JP2017208531A - コンデンサモジュール - Google Patents

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鈴木  啓介
高志 増澤
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Abstract

【課題】寄生インダクタンスを充分に低減することができるコンデンサモジュールを提供すること。【解決手段】コンデンサモジュール1は、正極導体部2および負極導体部を備えた配線基板4と、配線基板4に搭載された複数のコンデンサ5a、5bと、を有する。複数のコンデンサ5a、5bは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。複数のコンデンサ5a、5bは、内部電流経路における主要な電流方向Ia、Ibに直交する方向に並ぶように、隣接配置されている。互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士は、主要な電流方向Ia、Ibが互いに逆向きとなるように、正極導体部2および負極導体部に接続されている。【選択図】図5

Description

本発明は、複数のコンデンサを備えたコンデンサモジュールに関する。
例えば、電力変換装置においては、直流電源からスイッチング回路部へ供給される電圧を平滑化するコンデンサが設けられている。かかる回路構成において、スイッチング素子のオンオフ動作によって電流の通電、遮断が繰り返される。そして、スイッチング素子のオンオフ動作に伴い、回路に寄生するインダクタンスに起因して、サージ電圧が発生する。
そこで、回路を構成する導体配線の配置を工夫して、寄生インダクタンスを低減することが行われている。
しかし、導体配線の配置だけでは、コンデンサに流れる電流に起因するインダクタンスを低減することができない。特許文献1には、2つのコンデンサを備えた電子部品実装構造において、コンデンサに流れる電流の向きが互いに逆向きになるように、2つのコンデンサを配置した構造が開示されている。
特許第4924698号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された構成において、2つのコンデンサの静電容量が互いに異なる場合には、各コンデンサに流れる電流に起因する磁束同士が充分に打ち消しあわず、寄生インダクタンスを低減することが困難である。また、2つのコンデンサの内部電流経路の構造が異なる場合にも、同様に、寄生インダクタンスを低減することが困難である。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、寄生インダクタンスを充分に低減することができるコンデンサモジュールを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、正極導体部(2)および負極導体部(3)を備えた配線基板(4)と、
該配線基板に搭載された複数のコンデンサ(5a、5b、5c)と、を有し、
該複数のコンデンサは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有し、
上記複数のコンデンサは、上記内部電流経路における主要な電流方向(Ia、Ib、Ic)に直交する方向に並ぶように、隣接配置されており、
互いに隣接配置された上記コンデンサ同士は、上記主要な電流方向が互いに逆向きとなるように、上記正極導体部および上記負極導体部に接続されている、コンデンサモジュール(1、10)にある。
上記コンデンサモジュールにおいて、複数のコンデンサは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。それゆえ、複数のコンデンサを、主要な電流方向が互いに逆向きとなるような配置とすることにより、寄生インダクタンスを効果的に低減することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、寄生インダクタンスを充分に低減することができるコンデンサモジュールを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、コンデンサモジュールの斜視図。 実施形態1における、コンデンサモジュールの平面図。 実施形態1における、コンデンサモジュールの側面図。 実施形態1における、コンデンサモジュールの正面図。 実施形態1における、電流経路を示すコンデンサモジュールの斜視説明図。 実施形態1における、電流経路を示すコンデンサモジュールの平面説明図。 実施形態1における、コンデンサ素子の断面説明図。 実施形態1における、配線基板の斜視図。 実施形態1における、配線基板の平面図。 実施形態1における、コンデンサモジュールを用いた電力変換装置の回路図。 比較形態1における、コンデンサモジュールの斜視図。 比較形態1における、コンデンサモジュールの平面図。 比較形態2における、コンデンサモジュールの平面図。 実施形態2における、電流経路を示すコンデンサモジュールの平面説明図。 実施形態3における、コンデンサモジュールの斜視図。 実施形態4における、コンデンサモジュールの斜視図。 実施形態5における、コンデンサモジュールの斜視図。 実施形態6における、コンデンサモジュールの斜視図。
(実施形態1)
コンデンサモジュールの実施形態につき、図1〜図10を用いて説明する。
本実施形態のコンデンサモジュール1は、図1〜図4に示すごとく、正極導体部2および負極導体部3を備えた配線基板4と、配線基板4に搭載された複数のコンデンサ5a、5bと、を有する。
複数のコンデンサ5a、5bは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。
図5、図6に示すごとく、複数のコンデンサ5a、5bは、内部電流経路における主要な電流方向Ia、Ibに直交する方向に並ぶように、隣接配置されている。
互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士は、主要な電流方向Ia、Ibが互いに逆向きとなるように、正極導体部2および負極導体部3に接続されている。
複数のコンデンサ5a、5bの並び方向を、以下において、適宜、X方向という。また、配線基板4の法線方向を、適宜、Z方向という。そして、X方向とZ方向との双方に直交する方向を、適宜、Y方向という。コンデンサ5a、5bにおける主要な電流方向Ia、Ibは、Y方向となる。
本実施形態のコンデンサモジュール1は、2個のコンデンサ5a、5bを有する。そして、2個のコンデンサ5a、5bは、同じ規格のコンデンサ5a、5bであり、同じ大きさ、同じ形状を有する。これにより、2個のコンデンサ5a、5bは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。ここで、コンデンサ5a、5bにおける一般的な容量値の個体差の範囲内であれば、2つのコンデンサ5a、5bの静電容量は同じであるとする。例えば、静電容量の差が20%程度以下であれば、同じ静電容量であるとする。また、本実施形態において、内部電流経路は、コンデンサ5a、5bにおける内部電極からなる。
本実施形態において、コンデンサ5a、5bは、フィルムコンデンサである。すなわち、コンデンサ5a、5bにおけるコンデンサ素子50は、図7に示すごとく、誘電体フィルム52の表面に金属皮膜53を形成した金属化フィルムを巻回してなる。金属皮膜53が上述の内部電極である。そして、金属化フィルムの巻回軸方向の両端面に一対の端面電極54が設けられている。一方の端面電極54に接続された金属皮膜53と、他方の端面電極54に接続された金属皮膜53とが、交互に配置されている。さらに端面電極54に、リード部55が接続されている。このように配されたリード部55と端面電極54と、金属化フィルムとによって、コンデンサ5a、5bが構成されている。そして、内部電流経路の構造が、2つのコンデンサ5a、5bの間で同じとなっている。
また、コンデンサ素子50は、上述のように金属化フィルムを巻回してなるものであってもよいが、複数枚の金属化フィルムを積層してなるものであってもよい。
なお、コンデンサ5a、5bは、セラミックコンデンサとすることもできる。この場合にも、内部電極およびこれに電気的に接続された導体部、並びに内部電極間に配された誘電体部によって、内部電流経路が形成される。
また、図1〜図4に示すごとく、コンデンサ5a、5bは、コンデンサ素子50を内部に収容するケース51を備えている。ケース51は、コンデンサ素子50における配線基板4側を開放した略直方体形状に形成されている。ケース51は、例えば樹脂等の絶縁部材からなる。そして、コンデンサ素子50は、ケース51内において、図示しない樹脂によって封止されている。また、封止樹脂から、リード部55が突出している。
リード部55は、コンデンサ素子50の一対の端面電極54に、それぞれ2本ずつ接続されている。そして、各コンデンサ5a、5bにおける4本のリード部55は、互いに平行に配設されている。
上記のように構成された2個のコンデンサ5a、5bが、配線基板4の広がり方向に並んで互いに隣接配置されている。
配線基板4は、図3、図4、図8、図9に示すごとく、絶縁基板41と、正極導体部2および負極導体部3とを備えている。正極導体部2と負極導体部3とは、絶縁基板41における互いに反対側の面に形成されている。
正極導体部2及び負極導体部3は、それぞれ絶縁基板41の主面における広がり方向に、平面状に形成されている。正極導体部2は、主導体部20と、主導体部20から突出した2つの端子部21、22とを有する。負極導体部3も、主導体部30と、主導体部30から突出した2つの端子部31、32とを有する。
正極導体部2の主導体部20と負極導体部3の主導体部30とは、配線基板4の法線方向、すなわちZ方向から見たとき、互いに重なるように配置されている。一方、端子部21、22、31、32は、Z方向から見たとき、互いに重ならないように配置されている。そして、各端子部21、22、31、32には、配線基板4を貫通するスルーホール43が形成されている。
また、図2〜図4に示すごとく、主導体部20、30が形成された領域に、コンデンサ5a、5bが搭載される。それゆえ、図1、図8、図9に示すごとく、コンデンサ5a、5bのリード部55を接続するためのスルーホール42が、主導体部20、30の形成領域内に複数形成されている。複数のスルーホール42のうちの一部は、正極導体部2に電気的に接続されている。このスルーホールを以下において、正極スルーホール422という。また、複数のスルーホール42のうちの他の一部は、負極導体部3に電気的に接続されている。このスルーホールを以下において、負極スルーホール423という。
負極導体部3の主導体部30には、正極スルーホール422の周囲に逃し301を設けてある。また、正極導体部2の主導体部20には、負極スルーホール423の周囲に逃し201を設けてある。これにより、スルーホール42を介して正極導体部2と負極導体部3とが短絡しないようになっている。
図2に示すごとく、コンデンサ5aにおける一方の電極の2つのリード部55は、正極スルーホール422に接続され、他方の電極の2つのリード部55は、負極スルーホール423に接続されている。コンデンサ5aが接続される正極スルーホール422と負極スルーホール423とは、Y方向における反対側の位置に配設されている。
コンデンサ5bにおける一方の電極の2つのリード部55は、正極スルーホール422に接続され、他方の電極の2つのリード部55は、負極スルーホール423に接続されている。コンデンサ5bが接続される正極スルーホール422と負極スルーホール423とは、Y方向における反対側の位置に配設されている。
そして、コンデンサ5aが接続される正極スルーホール422と、コンデンサ5bが接続される正極スルーホール422とは、Y方向における互いに反対側の位置に配設されている。コンデンサ5aが接続される負極スルーホール423と、コンデンサ5bが接続される負極スルーホール423とは、Y方向における互いに反対側の位置に配設されている。
また、コンデンサ5aが接続される2つの正極スルーホール422と、コンデンサ5bが接続される2つの負極スルーホール423とは、X方向に一直線状に配列されている。コンデンサ5aが接続される2つの負極スルーホール423と、コンデンサ5bが接続される2つの正極スルーホール422とは、X方向に一直線状に配列されている。
これらのスルーホール42にリード部55を挿通すると共にハンダ等によって接続することで、図1〜図4に示すごとく、2つのコンデンサ5a、5bが配線基板4に搭載されている。これにより、2つのコンデンサ5a、5bは、一対の端面電極54の並び方向が、Y方向となるように配置されている。そして、2つのコンデンサ5a、5bにおいて、正極側となる端面電極54と、負極側となる端面電極54とが、Y方向における互いに反対側の位置となる。図6に示すごとく、各コンデンサ5a、5bにおいては、主として、正極側の端面電極54から負極側の端面電極54へ向かって電流が流れるため、2つのコンデンサ5a、5bの内部電流経路における主要な電流方向Ia、Ibは、互いに逆向きとなる。
すなわち、2つのコンデンサ5a、5bにおける主要な電流方向Ia、Ibは、Y方向に平行であると共に、互いに逆向きとなる。
また、複数のコンデンサ5a、5bは、主要な電流方向Ia、Ibにおける位置が互いに同じとなるように配置されている。つまり、2つのコンデンサ5a、5bは、Y方向にずれることなく、Y方向の同じ位置に配置されている。2つのコンデンサ5a、5bの大きさは同じであるため、Y方向の両端部の位置が、いずれもY方向における同じ位置にあることとなる。
コンデンサモジュール1は、端子部22、32において、図示しない直流電源に接続される。すなわち、直流電源の正極に端子部22が接続され、直流電源の負極に端子部32が接続される。また、コンデンサモジュール1は、端子部21、31において、後述するスイッチング回路部62に接続される(図10参照)。これにより、図5、図6に示すごとく、端子部21から流入した電流は、正極導体部2を通じて、コンデンサ5a、5bにそれぞれ流入する。このとき、コンデンサ5aのリード部55と、コンデンサ5bのリード部55とは、互いにY方向の反対側において正極導体部2に接続されている。それゆえ、2つのコンデンサ5a、5bには、Y方向の反対側から、電流が流入することとなる。なお、図5、図6、図9において、一点鎖線の矢印i2a、i2bが正極導体部2を通る電流方向を示し、破線の矢印i3a、i3bが負極導体部3を通る電流方向を示す。
そして、コンデンサ5a、5bの内部電流経路を、互いにY方向の反対側に向かって電流が流れる。そして、負極スルーホールに接続されたリード部55を介して、負極導体部3に電流が流入する。つまり、コンデンサ5a、5bの内部電流経路から流出した電流は、Y方向において、互いに反対側から、負極導体部3へ流入する。そして、これらの電流は、負極導体部3の端子部31へ向かう。
このように、2つのコンデンサ5a、5bのそれぞれを含む2つの電流経路には、同時に電流が流れる。そして、2つのコンデンサ5a、5bの内部電流経路に流れる電流は、互いに反対側を向く。それゆえ、近接効果によって、コンデンサ5a、5bの内部電流経路の中でも、互いに近い部位に集中して電流が流れることとなる。それゆえ、図6に示すごとく、コンデンサ5a、5bの内部において、X方向における互いに近い位置に多くの電流が流れる。これに伴い、X方向において互いに近い側のリード部55に、多くの電流が流れることとなる。
また、図8、図9に示すごとく、配線基板4における正極導体部2に流れる電流i2a、i2bと負極導体部3に流れる電流i3a、i3bとは、概ね互いに逆向きの電流となる。すなわち、コンデンサ5aを含む電流経路と、コンデンサ5bを含む電流経路とは、配線基板4における正極導体部2及び負極導体部3においても、互いに略逆向きとなる。
また、コンデンサモジュール1は、例えば、図10に示すごとく、電力変換装置における直流電源61とスイッチング回路部62との間に接続されて用いられる。すなわち、コンデンサモジュール1は、直流電源からスイッチング回路部62へ供給される電圧を平滑化する平滑コンデンサとして用いられる。コンデンサモジュール1における2つのコンデンサ5a、5bは、互いに並列接続された状態となる。また、コンデンサモジュール1における端子部22、32が、それぞれ直流電源61の正極と負極とに接続される。また、コンデンサモジュール1における端子部21、31が、それぞれスイッチング回路部62における高電位配線631と低電位配線632とに接続される。
そして、2つのコンデンサ5a、5bには、同等のタイミングにて、同等の電流が流れる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
上記コンデンサモジュール1において、2つのコンデンサ5a、5bは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。それゆえ、2つのコンデンサ5a、5bを、主要な電流方向Ia、Ibが互いに逆向きとなるような配置とすることにより、寄生インダクタンスを効果的に低減することができる。
また、正極導体部2と負極導体部3とは、絶縁基板41における互いに反対側の面に形成されている。これにより、正極導体部2と負極導体部3とを、互いにZ方向において重なるように近接配置させることができる。それゆえ、2つのコンデンサ5a、5bをそれぞれ含む電流経路は、コンデンサ5a、5bの内部のみならず、正極導体部2及び負極導体部3を含めたコンデンサモジュール1全体において、互いに逆向きに電流が流れるようにすることができる。その結果、正極導体部2及び負極導体部3においても、磁束を打ち消し合い、寄生インダクタンスを効果的に低減することができる。
また、2つのコンデンサ5a、5bは、Y方向における位置が互いに同じとなるように配置されている。そのため、コンデンサ5a、5bの内部電流経路におけるインダクタンスを効果的に低減することができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、寄生インダクタンスを充分に低減することができるコンデンサモジュールを提供することができる。
(比較形態1)
本比較形態は、図11、図12に示すごとく、2つのコンデンサ5a、5bを、主要な電流方向Ia、Ibが互いに同じ向きとなるように配線した、コンデンサモジュール9の形態である。
このコンデンサモジュール9は、配線基板94の構造が、実施形態1とは異なり、正極スルーホール422および負極スルーホール423等の配置が、実施形態1における配線基板4とは異なる。これにより、正極導体部2に接続されるコンデンサ5a、5bのリード部55の位置が、2つのコンデンサ5a、5bにおいて、Y方向の同じ側となる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。なお、比較形態1以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
この場合、コンデンサ5a、5bを流れる主要な電流方向Ia、Ibは、同じ向きとなる。それゆえ、2つのコンデンサ5a、5bに流れる電流に起因する磁束が打ち消し合うことはなく、寄生インダクタンスを低減することができない。
(比較形態2)
本比較形態は、図13に示すごとく、2つのコンデンサ5d、5eを、互いに異なる体格、異なる静電容量のものとした、コンデンサモジュール90の形態である。
この場合、2つのコンデンサ5d、5eに流れる主要な電流方向Id、Ieを、互いに反対向きとなるようにしても、両者のそれぞれに起因する磁束の大きさが異なる。それゆえ、充分に磁束を打ち消し合うことができず、寄生インダクタンスを充分に低減することができない。
(実施形態2)
本実施形態は、図14に示すごとく、3個のコンデンサ5a、5b、5cを配線基板4に搭載してなるコンデンサモジュール10の例である。
3個のコンデンサ5a、5b、5cは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有する。また、3個のコンデンサ5a、5b、5cは、内部電流経路における主要な電流方向Ia、Ib、Icに直交する方向に並ぶように、隣接配置されている。すなわち、3個のコンデンサ5a、5b、5cは、X方向に並んで配置されている。
そして、隣り合うコンデンサ同士は、主要な電流方向Ia、Ib、Icが互いに逆向きとなるように、正極導体部2および負極導体部3に接続されている。すなわち、コンデンサ5aおよびコンデンサ5cにおける主要な電流方向Ia、Icは、これらの間に配されたコンデンサ5bにおける主要な電流方向Ibと逆向きとなるよう構成されている。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
X方向の中央に配されたコンデンサ5bには、内部電流経路のうち、X方向の両端部に集中して多く流れる。すなわち、コンデンサ5bに流れる電流は、X方向の双方にそれぞれ隣接するコンデンサ5a、5cにそれぞれ流れる電流との間における近接効果によって、X方向の両端部に集中して多く流れる。これに伴い、コンデンサ5a、5cには、内部電流経路のうち、X方向における中央のコンデンサ5bに近い側の端部付近に集中して電流が流れる。
上述のように、コンデンサ5bに流れる電流と、コンデンサ5a、5cに流れる電流とが逆向きに流れることにより、寄生インダクタンスを低減することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本実施形態においては、図15に示すごとく、互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士が、内部電極の少なくとも一部に、互いに対向する対向平面部531を有する。
すなわち、コンデンサ5a、5bは、それぞれ、渦巻状に巻回された金属化フィルムを備える。そして、金属化フィルムは、実施形態1において図7を参照して説明したように、誘電体フィルム52に金属皮膜53を形成してなり、金属皮膜53が内部電極となる。したがって、この金属皮膜53が渦巻状に巻回された状態にある。
そして、金属皮膜53の一部に、互いに対向する対向平面部531が形成されている。つまり、コンデンサ5aの内部電極である金属皮膜53と、コンデンサ5bの内部電極である金属皮膜53とが、互いに対向する部分を、平面状に形成している。この平面状に形成された部分が、対向平面部531である。また、これらの対向平面部531は、互いに平行に配置されている。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士が、互いに対向する対向平面部531を有する。そのため、コンデンサ5a、5bをそれぞれ流れる電流のより多くが、互いに近接しつつ逆向きに流れるようにすることができる。その結果、寄生インダクタンスをより効果的に低減することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本実施形態においても、図16に示すごとく、互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士が、内部電極の少なくとも一部に、互いに対向する対向平面部531を有する。
本実施形態においては、コンデンサ5a、5bは、それぞれ積層された複数の金属化フィルムを備える。それゆえ、内部電極である金属皮膜53が積層された状態にある。また、この金属皮膜53の積層方向は、X方向、すなわち隣り合うコンデンサ5a、5bの並び方向である。
したがって、コンデンサ5aにおける内部電極である金属皮膜53と、コンデンサ5bにおける内部電極である金属皮膜53とが、互いに対向する部分は、平面状となる。この平面状となる部分が、対向平面部531である。これらの対向平面部531は、互いに平行に配置されている。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においても、実施形態3と同様に、寄生インダクタンスをより効果的に低減することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態5)
本実施形態においては、図17に示すごとく、互いに隣接配置されたコンデンサ5a、5b同士が、絶縁層11を介して互いに接触している。すなわち、コンデンサ5a、5bは、両者の間に介設された絶縁層11の両主面に、それぞれ接触した状態で隣接配置されている。
また、コンデンサ5a、5bは、絶縁層11と共に、一つのケース51に収容されている。絶縁層11としては、例えば絶縁紙を用いることができる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、コンデンサ5a、5b同士を、互いの絶縁を確保しつつ、より近接して配置することができる。その結果、各コンデンサ5a、5bに流れる電流に起因する磁束をより効果的に相殺することができ、インダクタンスをより効果的に低減することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本実施形態においては、図18に示すごとく、複数のコンデンサ5a、5bは、端子部21、31から遠い位置に配されたコンデンサほど、内部電極と上記配線基板とを繋ぐ接続配線のインピーダンスが小さい。
正極導体部2及び負極導体部3は、それぞれスイッチング回路部62(図10参照)と電気的に接続される端子部21、31を、配線基板4の広がり方向における同じ側に設けてある。本実施形態においては、X方向の同じ側に、端子部21、31が設けてある。
コンデンサ5a、5bは、X方向に並んでいる。そして、コンデンサ5bは、コンデンサ5aよりも、端子部21、31から遠い側に配置されている。そして、コンデンサ5bの内部電極と配線基板4とを接続する接続配線のインピーダンスは、コンデンサ5aの内部電極と配線基板4とを接続する接続配線のインピーダンスよりも、小さい。
本実施形態においては、接続配線は、コンデンサ5a、5bの端面電極とリード部55a、55bを含む。そして、本実施形態においては、特に、コンデンサ5bのリード部55bを、コンデンサ5aのリード部55aよりもインピーダンスの小さいものとしている。具体的には、リード部55bを、リード部55aよりも、電流方向に直交する面による断面積が大きくなるような形状としている。すなわち、リード部55aがピン状であるのに対し、リード部55bは、幅広の板状としている。
なお、リード部55a、55bのインダクタンスに差を設ける手段としては、これに限らず、例えば、リード部55a、55bの材質を変える等することもできる。また、コンデンサ5a、5bの端面電極のインピーダンスに差を設けることで、接続配線のインピーダンスに差を設けてもよい。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、端子部21、31から遠い側のコンデンサ5bほど、接続配線(例えばリード部55b)のインピーダンスを小さくしている。これにより、隣り合うコンデンサ5a、5bの内部電流経路をそれぞれ含む電流経路全体のインピーダンスを互いに近付けることができる。すなわち、配線基板4の正極導体部2及び負極導体部3においては、端子部21、31からコンデンサ5aまでの電流経路よりも、端子部21、31からコンデンサ5bまでの電流経路の方が長く、インピーダンスも大きい。そこで、コンデンサ5bの接続配線(例えばリード部55b)を、コンデンサ5aの接続配線(例えばリード部55a)よりも、インピーダンスを小さくする。これにより、隣り合うコンデンサ5a、5bの内部電流経路をそれぞれ含む電流経路全体のインピーダンスを互いに近付けることができる。その結果、隣り合うコンデンサ5a、5bに流れる電流の大きさの差を小さくして、インダクタンスの低減効果を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、上記実施形態においては、配線基板4における正極導体部2が配された側に、コンデンサを配置した例を示したが、負極導体部3が配された側にコンデンサを配置した構成とすることもできる。また、上記実施形態においては、各コンデンサが二対のリード部を備えたものを示したが、各コンデンサのリード部の本数は特に限定されるものではなく、例えば一対とすることもできる。
1、10 コンデンサモジュール
2 正極導体部
3 負極導体部
4 配線基板
5a、5b、5c コンデンサ
Ia、Ib、Ic 主要な電流方向

Claims (8)

  1. 正極導体部(2)および負極導体部(3)を備えた配線基板(4)と、
    該配線基板に搭載された複数のコンデンサ(5a、5b、5c)と、を有し、
    該複数のコンデンサは、互いに同じ静電容量を有すると共に、同じ構造の内部電流経路を有し、
    上記複数のコンデンサは、上記内部電流経路における主要な電流方向(Ia、Ib、Ic)に直交する方向に並ぶように、隣接配置されており、
    互いに隣接配置された上記コンデンサ同士は、上記主要な電流方向が互いに逆向きとなるように、上記正極導体部および上記負極導体部に接続されている、コンデンサモジュール(1、10)。
  2. 上記配線基板は、絶縁基板(41)と、上記正極導体部および上記負極導体部とを備え、上記正極導体部と上記負極導体部とは、上記絶縁基板における互いに反対側の面に形成されている、請求項1に記載のコンデンサモジュール。
  3. 上記複数のコンデンサは、上記主要な電流方向における位置が互いに同じとなるように配置されている、請求項1又は2に記載のコンデンサモジュール。
  4. 上記コンデンサは、フィルムコンデンサである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサモジュール。
  5. 上記コンデンサは、セラミックコンデンサである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンデンサモジュール。
  6. 互いに隣接配置された上記コンデンサ同士は、内部電極(53)の少なくとも一部に、互いに対向する対向平面部(531)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンデンサモジュール。
  7. 互いに隣接配置された上記コンデンサ同士は、絶縁層(11)を介して互いに接触している、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンデンサモジュール。
  8. 上記正極導体部及び上記負極導体部は、それぞれスイッチング回路部(62)と電気的に接続される端子部(21、31)を、上記配線基板の広がり方向における同じ側に設けてあり、上記複数のコンデンサは、上記端子部から遠い位置に配されたコンデンサほど、内部電極(53)と上記配線基板とを繋ぐ接続配線(55a、55b)のインピーダンスが小さい、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンデンサモジュール。
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