすることによって達成されることができる。ガイドワイヤのある区画のみ、非常に潤滑性のコーティング剤でコーティングし、他の区画は、最小限の潤滑剤を伴う、または全く潤滑剤がないことが望ましい場合がある。例えば、再び、図1を参照すると、第1のテーパ部30、31、および32の開始までの近位端として画定される、ガイドワイヤ13、14、および15の近位区画上のみにPTFEコーティングを有し、管外被の内側またはカテーテルの内側の摩擦を低減させることが有用であり得る。ある区画、例えば、テーパ部30、31、および32と先端40、41、および42との間に画定される区域に、親水性コーティングまたは同等物を添加することが有用であり得る。逆に言えば、本遠位域にコーティングを有していないことは、カテーテルおよび同等物の挿入等、ガイドワイヤの近位操作が達成される間、体腔内の定位置に維持するのを補助するために有用であり得る。
図3および図4は、本発明のさらなる実施形態を示し、ガイドワイヤは、管状外被内にない状態で提供される。カテーテルとガイドワイヤとの間により多くの隙間を提供する、急峻な湾曲における摩擦係合を完全に回避する、または若干より大きなガイドワイヤを使用するため等、ある理由から、外被を伴わずに、ガイドワイヤを使用することが望ましい場合がある。本特定の実施形態では、各ガイドワイヤは、一意の特性を有する。すなわち、ガイドワイヤは、近位区画13、14、および15における直径は類似するが、図3における各テーパ部30、31、および32では、異なる。これは、各ガイドワイヤに対して、一意の遷移可撓性を提供するであろう。図4では、各ガイドワイヤは、位置13、14、15において、類似近位直径、ならびに類似テーパ部30、31、および32を有するが、各テーパ部は、遠位先端40、41、および42に対して、異なる位置から開始する。
図5および図6は、さらなる本発明の実施形態を示し、可変幾何学形状の複数のガイドワイヤが、管状外被の内側の異なる位置に留置される。図5では、若干、異なる近位長のガイドワイヤが、テーパ部30および31が重複し、先端40および41が、異なる位置にあるように位置付けられる。図6では、可変幾何学形状の複数のガイドワイヤが、外被の内側に示される。本実施形態では、ガイドワイヤ10の近位端15は、ガイドワイヤ11より直径が大きく、テーパ部32は、ガイドワイヤ11のテーパ部31と異なる位置から開始する。近位ガイドワイヤ直径の差異は、類似近位直径の2つのガイドワイヤと比較して、異なる可撓性を与えるであろう。また、異なる場所にテーパ部を有することもまた、図5と比較して、異なる遠位可撓性を生成するであろう。さらに、各ガイドワイヤは、図5における近位位置14および15または図6における14および15からガイドワイヤを操作することによって、軸方向に再位置付けされ、可撓性特性を完全にカスタマイズすることができることを理解されたい。
図7および図8は、本発明の別の実施形態を示し、複数の並列ガイドワイヤ10および11が、管状外被18の内側にあって、1つのガイドワイヤは、幾何学形状が、図7に示されるように、外被口部17の外側にあるとき、ガイドワイヤが、軸方向および半径方向に容易に移動するように、拡大された幾何学形状70を有する。拡大された幾何学形状70が、外被18の遠位口部17の内側で押勢される様式において、ガイドワイヤ10が移動されると、幾何学形状は、複数のガイドワイヤを外被18の表面の内側に可逆的に対して押し込める。本特徴は、ガイドワイヤの位置を保持する、または全体としてシステムを操作することを容易にするために、システムを定位置に可逆的に係止するために使用されることができる。
図9は、管外被18に取り外し可能に取り付けられる、近位ガイドワイヤ管理ツール80を含む、本発明の例示的実施形態の斜視図を示す。ツール80は、ツールをカテーテルまたは他のデバイスの近位端に接続するために使用されることができる、ルアー嵌合84を有することができる。さらに、ツールは、使用されるガイドワイヤの数に一致する複数の把持スロット80、81、82を有することができ、これらのスロットは、ガイドワイヤ10、11、12を拡散させ、したがって、識別および操作を容易にする様式において、ツール上に配列されることができる。これらのラインに従って、ガイドワイヤ自体が、着色される、または各ガイドワイヤを相互から明確にするために識別マークを有することができる。さらに、X線蛍光透視下にある間、各ガイドワイヤを識別するための異なる特性を有するであろう、放射線不透過性マーカーが、ガイドワイヤの遠位端上に留置されることができる。これらのマーカーの実施例は、各ガイドワイヤに特定の異なる長さおよび数の金または白金バンドである。
図10は、図9に説明される、並列ガイドワイヤ管理システムおよびガイドワイヤの実施形態を示すが、加えて、イントロデューサーの漏斗98内に挿入することによって、複数のガイドワイヤ13、14、および15の遠位端を捕捉するために追加および使用されることができる、ピールアウェイイントロデューサー94を示す。事前に画定された裂け目または切れ目96が、イントロデューサー上に提供される。イントロデューサーは、典型的には、ガイドワイヤが、裂け目内に押勢されるように把持および引張されると、裂け目が、イントロデューサーの端部まで継続するように押勢され、破壊され得るように、軟性プラスチックから作製される。これは、イントロデューサーが、例えば、遠位ガイドワイヤ端13、14、15をカテーテル100の端部内に挿入するために使用された後に行なわれるであろう。カテーテルが、近位ガイドワイヤ上に装填されると、ガイドワイヤ管理ツール80を除去することが望ましいであろう。ツールを管外被18から分離するための手段が提供されることができ、例えば、外被が、ポリイミド等の薄いプラスチックから作製される場合、切り欠き90が、捻転力が印加される場合、破壊するであろうように十分に外被を脆弱化するために提供されることができる。ガイドワイヤがルアーの中心から外側に移動されるための障害物がない経路を提供するであろう、薄い切り欠きもまた、ルアー嵌合84内に提供され得る。したがって、管理ツール80は、切り欠き90が破壊されると、ガイドワイヤから側方に除去され得る。代替として、ガイドワイヤ管理ツールおよび管類外被は、ピールアウェイイントロデューサーを使用し、遠位ガイドワイヤをカテーテル内に挿入するのに先立って、完全に除去され得る。続いて、カテーテルは、ガイドワイヤが、カテーテル近位端102から出射し、次いで、ガイドワイヤに対して制御された様式を用いて、所望の体腔内に前進されるまで、ガイドワイヤを経由して挿入されることができる。
図11は、本発明の利点が有用となるであろう臨床シナリオにおける、本発明の実施形態の使用の実施例を示す。本特定の提示では、並列ガイドワイヤ10および11の遠位端は、頸動脈209内に留置されている。頸動脈300の起始部は、上行大動脈201の上方から始まる、または派生し、この場合、典型的アクセスガイドワイヤが横断することが困難な角度を生成する。その頸動脈の治療を必要とする多くの高齢患者は、III型大動脈弓として標識される、本タイプの困難な角度を有する。Journal of Invasive Cardiology(2008年6月)「Predictors of Difficult Carotid Stenting as Determined by Aortic Arch Angiography」においてMadhwal、他によって発表された記事では、Madhwalは、48の頸動脈ステント挿入例の母集団において、50%の困難な例の発生率(そのうち、20.8%は、頸動脈からの角張った派生部を有していた)が、4.3%の容易な例の母集団と比較して、角張った派生部を有していたことを報告している。これらの困難な例では、平均蛍光透視X線時間は、容易な例に対する19.1分と比較して、58.1分であった。このような困難な例では、並列ガイドワイヤシステムの使用の方法として、カテーテル100が、アクセスシース110を通して、血管系内に挿入され、動脈203の派生部まで前進され、次いで、各ガイドワイヤが、所望の位置209内に前進されるであろう。各ガイドワイヤは、比較的に小さいため、カテーテル101の遠位端は、ガイドワイヤ前進の間、有意に移動されない。各ガイドワイヤが、適切に位置付けられると、近位ガイドワイヤ管理ツール80が、除去され、カテーテル100も、除去され、適切なシースが、ガイドワイヤを経由して、頸動脈内に前進される。典型的には、本シースは、ステントとともに介入カテーテルを収容することができる、より大きくかつより剛性のシース、例えば、6F Cook Balkanシースである。非常に剛性のシースを示されるような角度付けられた血管系内に前進させるとき、シースが、非常に剛性であって、ガイドワイヤを定位置から押勢し得るということから、困難な状況に遭遇し得る。これは、脈管内に遠位に留置されたいくつかのガイドワイヤが、脈管に対する総表面積によって、ガイドワイヤが定位置に留まり、シースが、脈管からの派生部内にガイドワイヤを追従させることができるような十分な摩擦を生成するという本発明の付加的利点を提示する。シースが定位置に来ると、並列ガイドワイヤは、全部または全部のうち1つを残して、除去されることができ、次いで、付加的ガイドワイヤおよび介入カテーテルまたは同等物が、治療目的のために、シースを通して前進されることができる。
図12および13は、前述の特徴のうちのいくつかをより詳細に示す。図12では、Cook Amplatz ExtraStiff等の典型的最先端の剛性ガイドワイヤの使用の問題が、示されており、そこでは、カテーテル100が、最初に、角張った動脈の派生部に留置され、剛性ガイドワイヤ400が、カテーテルを通して前進され、遠位脈管200に進入するように試みられる。ある程度の抵抗が、ガイドワイヤの遠位可撓性部分401によって被られると、近位ガイドワイヤ400は、あまりに剛性であるため、曲がり角の周囲を前進することができず、ガイドワイヤは、遠位カテーテル101を直線化するように押勢し、組み合わせられたガイドワイヤおよび遠位カテーテルは、外れるか、または脱出する。図13に示されるように、いくつかのより小さなガイドワイヤ10、11、12は、個々に前進させることによって、本問題を克服し、各ガイドワイヤは、脱出を生じさせることなく、前進させるために十分に可撓性である。並列ガイドワイヤが全て、定位置に来ると、ガイドワイヤを定位置に係留し、他のシースまたはデバイスの前進を支持するために十分なガイドワイヤの摩擦が、脈管壁220に対して存在する。2つ以上のガイドワイヤが、脈管内に留置されると、遠位ガイドワイヤが、単一ガイドワイヤより多くの表面積を有し、したがって、単一ガイドワイヤより脈管に対してより多くの摩擦を有し、これは、ガイドワイヤを経由してカテーテルを操作するとき、ガイドワイヤを徐々に動かすことが必要なときに有用であるということから、これは、再び、最先端のガイドワイヤと比較して、本発明の利点を強調する。しかし、各ガイドワイヤは、各ガイドワイヤの留置の際、個々に操作されるときは、低摩擦を有する。
次に、図14−17を参照すると、本発明の原理を採用する、さらなる例示的ガイドワイヤシステム400が、説明される。図14に最も良く見られる、ガイドワイヤシステム400は、ガイドワイヤ外被402、第1のガイドワイヤ404、第2のガイドワイヤ406、第3のガイドワイヤ408、およびハンドル410を備えている。ガイドワイヤ外被402は、コネクタハブ412をその近位端に含み、概して、その全長に沿って、特に、その遠位領域にわたって、管状体の直径を増加させるであろう、バルーンおよび他の特徴等、突出構造から遊離する管状体を備えている。通常、管状体は、外径範囲0.034インチ〜0.042インチと、内側管腔直径範囲0.03インチ〜0.038インチを有するであろう。コネクタハブ412は、任意の従来の構造を有し得るが、典型的には、一般に、カテーテルおよび医療デバイスにおいて使用される、ルアーおよび他のコネクタタイプであろう。
ハンドル410は、典型的には、遠位コネクタ414をその遠位端に伴う、U形状体または構造を有するであろう。遠位コネクタ414は、ガイドワイヤ外被402上のコネクタハブ412に切り離し可能に取り付くように意図され、したがって、典型的には、ガイドワイヤ外被上のルアーと一致する、ルアーコネクタであろう。ハンドル410は、随意に、同様に、通常、遠位端にあって、遠位コネクタ414に隣接する、Touhy Borst弁416をさらに含むであろう。Touhy Borst弁416は、流体コネクタライン420およびハブ422を有し、放射線造影剤源等の流体源への弁416およびコネクタ414の接続を可能にする。このように、無線造影剤および他の流体は、ここおよび以下に説明されるプロトコルの間、種々の従来の目的のために、ガイドワイヤ外被402におよびそれを通して、送達され得る。
ハンドル410はまた、ガイドワイヤ404、406、および408のそれぞれを取り外し可能に受け取る、複数の湾曲スロット419(図17)を含む、近位部材417を有する。湾曲スロット構造は、摩擦によって、ガイドワイヤをスロット内に保定し、一時的または恒久的に、それらをハンドルから除去することを所望するとき、ガイドワイヤの容易な切り離しおよび交換を可能にする。
取り外し可能リテーナ418は、ガイドワイヤ外被402のコネクタハブ412と、ガイドワイヤ404、406、および408のそれぞれの遠位領域の両方に切り離し可能に固着される。リテーナ414が、図14に示されるように、定位置にあるとき、ガイドワイヤは、以下により詳細に説明されるように、ガイドワイヤが、診断カテーテルに導入されるにつれて、定位置に保持されるであろうように、ガイドワイヤ外被402に対して不動化されるであろう。リテーナ418が、図15および図17に示されるように、切り離されると、ガイドワイヤは、ガイドワイヤ外被402に対して自由に移動可能であって、任意の所与のガイドワイヤが、ハンドル410から切り離されると、外被を通して、個々に前進され得る。トルカ426は、ガイドワイヤ404、406、および408のそれぞれに取り外し可能に取り付けられ、ハンドルから切り離されると、ガイドワイヤの操作を補助する。
図16および17に示されるように、ガイドワイヤ外被402のコネクタハブ412は、以下により詳細に説明されるように、ガイドワイヤ外被402が、診断カテーテルの管腔内に挿入されると、診断カテーテル424の近位ハブ428に取り付けられ得る。
図17に示されるように、第1のガイドワイヤ404は、ハンドル10のスロット419aから切り離され得、トルカ426は、ガイドワイヤ404が、診断カテーテルの遠位端425から出射するように、ガイドワイヤ外被402および診断カテーテル424の両方を通して、ガイドワイヤを前進させるために利用され得る。ガイドワイヤ406および408もそれぞれ、同様に、ハンドル410から切り離され、ガイドワイヤ外被402および診断カテーテル424を通して前進され、並列に位置し、進入場所から標的領域まで追跡するための継続的レールを提供するように、全3つのガイドワイヤを標的領域まで前進させてもよいことを理解されるであろう。ガイドワイヤ404、406、および408が、そのように位置付けられると、診断カテーテル424およびガイドワイヤ外被402は、便宜的に、ハンドル410を使用して、ワイヤを経由して、同時に除去され得る。ワイヤは、通常、患者の外側に位置するワイヤの部分が、ガイドワイヤ外被402の長さより長く、常時、診断カテーテル424およびガイドワイヤ外被402が除去されるにつれて、アクセス可能なガイドワイヤの一部が存在するように、十分に長いであろう。
ガイドワイヤシステム400はまた、図14に示されるように、ガイドワイヤレース430を含む。ガイドワイヤの近位端を管理するための他の好適な手段もまた、利用され得る。
次に、図18Aから18Eを参照して、腹部大動脈動脈瘤AAA内のステントグラフトアセンブリの対側脚の留置が、説明される。図18Aに示されるように、ステントグラフトSGの主要本体は、動脈瘤AAAの上方の大動脈と右腸骨動脈RIとの間に留置されている。開口部または入口Gが、ステントグラフト内に存在し、左腸骨動脈LI内に延在するであろう、対側脚と称される、短いステントグラフト部分を受け取るように意図される。最初に、診断カテーテル424が、概して従来の様式において、左大腿動脈LFに進入する、シースSを通して留置される。
ステントグラフトの対側脚を導入するために、一対のガイドワイヤ440および442(図18Bから18D)が、本発明のガイドワイヤ留置システムを使用して、留置されるであろう。最初に、図18Bに示されるように、ガイドワイヤ外被402が、診断カテーテル424の管腔内に導入され、ガイドワイヤ外被のコネクタハブ412が、診断カテーテル424の近位ハブ428に接続される。本図では、ガイドワイヤ外被402の本体は、診断カテーテル424の管腔内に全体的に位置するため、可視ではない。ワイヤ440および442は、コネクタハブ412から近位に延在し、リテーナ418(図14)は、ワイヤが自由に移動するように、除去されている。
ワイヤ404、406、および408は、次いで、ハンドル上の遠位コネクタ414が、ガイドワイヤ外被402上のコネクタハブ412に到達し、そこに接続するまで、ハンドル410を使用して、同時に前進される。また、図18Cに示されるように、ワイヤ440および442は、ハンドル10上のスロット419(図16)から切り離されており、ワイヤは、ステントグラフトSGの中心を通して、腹部大動脈動脈瘤AAAの上方の大動脈内に延在するまで、個々に、前進される。ワイヤが、ステントグラフトを越えて前進されると、ワイヤのうちの少なくとも1つ上の放射線不透過性マーカーが、ワイヤの留置が確認され得るように観察され得る。
ワイヤ440および442の留置が確認されると、ガイドワイヤ外被402および診断カテーテル424は、ワイヤを経由して、それらを抜去するために、便宜的に、ハンドル402を使用して、除去され得る。ワイヤは、次いで、図18Dに示されるように、ステントグラフトSGの入口Gを通して、ステント送達カテーテル460を導入するために利用可能となる。送達カテーテル460は、種々の従来のカテーテルの任意の1つであってもよく、特に、図18Eに示されるように、入口Gおよび左腸骨動脈LIの上端内に拡張するように、自己拡張式対側脚CLを解放するであろう。対側脚が留置されると、カテーテル460およびガイドワイヤは、除去され得、ステントグラフト埋込の他の部分が、行なわれ得る。
本発明のガイドワイヤシステムのさらなる代替構造が、図19Aおよび19Bに示される。ガイドワイヤシステム500は、ルアーコネクタ504をその近位端に伴う管状体503を有する、ガイドワイヤ外被502を含む。Touhy Borstコネクタ506は、ルアーコネクタ504に取り付けられ、通常、ガイドワイヤ外被502を通して、造影剤または他の流体を産生するためのコネクタポート520を有する、流体コネクタまたは管518を含むであろう。ガイドワイヤシステム500は、前述の実施形態と同様に、ハンドルと併用されるように意図されない。この理由から、流体コネクタ518およびポート520は、直接、ルアーに添着される、Touhy Borst上に提供される。
第1のガイドワイヤ508および第2のガイドワイヤ510は、部分的に、ガイドワイヤ外被502の管状体503内に前進されるように図示される。随意に、ガイドワイヤリテーナ(図示されないが、前述で例証されたリテーナ418に類似する)は、ガイドワイヤ508および510をTouhy Borstコネクタ506および/またはルアー504上に不動化するために提供され得る。第1のトルカ512および第2のトルカ514は、それぞれ、第1のガイドワイヤ508および第2のガイドワイヤ510上に搭載されるように示され、随意に、ガイドワイヤ収容体516が、図19Bに示されるように、採用され得る。図19Aおよび19Bに示されるように、ガイドワイヤシステム500は、診断または他の以前に位置付けられたカテーテル内およびそれを通して、前進されるように準備ができている。定位置に来ると、ガイドワイヤ508および510は、図18A−18Eを参照して前述のものと類似する様式において、個々にまたは同時に、患者内に前進され得る。
具体的解剖学的状況が、本明細書に説明されるが、本発明が有用性を有する、多くの他の体腔対象が存在することは、当業者に明白であるはずである。また、本発明の具体的実施例が、開示されるが、本発明は、これらの説明に限定されず、本発明の基本パラメータ内に包含および想定され得る、管外被内に封入されるかどうかにかかわらず、類似または異なる幾何学形状の並列ガイドワイヤを使用する基本概念から生成され得る、本発明の多くの変形例が存在することは、明白であるはずである。

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  1. 本明細書に記載の発明。
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